JP2010096988A - 潤滑剤供給装置、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】像担持体21上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、像担持体21と固形潤滑剤45とに摺接するブラシ毛が周設されるとともに電源50から電圧が印加されるブラシ状回転部材25bを備える。そして、像担持体21の走行速度に応じて電源50からブラシ状回転部材25bに印加される電圧が可変される。
【選択図】図2
Description
そして、所定方向に回転するブラシ状回転部材によって固形潤滑剤から潤滑剤が徐々に削り取られて、ブラシ状回転部材によって削り取られた潤滑剤が像担持体の表面に塗布(供給)される。さらに、ブラシ状回転部材の下流側に配設されたクリーニングブレードによって、像担持体上に残留する未転写トナー等の付着物が除去される。このとき、ブラシ状回転部材によっても像担持体上に残留する未転写トナー等の付着物が除去される。
具体的に、減速モード等によって像担持体の走行速度が遅くなったときには像担持体への潤滑剤の供給量が減少して、像担持体の走行速度が速くなったときには像担持体への潤滑剤の供給量が増加してしまう。そして、像担持体への潤滑剤の供給量が不足すると、潤滑剤供給装置としての本来の機能が低下してしまい、クリーニングブレードの劣化や、クリーニング不良やフィルミングが発生してしまうことになる。これに対して、像担持体への潤滑剤の供給量が過剰になると、過剰に塗布された潤滑剤によって帯電装置が汚染されてしまったり、潤滑剤が像担持体上にフィルミングしてしまったりすることになる。
このような問題は、厚さの厚い記録媒体(厚紙)が通紙されるときや、連続通紙時に定着部材の定着温度が低下してしまうとき等に、プロセス線速(記録媒体の搬送速度)を減速する減速モードを有する画像形成装置では、特に無視できないものになる。
また、上述した特許文献2では、潤滑剤塗布装置へのトナー入力状況に応じて、ブラシ状回転部材に接触させる固形潤滑剤の数や位置を調整して、像担持体への潤滑剤の塗布量を可変している。したがって、装置の構成や制御が複雑化してしまっていた。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像装置(現像部)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング装置(クリーニング部)、を示す。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、フォトセンサ41(図2を参照できる。)との対向位置を通過した後に、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された記録媒体Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
減速モードが選択されると、通常モードに比べて、搬送モータの低速駆動によって記録媒体Pの搬送速度が低下されるとともに、作像プロセスをおこなうための駆動部(不図示である。)の低速駆動によって感光体ドラム21、現像ローラ23a、ブラシ状ローラ25b(ブラシ状回転部材)等の回転速度(走行速度)が低下される。
図2は作像部を示す断面図である。なお、装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像装置及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ20には、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電部22と、クリーニング装置25とが、ケース26に一体的に収納されている。
図示は省略するが、感光体ドラム21は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム21の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
まず、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層構造とした場合について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることができる。具体的には、電荷発生物質として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等を用いることができる。これらの電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布して、乾燥することにより形成される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当である(さらに、好ましくは0.1〜2μm程度である。)。
単層構造の感光層は、上述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解又は分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては上述の電荷輸送層の形成時に用いる結着樹脂の他に、上述の電荷発生層の形成時に用いる結着樹脂を混合して用いてもよい。さらには、高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましい(さらに好ましくは50〜150重量部である。)。
単層構造の感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート等で塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本実施の形態における保護層は、架橋構造を有するバインダー樹脂で形成されている。架橋構造は、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用して、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を生じさせることで形成される3次元の網目構造である。この網目構造を有するバインダー樹脂は、高い耐摩耗性を発揮することになる。電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上述の反応性モノマーとして、全部又は一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することもできる。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成されて、保護層としての機能も充分に発揮される。
また、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーを用いることもできる。
さらに、塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減等の機能付与のために、1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することもできる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
以上述べたように、本実施の形態では、感光体ドラム21の表面に、架橋構造を有するバインダー樹脂で形成された硬い保護層を設けているために、感光体ドラム21としての機能を損なわずに、クリーニングブレード25aや第1ブラシ状ローラ25bによる感光体膜削れを防止することができる。
トナーTは、画質向上のために、円形度が0.980以上の球形トナーを使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード25aと感光体ドラム21との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態では、潤滑剤供給装置25b、45〜49によって潤滑剤Qを感光体ドラム21表面に塗布して、感光体ドラ21上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
なお、本実施の形態では、クリーニングブレード25aを感光体ドラム21の回転方向に対してカウンタ方向で接触させているが、感光体ドラム21の回転方向に対してトレーリング方向となるように感光体ドラム21に接触させてもよい。
なお、クリーニングブレード25aは、上述のクリーニング機能の他に、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21上に供給された潤滑剤を薄層化する薄層化ブレードとしての機能も有している。
ブラシ状ローラ25b(ブラシ状回転部材)のブラシ毛25b1は、電気抵抗(ブラシ抵抗)が105〜1010(Ω・cm)の低抵抗繊維で形成されている。具体的に、ブラシ毛25b1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、塩ビ等の樹脂繊維に、カーボン等の導電付与剤を添加して形成することができる。また、ブラシ毛25b1は、ブラシ密度が1〜50(万本/inch2)が好ましく、本実施の形態では、ブラシ長が5(mm)、ブラシ密度が10(万本/inch2)、ブラシ抵抗が105(Ω・cm)のものを用いている。ブラシ状ローラ25bは、感光体ドラム21上に付着する未転写トナー等の付着物を補助的に掻き取るクリーニングブラシとして機能する。詳しくは、感光体ドラム21上に付着する未転写トナー等の付着物は、ブラシ状ローラ25bに掻き取られた後に、フリッカー47によってある程度除去されて、その後にクリーニング装置25内に回収される。
なお、潤滑剤供給装置25b、45〜47の構成・動作については、後で詳しく説明する。
現像ローラ23aは、図2中の矢印方向に回転している。現像装置23内の現像剤Gは、間に仕切部材23eを介在するように配設された第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23cの矢印方向の回転によって、トナー補給部32からトナー補給口23fを介して補給されたトナーTとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
図2を参照して、潤滑剤供給装置は、クリーニング装置25に一体的に設置されている。潤滑剤供給装置は、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a、感光体ドラム21と固形潤滑剤45とに摺接するブラシ毛25b1が周設されたブラシ状回転部材としてのブラシ状ローラ25b、固形潤滑剤45、固形潤滑剤45をブラシ状ローラ25bに向けて付勢する圧縮スプリング46、ブラシ状ローラ25bに付着した付着物を除去する除去部材としてのフリッカー47(板状部材)、等で構成される。
なお、クリーニングブレード25aは、本来のクリーニング機能の他に、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に供給された潤滑剤を薄膜化する機能も有している。
ブラシ状ローラ25bは、長さ(毛足)が0.2〜20mm(好ましくは、0.5〜10mm)の範囲のブラシ毛25b1が基布上に植毛されたものを芯金上にスパイラル状に巻き付けたものである。ブラシ状ローラ25bは、感光体ドラム21に対してブラシ毛25b1が所定量だけ食い込むように配設されている。
ブラシ毛25b1の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム21や固形潤滑剤45やフリッカー47との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛25b1が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤45の掻取性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛25b1の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤45に対する物理的な当接力が不足してしまう。したがって、ブラシ毛25b1の長さは上述の範囲であることが好ましい。
固形潤滑剤45の後方部には、ブラシ状ローラ25bと固形潤滑剤45との接触ムラをなくすために圧縮スプリング46が配置されていて、固形潤滑剤45をブラシ状ローラ25bに付勢している。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム21表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム21表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム21表面を覆うことができる。
上述したように、ブラシ状ローラ25bは、感光体ドラム21上に潤滑剤Qを供給する機能の他に、感光体ドラム21上に付着したトナーT(未転写トナー)等の付着物を除去する機能を有している。そして、トナーTが付着したブラシ状ローラ25bのブラシ毛25b1は、フリッカー47の位置で回転方向とは逆の方向に撓んだ後に(倒れた後に)、フリッカー47の位置をすり抜けると同時に勢いよく復元(起立)することになる。このとき、ブラシ毛25b1が復元するときに付勢力が生じて、ブラシ状ローラ25bに担持されたトナーT(付着物)の一部が飛翔して、ブラシ状ローラ25bからトナーT(付着物)の一部が除去されることになる。なお、後述するように、固形潤滑剤45の掻き取り性(研磨効果)に必要な程度のトナーTは、ブラシ状ローラ25bから除去されずに残留する。
具体的に、電源50からブラシ状ローラ25bに印加される電圧は、その極性がトナーT(新品トナーである。)の極性と同極(本実施の形態ではマイナス極性である。)になるように設定されている。そして、減速モードが選択されて感光体ドラム21の回転速度(走行速度)が遅いときにブラシ状ローラ25bに印加される電圧の絶対値が、通常モードが選択されて感光体ドラム21の回転速度(走行速度)が速いとき(通常速度のときである。)にブラシ状ローラ25bに印加される電圧の絶対値よりも、大きくなるように制御される。
詳しくは、通常モードが選択されたときには、図4(A)に示すように電源50のスイッチが設定されて、ブラシ状ローラ25bに電圧Vaが印加される。これに対して、減速モードが選択されたときには、図4(B)に示すように電源50のスイッチが切り替え設定されて、ブラシ状ローラ25bに電圧Vb(|Vb|>|Va|である。)が印加される。
図3を参照して、ブラシ状ローラ25bが矢印方向に回転することにより固形潤滑剤45を削り取り、ブラシ状ローラ25bには粉状の潤滑剤Qが担持される。このとき、図3(A)に示すようにブラシ状ローラ25bにトナーTが付着していない場合は、図3(B)に示すようにブラシ状ローラ25bにトナーTが付着している場合に比べて、固形潤滑剤45に対する研磨効果が小さくなってしまい、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に塗布する潤滑剤Qの量が少なくなってしまう。
ブラシ状ローラ25bは、感光体ドラム21に対して一定量喰い込んで接触しているために、感光体ドラム21に潤滑剤Qを塗布するとともに、感光体ドラム21上の未転写トナーTを回収する機能を有している。したがって、ブラシ状ローラ25bのブラシ毛25b1中にはトナーが付着している。このブラシ状ローラ25bに付着したトナーTは固形潤滑剤45の研磨に大きく寄与する。すなわち、ブラシ状ローラ25bにトナーTが多く付着していると、固形潤滑剤45から多くの潤滑剤Qを掻き取ることになる。
これは、トナーTにシリカ、酸化チタン等の添加剤が添加されていて、それらが固形潤滑剤45の研磨に大きく寄与しているためである。シリカや酸化チタン等の添加剤の大きさは10〜100(nm)であって、粒径が5〜10(μm)のトナーに比べて非常に小さい。
なお、ブラシ状ローラ25bに付着するトナーTの量が多すぎても、固形潤滑剤45に対する研磨効果が低下してしまう。これに対して、本実施の形態では、フリッカー(除去部材)47を設置しているために、ブラシ状ローラ25bに一定量以上のトナーTが付着しないで、上述した不具合が発生するのを抑止することができる。
図5及び図6から、感光体ドラ21及びブラシ状ローラ25bの回転速度が遅くなる減速モード時には、潤滑剤Qの消費量や消費率(感光体ドラム21への潤滑剤の塗布量にほぼ等しい。)が減少していることがわかる。
これは、感光体ドラム21とブラシ状ローラ25bとが同じ駆動部(駆動源)から駆動を得ているため、感光体ドラム21が低速回転するとブラシ状ローラ25bも低速回転して、固形潤滑剤45の研磨効果が減少するためである。したがって、感光体ドラム21が低速回転する減速モードでは、感光体ドラム21に潤滑剤Qが充分に塗布されずに、クリーニング不良等の不具合が生じてしまう。
このような不具合を解消するために、減速モード時の潤滑剤消費率が適正値になるように減速モードを基準に設定してしまうと、通常モード時に固形潤滑剤45に対する研磨効果が大きくなりすぎて、感光体ドラム21への潤滑剤塗布量が多くなり、帯電部22の汚れ等の問題が発生してしまうことになる。
本実施の形態において用いているトナーは、マイナス極性に帯電させて現像工程をおこなうものである。したがって、感光体ドラム21から中間転写ベルト27にトナーを転写するために、転写バイアスローラ24にはプラスの電圧を印加して感光体ドラム21との間に電界を形成して、マイナス帯電のトナーを中間転写ベルト27に転写している。このとき、感光体ドラム21上のトナーのすべてが中間転写ベルト27に転写されることはなく、その一部が感光体ドラム21との付着力が強い未転写トナーとして感光体ドラム21上に残留する。これらの感光体ドラム21上の未転写トナーは転写電流の影響を受けているために、通常の帯電極性であるマイナス極性からプラス極性に帯電極性が変化している。したがって、電源50からブラシ状ローラ25bにマイナス極性(トナーの極性と同極である。)の電圧を印加することで、ブラシ状ローラ25bにトナー(未転写トナー)を積極的に付着させることができる。
図7は、本実施の形態における潤滑剤供給装置を用いたときの、通常モード時の潤滑剤消費率と、減速モード時の潤滑剤消費率と、を示すグラフである。図7から、ブラシ状ローラ25bに印加する電圧の可変制御をおこなうことで、通常モード時の潤滑剤消費率と、減速モード時の潤滑剤消費率と、がほぼ同等になることがわかる。
なお、クリーニング装置25(潤滑剤供給装置)を、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像装置23が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像装置23が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
さらに、本実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム21に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置に対して本発明を適用したが、像担持体としての感光体ベルトや中間転写ベルトに潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、 22 帯電部、
23、23Y、23M、23C、23BK 現像装置(現像部)、
25 クリーニング装置(潤滑剤供給装置)、
25a クリーニングブレード、
25b ブラシ状ローラ(ブラシ状回転部材)、
25b1 ブラシ毛、
45 固形潤滑剤、
46 圧縮スプリング、
47 フリッカー(除去部材)、
50 電源、 Q 潤滑剤、
G 2成分現像剤(現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
Claims (10)
- 像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、
前記像担持体と固形潤滑剤とに摺接するブラシ毛が周設されるとともに、電源から電圧が印加されるブラシ状回転部材を備え、
前記像担持体の走行速度に応じて前記電源から前記ブラシ状回転部材に印加される電圧が可変されることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 前記電源から前記ブラシ状回転部材に印加される電圧は、その極性がトナーの極性と同極であって、
前記像担持体の走行速度が遅いときに前記ブラシ状回転部材に印加される電圧の絶対値が、前記像担持体の走行速度が速いときに前記ブラシ状回転部材に印加される電圧の絶対値よりも、大きくなるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤供給装置。 - 前記ブラシ状回転部材は、芯金上に前記ブラシ毛が巻装され、
前記ブラシ毛は、電気抵抗が105〜1010(Ω・cm)の低抵抗繊維からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤供給装置。 - 前記ブラシ状回転部材に付着した付着物を除去する除去部材を、前記像担持体に対して前記ブラシ状回転部材の回転方向下流側であって前記固形潤滑剤に対して前記ブラシ状回転部材の回転方向上流側に配設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の潤滑剤供給装置。
- 前記固形潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の潤滑剤供給装置。
- 前記像担持体は、架橋構造を有するとともに電荷輸送材を分散してなるバインダー樹脂で形成された保護層をその表面に具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の潤滑剤供給装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の潤滑剤供給装置を備え、
前記潤滑剤供給装置に対して前記像担持体の走行方向下流側に当該像担持体上をクリーニングするクリーニングブレードを配設したことを特徴とするクリーニング装置。 - 画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記像担持体の走行速度を減速する減速モードを有し、
前記像担持体を前記ブラシ状回転部材とともに駆動する駆動部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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