JP2010135472A - 研磨用組成物および研磨方法 - Google Patents
研磨用組成物および研磨方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010135472A JP2010135472A JP2008308358A JP2008308358A JP2010135472A JP 2010135472 A JP2010135472 A JP 2010135472A JP 2008308358 A JP2008308358 A JP 2008308358A JP 2008308358 A JP2008308358 A JP 2008308358A JP 2010135472 A JP2010135472 A JP 2010135472A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- group
- ring
- polishing composition
- polyimide film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
また、本発明の研磨組成物により、ポリイミド膜を、短時間で、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨することができ、高い平坦性を達成しうる研磨方法を提供する
【解決手段】ポリイミド膜の化学的機械的研磨に用いられ、少なくとも砥粒および水を含有し、該砥粒が、修正モース硬度が13以上である砥粒を少なくとも1種含有する研磨用組成物。前記砥粒が、炭化珪素および炭化ホウ素の少なくとも一方を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸す。研磨パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させる。
CMPでは、上記操作によって発生する機械的摩擦により、基盤の表面を平坦化する。
しかしながら、ポリイミドのごとき有機ポリマー系の樹脂基板は、エッチングなどによる除去や平坦化が困難である。
しかしながら、通常のウェットエッチング方法の改良例では、上記の如き手段をとったとしても、エッチングに非常に長い時間を要し、スループット上問題があること、また、エッチングむらを生じ、エッチング後の平坦性の悪いものが多く、未だ実用上満足できるレベルには達していない。さらに、ヒドラジンのような化合物を含有する溶液の使用は、安全性の面からも問題がある。
しかし、このような、研磨剤を混合し、研磨用組成物を吐出する方法でポリイミド膜をエッチングする場合も、吐出の角度によりエッチングにばらつきが生じ、平坦性やスクラッチなどに支障が出る場合があった。
即ち、本発明は、ポリイミド膜を、短時間で、高い平坦性を維持し、且つ研磨傷の発生を抑制して化学的機械的研磨により研磨しうる研磨用組成物、及び該研磨用組成物を用いた研磨方法を提供することを目的とするものである。
本発明の研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法は、以下の通りである。
<1> ポリイミド膜の化学的機械的研磨に用いられ、少なくとも砥粒および水を含有し、該砥粒が、修正モース硬度が13以上である砥粒を少なくとも1種含有する研磨用組成物である。
本発明の作用は明確ではないが、本発明の研磨用組成物が、修正モース硬度が13以上の高硬度の砥粒を含有することにより、砥粒による物理的研磨効果が最大限に発揮され、これまでのエッチングのように長時間要すること無く、砥粒とCMP装置との併用で被研磨面であるポリイミド膜の研磨が瞬時に行なわれ、これにより高速研磨が可能になるものと考えている。
さらに、ポリイミド膜を有する被研磨体もCMP装置により定盤を回転して研磨しているため、エッチングにおける如き局所的な過研磨などが生じにくく、平坦性の高い研磨面が得られるものと考えられる。
また、本発明の研磨組成物により、ポリイミド膜を、短時間で、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨することができ、高い平坦性を達成しうる研磨方法を提供することができる。
[研磨用組成物]
本発明の研磨用組成物は、少なくとも砥粒および水を含有し、該砥粒が、修正モース硬度が13以上である砥粒を少なくとも1種含有する。以下、「修正モース硬度が13以上である砥粒」を『特定砥粒』とも称する。
本発明の研磨用組成物は、前記特定砥粒や水以外に、必要に応じて、任意成分を含有してもよい。該任意成分としては、例えば、修正モース硬度12以下の砥粒、金属の防食剤、pH調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
以下、本発明の研磨用組成物における各構成要素について詳細に説明する。
先ず、本発明の研磨用組成物の研磨対象となるポリイミド膜について説明する。
ポリイミド膜は、熱硬化性、熱可塑性、感光性などどのようなポリイミド膜でも適用できる。
本発明におけるポリイミド膜とは、配線を形成しうる基板表面に形成されたポリイミド膜であれば、特に制限はなく、ウェハ等の上に樹脂液を塗布して成膜された膜でもよいし、予め成膜されたポリイミド膜をウェハ等の上にラミネートして形成した膜、あるいは、エポキシ系接着剤などにより予め成膜されたポリイミド膜を基板表面に接着して形成したものでもよい。
ポリイミド膜の具体的な例としては、前記非特許文献1に記載されているポリイミド、特開2002−20513号公報に記載のポリイミド膜などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の研磨用組成物は、修正モース硬度が13以上の砥粒を含有する。
モース硬度とは、主に鉱物に対する硬さの尺度を表す。硬さの尺度として1から10までの整数値を考えそれぞれに対する標準物質を設定した従来のモース硬度に対して、モース硬度を更に15段階に修正したものが修正モース硬度である。
モース硬度は相対的なものであり、数値間の硬度は比例せず、硬度1と2の間と硬度9と10の硬度差が大きい等の特徴がある。定量的ではないが、鉱物の同定において簡便で安価な方法として広く知られている。
以下、「修正モース硬度」を単に『硬度』とも称する。
硬度1(滑石)、硬度2(石膏)、硬度3(方解石)、硬度4(蛍石)硬度5(燐灰石)、硬度6(正長石)、硬度7(溶融石英)、硬度8(水晶)、硬度9(黄玉)(トパーズ)、硬度10(柘榴石)、硬度11(溶融ジルコニア)、硬度12(溶融アルミナ)、硬度13(炭化珪素)、硬度14(炭化ホウ素)、硬度15(ダイヤモンド)の順に高硬度となる。
前記特定砥粒は、単独種でも、複数種用いてもよいし、同じ種類であってサイズの異なる特定砥粒を組み合わせて使用することも可能である。
充分な研磨加工速度を達成する目的からは、0.02μm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的からは、粒子径は150μm以下が好ましい。
ここで、特定砥粒の平均粒径(一次粒径)は、BET比表面積法により測定した値を用いている。以下、平均粒径(一次粒径)を単に「粒径」と称することもある。
本発明において使用される全砥粒の研磨液組成物中の含有量は上記範囲内であることが好ましいが、目的の研磨速度により、含有量は任意に変更するため、上記の範囲に限定されるものではない。
なお、複数種の砥粒を用いる場合、上記含有量はその総量を表す。
本発明の研磨用組成物は、界面活性剤を含有することも可能である。
本発明における界面活性剤としては、陰イオン性(アニオン性)、陽イオン性(カチオン性)、非イオン性(ノニオン性)、及び両性(ベタイン)界面活性剤からなる群から選ばれたものが好適である。
カルボン酸及びその塩としては、脂肪酸塩(例えば、牛脂脂肪酸ソーダ、ステアリン酸ソーダ、オレイン酸カリ、ヒマシ油カリ)、N−アシルアミノ酸塩(例えば、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン)、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド。
エーテル型の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル)、ポリオキシエチレン誘導体(例えば、ポリオキシエチレンジスルホン化フェニルエーテル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤の中でも、より好ましくはスルホ基を有する界面活性剤であり、更に好ましくはフェニル基とスルホ基を同時に有する界面活性剤である。フェニル基とスルホ基を同時に有する界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、及びそれらの塩が挙げられ、これらの中でも特に好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸である。
本発明の研磨液組成物には、ポリイミド膜の研磨速度を向上させる目的で酸化剤を添加することも可能である。
酸化剤を含有することで、該酸化剤がポリイミド膜の表面に作用して、ポリイミド膜が除去しやすい状態になり、CMP装置によりパッドと砥粒により物理的に除去することができる。研磨面には、新たにポリイミド膜が露出するが、その表面にも酸化剤が再び作用して膜面が除去しやすい状態になり、研磨速度の向上に寄与する。
鉄(III)塩としては例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)等の無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
本発明の研磨用組成物は、酸性〜アルカリ性どのpH領域でも研磨可能であり、pH計の測定限界を超えるpH1以下或いはpH14以上でもよいが、研磨速度の点からは、pH0.1以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.0以上である。
無機酸の例としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。これら無機酸の中では、硫酸、硝酸、リン酸が好ましく用いられ、硫酸、硝酸、リン酸を用いることが更に好ましい。
有機酸の例としては、アミノ酸、酢酸、グリコール酸、ジグリコール酸などが挙げられるが、これらに限られるものではなく、有機酸であれば必要に応じて適宜選択できる。
また、数種の酸を併用したり、有機酸と無機酸との併用も可能である。
pH緩衝剤として作用しうるものの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウム、またグリシン、アラニン、N−メチルグリシンのようなアミノ酸やアミノ酸誘導体、酪酸、グリコール酸のような有機酸も緩衝剤として用いることができる。
pH調整剤の添加量は、研磨用組成物のpHを所望の値に調整しうる量であれば制限は無い。
本発明の研磨用組成物には、金属の防食剤(以下、単に、「防食剤」と称する場合がある。)を添加することも可能である。
半導体のパッケージ工程において、ポリイミド膜に隣接した銅配線部などが露出するまで研磨する場合があり、このような場合にその金属に応じた防食剤を添加することができる。
本発明に用いることができる防食剤としては、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として、複素芳香環化合物を挙げることができる。
本発明で用いうる複素芳香環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物あっても縮合環を有する多環化合物であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5及び6である。また、縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2又は3である。
例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシル基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
ここで、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基が挙げられる。
本発明の研磨用組成物は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することも可能である。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨用組成物の1L中、0.0003mol〜0.07molの範囲になるように添加する。
本発明の研磨方法は、半導体デバイスの製造工程において、ポリイミド膜を含む被研磨体を、本発明の研磨用組成物を用いて化学的機械的に研磨する研磨方法である。
より具体的には、本発明の研磨方法は、本発明の研磨用組成物を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを、ポリイミド膜を含む被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする。
以下、本発明の研磨方法について詳細に説明する。
まず、本発明の研磨方法を実施できる装置について説明する。
本発明に適用可能な研磨装置としては、被研磨面であるポリイミド膜を含む被研磨体(半導体基板等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を備える一般的な研磨装置が使用できる。そのような装置としては、例えば、FREX300(荏原製作所)を用いることができる。
本発明の研磨方法では、研磨圧力、即ち、被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力が3000Pa〜25000Paで研磨を行うことが好ましく、6500Pa〜14000Paで研磨を行うことがより好ましい。
本発明の研磨方法では、研磨定盤の回転数が50rpm〜200rpmで研磨を行うことが好ましく、60rpm〜150rpmで研磨を行うことがより好ましい。
本発明の研磨方法では、研磨対象となるポリイミド膜を有する被研磨面を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに、本発明の研磨用組成物をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。これにより、被研磨面に均一に研磨用組成物が行き渡り、研磨後の高い平坦性が実現できる。
更に、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨用組成物と水又は水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も、本発明に適用することができる。
本発明の研磨方法において、研磨用組成物の研磨定盤上への供給量は、50ml/min〜500ml/minとすることが好ましく、100ml/min〜300ml/minであることがより好ましい。
本発明の研磨方法において用いられる研磨パッドは、特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
本発明の研磨方法を適用しうるポリイミド膜を有する被研磨体としては、例えば、凹部を有する層間絶縁膜の表面に一面に形成されたバリア金属膜と、該バリア金属膜の表面に前記凹部が埋まるように形成された銅又は銅合金からなる導体膜と、を有する基板であって、基板表面及び層間絶縁膜の少なくとも一方がポリイミド膜を有するものが挙げられる。研磨対象基板は、半導体基板であり、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を持つLSIであることが好ましく、特に配線が銅合金であることが好ましい。
被研磨体としては、支持体基板上に導電性材料膜が形成されたウェハ、支持体基板上に形成された配線上に設けられた層間絶縁膜に導電性材料膜が形成された積層体などであって、その被研磨面にポリイミド膜を有するものであれば、半導体デバイス製造工程において平坦化を必要とする全ての段階の材料を挙げることができる。
本実施例において、研磨が施される被研磨体(基板、ウエハ)について説明する。
本実施例においては、300mmのシリコン基板に、熱硬化性ポリイミド樹脂をスピンコーターで塗布し、200℃で1時間加熱してポリイミド膜の硬化を行なった基板を準備した。熱硬化後のポリイミド膜の膜厚は20μmであった。これを基板1と称する。
また、隣接する金属配線部に対する影響を確認する目的で、Si膜上にCu膜を成膜した12インチウェハを用意した。
実施例1〜10及び比較例1〜5の研磨用組成物(研磨液)として、研磨液101〜110、研磨液201〜205を各々調製し、研磨試験及び評価を行なった。
下記組成を混合し、研磨液101〜110、研磨液201〜205を調製した。
−研磨用組成物の組成−
・砥粒 表1に示す砥粒 (表1に記載の量;単位〔g/L〕)
・酸化剤 表1に示す化合物(10g/L)
・pH調整剤 表1に示す化合物(目標pHに達する量)
・防食剤 表1に示す化合物(0.01g/L)
純水を加えて全量を1000mlとし、各々pHを表1記載の通り調整し、研磨用組成物とした。
以下の条件で研磨を行い、研磨速度、平坦性、及び研磨傷の評価を行った。
・研磨装置:FREX300(荏原製作所)
・被研磨体(ウエハ):上述の基板1
・研磨パッド:IC1400−K Groove(ロデール社製)
・研磨条件;
研磨圧力(被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力):2.5psi
研磨液供給速度:300ml/min
研磨定盤回転数:90rpm
研磨ヘッド回転数:85rpm
1.研磨速度(初期および200枚研磨後)
基板1(ポリイミド膜付き基板)を1分間研磨し、研磨前後のポリイミド膜の膜厚変化から、以下の式により研磨速度(nm/分)を算出した。研磨速度は、(1)1枚目(初期)の研磨速度と、(2)200枚研磨後の201枚目の研磨速度のそれぞれについて測定した。得られた結果を表1に示す。
研磨速度〔μm/分〕=(研磨前のポリイミド膜の厚さ〔μm〕−研磨後のポリイミド膜の厚さ〔μm〕)/研磨時間〔1分間〕
基板1を研磨対象物として、ポリイミド膜を研磨した後、研磨面を純水洗浄して乾燥した。乾燥した研磨面をAFMで観察し、下記の評価基準に基づいて平坦性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
−評価基準−
○:実用上問題のない平坦性を有する。
×:研磨面内に問題となる凹凸が観測された。
基板1を研磨対象物として、ポリイミド膜を研磨した後、研磨面を純水洗浄して乾燥した。乾燥した研磨面を光学顕微鏡及びKLA Tencor社のSurfscan SP−1にて観察し、下記の評価基準に基づいてスクラッチ(研磨傷)の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
−評価基準−
なし:研磨面内に問題となるスクラッチは観測されなかった。
あり:研磨面内に問題となるスクラッチが多数観測された。
「砥粒」の欄に示される「硬度」は、修正モース硬度である。
・炭化ホウ素1:ESK Ceramics社製、Tetrabor F1200(粒径1μm〜7μm)
・炭化ホウ素2:ESK Ceramics社製、Tetrabor F800(粒径2μm〜14μm)
・炭化珪素1:太平洋ランダム社製、GMF-Sタイプ、6S(粒径2.3μm)
・炭化珪素2:太平洋ランダム社製、GMF-Sタイプ、12S(粒径0.7μm)
・アルミナ1:日の本研磨材(株)製、ナノファインAD-8(粒径0.2μm)
・アルミナ2:日の本研磨材(株)製、MUTSUMIエメリー#3000(粒径4μm)
・セリア1:ムサシノ電子製、FR(粒径0.5μm)
・コロイダルシリカ1:扶桑化学工業社製、PL-20(粒径0.22μm)
一方、特定砥粒を含有せずに、硬度12以下の砥粒のみを含有する比較例の研磨液を用いた場合は、砥粒の量を多くしても(比較例3〜5)、研磨速度が充分でないことがわかった。
実施例1〜10の研磨液101〜研磨液110に関し、Cu膜付きウェハの浸漬試験を40℃で15分間行い、光学顕微鏡及びAFMにて面状を観察したが、膜面荒れは観察されなかった。これにより、本発明の研磨液は、ポリイミド膜を高速で研磨し、平坦性にも優れ、研磨傷の発生が無いばかりではく、隣接する金属配線部に対して、膜面荒れを起こさないことが確認された。
Claims (6)
- ポリイミド膜の化学的機械的研磨に用いられ、少なくとも砥粒および水を含有し、該砥粒が、修正モース硬度が13以上である砥粒を少なくとも1種含有する研磨用組成物。
- 前記砥粒が、炭化珪素および炭化ホウ素の少なくとも一方を含有する請求項1に記載の研磨用組成物。
- 更に、金属の防食剤を含有する請求項1または請求項2に記載の研磨用組成物。
- 更に、酸化剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、銀(II)、及び鉄(III)塩からなる群より選択される請求項4に記載の研磨用組成物。
- 半導体デバイスの製造工程において、ポリイミド膜を含む被研磨体を、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて化学的機械的に研磨する研磨方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308358A JP2010135472A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 研磨用組成物および研磨方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308358A JP2010135472A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 研磨用組成物および研磨方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010135472A true JP2010135472A (ja) | 2010-06-17 |
Family
ID=42346484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008308358A Pending JP2010135472A (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 研磨用組成物および研磨方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010135472A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012036087A1 (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-22 | 旭硝子株式会社 | 研磨剤および研磨方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001308042A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Okamoto Machine Tool Works Ltd | 基板用研磨剤スラリ− |
JP2004349426A (ja) * | 2003-05-21 | 2004-12-09 | Jsr Corp | Sti用化学機械研磨方法 |
JP2008112969A (ja) * | 2006-10-05 | 2008-05-15 | Hitachi Chem Co Ltd | 研磨液及びこの研磨液を用いた研磨方法 |
-
2008
- 2008-12-03 JP JP2008308358A patent/JP2010135472A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001308042A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Okamoto Machine Tool Works Ltd | 基板用研磨剤スラリ− |
JP2004349426A (ja) * | 2003-05-21 | 2004-12-09 | Jsr Corp | Sti用化学機械研磨方法 |
JP2008112969A (ja) * | 2006-10-05 | 2008-05-15 | Hitachi Chem Co Ltd | 研磨液及びこの研磨液を用いた研磨方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012036087A1 (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-22 | 旭硝子株式会社 | 研磨剤および研磨方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5314329B2 (ja) | 研磨液 | |
JP2008181955A (ja) | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2008277723A (ja) | 金属用研磨液及び研磨方法 | |
JP2007273910A (ja) | 研磨用組成液 | |
JP2010056199A (ja) | 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2007214518A (ja) | 金属用研磨液 | |
JP5328179B2 (ja) | 研磨液及びそれを用いた化学的機械的研磨方法 | |
JP2010245091A (ja) | 化学的機械的研磨液及び研磨方法 | |
JP2007180451A (ja) | 化学的機械的平坦化方法 | |
JP2008251939A (ja) | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2007095946A (ja) | 金属用研磨液及び研磨方法 | |
JP2009224695A (ja) | 研磨用組成物及びそれを用いた化学的機械的研磨方法 | |
JP2010080842A (ja) | 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2009081300A (ja) | 金属研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2009087966A (ja) | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 | |
JP2007194261A (ja) | 研磨方法 | |
JP2006261333A (ja) | 金属用研磨液及び研磨方法 | |
JP5383164B2 (ja) | 研磨液 | |
JP2010135472A (ja) | 研磨用組成物および研磨方法 | |
JP2009054796A (ja) | 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法 | |
JP5448396B2 (ja) | 金属用研磨液 | |
JP5452859B2 (ja) | 金属研磨用組成物、及び金属研磨方法 | |
JP2007088284A (ja) | 水系研磨液及び化学機械的研磨方法 | |
JP2007220995A (ja) | 金属用研磨液 | |
JP2007242969A (ja) | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110809 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140107 |