JP2010141985A - 直流モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コギングトルクの発生を抑えることができる技術を提供する。
【解決手段】厚みの異なる2種類の界磁マグネットを軸方向に並べて配置する。ここで、界磁マグネットの厚みを変えると、コギングトルクの波形の位相が変化することを利用し、厚みが異なる界磁マグネットのそれぞれが単体で存在する場合に生じるコギングトルクの出力波形の位相が逆位相になるようにする。これにより、この2種類のマグネットを軸方向で隣接して配置すると、2つのコギングトルクの波形が合成されることで打ち消し合い、コギングトルクの波形のピークの値を抑えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】厚みの異なる2種類の界磁マグネットを軸方向に並べて配置する。ここで、界磁マグネットの厚みを変えると、コギングトルクの波形の位相が変化することを利用し、厚みが異なる界磁マグネットのそれぞれが単体で存在する場合に生じるコギングトルクの出力波形の位相が逆位相になるようにする。これにより、この2種類のマグネットを軸方向で隣接して配置すると、2つのコギングトルクの波形が合成されることで打ち消し合い、コギングトルクの波形のピークの値を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流モータに関する。
コギングトルクを抑制する技術として、特許文献1には、界磁マグネットの厚みを軸方向の中央で厚くした構成が記載されている。
特許文献1に記載された技術では、軸方向において界磁マグネットの中央部分の厚みを厚くし、前後に向かって薄くする構成が記載されている。界磁マグネットの厚みを変化させると、コギングトルクを低減させることができるが、それだけではコギングトルクの低減作用は十分ではない。
本発明は、コギングトルクの発生を効果的に抑えることができる直流モータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、環状のヨークと、前記ヨークの内周面に軸方向において隣接して固定された第1の界磁マグネットおよび第2の界磁マグネットとを備え、前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとはその厚みの寸法が異なり、前記第1の界磁マグネットのみを備え、前記第2の界磁マグネットを備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相と、前記第2の界磁マグネットのみを備え、前記第1の界磁マグネットを備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相とが逆位相または略逆位相であることを特徴とする直流モータである。
本発明者らは、界磁マグネットの厚みを変えた場合におけるコギングトルクのコンピュータシミュレーションを行った。この結果、界磁マグネットの厚み寸法を変えると、コギングトルクの周期波形の位相が変わることを見出した。ここでコギングトルクの周期波形というのは、回転子が一回転(360度)したときのコギングトルクの変動をグラフ化したものである。
一方、同一周期で位相が180°(π)異なる2つの波形を重ね合わせることで打ち消し合いが行われ、重ね合わせた後の波形の振幅を小さくできる原理が知られている。本発明は、この原理と上記のシミュレーションの結果とに基づくもので、界磁マグネットを軸方向に2つ並べて配置し、一方の界磁マグネットの影響で発生するコギングトルクの波形と、他方の界磁マグネットの影響で発生するコギングトルクの波形とが逆位相となるように、2つの界磁マグネットの厚み寸法を互いに異なる値とする。
つまり、界磁マグネットを軸方向で2分割し、これら両界磁マグネットそれぞれの厚み寸法を上記コギングトルクの逆位相条件が成立する第1の厚みおよび第2の厚みとすることで、基本的にコギングトルク自体の発生を抑えることを基本的な原理とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子とを備え、前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは異なる寸法を有し、前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第1の界磁マグネットの厚み寸法と、第2の界磁マグネットの厚み寸法とが異なっていても、回転子の外径をその違いに対応させて異なる寸法とすることで、界磁マグネットと回転子との間の隙間寸法を同一にすることができる。前記隙間寸法を同一にすることは、必須ではないが、隙間寸法を極力最小にすることにより、回転子に流入する磁束量を、最大限に増加させることになる。回転子に流入する磁束量を増加させることにより、モータトルクを増加させることになり、結果として、消費エネルギーを下げることを可能にする。ここでの最小の隙間寸法というのは、大概、部品加工精度、組み立て信頼性、コスト等により、決定される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子とを備え、前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは同一または略同一の寸法を有し、前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一となるように、前記環状のヨークは、第1の内径部分と第2の内径部分とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ヨークの内径を2段構造とすることで、第1の界磁マグネットの厚み寸法と、第2の界磁マグネットの厚み寸法とが異なっていても、界磁マグネットと回転子との間の隙間寸法を同一にすることができる。前記隙間寸法を同一にすることは、必須ではないが、隙間寸法を極力最小にすることにより、回転子に流入する磁束量を、最大限に増加させることになる。回転子に流入する磁束量を増加させることにより、モータトルクを増加させることになり、結果として、消費エネルギーを下げることを可能にする。ここでの最小の隙間寸法というのは、大概、部品加工精度、組み立て信頼性、コスト等により、決定される。
請求項4に記載の発明は、環状のヨークと、前記ヨークの内周面に軸方向において隣接して固定された第1の界磁マグネットおよび第2の界磁マグネットと、前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子とを備え、前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとはその厚みの寸法が異なり、前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは異なる寸法を有し、前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一であることを特徴とする直流モータである。
請求項4に記載の発明によれば、軸方向に隣接して配置された2つの界磁マグネットの厚み寸法を変えることで、上述した逆位相波形の打ち消し効果によるコギングトルクの低減効果が得られる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1の界磁マグネットおよび前記第1の回転子のみを備え、前記第2の界磁マグネットおよび前記第2の回転子を備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相と、前記第2の界磁マグネットおよび前記第2の回転子のみを備え、前記第1の界磁マグネットおよび前記第1の回転子を備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相とが逆位相または略逆位相であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の記載の発明において、前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとが一体に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5に記載の発明において、前記第1の界磁マグネットおよび前記第2の界磁マグネットは、環状の構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、コギングトルクの発生を効果的に抑えることができる直流モータが提供される。
(1)第1の実施形態
(全体の概要)
図1は、発明を利用した直流モータを軸に平行な面で切った断面を示す概念図である。図1には、直流モータ1が示されている。直流モータ1は、磁性体により構成される角が丸い角筒形状のヨーク(モータフレーム)2を備えている。ヨーク2の内側には、第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4とが収められている。
(全体の概要)
図1は、発明を利用した直流モータを軸に平行な面で切った断面を示す概念図である。図1には、直流モータ1が示されている。直流モータ1は、磁性体により構成される角が丸い角筒形状のヨーク(モータフレーム)2を備えている。ヨーク2の内側には、第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4とが収められている。
図2は、界磁マグネットを示す斜視図である。図2(A)は、全体が示された斜視図であり、図2(B)は、界磁マグネットを軸に平行な平面で2つ割りした状態を示す斜視図である。図2には、第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4が示されている。
第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4とは、内周が軸方向に垂直な断面で見て円形を有し、外周が軸方向に垂直な断面で見て角が丸い略四角形状の角筒形状を有している。両界磁マグネットは、その半径方向の厚み寸法のみが異なっている。この例では、第1の界磁マグネット3の内周側から内径を拡大(拡径)することで、第2の界磁マグネット4を得ている。よって、第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4とは、軸方向の長さと外径が同じで、内径が異なる構造とされている。なお、両者の材質は同じであり、着磁も同様の条件で行っている。
図1には、回転子(回転鉄心)5が示されている。回転子5の回転中心には、軸6が貫通した状態で固定されている。軸6は、ベアリング7と8とによりヨーク2に回転可能な状態で支持されている。回転子5は、6個の突極を備えた6スロットの構造を有し、各突極には、図示省略した巻線が巻かれている。符号9の部分は、回転子5の各突極に巻かれた巻線に励磁電流を供給するブラシによる給電機構である。突極、巻線およびブラシ給電機構の構造は、通常の直流モータと同じであるので、詳しい説明は省略する。
図3は、回転子の形状を示す斜視図である。回転子5は、図示する形状の6個の突極を有した鉄板を複数重ねた構造を有している。回転子5の外周は、円周の線に沿った形状とされている。回転子5は、互いに外径の異なる第1の回転子部分5aと第2の回転子部分5bとが、軸6を共通として軸方向に隣接して配置された構造とされている。ここで、第2の回転子部分5bは、第1の回転子部分5aの外径を縮径した構造とされている。
第1の回転子部分5aと第2の回転子部分5bの外径は、以下のようにして決められている。まず、第1の回転子部分5aと第1の界磁マグネット3との隙間の寸法をd1とする。また、第2の回転子部分5bと第2の界磁マグネット4との隙間の寸法をd2とする。ここで、d1=d2となるように、第1の回転子部分5aの外径と、第2の回転子部分5bの外径とが決められている。
この構成によれば、軸方向における界磁マグネットの内径に差があっても、その差を埋めるように軸方向における回転子の外径に差が設けられているので、界磁マグネットと回転子との隙間の寸法は、軸方向において同一にすることができる。前記隙間寸法を同一にすることは、必須ではないが、隙間寸法を極力最小にすることにより、回転子に流入する磁束量を、最大限に増加させることになる。回転子に流入する磁束量を増加させることにより、モータトルクを増加させることになり、結果として、消費エネルギーを下げることを可能にする。ここでの最小の隙間寸法というのは、大概、部品加工精度、組み立て信頼性、コスト等により、決定される。
(界磁マグネットの厚み寸法の決め方)
第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4の厚み寸法の決め方の一例を説明する。まず、第1の界磁マグネット3を備え、第2の界磁マグネット4を備えない構造を想定し、コンピュータシミュレーションにより、コギングトルクの波形を算出する。この際、第1の界磁マグネットの厚みは、当該直流モータの界磁マグネットとして適切な値から選択する。また、回転子5は、第1の回転子部分5aを備え、第2の回転子部分5bを備えない構造とする。
第1の界磁マグネット3と第2の界磁マグネット4の厚み寸法の決め方の一例を説明する。まず、第1の界磁マグネット3を備え、第2の界磁マグネット4を備えない構造を想定し、コンピュータシミュレーションにより、コギングトルクの波形を算出する。この際、第1の界磁マグネットの厚みは、当該直流モータの界磁マグネットとして適切な値から選択する。また、回転子5は、第1の回転子部分5aを備え、第2の回転子部分5bを備えない構造とする。
次に、第2の界磁マグネット4を備え、第1の界磁マグネット3を備えない構造を想定し、コンピュータシミュレーションにより、コギングトルクの波形を算出する。この際、第2の界磁マグネット4の厚みの寸法は、第1の界磁マグネット3の厚みの寸法よりも小さな値とし、コギングトルクの波形が第1の界磁マグネット3のみの場合に比較して位相が180°ずれるもの(逆位相のもの)が得られるように、その値を調整する。ここで、第2の界磁マグネット4は、第1の界磁マグネット3の内径を拡径させた形状(内周から内径が拡がるように削っていった形状)とする。また、回転子5は、第2の回転子部分5bを備え、第1の回転子部分5aを備えない構造とする。
このようにして得られた第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aのみの場合のコギングトルクの波形と、第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bのみの場合のコギングトルクの波形を算出する。図4には、この結果が示されている。図4の横軸は、波形の位相角であり、縦軸は、コギングトルクの値の相対値である。
コギングトルクは、回転子を外部から強制的に回転させた場合に現れる抵抗力の変動である。この変動は、図4に示すように周期的に変動する。この例では、回転子を1回転させると、18周期のコギングトルクの周期的な変動が計測される。
図4には、第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aのみの場合のコギングトルクの波形Aと、第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bのみの場合のコギングトルクの波形Bとが、180°の位相差(逆位相)を有している状態が示されている。そして、図4には、両波形を合成した波形が合成波形として示されている。図4に示すように、両方の波形を合成することで、コギングトルク波形の打ち消し効果が得られ、コギングトルクの値が抑えられる。
すなわち、第1の界磁マグネット3に起因するコギングトルクの波形と、第2の界磁マグネット4に起因するコギングトルクの波形とが逆位相であるので、両界磁マグネットを同時に用いた場合、逆位相の波形は完全ではないが打ち消し合い、それによりコギングトルクのピーク値が抑えられる。
(検証)
上記シミュレーションの結果に基づき、以下3つのサンプルを試作した。
(第1サンプル)
第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aを備え、第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備えない直流モータ。
(第2サンプル)
第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備え、第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aを備えない直流モータ。
(第3サンプル)
第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5a、および第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備えた直流モータ。
上記シミュレーションの結果に基づき、以下3つのサンプルを試作した。
(第1サンプル)
第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aを備え、第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備えない直流モータ。
(第2サンプル)
第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備え、第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5aを備えない直流モータ。
(第3サンプル)
第1の界磁マグネット3と第1の回転子部分5a、および第2の界磁マグネット4と第2の回転子部分5bを備えた直流モータ。
各サンプルは、記載した部分以外の構造は同じとした。また、磁石の材料は、Nd―Fe―B系の希土類ボンド磁石を用いた。ここで、ボンド磁石というのは、樹脂粉末と磁石粉末とを混練した原料ペレットを用いた射出成型法により、形成した磁石のことをいう。この製造法では、上記原料ペレットを加熱して樹脂成分を溶融させ、射出成形を行う。この際、射出成形後に着磁を施すことにより、界磁マグネットを得る。
そして、各サンプルのコギングトルクの測定を行った。使用した測定装置では、コギングトルクの角度依存性を測定できない(平均値が測定される)ので、図4のシミュレーション結果から算出された平均値と、測定された平均値とを比較した。この結果、各サンプルにおいて、±20%の範囲内でコギングトルクの値(平均値)の一致が確認された。これにより、逆位相を示すコギングトルク波形を用いた打ち消し作用によるコギングトルクの低減効果が確認された。
以上述べたように、本実施形態では、厚みの異なる2種類の界磁マグネットを軸方向に並べて配置する。ここで、界磁マグネットの厚みを変えると、コギングトルクの波形の位相が変化することを利用し、2種類の界磁マグネットのそれぞれを単体で用いた場合に出力されるコギングトルクの波形が逆位相になるようにする。これにより、この2種類のマグネットを軸方向で隣接して配置した際に、2つのコギングトルクの波形が合成されることで打ち消し合い、コギングトルクの波形のピークの値を抑えることができる。
また、軸方向に隣接して配置された2つの界磁マグネットの厚みの違い(内径の違い)により、回転子と界磁マグネットとの間の隙間の寸法に違いが生じないように、回転子の外径を2段構造とする。これにより、当該隙間が大きくなることによる損失が抑えられ、高い効率を追究することができる。
(2)第2の実施形態
界磁マグネットを2段配置とした構成において、軸方向で隣接した界磁マグネットの内径を合わせ、外径を変えることで、2つの界磁マグネットの厚みに違いを持たせることもできる。以下、この一例を説明する。図5は、発明を利用した直流モータの他の一例を示す概念図である。図5には、直流モータ50の断面構造が概念的に示されている。
界磁マグネットを2段配置とした構成において、軸方向で隣接した界磁マグネットの内径を合わせ、外径を変えることで、2つの界磁マグネットの厚みに違いを持たせることもできる。以下、この一例を説明する。図5は、発明を利用した直流モータの他の一例を示す概念図である。図5には、直流モータ50の断面構造が概念的に示されている。
図5に示す直流モータ50は、モータフレームを兼ねるヨーク51を備えている。ヨーク51は、断面が角の丸い略四角形状を有した角筒構造を有している。ヨーク51の内側には、相対的に厚さ寸法の大きい第1の界磁マグネット52と相対的に厚さ寸法の小さい第2の界磁マグネット53が収められている。第1の界磁マグネット52は、図1および図2の界磁マグネット3に相当し、第2の界磁マグネット53は、図1および図2の界磁マグネット4に相当する。
第1の界磁マグネット52と第2の界磁マグネット53とは、共に環形状を有し、外周がヨーク51の内周に接した状態で収まる角が丸い略四角形状で、内周が円形の断面形状を有している。ここで、第2の界磁マグネット53は、第1の界磁マグネット52の外径を縮径することで得ている。したがって、第1の界磁マグネット52と第2の界磁マグネット53とは、軸方向で並べると、内径が一致し、外径が一致しない。
ヨーク51の内周は、第1の内径と第2の内径を有した軸方向に置いて段差のある構造とされている。図5の符号54の部分が、第1の内径部分であり、符号55の部分が第2の内径部分である。第1の内径部分54と第2の内径部分55の内径寸法は、第1の界磁マグネット52と第2の界磁マグネット53とを軸方向において両界磁マグネットの軸を一致させた状態でヨーク51内に並べて収めた際に、各界磁マグネットの外周がヨーク51の内周に接し、内周(内径部分)が軸方向で一致する寸法とされている。
第1の界磁マグネット52と第2の界磁マグネット53の内側には、回転子56が配置されている。回転子56は、便宜上第1の回転子部分56aと第2の回転子部分56bとに分けて捉えることができるが、この例では、外径が軸方向で一定な構造とされている。
回転子56は、6個の突極を備えた6スロットの構造を有し、その詳細は、通常の直流モータの場合と同じである。回転子56の回転中心には、軸57が貫通した状態で固定されている。軸57は、ベアリング58と59により、ヨーク51に回転可能な状態で支持されている。符号60は、ブラシ給電機構である。ブラシ給電機構60により、回転子56の突極に巻かれた図示省略した巻線に駆動電力が供給される。この部分の構成は、通常の直流モータと同じである。
この例では、第1の界磁マグネット52と第1の回転子部分56aを備え、第2の界磁マグネット53と第2の回転子部分56bを備えない場合のコギングトルクの波形と、第2の界磁マグネット53と第2の回転子部分56bを備え、第1の界磁マグネット52と第1の回転子部分56aを備えない場合のコギングトルクの波形とが、逆位相となるように、第1の界磁マグネット52の厚み寸法と、第2の界磁マグネットの厚み寸法との関係が選択されている。
この構成によれば、図4に示す逆位相波形の波形打ち消しの効果によるコギングトルクの低減作用が得られる。また、回転子56と界磁マグネット52および53との間の隙間の寸法を同じ値とできる。
(3)第3の実施形態
界磁マグネットは、環状な形状に限定されない。すなわち、界磁マグネットを磁極毎に分離した構造としてもよい。以下この一例を説明する。図6は、発明を利用した直流モータにおける界磁マグネットの一例を示す斜視図である。
界磁マグネットは、環状な形状に限定されない。すなわち、界磁マグネットを磁極毎に分離した構造としてもよい。以下この一例を説明する。図6は、発明を利用した直流モータにおける界磁マグネットの一例を示す斜視図である。
図6に示す例では、図2に示す界磁マグネットを磁極(この場合は4磁極)毎に分離した構造とされている。すなわち、第1の界磁マグネットは、ヨーク内側の4角に配置される第1の界磁マグネット3a〜3dに分割され、第2の界磁マグネットは、ヨーク内側の4角に配置される第2の界磁マグネット4a〜4dに分割されている。また界磁マグネット3aと4a、界磁マグネット3bと4b、界磁マグネット3cと4c、界磁マグネット3dと4dとは、一体の構造とされている。なお、回転子の構造は、第1の実施形態の場合と同じであるので説明は省略する。ここでは、第1の実施形態において、界磁マグネットを磁極毎に分割する例を説明したが、第2の実施形態においても、界磁マグネットを磁極毎に分割してもよい。
(4)第4の実施形態
図1では、ヨークが角の丸い4角の断面形状を有した角筒の場合の例を説明したが、ヨークの外形の形状が円形の直流モータに本発明を適用することもできる。この場合、界磁マグネットが円筒形状となる。また、界磁マグネットが磁極毎に分離された構造であれば、外周が円弧形状の界磁マグネット部が、各磁極の部分に配置される構造となる。
図1では、ヨークが角の丸い4角の断面形状を有した角筒の場合の例を説明したが、ヨークの外形の形状が円形の直流モータに本発明を適用することもできる。この場合、界磁マグネットが円筒形状となる。また、界磁マグネットが磁極毎に分離された構造であれば、外周が円弧形状の界磁マグネット部が、各磁極の部分に配置される構造となる。
(その他)
界磁マグネットの磁極の数は、4に限定されない。回転子も図示する6スロットに限定されない。界磁マグネットを構成する材料は、Sm―Fe―N系の希土類磁石やフェライト磁石であってもよい。これらの磁石は、ボンド磁石であっても焼結磁石であってもよい。
界磁マグネットの磁極の数は、4に限定されない。回転子も図示する6スロットに限定されない。界磁マグネットを構成する材料は、Sm―Fe―N系の希土類磁石やフェライト磁石であってもよい。これらの磁石は、ボンド磁石であっても焼結磁石であってもよい。
2つの界磁マグネットを一体物として形成してもよい。この場合、磁極を構成する界磁マグネット部が、第1の界磁マグネットと第2の界磁マグネットに相当する部分を含む構造となる。また回転子は、一体構造ではなく、軸を共有した構造であれば、軸方向に分離した構造としてもよい。
本発明は、直流モータに利用することができる。
1…直流モータ、2…ヨーク(モータフレーム)、3…第1の界磁マグネット、4…第2に界磁マグネット、5…回転子、5a…第1の回転子部分、5b…第2の回転子部分、6…軸、7…ベアリング、8…ベアリング、9…ブラシ給電機構、50…直流モータ、51…ヨーク(モータフレーム)、52…第1の界磁マグネット、53…第2の界磁マグネット、56…回転子、56a…第1の回転子部分、56b…第2の回転子部分、57…軸、58…ベアリング、59…ベアリング、60…ブラシ給電機構。
Claims (8)
- 環状のヨークと、
前記ヨークの内周面に軸方向において隣接して固定された第1の界磁マグネットおよび第2の界磁マグネットと
を備え、
前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとはその厚みの寸法が異なり、
前記第1の界磁マグネットのみを備え、前記第2の界磁マグネットを備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相と、前記第2の界磁マグネットのみを備え、前記第1の界磁マグネットを備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相とが逆位相または略逆位相であることを特徴とする直流モータ。 - 前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、
前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子と
を備え、
前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは異なる寸法を有し、
前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一であることを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。 - 前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、
前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子と
を備え、
前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは同一または略同一の寸法を有し、
前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一となるように、前記環状のヨークは、第1の内径部分と第2の内径部分とを備えることを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。 - 環状のヨークと、
前記ヨークの内周面に軸方向において隣接して固定された第1の界磁マグネットおよび第2の界磁マグネットと、
前記第1の界磁マグネットの内側に収容された第1の回転子と、
前記第1の回転子と回転軸を共有し、前記第2の界磁マグネットの内側に収容された第2の回転子と
を備え、
前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとはその厚みの寸法が異なり、
前記第1の回転子の外径と前記第2の回転子の外径とは異なる寸法を有し、
前記第1の界磁マグネットの内周面と前記第1の回転子の外周面との間の隙間と、前記第2の界磁マグネットの内周面と前記第2の回転子の外周面との間の隙間とが同一または略同一であることを特徴とする直流モータ。 - 前記第1の界磁マグネットおよび前記第1の回転子のみを備え、前記第2の界磁マグネットおよび前記第2の回転子を備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相と、前記第2の界磁マグネットおよび前記第2の回転子のみを備え、前記第1の界磁マグネットおよび前記第1の回転子を備えない場合に得られるコギングトルクの周期波形の位相とが逆位相または略逆位相であることを特徴とする請求項4に記載の直流モータ。
- 前記第1の界磁マグネットと前記第2の界磁マグネットとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の直流モータ。
- 前記第1の界磁マグネットおよび前記第2の界磁マグネットは、環状の構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流モータ。
- 前記第1の界磁マグネットおよび前記第2の界磁マグネットは、磁極毎に分離されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流モータ。
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JP2008314141A JP2010141985A (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | 直流モータ |
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