JP2010141039A - スーパールミネッセントダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、従来に比してより簡易に、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル波形の左右対称性を高めることができるスーパールミネッセントダイオードを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るスーパールミネッセントダイオード1は、GaAs系の材料からなるスーパールミネッセントダイオードであって、活性層30は、多重量子井戸構造を有し、In及びAlのうちの少なくとも一方を組成として含み、活性層30における障壁層32の層数は4層以下であり、障壁層32の厚さは、それぞれ、1.5nm以上3.0nm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、スーパールミネッセントダイオードに関するものである。
スーパールミネッセントダイオード(以下、SLDという。)は、発光ダイオードのように比較的広帯域なスペクトル分布を有すると共に、半導体レーザのように比較的高出力を得ることができることから、高分解能が求められる医療分野や計測分野において用いられる光源として注目されている。例えば、眼科検診で用いられるOCT(Optical Coherence Tomography)の光源として、SLDを用いることが考案されている。
非特許文献1に記載のSLDは、出力光のスペクトル分布の広帯域化を図るために、2つのエネルギー準位を得ることが可能な単一量子井戸(single quantum well:SQW)構造を有する活性層を備える。このSLDは、2つのエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、広いスペクトル半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)を実現する。しかしながら、非特許文献1に記載のSLDでは、出力光のスペクトル波形に2つのピークが生じ、これらのピーク間にくぼみが生じてしまうという問題がある。また、非特許文献1に記載のSLDでは、出力光のスペクトル波形が左右非対称となってしまうという問題がある。
しかしながら、例えば、眼科検診用OCTの光源では、スペクトル波形における2つのピーク間のくぼみが小さいことが望まれ、また、スペクトル波形の左右対称性がよいことが望まれる。
一方、特許文献1に記載のSLDは、出力光のスペクトル分布の広帯域化を図るために、光の導波方向に沿って利得波長の異なる構造を有する活性層を備える。また、このSLDは、積層体の上面又は下面の少なくとも何れか一方の電極層を、導波方向に互いに分離した2以上の電極に分割し、電極毎に注入電流量やその割合を変化させることによって、出力光のスペクトル分布の非対称な凹凸を任意の形状、例えばガウス分布に制御する。
この特許文献1に記載のSLDは、出力光のスペクトル分布をガウス分布に制御することによって、非特許文献1に記載のSLDが有する上記問題点、出力光のスペクトル波形におけるピーク間のくぼみ、及び、スペクトル波形の左右非対称性を改善することができると考えられる。
特開2007−184557号公報 A.T.Semenov and athers, "Spectral control in multisection AlGaAs SQWsuperluminescent siodes at 800nm", Electronics Letters, Vol.32, No.3, 1stFebruary 1996
しかしながら、特許文献1に記載のSLDでは、電極毎の注入電流量やその割合を制御するための制御回路を備える必要があった。
そこで、本発明は、出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、従来に比してより簡易に、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル波形の左右対称性を高めることができるスーパールミネッセントダイオードを提供することを目的としている。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、SLDにおいて、活性層を多重量子井戸(Multiple Quantum Well:MQW)構造とし、この多重量子井戸構造内における障壁層の厚さを1.5nm以上3.0nm以下とすることで、多重量子井戸における2つ以上のエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル形状の左右対称性を高めることができることを見出した。
そこで、本発明のスーパールミネッセントダイオードは、GaAs系の材料からなるスーパールミネッセントダイオードであって、活性層は、多重量子井戸構造を有し、In及びAlのうちの少なくとも一方を組成として含み、活性層における障壁層の層数は4層以下であり、障壁層の厚さは、それぞれ、1.5nm以上3.0nm以下である。
このスーパールミネッセントダイオードによれば、活性層が多重量子井戸構造であり、活性層における障壁層の厚さが1.5nm以上3.0nm以下であるので、多重量子井戸における2つ以上のエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル形状の左右対称性を高めることができる。また、このスーパールミネッセントダイオードでは、従来のように、電極毎の注入電流量やその割合を制御するための制御回路を備える必要がないので、駆動制御が簡易である。
本発明によれば、スーパールミネッセントダイオードの出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、従来に比してより簡易に、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル波形の左右対称性を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、本発明の実施形態に係るスーパールミネッセントダイオードの平面図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図である。また、図3は、図2に示す活性層のエネルギーバンドを示す図である。
このスーパールミネッセントダイオード(以下、SLDという。)1は、n型GaAs基板10上に複数の半導体層が積層されて構成される。n型GaAs基板10上にはn型AlGaAsクラッド層20が設けられ、n型クラッド層20上にはGaAsを主成分として含むGaAs活性層30が設けられ、活性層30上にはp型AlGaAsクラッド層40が設けられ、p型クラッド層40上にはp型GaAsキャップ層50が設けられている。
このように、SLD1は、活性層30と、活性層30を挟み込むn型クラッド層20及びp型クラッド層40とによって、ダブルへテロ構造となっている。n型クラッド層20及びp型クラッド層40は、活性層30の材料より屈折率が小さい材料からなることによって、活性層30に光を閉じ込めるように作用する。
活性層30は、図3に示すように、井戸層31及び障壁層32を含む多重量子井戸(Multiple Quantum Well:MQW)構造を有している。また、活性層30は、光ガイド層33を含む分離閉じ込めヘテロ構造(Separate Confinement Heterostructure:SCH)を有している。この光ガイド層33は、井戸層31及び障壁層32を挟み込み、井戸層31内にキャリア(電子及び正孔)を閉じ込めるように作用する。井戸層31では、これらの電子と正孔が再結合し、光が発生する。
また、n型基板10に対してn型クラッド層20と反対側、及び、p型キャップ層50に対してp型クラッド層40と反対側には、外部から電流を注入するための電極層が形成される(図示略)。
p型クラッド層40及びp型キャップ層50はリッジ形状をなしており、p型キャップ層50上の電極層は、リッジ部2にのみ電気的に接触するようになっている。これによって、外部から注入される電流、すなわち電子と正孔とは、リッジ部2に対応する活性層30の活性領域3にのみ効率よく導かれる。この活性領域3とその周辺部との屈折率差によって、活性層30には実効的な屈折率差が生じるため、活性層30内には活性領域3に応じた、すなわちリッジ部2に応じた屈折率型の光導波路が生成されることとなる。
このように、リッジ型の構成にすることによって、電流注入領域と光導波領域が制限され、空間横基本モード動作が実現される。
また、図1に示すように、SLD1における出射面5及び反射面6は、それぞれ、低反射膜でコーティングされており、リッジ部2に対応する活性領域3、すなわち光導波路は、これらの出射面5及び反射面6に対して傾斜を有している。これによって、導波路からみた出射面5及び反射面6での反射率は極端に低下するため、レーザ発振を抑制することができ、発光ダイオードのように比較的広帯域なスペクトル分布を有すると共に、半導体レーザのように比較的高出力を得ることができるSLDが実現される。
また、図3に示すように、活性層30は、例えば、3層の井戸層31と、これらの井戸層31を分離する2層の障壁層32とを有し、これらの障壁層32の厚さ(幅)Wbは、1.5nm以上3.0nm以下である。一方、これらの井戸層31の厚さ(幅)は、3層全体で2つ以上のエネルギー準位を有し、これらのエネルギー準位からの発光スペクトルを重ね合わせたスペクトル波形の半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)が所望の値以上、例えば50nm以上となるように、予め設定されている。
なお、障壁層32の層数は4層以下であることが好ましい。これによれば、レーザ発振を抑制することができ、発光ダイオードのように比較的広帯域なスペクトル分布を有すると共に、半導体レーザのように比較的高出力を得ることができるSLDが実現される。
このSLD1を構成する各層の詳細組成を例示すると、波長850nm帯の出力光を得るためには、n型クラッド層20及びp型クラッド層40はAl0.40Ga0.60As(厚さ1.5μm)であり、活性層30における光ガイド層33及び障壁層32はAl0.35Ga0.55Asであり、井戸層31はGaAs層からなる。
また、波長1060nm帯の出力光を得るためには、n型クラッド層20及びp型クラッド層40はAl0.30Ga0.70As(厚さ1.5μm)であり、活性層30における光ガイド層33及び障壁層32はAl0.20Ga0.80Asであり、井戸層31はGaInAs層からなる。なお、本波長帯では、GaInAsからなる井戸層31の歪を緩和するために、井戸層31間の障壁層32や光ガイド層33の一部にGaAsP層を設けてもよい。
ここで、InPを主成分として含むInP系の長波長帯SLDでは、出力光における1つのスペクトル波形で50nm以上の広帯域化を実現できることがあるが、GaAsを主成分として含むGaAs系のSLDでは、出力光における1つのスペクトル波形で50nm以上の広帯域化を実現することが困難である。そこで、GaAs系のSLDでは、上記したように2つ以上のエネルギー準位を得ることが可能な量子井戸構造を有する活性層30を備え、これらのエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、出力光のスペクトル波形の広帯域化を図る。
しかしながら、この種のSLDでは、出力光のスペクトル波形に2つ以上のピークが生じ、これらのピーク間にくぼみが生じてしまう。また、この種のSLDでは、出力光のスペクトル波形が左右非対称となってしまう。
ところで、例えば、眼科検診用OCTの光源やその他の応用では一般的に、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみが小さいことが望まれ、また、スペクトル波形の左右対称性がよいことが望まれる。
そこで、本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、SLDにおいて、活性層を多重量子井戸構造とし、この多重量子井戸構造内における障壁層の厚さを1.5nm以上3.0nm以下とすることで、多重量子井戸における2つ以上のエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができ、かつ、スペクトル形状の左右対称性を高めることができることを見出した。以下に、その検討結果を示す。
まず、図4を参照して、出力光のスペクトル波形における用語の定義を行う。Δλは、半値全幅であり、ΔP[%]は、スペクトル波形のピーク値に対するピーク間のくぼみの大きさの比である。また、Aは、ピーク間のくぼみの最小部における波長を境界として長波長側のスペクトル波形の面積であり、Bは、短波長側のスペクトル波形の面積である。
図5〜図7に、本実施形態の波長850nm帯の出力光を有するSLD1の実験結果を示す。図5は、活性層30における障壁層32の厚さをパラメータとした出力光のスペクトル波形である。図5において、波形S2〜S7は、MQW活性層30における障壁層32の厚さが、順に、6nm、4nm、3nm、2nm、1.5nm、1nmであるときのスペクトル波形である。なお、図5には、単一量子井戸(Single Quantum Well:SQW)構造を有する活性層を備えるSLD1のスペクトル波形が波形S1として示されている。
また、図6は、図5における各波形S1〜S7のくぼみの大きさΔP及び半値全幅Δλを、障壁層32の厚さWbに対してグラフ化した図である。図6において、曲線S8は、左縦軸に対応し、障壁層32の厚さWbに対するくぼみの大きさΔPの特性である。一方、曲線S9は、右縦軸に対応し、障壁層32の厚さWbに対する半値全幅Δλの特性である。また、図7は、図5における各波形S1〜S7の面積比A/Bを、障壁層32の厚さWbに対してグラフ化した図である。
図5及び図6によれば、障壁層32の厚さを3nm以下に薄くすれば、くぼみの大きさΔPを小さくできることがわかる。しかしながら、障壁層32の厚さを1nmと薄くし過ぎると、半値全幅Δλが狭くなってしまい、例えば所望の50nm以上の半値全幅を保持することができなくなってしまう。これより、障壁層32の厚さが1.5nm以上3.0nm以下の範囲において、半値全幅Δλを50nm以上と広く保ちつつ、くぼみの大きさΔPを比較的小さくできることがわかる。
一方、図5及び図7によれば、障壁層32の厚さを薄くするほど、スペクトル波形の面積比A/Bを小さくすることができる、すなわち、重ね合わせスペクトル波形の左右対称性を高めることができることがわかる。これより、障壁層32の厚さが1.5nm以上3.0nm以下の範囲において、半値全幅Δλを50nm以上と広く保ちつつ、スペクトル波形の左右対称性を比較的高めることができる。
図8〜図10に、本実施形態の波長1060nm帯の出力光を有するSLD1の実験結果を示す。図8は、活性層30における障壁層32の厚さをパラメータとした出力光のスペクトル波形である。図8において、波形S11〜S13は、MQW活性層30における障壁層32の厚さが、順に、5.2nm、2.4nm、1.2nmであるときのスペクトル波形である。また、図8において、波形S14は、MQW活性層30における障壁層32の厚さがほぼ1.2nmであるが、波形S13のときより障壁層32の厚さが小さいときのスペクトル波形である。このように、本実施例では、障壁層32の厚さが1.2nm付近に、効果の有無の境界が存在する。
また、図9は、図8における各波形S11〜S14のくぼみの大きさΔP及び半値全幅Δλを、障壁層32の厚さWbに対してグラフ化した図である。図9において、曲線S15は、左縦軸に対応し、障壁層32の厚さWbに対するくぼみの大きさΔPの特性である。一方、曲線S16は、右縦軸に対応し、障壁層32の厚さWbに対する半値全幅Δλの特性である。また、図10は、図8における各波形S11〜S14の面積比A/Bを、障壁層32の厚さWbに対してグラフ化した図である。
図8及び図9によれば、波長850nm帯の出力光を有するSLD1と同様に、障壁層32の厚さが1.5nm以上3.0nm以下の範囲において、半値全幅Δλを50nm以上と広く保ちつつ、くぼみの大きさΔPを比較的小さくできることがわかる。
一方、図8及び図10によれば、波長850nm帯の出力光を有するSLD1と同様に、障壁層32の厚さが1.5nm以上3.0nm以下の範囲において、半値全幅Δλを50nm以上と広く保ちつつ、スペクトル波形の左右対称性を比較的高められることがわかる。
次に、図11及び図12を用いて、上記した実験結果の分析を行う。図11は、活性層30における障壁層32の厚さが3.0nmと比較して十分に大きいときの活性層30のエネルギー準位(a)と、この活性層30を備えるSLD1の出力光のスペクトル波形(b)とを示す図であり、図12は、本実施形態のSLD1における活性層30のエネルギー準位(a)と、SLD1の出力光のスペクトル波形(b)とを示す図である。
図11(a)に示すように、本構造では基本的に、量子準位n=1からの発光と量子準位n=2からの発光との2つの発光hω1、hω2が用いられる。井戸層31の間隔、すなわち、障壁層32の厚さWbが3.0nmと比較して十分に大きい場合には、量子井戸間の相互作用が小さく、波動関数が重ならないため、量子準位の分離が生じない。この場合、井戸層31における各量子準位は単一準位となり、それぞれの準位から得られる発光スペクトル幅は狭くなる。その結果、図11(b)に示すように、これらの量子準位に対応する2つのピークを有する重ね合わせ発光スペクトル波形S31において、2つのピーク間のくぼみが大きくなってしまう。
しかしながら、図12(a)に示すように、井戸層31の間隔、すなわち、障壁層32の厚さWbが3.0nm以下と小さい場合には、量子井戸間の相互作用により、波動関数が重なり、量子準位の分離が生じる。この場合、井戸層31における各量子準位は複数準位となり、それぞれの発光スペクトル幅に広がりが生じる。その結果、図12(b)に示すように、これらの量子準位に対応する2つのピークを有する重ね合わせ発光スペクトル波形S32において、2つのピーク間のくぼみが小さくなると考えられる。
このように、本実施形態のSLD1によれば、活性層30が多重量子井戸構造であり、活性層30における障壁層32の厚さWbが1.5nm以上3.0nm以下であるので、多重量子井戸における2つ以上のエネルギー準位からの発光スペクトルの重ね合わせを利用して、出力光のスペクトル波形の広帯域化を保持しつつ、スペクトル波形におけるピーク間のくぼみを低減することができる。特に、広帯域にわたってスペクトル波形の大きさを均一にすることができる。すなわち、スペクトル形状の平滑化が可能である。更に、本実施形態のSLD1によれば、出力光のスペクトル形状の左右対称性を高めることができる。
また、本実施形態のSLD1では、特許文献1のように、電極毎の注入電流量やその割合を制御するための制御回路を設ける必要がないので、駆動制御が簡易である。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、波長850nm帯及び波長1060nm帯の出力光を得るSLD1について例示したが、750nm帯から1200nm帯までの出力光を得るSLDにおいても、活性層を多重量子井戸構造とし、障壁の厚さを1.5nm以上3.0nm以下とすることによって、同様の利点を得ることができる。このとき、出力光の波長帯に応じて、井戸層の材料には、AlGaAs、GaAs、InGaAs、AlGaInAs、GaInAsP等のうちの何れかが用いられればよい。この場合にも、障壁層にはInもしくはAlの少なくとも一方が組成として含まれるので、活性層はIn及びAlのうちの少なくとも一方を組成として有することとなる。
また、本実施形態では、n型基板10上に半導体層を積層することによってSLD1を形成したが、p型基板上に半導体層を積層することによってSLDを形成してもよい。
本発明の実施形態に係るスーパールミネッセントダイオードの平面図である。 図1に示すII−II線に沿う断面図である。 図2に示す活性層のエネルギーバンドを示す図である。 出力光のスペクトル波形における用語の定義を行う図である。 本実施形態の波長850nm帯の出力光を有するSLDの実験結果を示す図であって、活性層における障壁層の厚さをパラメータとした出力光のスペクトル波形である。 図5における各波形のくぼみの大きさΔP及び半値全幅Δλを、障壁層の厚さWbに対してグラフ化した図である。 図5における各波形の面積比A/Bを、障壁層の厚さWbに対してグラフ化した図である。 本実施形態の波長1060nm帯の出力光を有するSLDの実験結果を示す図であって、活性層における障壁層の厚さをパラメータとした出力光のスペクトル波形である。 図8における各波形のくぼみの大きさΔP及び半値全幅Δλを、障壁層の厚さWbに対してグラフ化した図である。 図8における各波形の面積比A/Bを、障壁層の厚さWbに対してグラフ化した図である。 活性層における障壁層の厚さが3.0nmと比較して十分に大きいときの活性層のエネルギー準位(a)と、この活性層を備えるSLD1の出力光のスペクトル波形(b)とを示す図である。 本実施形態のSLDにおける活性層のエネルギー準位(a)と、SLDの出力光のスペクトル波形(b)とを示す図である。
符号の説明
1…スーパールミネッセントダイオード、2…リッジ部、3…活性領域、5…出射面、6…反射面、10…n型GaAs基板、20…n型AlGaAsクラッド層、30…GaAs活性層、31…井戸層、32…障壁層、33…光ガイド層、40…p型AlGaAsクラッド層、50…p型GaAsキャップ層。

Claims (1)

  1. GaAs系の材料からなるスーパールミネッセントダイオードであって、
    活性層は、多重量子井戸構造を有し、In及びAlのうちの少なくとも一方を組成として含み、
    前記活性層における障壁層の層数は4層以下であり、
    前記障壁層の厚さは、それぞれ、1.5nm以上3.0nm以下である、
    スーパールミネッセントダイオード。
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