JP2010097040A - 表示素子及び表示素子を用いた表示装置 - Google Patents

表示素子及び表示素子を用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一方の発光部が正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる表示素子を提供する。
【解決手段】表示素子110は、第1発光素子111と第2発光素子111’とから構成されており、第1発光素子111は、電流駆動型の第1発光部ELP、及び、第1発光部ELPに接続された第1駆動回路112を備えており、第2発光素子111’は、電流駆動型の第2発光部ELP’、及び、第2発光部ELP’に接続された第2駆動回路112’を備えており、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のいずれか一方が正常に動作していないときに他方の発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段113を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示素子及び表示素子を用いた表示装置に関する。より詳しくは、第1発光素子と第2発光素子とから構成されており、各発光素子は、各発光素子毎に設けられた、電流駆動型の発光部と該発光部に接続された駆動回路とを備えている表示素子、及び、係る表示素子を備えた表示装置に関する。
電流駆動型の発光部を備えた表示素子、及び、係る表示素子を備えた表示装置が周知である。例えば、有機材料のエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下、ELと略称する)を利用した有機エレクトロルミネッセンス発光部を備えた表示素子(以下、有機EL表示素子と略称する)は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な表示素子として注目されている。
液晶表示装置と同様に、例えば、有機EL表示素子を用いた表示装置においても、駆動方式として、単純マトリクス方式、及び、アクティブマトリクス方式が周知である。アクティブマトリクス方式は、構造が複雑となるといった欠点はあるが、画像の輝度を高いものとすることができる等の利点を有する。アクティブマトリクス方式により駆動される有機EL表示素子にあっては、発光層を含む有機層等から構成された発光部に加えて、発光部を駆動するための駆動回路を備えている。
図25に、駆動回路を備えた有機EL表示素子を用いた、アクティブマトリクス方式の表示装置の概念図を示す。表示装置は、
(1)走査回路101、
(2)信号出力回路102、
(3)第1の方向にN個、第1の方向とは異なる第2の方向(具体的には、第1の方向に直交する方向)にM個、合計N×M個の、2次元マトリクス状に配列された有機EL表示素子10、
(4)走査回路101に接続され、第1の方向に延びるM本の走査線SCL、
(5)信号出力回路102に接続され、第2の方向に延びるN本のデータ線DTL、
(6)電源部100、
を備えている。尚、図25においては、便宜のため3×3個の有機EL表示素子10を示したが、これは単なる例示に過ぎない。
図26に、有機EL表示素子10の等価回路図を示す。有機EL表示素子10は、発光部ELPと、発光部ELPを駆動するための駆動回路11とを備えている。図26に示す例では、駆動回路11は、書込みトランジスタTRW、駆動トランジスタTRD、及び、容量部C1を備えている。尚、書込みトランジスタTRWはnチャネル型トランジスタであり、駆動トランジスタTRDはpチャネル型トランジスタであるとして説明する。
書込みトランジスタTRWにおいては、一方のソース/ドレイン領域は、データ線DTLに接続されており、ゲート電極は、走査線SCLに接続されている。駆動トランジスタTRDのゲート電極は、書込みトランジスタTRWの他方のソース/ドレイン領域及び容量部C1の一方の電極に接続されている。駆動トランジスタTRDの一方のソース/ドレイン領域は、給電線PS1及び容量部C1の他方の電極に接続されている。給電線PS1には、電源部100から、所定の駆動電圧としての第1電圧VCC(例えば20ボルト)等が印加される。また、駆動トランジスタTRDの他方のソース/ドレイン領域は、発光部ELPのアノード電極に接続されている。発光部ELPのカソード電極は、所定の電圧VCat(例えば0ボルト)が印加される給電線PS2に接続されている。符号CELは発光部ELPの容量を表す。尚、図25においては、図26に示す給電線PS2の図示を省略した。
有機EL表示素子10の基本的な動作を説明する。走査線SCLからの信号によりオン状態とされた書込みトランジスタTRWを介して、信号出力回路102から所定の映像信号VSigが駆動トランジスタTRDのゲート電極に印加される。その後、書込みトランジスタTRWがオフ状態となっても、容量部C1により、駆動トランジスタTRDのゲート電極とソース領域の間の電圧は、映像信号VSigに応じて或る所定の電圧に保持される。
発光部ELPを流れる電流は、駆動トランジスタTRDのソース領域からドレイン領域へと流れるドレイン電流Idsである。駆動トランジスタTRDが飽和領域において理想的に動作するとすれば、ドレイン電流Idsは、以下の式(A)で表すことができる。発光部ELPはドレイン電流Idsの値に応じた輝度で発光する。
ds=k・μ・(Vgs−Vth2 (A)
但し、
μ :実効的な移動度
L :チャネル長
W :チャネル幅
gs:駆動トランジスタTRDのソース領域とゲート電極との間の電圧
th:駆動トランジスタTRDの閾値電圧
ox:(ゲート絶縁層の比誘電率)×(真空の誘電率)/(ゲート絶縁層の厚さ)
k≡(1/2)・(W/L)・Cox
とする。
ところで、有機EL表示素子10を製造する際に、例えば異物が発光部ELPのアノード電極とカソード電極との間に付着し、アノード電極とカソード電極の間が短絡状態となる場合がある。あるいは又、例えば有機層の不良により、アノード電極とカソード電極との間が開放状態となる場合もある。このような場合には、発光部ELPは発光せず、非発光状態となる。そして、表示装置の滅点不良として視認されてしまう。
このため、滅点不良の程度を軽減することができる構造を備えた有機EL表示素子が提案されている。例えば、特開2003−280593号公報(特許文献1)には、発光部と駆動回路とからなる発光素子を2つ備えた、冗長性を有する有機EL表示素子が開示されている。
特開2003−280593号公報
表示素子を2つの発光素子から構成したとしても、一方の発光部が正常に動作しない場合には、通常表示素子の輝度は本来の輝度の略半分となる。この場合、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることにより、より滅点不良が視認され難くなる。例えば、正常に動作する発光素子に、信号出力回路から、本来の輝度の略2倍の輝度で発光するように調整された映像信号を送ればよいが、表示装置の周辺回路の構成が複雑となるといった問題がある。
従って、本発明の目的は、表示装置の周辺回路の構成を複雑にすることなく、一方の発光部が正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる表示素子、及び、係る表示素子を備えた表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の表示装置は、
(1)第1の方向にN個、第1の方向とは異なる第2の方向にM個、合計N×M個の、2次元マトリクス状に配列された表示素子、
(2)第1の方向に延びるM本の走査線、及び、
(3)第2の方向に延びるN本のデータ線、
を備えている表示装置に関する。
上記の目的を達成するための本発明の表示素子、及び、上記の目的を達成するための本発明の表示装置を構成する表示素子は、第1発光素子と第2発光素子とから構成されており、第1発光素子は、電流駆動型の第1発光部、及び、第1発光部に接続された第1駆動回路を備えており、第2発光素子は、電流駆動型の第2発光部、及び、第2発光部に接続された第2駆動回路を備えている。
上記の目的を達成するための本発明の表示装置にあっては、第m行、第n列目の表示素子を構成する第1発光素子と第2発光素子には、第m番目の走査線から共通の走査信号が印加されると共に、第n番目のデータ線から共通の映像信号が印加される。
そして、上記の目的を達成するための本発明の表示素子、及び、上記の目的を達成するための本発明の表示装置を構成する表示素子は、第1発光部及び第2発光部のいずれか一方が正常に動作していないときに他方の発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段を備えている。
本発明の表示素子、及び、本発明の表示装置を構成する表示素子(以下、これらを単に、本発明の表示素子と呼ぶ場合がある)にあっては、電流増加手段は、第1発光部と第1駆動回路との接続部の電圧、及び、第2発光部と第2駆動回路との接続部の電圧に基づいて動作する構成とすることができる。
そして、上述した好ましい構成の本発明の表示素子にあっては、
第1駆動回路は第1駆動トランジスタを備えており、
第1駆動トランジスタにあっては、一方のソース/ドレイン領域には第1電圧が印加され、他方のソース/ドレイン領域は第1発光部の一端に接続されており、
第2駆動回路は、第2駆動トランジスタを備えており、
第2駆動トランジスタにあっては、一方のソース/ドレイン領域には前記第1電圧が印加され、他方のソース/ドレイン領域は第2発光部の一端に接続されており、
第1発光部の他端と第2発光部の他端には、第2電圧が印加され、
電流増加手段は、
(a)補助トランジスタ、並びに、
(b)第1スイッチング手段、及び、第2スイッチング手段、
から構成されており、
補助トランジスタにおいては、
(a−1)ゲート電極は、第1駆動トランジスタのゲート電極と、第2駆動トランジスタのゲート電極とに接続されており、
(a−2)一方のソース/ドレイン領域には、前記第1電圧が印加され、
(a−3)他方のソース/ドレイン領域は、第1スイッチング手段を介して第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部に接続されていると共に、第2スイッチング手段を介して第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部に接続されており、
第1スイッチング手段は、第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部の電圧に基づいて動作し、
第2スイッチング手段は、第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部の電圧に基づいて動作する構成とすることができる。
ここで、上述した第1スイッチング手段と第2スイッチング手段を備えた本発明の表示素子にあっては、
第1スイッチング手段と第2スイッチング手段とは、それぞれ、同一導電型のトランジスタから構成されており、
第1スイッチング手段を構成するトランジスタのゲート電極は、第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部に接続されており、
第2スイッチング手段を構成するトランジスタのゲート電極は、第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部に接続されている構成とすることができる。
そして、第1駆動回路は第1駆動トランジスタを備えており、第2駆動回路は第2駆動トランジスタを備えている、上述した好ましい構成を含む本発明の表示素子にあっては、
第1駆動回路と第2駆動回路の少なくとも一方は、更に、書込みトランジスタを備えており、
書込みトランジスタにおいては、一方のソース/ドレイン領域には映像信号が印加され、ゲート電極には走査信号が印加され、
第1駆動トランジスタのゲート電極と第2トランジスタのゲート電極とは、書込みトランジスタの他方のソース/ドレイン領域に接続されている構成とすることができる。
また、第1駆動回路は第1駆動トランジスタを備えており、第2駆動回路は第2駆動トランジスタを備えている、上述した各種の好ましい構成を含む本発明の表示素子にあっては、第1駆動トランジスタのゲート電極と第2駆動トランジスタのゲート電極の電位を保持するための容量部を備えている構成とすることができる。
また、第1駆動回路は第1駆動トランジスタを備えており、第2駆動回路は第2駆動トランジスタを備えている、上述した各種の好ましい構成を含む本発明の表示素子にあっては、
電流増加手段は、更に、第3スイッチング手段を備えており、
第3スイッチング手段の一端は、補助トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続されており、前記第1電圧は、第3スイッチング手段を介して補助トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に印加される構成とすることができる。
上述した各種の好ましい構成を含む本発明の表示素子にあっては、発光素子を構成する発光部として、電流を流すことにより発光する電流駆動型の発光部を広く用いることができる。第1発光部及び第2発光部として、有機エレクトロルミネッセンス発光部、無機エレクトロルミネッセンス発光部、LED発光部、半導体レーザ発光部等を挙げることができる。これらの発光部は、周知の材料や方法を用いて構成することができる。カラー表示の平面表示装置を構成する観点からは、中でも、第1発光部及び第2発光部は有機エレクトロルミネッセンス発光部から成る構成が好ましい。
第1発光素子を構成する発光部と、第2発光素子を構成する発光部との配置は、特に限定するものではない。例えば、発光部が有機エレクトロルミネッセンス発光部から成る構成にあっては、第1発光部と第2発光部とは平面状に並行に載置されてされている構成とすることができる。しかしながら、この場合には、いずれか一方の発光部が正常に動作していないとき、発光領域の一部が欠けたように視認されるおそれがある。これに対し、第1発光部と第2発光部とは積層されている構成にあっては、発光領域の一部が欠けたように視認されることがないので、滅点がより視認され難いといった点で好ましい。
第1発光部及び第2発光部が有機エレクトロルミネッセンス発光部から成り、第1発光部と第2発光部とは積層されている構成にあっては、
第1発光部は、
(D−1)下部電極、
(D−2)下部電極の上に設けられた、発光層を含む第1有機層、及び、
(D−3)第1有機層の上に設けられた、光透過性を有する中間電極、
から構成されており、
第2発光部は、
(E−1)該中間電極、
(E−2)該中間電極の上に設けられた、発光層を含む第2有機層、及び、
(E−3)第2有機層の上に設けられた、上部電極、
から構成されており、
下部電極及び上部電極の少なくとも一方は光透過性を有しており、
中間電極は、第1発光部及び第2発光部のアノード電極を構成し、あるいは又、中間電極は、第1発光部及び第2発光部のカソード電極を構成する態様とすることができる。便宜のため、上述した表示素子を、第1の積層態様の表示素子と呼ぶ。
第1の積層態様の表示素子にあっては、下部電極から中間電極に電流が流れるように第1有機層が構成されている場合には、第2有機層は上部電極から中間電極に電流が流れるように構成される。一方、中間電極から下部電極に電流が流れるように第1有機層が構成されている場合には、第2有機層は中間電極から上部電極に電流が流れるように構成される。尚、下部電極と第1有機層との間に他の層を備えている構成であってもよいし、第1有機層と中間電極との間に他の層を備えている構成であってもよい。同様に、中間電極と第2有機層との間に他の層を備えている構成であってもよいし、第2有機層と上部電極との間に他の層を備えている構成であってもよい。
あるいは又、第1発光部及び第2発光部が有機エレクトロルミネッセンス発光部から成り、第1発光部と第2発光部とは積層されている構成にあっては、
第1発光部は、
(D−1)下部電極、
(D−2)下部電極の上に設けられた、発光層を含む第1有機層、及び、
(D−3)第1有機層の上に設けられた、光透過性を有する第1中間電極、
から構成されており、
第2発光部は、
(E−1)該第1中間電極の上に、光透過性を有する絶縁層を介して設けられた、光透過性を有する第2中間電極、
(E−2)第2中間電極の上に設けられた、発光層を含む第2有機層、及び、
(E−3)上部電極、
から構成されており、
下部電極及び上部電極の少なくとも一方は光透過性を有している態様とすることもできる。便宜のため、上述した表示素子を、第2の積層態様の表示素子と呼ぶ。
第2の積層態様に係る表示素子にあっては、第1の積層態様に係る表示素子に対し、第1有機層と第2有機層の極性を任意に設定することができる利点を備えている。
第2の積層態様の表示素子にあっては、下部電極と第1中間電極は、それぞれ、第1発光部のアノード電極とカソード電極を構成し、且つ、第2中間電極と上部電極は、それぞれ、第2発光部のアノード電極とカソード電極を構成するといった構成とすることができる。あるいは又、下部電極と第1中間電極は、それぞれ、第1発光部のカソード電極とアノード電極を構成し、且つ、第2中間電極と上部電極は、それぞれ、第2発光部のカソード電極とアノード電極を構成するといった構成とすることができる。便宜のため、上述した態様の表示素子を、本発明の第2Aの積層態様に係る表示素子と呼ぶ場合がある。
第2Aの積層態様に係る表示素子にあっては、下部電極から第1中間電極に電流が流れるように第1有機層が構成されている場合には、第2有機層は第2中間電極から上部電極に電流が流れるように構成されている。一方、第1中間電極から下部電極に電流が流れるように第1有機層が構成されている場合には、第2有機層は上部電極から第2中間電極に電流が流れるように構成されている。換言すれば、第1有機層と第2有機層は、同方向の極性を備えるように形成されている。これにより、第1有機層と第2有機層の製造プロセスを共通化することができるといった利点を有する。
上述した各種の好ましい構成や態様を含む本発明の表示素子、及び、本発明の表示素子を備えた本発明の表示装置(以下、これらを単に、本発明と呼ぶ場合がある)においては、表示素子は、第1発光部及び第2発光部のいずれか一方が正常に動作していないときに他方の発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段を備えている。これにより、いずれか一方の発光素子の発光部が正常に動作していないときには、正常に動作する他方の発光素子はより高い輝度で発光するように動作する。従って、表示装置の周辺回路の構成を複雑にすることなく、一方の発光素子が正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。
本発明にあっては、第1駆動回路と第2駆動回路が、それぞれ、書込みトランジスタを備えていてもよい。書込みトランジスタがオフ状態となっているときに、第1駆動トランジスタのゲート電極と第2駆動トランジスタのゲート電極の電位を保持するための容量部は、基本的には、発光時においてソース領域となる駆動トランジスタのソース/ドレイン領域と駆動トランジスタのゲート間の電圧を保持するように取り付けられる。この容量部は、表示素子に1つ設けられている構成であってもよいし、上述した書込みトランジスタと同様に、第1駆動回路と第2駆動回路のそれぞれが、容量部を備えている構成であってもよい。第1駆動回路及び第2駆動回路の構成は特に限定するものではない。所謂電圧書込み型の駆動回路であってもよいし、電流書込み型の駆動回路であってもよい。また、第1駆動回路や第2駆動回路は、駆動トランジスタや書込みトランジスタ以外の他のトランジスタを備えていてもよい。
本発明の表示素子を構成する第1駆動トランジスタ及び第2駆動トランジスタは、基本的には、同じ導電型のトランジスタから構成される。これらは、nチャネル型のトランジスタから構成されていてもよいし、pチャネル型のトランジスタから構成されていてもよい。トランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT)であってもよいし、半導体基板等に形成されたトランジスタであってもよい。書込みトランジスタにおいても同様である。
電流増幅手段を構成する補助トランジスタは、基本的には、第1駆動トランジスタや第2駆動トランジスタと同じ導電型のトランジスタから構成することができる。また、第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段として、電圧により制御される周知のスイッチング手段を広く用いることができる。第3スイッチング手段においても同様である。表示素子の製造プロセスの簡略化といった観点からは、第1スイッチング手段、第2スイッチング手段、及び、第3スイッチング手段を、第1駆動トランジスタ等と同様の構成のトランジスタから構成することが好ましい。
この場合において、第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段を構成するトランジスタの導電型は、第1駆動トランジスタ等の導電型と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段を構成するトランジスタの導電型の選択により、一方の発光部が短絡不良を起こしているときに電流増幅手段によって他方の発光部に流れる電流を増加させるのか、あるいは、一方の発光部が開放不良を起こしているときに電流増幅手段によって他方の発光部に流れる電流を増加させるのかが定まる。第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段を構成するトランジスタの導電型は、表示素子の設計に応じて適宜選択すればよい。尚、第3スイッチング手段を構成するトランジスタの導電型は特に限定するものではない。表示装置や表示素子の仕様に応じて適宜選択すればよい。
第1駆動トランジスタ等について説明したと同様に、電流増幅手段を構成する補助トランジスタ、第1スイッチング手段乃至第3スイッチング手段を構成するトランジスタは、TFTであってもよいし、半導体基板等に形成されたトランジスタであってもよい。上述した第1駆動トランジスタ、第2駆動トランジスタ、書込みトランジスタを含め、本発明に用いられる各種トランジスタの構造は特に限定するものではない。以下の説明においては、各トランジスタはエンハンスメント型であるとして説明するが、これに限るものではない。デプレッション型のトランジスタが用いられていてもよい。また、例えば、トランジスタはシングルゲート型であってもよいし、デュアルゲート型であってもよい。
本発明にあっては、基本的には、第1発光部と第2発光部とが同じ発光色を示すように構成される。尚、概ね同色と判断される程度であれば足りる。従って、第1発光素子の発光光の波長と第2発光素子の発光光の波長とが同じであってもよいし、同色と判断される程度で異なっていても良い。
各種電極や絶縁層が「光透過性を有する」とは、少なくとも第1発光部や第2発光部からの発光光に対して光透過性を有するとの意である。従って、可視光スペクトルの全てに亙って光透過性を有している構成であってもよいし、発光光の波長及びその近傍の波長において光透過性を有している構成であってもよい。基本的には、発光光をできるだけ多く透過することが好ましいが、表示素子の動作に支障が生じない限り、光透過性の程度は特に限定するものではない。
本発明の表示装置は、所謂モノクロ表示の構成であってもよいし、所謂カラー表示の構成であってもよい。例えば、モノクロ表示の表示装置であるとき、表示装置を構成する表示素子のそれぞれによって、画素が構成される。表示装置を構成する表示素子の数をN×M個とした場合、画素数は(N×M)である。
一方、カラー表示の表示装置であるとき、1画素は、例えば、赤色を発光する赤色発光副画素、緑色を発光する緑色発光副画素、及び、青色を発光する青色発光副画素の3種類の副画素から構成されている。従って、表示装置を構成する表示素子の数をN×M個とした場合、画素数は(N×M)/3である。
尚、カラー表示の場合には、上述した3種の副画素に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から、画素を構成することもできる。
表示装置の画素(ピクセル)の値として、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
第1の積層態様の表示素子が所謂上面発光型であり、下部電極と上部電極がアノード電極を構成する場合、下部電極は、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、金(Au)といった、仕事関数の値が大きく、且つ、光反射率の高い導電材料から構成することが望ましい。更に、アルミニウム(Al)及びアルミニウムを含む合金等の仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料の場合には、適切な正孔注入層を設けるなどして正孔注入性を向上させることで、下部電極をアノード電極として用いることができる。また、光反射性の高い導電材料上にインジウムとスズの酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の酸化物(IZO)等の正孔注入特性に優れた透明導電材料を積層した構造とすることもできる。また、上部電極を、ITOやIZOといった、発光光を透過し、しかも、仕事関数の値の大きな導電材料から構成することが望ましい。
光透過性を有する電極は、例えば、上述したITOやIZOに加えて、ZnO、MgO等の金属化合物から構成することができるし、あるいは又、金属あるいは合金から成る薄膜から構成することもできる。後ほど詳しく説明するが、第1の積層態様の表示素子が上面発光型であり、上部電極をカソード電極として用いる場合、上部電極は、発光光を透過し、しかも、有機層に対して電子を効率的に注入できるように仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましい。このような場合には、例えば、厚さが数ナノメートル程度のMg−Ag合金薄膜のような、光透過率の高い導電膜(例えば、光透過率が30%以上の金属あるいは合金)を上部電極として用いることができる。尚、発光を妨げない部分に導電性の良い補助電極を設けておき、この補助電極と上部電極とが接触する構成であってもよい。この構成によれば、表示装置の動作時において上部電極の抵抗による電圧変化が抑制され、表示される画像の輝度の均一性等をより良好なものとすることができる。第2の積層態様の表示素子においても同様である。
上述したように、第1の積層態様に係る表示素子が上面発光型であり、下部電極と上部電極がアノード電極を構成する場合、中間電極は、第1発光部及び第2発光部のカソード電極を構成する。中間電極は、発光光を透過し、しかも、第1有機層及び第2有機層に対して電子を効率的に注入できるように、仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましい。例えば、Mg、Mg合金、Al、Al合金等から成る薄膜から中間電極を構成することができる。あるいは又、ITOやIZOから成る層の両面に上述した薄膜を積層した構成とすることもできる。
一方、第1の積層態様に係る表示素子が上面発光型であり、下部電極と上部電極とがカソード電極を構成する場合、下部電極は、Al、Al合金といった仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料から構成することが望ましい。尚、アノード電極として用いられる光反射率の高い導電材料に適切な電子注入層を設けるなどして電子注入性を向上させることで、下部電極をカソード電極として用いることができる。また、上部電極を、発光光を透過し、しかも、第2有機層に対して電子を効率的に注入できるように仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましい。例えば、上部電極は、Mg、Mg合金、Al、Al合金等から成る薄膜から構成することができる。あるいは又、これらの薄膜にITOやIZOから成る層を積層した構成とすることもできる。この場合において、中間電極は、第1発光部及び第2発光部のアノード電極を構成する。中間電極は、ITOやIZOといった、発光光を透過し、しかも、仕事関数の値の大きな導電材料から構成することが望ましい。
第2の積層態様の表示素子が上面発光型であり、下部電極と第2中間電極とがアノード電極を構成し、第1中間電極と上部電極とがカソード電極を構成する場合について説明する。この場合、下部電極は、上述したと同様に、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、金(Au)といった、仕事関数の値が大きく、且つ、光反射率の高い導電材料から構成することが望ましい。更に、アルミニウム(Al)及びアルミニウムを含む合金等の仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料の場合には、適切な正孔注入層を設けるなどして正孔注入性を向上させることで、下部電極をアノード電極として用いることができる。また、光反射性の高い導電材料上にITOやIZO等の正孔注入特性に優れた透明導電材料を積層した構造とすることもできる。第2中間電極は、ITOやIZOといった、発光光を透過し、しかも、仕事関数の値の大きな導電材料から構成することが望ましい。また、第1中間電極や上部電極は、発光光を透過し、しかも、第1有機層及び第2有機層に対して電子を効率的に注入できるように、仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましい。例えば、Mg、Mg合金、Al、Al合金等から成る薄膜から第1中間電極や上部電極を構成することができる。あるいは又、ITOやIZOから成る層の両面に上述した薄膜を積層した構成の第1中間電極とすることもできるし、Mg、Mg合金、Al、Al合金等から成る薄膜の上にITOやIZOから成る層が積層された構成の上部電極とすることもできる。
一方、第2の積層態様に係る表示素子が上面発光型であり、下部電極と第2中間電極とがカソード電極を構成し、第1中間電極と上部電極とがアノード電極を構成する場合について説明する。この場合、下部電極は、Al、Al合金といった仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料から構成することが望ましい。尚、アノード電極として用いられる光反射率の高い導電材料に適切な電子注入層を設けるなどして電子注入性を向上させることで、下部電極をカソード電極として用いることができる。また、第2中間電極を、発光光を透過し、しかも、仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましい。例えば、第2中間電極は、Mg、Mg合金、Al、Al合金等から成る薄膜から構成することができる。あるいは又、これらの薄膜にITOやIZOから成る層を積層した構成とすることもできる。また、第1中間電極や上部電極は、ITOやIZOといった、発光光を透過し、仕事関数の値の大きな導電材料から構成することが望ましい。
尚、第1の積層態様の表示素子及び第2の積層態様の表示素子が所謂下面発光型である場合、下部電極を発光光を透過する導電材料から構成し、上部電極を例えば光反射率の高い導電材料から構成すればよい。これらの電極は、表示素子の設計に応じて、適宜好適な導電材料を用いて構成すればよい。
第1の積層態様の表示素子及び第2の積層態様の表示素子にあっては、下部電極を、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、メタルマスク印刷法といった各種印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を用いて形成することができる。
第2の積層態様の表示素子において、絶縁層は、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、あるいは又、MOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、下地に対して及ぼす影響を小さくすることができるので好ましい。あるいは又、第1有機層の劣化による輝度の低下を防止するために、成膜温度を常温に設定し、更には、絶縁層の剥がれを防止するために絶縁層のストレスを最小になる条件で絶縁層を成膜することが望ましい。また、絶縁層の形成は、第1有機層を大気に暴露することなく形成することが好ましく、これによって、大気中の水分や酸素による第1有機層の劣化を防止することができる。更には、絶縁層は、第1有機層で発生した光を例えば80%以上、透過する材料から構成することが望ましく、具体的には、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えば、アモルファスシリコン(α−Si)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)、アモルファス酸化シリコン(α−Si1-yy)、アモルファスカーボン(α−C)を例示することができる。このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを生成しないため、透水性が低く、良好な絶縁層を構成する。
第1の積層態様に係る表示素子を構成する中間電極及び上部電極、並びに、第2の積層態様に係る表示素子を構成する第1中間電極及び上部電極にあっては、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さな成膜方法、あるいは又、MOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、第1有機層あるいは第2有機層のダメージ発生を防止するといった観点から好ましい。第2の積層態様に係る表示素子を構成する第2中間電極の成膜においても、基本的には上述したと同様である。
第1発光部及び第2発光部が有機エレクトロルミネッセンス発光部から成る場合、発光層を含む有機層の構成は、特に限定するものではない。例えば、有機層は、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造、正孔輸送層と電子輸送層を兼ねた発光層との積層構造、正孔注入層と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層との積層構造から構成することができる。有機層の形成方法として、真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法);スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;転写用基板上に形成されたレーザ吸収層と有機層の積層構造に対してレーザを照射することでレーザ吸収層上の有機層を分離して、有機層を転写するといったレーザ転写法、各種の塗布法を例示することができる。有機層を真空蒸着法に基づき形成する場合、例えば、所謂メタルマスクを用い、係るメタルマスクに設けられた開口を通過した材料を堆積させることで有機層を得ることができる。有機層は、広く周知の材料を用いて構成することができる。
第1の積層態様に係る表示素子を構成する下部電極、中間電極、及び、上部電極は、上述した構成の他、適切な電子注入層や正孔注入層を用いることにより、他の構成や材料を用いることもできる。第2の積層態様に係る表示素子を構成する下部電極、第1中間電極、第2中間電極、及び、上部電極においても同様である。
第1の積層態様に係る表示素子を構成する下部電極、及び、第2の積層態様に係る表示素子を構成する下部電極は、例えば、層間絶縁層上に設けられている。そして、この層間絶縁層は、支持体上に形成された駆動回路を覆っている。駆動回路は、TFT等から構成されており、TFTと下部電極とは、層間絶縁層に設けられたコンタクトプラグを介して電気的に接続されている。層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、各種印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1の積層態様に係る表示素子を構成する上部電極、及び、第2の積層態様に係る表示素子を構成する上部電極の上には、第1有機層及び第2有機層への水分の到達防止を目的として、絶縁性の保護膜を設けることが好ましい。上述した絶縁層と同様に、保護膜は、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、あるいは又、MOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、下地に対して及ぼす影響を小さくすることができるので好ましい。あるいは又、第1有機層や第2有機層の劣化による輝度の低下を防止するために、成膜温度を常温に設定し、更には、保護膜の剥がれを防止するために保護膜のストレスを最小になる条件で保護膜を成膜することが望ましい。また、保護膜の形成は、上部電極を大気に暴露することなく形成することが好ましく、これによって、大気中の水分や酸素による有機層の劣化を防止することができる。更には、表示装置が上面発光型である場合、保護膜は、有機層で発生した光を例えば80%以上、透過する材料から構成することが望ましく、具体的には、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えば、アモルファスシリコン(α−Si)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)、アモルファス酸化シリコン(α−Si1-yy)、アモルファスカーボン(α−C)を例示することができる。絶縁層において説明したように、このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを生成しないため、透水性が低く、良好な保護膜を構成する。保護膜の上には基板を配するが、保護膜と基板とは、例えば、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いて接着すればよい。尚、上部電極に共通の電圧が印加される構成の場合には、保護膜を、透明導電材料から形成してもよい。例えば、保護膜を、ITOやIZOのような透明導電材料から構成することができる。
支持体や基板の構成材料として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)等のガラス材料や、各種プラスチック材料を例示することができる。支持体と基板の構成材料は、同じであってもよいし異なっていてもよい。可撓性を有するプラスチック材料から成る支持体及び基板を用いれば、可撓性を有する表示装置を構成することができる。
本発明の表示素子、及び、本発明の表示素子を備えた本発明の表示装置においては、表示素子は、第1発光部及び第2発光部のいずれか一方が正常に動作していないときに他方の発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段を備えている。これにより、いずれか一方の発光素子の発光部が正常に動作していないときには、正常に動作する他方の発光素子はより高い輝度で発光するように動作する。従って、表示装置の周辺回路の構成を複雑にすることなく、一方の発光素子が正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の表示素子、及び、本発明の表示装置に関する。実施例1の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子110の等価回路図を図1に示す。実施例1の表示装置の概念図を図2に示す。実施例1の表示装置の模式的な一部断面図を図3に示す。
図2に示すように、実施例1の表示装置は、
(1)第1の方向にN個、第1の方向とは異なる第2の方向にM個、合計N×M個の、2次元マトリクス状に配列された表示素子110、
(2)第1の方向に延びるM本の走査線SCL、及び、
(3)第2の方向に延びるN本のデータ線DTL、
を備えている。尚、図2においては、便宜のため、第m行、第n列目の表示素子110を中心とした3×3個の表示素子110を示したが、これは単なる例示に過ぎない。
実施例1の表示装置は、表示素子110を複数(例えば、N×M=1920×480)有する、カラー表示の表示装置である。1つの表示素子110は、1つの副画素を構成する。ここで、1画素は、走査線SCLの延びる方向に並んだ、赤色を発光する赤色発光副画素、緑色を発光する緑色発光副画素、及び、青色を発光する青色発光副画素の3種類の副画素から構成されている。従って、表示装置は、(N/3)×Mの画素を有する。
図1及び図2に示すように、表示素子110は、第1発光素子111と第2発光素子111’とから構成されている。図1に示すように、第1発光素子111は、電流駆動型の第1発光部ELP、及び、第1発光部ELPに接続された第1駆動回路112を備えている。第2発光素子111’は、電流駆動型の第2発光部ELP’、及び、第2発光部ELP’に接続された第2駆動回路112’を備えている。
表示素子110は、第1発光素子111及び第2発光素子111’のいずれか一方の発光素子の発光部が正常に動作していないときに他方の発光素子を構成する発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段113を備えている。電流増加手段113は、第1発光部ELPと第1駆動回路112との接続部の電圧、及び、第2発光部ELP’と第2駆動回路112’との接続部の電圧に基づいて動作する。電流増加手段113については、後ほど、詳しく説明する。
実施例1においては、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’は有機エレクトロルミネッセンス発光部から成る。図1において、符号CELは第1発光部ELPの容量を示し、符号CEL’は第2発光部ELP’の容量を示す。第m行、第n列目の表示素子110を構成する第1発光素子111と第2発光素子111’には、走査回路101の動作に基づき、第m番目の走査線SCLmから共通の走査信号が印加されると共に、信号出力回路102の動作に基づき、第n番目のデータ線DTLnから共通の映像信号VSigが印加される。
第1駆動回路112は第1駆動トランジスタTRDを備えており、第1駆動トランジスタTRDにあっては、一方のソース/ドレイン領域には第1電圧VCCが印加され、他方のソース/ドレイン領域は第1発光部ELPの一端に接続されている。実施例1にあっては、第1駆動トランジスタTRDと後述する第2駆動トランジスタTRD’は、pチャネル型のトランジスタから構成されている。
より具体的には、第1駆動トランジスタTRDの一方のソース/ドレイン領域は、第m番目の給電線PS1mに接続されている。給電線PS1mには、電源部100の動作に応じて、駆動電圧としての第1電圧VCC(例えば20ボルト)が印加される。第1駆動トランジスタTRDの一方のソース/ドレイン領域には、給電線PS1mを介して、第1電圧VCCが印加される。
第2駆動回路112’は、第2駆動トランジスタTRD’を備えており、第2駆動トランジスタTRD’にあっては、一方のソース/ドレイン領域には前記第1電圧VCCが印加され、他方のソース/ドレイン領域は第2発光部ELP’の一端に接続されている。
より具体的には、第1駆動トランジスタTRDと同様に、第2駆動トランジスタTRD’の一方のソース/ドレイン領域も、第m番目の給電線PS1mに接続されている。第2駆動トランジスタTRD’の一方のソース/ドレイン領域にも、給電線PS1mを介して、第1電圧VCCが印加される。
第1発光部ELPの他端と第2発光部ELP’の他端には、第2電圧VCatが印加される。より具体的には、第1発光部ELPの他端と第2発光部ELP’の他端は、第2電圧VCat(例えば0ボルト)が印加される給電線PS2に接続されている。
第1駆動回路112と第2駆動回路112’について、更に、説明する。第1駆動回路112と第2駆動回路112’の少なくとも一方は、更に、書込みトランジスタを備えている。実施例1にあっては、第1駆動回路112は書込みトランジスタTRWを備えており、第2駆動回路112’は書込みトランジスタTRW’を備えている。また、第1駆動回路112と第2駆動回路112’のそれぞれは、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極の電位を保持するための容量部C1,C1’を備えている。実施例1にあっては、書込みトランジスタTRW,TRW’はnチャネル型トランジスタから構成されている。
書込みトランジスタTRWにあっては、一方のソース/ドレイン領域は、データ線DTLnに接続されており、他方のソース/ドレイン領域は、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極に接続されており、ゲート電極は、走査線SCLmに接続されている。第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と一方のソース/ドレイン領域の間には、容量部C1が接続されている。
書込みトランジスタTRW’にあっては、一方のソース/ドレイン領域は、データ線DTLnに接続されており、他方のソース/ドレイン領域は、第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極に接続されており、ゲート電極は、走査線SCLmに接続されている。第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極と一方のソース/ドレイン領域の間には、容量部C1’が接続されている。
書込みトランジスタTRW,TRW’においては、一方のソース/ドレイン領域にはデータ線DTLnを介して、信号出力回路102から共通の映像信号VSigが印加され、ゲート電極には、走査線SCLmを介して、走査回路101から共通の走査信号が印加される。後述するように、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極とは、後述する補助トランジスタ114のゲート電極と共に電気的に接続されている。第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と第2トランジスタTRD’のゲート電極とは、書込みトランジスタTRW,TRW’の他方のソース/ドレイン領域に接続されている。
電流増加手段113について説明する。電流増加手段113は、
(a)補助トランジスタ114、並びに、
(b)第1スイッチング手段115、及び、第2スイッチング手段116、
から構成されている。
補助トランジスタ114においては、
(a−1)ゲート電極は、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と、第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極とに接続されており、
(a−2)一方のソース/ドレイン領域には、前記第1電圧VCCが印加され、
(a−3)他方のソース/ドレイン領域は、第1スイッチング手段115を介して第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部に接続されていると共に、第2スイッチング手段116を介して第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部に接続されている。
より具体的には、第1駆動トランジスタTRD等と同様に、補助トランジスタ114の一方のソース/ドレイン領域も、第m番目の給電線PS1mに接続されている。補助トランジスタ114の一方のソース/ドレイン領域にも、給電線PS1mを介して、第1電圧VCCが印加される。
第1スイッチング手段115は、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部の電圧に基づいて動作し、第2スイッチング手段116は、第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部の電圧に基づいて動作する。
実施例1にあっては、第1スイッチング手段115と第2スイッチング手段116とは、それぞれ、同一導電型(実施例1にあっては、pチャネル型)のトランジスタから構成されている。以下、説明の便宜のため、第1スイッチング手段115を構成するトランジスタを単にトランジスタ115と表し、第2スイッチング手段116を構成するトランジスタを単にトランジスタ116と表す。
補助トランジスタ114の他方のソース/ドレイン領域には、トランジスタ115の一方のソース/ドレイン領域とトランジスタ116の一方のソース/ドレイン領域とが接続されている。トランジスタ115の他方のソース/ドレイン領域は、第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部に接続されている。トランジスタ116の他方のソース/ドレイン領域は、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部に接続されている。そして、トランジスタ115のゲート電極は、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部に接続されている。トランジスタ116のゲート電極は、第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部に接続されている。
図3を参照して、表示素子110の構造について説明する。実施例1にあっては、第1発光部ELPと第2発光部ELP’とは積層されている。第1発光部ELPと第2発光部ELP’は、共に所定の発光色を示す発光部である。
より具体的には、第1発光部ELPは、
(D−1)下部電極51、
(D−2)下部電極51の上に設けられた、発光層を含む第1有機層54、及び、
(D−3)第1有機層54の上に設けられた、光透過性を有する中間電極55、
から構成されており、
第2発光部ELP’は、
(E−1)中間電極55、
(E−2)中間電極55の上に設けられた、発光層を含む第2有機層57、及び、
(E−3)第2有機層57の上に設けられた、上部電極58、
から構成されている。また、下部電極51及び上部電極58の少なくとも一方は光透過性を有している。実施例1の表示装置は上面発光型であり、上部電極58は光透過性を有している。
中間電極55は、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のアノード電極を構成し、あるいは又、中間電極55は、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のカソード電極を構成する。後で詳しく説明するが、実施例1においては、下部電極51は第1発光部ELPのアノード電極を構成し、上部電極58は第2発光部ELP’のアノード電極を構成し、中間電極55は、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のカソード電極を構成する。
第1駆動回路112及び第2駆動回路112’を構成する各トランジスタや容量部C1,C1’、並びに、電流増加手段113を構成する各トランジスタは、支持体20上に形成されている。第1発光部ELP及び第2発光部ELP’は、例えば、層間絶縁層41を介して、各トランジスタや容量部C1,C1’の上方に形成されている。尚、図3においては、第1駆動回路112を構成する第1駆動トランジスタTRDや容量部C1が図示されている。他のトランジスタや容量部は隠れて見えない。
第1駆動トランジスタTRDは、ゲート電極31、ゲート絶縁層32、半導体層33から構成されている。より具体的には、第1駆動トランジスタTRDは、半導体層33に設けられた一方のソース/ドレイン領域35及び他方のソース/ドレイン領域36、並びに、一方のソース/ドレイン領域35と他方のソース/ドレイン領域36の間の半導体層33の部分が該当するチャネル形成領域34を備えている。後述する図5の(B)を参照して後で詳しく説明するが、図示せぬ第2駆動トランジスタTRD’の構成も、基本的には上述したと同様の構成である。尚、導電型が異なる場合があるが、図示せぬ他のトランジスタも、基本的には同様の構成である。
容量部C1は、電極37、ゲート絶縁層32の延在部から構成された誘電体層、及び、配線39(より具体的には、電極37と対向する配線39の部分)から成る。後述する図5の(B)及び(C)を参照して後で詳しく説明するが、図示せぬ容量部C1’も、基本的には上述したと同様の構成である。配線39は駆動トランジスタTRDの一方のソース/ドレイン領域35に接続されている。配線39は給電線PS1に対応する。また、駆動トランジスタTRDの他方のソース/ドレイン領域36は電極38に接続されている。
参照番号38’は電極38に対応する電極であり、電極38’は、図示せぬ第2駆動トランジスタTRD’の他方のソース/ドレイン領域に接続されている。配線39は、上述したように駆動トランジスタTRDの一方のソース/ドレイン領域35に接続されているが、更に、図示せぬ第2駆動トランジスタTRD’の一方のソース/ドレイン領域にも接続されている。
ゲート電極31、ゲート絶縁層32の一部、及び、容量部C1を構成する電極37は、支持体20上に形成されている。電極38,38’、配線39、及び、半導体層33は、ゲート絶縁層32(延在部から構成された誘電体層の部分を含む)の上に形成されている。第1駆動トランジスタTRD等の各種トランジスタ、容量部C1,C1’は、層間絶縁層41で覆われている。層間絶縁層41上に、第1発光部ELPが設けられており、更にその上側に、第2発光部ELP’が設けられている。また、給電線PS2に相当する配線53が、層間絶縁層41上に設けられている。発光部が設けられていない層間絶縁層41の部分の上には、第2層間絶縁層42が設けられている。発光部及び第2層間絶縁層42を含む全面には、絶縁性の保護膜43が設けられている。保護膜43の上には例えばガラスから成る基板60が配されているが、保護膜43と基板60とは、紫外線硬化型接着剤から成る接着層44によって接着されている。発光した光は、基板60を通過して、外部に出射される。第1発光部ELPのアノード電極を構成する下部電極51は、層間絶縁層41に設けられたコンタクトプラグ52を介して電極38に接続されている。第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のカソード電極を構成する中間電極55は、第2層間絶縁層42に設けられたコンタクトプラグ56を介して、給電線PS2を構成する配線53に接続されている。第2発光部ELP’のアノード電極を構成する上部電極58は、第2層間絶縁層42及び層間絶縁層41に設けられたコンタクトプラグ59を介して、電極38’に接続されている。
図4の(A)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子110において、表示素子110を構成する第1発光素子111と第2発光素子111’が正常に動作しているときの状態を模式的に示した図である。図4の(B)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子110において、表示素子110を構成する第1発光素子111は正常に動作しているが、第2発光素子111’を構成する第2発光部ELP’が短絡不良を起こしているときの状態を模式的に示した図である。尚、便宜のため、図4の(A)及び(B)においては、発光部ELP,ELP’の容量の図示を省略した。
図4の(A)及び(B)を参照して、実施例1の表示装置を構成する表示素子110の動作を説明する。説明の便宜のため、表示素子110にあっては、設計上、第1発光素子111と第2発光素子111’とは、略同様の電気的特性を備えているとする。即ち、設計上、第1発光部ELPの電気的特性と第2発光部ELP’の電気的特性は略同様であり、第1駆動トランジスタTRDの電気的特性と第2駆動トランジスタTRD’の電気的特性とは略同様である。書込みトランジスタTRWと書込みトランジスタTRW’、容量部C1と容量部C1’においても同様である。
説明の便宜のため、電流増加手段113にあっては、補助トランジスタ114は、設計上、第1駆動トランジスタTRD及び第2駆動トランジスタTRD’と略同様の電気的特性を備えているとする。また、電流増加手段113を構成するトランジスタ115とトランジスタ116は、設計上、略同様の電気的特性を備えているとする。
図4の(A)を参照して、第1発光素子111と第2発光素子111’が正常に動作しているときの動作を説明する。
走査線SCLmからの信号によりオン状態とされた書込みトランジスタTRW,TRW’を介して、信号出力回路102から所定の映像信号VSigが第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極に印加される。その後、書込みトランジスタTRW,TRW’がオフ状態となっても、容量部C1,C1’により、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極とソース領域の間の電圧、及び、第2駆動トランジスタTRD'のゲート電極とソース領域の間の電圧は、映像信号VSigに応じて或る所定の電圧に保持される。
第1駆動トランジスタTRDを介して第1発光部ELPに流れる電流は、第1駆動トランジスタTRDのソース領域からドレイン領域へと流れるドレイン電流Idsである。第1駆動トランジスタTRDが飽和領域において理想的に動作するとすれば、ドレイン電流Idsは、以下の式(1)で表すことができる。
ds=k・μ・(Vgs−Vth2 (1)
但し、
μ :実効的な移動度
L :チャネル長
W :チャネル幅
gs:第1駆動トランジスタTRDのソース領域とゲート電極との間の電圧
th:第1駆動トランジスタTRDの閾値電圧
ox:(ゲート絶縁層の比誘電率)×(真空の誘電率)/(ゲート絶縁層の厚さ)
k≡(1/2)・(W/L)・Cox
とする。尚、第2駆動トランジスタTRD’の電気的特性は第1駆動トランジスタTRDの電気的特性と同様であり、上述した式(1)や各種パラメータの値は第2駆動トランジスタTRD’においても同様であるとする。
第2駆動トランジスタTRD’を介して第2発光部ELP’を流れる電流も、第2駆動トランジスタTRD’のソース領域からドレイン領域へと流れるドレイン電流Ids’である。第2駆動トランジスタTRD’のソース領域とゲート電極との間の電圧は、第1駆動トランジスタTRDのソース領域とゲート電極との間の電圧と同様であるから、Ids’=Idsである。
図4の(A)に示す状態においては、第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部の電圧と、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部の電圧とは、同様の電圧である。トランジスタ115は、ゲート電極に印加される第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’との接続部の電圧に基づいて動作し、トランジスタ116は、ゲート電極に印加される第1発光部ELPと第1駆動トランジスタTRDとの接続部の電圧に基づいて動作する。
即ち、トランジスタ115,116の一方のソース/ドレイン領域は、オン状態の補助トランジスタ114を介して電圧VCCが印加される給電線PS1mに接続された状態にある。第1発光部ELP及び第2発光部ELP’の閾値電圧等の特性にもよるが、基本的には、トランジスタ115,116の他方のソース/ドレイン領域及びゲート電極には、トランジスタ115,116の一方のソース/ドレイン領域に印加される電圧よりも低い電圧が印加された状態にある。トランジスタ115とトランジスタ116はオン状態にあり、そのオン抵抗の値は同様である。
また、補助トランジスタ114のソース領域とゲート電極との間の電圧も、第1駆動トランジスタTRDのソース領域とゲート電極との間の電圧と同様である。補助トランジスタ114は飽和領域において理想的に動作し、且つ、トランジスタ115とトランジスタ116によって電流値の制限を受けないとすれば、補助トランジスタ114に流れるドレイン電流Iad=Idsである。そして、補助トランジスタ114に流れるドレイン電流Iadは、トランジスタ115とトランジスタ116によって分流される。トランジスタ115に流れる電流Iad_Aとトランジスタ116に流れる電流Iad_Bは、共にIad/2であり、更には、共にIds/2である。
第1発光部ELPには、電流Idsに加えて電流Iad_Aが流れ、第2発光部ELP’には、電流Ids’に加えて電流Iad_Bが流れる。そして、上述したように、Ids’=Idsであり、Iad_A=Iad_B=Ids/2である。従って、第1発光部ELPと第2発光部ELP’には、それぞれ、1.5×Idsに相当する電流が流れる。第1発光部ELPと第2発光部ELP’とは、共に、1.5×Idsに相当する電流の値に応じた輝度で発光する。
次いで、図4の(B)を参照して、一方の発光部が正常に動作していない場合の動作を説明する。より具体的には、第2発光部ELP’が短絡不良を起こしているときの動作について説明する。尚、図4の(B)においては、第2駆動トランジスタTRD’に流れるドレイン電流の表示を省略した。
図4の(B)に示すように、第2発光部ELP’が短絡不良を起こしている状態は、模式的には、第2発光部ELP’の両端が短絡抵抗RSrtで接続されているとして表すことができる。ここで、RSrtが充分小さいとすれば、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’の接続部の電圧は、略VCat(=0ボルト)である。この状態においては、図4の(A)に示す状態よりも、トランジスタ115のゲート電極の電圧は低下する。一方、トランジスタ116のゲート電極の電圧は、基本的にそれほど大きく変化することはない。
従って、トランジスタ115のオン抵抗の値は、トランジスタ116のオン抵抗の値よりも小さくなる。そして、トランジスタ115に流れる電流Iad_Aとトランジスタ116に流れる電流Iad_Bとの関係は、Iad_A>Iad_Bとなる。これにより、正常に動作する他方の発光素子111はより高い輝度で発光するように動作する。トランジスタ115,116の閾値電圧の設定等にもよるが、例えば図4の(B)において電流の大部分がトランジスタ115を流れるとすれば、第1発光部ELPは略2×Idsに相当する電流の値に応じた輝度で発光する。
以上説明したように、実施例1にあっては、表示装置の周辺回路の構成を複雑にすることなく、一方の発光部が短絡不良を起こして正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。一方の発光部が開放不良を起こして正常に動作しない場合においても、レーザリペア等の技術を用いてこの発光部を短絡させることにより、同様に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。
また、補助トランジスタ114のサイズを、トランジスタTRD,TRD’のN0倍とすることで、ドレイン電流Iad=N0×Idsとして、補助トランジスタ114に流れる電流量を適切に調整することもできる。値N0は、表示素子の設計に応じて適宜設定すればよい。後述する他の実施例においても同様である。
また、実施例1にあっては、所定の発光色を示す第1発光部ELPと、第1発光部ELPの上側に設けられた、該所定の発光色を示す第2発光部ELP’を備えている。これにより、一部の発光部が動作不良により非発光状態になったとしても、表示素子における発光領域の一部が欠けたように視認されることがない。従って、一部の発光部が動作不良により非発光状態となっても、発光領域の一部が欠けたように視認されることもない。
実施例1の表示装置及び表示素子110の製造方法の概要を、以下、図5の(A)乃至(C)、図6の(A)及び(B)、図7の(A)及び(B)、図8の(A)及び(B)、図9の(A)及び(B)、並びに、図10の(A)及び(B)を参照して説明する。
[工程−100](図5の(A)及び(B)参照)
支持体20上に、副画素を構成する表示素子110毎に、第1駆動回路112、第2駆動回路112’、電流増加手段113を構成するTFTを周知の方法で作製する。尚、図5の(A)においては、図3と同様に、駆動トランジスタTRDのみを図示する。他のトランジスタは隠れて見えない。
図5の(B)は、第2駆動トランジスタTRD’を構成するTFTを示す。他のトランジスタは隠れて見えない。尚、以下の説明において参照する図面のうち、図5の(B)のみが場所を異にした支持体20等の模式的な一部端面図である。第2駆動トランジスタTRD’の構成は、第1駆動トランジスタTRDの構成と同様であるので説明を省略する。尚、図5の(B)においては、区別のため、第2駆動トランジスタTRD’の構成要素の参照番号にはダッシュを付して表した。尚、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極31と、第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極31’とは接続されているが、接続部は隠れて見えない。
また、図5の(A)及び(B)に示すように、容量部C1を構成する電極37と、容量部C1’を構成する電極37’とを、支持体20上に形成した。電極37,37’を、ゲート電極31,31’の形成プロセスにおいて同時に形成したが、これに限るものではない。尚、図示した例にあっては、TFTをボトムゲート型としたが、トップゲート型であってもよい。
[工程−110](図5の(C)参照)
次いで、全面に、導電材料層を形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、電極38,38’、及び、配線39を形成する。配線39における電極37と対向する部分が、容量部C1の他方の電極に相当する。
尚、電極38’と第2駆動トランジスタTRD’のソース/ドレイン領域36’との接続部は隠れて見えない。また、配線39は第1駆動トランジスタTRDのソース/ドレイン領域35の他、第2駆動トランジスタTRD’のソース/ドレイン領域35’にも接続されているが、この接続部も隠れて見えない。図示されてはいないが、配線39における電極37’と対向する部分が、容量部C1’の他方の電極に相当する。
[工程−120](図6の(A)及び(B)参照)
その後、支持体20上に、TFT、電極38,38’、及び、配線39を覆うように、SiO2から成る層間絶縁層41をCVD法にて成膜する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、層間絶縁層41に、底部に電極38の上面が露出した開口部52’を形成する。また、併せて、底部に電極38’の上面が露出するように、後述する開口部59’に相当する層間絶縁層41の部分を除去する。尚、層間絶縁層41を、ポリイミド樹脂等から成る有機絶縁層から構成してもよいし、SiO2等の無機絶縁層とポリイミド樹脂等の有機絶縁層の積層構造として構成してもよい。
その後、層間絶縁層41上に、真空蒸着法とエッチング法との組合せに基づき、アルミニウムから成る下部電極51を形成し、併せて、配線53を形成する。尚、下部電極51は、開口部52’内に設けられたコンタクトプラグ52を介して、電極38に電気的に接続されている。
[工程−130](図7の(A)参照)
次いで、全面に、第2層間絶縁層42を形成する。具体的には、スピンコーティング法に基づき、厚さ1μmのポリイミド樹脂から成る第2層間絶縁層42を形成する。尚、第2層間絶縁層42を、SiO2等の無機絶縁層から構成してもよい。
[工程−140](図7の(B)及び図8の(A)参照)
その後、第1有機層54を形成する。先ず、底部に下部電極51が露出した開口部54’をエッチング法に基づき形成する。尚、開口部54’を囲む第2層間絶縁層42の部分は、なだらかな斜面を構成していることが好ましい。併せて、底部に配線53が露出した開口部56’と、底部に電極38’が露出した開口部59’を形成する。
そして、開口部54’の底部に露出した下部電極51の部分の上から、開口部54’を取り囲む第2層間絶縁層42の部分に亙り、第1有機層54を形成する。尚、第1有機層54は、例えば、有機材料から成る正孔輸送層、電子輸送層を兼ねた発光層が順次積層されている。尚、便宜のため、図においては、第1有機層54を1層として表した。他の実施例において参照する図面においても同様である。
具体的には、下部電極51の表面の有機付着物の除去、正孔注入性の向上のために、プラズマ処理を行う。導入するガスとして、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガスを挙げることができるが、実施例1にあっては、具体的には、処理パワー100W、処理時間180秒の酸素プラズマ処理を行う。第2層間絶縁層42の表面は、酸素プラズマ処理によって化学的に活性な状態となる。
次いで、第2層間絶縁層42の上方に各副画素を構成する第1有機層54を形成するためのメタルマスク(図示せず)を配置した状態で、抵抗加熱に基づき、有機材料を真空蒸着する。有機材料は、メタルマスクに設けられた開口を通過し、副画素を構成する開口部54’の底部に露出した下部電極51の部分の上から、開口部54’を取り囲む第2層間絶縁層42の部分に亙り堆積する。
緑色発光副画素を構成する表示素子110における第1有機層54にあっては、正孔注入層として、例えば、m−MTDATA[4,4',4"-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine]を25nmの膜厚で蒸着させる。次に、正孔輸送層として、例えば、α−NPD[4,4-bis(N-1-naphthyl-N-phenylamino)biphenyl]を30nmの膜厚で蒸着する。次いで、電子輸送層を兼ねる発光層として、例えば、Alq3[tris(8-quinolinolato)aluminum(III)]を50nmの膜厚で蒸着する。これらの層は、同一の真空蒸着装置内で連続して蒸着する。
また、青色発光副画素を構成する表示素子110における第1有機層54にあっては、正孔注入層として、例えば、m−MTDATAを18nmの膜厚で蒸着する。次いで、正孔輸送層として、例えば、α−NPDを30nmの膜厚で蒸着する。更に、正孔ブロック層を兼ねる発光層として、例えば、バソクプロイン[Bathocuproine:2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10phenanthroline]を14nmの膜厚で蒸着した後、発光層として、例えば、Alq3を例えば30nmの膜厚で蒸着する。これらの層は、同一の真空蒸着装置内で連続して蒸着する。
更には、赤色発光副画素を構成する表示素子110における第1有機層54にあっては、正孔注入層として、例えば、m−MTDATAを55nmの膜厚で蒸着する。次いで、正孔輸送層として、例えば、α−NPDを30nmの膜厚で蒸着する。更には、発光層として、例えば、BSB−BCN[2,5-bis{4-(N-methoxyphenyl-N-phenylamino)styryl}benzene-1,4-dicarbonitrile]を蒸着した後、電子輸送層として、例えば、Alq3を30nmの膜厚で蒸着する。これらの層は、同一の真空蒸着装置内で連続して蒸着する。
[工程−150](図8の(B)参照)
その後、中間電極55を形成する。第2層間絶縁層42の上方に中間電極55を形成するためのメタルマスク(図示せず)を配置した状態で、第1有機層54に対して影響を及ぼすことのない程度に成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法である真空蒸着法に基づき、中間電極55の形成を行う。第1有機層54の形成と同一の真空蒸着装置内において連続して中間電極55の形成を行うことで、大気中の水分や酸素による第1有機層54等の劣化を防止することができる。例えば、Mg−Ag(体積比10:1)の共蒸着膜を成膜することで、中間電極55を得ることができる。中間電極55は、コンタクトプラグ56を介して配線53と電気的に接続されている。
[工程−160](図9の(A)参照)
その後、第2有機層57を形成する。具体的には、中間電極55を概ね覆うように第2有機層57を形成するためのメタルマスク(図示せず)を中間電極55の上方に配置した状態で、抵抗加熱に基づき、有機材料を真空蒸着する。有機材料は、メタルマスクに設けられた開口を通過し、中間電極55上に堆積する。尚、後述する上部電極58と中間電極55とが直接接触しないように、第2有機層57は、開口部59’付近の中間電極55の縁を覆うように、第2層間絶縁層42上に亙り、形成されている。
表示素子110における第2有機層57の形成方法は、積層の順序を逆にする他は、第1有機層54において説明したと同様である。例えば、緑色発光副画素を構成する表示素子110における第2有機層57にあっては、電子輸送層を兼ねる発光層として、例えば、Alq3を50nmの膜厚で蒸着する。次に、正孔輸送層として、例えば、α−NPDを30nmの膜厚で蒸着した後、正孔注入層として、例えば、m−MTDATAを25nmの膜厚で蒸着させる。これらの層は、同一の真空蒸着装置内で連続して蒸着する。尚、便宜のため、図においては、第2有機層57を1層として表した。他の実施例において参照する図面においても同様である。青色発光副画素を構成する表示素子110における第2有機層57、赤色発光副画素を構成する表示素子110における第2有機層57の形成方法も、積層の順序を逆にする他は、第1有機層54において説明したと同様であるので、説明を省略する。
[工程−170](図9の(B)参照)
次いで、副画素を構成する表示素子110毎に、第2有機層57の上方に上部電極58を形成するためのメタルマスク(図示せず)を配置した状態で、第2有機層57に対して影響を及ぼすことのない程度に成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法である真空蒸着法に基づき、副画素を構成する表示素子110毎に上部電極58の形成を行う。第2有機層57を大気に暴露することなく、第2有機層57の形成と同一の真空蒸着装置内において連続して上部電極58の形成を行うことで、大気中の水分や酸素による第2有機層57等の劣化を防止することができる。具体的には、ITOの蒸着膜を成膜することで、上部電極58を得ることができる。上部電極は、コンタクトプラグ59を介して、電極38’と電気的に接続されている。
[工程−180](図10の(A)参照)
次いで、全面に、窒化シリコン(Si1-xx)から成る絶縁性の保護膜43をCVD法に基づき形成する。保護膜43の形成は、上部電極58を大気に暴露することなく、連続して行うことで、大気中の水分や酸素による第2有機層57等の劣化を防止することができる。また、有機材料から成る保護膜を真空蒸着法に基づき形成してもよい。
[工程−190](図10の(B)参照)
その後、保護膜43と基板60とを、紫外線硬化型接着剤から成る接着層44によって接着する。最後に、外部回路との接続を行うことで、表示装置を完成させることができる。尚、保護膜43上に透明基板を配置し、外周部を接着剤等で封止した状態で、表示領域を覆う空間に充填剤を充填した構成としてもよい。あるいは、該空間内に窒素ガス等の不活性ガスを封入するとともに、該空間に連通する領域に乾燥剤を封入した構成としてもよい。後述する他の実施例においても同様である。
実施例2は実施例1の変形である。実施例2も、本発明の表示素子、及び、本発明の表示装置に関する。実施例2の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子210の等価回路図を図11に示す。実施例2においては、一方の発光部が開放不良を起こして正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。
図11に示すように、実施例2の表示素子210も、電流増加手段213を備えている。実施例1においては、電流増加手段113を構成する第1スイッチング手段115と第2スイッチング手段116が、pチャネル型トランジスタから構成されている。これに対し、実施例2においては、電流増加手段213を構成する第1スイッチング手段215と第2スイッチング手段216が、nチャネル型トランジスタから構成されている。上述した点が相違する他、実施例2の表示素子210の構成は、実施例1の表示素子110において説明したと同様である。図11に示す補助トランジスタ214は、実施例1において説明した補助トランジスタ114と同様の構成であるので説明を省略する。
上述したように、図11に示す第1発光素子211及び第1駆動回路212の構成は、実施例1において説明した第1発光素子111及び第1駆動回路112と同様である。同様に、図11に示す第2発光素子211’及び第2駆動回路212’の構成は、実施例1において説明した第2発光素子111’及び第2駆動回路112’と同様である。これらについての説明は省略する。
表示素子210を備えた実施例2の表示装置の概念図は、実施例1において参照した図2において、表示素子110を表示素子210と、第1発光素子111を第1発光素子211と、第2発光素子111’を第2発光素子211’と、電流増加手段113を電流増加手段213と置き換えたと同様である。実施例2の表示装置の概念図は省略する。また、実施例2の表示装置の模式的な一部断面図も、実施例1において参照した図3において、上述したように参照番号を置き換えたと同様である。実施例2の表示装置の模式的な一部断面図は省略する。
図12の(A)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子210において、表示素子210を構成する第1発光素子211と第2発光素子211’が正常に動作しているときの状態を模式的に示した図である。図12の(B)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子210において、表示素子210を構成する第1発光素子211は正常に動作しているが、第2発光素子211’を構成する第2発光部ELP’が開放不良を起こしているときの状態を模式的に示した図である。尚、便宜のため、図12の(A)及び(B)においては、発光部ELP,ELP’の容量の図示を省略した。
図12の(A)及び(B)を参照して、実施例2の表示装置を構成する表示素子210の動作を説明する。説明の便宜のため、実施例1と同様に、電流増加手段213を構成するトランジスタ215とトランジスタ216は、設計上、略同様の電気的特性を備えているとする。
図12の(A)を参照して、第1発光素子211と第2発光素子211’が正常に動作しているときの動作を説明する。
実施例1において説明したように、走査線SCLmからの信号によりオン状態とされた書込みトランジスタTRW,TRW’を介して、信号出力回路102から所定の映像信号VSigが第1駆動トランジスタTRDのゲート電極と第2駆動トランジスタTRD’のゲート電極に印加される。その後、書込みトランジスタTRW,TRW’がオフ状態となっても、容量部C1,C1’により、第1駆動トランジスタTRDのゲート電極とソース領域の間の電圧、及び、第2駆動トランジスタTRD'のゲート電極とソース領域の間の電圧は、映像信号VSigに応じて或る所定の電圧に保持される。
また、実施例1において説明したように、第1駆動トランジスタTRDを介して第1発光部ELPに流れる電流は、第1駆動トランジスタTRDのドレイン領域からソース領域へと流れるドレイン電流Idsである。第1駆動トランジスタTRDが飽和領域において理想的に動作するとすれば、ドレイン電流Idsは、上述した式(1)で表すことができる。第2駆動トランジスタTRD’のソース領域とゲート電極との間の電圧は、第1駆動トランジスタTRDのソース領域とゲート電極との間の電圧と同様であるから、Ids’=Idsである。
実施例1において説明したように、補助トランジスタ214は飽和領域において理想的に動作し、且つ、トランジスタ215とトランジスタ216によって電流値の制限を受けないとすれば、補助トランジスタ214に流れるドレイン電流Iad=Idsである。
しかしながら、実施例2においては、トランジスタ215とトランジスタ216はnチャネル型トランジスタから成る。トランジスタ215,216の一方のソース/ドレイン領域は、オン状態の補助トランジスタ214を介して電圧VCCが印加される給電線PS1mに接続された状態にあり、基本的には、トランジスタ215,216の他方のソース/ドレイン領域及びゲート電極には、トランジスタ215,216の一方のソース/ドレイン領域に印加される電圧よりも低い電圧が印加された状態にある。従って、トランジスタ215とトランジスタ216はオフ状態にあり、そのオフ抵抗の値は同様である。補助トランジスタ214には、リーク電流程度に値が制限された電流Iadが流れる。トランジスタ215に流れる電流Iad_Aとトランジスタ216に流れる電流Iad_Bは、共にIad/2である。
第1発光部ELPには、電流Idsに加えて電流Iad_Aが流れ、第2発光部ELP’には、電流Ids’に加えて電流Iad_Bが流れる。図12の(A)に示す電流Iadの値が充分小さいとすれば、第1発光部ELPと第2発光部ELP’には、それぞれ、Idsに相当する電流が流れる。第1発光部ELPと第2発光部ELP’とは、共に、Idsに相当する電流の値に応じた輝度で発光する。
次いで、図12の(B)を参照して、一方の発光部が正常に動作していない場合の動作を説明する。より具体的には、第2発光部ELP’が開放不良を起こしているときの動作について説明する。尚、図12の(B)においては、第2駆動トランジスタTRD’に流れるドレイン電流の表示を省略した。
図12の(B)に示すように、第2発光部ELP’が開放不良を起こしている状態は、模式的には、第2発光部ELP’が開放抵抗ROpnと直列に接続されているとして表すことができる。ここで、ROpnが充分大きいとすれば、第2発光部ELP’と第2駆動トランジスタTRD’の接続部の電圧は、略VCC(=20ボルト)である。この状態においては、図12の(B)に示す状態よりも、トランジスタ215のゲート電極の電圧は上昇する。一方、トランジスタ216のゲート電極の電圧は、基本的にそれほど大きく変化することはない。
従って、トランジスタ215はオン状態となる。補助トランジスタ214を流れる電流の値がトランジスタ215とトランジスタ216によって制限を受けないとすれば、補助トランジスタ214に流れるドレイン電流Iad=Idsであり、その大部分は、トランジスタ215を介して流れる。これにより、正常に動作する他方の発光素子211はより高い輝度で発光するように動作する。トランジスタ215,216の閾値電圧の設定等にもよるが、例えば図12の(B)において電流の大部分がトランジスタ215を流れるとすれば、第1発光部ELPは略2×Idsに相当する電流の値に応じた輝度で発光する。
以上説明したように、実施例2にあっては、表示装置の周辺回路の構成を複雑にすることなく、一方の発光部が開放不良を起こして正常に動作しない場合に、正常に動作する他方の発光素子を本来よりも高い輝度となるように発光させることができる。尚、第1発光部ELP及び第2発光部ELP’のいずれか一方が短絡状態にあり、レーザリペア等の周知の技術により短絡状態にある発光部と駆動回路とを切り離した場合においても、上述したように動作する。
また、実施例2においても、一部の発光部が動作不良により非発光状態になったとしても、表示素子における発光領域の一部が欠けたように視認されることがない。従って、一部の発光部が動作不良により非発光状態となっても、発光領域の一部が欠けたように視認されることもない。
実施例3も実施例1の変形である。実施例3も、本発明の表示素子、及び、本発明の表示装置に関する。実施例3の表示素子は、実施例1の表示素子に対し、電流増加手段が第3スイッチング手段を備えている点が主に相違する。
実施例3の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子310の等価回路図を図13に示す。表示素子310を備えた実施例3の表示装置の概念図を図14に示す。
図13に示すように、実施例3の表示素子310も、電流増加手段313を備えている。図13に示す補助トランジスタ314の構成は、実施例1において説明した補助トランジスタ114の構成と同様である。また、第1スイッチング手段315と第2スイッチング手段316の構成は、実施例1において説明した第1スイッチング手段115と第2スイッチング手段116の構成と同様である。これらについての説明は省略する。
実施例1において図1を参照して説明したが、実施例1の表示素子110にあっては、電流増加手段113を構成する補助トランジスタ114の一方のソース/ドレイン領域は、直接給電線PS1mに接続されている。これに対し、実施例3においては、電流増加手段313は、更に、第3スイッチング手段317を備えている。第3スイッチング手段317は、補助トランジスタ314の一方のソース/ドレイン領域と、第1電圧VCCが印加される給電線PS1mとの間に接続されている。
即ち、実施例3の表示素子310にあっては、第3スイッチング手段317の一端は、補助トランジスタ314の一方のソース/ドレイン領域に接続されており、前記第1電圧VCCは、第3スイッチング手段317を介して補助トランジスタ314の一方のソース/ドレイン領域に印加される。尚、実施例3にあっては、第3スイッチング手段317は、書込みトランジスタTRW,TRW’と同様に、nチャネル型トランジスタから構成されている。以下、説明の便宜のため、第3スイッチング手段317を構成するトランジスタを単にトランジスタ317と表す。トランジスタ317のゲート電極は、第2走査回路300に接続された制御線CLmに接続されている。上述した点が相違する他、実施例3の表示素子310の構成は、実施例1の表示素子110において説明したと同様である。
上述したように、図13に示す第1発光素子311及び第1駆動回路312の構成は、実施例1において説明した第1発光素子111及び第1駆動回路112と同様である。同様に、図13に示す第2発光素子311’及び第2駆動回路312’の構成は、実施例1において説明した第2発光素子111’及び第2駆動回路112’と同様である。これらについての説明は省略する。
断面図において電流増加手段313や制御線CLm等が隠れているとすれば、実施例3の表示装置の模式的な一部断面図も、実施例1において参照した図3と同様である。即ち、図3において、表示素子110を表示素子310と、第1発光素子111を第1発光素子311と、第2発光素子111’を第2発光素子311’と、電流増加手段113を電流増加手段313と置き換えたと同様である。実施例3の表示装置の模式的な一部断面図は省略する。
実施例1において説明した式(1)に示すように、第1駆動トランジスタTRDを流れるドレイン電流は、第1駆動トランジスタTRDにおけるソース領域とゲート電極との間の電圧Vgsの値、及び、閾値電圧Vthの値により定まる。第2駆動トランジスタTRD’においても同様である。従って、ソース領域とゲート電極との間の電圧Vgsの値が同じであっても、トランジスタTRD等の閾値電圧Vthがばらつくと、表示素子の輝度もばらつく。これにより、表示装置に表示される画像の輝度の均一性が悪化する。そして、トランジスタTRD等をTFTから構成した場合には、或る程度閾値電圧がばらつくことは避け難い。
このため、トランジスタの閾値電圧のばらつきがドレイン電流に影響を与えないように表示素子を駆動するための駆動方法が、種々提案されている。このような表示素子の駆動方法にあっては、例えばトランジスタTRD,TRD’の一方のソース/ドレイン領域に、第1電圧VCCの値とは異なる値の初期化電圧等を印加する工程が必要となる。しかしながら、このような工程を行うにあたり、初期化電圧等が補助トランジスタ314に印加されたままであると、動作に不都合を生ずる場合がある。
実施例3においては、第3スイッチング手段を構成するトランジスタ317は、補助トランジスタ314の一方のソース/ドレイン領域と、第1電圧VCCが印加される給電線PS1mとの間に接続されている。従って、例えば、給電線PS1mに上述した初期化電圧等が印加されているときには、第2走査回路300からの信号を制御線CLmを介してトランジスタ317のゲート電極に印加し、トランジスタ317をオフ状態とする。一方、給電線PS1mに第1電圧VCCが印加されているときには、トランジスタ317をオン状態とする。これにより、特に不都合を生ずることなく、トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきがドレイン電流に影響を与えないように表示素子を駆動することができる。どのようなタイミングで第3スイッチング手段317を制御するかは、表示素子及び表示装置の仕様や駆動方法に応じて、適宜設定すればよい。
実施例4も実施例1の変形である。実施例4も、本発明の表示素子、及び、本発明の表示装置に関する。実施例4の表示素子は、実施例1の表示素子に対し、第1発光部ELPと第2発光部ELP’の積層構造が異なる他、実施例1の表示素子と同様である。
図15は、実施例4の表示装置の模式的な一部断面図である。実施例4の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子410の等価回路図は、実施例1において参照した図1において、表示素子110を表示素子410と、第1発光素子111を第1発光素子411と、第2発光素子111’を第2発光素子411’と、第1駆動回路112を第1駆動回路412と、第2駆動回路112’を第2駆動回路412’と、電流増加手段113を電流増加手段413と置き換えたと同様である。実施例4の表示素子410の等価回路図は省略する。また、実施例4の表示装置の概念図も、上述したように参照番号を置き換えたと同様である。実施例4の表示装置の概念図も省略する。
第1駆動回路412と第2駆動回路412’の構成は、実施例1において説明した第1駆動回路112と第2駆動回路112’の構成と同様である。電流増加手段413の構成は、実施例1において説明した電流増加手段113の構成と同様である。これらについての説明は省略する。また、表示装置410の動作も、実施例1において説明した表示素子110の動作と同様であるので、説明を省略する。
後述するように、実施例4の表示素子410を構成する第1中間電極は、実施例1において説明した中間電極55と同様の構成である。説明の便宜のため、実施例4においては、第1中間電極についても参照番号55を付して説明する。
図15に示すように、第1発光部ELPは、
(D−1)下部電極51、
(D−2)下部電極51の上に設けられた、発光層を含む第1有機層54、及び、
(D−3)第1有機層54の上に設けられた、光透過性を有する第1中間電極55、
から構成されており、
第2発光部ELP’は、
(E−1)該第1中間電極55の上に、光透過性を有する絶縁層445を介して設けられた、光透過性を有する第2中間電極455、
(E−2)第2中間電極455の上に設けられた、発光層を含む第2有機層457、及び、
(E−3)上部電極458、
から構成されている。また、下部電極51及び上部電極458の少なくとも一方は光透過性を有している。実施例4の表示装置も上面発光型であり、上部電極458は光透過性を有している。
第1駆動回路412及び第2駆動回路412’を構成する各トランジスタや容量部C1,C1’、並びに、電流増加手段413を構成する各トランジスタは、支持体20上に形成されている。第1発光部ELP及び第2発光部ELP’は、例えば、層間絶縁層41を介して、各トランジスタや容量部C1,C1’の上方に形成されている。尚、図15においては、第1駆動回路412を構成する第1駆動トランジスタTRDや容量部C1が図示されている。他のトランジスタや容量部は隠れて見えない。
実施例4にあっては、下部電極51と第1中間電極55は、それぞれ、第1発光部ELPのアノード電極とカソード電極を構成し、且つ、第2中間電極455と上部電極458は、それぞれ、第2発光部ELP’のアノード電極とカソード電極を構成するとして説明する。尚、有機層の極性を変えて、下部電極51と第1中間電極55は、それぞれ、第1発光部ELPのカソード電極とアノード電極を構成し、且つ、第2中間電極455と上部電極458は、それぞれ、第2発光部ELP’のカソード電極とアノード電極を構成する態様とすることもできる。
図15を参照して説明する。実施例1と同様に、駆動トランジスタTRD、容量部C1等は、層間絶縁層41で覆われている。層間絶縁層41上に、第1発光部ELPが設けられている。また、給電線PS2に相当する配線53が、層間絶縁層41上に設けられている。第1発光部ELPが設けられていない層間絶縁層41の部分の上には、第2層間絶縁層42が設けられている。第1発光部ELPのアノード電極を構成する下部電極51は、層間絶縁層41に設けられたコンタクトプラグ52を介して電極38に接続されている。第1発光部ELPのカソード電極を構成する第1中間電極55は、第2層間絶縁層42に設けられたコンタクトプラグ56を介して、給電線PS2を構成する配線53に接続されている。以上の構造は、実施例1において説明したと同様である。
実施例4においては、第1発光部ELPを含む全面に、光透過性を有する絶縁層445が形成されている。そしてその上に、第2中間電極455、第2有機層457、上部電極458が積層され、第2発光部ELP’を構成する。第2発光部ELP’が設けられていない絶縁層445の部分の上には、第3層間絶縁層446が設けられている。第2発光部ELP’のアノード電極を構成する第2中間電極455は、絶縁層445、第2層間絶縁層42、及び、層間絶縁層41に設けられたコンタクトプラグ456を介して電極38’に接続されている。第2発光部ELP’のカソード電極を構成する上部電極458は、第3層間絶縁層446、絶縁層445、及び、第2層間絶縁層42に設けられたコンタクトプラグ459を介して(図に示す例では、更にコンタクトプラグ56を介して)、給電線PS2を構成する配線53に接続されている。第2発光部ELP’及び第3層間絶縁層446を含む全面には、絶縁性の保護膜447が設けられている。保護膜447の上には例えばガラスから成る基板60が配されているが、保護膜447と基板60とは、紫外線硬化型接着剤から成る接着層44によって接着されている。発光した光は、基板60を通過して、外部に出射される。
実施例1とは異なり、実施例4の表示素子410にあっては、第1有機層54と第2有機層457とは同じ極性を備えている。これにより、第1有機層54と第2有機層457の製造プロセスを共通化することができるといった利点を有する。
実施例4の表示装置及び表示素子410の製造方法の概要を、以下、図16の(A)及び(B)、図17の(A)及び(B)、図18の(A)及び(B)、図19の(A)及び(B)、並びに、図20の(A)及び(B)を参照して説明する。
[工程−400]
先ず、実施例1の[工程−100]乃至[工程−130]と同様にして、実施例1において参照した図7の(A)に示す構造を得る。
[工程−410](図16の(A)及び(B)参照)
次いで、第1有機層54と第1中間電極55を形成する。先ず、実施例1の[工程−140]と基本的には同様の工程を行い、第1有機層54を形成する。尚、実施例1において説明した開口部56’を形成すると共に、後述する開口部456’に対応する部分の第2層間絶縁層42を除去する。その後、実施例1の[工程−150]と同様の工程を行い、第1中間電極55の形成を行う。即ち、第2層間絶縁層42の上方に第1中間電極55を形成するためのメタルマスク(図示せず)を配置した状態で、第1有機層54に対して影響を及ぼすことのない程度に成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法である真空蒸着法に基づき、第1中間電極55の形成を行う。第1中間電極55は、コンタクトプラグ56を介して配線53と電気的に接続されている。
[工程−420](図17の(A)参照)
次いで、全面に、光透過性を有する絶縁層445を形成する。実施例4にあっては、窒化シリコン(Si1-xx)から成る絶縁層445をCVD法に基づき形成する。絶縁層445の形成は、第1中間電極55を大気に暴露することなく、連続して行うことで、大気中の水分や酸素による第1有機層54等の劣化を防止することができる。尚、CVDによるダメージが問題となるような場合には、絶縁層445を例えば真空蒸着法等により形成すればよい。
[工程−430](図17の(B)及び図18の(A)参照)
その後、第2中間電極455を形成する。先ず、底部に電極38’が露出した開口部456’をエッチング法に基づき形成する。併せて、後述する開口部459’に対応する部分の絶縁層445を除去する。次いで、絶縁層445上に、真空蒸着法とエッチング法との組合せに基づき、ITOから成る第2中間電極455を形成する。第2中間電極455は、開口部456’内に設けられたコンタクトプラグ456を介して、電極38’に電気的に接続されている。尚、エッチングによるダメージを避けるため、絶縁層445をマスクを用いて成膜することにより、開口部456’を形成してもよい。同様に、第2中間電極455を、マスクを用いて形成してもよい。
[工程−440](図18の(B)参照)
その後、全面に、第3層間絶縁層446を形成する。具体的には、実施例1の[工程−130]と同様にして、スピンコーティング法に基づき、厚さ1μmのポリイミド樹脂から成る第3層間絶縁層446を形成する。
[工程−450](図19の(A)及び(B)参照)
次いで、実施例1の[工程−140]と同様の工程により、底部に第2中間電極455が露出した開口部457’をエッチング法に基づき形成する。また、併せて、底部にコンタクトプラグ56が露出した開口部459’をエッチング法に基づき形成する。尚、開口部459’の底部に配線53が露出する構成であってもよい。
尚、[工程−440]において、第3層間絶縁層446を、例えば真空蒸着法によりマスクを用いて成膜することにより、開口部457’等を形成してもよい。この場合には、[工程−450]は不要である。
開口部457’を囲む第3層間絶縁層446の部分は、なだらかな斜面を構成していることが好ましい。その後、開口部457’の底部に露出した第2中間電極455の部分の上から、開口部457’を取り囲む第3層間絶縁層446の部分に亙り、第2有機層457を形成する。
尚、実施例1では、第2有機層を形成する際には、第1有機層と積層の順序を逆にした。これに対し、実施例4においては、第2有機層は、第1有機層と同様の積層を行う。従って、第1有機層と第2有機層の形成プロセスを共通化することができる。
[工程−460](図20の(A)参照)
次いで、上部電極458の形成を行う。実施例1の[工程−170]と同様にして、第2有機層457の上方に上部電極458を形成するためのメタルマスク(図示せず)を配置した状態で、第2有機層457に対して影響を及ぼすことのない程度に成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法である真空蒸着法に基づき、副画素を構成する表示素子410毎に上部電極458の形成を行う。第2有機層457を大気に暴露することなく、第2有機層457の形成と同一の真空蒸着装置内において連続して上部電極458の形成を行うことで、大気中の水分や酸素による第2有機層457等の劣化を防止することができる。具体的には、第1中間電極55と同様の蒸着膜を成膜することで、上部電極458を得ることができる。上部電極458は、コンタクトプラグ459を介して、配線53と電気的に接続されている。尚、上部電極458を、複数の表示素子410に共通する電極として設ける構成としてもよい。
[工程−470](図20の(B)参照)
その後、実施例1の[工程−180]と同様にして、全面に、窒化シリコン(Si1-xx)から成る絶縁性の保護膜447を真空蒸着法に基づき形成する。保護膜447の形成は、上部電極458を大気に暴露することなく、上部電極458の形成と同一の真空蒸着装置内において連続して行うことで、大気中の水分や酸素による第2有機層457等の劣化を防止することができる。
[工程−480]
次いで、実施例1の[工程−190]と同様にして、保護膜447と基板60とを、紫外線硬化型接着剤から成る接着層44によって接着する。最後に、外部回路との接続を行うことで、図15に示す表示装置を完成させることができる。
以上、好ましい実施例に基づき本発明を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。実施例における表示装置や表示素子の構成、構造、製造方法、表示装置や表示素子を構成する材料等は例示であり、適宜変更することができる。
例えば、実施例1乃至実施例4に示す表示素子にあっては、有機層の極性を変えることにより、カソード電極とアノード電極との関係を入れ替えた構成としてもよい。
実施例1においては、第1駆動回路112と第2駆動回路112’のそれぞれが、書込みトランジスタ及び容量部を備えるとしたが、これに限るものではない。いずれか一方が備えている構成であってもよい。例えば、図21に示すように、第1駆動回路112のみが書込みトランジスタTRWと容量部C1を備えている構成であってもよい。実施例2乃至実施例4においても同様である。
また、実施例1乃至実施例4においては、第1駆動トランジスタTRDと第2駆動トランジスタTRD’がpチャネル型トランジスタから成るとしたが、これに限るものではない。第1駆動トランジスタTRDと第2駆動トランジスタTRD’をnチャネル型トランジスタから構成してもよい。尚、この場合には、電流増加手段を構成する補助トランジスタもnチャネル型トランジスタから構成される。図22は、第1駆動トランジスタTRDと第2駆動トランジスタTRD’をnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例1の表示素子の等価回路図である。図23は、第1駆動トランジスタTRDと第2駆動トランジスタTRD’をnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例2の表示素子の等価回路図である。図24は、第1駆動トランジスタTRDと第2駆動トランジスタTRD’をnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例3の表示素子の等価回路図である。尚、これらの構成にあっては、容量部C1,C1’の他方の電極は、それぞれ、トランジスタTRD,TRD’の他方のソース/ドレイン領域に接続される。
図1は、実施例1の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子の等価回路図である。 図2は、実施例1の表示装置の概念図である。 図3は、実施例1の表示装置の模式的な一部断面図である。 図4の(A)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子において、表示素子を構成する第1発光素子と第2発光素子が正常に動作しているときの状態を模式的に示した図である。図4の(B)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子において、表示素子を構成する第1発光素子は正常に動作しているが、第2発光素子を構成する第2発光部が短絡不良を起こしているときの状態を模式的に示した図である。 図5の(A)乃至(C)は、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図6の(A)及び(B)は、図5の(C)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図7の(A)及び(B)は、図6の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図8の(A)及び(B)は、図7の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図9の(A)及び(B)は、図8の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図10の(A)及び(B)は、図9の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図11は、実施例2の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子の等価回路図である。 図12の(A)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子において、表示素子を構成する第1発光素子と第2発光素子が正常に動作しているときの状態を模式的に示した図である。図12の(B)は、表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子において、表示素子を構成する第1発光素子は正常に動作しているが、第2発光素子を構成する第2発光部が開放不良を起こしているときの状態を模式的に示した図である。 図13は、実施例3の表示装置を構成する第m行、第n列目の表示素子の等価回路図である。 図14は、実施例3の表示装置の概念図である。 図15は、実施例4の表示装置の模式的な一部断面図である。 図16の(A)及び(B)は、実施例4の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図17の(A)及び(B)は、図16の(B)に引き続き、実施例4の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図18の(A)及び(B)は、図17の(B)に引き続き、実施例4の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図19の(A)及び(B)は、図18の(B)に引き続き、実施例4の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図20の(A)及び(B)は、図19の(B)に引き続き、実施例4の表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図21は、第1駆動回路のみが書込みトランジスタと容量部を備えている実施例1の表示素子の等価回路図である。 図22は、第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタをnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例1の表示素子の等価回路図である。 図23は、第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタをnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例2の表示素子の等価回路図である。 図24は、第1駆動トランジスタと第2駆動トランジスタをnチャネル型トランジスタから構成した場合の実施例3の表示素子の等価回路図である。 図25は、駆動回路を備えた有機EL表示素子を用いた、アクティブマトリクス方式の表示装置の概念図を示す。 図26は、有機EL表示素子の等価回路図である。
符号の説明
10・・・有機EL表示素子、11・・・駆動回路、20・・・支持体、31・・・ゲート電極、32,32’・・・ゲート絶縁層、33,33’・・・半導体層、34,34’・・・チャネル形成領域、35,35’・・・ソース/ドレイン領域、36,36’・・・ソース/ドレイン領域、37,37’・・・電極、38,38’・・・電極、39・・・配線、41・・・層間絶縁層、42・・・第2層間絶縁層、43・・・保護膜、44・・・接着層、51・・・下部電極、52・・・コンタクトプラグ、52’・・・開口部、53・・・配線、54・・・第1有機層、54’・・・開口部、55・・・中間電極(第1中間電極)、56・・・コンタクトプラグ、56’・・・開口部、57・・・第2有機層、58・・・上部電極、59・・・コンタクトプラグ、59’・・・開口部、60・・・基板、445・・・絶縁層、446・・・第3層間絶縁層、447・・・保護膜、455・・・第2中間電極、456・・・コンタクトプラグ、456’・・・開口部、457・・・第2有機層、457’・・・開口部、458・・・上部電極、459・・・コンタクトプラグ、459’・・・開口部、100・・・電源部、101・・・走査回路、102・・・信号出力回路、300・・・第2走査回路、110,210,310,410・・・表示素子、111,211,311,411・・・第1発光素子、111’,211’,311’,411’・・・第2発光素子、112,212,312,412・・・第1駆動回路、112’,212’,312’,412’・・・第2駆動回路、113,213,313,413・・・電流増加手段、114,214,314・・・補助トランジスタ、115,215,315・・・第1スイッチング手段(トランジスタ)、116,216,316・・・第2スイッチング手段(トランジスタ)、317・・・第3スイッチング手段(トランジスタ)、SCL・・・走査線、DTL・・・データ線、PS1・・・給電線、PS2・・・給電線、CL・・・制御線、ELP・・・発光部(第1発光部)、ELP’・・・第2発光部、CEL・・・発光部(第1発光部)の容量、CEL’・・・第2発光部の容量、C1,C1’・・・容量、TRW,TRW’・・・書込みトランジスタ、TRD・・・駆動トランジスタ(第1駆動トランジスタ)、TRD’・・・第2駆動トランジスタ

Claims (12)

  1. 第1発光素子と第2発光素子とから構成されており、
    第1発光素子は、電流駆動型の第1発光部、及び、第1発光部に接続された第1駆動回路を備えており、
    第2発光素子は、電流駆動型の第2発光部、及び、第2発光部に接続された第2駆動回路を備えており、
    第1発光部及び第2発光部のいずれか一方が正常に動作していないときに他方の発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段を備えている表示素子。
  2. 電流増加手段は、第1発光部と第1駆動回路との接続部の電圧、及び、第2発光部と第2駆動回路との接続部の電圧に基づいて動作する請求項1に記載の表示素子。
  3. 第1駆動回路は第1駆動トランジスタを備えており、
    第1駆動トランジスタにあっては、一方のソース/ドレイン領域には第1電圧が印加され、他方のソース/ドレイン領域は第1発光部の一端に接続されており、
    第2駆動回路は、第2駆動トランジスタを備えており、
    第2駆動トランジスタにあっては、一方のソース/ドレイン領域には前記第1電圧が印加され、他方のソース/ドレイン領域は第2発光部の一端に接続されており、
    第1発光部の他端と第2発光部の他端には、第2電圧が印加され、
    電流増加手段は、
    (a)補助トランジスタ、並びに、
    (b)第1スイッチング手段、及び、第2スイッチング手段、
    から構成されており、
    補助トランジスタにおいては、
    (a−1)ゲート電極は、第1駆動トランジスタのゲート電極と、第2駆動トランジスタのゲート電極とに接続されており、
    (a−2)一方のソース/ドレイン領域には、前記第1電圧が印加され、
    (a−3)他方のソース/ドレイン領域は、第1スイッチング手段を介して第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部に接続されていると共に、第2スイッチング手段を介して第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部に接続されており、
    第1スイッチング手段は、第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部の電圧に基づいて動作し、
    第2スイッチング手段は、第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部の電圧に基づいて動作する請求項2に記載の表示素子。
  4. 第1スイッチング手段と第2スイッチング手段とは、それぞれ、同一導電型のトランジスタから構成されており、
    第1スイッチング手段を構成するトランジスタのゲート電極は、第2発光部と第2駆動トランジスタとの接続部に接続されており、
    第2スイッチング手段を構成するトランジスタのゲート電極は、第1発光部と第1駆動トランジスタとの接続部に接続されている請求項3に記載の表示素子。
  5. 第1駆動回路と第2駆動回路の少なくとも一方は、更に、書込みトランジスタを備えており、
    書込みトランジスタにおいては、一方のソース/ドレイン領域には映像信号が印加され、ゲート電極には走査信号が印加され、
    第1駆動トランジスタのゲート電極と第2駆動トランジスタのゲート電極とは、書込みトランジスタの他方のソース/ドレイン領域に接続されている請求項3又は請求項4に記載の表示素子。
  6. 第1駆動トランジスタのゲート電極と第2駆動トランジスタのゲート電極の電位を保持するための容量部を備えている請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示素子。
  7. 電流増加手段は、更に、第3スイッチング手段を備えており、
    第3スイッチング手段の一端は、補助トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に接続されており、前記第1電圧は、第3スイッチング手段を介して補助トランジスタの一方のソース/ドレイン領域に印加される請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示素子。
  8. 第1発光部及び第2発光部は有機エレクトロルミネッセンス発光部から成る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の表示素子。
  9. 第1発光部と第2発光部とは積層されている請求項8に記載の表示素子。
  10. 第1発光部は、
    (D−1)下部電極、
    (D−2)下部電極の上に設けられた、発光層を含む第1有機層、及び、
    (D−3)第1有機層の上に設けられた、光透過性を有する中間電極、
    から構成されており、
    第2発光部は、
    (E−1)該中間電極、
    (E−2)該中間電極の上に設けられた、発光層を含む第2有機層、及び、
    (E−3)第2有機層の上に設けられた、上部電極、
    から構成されており、
    下部電極及び上部電極の少なくとも一方は光透過性を有しており、
    中間電極は、第1発光部及び第2発光部のアノード電極を構成し、あるいは又、中間電極は、第1発光部及び第2発光部のカソード電極を構成する請求項9に記載の表示素子。
  11. 第1発光部は、
    (D−1)下部電極、
    (D−2)下部電極の上に設けられた、発光層を含む第1有機層、及び、
    (D−3)第1有機層の上に設けられた、光透過性を有する第1中間電極、
    から構成されており、
    第2発光部は、
    (E−1)該第1中間電極の上に、光透過性を有する絶縁層を介して設けられた、光透過性を有する第2中間電極、
    (E−2)第2中間電極の上に設けられた、発光層を含む第2有機層、及び、
    (E−3)上部電極、
    から構成されており、
    下部電極及び上部電極の少なくとも一方は光透過性を有している請求項9に記載の表示素子。
  12. (1)第1の方向にN個、第1の方向とは異なる第2の方向にM個、合計N×M個の、2次元マトリクス状に配列された表示素子、
    (2)第1の方向に延びるM本の走査線、及び、
    (3)第2の方向に延びるN本のデータ線、
    を備えており、
    表示素子は、第1発光素子と第2発光素子とから構成されており、
    第1発光素子は、電流駆動型の第1発光部、及び、第1発光部に接続された第1駆動回路を備えており、
    第2発光素子は、電流駆動型の第2発光部、及び、第2発光部に接続された第2駆動回路を備えており、
    第m行、第n列目の表示素子を構成する第1発光素子と第2発光素子には、第m番目の走査線から共通の走査信号が印加されると共に、第n番目のデータ線から共通の映像信号が印加され、
    表示素子は、第1発光素子及び第2発光素子のいずれか一方の発光素子の発光部が正常に動作していないときに他方の発光素子を構成する発光部に流れる電流を増加させる電流増加手段を備えている表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020174879A1 (ja) * 2019-02-26 2020-09-03 京セラ株式会社 発光素子基板、表示装置および表示装置のリペア方法
WO2022176551A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置

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