JP2010119962A - 二酸化炭素の浅帯水層貯留 - Google Patents

二酸化炭素の浅帯水層貯留 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池による発電システムで必要とされる中規模の二酸化炭素発生量を対象とする二酸化炭素貯留システムの提供。
【解決手段】(a)水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法、及び鹹水が存在する地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを二酸化炭素の貯留方法。(b)地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、地球温暖化抑止のための二酸化炭素貯留・隔離技術に関する。
地球温暖化抑止のために産業活動等により発生する二酸化炭素を大気中に放出することなく、発生源から生ずる二酸化炭素を隔離貯蔵する技術の開発が喫緊の課題とされている。
二酸化炭素貯留技術の開発は、発生源からの二酸化炭素は専ら二酸化炭素を地中あるいは海洋に注入して大気中から隔離させることを具体的に行うためのシステム構築に向けられている(非特許文献1)。
二酸化炭素を単に地上から投入するということでは合理的な解決ができないことから貯留しようとする部位に二酸化炭素をどのような状態で送り届けるかということが検討され、多くの検討がなされている。具体的には以下の通りである。
二酸化炭素を水に溶解した状態で送り込むこと(特許文献2 特開平3−188924号公報)、微細気泡化して注入水に混合すること(特許文献3 特開2008−6367号公報)、二酸化炭素を液化した状態で海水を交互に圧送すること(特許文献4 特開2000−22708号公報)などが知られている。
又、ハイドレートを生成させて貯蔵することも知られている(特許文献5 特開2003−284940号公報)。
上記と並んで貯留場所をどの程度の深さの地点とするかを決める必要がある。これらについては、以下の通りである。
二酸化炭素を深度1000m程度の地点に送り込むこと(特許文献6 特開2006−88129号公報、特許文献7 特開2003−1101号公報、特許文献8 特開2002−349793号公報)が検討されている。
炭酸ガスの地中への圧入方法としては、地表面上から地中に貫通したパイプの上部から、CO2昇圧装置で昇圧された二酸化炭素と、ポンプで昇圧された水とをパイプ内で合流混合しつつ圧入する(特許文献9 特開平6−170215号公報)。ガス田又は油田の地下層内に二酸化炭素をミキサーによって水に溶解させた状態で貯蔵する(特許文献10 特開平3−258340号公報)。炭酸ガスを含む気体をマイクロバブル化して水または海水中に分散させ、マイクロバブル化した炭酸ガスを地底に隔離する(特許文献11 特開2004−50167号公報)などがある。これらいずれの方法も、帯水層に海水又は水の溶媒と炭酸ガスとを圧入し、溶媒に炭酸ガスを溶解させて帯水層に貯留させるようにしている。
これらの考え方は、排出ガスから分離・回収した炭酸ガスを、地中の枯渇した油田やガス田あるいは帯水層に貯留する際、下記非特許文献1,2に記載されるように、前記炭酸ガスを液体又は超臨界状態に圧縮し、注入井より地中に圧入することが試みられている。一般に、この炭酸ガスは深度800m以上の貯留層に圧入することにより、炭酸ガスの超臨界状態(二酸化炭素の場合、温度31℃以上、圧力7.4MPa以上)を維持し、炭酸ガスの密度を大きくして効率的な貯留を図っている。従来の貯留方法は、図1の地中貯留法によって示される。又、この状態での炭酸ガスが貯留される状態は図2の従来の地中貯留の対象領域により示されている。二酸化炭素は深度800m以深 では超臨界状態となっている。深度800m 以浅では気体状で存在することが示されている。
従来のこれらの方法は、超臨界状態の炭酸ガスは周辺地下水より比重が軽く、浮力で上方へ移動するため、炭酸ガスを貯留する帯水層として、形状がドーム状とされ、上方中央部に浮上した炭酸ガスがトラップされるようなシール層(キャップロック)が形成されていることが必要とされる。一般的に油田やガス田では、貯留層が前記シール層とドーム形状との組合せによるトラップ構造を有することが確認されているが、自然界においてこの条件に適合した帯水層を見つけることが困難であることが課題となっている。このため適用できる条件を拡げ、炭酸ガスが浮上せず長期的かつ安定的に地中に貯留・隔離させる方法が望まれていた。
従来の方法を800m程度の帯水層に貯留することを述べて、具体的には対象とする貯留部位について明確にせず、以下の提案を行っている発明がある。
炭酸ガスを溶媒に溶解させた状態で地中の帯水層に圧入し、貯留・隔離するための炭酸ガスの地中貯留システムとして、炭酸ガスを液体又は超臨界状態まで圧縮する炭酸ガス圧縮装置と、海水及び/又は水からなる溶媒を圧縮・搬送する圧送ポンプと、前記圧縮された炭酸ガス及び溶媒が注入され、前記溶媒に前記炭酸ガスを溶解させて炭酸ガス溶解水とする1又は複数の溶解槽と、生成された炭酸ガス溶解水を地中の帯水層に圧入する地表面から前記帯水層まで貫通した注入井とから構成される炭酸ガスの地中貯留システム(特許文献12 特開2008−238054号)。炭酸ガスを海水及び/又は水からなる溶媒中に十分溶解させる貯留部位にするだけでは、従来の800m程度の部位を更に浅くできるということには直接結びつきことはないから、この方法においても従来の800m程度の部位の貯留を意図したものと考えられる。
この発明においては、大規模に発生する炭酸ガスを対象にしている大きな圧力を付加しており帯水層も、かなり深度がある部分を狙いとしているため、広域に亘る多点の貯留部分の選択には困難が予想される。
このことを背景にして本発明者らは、以下の発明を完成させた。
二酸化炭素を液化状態あるいは超臨界状態に保つためには20℃以上で60気圧以上が必要であるため、これらの手法を適用しようとする場合には、二酸化炭素の注入深度は約1000m以上となっている。ただし、深度1000m程度であっても、二酸化炭素は水よりも密度が小さく浮力がかかっているため、二酸化炭素の貯留域直上には、漏洩を防ぐための不浸水性の地層(キャップロック)の存在は必ずしも必要がないことを含む発明を行った(特許文献1特願 2008−135204号)
いずれにしても、従来検討されてきた処理では、貯留する二酸化炭素の注入井は800m以上、多くの場合1000m以上でありの深度を必要としている。1000m以上の注入井を掘削するためには、掘削費が高額になることを避けることができない(非特許文献2、3)。この状態で二酸化炭素の注入及び貯蔵に要するコストを低下させるためには、多量の二酸化炭素を対象として注入・貯留することが必要であることが強調される。
火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムが必要とされることが予想される。
火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設に対応する二酸化炭素を貯蔵施設の利用が考えられるが、二酸化炭素の貯蔵施設の設置場所及び大型の注入井を掘削し、大型施設の施工建設費も多額の費用を要するなどの問題点があり、計画を推進することは困難が予想される。
この問題を解決するためには、処理の対象とする二酸化炭素の発生源は火力発電所などの大規模なものではなく、分散型の燃料電池による発電システムなどの中規模の二酸化炭素が発生するシステムや大型の施設より規模が小さい、中又は小規模の燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の小規模施設を含む)から発生する二酸化炭素を対象とする、貯留施設の設置場所や貯留方法の詳細を導き出すことが必要とされる。
多量の二酸化炭素を取り扱うということにならない結果、(1)規模が大きくならないので設置場所が得られやすいこと、(2)1箇所あたりの二酸化炭素注入井に対する掘削費の低下、(3) 貯留するための運転費も大型の二酸化炭素発生施設に対応する二酸化炭素を貯蔵施設に比較してより安価であること、又(4)場所が得やすいことから、二酸化炭素を安定して長期間貯留可能ということなど多くの利点を有しており、有効な方法となる。
このようなことから、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムの開発が急務となっている。
特願2008−135204号 特開平3−188924号公報 特開2008−6367号公報 特開2000−22708号公報 特開2003−284940号公報 特開2006−88129号公報 特開2003−1101号公報 特開2002−349793号公報 特開平6−170215号公報 特開平3−258340号公報 特開2004−50167号公報 特開2008−238054号公報 IPCC、"IPCC Special Report on Carbon Dioxide Capture and Storage"、Chapter 5、2005年、Cambridge University Press 大関真一、嘉納康二、"「二酸化炭素地中貯留」事業の実現にむけて〜石油・天然ガス上流技術への期待〜"、「石油・天然ガスレビュー」、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構、2006.7、vol.40 No.4、p57-70 RITE 平成17年度成果報告書
本発明が解決しようとする課題は、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムを提供することである。
(1) 従来、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムは、検討されてこなかった。
本発明者らは、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムは、通常の工業化装置に見られるような中型の装置の建設を基に大型の装置の建設が行なわれるという経緯をたどらず、最初に大型の装置の建設を意図する計画が持ち上がった後に、大型の装置とは貯留場所や貯留設備の点では相違があるにもかかわらず、貯留場所や貯留方法を決定する必要性に迫られるのではないかと考えている。
前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムは、従来の大型の施設と、質的にも量的の点で相違するので、独自の考え方の基づく、計画、設計、及び建設することが必要とされている。
(2) 数値計算により、水に溶解した状態で二酸化炭素を貯留しようとする地中帯水層の深度と単位容積あたりの二酸化炭素量の関係を算出し、それをグラフにして、本発明の場合は本発明の対象領域として示した(図2)。二酸化炭素は溶解されている状態として貯留されていることを示している。具体的な設置場所の模式図については図1の本発明として示されている。
図2には、従来よりも深度が浅い条件、具体的には貯留するに際して水圧が低いとされる部位についても、従来の地中貯留の対象領域と同じく示されている。従来よりも深度が浅い条件、具体的には貯留するに際して水圧が低いとされる部位について、計算により検討することは従来行なわれていなかった。
なお、本案では、地中温度の算出のために、一般的な値として地表温度20℃・地温勾配25℃/kmという値を想定している。火山帯などが周辺に存在する場合は異なる地温勾配を取る可能性があるが、この場合温度条件が特定できないため、定量的な評価はしていない。定性的には、温度が高くなるほど単位容積あたりに溶解できる二酸化炭素量は減少する傾向である。
従来の地中貯留方法については、同じく図2の従来の地中貯留の対象領域として示した。この場合には二酸化炭素は超臨界の状態にある事を示している。具体的な設置場所については図1の地中貯留法に示されている。
(3) この図2では、本発明の場合は、深度が500mを超えても単位容積あたりの二酸化炭素量は増加しないことが数値で示されている。この結果より、一般的には圧力が高い方が有利である考えることが通例であるが、合理的に貯留を行うためには、有利な圧力を設定するためには、500mを越える場所を設定しても意味が無く、設置することの利便性という観点から見れば、500m以下であるすることが合理的であるということができる(本発明については、図2に発明の対象領域として示されている。海水を使用した場合と水を用いた場合について示している。)。
(4) 図2の深度と単位容積あたりの二酸化炭素量の関係より、溶解させる二酸化炭素に対する水あるいは海水あるいは鹹水の質量比は、注入する深度(水圧)との関係で算出できる(結果を図3に示す。)。図3は、深度に応じて決定される二酸化炭素を完全に溶解する水あるいは海水あるいは鹹水の二酸化炭素に対する質量比を示している。図2と同様に、図3も地表温度20℃・地温勾配25℃/kmを想定している。定性的には、温度が上がるほど二酸化炭素を完全に溶解する水あるいは海水あるいは鹹水の二酸化炭素に対する質量比は増加する傾向である。
(5) 図3をみると、深度が浅い場合、二酸化炭素を溶解させるのに極めて大量の水あるいは海水あるいは鹹水が必要になることがわかる。そこで、適切な深度を求めると、本発明の適用できる深度は最低でも50m以上が必要であるとすることが合理的である。
(6) 図2及び図3の結果から、貯留するための深度は50m以上であり、500m以下の地中帯水層であるということが分かる。具体的には 水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層中であるということがわかる。
(7) 図4は、本発明を分散発電システムに対応させた場合の、必要最小限な二酸化炭素の貯留面積を図2に基づき算出した結果を示す。図4も、図2・3と同様の温度条件を設定している。定性的には、温度が上がるほど必要最小限な二酸化炭素の貯留面積は増加する傾向である。
(8) 根拠に用いた二酸化炭素の発生量は、分散発電システムとして固体酸化物燃料電池(SOFC)について二酸化炭素排出量を想定したものを用いた。下記に示される運用条件を仮定した。
分散発電システムの運用条件例 (SOFC)


Figure 2010119962


次に、二酸化炭素の貯留空間に関して、鉛直方向の長さを50m・空隙率を10%と仮定した。これは、地中の多層構造において、非浸水性の地層にはさまれる浸水性の地層の標準的な厚さ・空隙率に準拠している。またSOFCの稼動年数は、予想されるSOFC発電システムの耐久年数である。
上記で求めた本発明を適用できる深度範囲(50〜500m)では、1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となる。上記の稼動年数以降は、周辺の観測井を新たな注入井として代替していくことで、効率的に二酸化炭素貯留域の拡大を行うことが継続可能となる。
大規模の大型発電システムである大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムは、大規模の大型発電システムと比較して中又は小規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムの二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムと比較して、貯留施設設置場所の規模は大きくならず、貯留する二酸化炭素量も多くないので、後者の大規模の大型発電システムと比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムの二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムにより対応することができる。
(9) 以上より、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする発電システムや、大型の施設より小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の小規模施設を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムでは、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層は深度50〜500mであり(水圧5気圧〜50気圧)、実施例1の結果では50mの厚さの地中帯水層中に居給する気泡の直径を1.4mm以下とすると完全に溶解させることがわかった。
1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となることがわかる。この範囲の地中帯水層はわが国の周辺に多数存在することを確認した。又、50m厚さの地中帯水層では注入点から半径100〜125m(面積0.12〜0.20 km2)以上は拡散しないことを確認した。本発明者らは今回始めてこのような貯留を行うための場所、貯留面積などについて明らかにすることができた。
(10) 上記SOFC発電プラントから排出される二酸化炭素の貯留にかかるコストは,本案を用いた場合の試算では,最初の20年間で550〜1600円程度に抑えることができることが分かった.また,20年おきに観測井を新たな注入井として再利用していく方法をとった場合,貯留コストは350〜850円程度まで下げられることも確認した.これらは,従来の二酸化炭素貯留技術のコストと同水準である.
(11) この条件のもとでは水など溶媒中に二酸化炭素を十分に溶解させることが必要とされ、そのための工夫が必要を必要とされる。二酸化炭素は、水あるいは海水あるいは鹹水に容易に溶解させることができる。溶解した二酸化炭素は、溶存二酸化炭素と炭酸水素イオン・炭酸イオンといったイオンに解離する。二酸化炭素貯留時のように二酸化炭素の濃度が高い場合は、ほとんどが溶存二酸化炭素として存在する。溶存二酸化炭素の拡散係数は、気体の二酸化炭素の10000分の1のオーダーであるため、溶解した二酸化炭素は分子拡散が極めて起こりづらくなるという特徴を持っている。したがって、できるだけ溶解させることが二酸化炭素貯留には必要であり、有効な手段であることがわかる。
その結果、溶存二酸化炭素の分圧が貯留サイトの水圧よりも低い状態で、かつ地下水の流れの影響が無視できる場合、溶存二酸化炭素はきわめて安定した状態で大気中から隔離することが可能である。また、溶存態の二酸化炭素には浮力が働かないため、貯留域にはキャップロックが必要でなくなるという利点も有している。
(12) 貯留域に炭酸塩岩が存在する場合の、下記の式に示されるような二酸化炭素(CO2)と炭酸塩岩(下式では石灰岩:CaCO3)と水(H2O)の化学反応式による二酸化炭素分圧の低下・地中空隙率の増加の影響(特許文献1)の評価も行った。
(化1)
CaCO3+CO2+H2O → Ca+++2HCO3
上式で、Ca++と2HCO3 はカルシウムイオンと炭酸水素イオンが水に溶解していることを意味している。
深度50、500mにおける最大溶解量は、炭酸塩岩野溶解がない場合は古海水でそれぞれ8.3、39.9 kg/m3・淡水でそれぞれ9.4・45.2 kg/m3,炭酸塩岩の溶解があった場合は、古海水でそれぞれ9.4・41.1 kg/m3・淡水でそれぞれ11.0・47.2 kg/m3となる。炭酸塩岩の溶解量は質量比で0.1 %以下であり,炭酸塩岩の溶解による地質構造への影響は無視できると考えられる。
(13) 上記で求めた単位体積あたりの二酸化炭素溶解量から、本提案による国内における二酸化炭素貯留量の見積もりを行った。国内の内陸部の平野の地中の多くは、約1万年前までに形成された地下水盆となっており、地中数百m程度にわたって浸水性と非浸水性の岩層からなる多層構造を持っている(非特許文献3)。従って、本提案の手法では、国内の平野部の大半を二酸化炭素貯留サイトの候補とすることができる。
国内の平野部の1〜10%に数十mの厚さで二酸化炭素を貯留できると仮定すると、貯留可能な量は100〜2500 Mtと見積もられた。これは、従来の地中貯留法の数〜数十サイト分に相当する量である。
(14) 以上の検討の結果、大別して以下(a)及び(b)の貯留方法が可能となる。
(a) 水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法、及び前記加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを二酸化炭素の貯留方法。
(b) 水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法、及び前記加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しない二酸化炭素の貯留方法。
本発明によれば、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムについて、二酸化炭素ガスを貯留するための設置場所を、従来その使用が検討されていなかった水圧5気圧〜50気圧の地中帯水層を利用できることを明確に示すことができ、従来必要とされていたキャップロック層の存在は不要であることを明らかにすることができ、適した貯留場所が広域化され、施設建設費及び運転費が軽減でき、その設置場所を利用する具体的な貯留方法を確立することができた。
本発明者らは、火力発電所や製鉄所といった大型の二酸化炭素発生施設のように大型の施設ではなく、前記大型の施設と比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムや、前記大型の施設より規模が小さい、中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムについて、独自に検討し、二酸化炭素を貯留しようとするために適した場所を設定し、その場所で実際に貯留することができる貯留量及びそのために必要となる面積を定め、その条件のもとで、二酸化炭素貯留システムを設置する発明を完成させた。
従来から、このような中規模の二酸化炭素発生量を対象とする二酸化炭素貯留システムについての具体的な検討が行なわれたことはないし、従来検討されてきた800から1000m以下を対象とする大規模な二酸化炭素発生量を対象とする二酸化炭素貯留システムから導き出されるというものではないし、かって、中規模の二酸化炭素発生量を対象とする二酸化炭素貯留システムが存在し、それに基づいて検討されたというものでもない。
数値計算により、水に溶解した状態で二酸化炭素を貯留しようとする地中帯水層の深度と単位容積あたりの二酸化炭素量の関係を算出し、それをグラフにして図2により示した。
図2の作成に際しては、従来よりも深度が浅い条件、具体的には貯留するに際して水圧が低いとされる部位についても検討した結果である。従来、深度が浅い地中帯水層に貯留を前提にし、地中帯水層の深度と単位容積あたりの二酸化炭素量の関係を算出し計算により検討することも従来行なわれていなかった。
なお、本発明では、地中温度の算出のために、一般的な値として地表温度20℃・地温勾配25℃/kmという値を想定している。火山帯などが周辺に存在する場合は異なる地温勾配を取る可能性があるが、この場合温度条件が特定できないため、定量的な評価はしていない。定性的には、温度が高くなるほど単位容積あたりに溶解できる二酸化炭素量は減少する傾向である。
この図2では、深度が500mを超えても単位容積あたりの二酸化炭素量は増加しないことが数値で示されている。一般的圧力が高い方が有利である考えることが通例であるが、合理的に貯留を行うためには、有利な圧力を設定するためには、500mを越える場所を設定しても意味が無く、設置することが容易であるという観点から見れば、500m以下であるすることが合理的であるということができる。
図2の深度と単位容積あたりの二酸化炭素量の関係より、溶解させる二酸化炭素に対する水あるいは海水あるいは鹹水の質量比は、注入する深度(水圧)との関係で算出できる(結果を図3に示す。)。図3は、深度に応じて決定される二酸化炭素を完全に溶解する水あるいは海水あるいは鹹水の二酸化炭素に対する質量比を示している。図2と同様に、図3も地表温度20℃・地温勾配25℃/kmを想定している。定性的には、温度が上がるほど二酸化炭素を完全に溶解する水あるいは海水あるいは鹹水の二酸化炭素に対する質量比は増加する傾向である。
図3が示すところから、深度が浅い場合、二酸化炭素を溶解させるのに極めて大量の水あるいは海水あるいは鹹水が必要になることがわかる。そこで、適切な深度を求めると、本発明の適用できる深度は最低でも50m以上が必要であるとすることが合理的である。
図2及び図3の結果を総合すると、貯留するための深度は50m以上であり、500m以下の地中帯水層であるということが分かる。具体的には 水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層中であるということがわかる。
図4は、本発明を分散発電システムに対応させた場合の、必要最小限な二酸化炭素の貯留面積を図2に基づき算出した結果を示す。図4も、図2・3と同様の温度条件を設定している。定性的には、温度が上がるほど必要最小限な二酸化炭素の貯留面積は増加する傾向である。
根拠に用いた二酸化炭素の発生量は、分散発電システムとして固体酸化物燃料電池(SOFC)について二酸化炭素排出量を想定したものを用いた。下記の表で示される運用条件を仮定した。
Figure 2010119962

分散発電システムの運用条件例 (SOFC)
大規模の大型発電システムである大型の施設より規模が小さい中又は小規模な燃焼設備を用いている施設(バイオマス発電程度の規模を含む)から発生する二酸化炭素を回収し、異なる発生源の二酸化炭素を集約・輸送することなく、二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムは、大規模の大型発電システムと比較して中規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムの二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムと比較して、貯留施設設置場所の規模は大きくならず、貯留する二酸化炭素量も多くないので、後者の大規模の大型発電システムと比較して中又は小規模であり、今後利用することが予想される燃料電池(固体電解質燃料電池を含む)を対象とする中規模の発電システムの二酸化炭素ガスを貯留するための新規な二酸化炭素貯留システムにより対応することができる。
二酸化炭素の貯留空間に関して、鉛直方向の長さを50m・空隙率を10%と仮定した。これは、地中の多層構造において、非浸水性の地層にはさまれる浸水性の地層の標準的な厚さ・空隙率に準拠している。またSOFCの稼動年数は、予想されるSOFC発電システムの耐久年数である。
上記で求めた本発明を適用できる深度範囲(50〜500m)では、1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となる。上記の稼動年数以降は、周辺の観測井を新たな注入井として代替していくことで、効率的に二酸化炭素貯留域の拡大を行うことが継続可能となる。
次に、二酸化炭素の貯留空間に関して、鉛直方向の長さを50m・空隙率を10%と仮定した。これは、地中の多層構造において、非浸水性の地層にはさまれる浸水性の地層の標準的な厚さ・空隙率に準拠している。またSOFCの稼動年数は、予想されるSOFC発電システムの耐久年数である。
上記で求めた本発明を適用できる深度範囲(50〜500m)では、1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となる。上記の稼動年数以降は、周辺の観測井を新たな注入井として代替していくことで、効率的に二酸化炭素貯留域の拡大を行うことが継続可能となる。
以上より、今後予想される燃料電池による発電システムでは中規模の二酸化炭素発生施設に対する二酸化炭素貯蔵施設は、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層は深度50〜500mであり(水圧5気圧〜50気圧)、実施例1の結果では50mの厚さの地中帯水層中に居給する気泡の直径を1.4mm以下とすると完全に溶解させることがわかった。
1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となることがわかる。この範囲の地中帯水層はわが国の周辺に多数存在することを確認した。又、50m厚さの地中帯水層では注入点から半径100〜125m(面積0.12〜0.20 km2)以上は拡散しないことを確認した。本発明者らは今回始めてこのような貯留を行うための場所、貯留面積などについて明らかにすることができた。
上記SOFC発電プラントから排出される二酸化炭素の貯留にかかるコストは,本発明者らの貯留場所を用いることを前提とした試算では,最初の20年間で550〜1600円程度に抑えることができることが分かった。また、20年おきに観測井を新たな注入井として再利用していく方法をとった場合,貯留コストは350〜850円程度まで下げられることも確認した。これらは、従来の二酸化炭素貯留技術のコストと同水準である。
この条件のもとでは水など溶媒中に二酸化炭素を十分に溶解させることが必要とされ、そのための工夫が必要とされる。二酸化炭素は、水あるいは海水あるいは鹹水に容易に溶解させることができる。溶解した二酸化炭素は、溶存二酸化炭素の状態となる。
二酸化炭素貯留時のように二酸化炭素の濃度が高い場合は、ほとんどが溶存二酸化炭素として存在する。溶存二酸化炭素の拡散係数は気体の二酸化炭素の10000分の1のオーダーであるため、溶解した二酸化炭素は分子拡散が極めて起こりづらいという特徴を持っている。その結果、溶存二酸化炭素の分圧が貯留サイトの水圧よりも低い状態で、かつ地下水の流れの影響が無視できる場合、溶存二酸化炭素はきわめて安定した状態で大気中から隔離することが可能である。また、溶存態の二酸化炭素には浮力が働かないため、貯留域にはキャップロックが必要でなくなるという利点も有している。
貯留域に炭酸塩岩が存在する場合の、下記の式に示されるような二酸化炭素(CO2)と炭酸塩岩(下式では石灰岩:CaCO3)と水(H2O)の化学反応式による二酸化炭素分圧の低下・地中空隙率の増加の影響(特許文献1)の評価も行った。
化1)
CaCO3+CO2+H2O → Ca+++2HCO3
上式で、Ca++と2HCO3 はカルシウムイオンと炭酸水素イオンが水に溶解していることを意味している。
深度50、500mにおける最大溶解量は、炭酸塩岩野溶解がない場合は古海水でそれぞれ8.3、39.9 kg/m3・淡水でそれぞれ94、45.2kg/m3,炭酸塩岩の溶解があった場合は、古海水でそれぞれ9.4、41.1 kg/m3・淡水で、それぞれ11.0、47.2 kg/m3となる。炭酸塩岩の溶解量は質量比で0.1 %以下であり、炭酸塩岩の溶解による地質構造への影響は無視できると考えられる。
上記で求めた単位体積あたりの二酸化炭素溶解量から、本提案による国内における二酸化炭素貯留量の見積もりを行った。国内の内陸部の平野の地中の多くは、約1万年前までに形成された地下水盆となっており、地中数百m程度にわたって浸水性と非浸水性の岩層からなる多層構造を持っている(非特許文献3)。従って、本提案の手法では、国内の平野部の大半を二酸化炭素貯留サイトの候補とすることができる。
国内の平野部の1〜10%に数十mの厚さで二酸化炭素を貯留できると仮定すると、貯留可能な量は100〜2500 Mtと見積もられた。これは、従来の地中貯留法の数〜数十サイト分に相当する量である。
本発明では前記の条件の地中帯水層中に具体的に二酸化炭素を貯留する方法として以下の通りの方法がある。この方法では従来知られている800mから1000mを越える深部に貯留する場合と相違して二酸化炭素を十分に溶解させることが要求されるので、この点に十分に注意をする方法となっている。
貯留しようとする方法に関して別して以下の二つの方法がある。
(I)地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して地中帯水層中の注入点より加圧下に注入して攪拌、混合、溶解させる二酸化炭素の貯留方法と(II)地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、注入井を介して地中帯水層中の注入点より、注入点の水圧に維持されている、地下の水、海水又は鹹水中に、加圧下に供給、溶解させる二酸化炭素の貯留方法である。以下両者を説明する。
Iの方法については以下の通りである。
1.水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、地中帯水層に接続する注入井を介して注入点より加圧下に注入することにより、攪拌、混合がおこり、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を十分に溶解させることができる。しかしながら、これだけではわずかではあるが溶解することできない場合が起こりえる。これらのことを考慮して以下の方法を行う。
2.前記1の加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しない二酸化炭素の貯留方法。
ここで十分に溶解させることは、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素と地中帯水層中の地下の水、海水又は鹹水と十分に接触できるように加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素の流量や流速を適宜定めることにより行う。地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、殆ど全ての溶存二酸化炭素の状態に解離した状態となり、気体の二酸化炭素は存在しない状態となるために、地中帯水層中から二酸化炭素が漏洩することはない。
上記1.2の方法で言う、「水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層」とは、二酸化炭素の貯留しようとする「地中帯水層」を意味する。深度に直すと、50m以上であり、500m以下を意味する。これは静水圧から直接定めたものである。以下、本発明で述べる「水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層」は同じ意味である。
前記「水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層」を導き出した課程、及び「二酸化炭素の溶解の状態は以下の通りである。
図2によれば、深度500mまでは深度が増加するにつれて溶解する二酸化炭素の体積あたりの貯蔵量は増加する傾向にあり、500mを超える深度の場合には、溶解する二酸化炭素の体積あたりの貯蔵量は増加することが望めない。貯蔵するための深度の限界を示している。
深度500mにおける二酸化炭素の最大溶解量は、炭酸塩岩野溶解がない場合は古海水で39.9kg/m3・、淡水で45.2kg/m3,炭酸塩岩の溶解があった場合は、古海水で41.1 kg/m3、淡水で47.2 kg/m3となる。
二酸化炭素は、水あるいは海水あるいは鹹水に対して容易に溶解させることができる。溶解した二酸化炭素は、溶存二酸化炭素と炭酸水素イオン・炭酸イオンといったイオンの状態に解離した状態となり、二酸化炭素貯留時のように二酸化炭素の濃度が高い場合は、炭酸水素イオン・炭酸イオンの存在は無視でき、殆どが溶存二酸化炭素として存在する。
溶存二酸化炭素の拡散係数は気体の二酸化炭素の10000分の1のオーダーであるため、溶解した二酸化炭素は分子拡散が極めて起こり難い特性を有している。
従って、溶存二酸化炭素の分圧が貯留サイトの水圧よりも低い状態で、かつ地下水の流れの影響が無視できる場合、溶存二酸化炭素はきわめて安定した状態で大気中から隔離することが可能となる。また、溶存態の二酸化炭素には浮力が働かないため、気体状の二酸化炭素が発生することがなく、気体状の二酸化炭素が発生を懸念して必要であるとされてきた二酸化炭素を漏洩しないための層であるキャップロック層を必要としない。
図2の関係から深度に対して、溶解させる二酸化炭素に対する水あるいは海水あるいは鹹水の質量比は、注入する深度(水圧)によって算出できる(結果を図3に示す。)。図3は、深度に応じて決定される二酸化炭素を完全に溶解する水あるいは海水あるいは鹹水の二酸化炭素に対する質量比を示している。
深度が浅い場合、二酸化炭素を溶解させるのに極めて大量の水あるいは海水あるいは鹹水が必要になることがわかる。この点を考慮すると、本発明の適用できる深度は最低でも50m以上が必要であると判断した。
以上図2及び図3の結果より、貯留するための深度は50m以上であり、500m以下の地中帯水層であるということが分かる。具体的には 水圧5気圧〜50気圧の場所に存在する地中帯水層中であるということがわかる。
前記1.2における1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は以下の通りである。
図2をもとにして得られる図4の結果から、本発明の適用深度範囲(50〜500m)では、1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となる。これは二酸化炭素の発生量に応じて必要とされる面積であり、稼動年数に応じて広域の貯留面積を必要とするようになった場合には、その周辺の観測井を新たな注入井として代替していくことで、効率的に二酸化炭素貯留域の拡大を行うことができる。
燃料電池による発電システムでは中規模の二酸化炭素発生施設に対する二酸化炭素貯蔵施設は、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層は深度50〜500mであり(水圧5気圧〜50気圧)、実施例1の結果では50mの厚さの地中帯水層中に供給する気泡の直径を1.4mm以下とすると完全に溶解させることができる。
1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積は0.4〜1.7km3以上となることがわかる。この範囲の地中帯水層はわが国の周辺に多数存在することを確認した。又50m厚さの地中帯水層では注入点から半径100〜125m(面積0.12〜0.20 km2)以上は拡散しないことを確認した。
以下に述べる1注入井あたりの二酸化炭素貯留面積はここで述べた面積と同じである。
貯留しようとする二酸化炭素は以下の状態で供給される。
貯留しようとする二酸化炭素は、今後利用することが予想される固体電解質燃料電池による発電システムで中の、燃料極側の排ガスより回収される二酸化炭素である。
排ガスは未燃焼ガスなどが混入した状態で、COと水蒸気を含む気体である。この中からCOを取り出す際には冷却することにより水蒸気を凝縮させ、COを回収することにより行われる。具体的には加圧液化分離法が可能であれば総合エネルギー効率の絶対値はアミン液を用いる場合に比較して有利であるとされている(波江貞弘羅ら、CO分離を目的とする固体電解質燃料電池複合サイクルの研究、日本機械学会論文集(B編)59巻565号(1993−9)p.102〜108)。
このようにして排ガスより分離した二酸化炭素は濃縮した状態の気体を加圧して加圧ガス、又、液化して液化二酸化炭素として、又超臨界状態の二酸化炭素として、注入井を介して地中帯水層中に供給する。
また、バイオマス発電の場合には、排出するガス中より、溶剤法などを用いて二酸化炭素を溶媒により分離し、これより二酸化炭素を回収するなどの方法を利用することができる溶媒の種類に応じて複数の方法がある(非特許文献1)。
地中帯水層中に供給するためには、ポンプなどの供給輸送手段を用いる。油井には前記二酸化炭素を注入するための注入点が設置されており、注入点から、地中帯水層中の地下の水、海水又は鹹水中に送り込む。
地中帯水層中の地下の水、海水又は鹹水中に送り込む際には、前記水圧5気圧〜50気圧に維持されている場所の注入口から加圧下状態で供給する。その結果、地下の水、海水又は鹹水中に供給して、前記二酸化炭素により地中帯水層中の地下の水、海水又は鹹水中に送り込む結果、攪拌、混合、溶解させて均一に分布している溶存二酸化炭素の状態に解離した状態で貯留することが行なわれる。
前記1及び2の加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水中に、加圧下に注入するに際しては注入方法として種々な工夫が行なわれる。以下に具体的な方法を説明する。
3.前記1又は2の加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素をマイクロバブルとして、注入井を介して注入点より、地下の水、海水又は鹹水中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より地下の水、海水又は鹹水中に加圧下に注入するに際しては、溶解しやすい状態とすることが有効であり、そのため、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素をマイクロバブルとして注入すると溶解させることが一層容易となる。二酸化炭素の溶解率を高くすることができる結果となる。
4.前記1から3のいずれかの、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に注入するに先立って、予め地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層上部から採水した、地下の水、海水又は鹹水と、前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合した後、注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水中に注入するに先立って、予め地下の水、海水又は鹹水と混合した後、地下の水、海水又は鹹水中に注入することにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を溶解させることができるので、大変有効な方法である。
混合しようとする地下の水、海水又は鹹水について採水するうえで、地中帯水層の地下の水、海水又は鹹水を用いることは予備処理としても良好は方法である。この場合に帯水層上部から地下の水、海水又は鹹水中をパイプ管により採水し、採水した地下の水、海水又は鹹水と、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合したのち注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より供給するとサイフォンの原理を用いて確実に行うことができる。
具体的には、帯水層上部から地下の水、海水又は鹹水中をパイプ管により採水し、採水した地下の水、海水又は鹹水と、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合したのち、注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、地下の水、海水又は鹹水中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法である。
帯水層上部から地下の水、海水又は鹹水中をパイプ管により採水し、採水した地下の水、海水又は鹹水と、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合する場合にはサイフォンの原理を用いて取り出して注入井に供給し、両者を混合することができる。この場合にはポンプなどを、輸送手段として用いて行うこともできる(図5)。このようにすることにより、地中帯水層中に存在する地下の水、海水又は鹹水中に対する溶解を促進させることができる。
5.前記4において注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、注入点の水圧に維持されている、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることにより、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧より低く保つことにより二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
この方法では加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地下の水、海水又は鹹水中に十分に溶解させることにより、溶解されない二酸化炭素は存在しなくなり、二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことができるので、漏洩する二酸化炭素はなくなることとなる。したがって、二酸化炭素の漏洩を防止することが可能となる。
6.前記4の予め地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層上部から採水した、地下の水、海水又は鹹水と、前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合した後、注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入するに先だって、注入点の上部に設けた混合手段により地下の水、海水又は鹹水と加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合する二酸化炭素の貯留方法。
地下の水、海水又は鹹水中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地中帯水層中に溶解させ加圧下に注入するに先だって、注入点上部に設けた混合手段により両者を混合した後、地下の水、海水又は鹹水中に供給する。その結果、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を十分に溶解することができる。この混合手段は取り入れられた地下の水、海水又は鹹水と加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合することができるものであればよく、適宜任意の手段を採用することができる。流速が相違する流体が合流することで両者が混合するものであってもよい。
7.前記6の注入点の上部に設けた混合手段が、スタティックミキサを用いて混合させる前記6記載の二酸化炭素の貯留方法。
前記6の方法において混合手段としてスタティックミキサを用いることが有効であることを述べるものである(図5)。
8.前記1から7いずれかの、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させ、地中帯水層中に未溶解の二酸化炭素を、上方に移動させて上昇中に地中帯水層に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させた後に、僅かではあるが未溶解の二酸化炭素を含んだ状態にあることは起こりえることである。この場合には、未溶解の二酸化炭素を地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に溶解させる操作を行えば解決ができる。未溶解の二酸化炭素は注入点を出た後、地中帯水層中を上昇することになる。この場合には未溶解の二酸化炭素を、地中帯水層中を上方に移動させながら、溶解していない二酸化炭素を溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないようにすることができる。
9.前記1から7の何れかの、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させ、地中帯水層中に未溶解の二酸化炭素を、注入点の水圧を維持した状態で注入点周辺の地中帯水層中に混合溶解させて、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させた後に、僅かではあるが未溶解の二酸化炭素を含んだ状態にあることは起こりえることである。この場合には、未溶解の二酸化炭素を地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に溶解させる操作を行えば解決ができる。未溶解の二酸化炭素は注入点を出た後、注入点付近に存在することとなるから、注入点の水圧を維持した状態で注入点周辺の地中帯水層中に混合溶解させて、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、溶解していない二酸化炭素を溶解させることにより未溶解の二酸化炭素を溶解させることができる。その結果、地中帯水層から二酸化炭素が漏洩しないようにすることができる。
(II)の方法については、以下の通りである。
10.水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させる二酸化炭素の貯留方法。
この方法は、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地下の水、海水又は鹹水中に供給する点に特徴がある。
従来の貯留方法では、貯留しようとする地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を直接注入しており、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に注入することは行われていない。
この方法を採用すると、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させるので、混合溶解は均一に進行しており十分な状態で地下の水、海水又は鹹水中に混合溶解を進行させることができる。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた状態で、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入する結果、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素の溶解は促進される。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた状態で、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入し、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素が貯留される状態については、前記1及び2で述べた場合と同じである。
11.前記10の加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素と地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入するに際して
地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないようにできる。
十分に溶解させることは、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素と地上で予め水、海水又は鹹水に混合物が、地中帯水層中の地下の水、海水又は鹹水と十分に接触できるように、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素と地上で予め水、海水又は鹹水に混合物の流量や流速を適宜定めることにより行う。地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、殆ど全ての溶存二酸化炭素の状態に解離した状態となり、気体の二酸化炭素は存在しない状態となるために、地中帯水層中から二酸化炭素が漏洩することはない。
12.前記10又は11の、加圧下に注入して攪拌、混合、溶解させ、注入した加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地中帯水層中に溶解させ、地下の水、海水又は鹹水に未溶解溶解の二酸化炭素を、注入点の水圧を維持した状態で、地中帯水層を上方に移動させつつ地中帯水層中に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入し、二酸化炭素を溶解させた後に、僅かではあるが未溶解の二酸化炭素を含んだ状態にあることは起こりえることである。この場合には、未溶解の二酸化炭素を地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に溶解させる操作を行えば解決ができる。未溶解の二酸化炭素は注入点を出た後、地中帯水層中を上昇することになる。この場合には未溶解の二酸化炭素を、地中帯水層中を上方に移動させながら、溶解していない二酸化炭素を溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより未溶解の二酸化炭素を溶解させることができる。その結果、地中帯水層から二酸化炭素が漏洩しないようにすることができる。
13.前記10又は11の、加圧下に注入して攪拌、混合、溶解させ、注入した加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地中帯水層中に溶解させ、地下の水、海水又は鹹水に未溶解溶解の二酸化炭素を、注入点の水圧を維持した状態で、地中帯水層中の注入点周辺の地中帯水層中に混合、拡散、溶解させて地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入し、二酸化炭素を溶解させた後に、僅かではあるが未溶解の二酸化炭素を含んだ状態にあることは起こりえることである。この場合には、未溶解の二酸化炭素を地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に溶解させる操作を行えば解決ができる。未溶解の二酸化炭素は注入点を出た後、地中帯水層中を上昇することになる。この場合には未溶解の二酸化炭素は、注入点付近に存在することとなるから、注入点の水圧を維持した状態で注入点周辺の地中帯水層中に混合溶解させて、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、溶解していない二酸化炭素を溶解させることにより未溶解の二酸化炭素を溶解させることができる。その結果、地中帯水層から二酸化炭素が漏洩しないようにすることができる。
前記貯留方法を継続実施するためには、地中帯水層の上部の二酸化炭素の溶解率を継続的に測定して、地中帯水層の二酸化炭素の存在量をモニタリングして、ある時間ごとの地中帯水層の上部に存在する二酸化炭素の存在量を観察すること、注入井の周囲の溶解している二酸化炭素の存在量を調べて注入井の周囲の貯留する二酸化炭素の容量が十分に存在するかどうかをモニタリングすることが必要となる。
14.前記1から13いずれかの、水圧5気圧〜50気圧の地中帯水層の上部に位置する注入井に、予め二酸化炭素濃度計を設置し、地中帯水層の上部の二酸化炭素の溶解率を測定し、地中帯水層の二酸化炭素の存在量をモニタリングすることを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
地中帯水層の上部の二酸化炭素の溶解率を継続的に測定して、地中帯水層の二酸化炭素の存在量をモニタリングして、ある時間ごとの地中帯水層の上部に存在する二酸化炭素の存在量を観察し、地中帯水層の状況を把握する。
15.前記1から13いずれか、水圧5気圧〜50気圧の地中帯水層の上部に位置する注入井の周辺に複数の注入井と同様の形状の観測井を設置し、その観測井から周期的に地下水をサンプリングすることにより地中帯水層に存在する溶存二酸化炭素の変動を計測することを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
注入井の周囲の溶解している二酸化炭素の存在量を調べて注入井の周囲の貯留する二酸化炭素の容量が十分に存在するかどうかをモニタリングし、引き続き貯留操作を継続言いできるかどうかをモニタリングする。
16.前記15の溶存二酸化炭素の変動を計測する結果に基づいて注入井の使用をやめて、観測井を注入井として使用することを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
注入井の周囲が既に二酸化炭素を貯留することができない場合には、注入井を観測井に替えて用いることを判断し、注入井の周辺に存在する観測井を、注入井に変更して貯留をする部分を確保することが必要となる。
本発明が実際に二酸化炭素の貯留する場所において貯留できるかどうかを確認するために特許文献1特願 2008-135204号に示されている実施例において行った装置を用いて確認を行った。実施例1は深度を、実施例2は50m層圧の帯水層における二酸化炭素が拡散する範囲について確認した。これは実際の場所を縮小したモデルで行った。
地中帯水層に二酸化炭素をマイクロバブル状で放出した場合の溶解率を、高圧槽を用いて測定したデータを基に算出した。
高圧槽は特許文献1で使用したものと同じ形状で、直径50mm 深さ110mmで、内部に25mmの厚さの砂れき(空隙率12±2 %、炭酸塩岩を含まない)を保持している。高圧槽の内部を50気圧に調整した状態で、加圧ガスの二酸化炭素を平均直径100、500,1000μmの気泡で放出し、高圧装置ガス排出部において二酸化炭素の量を測定することで、気泡直径別の二酸化炭素の溶解速度を決定した。
測定結果は、平均気泡直径100、500,1000μmのケースで、それぞれ100、9.1、1.7%程度の二酸化炭素が高圧槽内で溶解していたことが確認された。従って、二酸化炭素の溶解速度は、1秒間砂礫を上昇する間に気泡直径で0.58μmずつ溶解されていたことになる。
実際の地中でも気泡の溶解速度が同じであるとすると、50mの厚さの帯水層に二酸化炭素を注入する場合、気泡の直径が1.4mmであれば完全に溶解することが示された。なお、地中における気泡上昇速度はストークスの法則から算出したものであり、実際の気泡は地層空隙中を縫うように上昇することが予想されるため、過大評価である可能性が高い。従って、気泡直径は上記の値以下であっても、完全溶解することが予想される。ここでの1.4mmというのは、地層空隙の形状に関わらない、気泡が完全に溶解するための最大値である。
また、放出後の気泡が広い範囲に拡散する工夫を施すことで,二酸化炭素をより広い効率的に地下水に溶解させることが期待される。
地中帯水層に注入した二酸化炭素が、無攪拌の状態で拡散する範囲の測定を、実施例2と同様の高圧槽を用いて測定した。なお、高圧槽には下部に厚さ10mmの石灰岩試料を設置し、その上部に厚さ25mmの砂れきを設置した。拡散範囲の測定は、この高圧槽内に海水に溶解した二酸化炭素(二酸化炭素分圧50 atm)を半日程度流し続け、測定後に石灰岩試料の表面を電子顕微鏡で測定して決定した。なお、石灰岩試料の溶解が確認された範囲を、二酸化炭素を溶解した海水が拡散した範囲とした。
測定の結果、石灰岩試料の上部では、中心から20〜25mmの範囲で、試料表面の溶解が確認された。この結果を実際の地中帯水層に当てはめた場合、50m層圧の帯水層では二酸化炭素が拡散する範囲は、注入点から半径100〜125m(面積0.12〜0.20 km2)である。注入点付近に人為的な流れを発生させる等の工夫によって、二酸化炭素の拡散範囲はより広げることができると予想されるため、二酸化炭素貯留のための十分な量の地下水との混合溶解ができると考えられる。
本案と従来の地中貯留法の比較を示す模式図である。 二酸化炭素溶解量の深度依存性を示す図である。 二酸化炭素・溶解水の質量比の深度依存性を示す図である。 二酸化炭素貯留面積を示す図である。 二酸化炭素の溶解方法の一例を示す図である。

Claims (16)

  1. 水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
  2. 前記加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素の貯留方法。
  3. 前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素をマイクロバブルとして、注入井を介して注入点より、地下の水、海水又は鹹水中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする請求項1又は2記載の二酸化炭素の貯留方法。
  4. 前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層に注入するに先立って、予め地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層上部から採水した、地下の水、海水又は鹹水と、前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合した後、注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の二酸化炭素の貯留方法。
  5. 前記注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、注入点の水圧に維持されている、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させることにより、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧より低く保つことにより二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素の貯留方法。
  6. 前記予め地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層上部から採水した、地下の水、海水又は鹹水と、前記加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合した後、注入井を介して地中帯水層下部に設けられている注入点より、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入するに先だって、注入点の上部に設けた混合手段により地下の水、海水又は鹹水と加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を混合することを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素の貯留方法。
  7. 前記注入点の上部に設けた混合手段が、スタティックミキサを用いて混合させることを特徴とする請求項6記載の二酸化炭素の貯留方法。
  8. 前記地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を加圧下に注入して、攪拌、混合、そして溶解させ、地中帯水層中に未溶解の二酸化炭素を、上方に移動させて上昇中に地中帯水層に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項1から7いずれか記載の二酸化炭素の貯留方法。
  9. 前記地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させ、地中帯水層中に未溶解の二酸化炭素を、注入点周辺の地中帯水層中に混合溶解させて、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項1から7いずれか記載の二酸化炭素の貯留方法。
  10. 水圧5気圧〜50気圧の場所であり、地下の水、海水又は鹹水が存在する地中帯水層中に、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地上で予め水、海水又は鹹水に混合溶解させた後に、地中帯水層中の注入井を介して注入点より、加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させることを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
  11. 前記加圧下に注入して攪拌、混合、そして溶解させることにより、加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を、地中帯水層中に十分に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項10記載の二酸化炭素の貯留方法。
  12. 前記加圧下に注入して攪拌、混合、溶解させ、注入した加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地中帯水層中に溶解させ、地下の水、海水又は鹹水に未溶解溶解の二酸化炭素を、注入点の水圧を維持した状態で、地中帯水層を上方に移動させつつ地中帯水層中に溶解させ、地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項10又は11記載の二酸化炭素の貯留方法。
  13. 前記加圧下に注入して攪拌、混合、溶解させ、注入した加圧ガス、液化又は超臨界状態にある二酸化炭素を地中帯水層中に溶解させ、地下の水、海水又は鹹水に未溶解溶解の二酸化炭素を、地中帯水層中の注入点周辺の地中帯水層中に混合、拡散、溶解させて地中帯水層中の二酸化炭素分圧を注入点の水圧により低く保つことにより、地中帯水層より二酸化炭素が漏洩しないことを特徴とする請求項10又は11記載の二酸化炭素の貯留方法。
  14. 前記水圧5気圧〜50気圧の地中帯水層の上部に位置する注入井に、予め二酸化炭素濃度計を設置し、地中帯水層の上部の二酸化炭素の溶解率を測定し、地中帯水層の二酸化炭素の存在量をモニタリングすることを特徴とする請求項1から13いずれか記載の二酸化炭素の貯留方法。
  15. 前記水圧5気圧〜50気圧の地中帯水層の上部に位置する注入井の周辺に複数の注入井と同様の形状の観測井を設置し、その観測井から周期的に地下水をサンプリングすることにより地中帯水層に存在する溶存二酸化炭素の変動を計測することを特徴とする請求項1から13いずれか記載の二酸化炭素の貯留方法。
  16. 前記溶存二酸化炭素の変動を計測する結果に基づいて注入井の使用をやめて、観測井を注入井として使用することを特徴とする請求項15記載の二酸化炭素の貯留方法。
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