JP2010123386A - 燃料電池およびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料および酸化剤が供給されることによって発電が行われる燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1から排出される燃料排ガスから水分をドレン水として分離する燃料排ガス用気液分離器3と、燃料排ガス用気液分離器3から排出される燃料排ガスを燃焼処理する触媒燃焼器5と、燃料排ガス用気液分離器3にて分離されたドレン水を貯留するドレン水受けタンク12とを備え、燃料排ガスおよびドレン水を外部へと放出せずに再利用する燃料電池において、ドレン水受けタンク12にてドレン水と共存するガスが、触媒燃焼器5へと導かれることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
定置用や自動車用等の燃料電池では、オフガスを大気へ放出する大気開放型の燃料電池が多用される。ただし、オフガスはそのまま放出するのではなく、環境等を考慮して、燃焼触媒等を用いて燃焼器にて燃焼処理してから排出する(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
開放型燃料電池の場合、気液分離器で分離された後は、ドレン水と共存する気相は大気となるので、溶解平衡がシフトして溶存していた水素が気相中に脱離する。このように気相中に水素が脱離しても、開放型燃料電池の場合では脱離する水素量が微量であり、大気中へ拡散してしまうので大きな問題にはならない。
すなわち、本発明にかかる燃料電池は、燃料および酸化剤が供給されることによって発電が行われる燃料電池本体と、該燃料電池本体から排出される燃料排ガスから水分をドレン水として分離する燃料排ガス用気液分離器と、該燃料排ガス用気液分離器から排出される前記燃料排ガスを燃焼処理する燃焼器と、前記燃料排ガス用気液分離器にて分離されたドレン水を貯留するドレン水貯留部とを備え、前記燃料排ガスおよび前記ドレン水を外部へと放出せずに再利用する燃料電池において、前記ドレン水貯留部にてドレン水と共存するガスが、前記燃焼器へと導かれることを特徴とする。
なお、ドレン水貯留部のドレン水を精製するための純水器を備えていることが好ましい。
また、ドレン水は、酸化剤の加湿水、及び/又は、前記燃料電池本体の冷却水、及び/又は、水電解装置の電解用水として再利用することもできる。
ドレン水貯留部にてドレン水と共存するガスを燃焼器へ導き燃焼処理することとしたので、ドレン水貯留部におけるガスの燃料濃度が上昇することがない。したがって、ドレン水を外部へと排出することができずにドレン水貯留部の気相部にて燃料濃度が上昇するおそれがある閉鎖型燃料電池に対して特に有効である。
また、ドレン水貯留部におけるガスの燃料濃度が上昇しないので、酸化剤が溶存している酸化剤排ガスのドレン水をドレン水貯留部に供給することが可能となる。これにより、ドレン水貯留部を共通化することができ、装置構成を簡素化することが可能となる。
燃料電池の性能を向上させるために用いる加湿水として、ドレン水貯留部に貯留されたドレン水を用いることとしたので、ドレン水を再利用することができ、ドレン水を外部へと排出できない閉鎖型燃料電池に特に適した構成を実現することができる。
図1には、本発明の一実施形態にかかる燃料電池の概略が示されている。燃料電池としては、固体高分子形燃料電池(PEFC)が好適であるが、その形式は問わない。燃料電池は、宇宙機器や潜水的に用いられて好適な閉鎖型燃料電池となっている。すなわち、燃料電池スタックから排出されるオフガス及びオフガスから分離されるドレン水は燃料電池の外部へと放出されず、燃料電池のシステム内部で貯蔵されるようになっている。
一方、燃料電池スタック1から排出された酸素を含む酸化剤排ガス(オフガス)は、酸化剤排ガス用気液分離器7へと導かれる。この酸化剤排ガス用気液分離器7にて、酸化剤排ガス中の水分が凝縮されドレン水として下方に貯留される。このドレン水中には、酸化剤排ガス中の酸素が溶存している。
ドレン水受けタンク12の上方に位置する気相部には、ファン20が接続されている。このファン20によってドレン水受けタンク12の気相部のガスが触媒燃焼器5へと導かれる。これにより、ドレン水受けタンク12の気相部における水素ガスは、触媒燃焼器5によって燃焼処理される。すなわち、燃料排ガス用気液分離器3にて分離されたドレン水中に溶存している水素ガスは、ドレン水受けタンク12にてドレン水から脱離させられ、触媒燃焼器5にて処理される。
このように、ドレン水受けタンク12の気相部からファン20によって水素ガスを吸い出して触媒燃焼器5にて順次処理することによって、ドレン水受けタンク12の気相部における水素濃度は低下させられる。さらに、気相中の水素濃度が低下するので溶解平衡がシフトして、ドレン水中の水素濃度も低下する。したがって、酸化剤と共存しても反応の可能性が極めて低いので、酸化剤排ガス用気液分離器7のドレン水をドレン水受けタンク12に導くことが可能となる。これにより、ドレン水受けタンク12を共通化することができ、装置構成が簡素化される。
なお、図1において破線で示したように、ドレン水貯蔵タンク14に貯留されたドレン水を加湿水ポンプ26により抜き出し、加湿水として用いることとしても良い。
また、ドレン水は、燃料電池スタック1の冷却水、及び/又は、水電解装置の電解用水として再利用することとしても良い。
ドレン水受けタンク12にてドレン水と共存するガスを燃焼器へ導くこととしたので、ドレン水受けタンク12におけるガスは燃焼器にて燃焼処理されることになり、ドレン水受けタンク12におけるガスの水素濃度が上昇することがない。これは、ドレン水を外部へと排出することができず、ドレン水受けタンク12の気相部にて水素濃度が上昇するおそれがある閉鎖型燃料電池において極めて有効である。
このようにドレン水受けタンク12における水素濃度が上昇しないので、酸化剤が溶存している酸化剤排ガスのドレン水をドレン水受けタンク12に供給することが可能となる。これにより、ドレン水受けタンク12を共通化することができ、装置構成を簡素化することが可能となる。
燃料電池の性能を向上させるために用いる加湿水として、ドレン水受け部12に貯留されたドレン水を用いることとしたので、ドレン水を再利用することができ、ドレン水を外部へと排出できない閉鎖型燃料電池に適した構成を実現することができる。
3 燃料排ガス用気液分離器
5 触媒燃焼器(燃焼器)
7 酸化剤排ガス用気液分離器
12 ドレン水受けタンク(ドレン水貯留部)
16,18 加湿器
Claims (4)
- 燃料および酸化剤が供給されることによって発電が行われる燃料電池本体と、
該燃料電池本体から排出される燃料排ガスから水分をドレン水として分離する燃料排ガス用気液分離器と、
該燃料排ガス用気液分離器から排出される前記燃料排ガスを燃焼処理する燃焼器と、
前記燃料排ガス用気液分離器にて分離されたドレン水を貯留するドレン水貯留部と、
を備え、前記燃料排ガスおよび前記ドレン水を外部へと放出せずに再利用する燃料電池において、
前記ドレン水貯留部にてドレン水と共存するガスが、前記燃焼器へと導かれることを特徴とする燃料電池。 - 前記燃料電池本体から排出される酸化剤排ガスから水分をドレン水として分離する酸化剤排ガス用気液分離器を備え、
該酸化剤排ガス用気液分離器にて分離されたドレン水が、前記ドレン水貯留部へと導かれることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。 - 前記ドレン水貯留部に貯留されたドレン水が、前記燃料電池本体へと導かれる燃料および/または酸化剤の加湿水、及び/又は、前記燃料電池本体の冷却水、及び/又は、水電解装置の電解用水として再利用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 燃料および酸化剤が供給されることによって発電が行われる燃料電池本体と、
該燃料電池本体から排出される燃料排ガスから水分をドレン水として分離する燃料排ガス用気液分離器と、
該燃料排ガス用気液分離器から排出される前記燃料排ガスを燃焼処理する燃焼器と、
前記燃料排ガス用気液分離器にて分離されたドレン水を貯留するドレン水貯留部と、
を備え、前記燃料排ガスおよび前記ドレン水を外部へと放出せずに再利用する燃料電池の運転方法において、
前記ドレン水貯留部にてドレン水と共存するガスが、前記燃焼器へと導かれることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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