JP2010106784A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロック手段を確実にロックさせるためにアシスト弾性部材を備えたバルブタイミング調整装置において、適合工数の増加を抑制する。
【解決手段】アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップと非アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップとを別々に備えておき、実回転位相に応じてフィードバックゲインマップを切り替える(S12〜S14)。これにより、実回転位相がアシスト位相領域である場合にも、位相制御弁80のソレノイド82に与えるデューティ比を実回転位相が非アシスト位相領域にある場合と同様に制御すればよいことになる。その結果、付勢部材(アシスト弾性部材)120を追加することによる適合工数の増加を抑制することができる。
【選択図】図12
【解決手段】アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップと非アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップとを別々に備えておき、実回転位相に応じてフィードバックゲインマップを切り替える(S12〜S14)。これにより、実回転位相がアシスト位相領域である場合にも、位相制御弁80のソレノイド82に与えるデューティ比を実回転位相が非アシスト位相領域にある場合と同様に制御すればよいことになる。その結果、付勢部材(アシスト弾性部材)120を追加することによる適合工数の増加を抑制することができる。
【選択図】図12
Description
本発明は、内燃機関のバルブタイミング調整装置に関し、特に、ロック手段とアシスト弾性部材とを備えたバルブタイミング調整装置に関する。
内燃機関のバルブタイミング調整装置として、進角室または遅角室に作動流体を供給する作動流体制御弁を備え、この作動流体制御弁を用いて進角室、遅角室の作動流体量を制御することでクランク軸(駆動軸)の位相に対するカム軸(従動軸)の位相を調整するものが知られている(たとえば特許文献1)。この特許文献1のものは作動流体制御弁として油圧制御弁を備えており、フィードバック制御によって油圧制御弁の制御電流を決定している。
また、このバルブタイミング調整装置にはロック手段が備えられることがある。ロック手段は、内燃機関の停止中および始動時に回転位相を調整可能範囲の中間の位相でロックするものである。このロック手段を備えることにより、バルブタイミングの調整可能範囲を広くすることができる。
特開2001−50064号公報
ここで、エンジン停止時にロック手段を確実にロックさせるために、最遅角位相または最進角位相からロック手段がロックするロック位相まで、ロック手段がロックする側へベーンロータを付勢するアシスト弾性部材を設けることが考えられる。アシスト弾性部材を設ける場合、アシスト弾性部材の付勢トルクが働く領域(アシスト位相領域)に回転位相がある場合と、アシスト弾性部材の付勢トルクが働かない領域(非アシスト位相領域)に回転位相がある場合とでは、回転位相の変化速度特性が異なることになる。
変化速度特性が異なるにも係わらず、アシスト位相領域と非アシスト位相領域とで全く同じ制御を行ってしまうと、空燃比の悪化、ドライバビリティの悪化等を招くことになり好ましくない。しかし、アシスト位相領域に対して非アシスト位相領域とは別に制御適合を行わなければならないとすると、適合工数が増加してしまうという問題が生じる。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、ロック手段を確実にロックさせるためにアシスト弾性部材を備えたバルブタイミング調整装置において、適合工数の増加を抑制することにある。
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、内燃機関のクランク軸と連動して回転する第1回転体と、吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカム軸に連結され、且つ、前記第1回転体と同軸上に配置されて前記第1回転体との間に進角室および遅角室を形成する第2回転体と、前記進角室と前記遅角室に作動流体を供給する作動流体制御手段と、前記作動流体制御手段を制御して前記進角室と前記遅角室の流体圧力をそれぞれ変化させて前記第1回転体と前記第2回転体とを相対回転させることで、前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相を変化させてバルブタイミングを可変制御するバルブタイミング制御手段と、内燃機関の停止中および始動時に前記回転位相をその調整可能範囲の中間のロック位相でロックするロック手段と、最遅角位相または最進角位相から前記ロック位相まで、前記第2回転体を前記ロック手段がロックする側へ付勢するアシスト弾性部材とを備えたバルブタイミング調整装置であって、
前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働く回転位相の領域であるアシスト位相領域用のゲインと、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働かない回転位相の領域である非アシスト位相領域用のゲインとを備え、実際の回転位相が前記アシスト位相領域にあるか非アシスト位相領域にあるかに基づいてゲインを切り替えてフィードバック制御を行うことを特徴とする。
前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働く回転位相の領域であるアシスト位相領域用のゲインと、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働かない回転位相の領域である非アシスト位相領域用のゲインとを備え、実際の回転位相が前記アシスト位相領域にあるか非アシスト位相領域にあるかに基づいてゲインを切り替えてフィードバック制御を行うことを特徴とする。
このように、アシスト位相領域用のゲインと非アシスト位相領域用のゲインとを別々に備えておき、実際の回転位相に応じてゲインを切り替えるようにすれば、実際の回転位相がアシスト位相領域である場合にも、作動流体制御手段を実際の回転位相が非アシスト位相領域にある場合と同様に制御すればよいことになる。その結果、アシスト弾性部材を追加することによる適合工数の増加を抑制することができる。
請求項2は、前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト位相領域用の保持値および前記非アシスト位相領域用の保持値のうち実際の回転位相に基づいて定まる側の保持値に、前記回転位相の目標値と前記回転位相の実際値との偏差に基づいて定まるフィードバック値を加算することで制御値を算出するようになっており、且つ、実際の回転位相が前記アシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域から境界領域でない領域に入った場合に、前記保持値を実際の回転位相に基づいて定まる側の保持値に切り替えることを特徴とする。
このように、アシスト位相領域用の保持値と非アシスト位相領域用の保持値のうち、実際の回転位相に応じた保持値を用いてフィードバック制御を行うようにすれば、アシスト位相領域および非アシスト位相領域のいずれに実際の回転位相があっても適切なフィードバック制御を行うことができる。加えて、回転位相がアシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域から境界領域でない領域に入った場合に保持値を切り替えるようにしている。換言すれば、境界領域では保持値を切り替えない。これによって、保持値に基づいて定まる目標値が短時間に変動してしまい、フィードバック制御が不安定になることを防止できる。
請求項3は、前記回転位相の実際値と目標値との偏差の変化量が予め設定した更新条件を満たすことに基づいて、前記アシスト位相領域用の保持値と前記非アシスト位相領域用の保持値のうち実際の回転位相が位置する側の保持値を更新する保持値更新手段をさらに備え、その保持値更新手段は、実際の回転位相が前記アシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域である場合には、前記保持値の更新を行わないことを特徴とする。
このようにすれば、実際の回転位相がアシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域にある場合には、保持値の更新を行わないようにしていることから、アシスト位相領域と非アシスト位相領域とを実際の回転位相が行き来する状態で保持値を更新してしまうことを抑制できる。従って、保持値を不適切な値に更新してしまうことを抑制できる。
請求項4は、前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト位相領域用の保持値から前記非アシスト位相領域用の保持値へ切り替える際、切り替え前後の保持値の差分値が所定値よりも大きい場合、見込み補正値を保持値に加算してフィードバック制御を行い、前記非アシスト位相領域用の保持値から前記アシスト位相領域用の保持値へ切り替える際、切り替え前後の保持値の差分値が所定値よりも大きい場合、見込み補正値を保持値から減算してフィードバック制御を行うことを特徴とする。
このように、保持値の切り替え前後の差分値が大きい場合に、保持値を補正値によって補正してフィードバック制御を行うようにすれば、フィードバック制御の応答性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関2に適用した例を示している。バルブタイミング調整装置1は、カム軸3が開閉する吸気弁のバルブタイミングを、ポンプ4から供給される作動油を利用して調整する油駆動式である。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関2のクランク軸(図示しない)からカム軸3に機関トルクを伝達する伝達系に設置される駆動部10、並びに当該駆動部10の作動を制御する制御部30を備えている。
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関2のクランク軸(図示しない)からカム軸3に機関トルクを伝達する伝達系に設置される駆動部10、並びに当該駆動部10の作動を制御する制御部30を備えている。
(駆動部)
図1,2に示すように駆動部10において、第1回転体としてのハウジング11は、シュー部材12及びスプロケット部材13等から構成されている。
図1,2に示すように駆動部10において、第1回転体としてのハウジング11は、シュー部材12及びスプロケット部材13等から構成されている。
シュー部材12は金属により形成され、有底円筒状の筒部12a並びに複数のシュー12b,12c,12dを有している。各シュー12b〜12dは、筒部12aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向内側に突出している。各シュー12b〜12dの突出側端面は円弧面状であり、第2回転体であるベーンロータ14のボス部14aの外周面に摺接する。回転方向において隣り合うシュー12b〜12dの間には、それぞれ収容室50が形成される。
スプロケット部材13は金属によって円環板状に形成されており、シュー部材12の筒部12aの開口側端部に同軸固定されている。ここでスプロケット部材13は、クランク軸との間にタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、当該クランク軸と連繋する。これにより内燃機関2の運転時には、クランク軸からスプロケット部材13に機関トルクが伝達されることで、ハウジング11がクランク軸と連動して図2の時計回転方向に回転するようになっている。
図1,2に示すように、ベーンロータ14は金属により形成されてハウジング11内に同心収容されており、軸方向の両端部がシュー部材12の筒部12aの底壁とスプロケット部材13とに摺接するようになっている。ベーンロータ14は、円柱状のボス部14a並びに複数のベーン14b,14c,14dを有している。
ボス部14aは、カム軸3に対して同軸連結されている。これによりベーンロータ14は、カム軸3と連動して図2の時計回転方向に回転すると共に、ハウジング11に対して相対回転可能となっている。各ベーン14b〜14dは、ボス部14aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向外側に突出し、それぞれ対応する収容室50内に収容されている。各ベーン14b〜14dの突出側端面は円弧面状に形成され、筒部12aの内周面と摺接する。
各ベーン14b〜14dは、それぞれ対応する収容室50を回転方向に二分することにより、進角油室52,53,54及び遅角油室56,57,58をハウジング11との間に区画形成している。具体的には、シュー12bとベーン14bの間に進角油室52、シュー12cとベーン14cの間に進角油室53、シュー12dとベーン14dの間に進角油室54がそれぞれ形成されている。また、シュー12cとベーン14bの間に遅角油室56、シュー12dとベーン14cの間に遅角油室57、シュー12bとベーン14dの間に遅角油室58がそれぞれ形成されている。
こうした構成の駆動部10では、進角油室52〜54への作動油導入並びに遅角油室56〜58からの作動油排出により、ハウジング11に対するベーンロータ14の回転位相が進角側に変化する。故に、このときには、バルブタイミングが進角することになる。また一方、遅角油室56〜58への作動油導入並びに進角油室52〜54からの作動油排出により、回転位相が遅角側に変化する。故に、このときには、バルブタイミングが遅角することになるのである。
(制御部)
図1に示すように制御部30において、カム軸3及びその軸受(図示しない)を通して設けられる進角通路72は、回転位相の変化に拘らず進角油室52〜54と常時連通する。また、カム軸3及びその軸受を通して設けられる遅角通路74は、回転位相の変化に拘らず遅角油室56〜58と常時連通する。
図1に示すように制御部30において、カム軸3及びその軸受(図示しない)を通して設けられる進角通路72は、回転位相の変化に拘らず進角油室52〜54と常時連通する。また、カム軸3及びその軸受を通して設けられる遅角通路74は、回転位相の変化に拘らず遅角油室56〜58と常時連通する。
供給通路76はポンプ4の吐出口と連通しており、オイルパン5からポンプ4の吸入口に吸入された作動油が当該吐出口から吐出供給されるようになっている。ここで本実施形態のポンプ4は、内燃機関2の始動時を含む運転時に、クランク軸によって駆動されて供給通路76に作動油を吐出供給するメカポンプである。また、ドレン通路78は、オイルパン5に作動油を排出可能に設けられている。
作動流体制御手段としての位相制御弁80は、進角通路72、遅角通路74、供給通路76及びドレン通路78に機械的に接続されている。位相制御弁80は、ソレノイド82への通電に従って作動することで、進角通路72及び遅角通路74にそれぞれ連通する通路を供給通路76及びドレン通路78の間で切換える。なお、本実施形態では、上記駆動電流は、パルス波形にて与えるようになっており、デューティ比で制御する。
制御回路90は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、位相制御弁80のソレノイド82と電気的に接続されている。また、この制御回路90には、位相制御弁80の他、カム角センサやクランク角センサ等の複数のセンサ(図示せず)が電気接続されている。
制御回路90は、ソレノイド82への通電を制御する機能を備えることでバルブタイミング制御手段として機能すると共に、内燃機関2の運転を制御する機能を備えている。また、この制御回路90は、後述するように、保持値更新手段としても機能する。
制御回路90は、ソレノイド82への通電を制御する機能を備えることでバルブタイミング制御手段として機能すると共に、内燃機関2の運転を制御する機能を備えている。また、この制御回路90は、後述するように、保持値更新手段としても機能する。
こうした構成の制御部30では、内燃機関2の運転時に制御回路90により制御されたソレノイド82への通電に従って位相制御弁80が作動することで、進角通路72及び遅角通路74に対する供給通路76及びドレン通路78の連通状態が切り換えられる。ここで、位相制御弁80が進角通路72及び遅角通路74にそれぞれ供給通路76及びドレン通路78を連通させるときには、ポンプ4からの作動油が通路76,72を通じて進角油室52〜54に導入されると共に、遅角油室56〜58の作動油が通路74,78を通じてオイルパン5に排出される。故に、このときには、バルブタイミングが進角することになる。また一方、位相制御弁80が遅角通路74及び進角通路72にそれぞれ供給通路76及びドレン通路78を連通させるときには、ポンプ4からの作動油が通路76,74を通じて遅角油室56〜58に導入されると共に、進角油室52〜54の作動油が通路72,78を通じてオイルパン5に排出される。故に、このときには、バルブタイミングが遅角することになるのである。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成を詳細に説明する。
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成を詳細に説明する。
(変動トルクの作用構造)
ベーンロータ14にカム軸3が同軸連結されている駆動部10では、内燃機関2の運転時には、カム軸3が開閉駆動する吸気弁からのスプリング反力等に起因して変動トルクがベーンロータ14に作用する。ここで、図3に例示するように変動トルクは、ハウジング11に対する回転位相の進角側にベーンロータ14を付勢する負トルクと、回転位相の遅角側にベーンロータ14を付勢する正トルクとの間において、交番するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクは、カム軸3及び軸受間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなる傾向を示しており、当該変動トルクの平均トルクTaveによってベーンロータ14が正トルク側、即ち回転位相の遅角側に平均的に偏って付勢されるようになっている。
ベーンロータ14にカム軸3が同軸連結されている駆動部10では、内燃機関2の運転時には、カム軸3が開閉駆動する吸気弁からのスプリング反力等に起因して変動トルクがベーンロータ14に作用する。ここで、図3に例示するように変動トルクは、ハウジング11に対する回転位相の進角側にベーンロータ14を付勢する負トルクと、回転位相の遅角側にベーンロータ14を付勢する正トルクとの間において、交番するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクは、カム軸3及び軸受間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなる傾向を示しており、当該変動トルクの平均トルクTaveによってベーンロータ14が正トルク側、即ち回転位相の遅角側に平均的に偏って付勢されるようになっている。
(付勢トルクの作用構造)
図1,4に示すように、ハウジング11においてシュー部材12の筒部12aには、金属によって円筒状に形成されたハウジングブッシュ100が、そのフランジ壁101にて同軸固定されている。ハウジングブッシュ100の軸方向においてフランジ壁101と反対側の端部には、径方向に貫通する円弧状のハウジング溝102が設けられている。
図1,4に示すように、ハウジング11においてシュー部材12の筒部12aには、金属によって円筒状に形成されたハウジングブッシュ100が、そのフランジ壁101にて同軸固定されている。ハウジングブッシュ100の軸方向においてフランジ壁101と反対側の端部には、径方向に貫通する円弧状のハウジング溝102が設けられている。
ベーンロータ14においてボス部14aには、金属によって有底円筒状に形成されたロータブッシュ110が、その底壁111にて同軸固定されている。ロータブッシュ110は、ハウジングブッシュ100よりも小径に形成されており、それによって当該ハウジングブッシュ100の内周側に相対回転可能に同心配置されている。ロータブッシュ110の軸方向において底壁111と反対側の端部には、径方向に貫通する円弧状のロータ溝112が設けられている。
ハウジングブッシュ100の外周側には、金属製のヘリカルトーションスプリングからなり、アシスト弾性部材として機能する付勢部材120が同心配置されている。付勢部材120の一端部120aは、シュー部材12の筒部12aに固定された係止ピン121に常時係止されている。付勢部材120の他端部120bは、ハウジング溝102及びロータ溝112を径方向の外側から内側に遊挿状態で貫通している。
本実施形態において、回転位相が図5に示す最遅角位相と図4に示す所定のロック位相との間にあるときには、付勢部材120の端部120bがロータ溝112により進角側から係止される。このとき付勢部材120の端部120bは、ハウジング溝102には係止されない状態となるので、内燃機関2の運転時には、付勢部材120のねじり変形によって発生する復原力が変動トルクの平均トルクTaveに抗してロータ溝112に作用することになる。故に、ロータブッシュ110がベーンロータ14と共に回転位相の進角側へと付勢されるのである。
これに対し、回転位相が図4に示すロック位相と図6に示す最進角位相との間にあるときには、付勢部材120の端部120bがハウジング溝102により進角側から係止される。このとき付勢部材120の端部120bは、ロータ溝112には係止されない状態となるので、付勢部材120の復原力がハウジングブッシュ100にのみ作用することになる。以上より本実施形態では、ベーンロータ14の進角側への付勢がロック位相よりも遅角側では実現されるが、ロック位相よりも進角側では実現されないようになっているのである。
尚、バルブタイミング調整装置1が適用される本実施形態の内燃機関2については、その始動を許容する回転位相領域である始動位相領域として、始動時における気筒への吸入空気量が吸気弁の閉弁遅延によって減少し過ぎないように、最遅角位相及び最進角位相の間の中間位相から最進角位相に至るまでの領域が設定されている。そこで、上記ロック位相について本実施形態では、始動位相領域の中でも特に環境温度に拘らず最適な機関始動性を確保可能な中間位相に、設定されている。
(規制・ロック構造)
図1,7に示すようにハウジング11のスプロケット部材13には、金属によって形成されたガイド130が嵌合固定されており、当該ガイド130の内周面等によって第一規制溝132及びロック孔134が形成されている。第一規制溝132は、スプロケット部材13のベーンロータ14側の内面135において開口する形態でハウジング11の回転方向に長孔状に延伸しており、閉塞された両端部132a,132bに一対の第一規制ストッパ136,137を形成している。ロック孔134はカム軸3に軸平行な有底円筒孔状を呈しており、第一規制溝132において一端部132aよりも回転位相の進角側に位置する他端部132bの底面に開口している。
図1,7に示すようにハウジング11のスプロケット部材13には、金属によって形成されたガイド130が嵌合固定されており、当該ガイド130の内周面等によって第一規制溝132及びロック孔134が形成されている。第一規制溝132は、スプロケット部材13のベーンロータ14側の内面135において開口する形態でハウジング11の回転方向に長孔状に延伸しており、閉塞された両端部132a,132bに一対の第一規制ストッパ136,137を形成している。ロック孔134はカム軸3に軸平行な有底円筒孔状を呈しており、第一規制溝132において一端部132aよりも回転位相の進角側に位置する他端部132bの底面に開口している。
図1,2に示すようにベーンロータ14のベーン14bには、金属によって形成されたスリーブ140が嵌合固定されている。スリーブ140は、ボス部14aに軸平行な段付円筒面状の内周面を有しており、当該内周面によって当該内周面によって小径孔142及び大径孔144を形成している。小径孔142は、大径孔144よりも小径に且つ大径孔144よりもスプロケット部材13側に形成され、当該部材13の内面135に向かって開口している。これにより小径孔142は、ベーンロータ14の回転方向にも延伸する形となっている第一規制溝132に対し、所定の回転位相領域において対向するようになっている。大径孔144は、スリーブ140及びベーンロータ14を貫通する第一規制通路146と連通している。
スリーブ140には、金属により形成された第一規制ピン150が支持されている。図1に示すように、第一規制ピン150は段付円筒面状の外周面を有しており、当該外周面によって本体部152及び受力部156を形成している。本体部152は、スリーブ140の小径孔142に軸方向移動可能に同心収容されている。受力部156は、スリーブ140の大径孔144に軸方向移動可能に同心収容されている。受力部156のスプロケット部材13側の端面には、第一規制通路146を通じて大径孔144に導入される作動油の圧力が作用する。この圧力作用により、スプロケット部材13とは反対側に向かって第一規制ピン150を駆動する第一規制駆動力が、発生する。
図1,2に示すように、スリーブ140の大径孔144内においてベーンロータ14のベーン14bと第一規制ピン150との間には、金属製の圧縮コイルスプリングからなる第一規制弾性部材170が同心収容されている。第一規制弾性部材170は、圧縮変形によって発生した復原力を第一規制ピン150に作用させることで、当該ピン150をスプロケット部材13側に向かって押圧する。
以上の構成により第一規制ピン150の本体部152は、図8(b)〜(d)に模式的に示すようにハウジング11の第一規制溝132に揺動可能に突入して、各第一規制ストッパ136,137により係止可能となっている。ここで、図8(b)に示すように本体部152が遅角側の第一規制ストッパ136に係止されるときには、最遅角位相及びロック位相の間の始動位相領域のうちその遅角側端となる第一規制位相にて、回転位相の遅角側への変化が規制される。また一方、図8(d)に示すように本体部152が進角側の第一規制ストッパ137に係止されるときには、回転位相の進角側への変化がロック位相にて規制される。このように本体部152が各第一規制ストッパ136,137に係止されることによれば、始動位相領域のうち所定の位相領域Wp1(図8(d)参照)内に回転位相が制限されることになる。したがって、本実施形態では、規制ピン150,220、規制弾性部材170,230が共同して「ロック手段」を構成する。
また、第一規制ピン150の本体部152は、図8(e)に模式的に示すようにハウジング11のロック孔134に第一規制溝132から突入して、当該孔134に同心上に嵌合可能となっている。したがって、本体部152がロック孔134に嵌合することによれば、回転位相がロックされるので、始動位相領域のうちロック位相にて回転位相の進角側及び遅角側双方への変化が規制されることになる。
さらに、第一規制ピン150の本体部152は、図8(a),(f)に模式的に示すように、第一規制弾性部材170の復原力に抗してハウジング11のロック孔134及び第一規制溝132の双方から脱出可能となっている。したがって、本体部152がロック孔134及び第一規制溝132から脱出することによれば、任意の回転位相への変化を許容可能となる。
さて、図1,7に示すようにハウジング11のスプロケット部材13には、金属によって形成されたガイド200が嵌合固定されており、当該ガイド200の内周面等によって第二規制溝202が形成されている。ここで第二規制溝202は、スプロケット部材13の内面135において開口する形態でハウジング11の回転方向に長孔状に延伸しており、閉塞された両端部202a,202bのうち回転位相の遅角側に位置する一端部202aに第二規制ストッパ206を形成している。
図1,2に示すようにベーンロータ14のベーン14cには、金属によって形成されたスリーブ210が嵌合固定されている。スリーブ210は、ボス部14aに軸平行な段付円筒面状の内周面を有しており、当該内周面によって小径孔212及び大径孔214を形成している。小径孔212は、大径孔214よりも小径に且つ大径孔214よりもスプロケット部材13側に形成され、当該部材13の内面135に向かって開口している。これにより小径孔212は、ベーンロータ14の回転方向にも延伸する形となっている第二規制溝202に対し、所定の回転位相領域において対向するようになっている。大径孔214は、スリーブ210及びベーンロータ14を貫通する第二規制通路216と連通している。
スリーブ210には、金属により形成された第二規制ピン220が支持されている。図1に示すように、第二規制ピン220は段付円筒面状の外周面を有しており、当該外周面によって本体部222及び受力部226を形成している。本体部222は、スリーブ210の小径孔212に軸方向移動可能に同心収容されている。受力部226は、スリーブ210の大径孔214に軸方向移動可能に同心収容されている。受力部226のスプロケット部材13側の端面には、第二規制通路216を通じて大径孔214に導入される作動油の圧力が作用する。この圧力作用により、スプロケット部材13とは反対側に向かって第二規制ピン220を駆動する第二規制駆動力が、発生する。
図1,2に示すように、スリーブ210の大径孔214内においてベーンロータ14のベーン14cと第二規制ピン220との間には、金属製の圧縮コイルスプリングからなる第二規制弾性部材230が同心収容されている。第二規制弾性部材230は、圧縮変形によって発生する復原力を第二規制ピン220に作用させることで、当該ピン220をスプロケット部材13側に向かって押圧する。
以上の構成により第二規制ピン220の本体部222は、図8(c)〜(f)に模式的に示すようにハウジング11の第二規制溝202に揺動可能に突入して、第二規制ストッパ206により係止可能となっている。ここで、図8(c)に示すように本体部222がその遅角側の第二規制ストッパ206に係止されるときには、最遅角位相及びロック位相の間の始動位相領域のうち第一規制位相よりも進角側となる第二規制位相にて、回転位相の遅角側への変化が規制される。また、図8(d)に示すように本体部222の第二規制溝202への突入状態下、第一規制ピン150の本体部152がその進角側の第一規制ストッパ137に係止されるときには、回転位相の変化がロック位相にて規制される。このように本体部222,152が各規制ストッパ206,137に係止されることによれば、始動位相領域のうち位相領域Wp1よりも狭い位相領域Wp2(図8(d)参照)内に回転位相が制限されることになる。
さらに、第二規制ピン220の本体部222は、図8(a),(b)に模式的に示すように、第二規制弾性部材230の復原力に抗してハウジング11の第二規制溝202から脱出可能となっている。したがって、本体部222が第二規制溝202から脱出した状態下、第一規制ピン150の本体部152が第一規制溝132から脱出することによれば、任意の回転位相への変化が許容されることになるのである。
(流体回路開閉構造)
図9に示すように、ハウジング11のシュー部材12とベーンロータ14とには、それらに跨って流体回路240が設けられている。流体回路240は、第一流体通路242と第二流体通路244とを組み合わせてなる。
図9に示すように、ハウジング11のシュー部材12とベーンロータ14とには、それらに跨って流体回路240が設けられている。流体回路240は、第一流体通路242と第二流体通路244とを組み合わせてなる。
第一流体通路242は、シュー部材12の筒部12aの底壁を円筒孔状に貫通する中心孔242aの内周面によって、ロータブッシュ110の外周側に円環状に形成されている。これにより第一流体通路242は、ハウジング11において外部及び内部の間を貫通し、ロータブッシュ110及びハウジングブッシュ100間の円環状の隙間243を通じて当該外部の大気に常時開放されている。
図2,9に示すように第二流体通路244は、ベーンロータ14において第一流体通路242及び進角油室52の間を貫通するように形成されている。具体的に第二流体通路244は、収容孔244a、接続溝244b及び絞り孔244cの共同によって形成されている。
収容孔244aは、ボス部14aに軸平行な円筒面孔状を呈しており、ベーン14bに設けられてスプロケット部材13の内面135に向かって開口している。また、収容孔244aは、ベーンロータ14を貫通する開閉制御通路246に対し、両端部間の中間部にて連通している。
図9に示すように接続溝244bは、ベーン14b及びボス部14aに設けられてロータブッシュ110と収容孔244aとの間を延伸している。これにより接続溝244bは、ロータブッシュ110の外周側の円環状の第一流体通路242に対し、回転位相の変化に拘らず常時連通するようになっており、また収容孔244aのスプロケット部材13とは反対側端部に連通している。
図2,9に示すように絞り孔244cは、接続溝244bよりも断面積が小さい円筒孔状を呈しており、ベーン14bに設けられて収容孔244aのスプロケット部材13とは反対側端部と連通している。これにより絞り孔244cは、第二流体通路244において流体の流通面積を絞る絞り部として機能する。また、絞り孔244cは、回転位相が進角側に変化するほど容積拡大する進角油室52に対し、当該変化に拘らず常時連通するようになっている。
図9に示すように、流体回路240において第二流体通路244の収容孔244aには、金属により形成されたスリーブ250が嵌合固定されている。スリーブ250は、ボス部14aに平行な円筒面状の内周面を有しており、当該内周面によって収容孔244aよりも小径の小径孔252を収容孔244aのスプロケット部材13側に隣接形成している。これにより小径孔252は、収容孔244aにおける開閉制御通路246の連通中間部よりもスプロケット部材13側に位置すると共に、当該部材13の内面135に向かって開口する形となっている。
図2,9に示すように、第二流体通路244の収容孔244a及びスリーブ250の小径孔252には、金属により形成された開閉ピン260が支持されている。図9に示すように開閉ピン260は、先端部側に向かって階段状に縮径する段付円筒面状の外周面を有しており、当該外周面によって本体部262及び受力部266を形成している。本体部262は、小径孔252に軸方向移動可能に同心収容されている。受力部266は、収容孔244aに軸方向移動可能に同心収容されている。受力部266のスプロケット部材13側の端面には、開閉制御通路246を通じて収容孔244aに導入される作動油の圧力が作用する。この圧力作用により、スプロケット部材13とは反対側に向かって開閉ピン260を駆動する開閉駆動力が、発生することになる。
図2,9に示すように、第二流体通路244の収容孔244a内において、ベーンロータ14のベーン14bと開閉ピン260との間には、金属製の圧縮コイルスプリングからなる開閉弾性部材270が同心収容されている。開閉弾性部材270は、圧縮変形によって発生した復原力を開閉ピン260に作用させることで、当該ピン260をスプロケット部材13側に向かって押圧する。
以上の構成により開閉ピン260は、図9に示す開放位置への移動によりスプロケット部材13の内面135に当接することで、収容孔244aの絞り孔244cとの連通箇所を露出させて流体回路240の第二流体通路244を開放する。また一方、開閉ピン260は、図10に示す閉塞位置への移動によりスプロケット部材13の内面135から離間することで、収容孔244aの絞り孔244cとの連通箇所を遮断して流体回路240の第二流体通路244を閉塞する。
(駆動力制御)
図1,9に示すように制御部30において、カム軸3及びその軸受を通して設けられる駆動通路300は、回転位相の変化に拘らず通路146,216,246と常時連通する。また、図1に示すように供給通路76から分岐する分岐通路302は、当該供給通路76を介してポンプ4からの作動油供給を受けるようになっている。さらに、ドレン通路304は、オイルパン5に作動油を排出可能に設けられている。
図1,9に示すように制御部30において、カム軸3及びその軸受を通して設けられる駆動通路300は、回転位相の変化に拘らず通路146,216,246と常時連通する。また、図1に示すように供給通路76から分岐する分岐通路302は、当該供給通路76を介してポンプ4からの作動油供給を受けるようになっている。さらに、ドレン通路304は、オイルパン5に作動油を排出可能に設けられている。
駆動制御弁310は、駆動通路300、分岐通路302及びドレン通路304と機械的に接続されている。駆動制御弁310は、制御回路90と電気的に接続されたソレノイド312への通電に従って作動することにより、駆動通路300に連通する通路を分岐通路302及びドレン通路304の間で切り換える。
ここで、駆動制御弁310が分岐通路302を駆動通路300に連通させるときには、ポンプ4からの作動油が通路76,302,300,146,216,246を通じて、各ピン150,220,260を収容する孔144,214,244aに導入される。故に、このときには、各ピン150,220,260をそれぞれ弾性部材170,230,270の復原力に抗して駆動する駆動力が発生することになる。また一方、駆動制御弁310がドレン通路304を駆動通路300に連通させるときには、各ピン150,220,260を収容する孔144,214,244a内の作動油が通路146,216,246,300,304を通じてオイルパン5に排出される。故に、このときには、各ピン150,220,260を駆動する駆動力が消失することになるのである。
(特徴作動)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴作動を詳細に説明する。
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴作動を詳細に説明する。
(I)イグニッションスイッチのオフ等の停止指令に応じて内燃機関2を停止させる正常停止時には、制御回路90が位相制御弁80を通電制御して供給通路76を進角通路72に連通させる。このとき、完全停止するまでは慣性回転する内燃機関2がその回転数を低下させることにより、ポンプ4から通路76,72を通じて進角油室52〜54に導入される作動油の圧力も低下する。故に、進角油室52〜54への導入油の圧力によってベーンロータ14に作用する力が低下し、特にロック位相よりも遅角側の回転位相においては、ベーンロータ14を付勢する付勢部材120の復原力が支配的な状態となる。
また、停止指令に応じた内燃機関2の正常停止時には、制御回路90が駆動制御弁310を通電制御してドレン通路304を駆動通路300に連通させる。その結果、孔144,214,244a内の作動油が通路300,304を通じて排出されて、各ピン150,220,260の駆動力が消失するので、それら各ピン150,220,260を押圧する弾性部材170,230,270の復原力が支配的な状態となる。
以上の状態下、本実施形態では、停止指令時の回転位相に応じてロック位相へのロックが実現されるのである。
(I−1)停止指令時における回転位相が図8(a)の最遅角位相の場合には、付勢部材120によって付勢されるベーンロータ14がハウジング11に対して相対回転し、回転位相が当該付勢部材120による付勢側、即ち進角側に変化する。この進角側への位相変化により回転位相が図8(b)の第一規制位相に達すると、第一規制弾性部材170に押圧される第一規制ピン150が本体部152を第一規制溝132に突入させることで、始動位相領域のうちロック位相を含む位相領域Wp1内に回転位相が制限される。さらに、進角側への位相変化により回転位相が図8(c)の第二規制位相に達すると、第二規制弾性部材230に押圧される第二規制ピン220が本体部222を第二規制溝202に突入させることで、始動位相領域のうちロック位相を含み且つ位相領域Wp1よりも小さな位相領域Wp2内に回転位相が制限される。
この後、進角側への位相変化により回転位相が図8(d)のロック位相に達すると、第一規制ピン150の本体部152が第一規制溝132の進角側の第一規制ストッパ137に係止される。このとき、付勢部材120からの付勢によって第一規制ストッパ137に押し当てられる第一規制ピン150は、第一規制弾性部材170に押圧されることで、図8(e)の如く本体部152をロック孔134に突入して嵌合する。その結果、回転位相がロック位相にロックされることになるのである。
(I−2)停止指令時における回転位相が、例えば図8(b)〜(d)に示すように最遅角位相及びロック位相の間又はロック位相にある場合には、上記(I−1)に準ずる作動が当該指令時の回転位相状態から実現される。したがって、この場合にも、回転位相がロック位相にロックされることになる。
(I−3)停止指令時における回転位相が図8(f)の最進角位相の場合には、第二規制弾性部材230に押圧される第二規制ピン220の本体部222が、第二規制溝202への突入状態となる。かかる状態下、付勢部材120の作用がロック位相よりも進角側では規制される本実施形態では、慣性回転状態にある内燃機関2のカム軸3から変動トルクがベーンロータ14に作用することで、回転位相が当該変動トルクの平均トルクTaveの偏り側、即ち遅角側へと徐々に変化する。この遅角側への位相変化により回転位相が図8(d)のロック位相に達すると、第一規制弾性部材170に押圧される第一規制ピン150が本体部152を第一規制溝132及びロック孔134に順次突入させることで、回転位相がロック位相にロックされることになる。
(I−4)停止指令時における回転位相が最進角位相及びロック位相の間にある場合には、上記(I−3)に準ずる作動が当該指令時の回転位相状態から実現される。したがって、この場合にも、回転位相がロック位相にロックされることになる。
(II)このような正常停止後に、イグニッションスイッチのオン等の始動指令に応じて内燃機関2をクランキングして始動させるときには、制御回路90が位相制御弁80を通電制御して供給通路76を進角通路72に連通させる。その結果、ポンプ4からの作動油が通路76,72を通じて進角油室52〜54に導入される。また、正常停止後の始動指令に応じた内燃機関2の始動時には、制御回路90が駆動制御弁310を通電制御してドレン通路304を駆動通路300に連通させる。その結果、孔144,214,244a内には作動油が導入されず、各ピン150,220,260の駆動力の消失状態が維持されるので、それら各ピン150,220,260を押圧する弾性部材170,230,270の復原力が支配的となる。
以上により、上記(I)の最終状態、即ち図8(e)の如く第一規制弾性部材170の復原力により第一規制ピン150がロック孔134に嵌合し且つ第二規制弾性部材230の復原力により第二規制ピン220が第二規制溝202に突入した状態が、維持される。ここで特に、内燃機関2が完爆して始動が完了するまでのクランキング中は、ポンプ4からの作動油の圧力が低い状態にあるので、異常によって作動油が孔144,214内まで到達したとしても、第一規制ピン150及び第二規制ピン220のロック孔134及び第二規制溝202への突入状態が、維持され得る。したがって、内燃機関2の始動に最適なロック位相に回転位相をロックして、機関始動性を確保することができるのである。
(III)このような始動の完了後において制御回路90は、駆動制御弁310を通電制御して供給通路76からの分岐通路302を駆動通路300に連通させる。その結果、圧力上昇した作動油が通路76,302,300,146,216,246を通じて孔144,214,244a内に導入されることになるので、各ピン150,220,260の駆動力が発生する。
以上により、第一規制駆動力を受ける第一規制ピン150は第一規制弾性部材170の復原力に抗して駆動されて、ロック孔134及び第一規制溝132の双方から脱出する。また、第二規制駆動力を受ける第二規制ピン220は第二規制弾性部材230の復原力に抗して駆動されて、第二規制溝202から脱出する。さらに、開閉駆動力を受ける開閉ピン260は開閉弾性部材270の復原力に抗して駆動され、図10の閉塞位置に留められることで、流体回路240を閉塞状態に保持して進角油室52からの作動油漏出を確実に防止する。これらによれば、任意の回転位相への変化が許容されることになるので、制御回路90が位相制御弁80を通電制御してポンプ4からの作動油を進角油室52〜54又は遅角油室56〜58に導入することで、適切なバルブタイミング調整を実現することができるのである。
(バルブタイミング調整)
次に、制御回路90が行うバルブタイミング調整の詳細を説明する。制御回路90は、実際の回転位相と目標回転位相とを各センサの出力に基づき算出し、両位相の偏差に基づき、フィードバック制御によって位相制御弁80への通電、即ち当該弁80に与える駆動電流を制御することで、バルブタイミング調整を行う。
次に、制御回路90が行うバルブタイミング調整の詳細を説明する。制御回路90は、実際の回転位相と目標回転位相とを各センサの出力に基づき算出し、両位相の偏差に基づき、フィードバック制御によって位相制御弁80への通電、即ち当該弁80に与える駆動電流を制御することで、バルブタイミング調整を行う。
図11は制御回路90が行うバルブタイミング制御のメインルーチンを示すフローチャートである。このメインルーチンは所定周期(たとえば8msec毎)に実行する。
バルブタイミング制御には種々の制御が含まれるが、この図11に示すように、ステップS1のフィードバック(F/B)制御と、ステップS2の保持デューティ比学習制御とを含んでいる。これらの制御の詳細は、それぞれ、図12および図13に示す。まず、F/B制御を説明する。
図12はF/B制御の内容を示すフローチャートである。まず、ステップS10では、カム角センサおよびクランク角センサからの出力信号に基づいて、実際の回転位相(以下、実回転位相という)を算出する。
続くステップS11では、実回転位相が境界領域にあるか否かを判断する。この境界領域とは、ロック位相を中心とする±所定角度領域である。なお、以下では、付勢部材120による付勢トルクが働く位相領域すなわち最遅角位相からロック位相までをアシスト位相領域と呼び、その付勢トルクが働かない位相領域すなわちロック位相から最進角位相までを非アシスト位相領域と呼ぶ。
実回転位相が境界領域にある場合にはステップS11を肯定判断して後述するステップS15へ進む。従って、実回転位相が境界領域にある間は、仮に、実回転位相がアシスト位相領域から非アシスト位相領域に移った場合でも、また、逆に、実回転位相が非アシスト位相領域からアシスト位相領域に移った場合でも、フィードバックゲインマップの切り替えは行わないことになる。
一方、実回転位相が境界領域にない場合には、ステップS12に進み、実回転位相の位相領域が移ったか否かを判断する。この判断は、ステップS10で算出した実回転位相とこの時点で設定されているフィードバックゲインマップとが対応しているか否かで行い、対応している場合には位相領域は移っていないと判断する。この場合にはステップS15へ進む。実回転位相とこの時点で設定されているフィードバックゲインマップとが対応していない場合には位相領域が移ったと判断する。そして、実回転位相がアシスト位相領域にある場合にはステップS13へ進み、実回転位相が非アシスト位相領域にある場合にはステップS14へ進む。
ステップS13では、後述するデューティ比の算出に用いるフィードバックゲインマップをアシスト位相領域用フィードバックゲインマップへ切り替える。また、ステップS14では、フィードバックゲインマップを非アシスト位相領域用フィードバックゲインマップに切り替える。なお、これらのマップは予め実験に基づいて決定したものである。これらステップS13、S14を実行後もステップS15へ進む。
ここで、このように実回転位相がアシスト位相領域にあるか非アシスト位相領域にあるかで異なるマップを用いる理由を説明する。図14は、位相制御弁80のソレノイド82に与える駆動電流のデューティ比に対する回転位相の変化速度を示すグラフである。この図14において、破線は非アシスト位相領域における変化速度特性を示す線であり、実線はアシスト位相領域における変化速度特性を示す線である。
このように、付勢部材120による付勢トルクが働く領域と働かない領域という違いから、変化速度特性はアシスト位相領域と非アシスト位相領域とで異なっている。両変化速度特性を比較してみると、変化速度が進角側では、付勢トルクによるアシストがあるために、アシスト位相領域のほうが傾きが大きく、逆に、遅角側では、付勢トルクに抗して回転位相を変化させることになるため、アシスト位相領域のほうが傾きは小さい。なお、保持デューティ比1,2は各々の位相領域において回転位相を保持するためのデューティ比である。
図12の説明に戻り、ステップS15では、エンジン回転速度、吸気量、冷却水温等のエンジン運転状態信号を各種センサから読み込む。続くステップS16では、ステップS15で読み込んだエンジン運転状態信号に基づいて回転位相の目標値(以下、目標回転位相という)を設定する。なお、目標回転位相の設定には、たとえば、上記エンジン運転状態信号と目標回転位相との対応関係マップを用いる。
ステップS17では、ステップS10で算出した実回転位相とステップS16で設定した目標回転位相との偏差を算出する。そしてステップS18では、上記ステップS17で算出した偏差に基づいてフィードバックデューティ比を算出し、そのフィードバックデューティ比に保持デューティ比を加算することで、位相制御弁80のソレノイド82に与えるデューティ比を算出する。
上記フィードバックデューティ比の算出には、PID制御、PD制御、PI制御等の周知のフィードバック制御手法を用いる。前述のフィードバックゲインマップはこのステップS18で用いるマップである。また、保持デューティ比は、非アシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持デューティ比1)とアシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持デューティ比2)のうち、実回転位相に対応する保持デューティ比を用いる。なお、これら保持デューティ比1,2は次に説明する保持デューティ比学習制御にて逐次更新されるようになっている。
ステップS19では、上記ステップS18で演算したデューティ比にて位相制御弁80のソレノイド82の通電時間を制御する。
次に、保持デューティ比学習制御を説明する。図13は保持デューティ比学習制御の内容を説明するフローチャートである。まず、ステップS20では、実回転位相が境界領域にあるか否かを判断する。実回転位相が境界領域にある場合にはこのステップS20を肯定判断してこの保持デューティ比学習制御を終了する。従って、実回転位相が境界領域にある場合には、保持デューティ比は更新されないことになる。
一方、実回転位相が境界領域にない場合には、ステップS21へ進み、実回転位相がアシスト位相領域にあるか否かを判断する。実回転位相がアシスト位相領域にない場合、すなわち、実回転位相が非アシスト位相領域にある場合には、ステップS21を否定判断してステップS22へ進み、実回転位相がアシスト位相領域にある場合にはステップS21を肯定判断してステップS28へ進む。
ステップS22では、位相領域が移ったか否かを判断する。このステップS22では、ステップS12の判断結果を用いる。位相領域が移っていないと判断した場合には後述するステップS26へ進む。一方、位相領域が移ったと判断した場合にはステップS23へ進む。
ステップS23では、フィードバック制御に用いる保持デューティ比を、アシスト位相領域用の保持デューティ比から非アシスト位相領域用の保持デューティ比に切り替える。続くステップS24では、上記ステップS23における切り替え前後の保持デューティ比の差分値(絶対値)、すなわち、アシスト位相領域用の保持デューティ比と非アシスト位相領域用の保持デューティ比との差分値(絶対値)が、予め設定した所定値よりも大きいか否かを判断する。この判断が否定判断である場合にはステップS26へ進む。
一方、ステップ24が肯定判断である場合にはステップS25へ進み、非アシスト位相領域用の保持デューティ比に見込み補正値を加算したものをフィードバック制御に用いる保持デューティ比とする。この見込み補正値は、差分値と見込み補正値との対応マップや演算式から決定するものであり、差分値が大きくなるほど大きい値に決定される。
差分値が大きい場合、保持デューティ比を用いてステップS18で算出するデューティ比が大きく変化することになるため、実回転位相が目標回転位相に近づくまでの時間が長くなる恐れがある。そこで、このように、見込み補正値を加算することで応答速度を速めるのである。なお、図14から分かるように、非アシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持DUTY比1)はアシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持DUTY比2)よりも大きいことから、このステップS25では見込み補正値を「加算」するのである。
ステップS26では保持デューティ比の更新条件が成立したか否かを判断する。この更新条件は、本実施形態では、実回転位相と目標回転位相との偏差が更新判定値以上、且つ、その偏差の変化量が更新判定変化量よりも小さいことである。従って、このステップS26では、実回転位相と目標回転位相との偏差が大きいままに実回転位相が安定してしまったか否かを判断していることになる。
ステップS26が否定判断である場合、保持デューティ比の更新は行わずに処理を終了する。一方、ステップS26が肯定判断である場合にはステップS27に進み、それまでの非アシスト位相領域用の保持デューティ比に、ステップS17で算出した偏差を加算したものを新たな非アシスト位相領域用の保持デューティ比として更新した後に処理を終了する。
次に、ステップS28以降を説明する。ステップS28では、ステップS12の判断結果を用いて位相領域が移ったか否かを判断する。位相領域が移っていないと判断した場合には後述するステップS32へ進む。一方、位相領域が移ったと判断した場合にはステップS29へ進む。
ステップS29では、フィードバック制御に用いる保持デューティ比を、非アシスト位相領域用の保持デューティ比からアシスト位相領域用の保持デューティ比に切り替える。続くステップS30では、上記ステップS29における切り替え前後の保持デューティ比の差分値(絶対値)が、予め設定した所定値よりも大きいか否かを判断する。この判断が否定判断である場合にはステップS32へ進む。
一方、ステップS30が肯定判断である場合にはステップS31へ進み、アシスト位相領域用の保持デューティ比に見込み補正値を減算したものをフィードバック制御に用いる保持デューティ比とする。この見込み補正値は、差分値と見込み補正値との対応マップや演算式から決定するものであり、差分値が大きくなるほど大きい値に決定される。
このステップS31にて補正を行う理由は、前述のステップS25と同様に応答速度を速めるためである。なお、図14から分かるように、アシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持DUTY比2)は非アシスト位相領域用の保持デューティ比(図14の保持DUTY比1)よりも小さいことから、このステップS31では見込み補正値を「減算」するのである。
ステップS32では保持デューティ比の更新条件が成立したか否かを判断する。この更新条件はステップS26と同じである。ステップS32が否定判断である場合、保持デューティ比の更新は行わずに処理を終了する。一方、ステップS32が肯定判断である場合にはステップS33に進み、それまでのアシスト位相領域用の保持デューティ比に、ステップS17で算出した偏差を加算したものを新たなアシスト位相領域用の保持デューティ比として更新した後に処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップと非アシスト位相領域用のフィードバックゲインマップとを別々に備えており、実回転位相に応じてフィードバックゲインマップを切り替えている。これにより、実回転位相がアシスト位相領域である場合にも、位相制御弁80のソレノイド82に与えるデューティ比を実回転位相が非アシスト位相領域にある場合と同様に制御すればよいことになる。その結果、付勢部材120を追加することによる適合工数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、実回転位相がアシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域から境界領域でない領域に入った場合に保持DUTY比を切り替えるようにしている。換言すれば、境界領域では保持DUTY比を切り替えない。これによって、保持DUTY比に基づいて定まる目標回転位相が短時間に変動してしまい、フィードバック制御が不安定になることを防止できる。
さらに、本実施形態では、実回転位相が境界領域にある場合には、保持DUTY比の更新を行わないようにしていることから、アシスト位相領域と非アシスト位相領域とを実回転位相が行き来する状態で保持DUTY比を更新してしまうことを抑制できる。従って、保持DUTY比を不適切な値に更新してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、保持DUTY比の切り替え前後の差分値が大きい場合に、保持DUTY比を見込み補正値によって補正してフィードバック制御を行うので、フィードバック制御の応答性を高めることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、前述の実施形態において、第二規制溝202、第二規制ピン220及び第二規制弾性部材230の組を設けないようにしてもよい。また、第一規制溝132、ロック孔134、第一規制ピン150及び第一規制弾性部材170の組を設けないようにしてもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調製する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することができる。
1:バルブタイミング調整装置、2:内燃機関、3:カム軸、4:ポンプ、5:オイルパン、10:駆動部、11:ハウジング(第1回転体)、12:シュー部材、12a:筒部、12b〜12d:シュー、13:スプロケット部材、14:ベーンロータ(第2回転体)、14a:ボス部、14b〜14d:ベーン、30:制御部、50:収容室、52:進角油室、53:進角油室、54:進角油室、56:遅角油室、57:遅角油室、58:遅角油室、72:進角油路、74:遅角油路、76:供給通路、78:ドレン通路、80:位相制御弁(作動流体制御手段)、82:ソレノイド、90:制御回路(バルブタイミング制御手段、保持値更新手段)、100:ハウジングブッシュ、101:フランジ壁、102:ハウジング溝、110:ロータブッシュ、111:底壁、112:ロータ溝、120:付勢部材(アシスト弾性部材)、120b:端部、130:ガイド、132:第一規制溝、132a:端部、132b:端部、134:ロック孔、135:内面、136:第一規制ストッパ、137:第一規制ストッパ、140:スリーブ、142:小径孔、144:大径孔、146:第一規制通路、150:第一規制ピン、152:本体部、156:受力部、170:第一規制弾性部材、200:ガイド、202:第二規制溝、202a:端部、202b:端部、206:第二規制ストッパ、210:スリーブ、212:小径孔、214:大径孔、216:第二規制通路、220:第二規制ピン、222:本体部、226:受力部、230:第二規制弾性部材、240:流体通路、242:第一流体通路、242a:中心孔、243:隙間、244:第二流体通路、244a:収容孔、244b:接続溝、244c:絞り孔、246:開閉制御通路、250:スリーブ、252:小径孔、260:開閉ピン、262:本体部、266:受力部、270:開閉弾性部材、300:駆動通路、302:分岐通路、304:ドレン通路、310:駆動制御弁、312:ソレノイド
Claims (4)
- 内燃機関のクランク軸と連動して回転する第1回転体と、
吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカム軸に連結され、且つ、前記第1回転体と同軸上に配置されて前記第1回転体との間に進角室および遅角室を形成する第2回転体と、
前記進角室と前記遅角室に作動流体を供給する作動流体制御手段と、
前記作動流体制御手段を制御して前記進角室と前記遅角室の流体圧力をそれぞれ変化させて前記第1回転体と前記第2回転体とを相対回転させることで、前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相を変化させてバルブタイミングを可変制御するバルブタイミング制御手段と、
内燃機関の停止中および始動時に前記回転位相をその調整可能範囲の中間のロック位相でロックするロック手段と、
最遅角位相または最進角位相から前記ロック位相まで、前記第2回転体を前記ロック手段がロックする側へ付勢するアシスト弾性部材と
を備えたバルブタイミング調整装置であって、
前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働く回転位相の領域であるアシスト位相領域用のゲインと、前記アシスト弾性部材からの付勢トルクが働かない回転位相の領域である非アシスト位相領域用のゲインとを備え、実際の回転位相が前記アシスト位相領域にあるか非アシスト位相領域にあるかに基づいてゲインを切り替えてフィードバック制御を行うことを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 請求項1において、
前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト位相領域用の保持値および前記非アシスト位相領域用の保持値のうち実際の回転位相に基づいて定まる側の保持値に、前記回転位相の目標値と前記回転位相の実際値との偏差に基づいて定まるフィードバック値を加算することで制御値を算出するようになっており、且つ、実際の回転位相が前記アシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域から境界領域でない領域に入った場合に、前記保持値を実際の回転位相に基づいて定まる側の保持値に切り替えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 請求項2において、
前記回転位相の実際値と目標値との偏差の変化量が予め設定した更新条件を満たすことに基づいて、前記アシスト位相領域用の保持値と前記非アシスト位相領域用の保持値のうち実際の回転位相が位置する側の保持値を更新する保持値更新手段をさらに備え、
その保持値更新手段は、実際の回転位相が前記アシスト位相領域と非アシスト位相領域との境界領域である場合には、前記保持値の更新を行わないことを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 請求項2または3において、
前記バルブタイミング制御手段は、前記アシスト位相領域用の保持値から前記非アシスト位相領域用の保持値へ切り替える際、切り替え前後の保持値の差分値が所定値よりも大きい場合、見込み補正値を保持値に加算してフィードバック制御を行い、前記非アシスト位相領域用の保持値から前記アシスト位相領域用の保持値へ切り替える際、切り替え前後の保持値の差分値が所定値よりも大きい場合、見込み補正値を保持値から減算してフィードバック制御を行うことを特徴とするバルブタイミング調整装置。
Priority Applications (1)
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JP2012225169A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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-
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- 2008-10-31 JP JP2008280827A patent/JP2010106784A/ja active Pending
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