JP2010127636A - 磁気比例式電流センサ - Google Patents

磁気比例式電流センサ Download PDF

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Abstract

【課題】ゲイン調整にあたってホール素子等の磁気検出素子の駆動電流を変化させることを不要としてゲイン調整に伴うオフセット電圧の変化をなくすことで、ゲイン調整を簡素化した低コストの磁気比例式電流センサを提供する。
【解決手段】調整の際には、まずホール素子16の駆動電流ICを固定し、次に中間電圧生成回路26の抵抗R2の抵抗値を調整してオフセット電圧の影響を調整し、その後、抵抗RTの抵抗値を調整して差動増幅器22の増幅度を調整する(ゲイン調整する)。差動増幅器22の増幅度の調整によりホール素子16の駆動電流ICは変化しないため、駆動電流ICの変化に伴うオフセット電圧の変化は考慮しなくてよい。すなわち、再度のオフセット調整やそれを考慮した複雑な計算が不要であり、ゲイン調整の工程が簡素化できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリットカーや電気自動車のバッテリー電流やモータ駆動電流、工作機械のモータに流れる電流をホール素子等の磁気検出素子を用いて測定する磁気比例式電流センサに関する。
ホール素子等の磁気検出素子を用いてバスバーに流れる電流(被測定電流)を非接触状態で検出する電流センサとして、以下に示す磁気比例式のものが従来から知られている。
磁気比例式電流センサは、図7に例示のように、ギャップGを有するリング状の磁気コア20(高透磁率で残留磁気が少ない珪素鋼板やパーマロイコア等)と、ギャップGに配置されたホール素子16(磁気検出素子の例示)とを有する。磁気コア20は、被測定電流Iinの流れるバスバー10が貫通する配置である。したがって、被測定電流IinによってギャップG内に磁界が発生し、これがホール素子16の感磁面に印加される。磁界の強さは被測定電流Iinに比例するので、ホール素子16の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。なお、磁気比例式電流センサの回路構成は、例えば図8に示されるものである。この回路では、定電流駆動されるホール素子16の出力電圧を差動増幅回路で増幅してセンサ出力としている。
また、近年では装置小型化の要求のため、図9(A),(B)に示されるような、リング状の磁気コアを用いないコアレス構造の磁気比例式電流センサも採用されている。図10は、図9の場合における、バスバー10に流れる被測定電流Iinとそれによってホール素子16の感磁面に印加される磁界(磁束密度B)との関係を例示する特性図である。被測定電流Iinの−1000A〜+1000Aのレンジに対してホール素子16の感磁面に印加される磁界(磁束密度B)は−50mT〜+50mTのレンジで直線的に変化する(比例する)。したがって、コアレス構造の場合も、被測定電流Iinによって発生する磁界がホール素子16の感磁面に印加され、ホール素子16の出力電圧から被測定電流Iinが求められる。
ところで、ホール素子の感度は素子ごとに異なり、また、磁気コアのギャップ長も一定にすることはできないため、被測定電流に対するセンサ出力を所望値(例えばセンサ出力Vout=2.5V±2V〔被測定電流のフルスケール±400A時〕)にするためには、電流センサのゲイン調整を行う必要がある。
ゲイン調整に関し、下記特許文献1の電流センサ装置では、「ホール素子1の駆動定電流を調整するための第1のトリミング抵抗3が設けられて」いて、「この第1のトリミング抵抗3は電流センサ装置のゲイン調整手段として機能」している(段落[0017])。そして、特許文献1は、「この第1のトリミング抵抗3」に「ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量を補正したゲイン調整目標値」を入力し(同段落)、ゲイン調整後にオフセット電圧を調整することで、「基板の廃却や再トリミングがなく、かつ調整工程も少なくて済む、低コストを目的とした電流センサ装置の調整方法を提供」([要約]の[課題])できるとしている。
特開2008−241552号公報
ゲイン調整のためにホール素子の駆動電流を変化させると、駆動電流の変化に伴ってオフセット電圧(被測定電流が0A時のホール素子の出力電圧)が変化してしまうという欠点がある。特許文献1では、上記欠点を克服するために「第1のトリミング抵抗3」に「ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量を補正したゲイン調整目標値」を入力してゲイン調整後にオフセット電圧を調整することとしているが、同文献段落[0020]〜[0024]に説明されているような複雑な計算が必要となるため、電流センサの設計に手間と時間を要してコスト高になりやすいという問題がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ゲイン調整にあたってホール素子等の磁気検出素子の駆動電流を変化させることを不要としてゲイン調整に伴うオフセット電圧の変化をなくすことで、ゲイン調整を簡素化した低コストの磁気比例式電流センサを提供することにある。
本発明のある態様は、磁気比例式電流センサである。この磁気比例式電流センサは、
被測定電流によって発生する磁界が印加される磁気検出素子と、
前記磁気検出素子を定電圧駆動又は定電流駆動する駆動回路と、
前記磁気検出素子の出力電圧を増幅する差動増幅器とを備え、
前記差動増幅器は、オペアンプと、第1ないし第6抵抗と、トリミング可能な抵抗又は可変抵抗とを有し、
前記磁気検出素子の一方の出力端子と前記オペアンプの反転入力端子とを接続する経路に前記第1抵抗が設けられ、前記磁気検出素子の他方の出力端子と前記オペアンプの非反転入力端子とを接続する経路に前記第2抵抗が設けられ、前記オペアンプの出力端子と前記反転入力端子とを接続する経路に前記第3及び第4抵抗が直列に接続され、前記非反転入力端子と基準電圧端子とを接続する経路に前記第5及び第6抵抗が直列に接続され、前記第3及び第4抵抗の接続点と前記第5及び第6抵抗の接続点とを接続する経路に前記トリミング可能な抵抗又は前記可変抵抗が設けられ、前記第1及び第2抵抗が同抵抗値であり、前記第3ないし第6抵抗が同抵抗値である。
ある態様の磁気比例式電流センサにおいて、前記第1ないし第6抵抗が固定抵抗であるとよい。
ある態様の磁気比例式電流センサにおいて、
前記被測定電流の経路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアをさらに備え、
前記磁気検出素子が前記ギャップ部に位置するとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、トリミング可能な抵抗又は可変抵抗の抵抗値を調整して差動増幅器の増幅度を調整することで磁気比例式電流センサのゲイン調整ができるため、ゲイン調整にあたってホール素子等の磁気検出素子の駆動電流を変化させる必要がない。したがって、ゲイン調整に伴うオフセット電圧の変化をなくすことができ、ゲイン調整を簡素化した低コストの磁気比例式電流センサを実現することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気比例式電流センサ100の回路図である。磁気比例式電流センサ100は、高電圧端子としての電源端子12と、低電圧端子としての接地端子14と、センサ出力端子15と、磁気検出素子としてのホール素子16と、駆動回路としての定電流回路18と、差動増幅器22と、分圧回路24と、中間電圧生成回路26とを備える。
電源端子12及び接地端子14は直流電圧源(ここでは例として電源電圧VCC=5V)に接続され、電源端子12が高電圧側であり、接地端子14が低電圧側で接地される。ホール素子16は、例えばInAs系であり、図7に例示のように磁気コア20のギャップ部G内(すなわち被測定電流Iinによって発生する磁界が印加される位置)に固定配置される。
図2(A)はホール素子16に印加される磁界(ギャップ内磁束密度B)の模式的説明図であり、同図(B)は被測定電流Iinに対するギャップ内磁束密度Bの例示的な特性図である。被測定電流Iinの−400A〜+400Aのレンジ(磁気比例式電流センサ100の定格)に対して、ギャップ内磁束密度Bは−50mT〜+50mTのレンジで直線的に変化している(比例している)。
図1においてホール素子16は等価的に4つの抵抗のブリッジ接続で表される。ホール素子16の電流供給端子a,b間に一定の駆動電流ICを流しておくことにより、ホール素子16に印加された磁界に比例した(換言すれば被測定電流Iinに比例した)電圧VHが出力端子c,d間に得られる。
図3は、磁気比例式電流センサ100におけるホール素子16の駆動電流ICと出力電圧VHとの関係を例示する特性図である。条件は周囲温度Taを25℃、ギャップ内磁束密度Bを50mTとしている。本図に示されるように、ホール素子16は駆動電流ICが大きいほど出力電圧VHが大きくなっている。よって、ホール素子16の駆動電流ICは最大定格(例えば10mA)の近くに設計するほど高感度になって望ましいといえる。そこで、本実施の形態では例として駆動電流ICを9mAに設定(固定)する。そして、後述のように駆動電流ICは磁気比例式電流センサ100のゲイン調整によって変化しないのがポイントである。
図4は、磁気比例式電流センサ100におけるホール素子16の駆動電流ICとオフセット電圧Vofsとの関係を例示する特性図である。条件は周囲温度Taを25℃、ギャップ内磁束密度Bを0mTとしている。本図に示されるように、ホール素子16は駆動電流ICが大きいほどオフセット電圧Vofsが大きくなっている。つまり、駆動電流ICの大きさによってオフセット電圧Vofsは変化する。このため、特許文献1に記載のようにゲイン調整のために駆動電流ICを変化させるとオフセット電圧Vofsが変化してしまうという問題が発生するわけである。そこで、本実施の形態では後述のようにゲイン調整にあたって駆動電流ICを変化させない構成としている。
図1において、定電流回路18は、ホール素子16を定電流駆動する。分圧回路24は、電源電圧VCCを所定の比率で分圧する。この分圧電圧Vdvは定電流回路18の駆動電圧となる。差動増幅器22は、ホール素子16の出力電圧VHを増幅し、これをセンサ出力端子15から出力する(センサ出力電圧Vout)。中間電圧生成回路26は、電源電圧を所定の比率で分圧して出力する。中間電圧生成回路26の出力電圧Vmdは、差動増幅器22の基準電圧となる。
以下、磁気比例式電流センサ100の回路構成をより具体的に説明する。
ホール素子16及び定電流回路18は、電源端子12と接地端子14との間に、ホール素子16が電源端子12側となるように直列に接続される。すなわち、ホール素子16の電流供給端子aが電源端子12に接続され、ホール素子16の電流供給端子bと接地端子14との間に定電流回路18が設けられる。
分圧回路24は、電源端子12と接地端子14との間に直列に接続された抵抗R3及びR4を有し、抵抗R3及びR4の接続点の電圧(分圧電圧Vdv)を定電流回路18に出力する。分圧電圧Vdvは、
dv=(R4/(R3+R4))×VCC …式(1)
と表される。抵抗R3及びR4による分圧比は例えば4:1であり、この場合、分圧電圧Vdvは1Vとなる。
定電流回路18は、Nチャンネル型トランジスタとしてのNPN型バイポーラトランジスタQと、電流設定用抵抗R5と、オペアンプ32(演算増幅器)とを有する。NPN型バイポーラトランジスタQ及び電流設定用抵抗R5は、ホール素子16の電流供給端子bと接地端子14との間に、NPN型バイポーラトランジスタQが電流供給端子b側となるように直列に接続される。すなわち、NPN型バイポーラトランジスタQのコレクタがホール素子16の電流供給端子bに接続され、NPN型バイポーラトランジスタQのエミッタと接地端子14との間に電流設定用抵抗R5が設けられる。オペアンプ32は、分圧回路24からの分圧電圧Vdvが非反転入力端子に入力され、NPN型バイポーラトランジスタQと電流設定用抵抗R5との接続点に反転入力端子が接続され、出力端子がNPN型バイポーラトランジスタQの制御端子(ベース端子)に接続される。
このような接続とすることで、オペアンプ32の非反転入力端子と反転入力端子との間の電圧は負帰還により常にゼロとなる(イマジナリーショートが成立する)。つまり、オペアンプ32の反転入力端子の電圧(NPN型バイポーラトランジスタQのエミッタの電圧)はオペアンプ32の非反転入力端子の電圧(分圧回路24からの分圧電圧Vdv)と等しくなる。したがって、電流設定用抵抗R5に流れる電流すなわちホール素子駆動電流ICは、
C=Vdv/R5[A] …式(2)
となり、ホール素子16の内部抵抗によらず一定となる。ホール素子駆動電流ICは例えば9mAに設定する。
中間電圧生成回路26は、電源端子12と接地端子14との間に直列に接続された抵抗R1及びR2を有し、抵抗R1及びR2の接続点の電圧(中間電圧Vmd)を差動増幅器22に出力する。中間電圧Vmdは、
md=(R2/(R1+R2))×VCC …式(3)
と表される。抵抗R1及びR2による分圧比は例えば1:1であり、この場合、中間電圧Vmdは2.5Vとなる。なお、ホール素子16のオフセット電圧による影響の調整のために、抵抗R1及びR2のいずれか(図1では抵抗R2)を可変抵抗とし、被測定電流Iinが0Aの時の差動増幅器22の出力電圧Voutが2.5Vとなるように中間電圧Vmdを微調整可能としている。
差動増幅器22は、オペアンプ38と、第1ないし第6抵抗としての抵抗R6〜R11と、トリミング可能な抵抗としての抵抗RTとを有する。好ましくは抵抗R6〜R11は、低精度な半固定抵抗器やレーザトリミング抵抗器ではなく、高精度な固定抵抗器を使用する。抵抗RTとしては例えばレーザトリミング抵抗器が用いられる。
ホール素子16の出力端子dとオペアンプ38の反転入力端子とを接続する経路に抵抗R6が設けられ、ホール素子16の出力端子cとオペアンプ38の非反転入力端子とを接続する経路に抵抗R7が設けられ、オペアンプ38の出力端子と前記反転入力端子とを接続する経路に抵抗R8及びR9が直列に接続され、前記非反転入力端子と基準電圧端子(中間電圧生成回路26の出力端子)とを接続する経路に抵抗R10及びR11が直列に接続され、抵抗R8及びR9の接続点と抵抗R10及びR11の接続点とを接続する経路に抵抗RTが設けられる。抵抗R6及びR7は同抵抗値であり、抵抗R8〜R11は同抵抗値である(R6=R7,R8=R9=R10=R11)。また、抵抗RTの抵抗値はK×R12(Kは任意の正の実数)とする(但しR8=R9=R10=R11=R12)。
差動増幅器22の出力電圧Vout(センサ出力電圧)は、
out=Vmd+2(1+1/K)×(R12/R6)×VH[V] …式(4)
で示される。したがって、抵抗RTの抵抗値(=K×R12)を調整することで差動増幅器22の増幅度を調整することができる(抵抗R6〜R11は抵抗値の調整不要)。
磁気比例式電流センサ100の調整の際には、まずホール素子16の駆動電流ICを例えば9mAに設定(固定)し、次に中間電圧生成回路26の抵抗R2(可変抵抗)の抵抗値を調整して被測定電流Iinが0Aの時の差動増幅器22の出力電圧Voutが2.5Vとなるように中間電圧Vmdを調整し、その後、抵抗RTの抵抗値(=K×R12)を調整して差動増幅器22の増幅度を調整する(すなわち磁気比例式電流センサ100のゲイン調整を行う)。差動増幅器22は、ホール素子16の出力電圧VH(例えば数10mV)を数10倍に増幅して例えばVout=2.5V±2V(被測定電流Iinのフルスケール±400A時)として出力する。なお、差動増幅器22の増幅度の調整によりホール素子16の駆動電流ICは変化しないため、駆動電流ICの変化に伴うオフセット電圧の変化は考慮しなくてよい。すなわち、再度のオフセット調整やそれを考慮した複雑な計算が不要であり、ゲイン調整の工程が簡素化できる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) トリミング可能な抵抗としての抵抗RTの抵抗値を調整して差動増幅器22の増幅度を調整することで磁気比例式電流センサ100のゲイン調整ができるため、ゲイン調整にあたってホール素子16の駆動電流ICを変化させる必要がない。したがって、特許文献1に記載のようにゲイン調整のためにホール素子の駆動電流を変化させる場合と異なりゲイン調整に伴うオフセット電圧の変化をなくすことができ、ゲイン調整を作業性よく簡素化した低コストの磁気比例式電流センサを実現することができる。
(2) 磁気比例式電流センサ100のゲイン調整にあたってホール素子16の駆動電流ICを変化させる必要がないため、特許文献1に記載のようにゲイン調整のためにホール素子の駆動電流を変化させる場合と比較してホール素子16の駆動電流ICを最大定格(例えば10mA)の近く(例えば9mA)に設定してホール素子16の感度を高めることができ、電流検出精度が高められる。
(3) 差動増幅器22の増幅度を調整する際に抵抗R6〜R11の抵抗値は調整不要なため、増幅度の調整のために差動増幅器22のCMR(Common Mode Rejection)が低下する不都合も防止できる。以下、これについて説明する。
差動増幅器22は、反転増幅器と非反転増幅器の両方を重ねて作った増幅器と考えられるため、抵抗R6〜R11の抵抗値の関係(R6=R7,R8=R9=R10=R11)が崩れた場合は、差動増幅器22に反転入力端子及び非反転入力端子に同相成分が入ってきたときのCMRが低下し、理想的な差動増幅器から離れてしまい、不具合が発生しやすくなる。理想的な差動増幅器の場合は、例えば同相のノイズが入っても出力はゼロとなる(差動電圧だけを正確に増幅する)。
ここで、抵抗R8〜R11(又は、抵抗R6及びR7)を半固定抵抗器やレーザトリミング抵抗器としてその抵抗値を調整することでゲイン調整する場合を考えると、調整後の抵抗値が等しくなるようにする(R8=R9=R10=R11(又はR6=R7)を満たすようにする)ことは至難の業であり、抵抗値の上記関係が崩れてCMRが低下し、理想的な差動増幅器から遠ざかってしまう。
一方、本実施の形態によれば上述のとおりトリミング可能な抵抗としての抵抗RTの抵抗値を調整することで差動増幅器22の増幅度を調整でき、抵抗R6〜R11の抵抗値は調整不要なため、抵抗R6〜R11として高精度の固定抵抗器を用いることができる。このため差動増幅器22の増幅度の調整(すなわち磁気比例式電流センサ100のゲイン調整)のために抵抗R6〜R11の抵抗値の関係(R6=R7,R8=R9=R10=R11)が崩れることはなく、理想的な差動増幅器に近い状態を維持することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態ではホール素子16の温度特性への配慮について特に触れなかったが、変形例では定電流回路18の抵抗R4を温度補償用の例えば正温度係数抵抗器(サーミスタ)として温度変化に伴う磁気比例式電流センサ100の精度を補償してもよい。すなわち、ホール素子16は図5に例示のようにギャップ内磁束密度Bが一定(例えば50mT)かつ駆動電流ICが一定(例えば10mA)であれば周囲温度Taが高いほど出力電圧VHが小さくなる傾向があるところ、定電流回路18の抵抗R4を正温度係数抵抗器とすれば、周囲温度Taが高いほど分圧回路24からの分圧電圧Vdvが大きくなってホール素子16の駆動電流ICが大きくなる(上記式(2)参照)ため、ホール素子16の感度が高められて温度特性の影響が補償される。なお、抵抗R4に代えて抵抗R3を温度補償用の抵抗器(負温度係数抵抗器(サーミスタ))としてもよい。
実施の形態では定電流回路に用いるトランジスタをNPN型バイポーラトランジスタとする場合を説明したが、変形例ではPNP型バイポーラトランジスタ又は電界効果トランジスタとしてもよい。この場合の定電流回路の構成を図6(A)〜(C)に示す。
図6(A)はPNP型バイポーラトランジスタを用いた場合である。この場合、電流設定用抵抗R9及びPNP型バイポーラトランジスタQは、電源端子12とホール素子16の電流供給端子aとの間に、電流設定用抵抗R9が電源端子12側となるように直列に接続される。すなわち、電源端子12とPNP型バイポーラトランジスタQのエミッタとの間に電流設定用抵抗R9が設けられ、PNP型バイポーラトランジスタQのコレクタがホール素子16の電流供給端子aに接続される。演算増幅器32は、分圧回路24からの分圧電圧Vdvが非反転入力端子に入力され、PNP型バイポーラトランジスタQと電流設定用抵抗R9との接続点に反転入力端子が接続され、出力端子がPNP型バイポーラトランジスタQの制御端子(ベース端子)に接続される。
図6(B)ではNチャンネルMOS型の電界効果トランジスタ(MOS:Metal-Oxide Semiconductor)を用いており、これは図1の定電流回路18の変形である。図6(C)ではPチャンネルMOS型の電界効果トランジスタを用いており、これは同図(A)の定電流回路18の変形である。なお、ホール素子16の駆動回路は定電流回路に限定されず、ホール素子16の電流供給端子a及びcをそれぞれ電源端子12及び接地端子14に必要に応じて抵抗(固定抵抗)を介して接続して定電圧駆動としてもよい。
実施の形態ではホール素子16が磁気コア20のギャップ部Gに配置される場合を説明したが、変形例では図9に例示のようなコアレス構成を採用してもよい。
実施の形態では磁気比例式電流センサを単電源駆動する場合を説明したが、変形例では両電源駆動としてもよい。この場合、中間電圧Vmdとしては接地電位を用いることができるので、中間電圧生成回路26は不要である。
実施の形態では抵抗RTをトリミング可能な抵抗(例えばレーザトリミング抵抗器)としたが、変形例では抵抗RTを可変抵抗としてもよい。
本発明の実施の形態に係る磁気比例式電流センサの回路図。 (A)は同磁気比例式電流センサのホール素子に印加される磁界(ギャップ内磁束密度)の模式的説明図。(B)は被測定電流に対するギャップ内磁束密度の例示的な特性図。 同ホール素子の駆動電流と出力電圧との関係を例示する特性図。 同ホール素子の駆動電流とオフセット電圧との関係を例示する特性図。 同ホール素子の出力電圧の周囲温度に対する例示的な特性図。 定電流回路の変形例を示す回路図。 磁気比例式電流センサの基本的構成図。 磁気比例式電流センサの基本的回路図。 リング状の磁気コアを用いないコアレス構造の磁気比例式電流センサの構成を示す、(A)は平面図、(B)は断面図。 図9の場合における、被測定電流とそれによってホール素子の感磁面に印加される磁界(磁束密度)との関係を例示する特性図。
符号の説明
12 電源端子
14 接地端子
15 センサ出力端子
16 ホール素子
18 定電流回路
22 差動増幅器
24 分圧回路
26 中間電圧生成回路
100 磁気比例式電流センサ

Claims (3)

  1. 被測定電流によって発生する磁界が印加される磁気検出素子と、
    前記磁気検出素子を定電圧駆動又は定電流駆動する駆動回路と、
    前記磁気検出素子の出力電圧を増幅する差動増幅器とを備え、
    前記差動増幅器は、オペアンプと、第1ないし第6抵抗と、トリミング可能な抵抗又は可変抵抗とを有し、
    前記磁気検出素子の一方の出力端子と前記オペアンプの反転入力端子とを接続する経路に前記第1抵抗が設けられ、前記磁気検出素子の他方の出力端子と前記オペアンプの非反転入力端子とを接続する経路に前記第2抵抗が設けられ、前記オペアンプの出力端子と前記反転入力端子とを接続する経路に前記第3及び第4抵抗が直列に接続され、前記非反転入力端子と基準電圧端子とを接続する経路に前記第5及び第6抵抗が直列に接続され、前記第3及び第4抵抗の接続点と前記第5及び第6抵抗の接続点とを接続する経路に前記トリミング可能な抵抗又は前記可変抵抗が設けられ、前記第1及び第2抵抗が同抵抗値であり、前記第3ないし第6抵抗が同抵抗値である、磁気比例式電流センサ。
  2. 請求項1に記載の磁気比例式電流センサにおいて、前記第1ないし第6抵抗が固定抵抗である、磁気比例式電流センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気比例式電流センサにおいて、
    前記被測定電流の経路を囲む、ギャップ部を有するリング状磁気コアをさらに備え、
    前記磁気検出素子が前記ギャップ部に位置する、磁気比例式電流センサ。
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