JP2010116084A - エアバッグモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両に搭載されるエアバッグモジュールであって、リテーナ2は、エアバッグ9の反膨出方向に沿って折り返されたフック7を備え、リッド8は、フック7に係合する係合孔84が穿設された周壁部82を有し、リテーナ2からフック7の折り返し部の内側に延設配置され、係止孔84に少なくとも部分的に重なる延設部15aを有するプレート15がリテーナ2に添設されたエアバッグモジュール。
【選択図】図1
Description
エアバッグを膨張させるための膨張用ガスも、窒素、ヘリウム、アルゴンなど種々のものがあり、その発生させる方法も、薬剤を燃焼させて生成させる方法、圧力容器に封入していて所望のタイミングで開封させて圧力容器外であるエアバッグ内に放出させる方法などが用いられている。
本発明に対する従来例としては、容器状のケース本体の開口周縁部内側にエアバッグの開口周縁部が固定された状態で、該ケース本体内に該エアバッグを収納するとともに、該エアバッグを収納した状態で該ケース本体の開口部を覆蓋するドアの取付部が該ケース本体の開口周縁部外側に取り付けられるエアバッグケースであって、前記ケース本体の開口周縁部、前記エアバッグの開口周縁部、および前記ドアの取付部にはそれぞれ複数の貫通孔が設けられている一方、該複数の貫通孔に跨がって位置するように長手形状を成し、前記エアバッグの開口周縁部の内側に配設されるとともに、該エアバッグ、前記ケース本体、および前記ドアの取付部の貫通孔をそれぞれ貫通して該取付部の外側まで突き出す複数の係止部が一体に設けられたリテーナと、該リテーナと略同じ長さ寸法を有して前記ドアの取付部の外側に配設され、該リテーナの複数の係止部に係止されることにより、該リテーナ、前記エアバッグ、および前記ドアの取付部をそれぞれ前記ケース本体に対して離脱不能とするストッパと、該ストッパおよび前記ケース本体の一方に一体的に設けられ、前記ドアの取付部に設けられた貫通孔を貫通して該ストッパおよびケース本体の他方と係合させられることにより、該ケース本体と該ストッパとの間で該ドアの取付部が所定の遊びを有するように、前記リテーナによって許容される範囲で該ストッパを該ケース本体から最も離間する位置に位置決めするサポートとを有するエアバッグケース(例えば、特許文献1参照)が存在している。
また、ガス発生用インフレータと、該インフレータが発生するガス圧によって膨張するエアバッグと、前記インフレータを収容保持するインフレータ収容部と、前記エアバッグを収容保持するエアバッグ収容部とを有し、所定値を超える減速度が車両に作用した際に前記エアバッグ収容部に設けられた開口から車室内に向けて前記エアバッグが膨出するようにしてなるエアバッグ式乗員保護装置であって、前記インフレータのガスを噴出させる噴気孔が設けられ前記インフレータ収容部と前記エアバッグ収容部との間を隔てる隔壁を有する第1のリテーナ部材と、前記エアバッグ収容部を構成する第2のリテーナ部材との互いの対向面間に前記エアバッグの開口端を挟み込んだ状態で前記第1・第2両リテーナ部材を相互に結合するエアバッグ式乗員保護装置(例えば、特許文献2参照)が存在している。
また、特開平7−117607号では、フック部材12でリッド6(カバー)を引掛けて支持している(図1を参照)。これによって、インストルメントパネル7との係合を爪16で行い、リッド6の長孔14がフック部材12をルーズに保持し、誤差を吸収緩和し、インストルメントパネル内のエアバッグ装置取付部材の製作誤差にもかかわらず、良好な合わせ品質を得ることができ、外観が向上する。リッド6は、断面視一対のフック部材12を、一対の弾発係合片13を図1の左右方向に押し広げるように圧入してアッパリテーナ4に取り付けられる。この取付作業性を向上させるようにする(すなわち、フック部材12を容易に挿入できるように、弾発係合片13、13の間を広くするなどする)と、エアバッグの展開に対してフック部材12が抜ける心配があるので、取付作業性を向上できない、との課題がある。
特に、大出力インフレータを使用する場合には、予めタイトな弾発係合片13、13間距離としておかなければならないから、取付作業の困難性が高まる。またカバー体に変形や傷が付くなどの懸念があり、特に軟質の樹脂で成形されている場合には、歩留を悪化し生産性の低下と、工程内スクラップの発生の心配がある。
本発明は、これらの問題を解決したものであって、この発明は、組立が容易で、位置調整がしやすく、エアバッグの展開によっても容易に脱離することのないフック式リッド係止手段を提供することを目的とする。
ガスを発生するインフレータと、インフレータの発生するガスにより膨張するエアバッグと、インフレータを保持するインフレータ保持部とエアバッグを収容するエアバッグ収容部とを備えたリテーナを有し、車両の所定値を超える減速度を車両が検出したときにエアバッグ収容部に設けられたリッドの開口予定部を開口してエアバッグが膨出するようにしたエアバッグモジュールであって、リテーナは、エアバッグの反膨出方向に沿って折り返されたフックを備え、リッドは、フックに係合する係合孔が穿設された周壁部を有し、リテーナからフックの折り返し部の内側に延設配置され、係止孔に少なくとも部分的に重なる延設部を有するプレートがリテーナに添設される構成である。
請求項1に記載の発明に加えて、プレートはフックの折り返し部の内側に当接し、リテーナの下端とプレート対向面と離間して配置される構成である。
請求項1、または請求項2に記載の発明に加えて、複数のフックのそれぞれに係止される複数の係止孔があり、プレートは複数のフックに亘って添設される構成である。
(1)添設されたプレートが、係止孔の開口面積を減少させるので、フックの脱離可能性を抑制できる。プレートは、リテーナからフックの折り返し部の内側に延設配置されフックとプレートが一体的に移動可能であって、係合孔の孔内の実質寸法にも影響しない。そのため位置合わせのためのリッドの遊動に影響を及ぼすことが少なく、合わせ品質を容易に高めることができる。
(2)プレートは、フックの折り返し部の内側に当接し、リテーナの下端とプレート対向面と離間して配置される場合にあっては、一層リッドの遊動への影響が少なくなる。
(3)複数のフックのそれぞれに係止される複数の係止孔があり、プレートは複数のフックに亘って添設される場合には、フックとフックの間にプレートが掛け渡されるように支えられ、プレートの撓み強度を抑制しつつ所望の保持強度が得られるから、プレートを薄肉にするなどが可能になり、材料費低減によるコスト抑制と軽量化が可能になる。
図1は、本発明のエアバッグモジュールの一例を示す概略斜視図、図2は、本発明のエアバッグモジュールの一例を示す概略断面図、図3は、本発明のエアバッグモジュールのインストルメントパネルに対する衝撃テストの状態を示すもので、(a)は一部拡大説明図、(b)は要部の概略説明図、図4は、本発明のエアバッグモジュールの(a)ロアプレートを使用した場合と、(b)ロアプレートを使用していない場合の状態を示す概略斜視図、図5は、本発明のエアバッグモジュールの他の実施例を示すもので、シングルインフレータタイプのエアバッグモジュールにロアプレートを設置した状態を示す概略斜視図、図6は、本発明のエアバッグモジュールに採用したロアプレートの変形例を示す概略説明図である。
図1は、インストルメントパネルに設置され助手席乗員の前方に膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置1を、車体取付状態における下方から見た図である。一対のインフレータ10、11を鋼板でプレスし、折り曲げ溶接して製作したリテーナ2の底部2aに、インストルメントパネル内の構造部材である図示しないステアリングメンバにエアバッグ装置1を固定するためのブラケット3と共締めされ、取り付けてある。
すなわち、図2に示すように、リテーナ2の底部2aにインナプレート4に設けたスタッド4aを、エアバッグ9(図2では詳細図示省略)の取付穴に通し、その取付穴の周縁部をインナプレート4と底部2aとで挟んで、さらにインフレータ10(11)のフランジ部10a(11a)を重ねナット5で締め付け挟持して強固に固定する。
インフレータ10(11)の小径のガスポート10b(11b)が底部2aに設けた開口2bからエアバッグ内部に挿入され、図示しない衝突検出装置からの起動信号をハーネス6を介してインフレータ10(11)に送り、車両の衝突に際してエアバッグ装置1を作動させる。
リッド8は、オレフィン系エラストマー(TPEと呼称されることあり)を射出成形した無底箱状の部材であり、エアバッグ9の膨張により、所定の破断予定部で開裂して扉を形成する。意匠面である上面部81と、リテーナである周壁部82とより概略構成され、さらに、上面部81には、インストルメントパネルの取付開口の縁部に係合する爪83が、周壁部82には、フック7が挿入係合される孔84が穿設されている。
エアバッグ9の膨張時には、爪83がインストルメントパネルの表皮開口部に対して係合状態を維持するか否かに拘わらず、フック7がリッド8を支持することになる。
フック7の挿通部7bからさらに先端側の先端部7aが、図2の下方(矢印DW)に折り返されるように延長されている。ここに先端部15aが入るようにロアプレート15が取り付けられている。
ロアプレート15は、図1に示すように、一列に配置されたフック7の第3フック73から第5フック75までの3つに亘って重合するような幅広のプレートである。リテーナ2と同様の鋼板を使用している。
ロアプレート15の下部15bはリテーナ2の底部2aに沿うように側面視略L字状に曲げられ、スタッド4aのピッチに合せて通孔15cが穿孔されており、ナット16で固定されている。
これは、インストルメントパネル衝撃テスト(図3参照)において、鉄球が上面部81に衝突するとき、周壁部82の幅方向(図1・矢印LR)の中央部分82bが外方すなわち矢印RR方向に膨出するように撓むが、中央部分82bをロアプレート15の先端部15aが周壁部82の中央部分82bに当接して受け止め、フック7が孔84から抜けるのを防ぐことができる。
エアバッグ9の展開時には、エアバッグ9が上面部81を押し上げ、それによって周壁部82が上方(図2・矢印UW方向)に持ち上げられるが、フック7の先端部7aにより後方から支えられたロアプレート15の先端部15aが面状に受けとめて周壁部82を支えるので、軟質樹脂で成形されたリッド8の周壁部82がその孔84の近傍においてフック7の先端部7aが押し付けられ孔84を変形させるような力の集中を分散・緩和して、リッド8をリテーナ2に確実に保持することができる。
そのため、軟質樹脂で成形したリッド8を、高出力インフレータを使用したエアバッグモジュールに適用することもでき、展開特性、特に開裂特性とリッドの耐応力強度を容易に得ることができる。
また、ロアプレート15の先端部15aは先端のエッジを直線状としたが、フック7の先端部7aに対応する部分を受け入れる矩形波型としてもよい。これによって孔84およびその周縁部に沿う面積が拡大し、ロアプレート15のフック7に対する左右方向(図1の矢印LR)の位置決めができるようになる。
2a・・・・底部 2b・・・・開口
21・・・・周壁部
3・・・・ブラケット 4・・・・インナプレート
4a・・・・スタッド 5・・・・重ねナット
6・・・・ハーネス 7・・・・フック
7a・・・・フック先端部 7b・・・・挿通部
71・・・・フック 72・・・・フック
73・・・・フック 74・・・・フック
75・・・・フック 76・・・・フック
77・・・・フック
8・・・・リッド 81・・・・上面部
82・・・・周壁部 82a・・・・先端
82b・・・・中央部分 83・・・・爪
84・・・・孔
9・・・・エアバッグ
10・・・・インフレータ 10a・・・・フランジ部
10b・・・・ガスポート 11・・・・インフレータ
11a・・・・フランジ部 11b・・・・ガスポート
15・・・・ロアプレート 15a・・・・先端部
15b・・・・下部 15c・・・・通孔
15d・・・・アーチ部 15e・・・・アーチ部
15f・・・・アーチ部 15g・・・・スリット列
15h・・・・湾曲弱部 15i・・・・プレス薄肉部
Claims (3)
- ガスを発生するインフレータと、インフレータの発生するガスにより膨張するエアバッグと、インフレータを保持するインフレータ保持部とエアバッグを収容するエアバッグ収容部とを備えたリテーナを有し、車両の所定値を超える減速度を車両が検出したときにエアバッグ収容部に設けられたリッドの開口予定部を開口してエアバッグが膨出するようにしたエアバッグモジュールであって、リテーナは、エアバッグの反膨出方向に沿って折り返されたフックを備え、リッドは、フックに係合する係合孔が穿設された周壁部を有し、リテーナからフックの折り返し部の内側に延設配置され、係止孔に少なくとも部分的に重なる延設部を有するプレートがリテーナに添設されたことを特徴とするエアバッグモジュール。
- プレートは、フックの折り返し部の内側に当接し、リテーナの下端とプレート対向面と離間して配置されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグモジュール。
- 複数のフックのそれぞれに係止される複数の係止孔があり、プレートは複数のフックに亘って添設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグモジュール。
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