JP2010141307A - 薄膜太陽電池の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収層へのアルカリ金属の拡散を確実にかつ十分に行うことができるとともに、製造コストが安価な薄膜太陽電池の製法を提供する。
【解決手段】第1電極層2と第2電極層5との間に光吸収層3を有する薄膜太陽電池の製法であって、元素としてCu、Inおよびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を作製する工程と、該光吸収層溶液を前記第1電極層上に塗布して乾燥させることにより前駆体を作製する工程と、該前駆体を還元雰囲気で熱処理し、前記第1電極層2上に、元素としてCu、Inおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層3を形成する工程と、該光吸収層3上に前記第2電極層5を形成する工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の電極層間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法に関する。
図1は、一般的な薄膜太陽電池の基本構造を示している。この薄膜太陽電池は、図1に示すように、例えば、ソーダライムガラスからなる基板1上に裏面電極となる、例えば、Moからなる第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上にZnS、CdSなどからなるバッファ層4を介して、ZnOなどからなる透明の第2電極層5が形成されている。
化合物半導体からなる光吸収層3としては、高いエネルギー変換効率が得られるものとして、Cu(In,Ga)Seからなる化合物半導体薄膜が用いられている。
そして、従来、第1電極層2、光吸収層3、バッファ層4、第2電極層5は、通常、乾式法といわれる蒸着法やスパッタリング法によって形成されていた。
このような薄膜太陽電池は、ソーダライムガラスからなる基板1からのアルカリ金属が光吸収層3に拡散し、Cu(In,Ga)Seの結晶粒子を粒成長させ、これにより、エネルギー変換効率を向上することができる。
また、従来、第1電極層2にセレン化ナトリウムを蒸着法で析出させ、その上にスパッタリング法により光吸収層3を形成する製法が知られている(特許文献1参照)。さらに、Cu(In,Ga)Se等を蒸着する際に、NaSe、NaS等の化合物を同時に蒸着させた後、熱処理する製法も知られている(特許文献2参照)。
また、従来、スパッタリング法により第1電極層2を形成し、この第1電極層2上にアルカリ金属が溶解した溶液を塗布してアルカリ金属層を形成し、その表面にスパッタリング法により光吸収層3を形成した薄膜太陽電池の製法も知られている(特許文献3参照)。
さらに、スパッタリング法により第1電極層2、光吸収層3を形成した後、光吸収層3にアルカリ金属を含有した溶液を塗布してアルカリ金属層を形成し、この後、熱処理する製法も知られている(特許文献4参照)。
このような薄膜太陽電池の製法では、アルカリ金属層中のアルカリ金属が熱処理時に光吸収層3中に拡散し、光吸収層3中の結晶粒子を粒成長させることができる。
特開平8−222750号公報 特開平8−102546号公報 特開2003−282908号公報 WO2005/109525号の再公表特許公報
しかしながら、特許文献1の製法のように、第1電極層2上に蒸着法またはスパッタリング法によってアルカリ金属層を形成する場合、Na等のアルカリ金属層が吸湿性を有しているため、アルカリ金属層を形成した後、積層プリカーサを形成するまでの間に、アルカリ金属層が大気に触れ、変質して、第1電極層2から剥離してしまうという問題があった。
特許文献2の製法では、アルカリ金属が吸湿性であるという問題に加え、蒸着装置の大型化やこれに伴う設備コストの増大という問題があった。このような特許文献1、2の問題は、蒸着法、スパッタリング法等の乾式法特有の問題であった。
一方、特許文献3、4の製法では、乾式法特有の問題は解決されるが、いずれも、アルカリ金属層を形成するため、熱処理時にアルカリ金属層から光吸収層3へのアルカリ金属の拡散を期待するしかなく、アルカリ金属の光吸収層3への拡散が不安定であり、アルカリ金属層の形成条件、熱処理条件等により、アルカリ金属の拡散状態が変化しやすいという問題があった。
本発明は、光吸収層へのアルカリ金属の拡散を確実にかつ十分に行うことができるとともに、製造コストが安価な薄膜太陽電池の製法を提供することを目的とする。
本発明の薄膜太陽電池の製法は、第1電極層と第2電極層との間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法であって、元素としてCu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を作製する工程と、該光吸収層溶液を前記第1電極層上に塗布して乾燥させることにより前駆体を作製する工程と、該前駆体を還元雰囲気で熱処理し、前記第1電極層上に、元素としてCu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成する工程と、該光吸収層上に前記第2電極層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池の製法では、元素としてCu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を作製し、この光吸収層溶液を電極層上に塗布して乾燥し前駆体を作製し、還元雰囲気で熱処理して光吸収層を形成したので、光吸収層溶液中に、CuおよびIII-B族金属とともにアルカリ金属が溶解しており、アルカリ金属が光吸収層溶液中に均一に分散しているため、光吸収層溶液を塗布して乾燥することによりアルカリ金属の光吸収層内への拡散を確実にかつ十分に行うことができる。
これにより、熱処理する際に、光吸収層を構成する結晶粒子をアルカリ金属により均一にかつ十分に粒成長させることができ、場所によって粒成長ムラ等が生じることがなく、製品毎のエネルギー変換効率をほぼ同一に制御でき、これにより、製造歩留まりを向上することが可能となる。
また、Cu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を用い、この光吸収層溶液を塗布、乾燥させて前駆体を作製し、これを熱処理して、光吸収層を作製するため、従来のように、光吸収層やアルカリ金属層を形成するために蒸着法またはスパッタリング法を用いることがないため、製造工程を簡略化でき、また、高価なガスや装置等を使用することがないため、製造コストも安価とできる。
また、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記還元雰囲気はSeを含有する雰囲気であり、熱処理することにより、元素としてCu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成することを特徴とする。このような製法では、Cu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する前駆体を、Seを含有する雰囲気で熱処理することにより、光吸収層をセレン化し、Cu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有する光吸収層を構成でき、アルカリ金属元素による粒成長をさらに促進することができ、エネルギー変換効率をさらに向上できる。
さらに、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記光吸収層溶液は元素としてSeを含有し、熱処理することにより、元素としてCu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成することを特徴とする。このような製法では、前駆体中にCu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有するため、還元雰囲気での熱処理による粒成長をさらに促進することができ、エネルギー変換効率をさらに向上できる。
また、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記光吸収層溶液は、Cuを含有する溶液、III-B族金属を含有する溶液およびアルカリ金属を含有する溶液を作製し、これらの溶液を混合して作製されることを特徴とする。
このような製法では、Cuを含有する溶液、III-B族金属を含有する溶液およびアルカリ金属を含有する溶液を作製し、混合するため、Cu、Inおよびアルカリ金属を均一溶解でき、また、アルカリ金属の混合ムラがなくなり、均一分散混合できるため、均一な結晶成長を実現して成膜の均一性をさらに向上できるとともに、結晶粒径をさらに大きくすることができる。
さらに、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記還元雰囲気が水分除去した雰囲気であることを特徴とする。このような製法では、水分を除去した還元雰囲気で熱処理するため、光吸収層中のアルカリ金属が水分を吸収することを抑制でき、光吸収層の変質を抑制することができる。
さらに、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記光吸収層溶液は、カルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤とを含む溶媒に、元素としてCuを含む原料、III-B族金属を含む原料およびアルカリ金属を含む原料を溶解させて成ることを特徴とする。
このような製法では、カルコゲン元素含有有機化合物およびルイス塩基性有機溶剤がCu、III-B族金属およびアルカリ金属と安定な錯体を形成することができ、原料を高濃度に溶解することができる。よって、光吸収層溶液の粘度を高めて、厚くて原料が均一に分布した良好な前駆体を形成することができる。
さらに、本発明の薄膜太陽電池の製法では、前記光吸収層溶液は、前記溶媒にCuまたはIII-B族金属が、単体金属の状態またはこれらの合金の状態で直接溶解されて成ることを特徴とする。
なお、前記溶媒にCuまたはIII-B族金属が、単体金属の状態で直接溶解されて成るというのは、前記溶媒にCuまたはIII-B族金属が単体金属の状態で直接、前記溶媒に溶解されていることをいう。また、前記溶媒にCuまたはIII-B族金属が合金の状態で直接溶解されて成るというのは、前記溶媒に、CuとIII-B族金属との合金またはIII-B族金属同士の合金が直接、前記溶媒に溶解されていることをいう。
このような製法では、CuやIII-B族金属を有機金属化合物や金属塩等に変換することなく、直接溶解しているため、光吸収層溶液に光吸収層を構成する成分以外の不純物が残存するのを良好に抑制することができる。また、有機金属化合物や金属塩等への変換が不要となり工程を簡略化できる。
本発明の薄膜太陽電池の製法によれば、光吸収層溶液中に、CuおよびInとともにアルカリ金属が溶解しており、アルカリ金属が光吸収層溶液中に均一に分散しているため、光吸収層溶液を塗布して乾燥することによりアルカリ金属の光吸収層内への拡散を確実にかつ十分に行うことができる。これにより、製品毎のエネルギー変換効率をほぼ同一に制御でき、製造歩留まりを向上することが可能となる。また、従来のように、光吸収層やアルカリ金属層の形成に蒸着法またはスパッタリング法等を用いることがないため、製造工程を簡略化でき、さらに、高価なガスや装置等を使用する必要がないため、製造コストも安価にできる。
薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。
本発明の製法により作製された薄膜太陽電池は、一対の電極層間に光吸収層を有する薄膜太陽電池であり、例えば、図1に示したように、基板1上に裏面電極となる第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上にバッファ層4を介して透明の第2電極層5が形成されている。
基板1としては、例えば、ソーダライムガラス基板、Mo、SUSなどの金属基板、ポリイミドなどの樹脂基板等を用いることができる。この基板1上には第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に光吸収層3が形成されている。この光吸収層3上にバッファ層4を介して第2電極層5が形成され、光吸収層3は第1電極層2と第2電極層5により挟持されており、これにより、一対の第1、第2電極層2、5間に光吸収層3を有する薄膜太陽電池が構成されている。
尚、基板1、第1電極層2、光吸収層3、バッファ層4、第2電極層5を順次積層した例について説明したが、本発明では、一対の第1、第2電極層2、5間に光吸収層3を有する限り、上記層の間に種々の中間層を形成しても良い。また、本発明は基板1を有しないタイプ、言い換えれば、第1電極層2が基板として機能するタイプであっても良い。
化合物半導体からなる光吸収層3としては、高いエネルギー変換効率が得られるものとして、カルコパイライト構造からなる化合物半導体が用いられる。カルコパイライト構造からなる化合物半導体としては、I-III-VI族化合物半導体が用いられ、例えば、CuInSe、Cu(In,Ga)Seが挙げられる。I-III-VI族化合物半導体とは、I−B族(11族ともいう)元素とIII-B族(13族ともいう)元素とVI-B族(16族ともいう)元素との化合物半導体である。
本発明の薄膜太陽電池の製法について説明する。先ず、例えば、ソーダライムガラスからなる基板1を準備する。この基板1に第1電極層2を形成する。この第1電極層2は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、ポリシリコン(SiO)、メタルシリサイド、またはアルミニウム(Al)等のうちいずれかの電極材料を用いることが望ましい。第1電極層2は、蒸着法、スパッタリング法、塗布法などで形成することができる。
次に、第1電極層2上に光吸収層3を形成する。先ず、光吸収層3を形成するための光吸収層溶液を作製する。この光吸収層溶液は、Cu、III-B族金属およびアルカリ金属が溶解した溶液であり、Cu、III-B族金属およびアルカリ金属と、含窒素溶媒とを含有して構成されている。なお、III-B族金属とは、GaやInなどのIII-B族(13族ともいう)金属である。III-B族金属は1種の元素であってもよく、2種以上の元素であってもよい。光吸収層溶液は、Cu、In、Gaおよびアルカリ金属が溶解した溶液であることが望ましい。さらには、Cu、In、Ga、Seおよびアルカリ金属が溶解した溶液であることが望ましい。以下、光吸収層溶液が、Cu、In、Gaおよびアルカリ金属を含有する場合について説明する。
含窒素溶媒としては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、アリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびアニリンのうち少なくとも一種を用いることができる。
光吸収層溶液は、銅化合物、インジウム化合物、ガリウム化合物およびアルカリ金属化合物を、上記した含窒素溶媒に溶解して構成されている。銅化合物としては、例えば、銅、セレン化銅、硫化銅があり、インジウム化合物としては、例えば、インジウム、セレン化インジウム、硫化インジウムがあり、ガリウム化合物としては、例えば、ガリウム、セレン化ガリウム、硫化ガリウムが用いられる。尚、銅は銅化合物ではないが、便宜上、本願明細書中では、銅を銅化合物として記載した。インジウム化合物中のインジウム、ガリウム化合物中のガリウムも同様である。
アルカリ金属化合物は、有機酸アルカリ金属塩、有機アルカリ金属塩、セレン化アルカリ金属塩のうちの少なくとも1種を用いることができる。
有機酸アルカリ金属塩としては、酢酸リチウム(CHCOOLi)、酢酸ナトリウム(CHCOONa)、酢酸カリウム(CHCOOK)などを用いることが望ましい。有機アルカリ金属塩としては、メチルリチウム、メチルナトリウム、メチルカリウム、エチルリチウム、エチルナトリウム、エチルカリウムなどを用いることができる。セレン化アルカリ金属塩としては、セレン化リチウム(LiSe)、セレン化ナトリウム(NaSe)、セレン化カリウム(KSe)を用いることができる。硫化リチウム(LiS)、テルル化リチウム(LiTe)、硫化ナトリウム(NaS)、テルル化ナトリウム(NaTe)、硫化カリウム(KS)、テルル化カリウム(KTe)をも用いることが可能である。
光吸収層溶液は、例えば、銅化合物を含窒素溶媒に溶解した溶液、インジウム化合物を含窒素溶媒に溶解した溶液、ガリウム化合物を含窒素溶媒に溶解した溶液、さらに、上記アルカリ金属化合物を含窒素溶媒に溶解した溶液の4種の溶液を混合することにより作製できる。これにより、Cu、In、Gaおよびアルカリ金属が有機溶媒に均一に溶解した光吸収層溶液を調合することができる。
アルカリ金属化合物は、有機酸アルカリ金属塩、有機アルカリ金属塩、セレン化アルカリ金属塩等を用い、これを有機溶媒に溶解させることにより、アルカリ金属を均一に分散混合することができる。さらに、アルカリ金属化合物が溶解する有機溶媒として、Cu、In、Gaが溶解した有機溶媒と同一種のものを用いることが望ましい。これにより、アルカリ金属が溶解した溶液を、Cu、InおよびGaを含有する溶液に混合し易くすることができるとともに、混合時の再析出の問題をなくすことができる。
光吸収層溶液は、Cu、InおよびGaを含有する一つの溶液に、有機酸アルカリ金属塩、有機アルカリ金属塩およびセレン化アルカリ金属塩のうち少なくとも1種を有機溶媒に溶解した溶液を、添加混合して作製することもできる。
そして、この光吸収層溶液を、上記した基板1の第1電極層2上に塗布し、乾燥して前駆体を作製し、この前駆体を還元雰囲気で熱処理し、第1電極層2上に光吸収層3を形成することができる。この光吸収層3の厚みは、例えば、1.0〜2.5μmとされている。
第1電極層2上への光吸収層溶液の塗布は、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータなどを用いることが望ましい。乾燥は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃で行う。
光吸収層溶液は、有機溶媒または配位子のC、H、N等とCu、In、Gaとが結合したものと、Cu、In、Gaと結合していないC、H、N等が存在しているが、乾燥することにより得られる前駆体は、C、H、N等とCu、In、Gaとが結合したもので構成されている。
熱処理は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。これにより、CuInSe、Cu(In,Ga)Se等からなる光吸収層が得られる。特には、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素雰囲気のうちいずれかであることが望ましい。熱処理時の還元雰囲気は、吸湿剤を通して水分除去した還元雰囲気であることが望ましい。吸湿剤は、水分を除去できるものであれば特に制限はないが、モレキュラーシーブなどが好適に用いられる。熱処理温度は、例えば、400℃〜600℃とされている。
光吸収層3の形成後に、表面のCuSeなどからなる高抵抗層をKCN水溶液でエッチングし、除去することが望ましい。
この後、光吸収層3の上にヘテロ接合のためのn型のバッファ層4を形成する。バンドギャップが小さくて、短波長側の光を透過しにくい、CdS、ZnS、ZnSe、ZnMgO、ZnS/ZnMgO、ZnO、InS、InSe、In(OH)、ZnInSe、ZnInS、ZnSSe、CuI、Mg(OH)などの材料が用いられる。これらは、浸漬塗布法、CBD法(溶液成長法)等により光吸収層まで形成した基板を水溶液に浸して微粒子を堆積させるように作製することができる。
次に、バッファ層4上にITO、ZnOからなる透明の第2電極層5を形成する。この第2電極層は、スパッタ、スプレー、コーティングにより形成することができる。バッファ層4の厚みは、例えば、10〜200nmとされ、第2電極層5の厚みは、例えば、0.5〜3.0μmとされている。
本発明の薄膜太陽電池の製法では、光吸収層溶液中に、Cu、III-B族金属とともにアルカリ金属が溶解しており、この光吸収層溶液を塗布して乾燥することによりアルカリ金属の光吸収層内への拡散を確実かつ十分に行うことができる。従って、熱処理する際に、光吸収層3を構成する粒子をアルカリ金属により均一に粒成長させることができ、場所によって粒成長ムラ等が生じることがなく、製品毎のエネルギー変換効率をほぼ同一に制御でき、これにより、製造歩留まりを向上できる。
また、Cu、III-B族金属およびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を作製し、塗布し熱処理して、光吸収層3を作製するため、従来のように、光吸収層3の形成やアルカリ金属層の形成に蒸着法またはスパッタリング法を用いることがないため、製造工程を簡略化でき、また、高価なガスや装置等を使用することがないため、製造コストも安価とできる。
尚、上記例では、Cu、In、Gaおよびアルカリ金属からなる光吸収層3について説明したが、本発明では、熱処理時に、雰囲気中にSeを含有させ、セレン化雰囲気で熱処理することにより、光吸収層3中にSeを含有せしめることができ、これにより、アルカリ金属による粒成長をさらに促進することが可能となる。また、雰囲気中にSを含有させることにより、光吸収層3中にSを含有せしめることができる。
さらに、光吸収層溶液中に、Cu、In、Ga、アルカリ金属のみならず、Seも含有させることによっても、光吸収層3中にSeを含有せしめることができ、この場合でも、アルカリ金属による粒成長をさらに促進することが可能となる。Seは、セレン化合物が、上記した含窒素溶媒に溶解して構成されており、セレン化合物としては、例えば、セレン、硫化セレンがあり、これをCu、In、Ga、アルカリ金属の溶液と混合した光吸収層溶液を用いて作製できる。また、銅化合物としてセレン化銅、またはインジウム化合物としてセレン化インジウム、またはガリウム化合物としてセレン化ガリウム、またはアルカリ金属化合物としてセレン化アルカリ金属を用いることにより、光吸収層中にSeを含有せしめることもできる。
上記例では、含窒素溶媒中にセレン化銅などの金属カルコゲナイドを溶解させ、この溶液を塗布焼成する方法で説明したが、銅、インジウム、ガリウム、さらにセレン、硫黄を一つの分子中に含有させた単一源前駆体を含窒素化合物、例えばアンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、アリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アニリン、ピリジン、さらにアルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テルピネオール、プロピレングリコール、さらにアセトン、アセトニトリル、トルエン、キシレンなどに溶解させ、塗布焼成したものでも良い。
また、光吸収層溶液は、カルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤とを含む溶媒(以下、混合溶媒Sという)に、元素としてCuを含む原料、III-B族金属を含む原料およびアルカリ金属を含む原料を溶解させて成ることが好ましい。これにより、カルコゲン元素含有有機化合物およびルイス塩基性有機溶剤がCu、III-B族金属およびアルカリ金属と安定な錯体を形成することができ、原料を高濃度に溶解することができる。よって、光吸収層溶液の粘度を高めて、厚くて原料が均一に分布した良好な前駆体を形成することができる。
カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物である。カルコゲン元素とは、VI-B族元素のうちのS、Se、Teをいう。カルコゲン元素がSである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン、スルホキシド、スルホン、チオケトン、スルホン酸、スルホン酸エステルおよびスルホン酸アミド等が挙げられる。好ましくは、金属と錯体を形成して金属溶液を良好に作製できるという観点からは、チオール、スルフィド、ジスルフィド等が良い。特に塗布性を高めるという観点からは、フェニル基を有するものが好ましい。このようなフェニル基を有するものとしては、例えば、チオフェノール、ジフェニルスルフィド等およびこれらの誘導体が挙げられる。
カルコゲン元素がSeである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、セレノール、セレニド、ジセレニド、セレノキシド、セレノン等が挙げられる。好ましくは、金属と錯体を形成して金属溶液を良好に作製できるという観点からは、セレール、セレニド、ジセレニド等が良い。特に塗布性を高めるという観点からは、フェニル基を有するものが好ましい。このようなフェニル基を有するものとしては、例えば、フェニルセレノール、フェニルセレナイド、ジフェニルジセレナイド等およびこれらの誘導体が挙げられる。
カルコゲン元素がTeである場合、カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、テルロール、テルリド、ジテルリド、等が挙げられる。
ルイス塩基性有機溶剤とは、CuやIII-B族金属に対して、ルイス塩基となり得る有機溶剤である。ルイス塩基性有機溶剤としては、ピリジン、アニリン、トリフェニルフォスフィン等およびこれらの誘導体が挙げられる。特に塗布性を高めるという観点からは、沸点が100℃以上であるものが好ましい。
混合溶媒Sは、取り扱い性の観点からは、室温で液状となるような組み合わせであることが好ましい。カルコゲン元素含有有機化合物のmol数は、ルイス塩基性有機溶剤のmol数に対して0.1〜10倍であるのがよい。これにより、光吸収層3を形成するための原料であるCuやIII-B族金属が、カルコゲン元素含有有機化合物およびルイス塩基性有機溶剤と良好に配位結合等の化学結合をすることができ、高濃度の光吸収層溶液を得ることができる。
混合溶媒Sに、CuやIII-B族金属を溶解させて光吸収層溶液を作製する方法としては、混合溶媒SにCuまたはIII-B族金属を、単体金属の状態で直接溶解するか、あるいは、混合溶媒SにCuとIII-B族金属との合金またはIII-B族金属同士の合金を直接溶解させることが好ましい。このような製法では、CuやIII-B族金属を有機金属化合物や金属塩等に変換することなく、直接溶解しているため、光吸収層溶液に光吸収層3を構成する成分以外の不純物が残存するのを良好に抑制することができる。また、有機金属化合物や金属塩等への変換が不要となり工程を簡略化できる。
III-B族金属は1種の元素であってもよく、2種以上の元素であってもよい。2種以上の元素である場合、混合溶媒Sに、III-B族金属を溶解させて溶液を作製する方法としては、上記混合溶媒Sに2種以上のIII-B族金属の混合物を一度に溶解させてもよい。あるいは、各元素のIII-B族金属をそれぞれ上記混合溶媒Sに溶解させた後、これらを混合してもよい。
混合溶媒Sに光吸収層3を構成するための原料としてSeまたはSe化合物を溶解させておいてもよい。混合溶媒Sを用いる場合、Seの金属単体を直接溶解させることができるため、光吸収層3を構成する元素以外の成分が残存することを良好に抑制でき、好ましい。なお、SeまたはSe化合物の供給は、光吸収層溶液を塗布して得られた前駆体にSeまたはSe化合物を含むガスを接触させることにより行なってもよい。また、上記元素Se元素はS元素であってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の薄膜太陽電池の製法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
銅化合物としてセレン化銅(CuSe)を0.206g(1mmol)、インジウム化合物としてセレン化インジウム(InSe)を0.467g(1mmol)、ガリウム化合物としてセレン化ガリウム(GaSe)を0.236g(1mmol)をそれぞれピリジン30mlに溶解し、CuSe、InSe、GaSeのそれぞれが溶解した3種の溶液を作製した。3種の溶液は、Cu、InまたはGaがそれぞれピリジンに溶解していた。
さらに、アルカリ金属塩として、酢酸ナトリウムを、金属換算で2.3×10−5gをピリジン5mlに溶解させ、Naがピリジンに溶解した溶液を作製した。
この後、Cu、In、Gaがピリジンに溶解した3種の溶液のそれぞれと、Naがピリジンに溶解した溶液とを混合し、Cu、In、GaおよびNaが有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を作製した。
この光吸収層溶液をスプレー熱分解法にて、ソーダライムガラス基板のMoからなる第1電極層上に薄膜形成した。薄膜は、グローブボックス内で、キャリアガスとして窒素ガスを用いて光吸収層溶液を噴霧し、第1電極層への塗布を行った。塗布の際には、ソーダライムガラス基板をホットプレートで110℃に加熱しながら、10分間光吸収層溶液を噴霧し、薄膜を形成し、乾燥させた。
薄膜形成後、モレキュラーシーブを通過した水素ガスの雰囲気下で熱処理を実施した。熱処理条件は、525℃まで5分間で急速昇温し、525℃で1時間保持することで行い、自然冷却し、厚み2μmの化合物半導体薄膜からなる光吸収層を作製した。この後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニアに溶解し、これに基板を浸漬し、化合物半導体薄膜上に厚み50nmのCdSからなるバッファー層を形成した。さらに、バッファー層の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜からなる透明の第2電極を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極(取出電極)を形成して、薄膜太陽電池セルを作製した。
薄膜太陽電池セルの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、光吸収層を構成する粒子の平均粒径は1.5μmであった。平均粒径は、3万倍のSEM写真に現れる結晶粒子について、光吸収層の厚み方向の長さを測定し、それらの平均値を求め、平均粒径とした。
同様にして、酢酸ナトリウムの代わりに酢酸カリウム、酢酸リチウムをそれぞれ用い、金属換算でそれぞれ6.9×10−5g、39.0×10−5gをピリジン5mlに溶解させた溶液を用いて、上記と同様にして薄膜太陽電池セルを作製したところ、光吸収層を構成する結晶粒子の平均粒径はそれぞれ1.5μm、1.0μmであった。
さらに、酢酸ナトリウムの量を変更して、金属換算で2.3×10−6gをピリジン5mlに溶解させた溶液を用いて、薄膜太陽電池セルを作製したところ、光吸収層を構成する結晶粒子の平均粒径は1.3μmであった。
比較例として、Naを含有しない、Cu、In、Gaが有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を用いて、上記と同様にして薄膜太陽電池セルを作製したところ、光吸収層の平均粒径は0.2μmであった。
従って、本発明の製法によれば、Cu、In、Gaおよびアルカリ金属が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を用いて光吸収層を形成することによりアルカリ金属の光吸収層内への拡散を確実かつ十分に行うことができ、熱処理する際に、光吸収層を構成する粒子をアルカリ金属により粒成長させることができ、これにより、エネルギー変換効率を向上できることがわかる。
銅化合物としてセレン化銅(CuSe)を0.206g(1mmol)、インジウム化合物としてセレン化インジウム(InSe)を0.467g(1mmol)、ガリウム化合物としてセレン化ガリウム(GaSe)を0.236g(1mmol)をそれぞれヒドラジン30mlに溶解し、CuSe、InSe、GaSeが溶解した3種の溶液を作製した。それぞれの溶液は、Cu、InまたはGaがそれぞれヒドラジンに溶解していた。
さらに、アルカリ金属塩として酢酸ナトリウムを、金属換算で2.3×10−5gをヒドラジン5mlに溶解させ、Naがヒドラジンに溶解した溶液を作製した。
この後、Cu、In、Gaがヒドラジンに溶解したそれぞれの溶液と、Naがヒドラジンに溶解した溶液とを混合し、Cu、In、GaおよびNaがヒドラジンに溶解した光吸収層溶液を作製した。
この光吸収層溶液を用いて、上記実施例1と同様にして、薄膜太陽電池セルを作製し、薄膜太陽電池セルの断面をSEMにて観察し、光吸収層を構成する粒子の平均粒径を求めたところ、1.2μmであり、アルカリ金属を含有しない光吸収層溶液を用いた比較例に比べ、平均粒径が大きかった。
単一源前駆体を用いて、Cu、In、Ga、Seからなる化合物半導体薄膜を形成した。銅−インジウム−セレン合金錯体として、[{P(C6H5)3}2Cu(Se‐C6H5)2In(Se‐C6H5)2]
を、銅−ガリウム−セレン合金錯体として、[{P(C6H5)3}2Cu(Se‐C6H5)2Ga(Se‐C6H5)2]
を用いた。
銅−インジウム−セレン合金錯体9.2g、および銅−ガリウム−セレン合金錯体3.8gをそれぞれピリジン20mlに溶解し、1時間攪拌して、それぞれのピリジン溶液を作製した。その後、それぞれの溶液を混合し、室温で5時間攪拌して、銅、インジウム、ガリウム、セレンを含む溶液を作製した。
続いて、酢酸ナトリウムをピリジン5mlに溶解、攪拌して均一溶液を作製した。銅、インジウム、ガリウム、セレンを含む溶液とナトリウムが溶解した溶液を混合し、1時間攪拌、混合し、光吸収層溶液を作製した。なお、ナトリウムの添加量は、金属換算で2.3×10−5g、2.3×10−6gとした。
この光吸収層溶液を、窒素ガスをフローしたグローブボックス内で、ダイコーターを用いて薄膜形成した。これを、ホットプレートで150℃で1分間加熱して、薄膜中に残存するピリジンを揮発させた。
乾燥後、モレキュラーシーブを通過した水素ガスの雰囲気下で熱処理を実施した。熱処理条件は525℃まで5分間で急速昇温し、525℃で1時間熱処理を行い、自然冷却し、厚み2μmの化合物半導体薄膜からなる光吸収層を作製した。熱処理後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニアに溶解し、これに基板を浸漬し、光吸収層上にCdSバッファー層形成した。さらに、バッファー層の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極を形成して、太陽電池セルを作製した。
薄膜太陽電池セルの断面をSEMにて観察したところ、光吸収層を構成する結晶粒子の平均粒径はそれぞれ1.5μm、1.3μmであった。
1・・・基板
2・・・第1電極層
3・・・光吸収層
4・・・バッファー層
5・・・第2電極層

Claims (7)

  1. 第1電極層と第2電極層との間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法であって、元素としてCu、III-B族金属よびアルカリ金属を含有する光吸収層溶液を作製する工程と、該光吸収層溶液を前記第1電極層上に塗布して乾燥させることにより前駆体を作製する工程と、該前駆体を還元雰囲気で熱処理し、前記第1電極層上に、元素としてCu、Inおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成する工程と、該光吸収層上に前記第2電極層を形成する工程とを具備することを特徴とする薄膜太陽電池の製法。
  2. 前記還元雰囲気はSeを含有する雰囲気であり、熱処理することにより、元素としてCu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成することを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池の製法。
  3. 前記光吸収層溶液は元素としてSeを含有し、熱処理することにより、元素としてCu、III-B族金属、Seおよびアルカリ金属を含有する前記光吸収層を形成することを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池の製法。
  4. 前記光吸収層溶液は、Cuを含有する溶液、III-B族金属を含有する溶液およびアルカリ金属を含有する溶液を作製し、これらの溶液を混合して作製されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の薄膜太陽電池の製法。
  5. 前記還元雰囲気が水分除去した雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の薄膜太陽電池の製法。
  6. 前記光吸収層溶液は、カルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基性有機溶剤とを含む溶媒に、元素としてCuを含む原料、III-B族金属を含む原料およびアルカリ金属を含む原料を溶解させて成ることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の薄膜太陽電池の製法。
  7. 前記光吸収層溶液は、前記溶媒にCuまたはIII-B族金属が、単体金属の状態またはこれらの合金の状態で直接溶解されて成ることを特徴とする請求項6記載の薄膜太陽電池の製法。
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