JP2010131846A - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送治具自体にプリフォーム基材に有する樹脂材料を介して接着させ、搬送することで、取扱性・搬送容易性に優れ、プリフォームの賦形形状を維持したまま、かつプリフォームの品位を損ねることなく、成形型まで搬送し、かつ成形型の所定の位置に精度良く、毎回同じ位置に配置することができるプリフォームの搬送方法を提供する。
【解決手段】強化繊維基材の表面に樹脂材料を有するプリフォーム3を、該樹脂材料を介してプリフォーム搬送治具2に仮接着した状態で成形型に搬送し、設置した後、プリフォーム搬送治具2をプリフォーム3から取り外して、プリフォーム3を成形型に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチックを製造する際の中間材であるプリフォームの搬送に特徴を有し、繊維強化プラスチックを再現性良く、安定的に製造することができる繊維強化プラスチックの製造方法に関する。特に、賦形型もしくは賦形装置により作製したプリフォームを、その形状、品位を損なうことなく、成形型まで搬送し、成形型の所定の位置に精度よく設置することにより、品質の良好な繊維強化プラスチックを得る繊維強化プラスチックの製造方法に関する。
強化繊維からなるプリフォームを型内に入れ、型内に液状の樹脂を注入してプリフォームに含浸させ、その後加熱硬化して繊維強化プラスチックを得るRTM法や、成形型上にセットし、そのセットしたプリフォームをフィルムで覆いそのフィルム内を真空にした後マトリックス樹脂を注入してプリフォームに樹脂を含浸させ、その後加熱硬化させる真空補助RTM(以下、VaRTM法)成形法などが生産性の優れる繊維強化プラスチックの製造方法として近年主流となってきている。これらの成形法は複雑な形状を有する大型の部材を短時間で成形できるという利点がある。
品位の良い複雑な形状の繊維強化プラスチックを製造するためには、品位の良いプリフォームを作製することが必要であり、さまざまなプリフォームの製造技術が開発されている。
特許文献1には、断面形状がコの字形状を有する長尺のプリフォームを連続的に、正確に、効率よく製造する方法が示されている。該方法によれば、強化繊維基材からなる積層体をコの字の内側形状をなす内型上に配置し、該積層体を内型に押し付けることができるコの字形に取り囲む少なくとも2つの外型により、積層体を内型に押し付けることにより、コの字断面形状を有するプリフォームを作製することができる。内型と外型による型締めと型開きおよび積層体の型への搬送を繰り返すことにより、連続的にプリフォームを製造することができる。さらに積層体を外型との間にコの字形に連続したシート状部材を介在させることにより、積層体の外型間の隙間への噛みこみを防止することができ、品位に優れたプリフォームを製造することができる。
このよう賦形装置によって製造されたプリフォームは、樹脂を注入・硬化して成形するために、成形型上に搬送、配置する必要がある。
しかしながら、プリフォームはマトリックス樹脂を注入・硬化する前の実質的に強化繊維のみから構成されているため、形状保持性に劣り、容易に変形しやすい。そのため搬送の際にプリフォームが自重により変形することにより、プリフォームの品位が劣化する問題があった。また、プリフォームは上記のように形状保持性が劣るため、精度良く成形型へ精度配置することが難しく、所定の配置位置からずれた場所に配置された状態にて、樹脂を注入・硬化することにより、得られた成形部材の性能および形状が成形部材毎に異なり、再現性が確保されないという問題があった。
また、特許文献2には、特にC型、L型などの断面形状を有する長尺のプリフォームを賦形型を用いて製造する方法が示されている。該方法によれば、表面に熱可塑性樹脂を有する強化繊維基材からなる積層体を賦形型に上に配置し、バグ材で覆い、密閉し、内部を真空吸引することにより、大気圧を利用して積層体を賦形した状態にて、加熱することにより、該熱可塑性樹脂を介して強化繊維基材間を接着一体化してプリフォームを製造するにおいて、加熱して強化繊維基材間を接着一体化した後、熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも低い温度に除冷すると同時に、バグ材の密閉を解放することにより、品位に優れたプリフォームを製造する方法が示されている。プリフォームが賦形型に密着した状態で除冷すると、賦形型が線膨張係数により収縮するため、プリフォームも収縮し、シワが発生する問題があったが、特許文献2の方法により、シワの発生を抑制し、品位に優れたプリフォームを製造することができる。
しかしながら、特許文献2には、プリフォームを成形型に搬送、配置する方法は示されておらず、良好な品位のプリフォームを製造することができても、上記のように、プリフォームを成形型に搬送する際に、プリフォームが変形する問題およびプリフォームを精度良く成形型に配置することが困難であるため、良好な品位の繊維強化プラスチック部材を成形できない問題があった。特に近年の航空機用構造部材は、大型でありながら、複雑な形状を有しているため、複雑な形状を有する成形型に位置精度良く、プリフォームを配置することが求められていた。
特開2007−1298号公報 特開2008−6814号公報
本発明の課題は、かかる問題点に鑑みて、搬送治具自体にプリフォーム基材に有する樹脂材料を介して接着させ、搬送することで、取扱性・搬送容易性に優れ、プリフォームの賦形形状を維持したまま、かつプリフォームの品位を損ねることなく、成形型まで搬送し、かつ成形型の所定の位置に精度良く、毎回同じ位置に配置することができるプリフォームの搬送方法を提供することである。
本発明はかかる課題を解決するために次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)強化繊維基材の表面に熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を有するプリフォームを、該樹脂材料を介してプリフォーム搬送治具に仮接着させた状態で成形型に搬送し、設置した後、プリフォーム搬送治具をプリフォームから取り外して、プリフォームを成形型に配置する工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
(2)プリフォーム搬送治具は、成形型への設置位置を決める嵌め合い機構を有しており、該嵌め合い機構により、プリフォーム搬送治具に仮接着したプリフォームを成形型に設置する、(1)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(3)嵌め合い機構がピンとピン穴である、(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(4)嵌め合い機構がキーと溝である、(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(5)プリフォーム搬送治具は、プリフォームを回転することができる回転機構を有している、(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(6)プリフォーム搬送治具とプリフォームとの仮接着を加熱により行う、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(7)プリフォームとプリフォーム搬送治具との仮接着箇所が、間欠的であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(8)プリフォーム搬送治具がプリフォームを作製する賦形型に予め装備されており、プリフォームを作製するのと同時に、プリフォーム搬送治具をプリフォームに仮接着する、(1)〜(7)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(9)賦形型の一部または全部がプリフォーム搬送治具を構成している、(1)〜(8)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(10)プリフォーム搬送治具に、成形型に樹脂を注入する開口部を有している、(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
本発明によれば、プリフォームを所定の賦形形状を維持したまま、容易に成形型に搬送することが可能である。同時に成形型の所定の位置に精度良く、毎回同じ位置に配置することが可能であるため、再現性および信頼性の高い繊維強化プラスチックが得られる。特に、自重などにより変形しやすい長尺形状のプリフォームを、変形することなく、かつ位置精度良く、成形型に搬送、配置することができる。加えて、変形したプリフォームの修正や成形型への配置調整等の作業が不要となるので生産性の高い製造が可能となる。
以下に、本発明を図1〜6に示す一実施態様に基づいて説明する。なお、本発明が当該図面に記載された態様に限定されるものではない。
本発明で用いる好ましい賦形型1は、図1に示すように搬送治具2を装備している。賦形型1の一部または全体に搬送治具2が予め装備されており、搬送治具2は賦形型1と容易に脱着が可能である。賦形型1、搬送治具2の材料は金属、樹脂、FRP、木材などから構成され、搬送治具2の一部または全体(図1では、搬送治具2の表面)は同時にプリフォーム3の賦形形状を有している。賦形形状は、製造する繊維強化プラスチックのプリフォーム3として必要とされる形状を有しており、賦形型1に搬送治具2を装備した状態で、その上部に表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を有する繊維強化基材を積層し、賦形することでプリフォーム3を製造する。
賦形は後述のように繊維強化基材を加圧または減圧することにより、搬送治具2の賦形形状を有する面にも賦形時の力が作用するため、その際の力により搬送治具2が破損、位置ずれ、分離等しないような構造および固定方法が好ましい。この固定方法は、後に賦形型1と脱着可能なようにするためピン止め(ピンとピン穴で止める構造)、キー止め(キーと溝で止める構造)、ネジ止め(雄ネジと雌ネジで止める構造)が好ましく、かつ、この固定手段は必要とされる賦形形状を有する面以外の部分にある。
本発明の好ましい繊維強化基材は、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、有機(ポリアラミド、PBO、液晶ポリマー、PVA、PE、PPS等)繊維または炭素繊維などの連続繊維や不連続繊維から成る織物、不織布、マットなどの布形状を有している。特に炭素繊維は比強度、比弾性率、対吸水性等に優れるので、航空機や自動車などの構造部材の強化繊維として好ましく用いられる。
各繊維強化基材の表面に樹脂材料を有することにより、成形品の積層層間部の靭性向上による力学特性向上や、型上への積層時に熱融着させてプリフォームの形状安定化を図ると同時に、本発明の搬送治具1との熱融着による仮接着が可能となり、プリフォーム搬送時の安定化が図れるので好ましい。樹脂材料としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂があげられ、これらを単独で使用しても組み合わせて使用しても良い。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリエーテルケトンケトン、これらの変性樹脂、強重合樹脂などを使用することが好ましく、その中でもポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホンを使用するのがシート間の強度を増加させることができる点でより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などを好ましく使用することができる。
また、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を組み合わせて使用することは、両者の優れた点を両立できて好ましい。例えば、熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂で改質することにより、熱可塑性樹脂の耐溶剤性を熱硬化性樹脂により改善し、かつ、熱可塑性樹脂特有の高い靭性向上効果が得られるものを得ることが可能となる。このような目的において、樹脂材料中の熱可塑性樹脂の配合量は耐衝撃性に優れた繊維強化プラスチックが得られる点から30〜100重量%であることが好ましい。
好ましい樹脂材料の形態としては、例えば粒子状、繊維状、フィルム状のものが挙げられる。中でも使用できる樹脂の種類が多様であること、プリフォーム3における繊維強化体積率を高くすることが出来る点から粒子の形態が好ましい。この粒子は平均直径が小さければ、小さいほど均一に強化繊維基材に散布することが可能となるため、1mm以下が好ましく、250μm以下であればより好ましく、50μm以下が更に好ましい。また、強化繊維基材の表面における粒子の平均厚さは5〜250μmが好ましい。
上記樹脂材料の付着量は、前記したような特性の効果が得られ、かつマトリックス樹脂の含浸性を阻害しない点から2〜40g/mが好ましく、より好ましくは10〜35g/mである。なお、この樹脂材料の付着面は含浸性やFRPの力学特性を阻害しなければ、片面、両面のいずれかに特定するものではないが、搬送治具2への熱融着の選択性から樹脂は両面付着がより好ましい。
本発明の搬送治具2にて搬送するプリフォーム3の好ましい態様は、前記強化繊維基材を1〜100枚積層したものを用いて作成したものであり、この強化繊維基材の積層体を前記固定方法によって搬送治具2の組み込まれた賦形型1にのせ、若干加圧した状態で樹脂材料のガラス転移温度以上に加熱賦形することにより得られる。この積層体への加圧方法は、外部からの正圧、または積層体をバッグし該バッグ内部を負圧にすることによる大気圧を利用した加圧のどちらでも良い。この加熱賦形の際に、前記樹脂材料が搬送治具2にも熱融着することを利用し、搬送治具2によるプリフォーム3の搬送安定性を付与するものである。
この搬送治具2には、プリフォーム3の接着を付与するために離型処理をしたり、離型布を配置したりすることは不要であるが、搬送後の搬送治具2とプリフォーム3との離脱性を良化させるために、断続的または散布的に離型処理または離型布の配置を行うこと(図4の破線の○部参照)が好ましく、この場合、搬送治具2とプリフォーム3との仮接着箇所は間欠的となる。なお、この離型処理または離型布の配置は、搬送冶具2の賦形面の面積に対し10〜90%とするのが好ましく、より好ましくは30〜50%である。一方、賦形型1は、全面に離型処理をしたり離型布を配置したりすることにより、賦形型1よりこのプリフォーム3が脱型できるようにすることは好ましい。
この搬送冶具2は、賦形型そのものを搬送治具として用いても構わないが、この搬送治具2を賦形型1の一部分とすることで搬送時の作業性を改善する等の機能が持たせることが出来好ましい。賦形型1、搬送治具2上で賦形され、前記樹脂材料により熱融着されているプリフォーム3は、搬送治具2ごと成形型に移載される。プリフォーム3は搬送治具2に熱融着された状態で移動するので、搬送の際にプリフォームの脱落、変形が、ひずみ等が起こらず再現性のある、信頼性に優れる部材の製造が可能となる。
搬送冶具2は賦形型1から分離して成形型4に移動させるが、搬送治具2とプリフォーム3の重量が軽量な場合は、手やロボットにより移動が可能であるが、クレーン、空気吸引や磁力による搬送をおこなっても構わない。
この成形型4へのプリフォーム3の移載は、プリフォーム3と成形型4面とが再現性良く一致するために、成形型4に前記した搬送治具2に賦形型1との固定のために施してあるピン構造(ピン止めの場合)、キー溝(キー止めの場合)、はめあい機構(ネジ止めの場合)等を利用したこの搬送治具2を固定する構造を有することが好ましい。これにより、作成したプリフォーム3と成形型4は常に一致し、成形時の樹脂リッチ部等の欠陥をつくることなく信頼性の高い構造部材を製造することが可能となる。この搬送治具2は成形型4に搭載したまま成形しても構わないが、成形後の搬送治具離脱時の作業性から、成形型4にプリフォーム3を配置した後にプリフォーム3と離脱するのが好ましい。
この搬送治具2は、雄型賦形型1から雌型成形型4に移載できるように、図3の5に示すような回転機構を備えたものが、反転時の作業性および反転時のプリフォームへのねじり等負荷がなく好ましい。
また、搬送治具2に樹脂を注入する構造を有することも好ましい実施様態である。具体的には、搬送治具2に樹脂注入用の溝状または孔状の開口部を施すことで、成形型4にプリフォームを搬送治具2ごと移載した後、そのまま樹脂注入工程に移行できることにより、作業性の向上、製造時間の短縮などの効果がある。この際、樹脂の均一分散および成形後の搬送治具2の取り外し点から、孔状の開口部を多数開けておくのが好ましい。この孔状の開口部の寸法は、注入した樹脂を効率よくプリフォームに含浸させ、かつ成形品の表面形状を維持するために0.1〜2mmが好ましい。また開口部の形状は加工上の容易性から円形状が好ましいが、四角形状、三角形状でも良い。
前記により成形型4に移載されたプリフォームは、前記したRTM法やVaRTM法等の成形法により樹脂が注入含浸され、その樹脂を硬化させることにより繊維強化プラスチックからなる成形品を得る。
本発明は、特に図1に示すような断面形状がC型などの異形断面形状を有する部材であり、かつ当該C型部材の外形状の寸法精度及び表面平滑性が要求される場合に、好適に使用することができる。強化繊維基材の積層体をC型断面形状に賦形するためには、図1に示すような雄型の賦形型1を用いて賦形することにより、特に、C型形状のコーナーR形状6を品位良好に形成できるため好ましい。一方、この雄型の賦形型を成形として利用すると、C型部材の外形状の寸法が部材の厚み変化により変動するため、外形状の寸法精度が低下し、且つ表面平滑性も低下するため、雌型の成形型4に搬送、配置して成形することが好ましいのである。この場合、雄型の賦形型1で作製した異形断面形状を有するプリフォームを、品位を損ねることなく、雌型の成形型4に搬送、配置する必要があるため、本発明を好適に用いることができるのである。
(実施例1)
図1〜3に示すような賦形型1、成形型4および搬送治具2を用いて、C型の寸法約縦300mm×横300mm×長さ6000mmの航空機部材を製造した結果、再現性の良い安定した繊維強化プラスチック部材を得ることができた。
使用した強化繊維基材は、引張強さが5800MPa,引張弾性率が290GPaのフィラメント数が24000本の炭素繊維を用いて炭素繊維重量190g/mの織物シートを製織した。この織物シートを製織する過程において、ポリエーテルスルホンとエポキシ樹脂の配合割合が60:40の混合樹脂を粉砕した樹脂材料の粉末を前記織物シートに散布し熱融着させた。なおこの樹脂材料の織物シートへの付着量は27g/mであった。前記強化繊維基材をツール板上部で16〜48plyまで積層した後、この積層体を、加熱圧着冶具を用いて仮接着し、プリフォーム用積層体を製作した。
このプリフォーム積層体を、図に示すような、搬送治具2をピン止めにより賦形型1に装着した賦形装置上に配置した。このとき搬送治具2の賦形面上には断続的に離型処理を施した。この賦形装置上に配置したプリフォーム3をラバーバッグにより真空賦形し、この賦形型1に内蔵した加熱装置により、80℃、2時間の賦形作業を施した。賦形完了後、搬送治具2を賦形型1より取り外し、プリフォーム3ごと搬送治具2を持ち上げ、成形型4まで搬送した結果、プリフォームは搬送治具から離脱、ずれ、ないしはねじれを生じることなく搬送可能であった。
搬送したプリフォームを搬送治具2に装備した回転機構5により反転し、成形型4にはめ込み、ピンにより成形型4と搬送治具2との位置合わせを実施したところ、回転によるプリフォームの脱落もなく、正規の位置にプリフォームを装着することができた。装着後、搬送治具をプリフォーム3から容易に離脱でき、離脱によるプリフォーム3の成形型4からのずれ、および離脱面のプリフォーム3の損傷なく離脱することができた。
その後、VaRTM法により、このプリフォーム3に樹脂注入硬化を実施し、成形を実施した。プリフォーム3と成形型4とが一致していたことにより、樹脂リッチ等の欠陥もなく良好な繊維強化プラスチックの成形品を製造することができた。
(比較例1)
搬送治具2の賦形面の全面に離型処理を施し、そのほかは実施例1と同様の方法でプリフォームを作成した。搬送治具2は賦形型1に固定したままプリフォーム3のみを離脱し成形型4へ搬送したところ、搬送中にプリフォーム3が変形した。また、成形型4に、目視によりこのプリフォーム3の位置合わせを実施し、成形したところ、プリフォーム3と成形型4の若干のずれによる樹脂リッチ欠陥が生じた。
(実施例2)
搬送治具2に孔径1mmの丸穴を1mmピッチで加工し、搬送治具2の前面に離形布を配置し、成形型4への配置までは実施例1と同様の方法で行い、この搬送治具2をプリフォーム3に接着したまま、前記丸穴を樹脂注入孔として使用し成形をした。樹脂は問題なくプリフォーム3に含浸し、硬化後の成形品からの搬送治具2の離脱も離型布を介して良好に実施することができ、実施例1と同様良好な繊維強化プラスチックの成形品が再現性良く製造することができた。
この図は、搬送治具が設置された賦形型上にプリフォームが作製された斜視図である。 この図は、搬送治具に仮接着されたプリフォームを賦形型から離脱した斜視図である。 この図は、搬送治具に仮接着されたプリフォームを、回転機構を用いて反転した状態の斜視図である。 この図は、反転した搬送治具とプリフォームの平面図である。破線の○部は離型未処理部を示す。 この図は、反転した搬送治具とプリフォームを成形型に設置した平面図である。 この図は、設置したプリフォームから搬送治具を取り外した状態の平面図である。
符号の説明
1 賦形型
2 搬送治具(プリフォーム搬送治具)
3 プリフォーム
4 成形型
5 回転機構
6 コーナーR形状

Claims (10)

  1. 強化繊維基材の表面に熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を有するプリフォームを、該樹脂材料を介してプリフォーム搬送治具に仮接着させた状態で成形型に搬送し、設置した後、プリフォーム搬送治具をプリフォームから取り外して、プリフォームを成形型に配置する工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. プリフォーム搬送治具は、成形型への設置位置を決める嵌め合い機構を有しており、該嵌め合い機構により、プリフォーム搬送治具に仮接着したプリフォームを成形型に設置する、請求項1に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. 嵌め合い機構がピンとピン穴である、請求項2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 嵌め合い機構がキーと溝である、請求項2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. プリフォーム搬送治具は、プリフォームを回転することができる回転機構を有している、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. プリフォーム搬送治具とプリフォームとの仮接着を加熱により行う、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  7. プリフォームとプリフォーム搬送治具との仮接着箇所が間欠的である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  8. プリフォーム搬送治具がプリフォームを作製する賦形型に予め装備されており、プリフォームを作製するのと同時に、プリフォーム搬送治具をプリフォームに仮接着する、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  9. 賦形型の一部または全部がプリフォーム搬送治具を構成している、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  10. プリフォーム搬送治具に、成形型に樹脂を注入する開口部を有している、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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