JP2010140765A - 非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、非水電解質電池に関する。さらに詳しくは、電池の保存、フロートに伴う容量劣化を回避した非水電解質電池に関する。
従来、カメラ一体型VTR(videotape recorder)、携帯電話機器又はラップトップコンピュータに代表される携帯用電子機器が広く普及し、それらの小型化、軽量化およびエネルギー密度、即ち、単位体積辺りのエネルギー貯蔵量の増量が強く求められている。それに伴い、電源として、電池、特に二次電池の開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の非水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度を実現できるものとして期待されている。
しかし、例えば携帯用パーソナルコンピュータ等の携帯電子機器を電源に継続して接続された状態で放置しておくと、バッテリーパック内の電池が充電状態(フローと状態)にさらされることになり、電池容量が急激に劣化する。これは、正極活物質に含まれるコバルト(Co)等が酸化環境下において容易に溶出し、界面抵抗が増加すると同時に、層状構造の変化により電池容量が低下するためである。さらに携帯電子機器の駆動に伴う周辺温度の上昇が劣化(電池容量の低下)を加速する要因となっている。
このような電池容量の低下を改善するために、例えば特許文献1には、電解液にコバルトと錯体を形成する化合物を含有する非水電解液二次電池が開示されている。この非水電解液二次電池は、電解液中に溶出したコバルトイオンを安定化し、負極への析出を抑制することにより、負極の反応面積の低減等の負極への悪影響を回避している。
特開2002−134170号公報
しかし、前記特許文献1によれば、負極への悪影響は回避できるが、正極の構造変化による正極抵抗が上昇し、容量が劣化するという問題は解決されていない。即ち、正極活物質中に含まれるコバルトの溶出自体を抑制しなければ、高信頼性を有する電池を得ることができない。
このような正極から金属イオンが溶出する現象は、正極の活物質として、リチウムコバルト複合酸化物を用いた電池に限らず、正極の活物質として、ニッケル酸化物、マンガン酸化物、鉄オリビンリン酸化物などを用いた電池の場合も共通している。
このような正極から金属イオンが溶出する現象は、正極の活物質として、リチウムコバルト複合酸化物を用いた電池に限らず、正極の活物質として、ニッケル酸化物、マンガン酸化物、鉄オリビンリン酸化物などを用いた電池の場合も共通している。
したがって、この発明の目的は、正極からの金属イオンの溶出を抑制し、フロート特性に優れた非水電解質電池を提供することにある。
上述した課題を解決するために、
この発明は、
正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
前記正極活物質層は、主結着剤となる第1高分子と、この第1高分子と異なる分散剤となる第2高分子を含有し、
前記非水電解質は、下記式(1)および式(2)で表されたスルホン化合物のうちの少なくとも1種を含有する非水電解質電池。
この発明は、
正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
前記正極活物質層は、主結着剤となる第1高分子と、この第1高分子と異なる分散剤となる第2高分子を含有し、
前記非水電解質は、下記式(1)および式(2)で表されたスルホン化合物のうちの少なくとも1種を含有する非水電解質電池。
(式(1)中、R1は、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルケニレン基、置換基を有してもよい芳香族環、または置換基を有してもよい架橋環を表し、ここで置換基は、ハロゲン原子、アルキル基を表す。)
(式(2)中、R2は、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルケニレン基、置換基を有してもよい芳香族環、または置換基を有してもよい架橋環を表し、ここで置換基は、ハロゲン原子、アルキル基を表す。)
この発明では、正極活物質層は、主結着剤となる第1高分子と、この第1高分子と異なる分散剤となる第2高分子を含有し、非水電解質は、前記式(1)および式(2)で表されたスルホン化合物のうちの少なくとも1種を含有するようにしたので、初回の充電で正極活物質表面に良好な保護被膜が形成され、長時間の充電環境下にさらされたとしても、正極から金属イオンの溶出を抑制することができる。
これによりフロート特性に優れ、容量維持率を向上させた非水電解質電池を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。
この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。図1は、この発明の第1の実施の形態による電池の断面構造を表すものである。
この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。図1は、この発明の第1の実施の形態による電池の断面構造を表すものである。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
(正極)
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物およびリン酸化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの複数種を混合して用いてもよい。中でも、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が好ましく、特に遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)、鉄、アルミニウム、バナジウム(V)、およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、LixMIO2またはLiyMIIPO4で表される。式中、MIおよびMIIは1種または複数種の遷移金属元素を含む。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物、およびスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)などが挙げられる。リチウムニッケル複合酸化物としては、例えば、LiNixCo1−xO2(O≦x≦1)、LixNiO2、LiNixCoyO2およびLixNi1−zCozO2(z<1)などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)およびリチウム鉄マンガンリン酸化合物[LiFe1−uMnuPO4(u<1)]などが挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、また、他の金属化合物および高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリンおよびポリチオフェンが挙げられる。
高分子材料としては、第1高分子として、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンマレイン酸変性体、及びポリテトラフルオロエチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の高分子を用いることが好ましい。
また、前記第1高分子と異なる分散剤となる第2高分子として、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンが挙げられる。
正極活物質層21Bは、必要に応じて導電材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックおよびケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料および導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含むことが好ましい。また、必要に応じて導電材や結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛、難黒鉛化性炭素および易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これらの炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
難黒鉛化性炭素としては、(002)面の面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm3 未満であると共に、空気中での示差熱分析(differential thermal analysis;DTA)において、700℃以上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられ、このような材料も含まれていても良い。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れた充放電サイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金または化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t≧0である。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素または半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素もしくはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
このような合金または化合物について具体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgSb、SiB4、SiB6 、Mg2Si、Mg2Sn、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si3N4、Si2N2O、SiOv(0<v≦2)、SnOw(0<w≦2)、SnSiO3、LiSiOおよびLiSnOなどがある。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、あるいはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも、化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレンもしくはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化することで用いることができる。
(非水電解質)
セパレータ23には、非水電解質電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィト、およびビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよびエチレンスルフィトからなる群のうちの少なくとも1種を混合して用いるようにすれば、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。
セパレータ23には、非水電解質電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィト、およびビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよびエチレンスルフィトからなる群のうちの少なくとも1種を混合して用いるようにすれば、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。
電解質塩は、1種または2種以上の材料を混合して含んでいてもよい。電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(Li(C2F5SO2)2N)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3CF3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CF3SO2)2N)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2CF3)3)、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)が挙げられる。
非水電解質は、添加剤として、下記式(1)および(2)で表されるスルホン化合物のうちの少なくとも1種を含有する。
(式(1)中、R1は、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルケニレン基、置換基を有してもよい芳香族環、または置換基を有してもよい架橋環を表し、ここで置換基は、ハロゲン原子、アルキル基を表す。)
(式(2)中、R2は、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数2〜4のアルケニレン基、置換基を有してもよい芳香族環、または置換基を有してもよい架橋環を表し、ここで置換基は、ハロゲン原子、アルキル基を表す。)
R1、R2の水素原子はフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。また、R1、R2が置換基としてアルキル基を有する場合は、メチル基であることが好ましい。
上記スルホン化合物の具体例を下記に表す。
上記スルホン化合物の具体例を下記に表す。
中でも、特に下記構造を有するものが好ましい。最も、正極のコバルト溶出を抑制する良好な皮膜を形成できるからである。
電解質中におけるスルホン化合物の含有量は、0.01重量%以上1.0重量%以下の範囲内であることが好ましい。1.0重量%を超えると、正極皮膜が厚くなり、皮膜抵抗が大きくなりすぎるからである。
(電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
この非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極は、例えば、ポリフッ化ビニリデンとをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させる。次にこの混合液に、コバルトを含む正極活物質と導電剤とポリビニルピロリドンとを混合し、ペースト状の正極合剤スラリーとした正極合剤塗液を調製する。続いて、この正極合剤塗液を正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。また、正極活物質層21Bは、正極合剤を正極集電体21Aに張り付けることにより形成してもよい。
また、例えば、負極活物質である炭素材料と、結着材とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーした負極合剤塗液を調製する。続いて、この負極合剤塗液を負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。また、負極活物質層22Bは、負極合剤を負極集電体22Aに張り付けることにより形成してもよい。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、スルホン化合物を含む電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−6)
図1、2に示した円筒型の二次電池を作製した。
正極活物質には、レーザー回折法で得られる累積50%粒径(メジアン粒径)が12μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた。続いて、正極は、第1高分子としてポリフッ化ビニリデン3.0質量%をN−メチル−2−ピロリドンによく分散させた混合液に、コバルト酸リチウム粉末94質量%と、導電材としてケッチェンブラック3質量%を混合して、実施例1−1〜1−3、比較例1−1〜1−2では、第2高分子である分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を加え、実施例1−4、比較例1−3では、第2高分子である分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)を加えて、正極合剤を調製し、正極合剤塗液とした。
図1、2に示した円筒型の二次電池を作製した。
正極活物質には、レーザー回折法で得られる累積50%粒径(メジアン粒径)が12μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた。続いて、正極は、第1高分子としてポリフッ化ビニリデン3.0質量%をN−メチル−2−ピロリドンによく分散させた混合液に、コバルト酸リチウム粉末94質量%と、導電材としてケッチェンブラック3質量%を混合して、実施例1−1〜1−3、比較例1−1〜1−2では、第2高分子である分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を加え、実施例1−4、比較例1−3では、第2高分子である分散剤としてポリビニルアルコール(PVA)を加えて、正極合剤を調製し、正極合剤塗液とした。
次いで、この正極合剤塗液を厚み20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。その際、正極活物質層21Bの片面における厚みは80μmとした。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質としてX線回折におけるC軸方向の格子面間隔d002 が0.336nm、メジアン粒径15.6μmのメソフェーズ小球体からなる粒状黒鉛粉末95質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン5.0質量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤塗液とした。
次いで、この負極合剤塗液を厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。その際、負極活物質層22Bの片面における厚みは52μm とした。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を3箇所に取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、正極21と負極22とを厚み18μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィルムよりなるセパレータ23を介して、負極22、セパレータ23、正極21、セパレータ23の順に積層し、多数回巻回することによりジェリーロール型の巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20を電池缶11の内部に収納した。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより円筒型の二次電池を作製した。
電解液には、炭酸エチレン(EC)と、炭酸ジメチル(DMC)と、炭酸プロピレン(PC)とを、20/70/10の割合で混合した溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを1.28mol/kgの割合で溶解させたものを用いた。その際、添加剤として下記に示す化合物1〜4のいずれかのスルホン化合物を加えた。実施例1−1〜1−4ではスルホン化合物を変えた。また、比較例1−1〜1−3は、本発明のスルホン化合物を加えておらず、比較例1−4は、本発明のスルホン化合物は加えたが分散剤を加えていない。比較例1−5は、下記に示す化合物5の鎖状のスルホン化合物を加えた。または比較例1−6は、下記に示す化合物6の環状の無水化合物を加えた。
(化合物5)
CH3SO3C4H9: メタンスルホン酸ブチル
CH3SO3C4H9: メタンスルホン酸ブチル
(容量維持率の測定)
作製した実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−6のそれぞれのリチウムイオン二次電池について55℃フロート試験を行い、2000時間後の容量維持率を調べた。まず、1Cの定電流で、電池電圧が4.2Vに達するまで充電を行なった後、4.2Vの定電圧充電に切り替え、フロート状態とした。容量維持率は、1時間後と2000時間後の電池に対して、それぞれ1Cの定電流で放電を行い、電池電圧が3.0Vに達した時点で放電を終了し、放電容量を測定した。{(2000時間後の電池容量)/(1時間後の電池容量)}×100から、2000時間後の容量維持率を求めた。結果を表1に示す。
作製した実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−6のそれぞれのリチウムイオン二次電池について55℃フロート試験を行い、2000時間後の容量維持率を調べた。まず、1Cの定電流で、電池電圧が4.2Vに達するまで充電を行なった後、4.2Vの定電圧充電に切り替え、フロート状態とした。容量維持率は、1時間後と2000時間後の電池に対して、それぞれ1Cの定電流で放電を行い、電池電圧が3.0Vに達した時点で放電を終了し、放電容量を測定した。{(2000時間後の電池容量)/(1時間後の電池容量)}×100から、2000時間後の容量維持率を求めた。結果を表1に示す。
表1に示したように、実施例1−1〜1−4では、スルホン化合物を添加していない比較例1−1よりも、容量維持率を顕著に向上させることができた。また、化合物1の構造が特に効果を発現できることが分かった。
比較例1−1〜1−3より、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)を加えると、電極内の電位不均衡改善により正極活物質表面の不安定な皮膜形成を抑制し、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)自体が良質皮膜形成することにより、容量維持率の向上が見られるが、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)を加えるだけでは、完全には劣化を抑制できていない。
また、比較例1−4により、スルホン化合物を添加すると、活物質表面に比較的安定な皮膜を形成し、副次的な電解液の分解や活物質からコバルト溶出そのものを本質的に抑制し、容量維持率の向上が見られるが、完全にはコバルト溶出を防ぐことはできない。電解液中のスルホン化合物と電極中のポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)により、はじめてすべての正極活物質に対して不均衡なく良質な皮膜を形成すること可能となり劣化を抑制できる。
また、鎖状のスルホン化合物を添加した比較例1−5では、容量維持率向上の効果が得られず、環状構造を用いることで優れた特性が得られることが分かった。
また、環状無水物でもカルボン酸構造の化合物を添加した比較例1−6では、容量維持率向上の効果が得られず、環状スルホン酸無水物構造を用いることで優れた特性が得られることが分かった。
比較例1−1〜1−3より、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)を加えると、電極内の電位不均衡改善により正極活物質表面の不安定な皮膜形成を抑制し、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)自体が良質皮膜形成することにより、容量維持率の向上が見られるが、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)を加えるだけでは、完全には劣化を抑制できていない。
また、比較例1−4により、スルホン化合物を添加すると、活物質表面に比較的安定な皮膜を形成し、副次的な電解液の分解や活物質からコバルト溶出そのものを本質的に抑制し、容量維持率の向上が見られるが、完全にはコバルト溶出を防ぐことはできない。電解液中のスルホン化合物と電極中のポリビニルピロリドン(PVP)やポリビニルアルコール(PVA)により、はじめてすべての正極活物質に対して不均衡なく良質な皮膜を形成すること可能となり劣化を抑制できる。
また、鎖状のスルホン化合物を添加した比較例1−5では、容量維持率向上の効果が得られず、環状構造を用いることで優れた特性が得られることが分かった。
また、環状無水物でもカルボン酸構造の化合物を添加した比較例1−6では、容量維持率向上の効果が得られず、環状スルホン酸無水物構造を用いることで優れた特性が得られることが分かった。
(実施例2−1〜2−6)
実施例2−1〜2−6では、スルホン化合物1の添加量を変化させた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例2−1〜2−6の容量維持率を求めた。結果を表2に示す。
実施例2−1〜2−6では、スルホン化合物1の添加量を変化させた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例2−1〜2−6の容量維持率を求めた。結果を表2に示す。
実施例2−1〜2−6では、スルホン化合物1の添加によって良好な容量維持率の向上が確認できた。添加量が少ないと、正極表面に十分な皮膜を形成する効果が少なく、添加量が多いと、正極表面の皮膜が厚くなりすぎるために、コバルト溶出による容量維持率低下よりも、界面抵抗増加による容量維持率低下の影響が大きくなる。これより、最適な添加量は、0.01重量%〜1.0重量%の範囲であることが分かった。
(実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−5)
実施例3−1〜3−5では、正極活物質の種類を変えた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。比較例3−1〜3−5では、正極活物質の種類を変えた以外は比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−5の容量維持率を求めた。結果を表3に示す。
実施例3−1〜3−5では、正極活物質の種類を変えた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。比較例3−1〜3−5では、正極活物質の種類を変えた以外は比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−5の容量維持率を求めた。結果を表3に示す。
表3の結果より、正極活物質を変えた電池においても、スルホン化合物の添加効果があることがわかった。すべてそれぞれの金属溶出を抑制している効果と考えられる。
(実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−2)
実施例4−1〜4−2では、電解液溶媒の種類を変えた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。比較例4−1〜4−2では、電解液溶媒の種類を変えた以外は比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−2の容量維持率を求めた。結果を表4に示す。
実施例4−1〜4−2では、電解液溶媒の種類を変えた以外は実施例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。比較例4−1〜4−2では、電解液溶媒の種類を変えた以外は比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−2の容量維持率を求めた。結果を表4に示す。
表4の結果より、どの電解液を用いても、スルホン化合物の添加により、容量維持率の向上が確認できた。
(実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2)
負極活物質の種類を変えた。実施例5−1、比較例5−1では、第1の構成元素としてスズを含む負極活物質を、メカノケミカル反応を利用して合成した。得られた負極活物質粉末について組成分析を行った。炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、他の元素の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。得られた結果を表の負極活物質の欄に括弧書きで示す。なお、括弧内においてスラッシュで区切って示した数字は、上に記した元素の含有量(質量%)を順に対応して表している。次いで、得られた負極活物質粉末80質量部と、導電材としてグラファイト(ロンザ製 KS-15 )11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、一定圧力で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。そののち、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
また、実施例5−2、比較例5−2では、負極集電体22Aに電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる負極活物質層22Bを形成したのち、加熱処理することにより負極22を作製した。負極活物質の種類を変えた以外は実施例1−1、比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2の容量維持率を求めた。結果を表5に示す。
負極活物質の種類を変えた。実施例5−1、比較例5−1では、第1の構成元素としてスズを含む負極活物質を、メカノケミカル反応を利用して合成した。得られた負極活物質粉末について組成分析を行った。炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、他の元素の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。得られた結果を表の負極活物質の欄に括弧書きで示す。なお、括弧内においてスラッシュで区切って示した数字は、上に記した元素の含有量(質量%)を順に対応して表している。次いで、得られた負極活物質粉末80質量部と、導電材としてグラファイト(ロンザ製 KS-15 )11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、一定圧力で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。そののち、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
また、実施例5−2、比較例5−2では、負極集電体22Aに電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる負極活物質層22Bを形成したのち、加熱処理することにより負極22を作製した。負極活物質の種類を変えた以外は実施例1−1、比較例1−1と同様に円筒型二次電池を作製した。作製した実施例5−1〜5−2、比較例5−1〜5−2の容量維持率を求めた。結果を表5に示す。
表5の結果より、どの負極を用いても、スルホン化合物の添加により、容量維持率の向上が確認できた。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。正極活物質中に鉄リン酸化合物を含有し、電解液中にスルホン化合物を含んだ構造体であれば、すべて該当する。
また、前記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する円筒型の二次電池について具体的に挙げて説明したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型あるいは多角形型の二次電池、または、正極および負極を折り畳んだり、あるいは複数積層した他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、コイン型、ボタン型、角形あるいはラミネートフィルム型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
更にまた、前記実施の形態および実施例では、電解質として液状の電解液を用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させたゲル状の電解質を用いるようにしてもよい。このような高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンおよびポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンおよびポリエチレンオキサイドが好ましい。電解液に対する高分子化合物の割合は、これらの相溶性によっても異なるが、通常、電解液中において5質量%以上50質量%以下に相当する高分子化合物を添加することが好ましい。
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。
Claims (5)
- 正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
前記正極活物質層は、主結着剤となる第1高分子と、この第1高分子と異なる分散剤となる第2高分子を含有し、
前記非水電解質は、下記式(1)および式(2)で表されたスルホン化合物のうちの少なくとも1種を含有する非水電解質電池。
- 前記非水電解質中における前記スルホン化合物の含有量は、0.01重量%以上1.0重量%以下の範囲内である請求項1に記載の非水電解質電池。
- 前記第1高分子が、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンマレイン酸変性体、及びポリテトラフルオロエチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の高分子である請求項1に記載の非水電解質電池。
- 上記第2高分子が、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンである請求項1に記載の非水電解質電池。
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JP2008316068A JP2010140765A (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 非水電解質電池 |
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-
2008
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