JP2010095795A - ルテニウム含有薄膜、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低抵抗で且つ高密度なルテニウム含有薄膜を提供する。
【解決手段】 化学気相蒸着法により形成したルテニウム含有薄膜を加熱処理して、膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition法;以下CVD法と称する)により形成される、低抵抗で且つ高密度なルテニウム含有薄膜、及びその製造方法に関する。
近年、DRAMに代表される半導体メモリーは、デバイスの微細化に伴って、誘電体材料として、従来用いられてきた酸化シリコンから、より誘電率の高い酸化タンタル等の酸化物を用いるようになってきている。そのため、電極材料も、従来のポリシリコンでは、誘電体由来の酸素により、電気不導体へと酸化されるために、使用が困難な状況にある。そこで、酸化物となっても比抵抗が低い金属として、ルテニウムが注目されている。
更に、シリコン半導体の多層銅配線の下地金属としても、ルテニウムが着目されている。そのため、低抵抗で、且つ平坦性を有するルテニウム金属膜の成膜技術が要望されている。
従来、ルテニウム膜又はルテニウム含有膜の製造方法としては、スパッタ法が多く用いられてきたが、近年のより微細化した構造への応用は困難となってきている。そうした微細化への潮流の中、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition法;以下、CVD法と略す)は、ホールやトレンチへの優れた段差被覆性と薄膜の均一性、その量産性から活発に研究が行われている。
CVD法によるルテニウム原子を含有する薄膜製造用原料としては、β−ジケトナトやシクロペンタジエニル誘導体を配位子とするルテニウム錯体が検討されており、Ru(dpm)、Ru(od)、Ru(dpm)(cod)や、Ru(Cp)、Ru(EtCp)、Ru(dmpd)(EtCp)、ビス(6−メチル−2,4−ヘプタンジオナト)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム等が開示されている(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1〜2参照)。しかしながら、これらのルテニウム錯体を使用したルテニウム膜成膜の問題点として、誘導期が長い、成膜されるルテニウム膜の表面平坦性が悪い、あるいは下地との密着性が低いなどが指摘されている。
なお、上記の略語は以下の通りである。
dpm=ジピバロイルメタナト(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)
od=オクタン−2,4−ジオナト
cod=1,5−シクロオクタジエン
Cp=シクロペンタジエニル
EtCp=エチルシクロペンタジエニル
dmpd=2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエニル
特許文献6及び非特許文献3には、CVD法による成膜に適した有機ルテニウム錯体として、ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウム等のβ−ジケトナト及び少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を配位子とする有機ルテニウム錯体が開示されており、表面平坦性、反応性の改善がなされている。しかしながら、特に不活性ガス下や水素ガス下でルテニウム膜を成膜した場合、得られるルテニウム膜の抵抗率やルテニウム膜密度については更なる向上、すなわち低抵抗化及び高密度化が求められていた。
一方、ルテニウム薄膜の加熱処理による改質に関しては、特許文献7には、原料としてエチルシクロペンタジエニルルテニウム(Ru(EtCp))を用い、CVD法によりルテニウム膜を形成した後、水素もしくはアンモニアを含む還元性雰囲気で熱処理することによって、表面を平坦化でき、含有不純物を減少させることができ、緻密化できることが記載されている。しかしながら、この熱処理で抵抗率が改善されるのかについては一切記載されていない。
また、特許文献8には、トリカルボニル(1,3−シクロヘキサジエニル)ルテニウム等のトリカルボニルルテニウム化合物を用いた薄膜形成法により製造されたルテニウム及びルテニウム化合物薄膜を、好ましくはアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することにより、残留炭素を更に減少させ、比抵抗を低減することができることが記載されている。しかしながら、この熱処理でルテニウム膜の表面性(平坦性)が改善されるのかについては何ら言及されていない。
特開平6−283438号公報 特開2000−212744号公報 特開2003−306472号公報 特開平11−35589号公報 特開2003−342286号公報 国際公開第2008/013244号パンフレット 特開2006−324363号公報 特開2002−212112号公報
Chem.Mater.,18,5652(2006) Electrochem.Solid−State.Lett.,9,C107(2006) Jpn.J.Appl.Phys.,47,6427(2008)
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、化学気相蒸着法により製造される、低抵抗で密度の高いルテニウム含有薄膜を提供することである。
本発明は以下の事項に関する。
1. 膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜。
2. 上記1記載のルテニウム含有薄膜を製造する方法であって、
ルテニウム錯体を原料として用い、化学気相蒸着法により形成したルテニウム含有薄膜を加熱処理する工程を含むことを特徴とするルテニウム含有薄膜の製造方法。
3. ルテニウム含有薄膜の加熱処理を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気にて行う上記2記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
4. 水素ガス及びアンモニアガスから選ばれる少なくとも1種のガスを含む還元性ガス雰囲気にてルテニウム含有薄膜の加熱処理を行う上記3記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
5. 原料であるルテニウム錯体が、下記一般式(1)で示される、β−ジケトナト及び少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を配位子とする有機ルテニウム錯体である上記2〜4のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
Figure 2010095795
(式中、X及びYは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭化水素基を示し、Zは、水素原子、又は炭素原子数1〜4の炭化水素基を示す。Lは、少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を示す。)
6. X及びYが、炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝状の炭化水素基である上記5記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
7. ルテニウム含有薄膜の加熱処理を1Pa〜200kPaの圧力下で行う上記2〜6のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
8. ルテニウム含有薄膜を100℃〜1000℃で加熱処理する上記2〜7のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
本発明によれば、化学気相蒸着法により、膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜を製造することができる。このような低抵抗で、密度の高いルテニウム含有薄膜は従来にはなく、原料として適当なルテニウム錯体を用い、適当な基板上に化学気相蒸着法によりルテニウム含有薄膜を形成した後、これを適当な条件で加熱処理することで製造可能となった。
蒸着装置の構成を示す図である。
本発明のルテニウム含有薄膜は、膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmである。本発明によれば、膜密度が11.0g/cm以上、さらには11.5g/cm以上であり、比抵抗値が70μΩcm以下、さらには50μΩcm以下、さらには35μΩcm以下、さらには25μΩcm以下であるルテニウム含有薄膜を得ることもできる。
好ましい態様としては、
(1)膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が12〜70μΩcmであるルテニウム含有薄膜
(2)膜密度が11.0〜12.0g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜
が挙げられ、更に好ましい態様としては、
(3)膜密度が11.0〜12.0g/cmで、且つ比抵抗値が12〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜
が挙げられ、特に好ましい態様としては、
(4)膜密度が11.0〜12.0g/cmで、且つ比抵抗値が20〜70μΩcmであるルテニウム含有薄膜
が挙げられる。
本発明のルテニウム含有薄膜は、原料として適当なルテニウム錯体を用い、適当な基板上に化学気相蒸着法によりルテニウム含有薄膜を形成した後、次いで、そのルテニウム含有薄膜を適当な条件で加熱処理する工程を行うことによって得ることができる。
ルテニウム含有薄膜の基板上への成膜は、公知のCVD法で行うことができる。例えば、常圧又は減圧下にて、当該有機ルテニウム錯体を水素等の還元性ガス、又は酸素等の酸化性ガスとともに加熱した基板上に送り込んでルテニウム含有薄膜を蒸着させる方法や、不活性ガスとともに熱分解でルテニウム含有薄膜を蒸着させる方法が挙げられる。又、プラズマCVD法でルテニウム含有薄膜を蒸着させる方法も使用できる。
本発明において、当該有機ルテニウム錯体、好ましくは前記一般式(1)で示される有機ルテニウム錯体を用いて基板上へ金属ルテニウムを蒸着させる際、反応系内の圧力は、好ましくは1Pa〜200kPa、更に好ましくは10Pa〜110kPaであり、成膜対象物の温度は、好ましくは100〜600℃、更に好ましくは200〜400℃である。
なお、化学気相蒸着法においては、薄膜形成のために当該有機ルテニウム錯体を気化させる必要があるが、本発明において有機ルテニウム錯体を気化させる方法としては、例えば、有機ルテニウム錯体自体を気化室に充填又は搬送して気化させる方法だけでなく、有機ルテニウム錯体を適当な溶媒(例えば、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。)に希釈した溶液を液体搬送用ポンプで気化室に導入して気化させる方法(溶液法)も使用できる。
本発明においては、次いで、基板上に形成したルテニウム含有薄膜を加熱処理する。
ルテニウム含有薄膜の加熱処理は、不活性ガス雰囲気中または還元性ガス雰囲気中にて行うことが望ましい。すなわち、ルテニウム含有薄膜を加熱処理する際には、ルテニウム含有薄膜の存在している雰囲気を不活性雰囲気又は還元性雰囲気とすることが望ましく、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスによって不活性雰囲気とする、又は、水素、アンモニアガス等の還元性ガスにより還元性雰囲気とすることができる。なお、これらのガスは混合して使用しても構わない。不活性ガスと還元性ガスとを混合して使用することもできる。
加熱処理する際の温度は、好ましくは100〜1000℃、更に好ましくは150〜900℃であり、圧力は、好ましくは1Pa〜200kPa、更に好ましくは10Pa〜110kPaである。なお、還元性ガスを使用した場合には、特に当該圧力範囲において、その還元能力を確実に発揮させることができるとともに、後処理の繁雑さを解消することができる。
加熱処理時間は、処理条件(使用したルテニウム錯体の種類、加熱温度、圧力、ガスの種類等)によって適宜調節するが、10〜1800秒の加熱処理を行うことで、生産性の向上を損なうことなく、本発明のルテニウム含有薄膜が製造できる。
本発明で使用するルテニウム錯体は、化学気相蒸着法によりルテニウム含有薄膜を製造できるルテニウム錯体であり、例えば、ジケトン類、直鎖状又は環状の不飽和炭化水素類(例えば、モノエン類、ジエン類、トリエン類)、シクロペンタジエニル類、カルボニル等を配位子として有するルテニウム錯体(複数種の配位子が配位していても良く、また単核でも複核でも構わない)が使用される。本発明で使用するルテニウム錯体として、より具体的には、Ru(dpm)、Ru(od)、Ru(dpm)(cod)、Ru(Cp)、Ru(EtCp)、Ru(dmpd)(EtCp)、Ru(dmpd)、Ru(Cp)(CO)(Et)、トリ(カルボニル)(1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン)ルテニウム、(ノルボルナジエン)(トルエン)ルテニウム、Ru(CO)12、ビス(6−メチル−2,4−ヘプタンジオナト)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、前記一般式(1)で示されるβ−ジケトナト及び少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を配位子とする有機ルテニウム錯体が挙げられる。
本発明で使用するルテニウム錯体としては、より低抵抗で、より高密度のルテニウム含有薄膜をより容易に得ることができるので、前記一般式(1)で示されるルテニウム錯体を使用することが好ましい。
一般式(1)において、X及びYは、直鎖又は分枝状の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等の炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝状の炭化水素基である。Zは、水素原子又は炭素原子数1〜4の炭化水素基を示し、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4の直鎖又は分枝状の炭化水素基である。又、Lは、少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を示し、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、1,4−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセンが好適に使用される。
本発明で使用するルテニウム錯体としては、ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(1,4−ヘキサジエン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(2,4−ヘキサジエン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(1,3−ペンタジエン)ルテニウムが更に好ましく、ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウムが特に好ましい。
なお、これらのルテニウム錯体は、単独で使用しても、二種以上を混合して使用しても良く、例えば、ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウム中に少量のビス(アセチルアセトナト)(1,4−ヘキサジエン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(2,4−ヘキサジエン)ルテニウム(配位子である1,5−ヘキサジエンの異性体)が存在していても良い。
本発明においては、例えば、上記のようなルテニウム錯体を用い、酸化雰囲気下、還元雰囲気下又は不活性雰囲気下、化学気相蒸着法(CVD法)により、所定の基板上にルテニウム含有膜を形成させ、そのルテニウム含有膜を不活性雰囲気又は還元性雰囲気で加熱処理することより、低抵抗で密度の高いルテニウム含有薄膜、特に膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜を得ることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
参考例1(ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウム;Ru(acac)(hd)の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容量100mlのフラスコに、塩化ルテニウム三水和物5.03g(21.12mmol)、1,5−ヘキサジエン3.45g(33.6mmol)及び1−プロピルアルコール30mlを加え、攪拌させながら70℃で3時間反応させた後、100℃まで昇温させた。次いで、アセチルアセトン6.6g(66.2mmol)及び水酸化ナトリウム2.6g(65mmol)を混合した水溶液を滴下し、攪拌しながら0.5時間反応させた。反応終了後、メチルシクロヘキサン30ml及び水50mlを加え、有機層を分液した後に濃縮した。濃縮物を減圧下で蒸留(150℃、20Pa)し、黄褐色粘性液体として、ビス(アセチルアセトナト)(1,5−ヘキサジエン)ルテニウム(以下、Ru(acac)(hd)と称する)7.32gを得た(単離収率:90%)。
実施例1〜15及び比較例1〜5(ルテニウム含有薄膜の製造)
参考例1で得られた有機ルテニウム錯体[Ru(acac)(hd)]を用いて、表1〜3に示す条件で、CVD法によりルテニウム含有薄膜を形成した後、得られたルテニウム薄膜の加熱処理を行った。そして、得られたルテニウム含有薄膜の評価を行った。
CVD法によるルテニウム含有薄膜の成膜には、図1に示す装置を使用した。気化器3(ガラス製アンプル)にあるルテニウム錯体20は、ヒーター10Bで加熱されて気化し、マスフローコントローラー1Aを経て予熱器10Aで予熱後導入されたヘリウムガスに同伴して気化器3を出る。気化器3を出たガスは、ストップバルブ8を経て、マスフローコントローラー1B、ストップバルブ2を経て導入された水素ガス、酸素ガスあるいはアンモニアガス、及び、マスフローコントローラー1C、ストップバルブ1を経て導入された希釈ヘリウムガスとともに反応器4に導入される。反応系内圧力は、真空ポンプ手前のバルブ6の開閉により、所定圧力にコントロールされ、圧力計5によってモニターされる。ガラス製反応器の中央部はヒーター10Cで加熱可能な構造となっている。反応器に導入されたルテニウム錯体は、反応器内中央部にセットされ、ヒーター10Cで所定の温度に加熱された被蒸着基板21の表面上で還元反応し、基板21上に金属ルテニウム薄膜が析出する。反応器4を出たガスは、トラップ7、真空ポンプを経て、大気中に排気される構造となっている。
又、熱処理工程にも、この装置と同様のものを使用し、ストップバルブ8でルテニウム錯体の供給を止め、所定のガスの流通下、所定の温度、圧力で金属ルテニウム薄膜を蒸着した基板を所定時間保持した。
ルテニウム含有薄膜の製造条件及び評価結果を表1〜3に示す。ルテニウム含有膜薄膜の評価は以下のようにして行った。
(1)膜厚測定はTEM観察(透過電子顕微鏡観察)により行った。
(2)膜密度はXRR測定(X線反射率測定)により行った。
(3)組成分析はXPS分析(X線光電子分光分析)により行った。
(4)比抵抗値は膜厚とシート抵抗値から計算した。
(5)膜の外観は目視で観察して評価した。
なお、被蒸着基板としては、6mm×20mmサイズの矩形のものを使用した。
Figure 2010095795
Figure 2010095795
Figure 2010095795
以上の結果より、酸化雰囲気下、還元雰囲気下又は不活性雰囲気下、化学気相蒸着法(CVD法)により、所定の基板上にルテニウム含有薄膜を形成させ、そのルテニウム含有薄膜を不活性雰囲気又は還元性雰囲気で加熱処理することより、低抵抗で密度の高いルテニウム含有薄膜、特に膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜を得ることができることが明らかになった。
本発明によれば、化学気相蒸着法により、低抵抗で密度の高いルテニウム含有薄膜を製造することができる。
3 気化器
4 反応器
10A 予熱器
10B 気化器ヒーター
10C 反応器ヒーター
20 ルテニウム錯体融液
21 基板
1,2,8 ストップバルブ
1A,1B,1C マスフローコントローラー
5 圧力計
6 バルブ
7 トラップ

Claims (8)

  1. 膜密度が10.5〜12.2g/cmで、且つ比抵抗値が8〜100μΩcmであるルテニウム含有薄膜。
  2. 請求項1記載のルテニウム含有薄膜を製造する方法であって、
    ルテニウム錯体を原料として用い、化学気相蒸着法により形成したルテニウム含有薄膜を加熱処理する工程を含むことを特徴とするルテニウム含有薄膜の製造方法。
  3. ルテニウム含有薄膜の加熱処理を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気にて行う請求項2記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
  4. 水素ガス及びアンモニアガスから選ばれる少なくとも1種のガスを含む還元性ガス雰囲気にてルテニウム含有薄膜の加熱処理を行う請求項3記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
  5. 原料であるルテニウム錯体が、下記一般式(1)で示される、β−ジケトナト及び少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を配位子とする有機ルテニウム錯体である請求項2〜4のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
    Figure 2010095795
    (式中、X及びYは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭化水素基を示し、Zは、水素原子、又は炭素原子数1〜4の炭化水素基を示す。Lは、少なくともふたつの二重結合をもつ不飽和炭化水素化合物を示す。)
  6. 及びYが、炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝状の炭化水素基である請求項5記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
  7. ルテニウム含有薄膜の加熱処理を1Pa〜200kPaの圧力下で行う請求項2〜6のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
  8. ルテニウム含有薄膜を100℃〜1000℃で加熱処理する請求項2〜7のいずれかに記載のルテニウム含有薄膜の製造方法。
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