JP2010114002A - 近接センサ - Google Patents

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文浩 鈴木
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Abstract

【課題】バイアス磁石に対する磁気抵抗効果センサの設置位置がずれたとしても被検出体の検出誤差が抑制される磁気式の近接センサを提供する。
【解決手段】近接センサは、被検出体に設けられる磁性体と、左右に伸びる腕部分40aとその中央部分から被検出体側へ腕部分40aに対し直交して延出する足部分40bとからT字形状をなすバイアス磁石40と、磁気抵抗素子が設けられ、バイアス磁石40と磁性体とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて同磁気抵抗素子の抵抗値が変化することで出力電圧が変化するとともに、磁性体がバイアス磁石40に近接しない状態においてバイアス磁石40により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に配置位置が設定される第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42とを備える。近接センサは、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42からの出力に基づいて被検出体の変位を検出する。
【選択図】図7

Description

この発明は、検出対象の変位を検出する近接センサに関する。
車両には、自車両の進行方向を他車両の運転者や歩行者等に知らせるための方向指示装置が備えられている。方向指示装置は、運転者によって操作レバーを中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に回動操作されることによりそれぞれの方向指示器が動作するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
この操作レバーは、中立位置から左折操作位又は右折操作位置に変位させると、その左折操作位置又は右折操作位置で保持されるようになっている。そして、操作レバーが左折操作位置に変位されて、その左折操作位置で保持されている間、左側の方向指示器が動作する。また、操作レバーが右折操作位置に変位されて、その右折操作位置で保持されている間、右側の方向指示器が動作する。
方向指示装置には、ステアリングホイールの操作に合わせて左折操作位置又は右折操作位置に保持された操作レバーを中立位置へ自動的に戻すための機械式の復帰機構が設けられている。操作レバーを左折操作位置又は右折操作位置に変位させた後、ステアリングホイールを左側(反時計回り方向)又は右側(時計回り方向)に所定の舵角以上に回転させてから車両が直進時の舵角範囲(直進舵角範囲)に戻した際に、復帰機構によりステアリングホイールの直進舵角範囲への戻りに合わせて、左折操作位置又は右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に自動的に戻される。操作レバーが中立位置に戻ると、方向指示器の動作が停止される。
近年、操作レバーが中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に変位されても、その左折操作位置又は右折操作位置に保持されず、操作力が解除されると即座に中立位置に戻るモーメンタリ型の方向指示装置が開発されている(例えば、特許文献2参照。)。この方向指示装置は、操作レバーが中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に変位されると、それを検出し、それぞれの方向指示器を動作させ、一定時間が経過すると、方向指示器の動作を停止する。すなわち、方向指示器の動作は操作レバーの操作によって開始されるが、方向指示器の動作の停止は操作レバーの位置、及びステアリングホイールの舵角のいずれにも対応しない。
特開2005‐170128号公報 特開2007‐223382号公報
ところで、上記特許文献2に記載の方向指示装置では、操作レバーが中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に操作されてから一定時間が経過すると方向指示器の動作を停止するようになっているため、方向指示器を一定時間以上動作させたい際には再度操作レバーを操作しなければならなかった。
そこで、本発明者は、特許文献1に記載の方向指示装置のようにステアリングホイールの舵角が所定の舵角以上に回転された後に直進舵角範囲内の角度に戻ったことに基づいて方向指示器の動作を停止することができるモーメンタリ型の方向指示装置の開発を試みることとした。具体的には、ステアリングホイール、正確にはステアリングシャフトが直進舵角範囲内の角度に戻ったか否かを検出することができる磁気式の近接センサの開発である。方向指示装置は、同磁気式の近接センサからの検出信号に基づいて方向指示器の動作を停止する。
磁気式の近接センサは、被検出体としてのステアリングシャフトの変位によって変化する磁気ベクトルを検出する磁気抵抗素子等からなる磁気抵抗効果センサを用いたものを想定している。このような磁気式の近接センサは、被検出体に設けられた磁性体とこの磁性体に対応するバイアス磁石とによって形成される磁気ベクトルの変化を磁気抵抗効果センサにより検出し、磁気抵抗効果センサからの出力電圧に基づき被検出体の変位を検出する。しかしながら、バイアス磁石に対する磁気抵抗効果センサの設置位置がずれると検出誤差が発生してしまうため、設置位置の許容誤差が低かった。そこで、設置位置がずれたとしても検出誤差を抑制することができる磁気式の近接センサが求められていた。ここで、ステアリングシャフトのような回転変位する被検出体に限らず、直線変位等の他の変位をする被検出体に用いる磁気式の近接センサにおいても同様の問題があった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイアス磁石に対する磁気抵抗効果センサの設置位置がずれたとしても被検出体の検出誤差が抑制される磁気式の近接センサを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、被検出体の変位を検出する磁気式の近接センサにおいて、前記被検出体に設けられる磁性体と、前記磁性体に対して相対的に変位し、左右に伸びる腕部分とその中央部分から前記被検出体側へ腕部分に対し直交して延出する足部分とからT字形状をなすバイアス磁石と、前記バイアス磁石に対して相対位置が固定され、磁気抵抗素子が設けられ、前記バイアス磁石と前記磁性体とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて同磁気抵抗素子の抵抗値が変化することで出力電圧が変化するとともに、前記磁性体が前記バイアス磁石に近接しない状態において同バイアス磁石により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に配置位置が設定される磁気抵抗効果センサとを備え、前記バイアス磁石に対する前記磁性体の近接の有無に伴う前記磁気抵抗効果センサからの出力電圧の変化に基づいて前記被検出体の変位を検出することをその要旨としている。
同構成によれば、T字形状の磁石とすることで、磁性体が同バイアス磁石に近接しない状態において同バイアス磁石により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲を形成することができ、この磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に磁気抵抗効果センサを配置する。磁気抵抗効果センサを組み付ける際に、磁気ベクトルが同一方向を向く範囲においてバイアス磁石に対する位置がずれたとしても、出力電圧の変化は同様なものとなる。このため、出力電圧の変化への影響を抑制することができる。すなわち、配置された磁気抵抗効果センサは、組み付ける際の位置ずれを含んでいても、被検出体の変位に伴って変位する磁性体とバイアス磁石とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて磁気抵抗素子の抵抗値が変化することで位置ずれがない際と同様の出力電圧を出力する。この磁気抵抗効果センサからの磁性体の近接の有無に伴う出力電圧の変化に基づいて被検出体の変位を検出することができる。よって、バイアス磁石に対する磁気抵抗効果センサの設置位置がずれたとしても検出誤差を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の近接センサにおいて、前記磁気抵抗効果センサは2つを一組として設けられ、前記バイアス磁石のT字の足部分の延びる方向と腕部分の延びる方向とによって形成される平面上において、同足部分を挟んで線対称に配置されることをその要旨としている。
同構成によれば、磁気抵抗効果センサが磁石のT字の足部分を挟んで線対称、すなわち同足部分の両側に配置される2つのセンサを一組とする。このため、被検出体が回転体の場合には、磁気抵抗効果センサからの出力電圧の変化タイミングが異なり、この出力電圧の変化の順番から回転方向を把握することができる。また、何らかの原因により一方の磁気抵抗効果センサからの出力電圧が得られなくなっても、他方の磁気抵抗効果センサからの出力電圧に基づいて被検出体の変位を検出することができる二重系を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の近接センサにおいて、前記一組の磁気抵抗効果センサは、1つのパッケージに収納されることをその要旨としている。
同構成によれば、一組の磁気抵抗効果センサを1つのパッケージに収納しているため、2つの磁気抵抗効果センサ同士の位置が予め固定される。このため、同センサ間の位置ずれを防止することができ、また1つのパッケージのため組み付け作業が容易である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の近接センサにおいて、前記一組の磁気抵抗効果センサは、それぞれハーフブリッジ回路を構成する2つの磁気抵抗素子からなり、全体としてフルブリッジ回路を構成し、それぞれの出力電圧の差分値に基づいて前記被検出体の変位を検出することをその要旨としている。
同構成によれば、1つのパッケージに収容された一組の磁気抵抗効果センサを組み付ける際に位置ずれしたとしても、バイアス磁石に対して一方が近づき他方が離れることになる。そして、それぞれのハーフブリッジ回路の出力電圧が本来の出力変化と異なったとしても、これらハーフブリッジ回路の出力電圧の差分値を採用することによってこれらの出力電圧の変化を相殺することができるため、設置位置がずれたとしても被検出体の変位を正確に検出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の近接センサにおいて、前記被検出体は回動軸であり、前記磁性体は、前記回動軸の外周に沿った扇形形状であり、同扇形の円弧の各端部が所定の検出角度に対応し、前記回動軸の回転に伴って一体に回転変位され、前記回動軸の回転変位を検出することをその要旨としている。
同構成によれば、例えば、ステアリングホイールの所定の舵角を検出するべく、回動軸としてのステアリングシャフトに扇形形状の磁性体を設置し、同扇形の磁性体の円弧の各端部を所定の舵角に一致させる、すなわち所定の舵角を両端とする舵角範囲と磁性体の扇形の中心角が一致する。そして、磁気抵抗効果センサがバイアス磁石と磁性体とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて磁気抵抗素子の抵抗値が磁性体の端部の位置において大きく変化することで出力電圧の変化として、回動軸の回転変位を検出することができる。
本発明によれば、バイアス磁石に対する磁気抵抗効果センサの設置位置がずれたとしても被検出体の検出誤差が抑制される磁気式の近接センサを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる近接センサを方向指示装置に用いる近接センサに具体化した第1の実施形態について図1〜図11を参照して説明する。
図1に示されるように、方向指示装置は、運転者によって中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に回動操作されることにより方向指示の入力操作が行われる操作レバー1と、同操作レバー1の左折操作位置又は右折操作位置へ回動操作されたことを検出し、制御装置3へ左折操作信号又は右折操作信号を出力する位置検出スイッチ2と、方向指示器として点灯する左ターンランプ4及び右ターンランプ5と、図示しないステアリングホイールに一体回動可能に接続される被検出体としてのステアリングシャフト6に設けられ、ステアリングシャフト6の回転角度が所定の舵角範囲内であるか否かを検出し、所定の舵角範囲内である際には舵角信号を制御装置3へ出力する近接センサ7とを備えている。
制御装置3は、運転者によって操作レバー1が中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に回動操作されることにより、左ターンランプ4又は右ターンランプ5を点灯制御する。詳しくは、操作レバー1は、中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に変位されても、その左折操作位置又は右折操作位置に保持されず、操作力が解除されると即座に中立位置に戻る。このとき、操作レバー1に設けられる位置検出スイッチ2は、中立位置から左折操作位置又は右折操作位置への回動操作を検出して制御装置3に左折操作信号又は右折操作信号を出力する。制御装置3は、左折操作信号又は右折操作信号が入力されると、左ターンランプ4又は右ターンランプ5を一定周期で点灯させる。また、制御装置3は、左ターンランプ4又は右ターンランプ5の点灯停止をステアリングシャフト6に設けられる近接センサ7の検出結果に基づいて行う。すなわち、制御装置3は、ステアリングシャフト6(ステアリングホイール)が所定の舵角範囲を超えて回転された後に所定の舵角範囲内に戻った旨の舵角信号が近接センサ7から入力された際には、点灯している左ターンランプ4又は右ターンランプ5の点灯を停止させる。
次に、ステアリングシャフト6に設けられる近接センサ7について図2〜図11を参照して詳述する。
図2に示されるように、近接センサ7は、ステアリングシャフト6に外嵌された状態で固定される。この近接センサ7は、ステアリングシャフト6の外周に沿った扇形形状の磁性体30が固定され、ステアリングシャフト6に固定される円環状の固定環32と、T字形状のバイアス磁石40及び2つの磁気抵抗効果センサ(MRセンサ)41,42等が収容された検出部としての検出ユニット20と、図示しないステアリングコラムに固設され、磁性体30の回動範囲及び検出ユニット20を覆う円環状のケース10とを備えている。
詳しくは、図3に示されるように、固定環32の内径部34には、ステアリングシャフト6と一体回動するようにステアリングシャフト6の外周に係合する2つの凸部34a,34bが対向して形成されている。固定環32は、ケース10の内径部14に位置し、上側ケース11と下側ケース12とに回動可能に挟持される。磁性体30は、固定環32の周方向に延びて固定環32の外径部33に固定されている。ケース10は、円環形状と直方体形状とが組み合わされた形状であって、上側ケース11と下側ケース12とからなる。ケース10の円環形状部分には磁性体30が回動可能な磁性体収容部15が形成され、ケース10の直方体形状部分には検出ユニット20を収容するユニット収容部16が形成されている。
図4に示されるように、検出ユニット20は、直方体形状であって、固定環32側の側面に磁性体30の円弧31部分が通過可能な間隙22が形成される検出ユニットケース21を備えてなる。検出ユニット20は、その間隙22に磁性体30が挿入された状態でケース10のユニット収容部16に収容される。検出ユニットケース21の間隙22と反対側の側面(固定環32から離間する側の側面)の上側にはバイアス磁石40を収容する磁石収容部23が開口して形成されている。検出ユニットケース21の底面には基板43を収容する基板収容部25が開口して形成されている。
バイアス磁石40は、左右に伸びる腕部分40aとその中央部分から腕部分40aに対し直交して延出する足部分40bとから形成されるT字形状であって、その足部分40b側を固定環32へ向けて磁石収容部23に挿入され、脱落が規制された状態で磁石収容部23に収容される。基板43は、凸形状をなし、凸部分が検出ユニットケース21の間隙22と反対側の側面下部に形成された切欠口26から外部へ突出している。基板43は、基板収容部25に下方から挿入され、その脱落が規制された状態で収容される。
図5及び図6に示されるように、基板43はバイアス磁石40の下方に位置している。基板43の上面43aには第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42が上方から見てバイアス磁石40の足部分40bの左右両側に、正確にはバイアス磁石40の足部分40bの延出方向に沿う中心線Pに対して線対称となる位置に実装されている。基板43の下面43bには第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42からの出力電圧に基づいてその時々の舵角が所定の舵角範囲内であるか否かを判断し所定の舵角範囲内である旨判断されるときに舵角信号を出力する処理装置としてのCPU44等が実装されている。ステアリングシャフト6の時計回り(図5中矢印CW)又は反時計回り(図5中矢印CCW)の方向への回動に伴い磁性体30は回動し、バイアス磁石40に対向した位置に形成された間隙22を通過する。
近接センサ7は、ステアリングシャフト6の時計回り(図中矢印CW)又は反時計回り(図中矢印CCW)の方向への回動に伴う磁性体30の近接を検出することによりステアリングホイールの操作方向及び所定の舵角、正確には所定の舵角範囲内か否かを検出する。図5に示されるように、磁性体30の円弧31の中点Cがバイアス磁石40の中心線P上に位置する状態を磁性体30の初期位置とする。この初期位置は、ステアリングホイールの中立位置、すなわち舵角0°に対応する位置である。また、所定舵角は、ステアリングホイールの中立位置を基準として、左右回転方向へそれぞれ設定されており、本例では30°、左右合わせて60°に設定されている。この左右の所定角度に対応して磁性体30は、円弧31の中心角が60°となるように設けられている。円弧31の中点Cと図示しない円弧中心とを結ぶ線分は円弧31の中心角を各30°に二等分する二等分線となる。すなわち、磁性体30が初期位置から左右それぞれに所定の舵角である30°だけ回転したとき、円弧31の左端及び右端は中心線Pに一致する。その円弧31の端部30a,30bがそれぞれ所定の舵角に相当するようにその円弧31の長さLcが設定されている(図3参照。)。
次に、T字形状のバイアス磁石40と磁性体30とにより第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42に印加されるバイアス磁界について図7及び図8を参照して説明する。バイアス磁石40は、腕部分40aの足部分40bから遠い側がS極に、腕部分40aの足部分40b側と足部分40bとがN極に着磁されている。図7は、磁性体30がバイアス磁石40から離間して、バイアス磁石40のみにより印加されるバイアス磁界を示す。図8は、磁性体30が初期位置にあるときに、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42に印加されるバイアス磁界を矢印で示す。
図7に示されるように、バイアス磁石40のみにより印加されるバイアス磁界は、バイアス磁石40の足部分40bの先端側(図中下側)を中心とした放射状に磁気ベクトルが形成される。足部分40bの右側面40c及び左側面40dのそれぞれ先端側の近傍に、磁気ベクトルが腕部分40aの延出方向且つ同一方向を向く第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2が形成される。第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42は、第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2内にそれぞれ位置する。これら第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2においては磁気ベクトルが同一方向を向くため、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42が実装された基板43が配置される際に配置位置が前後方向又は左右方向へ多少ずれたとしても、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を通過する磁気ベクトルは同一方向とすることができる。第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42は、磁界方向に応じた電圧を出力するため、磁気ベクトルが同一方向とすることができるため検出誤差を抑制することができる。
図8に示されるように、バイアス磁石40と磁性体30とにより印加されるバイアス磁界は、バイアス磁石40から発生されるバイアス磁界が磁性体30に引き付けられるため磁気ベクトルが磁性体30に指向して形成される。すなわち、第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2内においては磁気ベクトルが磁性体30に指向して形成される。このとき、第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2内での磁気ベクトルは、足部分40bの延出方向に対し交わる方向となる。このように磁性体30がステアリングシャフト6の回動に伴いバイアス磁石40に近接すると、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を通過する磁気ベクトルが腕部分40aの延出方向から磁性体30側へ指向する方向へ変化する。磁性体30の端部30a,30bの少なくとも一方が中心線Pから左右30°の範囲に含まれる状態を磁性体30がバイアス磁石40に近接している状態とし、磁性体30の端部30a,30bのいずれもが中心線Pから左右30°の範囲に含まれない状態を磁性体30がバイアス磁石40に近接していない状態とする。
すなわち、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42に印加されるバイアス磁界は、図8に示される磁性体30が初期位置にある状態と、図7に示される磁性体30がバイアス磁石40から離間して、磁性体30の影響を受けない状態との間で変化する。この磁気ベクトルの変化を第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42によって検出する。
図9に示されるように、第1MRセンサ41は4つの磁気抵抗素子41a,41b,41c,41dがブリッジ状に接続されたフルブリッジ回路から構成され、磁気抵抗素子41aと磁気抵抗素子41bとの中点電位と、磁気抵抗素子41cと磁気抵抗素子41dとの中点電位とが出力される。そして、これら中点電位の差分値が所定の増幅率で増幅され、これが出力電圧Vaとして出力される。第2MRセンサ42は4つの磁気抵抗素子42a,42b,42c,42dがブリッジ状に接続されたフルブリッジ回路から構成され、磁気抵抗素子42aと磁気抵抗素子42bとの中点電位と、磁気抵抗素子42cと磁気抵抗素子42dとの中点電位とが出力される。そして、これら中点電位の差分値が所定の増幅率で増幅され、これが出力電圧Vbとして出力される。これらの回路には、それぞれ電圧Vccが印加されている。すなわち、これら第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42は、それぞれに印加される磁気ベクトルの向きに応じて各磁気抵抗素子41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42dの抵抗値が変化することで、出力電圧Va,Vbが変化する。
図10は、磁性体30の回転角度とその角度における第1MRセンサ41の出力電圧Va及び第2MRセンサ42の出力電圧Vbとの関係を示す。なお、磁性体30の円弧31の中点Cがバイアス磁石40の中心線P上に位置する磁性体30の初期位置を回転角度0°とする。そして、磁性体30が初期位置0°から時計回り(図中矢印CW)及び反時計回り(図中矢印CCW)に60°まで回動した際の出力電圧Va,Vbの変化を示している。図10では、初期位置から時計回り方向の角度を正(プラス)、反時計回り方向の角度を負(マイナス)の値として示す。出力電圧Va,Vbは、Vmから−Vmの間において変化する。また、CPU44は、舵角信号を出力するか否か、すなわちセンサ出力の切り替わり有無を判断する際の基準となる出力電圧Va,Vbである閾値が設定されている。閾値は0Vである。CPU44は、出力電圧Va,Vbが閾値以上であれば、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42がオン状態であるとして舵角信号を出力する。
図10に示されるように、ステアリングシャフト6、すなわち磁性体30が回動すると、回転角度±30°付近において第1MRセンサ41の出力電圧Va及び第2MRセンサ42の出力電圧Vbがプラスからマイナスの値へ変化する。具体的には、磁性体30が初期位置から時計回り(図中矢印CW)方向へ回動すると、まず第2MRセンサ42の出力電圧Vbがプラスからマイナスの値へ変化する。続いて第1MRセンサ41の出力電圧Vaがプラスからマイナスの値へ変化する。磁性体30が初期位置から反時計回り(図中矢印CCW)方向へ回動すると、まず第1MRセンサ41の出力電圧Vaがプラスからマイナスの値へ変化する。続いて第2MRセンサ42の出力電圧Vbがプラスからマイナスの値へ変化する。このように、磁性体30の回転方向が時計回りであれば第2MRセンサ42の出力電圧Vbが第1MRセンサ41の出力電圧Vaより先に変化し、反時計回りであれば第1MRセンサ41の出力電圧Vaが第2MRセンサ42の出力電圧Vbより先に変化する。これは、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42がバイアス磁石40の足部分40bを挟んで互いに離間して配置されているためである。
CPU44は、変化する前の出力電圧Va,Vbに加えて、出力電圧Va,Vbの変化タイミングの違いから磁性体30の回転方向が時計回りであるか反時計回りであるかを判断することができる。例えば、CPU44は、第1MRセンサ41の出力電圧Va及び第2MRセンサ42の出力電圧Vbがマイナスである状態から第2MRセンサ42の出力電圧Vbが第1MRセンサ41の出力電圧Vaより先にプラスへ変化した場合には、時計回りであると判断する。逆に、CPU44は、第1MRセンサ41の出力電圧Va及び第2MRセンサ42の出力電圧Vbがマイナスである状態から第1MRセンサ41の出力電圧Vaが第2MRセンサ42の出力電圧Vbより先にプラスへ変化した場合には、反時計回りであると判断する。
近接センサ7は、出力電圧Va,Vbがプラスから時計回りにマイナスへ変化し、反時計回りにプラスへ変化した際には、ステアリングホイールが右旋回走行状態から直進走行状態へ戻ったと判断し、その旨を示す舵角信号を制御装置3へ出力する。ここで、出力電圧Va,Vbがプラスから時計回りにマイナスへ変化し、マイナスから時計回りにプラスへ変化した際には、右旋回走行を継続しているため、右旋回走行状態から直進走行状態へ戻ったと判断しない。逆に、近接センサ7は、出力電圧Va,Vbがプラスから反時計回りにマイナスへ変化し、時計回りにプラスへ変化した際には、ステアリングホイールが左旋回走行状態から直進走行状態へ戻ったと判断し、その旨を示す舵角信号を制御装置3へ出力する。ここで、出力電圧Va,Vbがプラスから反時計回りにマイナスへ変化し、マイナスから反時計回りにプラスへ変化した際には、左旋回走行を継続しているため、左旋回走行状態から直進走行状態へ戻ったと判断しない。
ここで、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42が予め設定された位置に対して前後方向又は左右方向にずれて配置された場合について説明する。図11は、第1MRセンサ41がバイアス磁石40の足部分40bの延出する方向及びバイアス磁石40の腕部分40aの延出する方向へそれぞれずらした状態における磁性体30の回転角度と第1MRセンサ41の出力電圧Vaとの関係を示す図である。
第1MRセンサ41の出力電圧Vaは、予め設定された位置に対してずれて配置されると、出力電圧Va,Vbの最大値と最小値との大きさが変化するが、同じ回転角度(±30°付近)において閾値となる0Vとなる。このため、第1MRセンサ41の位置がずれたとしても磁性体30の近接を検出することができる。第2MRセンサ42においても同様である。
制御装置3は、運転者によって操作レバー1が中立位置から左折操作位置又は右折操作位置に回動操作されることによって、位置検出スイッチ2から左折操作信号又は右折操作信号が入力されると、左ターンランプ4又は右ターンランプ5を一定周期で点灯させる。そして、制御装置3は、ステアリングシャフト6が所定の舵角範囲、すなわち左右30°を越えて回転後、回転範囲内の角度に逆回転されることによって、近接センサ7から舵角信号が入力されると、点灯している左ターンランプ4又は右ターンランプ5の点灯を停止させる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)T字形状のバイアス磁石40とすることで、磁性体30がバイアス磁石40に近接しない状態においてバイアス磁石40により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲を形成することができ、この磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を配置する。第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を組み付ける際に、磁気ベクトルが同一方向を向く範囲においてバイアス磁石40に対する位置がずれたとしても、出力電圧Va,Vbの変化は同様なものとなる。このため、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42の位置ずれによる出力電圧の変化への影響を抑制することができる。すなわち、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42は、組み付ける際の位置ずれを含んでいても、被検出体としてのステアリングシャフト6の変位に伴って変位する磁性体30とバイアス磁石40とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて磁気抵抗素子41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42dの抵抗値が変化することで位置ずれがない際と同様の出力電圧を出力する。この第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42からの磁性体30の近接の有無に伴う出力電圧の変化に基づいて被検出体の変位を検出することができる。よって、バイアス磁石40に対する第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42の設置位置がずれたとしても被検出体の検出誤差を抑制することができる。
(2)第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42がバイアス磁石40のT字の足部分40bを挟んで線対称、すなわち同足部分40bの両側に配置される2つのセンサを一組とする。このため、被検出体がステアリングシャフト6のように回転体の場合には、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42からの出力電圧Va,Vbの変化タイミングが異なり、この出力電圧Va,Vbの変化の順番から回転方向を把握することができる。また、何らかの原因により第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42の一方からの出力電圧が得られなくなっても、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42の他方からの出力電圧に基づいて被検出体の検出位置への近接を検出することができる二重系を形成することができる。
(3)ステアリングホイールの所定の舵角を検出するべく、回動軸としてのステアリングシャフト6に扇形形状の磁性体30を設置し、同扇形の磁性体30の円弧31の各端部30a,30bを所定の舵角に一致させる。そして、第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42がバイアス磁石40と磁性体30とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて磁気抵抗素子41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42dの抵抗値が磁性体30の端部の位置において大きく変化することで出力電圧の変化として、ステアリングシャフト6の回転変位を検出することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる近接センサを制動指示装置に用いる近接センサに具体化した第2の実施形態について、図13〜図17を参照して説明する。この実施形態の近接センサは、検出ユニットの延出方向に対して磁性体が近づいたり、遠ざかったりする点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の近接センサのバイアス磁石及びMRセンサは、第1の実施形態の近接センサのバイアス磁石及びMRセンサと同様の構成を備えている。
図13に示されるように、制動指示装置は、運転者によって非制動位置から制動位置に踏み込み操作されることにより制動指示の入力操作が行われる被検出体としてのブレーキペダル101と、同ブレーキペダル101が制動位置へ踏み込み操作されたことを検出し、制動操作信号を制御装置103へ出力する近接センサ102と、制動指示器として点灯するブレーキランプ104とを備えている。
制御装置103は、運転者によってブレーキペダル101が非制動位置から制動位置へ踏み込み操作されることにより、ブレーキランプ104を点灯制御する。詳しくは、ブレーキペダル101は非制動位置から制動位置への踏み込み操作による踏み込み量に応じて位置が変位する。このとき、ブレーキペダル101に設けられる近接センサ102は、非制動位置から制動位置への踏み込み操作を検出して制動操作信号を制御装置103へ出力する。ここで、所定の踏み込み量未満の位置を非制動位置とし、所定の踏み込み量以上の位置を制動位置とする。所定の踏み込み量は、少しの踏み込みで制動位置であると検出できるように設定されている。制御装置103は、制動操作信号が入力されると、ブレーキランプ104を点灯させる。また、制御装置103は、制動操作信号の入力がなくなると、ブレーキランプ104の点灯を停止させる。
次に、ブレーキペダル101に設けられる近接センサ102について図14〜図17を参照して詳述する。
図14に示されるように、近接センサ102は、ブレーキペダル101の踏み込み操作を検出できるように設置されている。この近接センサ102は、ブレーキペダル101の裏面に固定される長方形状の磁性体130と、T字形状のバイアス磁石140及び2つの磁気抵抗効果センサ(MRセンサ)141,142等がケース121に収容された検出部としての検出ユニット120とを備えている。第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142が実装された基板143がセンサ素子ユニット110に収容され、このセンサ素子ユニット110が検出ユニット120に収容されている。検出ユニット120は、図示しない車両のフロアに固定される。近接センサ102は、ブレーキペダル101に設けられた磁性体130が近接する方向(A方向)と離間する方向(B方向)とへの相対変位による近接を検出することによりブレーキペダル101の踏み込み操作が所定の踏み込み量以上であるか否かを検出する。
詳しくは、図15に示されるように、バイアス磁石140は、第1の実施形態と同様にT字形状であって、その足部分140b側をブレーキペダル101へ向けてセンサ素子ユニット110に接着固定される。センサ素子ユニット110は、バイアス磁石140の下方に位置している。センサ素子ユニット110は、基板143の上面143aに第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142が上方から見てバイアス磁石140の足部分140bの左右両側に位置して実装されている。基板143の下面には第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142からの出力電圧に基づいてその時々の踏み込み量が所定の踏み込み量以上であるか否かを判断し所定の踏み込み量以上である旨判断されるときに制動操作信号を出力する処理装置としてのCPU等が実装されている。センサ素子ユニット110には、制御装置103等の外部装置へ制動操作信号等の信号を出力するための端子111が3個設けられている。そして、これら端子111は、外部装置に接続するための接続端子112にそれぞれ溶接等により固着される。
図16に示されるように、一体に固定されたバイアス磁石140と、センサ素子ユニット110と、接続端子112とがモールド成形されることによって検出ユニット120が形成される。接続端子112の端部112aのみがコネクタとなる中空部122の内側に露出されている。この検出ユニット120は、車両のフロアに取り付けられる際に固定される孔部123が形成されてなる。
次に、T字形状のバイアス磁石140と磁性体130とにより第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142に印加されるバイアス磁界は、図7及び図8に示されるように第1の実施形態と同様のバイアス磁界を形成する。また、第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142は、図9に示されるように第1の実施形態と同様の回路から構成される。
図17は、ブレーキペダル101の踏み込み量(距離)と第1MRセンサ141の出力電圧Va及び第2MRセンサ142の出力電圧Vbとの関係を示す。本実施形態では、磁性体130が検出ユニット120の延出方向に対して相対変位するため、第1MRセンサ141の出力電圧Va及び第2MRセンサ142の出力電圧Vbは同じように変位する。本実施形態では、出力電圧Va,Vbが0Vとなる位置が所定の踏み込み量となるように踏み込み量0cmの位置が設定されている。そのため、出力電圧Va,Vbは、踏み込み操作がない状態ではマイナスの値であって、踏み込み操作が行われるとマイナスの値からプラスの値へ変化する。そして、CPUは、出力電圧Va,Vbが0V以上であるときに制動操作信号を出力する。
ここで、第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142が予め設定された位置に対して前後方向又は左右方向にずれて配置された場合においても第1の実施形態と同様に磁性体130の近接を検出することができる。
制御装置103は、運転者によってブレーキペダル101が非制動位置から制動位置に踏み込み操作されることによって、近接センサ102から制動操作信号が入力されると、ブレーキランプ104を点灯させる。そして、制御装置103は、近接センサ102から制動操作信号の入力がなくなると、点灯しているブレーキランプ104の点灯を停止させる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(4)T字形状のバイアス磁石140とすることで、磁性体130がバイアス磁石140に近接しない状態においてバイアス磁石140により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲を形成することができ、この磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142を配置する。第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142を組み付ける際に、磁気ベクトルが同一方向を向く範囲においてバイアス磁石140に対する位置がずれたとしても、出力電圧Va,Vbの変化は同様なものとなる。このため、第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142の位置ずれによる出力電圧の変化への影響を抑制することができる。すなわち、第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142は、組み付ける際の位置ずれを含んでいても、被検出体としてのブレーキペダル101の変位に伴って変位する磁性体130とバイアス磁石140とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて磁気抵抗素子41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42dの抵抗値が変化することで位置ずれがない際と同様の出力電圧を出力する。この第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142からの磁性体130の近接の有無に伴う出力電圧の変化に基づいて被検出体の変位を検出することができる。よって、バイアス磁石140に対する第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142の設置位置がずれたとしても被検出体の検出誤差を抑制することができる。
(5)第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142がバイアス磁石140のT字の足部分40bの両側に配置される2つのセンサを一組とする。このため、何らかの原因により第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142の一方からの出力電圧が得られなくなっても、第1MRセンサ141及び第2MRセンサ142の他方からの出力電圧に基づいて被検出体の検出位置への近接を検出することができる二重系を形成することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記第1の実施形態では、初期位置に対して左右それぞれに所定の舵角として30°に設定したが、これに限らずステアリングシャフト6の検出したい舵角に応じて任意に変更してもよい。
・上記実施形態では、第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2にそれぞれ1つずつMRセンサを配置するようにしたが、1つの範囲内に2つのMRセンサを配置して二重系を構成するようにしてもよい。例えば、第1同一方向範囲A1に第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を配置したり、第1同一方向範囲A1及び第2同一方向範囲A2にそれぞれ第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を配置したりする。
・上記実施形態では、第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)をそれぞれのパッケージに収容するようにしたが、第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)を1つのパッケージに収容するようにしてもよい。
同構成によれば、一組の第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)を1つのパッケージに収納しているため、2つの第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)同士の位置が予め固定される。このため、第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)間の位置ずれを防止することができ、また1つのパッケージのため組み付け作業が容易である。
・上記実施形態では、第1MRセンサ41(141)及び第2MRセンサ42(142)はそれぞれ4つの磁気抵抗素子が接続されたフルブリッジ回路が構成され、各回路における中点電位の差分値を出力電圧Va,Vbとした。しかしながら、図12に示されるように、第1MRセンサ51及び第2MRセンサ52は、それぞれハーフブリッジ回路を構成する2つの磁気抵抗素子51a,51b,52a,52bからなり、全体としてフルブリッジ回路を構成してもよい。そして、第1MRセンサ51及び第2MRセンサ52のそれぞれの出力電圧の差分値を出力電圧Vdとして出力するようにしてもよい。近接センサ7は、出力電圧Vdに基づいて磁性体30の近接を検出する。なお、磁気抵抗素子51a,51bと磁気抵抗素子52a,52bとの向きは同じである。
同構成によれば、ケース10に収容された第1MRセンサ41及び第2MRセンサ42を組み付ける際に前後方向又は左右方向へ位置ずれしたとしても、バイアス磁石40に対して一方が近づき他方が離れることになる。そして、それぞれのハーフブリッジ回路の出力電圧の差分値を採用することによってこれらの出力電圧の変化を相殺することができるため、設置位置がずれたとしても被検出体の変位を正確に検出することができる。
・上記第1の実施形態では、被検出体としてのステアリングシャフト6に固定された回転変位する磁性体30の近接を検出する近接センサとしたが、回転変位する他の被検出体の変位を検出する近接センサに適用してもよい。
・上記第2の実施形態では、被検出体としてのブレーキペダル101に固定された検出ユニット120の延出方向へ直線変位する磁性体130の近接を検出する近接センサとしたが、直線変位する他の被検出体の変位を検出する近接センサに適用してもよい。
・上記実施形態の回転変位や直線変位等に限らず、他の変位をする被検出体の変位を検出する近接センサとしてもよい。
・上記実施形態では、2つのMRセンサを用いたが、1つのMRセンサによって被検出体の変位を検出するようにしてもよい。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
(a)請求項1〜5のいずれか一項に記載の近接センサにおいて、前記磁石のT字の足部分と腕部分の足部分側とはN極に着磁され、前記磁石のT字の腕部分の足部分から遠い側はS極に着磁されることを特徴とする近接センサである。
方向指示装置の全体構成を示すブロック図。 近接センサの設置状態を示す斜視図。 近接センサの全体構成を示す分解斜視図。 バイアス磁石とMRセンサとを含む検出部の分解斜視図。 近接センサの検出部内の配置を示す上面図。 近接センサの検出部の配置を示すA‐A断面図。 磁性体が近接しない状態におけるバイアス磁界を示す上面図。 磁性体が近接する状態におけるバイアス磁界を示す上面図。 検出部の回路構成を示す回路図。 ステアリングシャフトの回転角度とMRセンサの出力電圧との関係を示す図。 MRセンサの複数位置におけるステアリングシャフトの回転角度とMRセンサの出力電圧との関係を示す図。 検出部の回路構成を示す回路図。 制動指示装置の全体構成を示すブロック図。 近接センサの設置状態を示す斜視図。 近接センサの組み付けを示す分解斜視図。 近接センサの構成を示す斜視図。 ブレーキペダルの踏み込み量とMRセンサの出力電圧との関係を示す図。
符号の説明
1…操作レバー、2…位置検出スイッチ、3…制御装置、4…左ターンランプ、5…右ターンランプ、6…ステアリングシャフト、7…近接センサ、10…ケース、11…上側ケース、12…下側ケース、14…内径部、15…磁性体収容部、16…ユニット収容部、20…検出ユニット、21…検出ユニットケース、22…間隙、23…磁石収容部、25…基板収容部、26…切欠口、30…磁性体、30a,30b…端部、31…円弧、32…固定環、33…外径部、34a,34b…凸部、40…バイアス磁石、40a…腕部分、40b…足部分、41…第1MRセンサ、42…第2MRセンサ、41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d…磁気抵抗素子、43…基板、44…CPU、101…ブレーキペダル、102…近接センサ、103…制御装置、104…ブレーキランプ、110…センサ素子ユニット、111…端子、112…接続端子、112a…端部、120…検出ユニット、121…ケース、122…中空部、123…孔部、130…磁性体、140…バイアス磁石、140b…足部分、141…第1MRセンサ、142…第2MRセンサ、143…基板、143a…上面、Va,Vb…出力電圧、A1…第1同一方向範囲、A2…第2同一方向範囲。

Claims (5)

  1. 被検出体の変位を検出する磁気式の近接センサにおいて、
    前記被検出体に設けられる磁性体と、
    前記磁性体に対して相対的に変位し、左右に伸びる腕部分とその中央部分から前記被検出体側へ腕部分に対し直交して延出する足部分とからT字形状をなすバイアス磁石と、
    前記バイアス磁石に対して相対位置が固定され、磁気抵抗素子が設けられ、前記バイアス磁石と前記磁性体とにより印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの向きに応じて同磁気抵抗素子の抵抗値が変化することで出力電圧が変化するとともに、前記磁性体が前記バイアス磁石に近接しない状態において同バイアス磁石により印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルが同一方向を向く範囲に配置位置が設定される磁気抵抗効果センサとを備え、
    前記バイアス磁石に対する前記磁性体の近接の有無に伴う前記磁気抵抗効果センサからの出力電圧の変化に基づいて前記被検出体の変位を検出する
    ことを特徴とする近接センサ。
  2. 請求項1に記載の近接センサにおいて、
    前記磁気抵抗効果センサは2つを一組として設けられ、前記バイアス磁石のT字の足部分の延びる方向と腕部分の延びる方向とによって形成される平面上において、同足部分を挟んで線対称に配置される
    ことを特徴とする近接センサ。
  3. 請求項2に記載の近接センサにおいて、
    前記一組の磁気抵抗効果センサは、1つのパッケージに収納される
    ことを特徴とする近接センサ。
  4. 請求項3に記載の近接センサにおいて、
    前記一組の磁気抵抗効果センサは、それぞれハーフブリッジ回路を構成する2つの磁気抵抗素子からなり、全体としてフルブリッジ回路を構成し、それぞれの出力電圧の差分値に基づいて前記被検出体の変位を検出する
    ことを特徴とする近接センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の近接センサにおいて、
    前記被検出体は回動軸であり、
    前記磁性体は、前記回動軸の外周に沿った扇形形状であり、同扇形の円弧の各端部が所定の検出角度に対応し、前記回動軸の回転に伴って一体に回転変位され、
    前記回動軸の回転変位を検出する
    ことを特徴とする近接センサ。
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KR20200019631A (ko) * 2017-06-29 2020-02-24 섀플러 테크놀로지스 아게 운트 코. 카게 Gmr-센서에 대한 자석의 위치를 조정하기 위한 방법 및 장치

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