JP2010094875A - 補正方法 - Google Patents

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和義 棚瀬
透 ▲高▼橋
Toru Takahashi
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徹 宮本
Hirokazu Kasahara
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Abstract

【課題】補正値テーブルの数の削減を図る。
【解決手段】所定方向に複数の画素が並ぶ画素列が前記所定方向と交差する方向に複数並んで構成されるテストパターンを、ある種類の媒体に印刷することと、ある種類の媒体に印刷されたテストパターンを読取部で読み取ることと、テストパターンの読み取り結果に基づいて、画素列毎の濃度の補正値を求め、各画素列と各補正値とを対応付けた補正値テーブルを作成することと、ある種類とは別の種類の印刷対象媒体に、補正値テーブルを適用したテストパターンを、ドットサイズを変化させて印刷することと、補正値テーブルを適用したテストパターンを読取部で読み取り、その読み取り結果に基づいて、濃度ばらつきが所定範囲内であり、且つ、粒状度が許容範囲内のドットサイズを選択することと、印刷対象媒体に印刷する際に、選択したドットサイズを用いて、補正値テーブルによって画素列毎に補正を行なうことと、を有する。
【選択図】図18

Description

本発明は、濃度むらの補正方法に関する。
例えばインクジェットプリンタのような印刷装置によって、媒体(例えば紙)に画像を形成すると、その画像にスジ状の濃度むらが生じることがある。そこで、その印刷装置を用いてインク色毎に補正用パターンを印刷し、スキャナ等によって補正用パターンを読み取り、その結果得られた色情報に基づいて補正値を算出して濃度の補正を行うことが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−205691号公報
従来、媒体の種類毎に補正値テーブルを作成していた。このため、補正値テーブルの作成に手間や時間がかかるという問題があった。また、媒体の種類毎に補正値テーブルを作成すると、補正値テーブルの数が多くなるという問題があった。
そこで、本発明は、補正値テーブルの数の削減を図ることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、所定方向に複数の画素が並ぶ画素列が前記所定方向と交差する方向に複数並んで構成されるテストパターンを、ある種類の媒体に印刷することと、前記ある種類の媒体に印刷された前記テストパターンを読取部で読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて、前記画素列毎の濃度の補正値を求め、各画素列と各補正値とを対応付けた補正値テーブルを作成することと、前記ある種類とは別の種類の印刷対象媒体に、前記補正値テーブルを適用したテストパターンを、ドットサイズを変化させて印刷することと、前記補正値テーブルを適用したテストパターンを読取部で読み取り、その読み取り結果に基づいて、濃度ばらつきが所定範囲内であり、且つ、粒状度が許容範囲内のドットサイズを選択することと、前記印刷対象媒体に印刷する際に、選択した前記ドットサイズを用いて、前記補正値テーブルによって前記画素列毎に補正を行なうことと、を有する補正方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
所定方向に複数の画素が並ぶ画素列が前記所定方向と交差する方向に複数並んで構成されるテストパターンを、ある種類の媒体に印刷することと、前記ある種類の媒体に印刷された前記テストパターンを読取部で読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて、前記画素列毎の濃度の補正値を求め、各画素列と各補正値とを対応付けた補正値テーブルを作成することと、前記ある種類とは別の種類の印刷対象媒体に、前記補正値テーブルを適用したテストパターンを、ドットサイズを変化させて印刷することと、前記補正値テーブルを適用したテストパターンを読取部で読み取り、その読み取り結果に基づいて、濃度ばらつきが所定範囲内であり、且つ、粒状度が許容範囲内のドットサイズを選択することと、前記印刷対象媒体に印刷する際に、選択した前記ドットサイズを用いて、前記補正値テーブルによって前記画素列毎に補正を行なうことと、を有する補正方法が明らかになる。
このような補正方法によれば、ある種類の媒体で作成した補正値テーブルを、別の媒体への印刷に用いることで好適に印刷を行うことができる。よって、媒体毎に補正値テーブルを作成しなくてもよいので補正値テーブルの数の削減を図ることが出来る。
かかる補正方法であって、液体を噴射させるための動作を行う素子を駆動する駆動信号の電圧振幅を変えることによって、前記ドットサイズを変化させることが望ましい。
このような補正方法によれば、ドットサイズの調整を正確且つ容易に行うことができる。
かかる補正方法であって、前記印刷対象媒体に前記補正値テーブルを適用した前記テストパターンを印刷する際に、各パターンに複数のドットサイズを所定の割合で混合するとともに、各ドットサイズを前記パターン毎にそれぞれ変化させ、前記補正値テーブルを適用した前記テストパターンの読み取り結果に基づいて、前記濃度ばらつきが前記所定範囲内であり、且つ、前記粒状度が前記許容範囲内の前記パターンの形成に用いられた複数の前記ドットサイズを選択するようにしてもよい。
このような補正方法によれば、複数のドットサイズを用いて濃度ぱらつきと粒状性を考慮した印刷を行うことができる。
かかる補正方法であって、前記濃度ばらつきは、前記テストパターンの画素列の読み取り値の平均と各画素列の読み取り値との差を前記画素列毎に求め、その前記画素列毎に求められた前記差を平均することに基づいて算出されることが望ましい。
このような補正方法によれば、濃度ばらつきの範囲を的確に定めることができる。
また、かかる補正方法であって、前記粒状度は、前記テストパターンの読み取り結果に対してフーリエ変換を施すことに基づいて算出したウィナースペクトルと、視覚の特性である空間周波数特性と、の演算に基づいて算出されることが望ましい。
このような補正方法によれば、粒状度の範囲を的確に定めることができる。
===印刷システムについて===
画像の濃度むら及び該濃度むらの抑制方法について説明するにあたって、先ず、媒体に画像を形成するための印刷システム100について図1を参照しながら概説する。図1は、印刷システム100の構成を示すブロック図である。
本実施形態の印刷システム100は、図1に示すように、プリンタ1と、コンピュータ110と、スキャナ120とを有するシステムである。
プリンタ1は、液体としてのインクを媒体に噴射して該媒体に画像を形成(印刷)する液体噴射装置であり、本実施形態ではカラーインクジェットプリンタである。プリンタ1は、紙、布、フィルムシート等の複数種の媒体に画像を印刷することが可能である。なおプリンタ1の構成については後述する。
コンピュータ110は、インターフェース111と、CPU112と、メモリ113を有する。インターフェース111は、プリンタ1及びスキャナ120との間でデータの受け渡しを行う。CPU112は、コンピュータ110の全体的な制御を行うものであり、当該コンピュータ110にインストールされた各種プログラムを実行する。メモリ113は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。コンピュータ110にインストールされたプログラムの中には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するためのプリンタドライバや、スキャナ120を制御するためのスキャナドライバがある。そしてコンピュータ110は、プリンタドライバによって生成された印刷データをプリンタ1に出力する。
スキャナ120は、スキャナコントローラ125と、読取キャリッジ121とを有する。スキャナコントローラ125は、インターフェース122、CPU123、及びメモリ124を有する。インターフェース122は、コンピュータ110との間で通信を行う。CPU123は、スキャナ120の全体的な制御を行う。例えば読取キャリッジ121を制御する。メモリ124は、コンピュータプログラム等を記憶する。読取キャリッジ121は、例えばR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に対応する不図示の3つのセンサ(CCDなど)を有する。
以上の構成により、スキャナ120は、不図示の原稿台に置かれた原稿に光を照射し、その反射光を読取キャリッジ121の各センサにより検出し、前記原稿の画像を読み取って、当該画像の色情報を取得する。そして、インターフェース122を介してコンピュータ110のスキャナドライバに向けて画像の色情報を示すデータ(読取データ)を送信する。
<プリンタ1の構成>
次に、図1乃至図2を参照しながら、プリンタ1の構成について説明する。図2は、プリンタ1における搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。
プリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット20、搬送ユニット30、検出器群40、コントローラ50、及び駆動信号生成回路70を有する。プリンタ1がコンピュータ110から印刷データを受信すると、コントローラ50が印刷データに基づいて各ユニット(ヘッドユニット20、搬送ユニット30、駆動信号生成回路70)を制御して印刷媒体に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群40によって監視されており、検出器群40は検出結果に応じた信号をコントローラ50に向けて出力する。
ヘッドユニット20は、紙Sにインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット20は、搬送中の紙Sに対してインクを噴射することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタ1はラインプリンタであり、ヘッドユニット20は紙幅分のドットを一度に形成することができる。
図3は、ヘッドユニット20の下面における複数のヘッドの配列の説明図である。図に示すように、紙幅方向に沿って、複数のヘッド23が千鳥列状に並んでいる。本実施形態では、説明の簡略化のため、3個のヘッド(第1ヘッド23A、第2ヘッド23B、第3ヘッド23C)から構成されているものとする。各ヘッドには、不図示であるが、ブラックインクノズル列、シアンインクノズル列、マゼンタインクノズル列及びイエローインクノズル列が形成されている。各ノズル列は、インクを噴射するノズルを複数個備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。
図4は、簡略説明用のヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。説明の簡略化のため、各ヘッドのある色のノズル列(例えばイエローインクノズル列)についてのみ示している。更に説明を簡略化するため、各ヘッドのノズル列に備えられているノズルは12個であることとする。
これらの各ノズルによって、ヘッドと紙とが相対移動する方向に並ぶドットの列が形成される。このドットの列のことを「ラスタライン」と呼ぶ。本実施形態のようなラインプリンタの場合、「ラスタライン」は、紙の搬送方向に並ぶドットの列を意味する。なお、キャリッジに搭載されたヘッドによって印刷するシリアルプリンタの場合、「ラスタライン」は、キャリッジの移動方向に並ぶドットの列を意味する。以下、図に示すように、n番目の位置にあるラスタラインのことを「第nラスタライン」と呼ぶ。
図に示すように、各ヘッドのノズル列は、第1ノズル群231と第2ノズル群232とを備えている。各ノズル群は、例えば1/180インチ間隔で紙幅方向に並ぶ6個のノズルから構成されている。第1ノズル群411と第2ノズル群412は、紙幅方向に1/360インチだけずれて構成されている。これにより、各ヘッドのノズル列は、紙幅方向に関して1/360インチの間隔で並ぶ12個のノズルから構成されたノズル列となっている。各ヘッドのノズル列に対して、図中の上から順に、番号を付している。
そして、各ノズルから断続的にインク滴が搬送中の紙Sに噴射されることによって、紙Sに36個のラスタラインが形成される。例えば、第1ヘッド23Aのノズル♯1Aは第1ラスタラインを紙S上に形成し、第2ヘッド23Bのノズル♯1Bは第13ラスタラインを紙S上に形成する。また、第3ヘッド23Cのノズル#1Cは第25ラスタラインを紙S上に形成する。各ラスタラインは、搬送方向に沿って形成される。なお、以下の説明において、第1ヘッド23Aによって印刷される領域(第1ラスタライン〜第12ラスタライン)のことをバンド1ともいい、第2ヘッド23Bによって印刷される領域(第13ラスタライン〜第24ラスタライン)のことをバンド2ともいい、第3ヘッド23Cによって印刷される領域(第25ラスタライン〜第36ラスタライン)のことをバンド3ともいう。
搬送ユニット30は、媒体(例えば、紙Sなど)を搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット30は、上流側ローラ32A及び下流側ローラ32Bと、ベルト34とを有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側ローラ32A及び下流側ローラ32Bが回転し、ベルト34が回転する。給紙された紙Sは、ベルト34によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト34が紙Sを搬送することによって、紙Sがヘッドユニット20に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した紙Sは、ベルト34によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sは、ベルト34に静電吸着又はバキューム吸着されている。
コントローラ50は、CPU52によりユニット制御回路54を介してプリンタ1の各ユニットを制御する。また、プリンタ1は、記憶素子を備えたメモリ53を有し、当該メモリ53には、濃度補正値Hが記憶されている(図11参照)。なお、濃度補正値Hについては後述する。
駆動信号生成回路70は、インクをノズルから噴射させるために、ヘッド内のピエゾ素子(後述する)に印加する駆動信号COMを生成する回路である。駆動信号生成回路70は、コントローラ50のCPU52から出力されるデジタルデータに基づいて、デジタル−アナログ変換、電圧増幅、電流増幅等を行なうことによりアナログ波形の駆動信号COMを生成してヘッドユニット20に出力する。
<インクの噴射機構について>
次にプリンタ1のインクの噴射機構について説明する。
図5はヘッド23の内部のインク噴射機構の一例を詳しく示した図である。このインク噴射機構は、駆動ユニット62と流路ユニット64とを備えている。駆動ユニット62は、複数のピエゾ素子621と、このピエゾ素子群621が固定される固定板623と、各ピエゾ素子621に給電するためのフレキシブルケーブル624とを有している。各ピエゾ素子621は、所謂片持ち梁の状態で固定板623に取り付けられている。固定板623は、ピエゾ素子621からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材である。フレキシブルケーブル624は、可撓性を有するシート状の配線基板であり、固定板623とは反対側となる固定端部の側面でピエゾ素子621と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル624の表面には、ピエゾ素子621の駆動等を制御するための制御用ICであるヘッド制御部(不図示)が実装されている。
流路ユニット64は、流路形成基板65と、ノズルプレート66と、弾性板67とを有し、流路形成基板65がノズルプレート66と弾性板67に挟まれるようにそれぞれを積層して一体的に構成される。ノズルプレート66は、ノズルが形成されたステンレス鋼製の薄いプレートである。
流路形成基板65には、圧力室651及びインク供給口652となる空部が各ノズルに対応して複数形成される。リザーバ653は、インクカートリッジに貯留されたインクを各圧力室651に供給するための液体貯留室であり、インク供給口652を通じて対応する圧力室651の他端と連通している。そして、インクカートリッジからのインクは、インク供給管(不図示)を通って、リザーバ653内に導入される。弾性板67は、島部673を備えている。そして、この島部673にピエゾ素子621の自由端部の先端が接着される。
フレキシブルケーブル624を介してピエゾ素子621に駆動信号COMを供給すると、ピエゾ素子621は伸縮して圧力室651の容積を膨張・収縮させる。このような圧力室651の容積変化により、圧力室651内のインクには圧力変動が生じる。そして、このインク圧力の変動を利用することでノズルからインクを噴射させることができる。
<駆動信号について>
次に、ピエゾ素子621を駆動してノズルからインクを噴射させるため動作を行わせる駆動信号について説明する。図6は、駆動信号COMの一例の一部分を示したものである。
駆動信号COMは、同図に示すような駆動パルスPSを有している。この駆動パルスPSは、中間電位VMから最大電位VHまで一定勾配で電位を上昇させる膨張要素P1と、最大電位VHを所定時間保持する膨張ホールド要素P2と、最大電位VHから最小電位VLまで急勾配で電位を下降させる噴射要素P3と、最小電位VLを所定時間保持する収縮ホールド要素P4と、最小電位VLから中間電位VMまで電位を上昇させる制振要素P5とを含んでいる。
このような駆動パルスPSをピエゾ素子621に加えると所定量のインクが対応するノズルから噴射される。
すなわち、膨張要素P1の供給に伴って期間T1にわたり、ピエゾ素子621が大きく縮む。これにより圧力室651は、中間電位VMに対応する通常容積から、最大電位VHに対応する最大容積まで膨張する。この膨張に伴って圧力室651内が減圧されて、リザーバ653のインクがインク供給口652を通じて圧力室651に流入する。この圧力室651の膨張状態は、膨張ホールド期間P2の供給期間T2にわたって維持される。
続いて、噴射要素P3がピエゾ素子621に供給されると、ピエゾ素子621が期間T3にわたり大きく伸張する。そして、圧力室651は最小容積まで急激に収縮する。この収縮に伴い、圧力室651内のインクが加圧されてノズルから所定量のインクが噴射される。吐出要素P3に続いて収縮ホールド要素P4がピエゾ素子621に供給されると、圧力室651の収縮状態が期間T4の間、維持される。そして、圧力室651の収縮状態において、メニスカス(ノズル開口で露出しているインクの表面)は、インクの噴射の影響を受けて大きく振動する。
その後、メニスカスの振動を抑制し得るタイミングで制振要素P5が供給され、圧力室651が期間T5にわたって定常容積まで膨張復帰する。すなわち、圧力室651のインク圧力を相殺すべく、圧力室651を膨張させてインク圧力を減圧する。これにより、メニスカスの制振を短時間で行うことができ、次のインクの噴射を安定させることができる。
このような駆動パルスが複数、連続的に生成されて駆動信号COMを構成している。なお、以上の説明から分かるように、ノズルから噴射されるインクの量は、駆動信号COMのパルスPSの電圧振幅に依存する。例えば、電圧振幅が大きいほどノズルから噴射されるインク量が多くなる。これにより、形成されるドットのサイズが大きくなる。逆に、電圧振幅が小さいほどノズルから噴射されるインク量が少なくなる。これにより、形成されるドットのサイズが小さくなる。
図7は、駆動信号COMの説明図である。駆動信号COMは繰り返し周期Tごとに繰り返し生成される。駆動信号COMは、第1区間Ta〜第4区間Tdを含む。第1区間Taは第1駆動パルスPS1を含み、第2区間Tbは第2駆動パルスPS2を含む。また、第3区間Tcは第3駆動パルスPS3を含み、第4区間Tdは第4駆動パルスPS4を含む。
第1駆動パルスPS1がピエゾ素子621に印加されると、用紙上に中ドットを形成するインクが噴射される。なお、この第1駆動パルスPS1は、後述するハーフトーン処理のドット階調値[10]に対応するパルスである。
また、第2駆動パルスPS2がピエゾ素子621に印加されると、用紙上に大ドットを形成するインクが噴射される。なお、この第2駆動パルスPS2は、後述するハーフトーン処理のドット階調値[11]に対応するパルスである。
また、第3駆動パルスPS3がピエゾ素子621に印加されると、ピエゾ素子621が微振動させられるが、インクは噴射されない。なお、この第3駆動パルスPS3は、後述するハーフトーン処理のドット階調値[00]に対応するパルスである。
また、第4駆動パルスPS4がピエゾ素子621に印加されると、用紙上に小ドットを形成するインクが噴射される。なお、この第4駆動パルスPS4は、後述するハーフトーン処理のドット階調値[01]に対応するパルスである。
第1駆動パルスPS1〜第4駆動パルスPS4は、選択的に各ピエゾ素子621に印加される。
<印刷処理について>
このようなプリンタ1では、コンピュータ110から印刷データを受信すると、コントローラ50は、まず、搬送ユニット30によって給紙ローラ(不図示)を回転させ、印刷すべき紙Sをベルト34上に送る。紙Sはベルト34上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット20の下を通る。ヘッドユニット20の下を紙Sが通る間に、第1ヘッド23A、第2ヘッド23B、第3ヘッド23Cの各ノズルからインクが断続的に噴射される。つまり、ドットの形成処理と紙Sの搬送処理が同時に行われる。その結果、紙S上には搬送方向及び紙幅方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成され、画像が印刷される。そして、最後にコントローラ50は、画像の印刷が終了した紙Sを排紙する。
<プリンタドライバによる処理の概要>
上記の印刷処理は、前述したように、プリンタ1に接続されたコンピュータ110から印刷データが送信されることにより開始する。当該印刷データは、プリンタドライバによる処理により生成される。以下、プリンタドライバによる処理について、図8を参照しながら説明する。図8は、プリンタドライバによる処理の説明図である。
印刷データは、図8に示すように、プリンタドライバによって解像度変換処理(S011)、色変換処理(S012)、ハーフトーン処理(S013)、及び、ラスタライズ処理(S014)が実行されることにより生成される。
先ず、解像度変換処理では、アプリケーションプログラムの実行により得られたRGB画像データの解像度が、指定された画質に対応する印刷解像度に変換される。次に、色変換処理では、解像度が変換されたRGB画像データがCMYK画像データに変換される。ここで、CMYK画像データとは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び、ブラック(K)の色別の画像データを意味する。そして、CMYK画像データを構成する複数の画素データは、それぞれ256段階の階調値で表される。この階調値は、RGB画像データに基づいて定められるものであり、以下指令階調値ともいう。
次に、ハーフトーン処理では、画像データを構成する画素データが示す多段階の階調値が、プリンタ1で表現可能な少段階のドット階調値に変換される。すなわち、画素データが示す256段階の階調値が、4段階のドット階調値に変換される。具体的には、ドット階調値[00]に対応するドットなし、ドット階調値[01]に対応する小ドットの形成、ドット階調値[10]に対応する中ドットの形成、及び、ドット階調値[11]に対応する大ドットの形成の4段階に変換される。その後、各ドットのサイズについてドット生成率が決められた上で、ディザ法・γ補正・誤差拡散法等を利用して、プリンタ1がドットを分散して形成するように画素データが作成される。
次に、ラスタライズ処理では、ハーフトーン処理で得られた画像データに関し、各ドットのデータ(ドット階調値のデータ)が、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更される。そして、ラスタライズ処理されたデータは、印刷データの一部として送信される。
===濃度むらの抑制===
次に、上記のプリンタ1を用いて印刷する画像に生じる濃度むらと、当該濃度むらを抑制する方法について説明する。
以下の説明のため、「画素領域」と「列領域」を設定する。画素領域とは、紙S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。そして、1つの画素領域には、画像データを構成する1つの「画素」が対応する。また、「列領域」とは、搬送方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される紙S上の領域とする。1つの列領域には、データ上において搬送方向と対向する方向に画素が並んだ「画素列」が対応する。
<濃度むらについて>
先ず、濃度むらについて図面を参照しながら説明する。図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。理想的にドットが形成されるとは、画素領域の中心位置にインク滴が着弾し、そのインク滴が紙S上に広がって、画素領域にドットが形成されることである。各ドットが各画素領域に正確に形成されると、ラスタライン(搬送方向にドットが並んだドット列)が列領域に正確に形成される。
図9Bは、濃度むらが発生したときの説明図である。2番目の列領域に形成されたラスタラインは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、3番目の列領域側に寄って形成されている。その結果、2番目の列領域は淡くなり、3列目の列領域は濃くなる。また、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定のインク量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5列目の列領域は淡くなる。
このように濃淡の違うラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、搬送方向に沿う縞状の濃度むらが視認される。この濃度むらは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
<濃度むらの抑制方法について>
以上のような濃度むらを抑制するための方策としては、画素データの階調値(指令階調値)を補正することが考えられる。つまり、濃く(淡く)視認され易い列領域に対しては、淡く(濃く)形成されるように、その列領域を構成する単位領域に対応する画素データの階調値を補正すればよい。このため、ラスタライン毎に画素データの階調値を補正する濃度補正値Hを算出することになる。この濃度補正値Hは、プリンタ1の濃度むら特性を反映した値である。
ラスタライン毎の濃度補正値Hが算出されていれば、ハーフトーン処理の実行に際してプリンタドライバによって、その濃度補正値Hに基づいてラスタライン毎に画素データの階調値を補正する処理が行われる。この補正処理により補正された階調値で各ラスタラインが形成されると、当該ラスタラインの濃度が補正される結果、図9Cに示すように、印刷画像における濃度むらの発生が抑制されることになる。図9Cは、濃度むらの発生が抑制された様子を示す図である。
例えば、図9C中では、淡く視認される2番目と5番目の列領域のドット生成率が高くなり、濃く視認される3番目の列領域のドット生成率が低くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。このように、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度むらが抑制される。
<濃度補正値Hの算出について>
次に、ラスタライン毎の濃度補正値Hを算出する処理(以下、補正値取得処理ともいう)について概説する。補正値取得処理は、例えば、プリンタ1の製造工場の検査ラインにおいて、補正値算出システム200の下で行われる。補正値算出システムとは、プリンタ1の濃度むら特性に応じた濃度補正値Hを算出するためのシステムであり、上記の印刷システム100と略同様の構成である。つまり、補正値算出システムは、プリンタ1、コンピュータ110、及び、スキャナ120(便宜上、印刷システム100の場合と同一の符号にて表記する)を有する。
プリンタ1は、補正値取得処理の対象機器であり、該プリンタ1を用いて濃度むらがない画像を印刷するためには、前記補正値取得処理において該プリンタ1用の濃度補正値Hを算出することになる。なお、プリンタ1の構成等については、既述のため省略する。検査ラインに置かれたコンピュータ110には、該コンピュータ110が補正値取得処理を実行するための補正値算出プログラムがインストールされている。
以下、補正値取得処理の概略手順について図10を参照しながら説明する。図10は、補正値取得処理の流れを示す図である。なお、本実施形態のように多色印刷が可能なプリンタ1を対象とする場合、各インク色についての補正値取得処理は同様の手順により実施される。以下の説明では、一のインク色(例えば、イエロー)についての補正値取得処理について説明する。
先ず、コンピュータ110が印刷データをプリンタ1に送信し、既述の印刷動作と同様の手順により、プリンタ1が補正用パターンCPを紙Sに形成する(S021)。この補正用パターンCPは、図11に示すように、5種類の濃度のサブパターンCSPで形成される。なお、図11は補正用パターンCPの説明図である。
各サブパターンCSPは、帯状パターンであり、搬送方向に沿うラスタラインが紙幅方向に複数並ぶことにより構成される。また、各サブパターンCSPは、それぞれ一定の階調値(指令階調値)の画像データから生成されたものであり、図11に示すように、左のサブパターンCSPから順に濃度が濃くなっている。具体的には、左から15%、30%、45%、60%。85%の濃度のサブパターンとなっている。以下、濃度15%のサブパターンCSPの指令階調値をSa、濃度30%のサブパターンCSPの指令階調値をSb、濃度45%のサブパターンCSPの指令階調値をSc、濃度60のサブパターンCSPの指令階調値をSd、そして、濃度85%のサブパターンCSPの指令階調値をSeと表記する。そして、例えば、指令階調値Saにて形成されたサブパターンCSPを、図11に示すように、CSP(1)と表記する。同様に、指令階調値Sb、Sc、Sd、Seにて形成されたサブパターンCSPを、それぞれCSP(2)、CSP(3)、CSP(4)、CSP(5)と表記する。
次に、検査者は補正用パターンCPが形成された紙Sをスキャナ120にセットする。そして、コンピュータ110は、スキャナ120に補正用パターンCPを読み取らせ、その結果を取得する(S022)。スキャナ120は、前述したようにR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に対応する3つのセンサを有しており、補正用パターンCPに光を照射し、その反射光を各センサによって検出する。なお、コンピュータ110は、補正用パターンを読み取った画像データ上において、搬送方向に相当する方向に画素が並んだ画素列数と、補正用パターンを構成するラスタライン数(列領域数)が、同数になるように調整する。つまり、スキャナ120にて読み取った画素列と列領域を一対一で対応させる。そして、ある列領域と対応する画素列の各画素が示す読取階調値の平均値を、その列領域の読取階調値とする。
次に、コンピュータ110は、スキャナ120によって取得された読取階調値に基づいて、各サブパターンCSPのラスタライン毎(換言すると列領域毎)の濃度を算出する(S023)。以下、読取階調値に基づいて算出された濃度のことを算出濃度ともいう。
図12は、指令階調値がSa、Sb、ScのサブパターンCSPについてラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。図12の横軸は、ラスタラインの位置を示し、縦軸は、算出濃度の大きさを示している。図12に示すように、各サブパターンCSPは、それぞれ同一の指令階調値で形成されたにも関わらずラスタライン毎に濃淡が生じている。このラスタラインの濃淡差が、印刷画像の濃度むらの原因である。
次に、コンピュータ110は、ラスタライン毎の濃度補正値Hを算出する(S024)。なお、濃度補正値Hは、指令階調毎に算出される。以下、指令階調Sa、Sb、Sc、Sd、Seについて算出された濃度補正値HのことをそれぞれHa、Hb、Hc、Hd、Heとする。濃度補正値Hの算出手順を説明するために、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)のラスタライン毎の算出濃度が一定になるように指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順を例に挙げて説明する。当該手順では、例えば、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における全ラスタラインの算出濃度の平均値Dbtを、指令階調値Sbの目標濃度として定める。図12において、この目標濃度Dbtよりも算出濃度が淡い第iラスタラインでは、指令階調値Sbを濃くする方へ補正すれば良い。一方、目標濃度Dbtよりも算出濃度が濃い第jラスタラインでは、指令階調値Sbを淡くする方へ補正すれば良い。
図13Aは第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。また図13Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。図13A及び図13Bの横軸は指令階調値の大きさを示し、縦軸は算出濃度を示している。
第iラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図13Aに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第iラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値ScのサブパターンCSP(3)における第iラスタラインの算出濃度Dc、に基づいて算出される。より具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも小さくなっている。換言すると、第iラスタラインの濃度は平均濃度よりも淡くなっている。仮に、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第iラスタラインを形成したいのであれば、該第iラスタラインに対応する画素データの階調値、すなわち、指令階調値Sbを、図13Aに示すように、第iラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sb,Db)、(Sc,Dc)から直線近似を用いて、下記式(1)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Dbt−Db)/(Dc−Db)}…(1)
そして、指令階調値Sbと目標指令階調値Sbtから、下記式(2)により、第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hが求められる。
Hb=ΔS/Sb=(Sbt−Sb)/Sb …(2)
一方、第jラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図13Bに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第jラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値SaのサブパターンCSP(1)における第jラスタラインの算出濃度Da、に基づいて算出される。具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも大きくなっている。仮に、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第jラスタラインを形成したいのであれば、該第jラスタラインの指令階調値Sbを、図13Bに示すように、第jラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sa,Da)、(Sb,Db)から直線近似を用いて、下記式(3)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sb−Sa)×{(Dbt−Db)/(Db−Da)}…(3)
そして、上記式(2)により、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbが求められる。
以上のようにして、コンピュータ110は、ラスタライン毎に、指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbを算出する。同様に、指令階調値Sa、Sc、Sd、Seに対する濃度補正値Ha、Hc、Hd、Heを、それぞれラスタライン毎に算出する。また、他のインク色についても、ラスタライン毎に、指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heを算出する。
その後、コンピュータ110は、濃度補正値Hのデータをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ53に記憶させる(S025)。この結果、プリンタ1のメモリ53には、図14に図示された、ラスタライン毎に5つの指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heをまとめた補正値テーブルが作成される。図14は、メモリ53に記憶された補正値テーブルを示す図である。
また、図14に示すように、補正値テーブルはインク色別に作成される。この結果、CMYK4色分の補正値テーブルが形成される。この補正値テーブルは、プリンタ1を用いて画像を印刷する際に、当該画像の画像データを構成する各ラスタラインの階調値を補正するためにプリンタドライバによって参照される。
補正値取得処理が完了した後、プリンタ1は、他の検査工程を経た後に梱包されて出荷される。そして、当該プリンタ1の購入者(ユーザ)の下で画像を印刷する際には、濃度補正値Hによって補正された濃度の画像が印刷されることになる。
例えば、ユーザーのコンピュータ110のプリンタドライバは、各画素データの階調値(以下、補正前の階調値をSinとする)を、その画素データが対応するラスタラインの濃度補正値Hに基づいて補正する(以下、補正後の階調値をSoutとする)。
具体的には、あるラスタラインの階調値Sinが指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seの何れかと同じであれば、コンピュータ110のメモリに記憶されている濃度補正値Hをそのまま用いることができる。例えば画素データの階調値Sin=Sbであれば、補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sb×(1+Hb)
一方、画素データの階調値が指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seと異なる場合、その周囲の指令階調値の濃度補正値を用いた補間に基づいて補正値を算出する。例えば指令階調値Sinが指令階調値Sbと指令階調値Scとの間の場合、指令階調値Sbの濃度補正値Hb、及び指令階調値Scの濃度補正値Hcを用いた線形補間により求めた補正値をH´とすると、指令階調値Sinの補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sin×(1+H´)
こうして、ラスタラインごとに濃度補正処理が行なわれる。
===第1実施形態===
前述したような補正値取得処理は、印刷媒体(例えば紙S)の種類を変えて、複数回実施される。これは、紙Sの種類が異なると画像の濃度むらの度合いが異なる可能性があることにより、紙Sの種類毎についてそれぞれ適切な補正値テーブルを改めて作成する必要があると考えられるためである。しかし、全ての紙Sの種類毎に補正値テーブルを作成するには手間や時間がかかる。また、プリンタ1のメモリ53において、補正値テーブルを記憶するための容量が増大する。
そこで本実施形態では、印刷対象用紙とは別の用紙で作成した補正値テーブルを、印刷対象用紙に印刷する際に適用するようにする。しかし、別の用紙の補正値テーブルを用いることにより濃度むらが起こることが考えられる。ドットサイズを大きくすれば濃度むらを抑えられることが知られているが、その一方、画像の視覚的な指標である粒状度が大きくなる。そこで、本実施形態では、後述するように濃度むらと粒状度との関係に基づいてドットサイズを調整している。なお、第1実施形態では単一のドットサイズを用いて印刷を行なう場合について説明する。
<評価パターンについて>
まず、本実施形態で用いる評価パターンについて説明する。
図15は、第1実施形態で用いる評価パターンの一例を示す図である。図では、A〜Dの4つのパターンが形成されている。これらの各パターンは、それぞれ3つのヘッド(第1ヘッド23A、第2ヘッド23B、第3ヘッド23C)を用いて形成されている。すなわち、各パターンは紙幅方向にバンド1、バンド2、バンド3の3つの領域に亘って形成されている。また、各パターンには同じ配置でドットが形成されている。例えば、本実施形態では、拡大図に示すように市松模様状にドットが形成されている。
また、これらの各パターンを形成する際、コントローラ60は、ピエゾ素子を駆動させるための駆動信号COMにおける駆動パルスの電圧振幅(図6のVHとVLの差)の大きさを変えている。これにより各パターンのドットは異なるサイズで形成されている。具体的にはコントローラ60は、各パターンを形成する際に、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDの順で駆動パルスの電圧振幅を大きくしている。よって、パターンAは最も小さいドットサイズで形成されており、パターンB、パターンCの順でドットサイズが大きくなっている。そして、パターンDは最も大きいドットサイズで形成されている。このように駆動信号COMの電圧振幅を変えることによってドットサイズを調整することで、ドットサイズの大きさの調整を正確且つ容易に行うことができる。
このような評価パターンを印刷対象用紙に印刷して、その画像を例えばスキャナ120で読み取ることにより、後述する濃度ばらつき及び粒状度をパターン(すなわちドットサイズ)毎に算出する。以下、本実施形態での評価指標である濃度ばらつきと粒状度について説明する。
<濃度ばらつきについて>
本実施形態では、濃度ばらつきを示す指標として、色差式ΔE94を用いる。ΔE94は以下の式にて表される。
ΔE94=√{(ΔH*/Sh)+(ΔL*/SL)+(ΔC*/Sc)}
なお、L*、C*、H*は、それぞれ、L***表示系の明度、彩度、色相である。また、SL=1、Sc=1+0.045C*、Sh=1+0.015C*である。
図16は、色差式ΔE94の概念について説明するための図である。
各ヘッドのノズルを用いて紙Sに印刷を行うと、前述したように紙Sの列領域にそれぞれノズルに対応したラスタラインが形成される。これをスキャナ120で読み取ることにより各ラスタラインに対応する画素列の濃度を示すRGB値が画素列毎に得られる。本実施形態では、RGB値は、L***表示系の成分(以下、Lab値)に変換される。全ラスタラインのLab値の平均を(L* ,a* ,b* )、第nラスタラインのLab値を(L* ,a* ,b* )とすると、Lab値の平均と第nラスタラインのLab値との色差はL***空間の2点間の距離で表される。例えば、第1ラスタラインのLab値を(L* ,a* ,b* )とすると、平均値(L* ,a* ,b* )との色差ΔEは、
ΔE=√{(L* −L* )+(a* −a* )+(b* −b* )}
となる。同様にして、平均値(L* ,a* ,b* )と第nラスタラインのLab値との色差ΔEをそれぞれ求める。これらの色差(本実施形態の場合ΔE〜ΔE36)をさらに平均した値がΔE94に相当する。
従って、上記の関係からわかるように、濃度ばらつきが大きいほど(各ラスタラインのLab値のばらつきが大きいほど)ΔE94の値は大きくなる。逆に、濃度ばらつきが小さいほど(各ラスタラインのLab値のばらつきが小さいほど)ΔE94の値は小さくなる。このようにΔE94を評価指標として用いることで、後述する濃度ばらつきの範囲を的確に定めることができる。
なお、濃度ばらつきの評価指標は上述したものには限定されない。例えば、各ラスタラインの平均値ではなく、絶対値(目標値)を定めておき、その絶対値と各ラスタラインの値との色差を求めるようにしてもよい。
<粒状度について>
粒状度とは、画像の濃度のばらつき度合いを定量的に表した視覚的な指標である。
本実施形態では粒状度の算出式として、DoolyとShawの評価式を基本とした以下の式(4)を用いた。
粒状度=a(L*)∫(WS(u))0.5VTF(u)du ……(4)
ここで、uは空間周波数、WSは画像のウィナースペクトル、VTF(Visual Transfer Function)は視覚の空間周波数特性、aは明度補正項である。
ウィナースペクトルWSは、画像をスキャンして読み取った画像データ(RGB)を3D-LUT(3次元ルックアップテーブル)を用いてL***空間に変換し、L*成分の画像に対して、2次元のフーリエ変換(FFT)を施した後、曲座標系に変換して1次元化したものである。
空間周波数特性VTFは、人間の視覚に関する特性である。本実施形態ではVTFとして以下の式(5)を用いた。
VTF(u)=5.05exp(-0.138πlu/180){1-exp(-0.1πlu/180)} ……(5)
なお、lは明視距離であり、本実施形態では300mmとしている。
図17は空間周波数特性VTFの概念図である。図の横軸は空間周波数(u)であり、縦軸はVTFである。この空間周波数特性VTFは、人間の視覚感度が鈍くなる高周波成分を抑制するフィルタ(いわゆるローパスフィルタ)であるといえる。
また、明度補正項aは、ウィナースペクトルWSとVTFに基づいて得られた値を人間の感覚と合わせるための係数である。本実施形態では、明度補正項aには以下の式(6)を用いた。
a(L*)=((L*+16)/116)0.8 ……(6)
このように、上述した式を用いて評価パターンの読み取りデータから粒状度を算出した。なお、粒状度は小さいほうが好ましく、粒状度が或る大きさを超えると粒状性(ノイズ)を視認しやすくなる。そこで、本実施形態では、後述するように粒状度の大きさについて許容できる範囲(以下、許容範囲)を予め設けている。本実施形態では、式(4)によって粒状度を定量的に算出しているので、許容範囲を的確に定めることができる。
<印刷時の処理について>
次に本実施形態の印刷時の処理について説明する。
図18は、第1実施形態の印刷処理についてのフロー図である。なお、図18は、例えばユーザー下において基本用紙とは別の種類の印刷対象用紙に印刷する際に行われる処理について示している。図では示していないが、プリンタ1の製造工場の検査ラインにおいて基本用紙に対する補正値テーブルが作成されプリンタ1のメモリ53に記憶されている。
ユーザーのコンピュータ110のプリンタドライバは評価パターンの画像データから印刷データを作成する。そして、コンピュータ110は印刷データに基づいて、プリンタ1に図15の評価パターンの各パターン(ドットサイズのそれぞれ異なるパターンA〜パターンD)を、印刷対象用紙に印刷させる(S101)。なお、プリンタドライバは、評価パターンの画像データを濃度補正値Hによりラスタライン毎(画素列毎)に補正した印刷データを作成する。従って、印刷対象用紙に印刷された評価パターンは、補正値テーブルを適用したパターン(テストパターン)であるといえる。
次に、コンピュータ110は、印刷した評価パターンの各パターンをスキャナ120に読み取らせる(S102)。そしてその読み取り結果に基づいて、前述したΔE94および粒状度をそれぞれパターン毎(すなわちドットサイズ毎)に算出する(S103)。ΔE94および粒状度を算出したならば、コンピュータ110は、その算出結果に基づいて、ΔE94が所定値内であり、且つ、粒状度が許容範囲内となるドットサイズを選択する(S104)。
図19は、ドットサイズの選択について説明するための図である。図の横軸は粒状度の大きさを示し、縦軸はΔE94の大きさを示している。また、図のαは本実施形態において予め定めた色むらの範囲の最大値である。つまり、本実施形態では色むらをゼロ〜αの範囲内に収めるようにしている。また、図のβは粒状度の許容値である。すなわち本実施形態における粒状度の許容範囲はゼロ〜βの間である。
また、図のA、B、C、Dの各点はそれぞれ、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDのΔE94と粒状度の算出結果をプロットしたものである。なお、前述したようにドットサイズはA<B<C<Dとなっている。
図からドットサイズが大きいほど、ΔE94(濃度ばらつき)は小さくなることがわかる。例えば、図においてAとBを比べると、ドットサイズの大きいBの方がAよりもΔE94の値が小さくなっている。
また、図からドットサイズが大きいほど、粒状度が大きくなることがわかる。例えば図においてCとDを比べると、ドットサイズの大きいDの方がCよりも粒状度の値が大きくなっている。
このように、ドットサイズを大きくするほど、濃度ばらつきを小さくすることが出来るが、その一方で粒状度が大きくなる。逆にドットサイズを小さくするほど粒状度を小さくすることができるが、その一方で濃度ばらつきが大きくなる。
そこで、本実施形態では、ΔE94がゼロ〜αの範囲内であり、且つ、粒状度がゼロ〜βの範囲内となるパターン(ドットサイズ)を選ぶようにした。つまり、濃度ばらつきと粒状度が図19の斜線部分内の領域になるようにしている。こうすることにより、濃度ばらつきと粒状度とをともに満たす印刷を行なうことが可能となる。
本実施形態の場合、図の斜線部分の領域にあるのは点Bと点Cなので、パターンBのドットサイズ、又は、パターンCのドットサイズを選択することになる。なお、どちらを選択するかは、例えばΔE94(濃度ばらつき)と粒状度とで優先度を設定しておくようにすればよい。例えば、粒状度を優先するようにした場合には、パターンBのドットサイズが選ばれることになる。
そして、ステップS104においてドットサイズを決定した後、印刷対象用紙に印刷する際には、コンピュータ110は、プリンタ1に、そのドットサイズを用いて、また基本用紙で作成した補正値テーブルを適用してラスタライン毎に補正を行なって印刷させる(S105)。
このように、濃度ばらつきと粒状度とがそれぞれ定めた範囲内になるドットサイズを選択して用いるようにしているので、基本用紙で作成した補正値テーブルを印刷対象用紙の印刷に好適に適用することができる。
以上、説明したように本実施形態では、印刷対象用紙に印刷する際に、基本用紙で作成した補正値テーブルを用いている。また、その際に、評価パターンをもち濃度ばらつき(ΔE94)と粒状度の算出をまず行ない、濃度ばらつきが所定範囲内であり、且つ粒状度が許容範囲内となるドットサイズを用いるようにしている。このように濃度ばらつきと粒状度とを考慮しているので、基本用紙で作成した補正値テーブルを印刷対象用紙の印刷に好適に適用することができる。すなわち、媒体毎に補正値テーブルを作成する必要がなくなり、補正値テーブルの数の削減を図ることができる。
===第2実施形態===
第1実施形態では単一のドットサイズを用いて印刷する場合について説明したが、第2実施形態では複数のドットサイズを用いて印刷する場合について説明する。第2実施形態では、印刷する際に、3つのドットサイズ(大ドット、中ドット、小ドット)を用いる。なお、各ドットサイズのドットを形成させる駆動信号COMは前述した図7のようになっている。この駆動信号COM全体の電圧振幅を変えると、大ドット、中ドット、小ドットの各ドットサイズの大きさは一律変化する。
図20A、図20B、図20Cは、駆動信号COMの電圧振幅の変化の説明図である。なお、図20Aは、駆動信号COMの電圧振幅を大きくする場合の図であり、図20Bは駆動信号COMの電圧振幅を小さくする場合の図である。図20Cは図20Aの変形例である。また、図の実線は電圧振幅を変化させる前の駆動信号COMを示し、図の点線は電圧振幅を変化させた後の駆動信号COMを示している。また、図のaは駆動信号COM全体の電圧振幅(すなわち、電圧振幅が最も大きい第2駆動パルスPS2の電圧振幅)である。
前述したように第1駆動パルスPS1は中ドットを形成するパルスであり、第2駆動パルスPS2は大ドットを形成するパルスであり、第3駆動パルスPS3はピエゾ素子621を微振動させる(インクを吐出させない)パルスであり、第4駆動パルスPS4は少ドットを形成するパルスである。各パルスの電圧振幅の大きさは、PS3<PS4<PS1<PS2となっている。
ここで図20Aに示すように第2駆動パルスPS2の電圧振幅aを大きく(a´に)すると、それに伴って駆動信号COMの波形は図20Aの点線のようになる。つまり、第1駆動パルスPS1、第3駆動パルスPS3、及び第4駆動パルスPS4の電圧振幅も、第2駆動パルスPS2の変化に比例して電圧振幅が大きくなる。この結果、大ドット、中ドット、小ドットの各ドットサイズが大きくなる。
また、図20Bに示すように第2駆動パルスPS2の電圧振幅aを小さく(a″に)すると、それに伴って駆動信号COMの波形は図20Bの点線のようになる。つまり、第1駆動パルスPS1、第3駆動パルスPS3、及び第4駆動パルスPS4の電圧振幅も、第2駆動パルスPS2の変化に比例して電圧振幅が小さくなる。この結果、大ドット、中ドット、小ドットの各ドットサイズが小さくなる。
このように、駆動信号COM全体の電圧振幅を変えることで、大ドット、中ドット、小ドットを形成する各パルスの電圧振幅が一律変化する。これにより、大ドット、中ドット、小ドットの大きさがそれぞれ変化する。
なお、図20Aのように駆動信号COMの電圧振幅を大きくする際にピエゾ素子621を微振動させる第3駆動パルスPS3も大きくすると、この第3駆動パルスPS3によって誤ってインクが吐出されるおそれがある。そこで、図20Cのように、第3駆動パルスPS3のみ大きさを変化させないようにしてもよい。こうすることで、ピエゾ素子621を微振動させる期間に誤ってインクを吐出してしまうことを確実に防止することができる。
第2実施形態では、評価パターンとして、駆動信号COMの電圧振幅を変えた5つのパターンの印刷を行なうこととした。具体的には、コンピュータ100は、駆動信号COMの電圧振幅を0.8倍、0.9倍、1.0倍(基準)、1.1倍、及び1.2倍の大きさでそれぞれ変化させたパターンを、プリンタ1によって印刷対象用紙に印刷させる。また、第2実施形態では、評価パターンの各パターンを印刷する際に大ドット、中ドット、小ドットの3つのドットサイズを用いるようにしている。
なお、各パターンにおいて大ドット、中ドット、小ドットの混合の割合は同じであるが、大ドット、中ドット、小ドットの各ドットサイズはパターン毎にそれぞれ異なっている。このように、第1実施形態では、評価パターンの各パターンは1つのドットサイズで形成されていたのに対し、第2実施形態では、各パターンは大、中、小の3つのドットサイズが所定の割合で混在して形成されることになる。
そして、コンピュータ110は、印刷した評価パターンを、スキャナ120によって読み取りを行わせ、その読み取り結果から、第1実施形態と同様に、各パターンの濃度ばらつきと粒状度と算出する。そして、その結果から最適なパターンを選択する。
図21は、第2実施形態のドットサイズの選択についての説明図である。なお、図のVa、Vb、Vc、Vd、Veの各点は、駆動信号COMの電圧振幅をそれぞれ0.8倍、0.9倍、1.0倍、1.1倍、及び1.2倍としたときの各パターンの算出結果をプロットしたものである。
なお、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、濃度ばらつきがゼロ〜α、粒状度がゼロ〜βとなるような範囲(図21の斜線部分)を定めている。つまり、濃度ばらつきと粒状度が図21の斜線部分内の値になるように定められている。第2実施形態では、濃度ばらつきと粒状度の算出結果がこの範囲内となるパターンを選択する。言い換えると、斜線の範囲内となるパターンを形成するのに用いられた大、中、小の各ドットサイズを選択する。
図から、電圧振幅が大きくなるほど(Va、Vb、Vc、Vd、Veの順で)、濃度むらが小さくなるが、その一方、粒状度が大きくなっていることがわかる。これは、電圧振幅に応じて各サイズ(大、中、小)のドットの大きさが一律大きくなるためである。
逆に、電圧振幅が小さくなるほど(Ve、Vd、Vc、Vb、Vaの順で)、粒状度が小さくなるが、その一方、濃度ばらつきが大きくなっていることがわかる。これは、電圧振幅に応じて各サイズ(大、中、小)のドットの大きさが一律小さくなるためである。
図21では、これらの5つのパターンのうち斜線内にあるのは、Vb、Vc、Vdの3つである。よって、この3つが選択候補になり、コンピュータ110は、これらの3つのパターンの何れかを選択する。なお、どのパターンを選択するかは、予め優先順位を定めておけばよい。例えば、粒状度を優先する場合には、Vbを選択し、濃度ばらつき(ΔE94)を優先する場合にはVdを選択するようにすればよい。また、粒状度と濃度ばらつきの優先度が同等の場合はVcを選択するようにしてもよい。
そして、印刷対象用紙に印刷する際には、コンピュータ110はプリンタ1に、選択したパターンの電圧振幅に対応する大ドット、中ドット、小ドットを用いて、また基本用紙で作成した補正値テーブルを適用してラスタライン毎に補正を行なって印刷させる。
このように第2実施形態では大ドット、中ドット、小ドットを用いて印刷を行ない、濃度むらと粒状度をそれぞれ定められた範囲内になるようにしている。これにより、複数のドットサイズを用いる場合においても、濃度ばらつきと粒状度とを考慮した印刷を行なうことができ、基本用紙で作成した補正値テーブルを印刷対象用紙の印刷に好適に適用することができる。よって、補正値テーブルの数の削減を図ることができる。
なお、第2実施形態では3つのドットサイズを用いているが、3つには限定されず、例えば2つのドットサイズを用いてもよいし、4つ以上のドットサイズを用いても良い。
===第3実施形態===
前述した実施形態では、図15に示すように、評価パターンの各パターンには同じ配置でドットが形成されていた。すなわち、各パターンに形成されるドット数は同じであった。これに対し第3実施形態では、評価パターンのパター毎にドット数(ドットの密度)を変えている。なお、一つの評価パターンの各パターンは同じドットサイズで形成されている。第3実施形態では、そのような評価パターンを、ドットサイズを変えて複数枚(本実施形態では2枚)印刷している。
図22A及び図22Bは、第3実施形態の評価パターンの一例である。図22A及び図22Bに示す評価パターンには、ドット数を変えることによって階調値の異なる複数のパターンが印刷されている。例えば、図において左側のパターンほど階調値が高く(ドット数が少なく)、図の右側のパターンほど階調値が低く(ドット数が多く)なっている。
なお、図22Aと図22Bでは、印刷に用いるドットサイズが異なっている。図22Aは単一のドットサイズaで印刷されており、図22Bは単一のドットサイズb(b>a)で印刷されている。これにより、図22Bの方が図22Aよりも全体的に色が濃く(階調値が低く)なっている。
前述した実施形態と同様にコンピュータ110は、プリンタ1に図22A及び図22Bに示す評価パターンを印刷させ、印刷された評価パターンをそれぞれスキャナ120で読み取らせる。コンピュータ110は、スキャナ120の読み取り結果のRGB値を、L***表示系の成分(Lab値)に変換することにより、各パターンのL*値を算出する。そして、コンピュータ110は、図22Aと図22Bの各パターンのうちからL*値がほぼ同じパターンを選択する。本実施形態では、図22Aと図22Bの矢印で結んだ各パターンのL*がほぼ同じ値となっており、これらのパターンが選択される。
コンピュータ110は、選択したこれらのパターンについて、前述した実施形態と同様に、粒状度及びΔE94の値を算出する。そして、評価パターン毎に粒状度及びΔE94の平均値を求め、求めたΔE94がゼロ〜αの範囲内であり、且つ、粒状度がゼロ〜βの範囲内であるドットサイズを選択する。例えば、図22Aで選択したパターンのΔE94がゼロ〜αの範囲内であり、粒状度がゼロ〜βの範囲内であればドットサイズaを選択する。そして、印刷対象用紙に印刷する際には、選択したドットサイズを用いるようにする。
この第3実施形態の場合においても、第1実施形態と同様に濃度ばらつきと粒状度とを考慮したドットサイズを選択することができるので、基本用紙で作成した補正値テーブルを印刷対象用紙の印刷に好適に適用することができる。
===第4実施形態===
第3実施形態では、各評価パターンについて単一サイズのドットを用いていたが、第4実施形態では、各評価パターンに複数のドットサイズを用いている。
図23A及び図23Bは第4実施形態の評価パターンの一例である。各評価パターンの各パターンの形成に複数のドットサイズ(大ドット、中ドット、小ドット)を用いている点が第3実施形態と異なる。なお、図23Aと図23Bの評価パターンの各パターンにおいて、大ドット、中ドット、小ドットの割合は同じであるが、大きさがそれぞれ異なる。
例えば、本実施形態では、図23Aの評価パターンを印刷するときの駆動信号COMの電圧振幅がVa´であり、図23Bの評価パターンを印刷するときの駆動信号COMの電圧振幅がVb´(Vb´>Va´)となっている。よって、図23Bでは、図23Aの場合よりも大ドット、中ドット、小ドットともにドットサイズが大きくなっている。これにより図23Bでは図23Aよりも全体的に色が濃く(階調値が低く)なっている。
第4実施形態においても、コンピュータ110は、プリンタ1に図23A及び図23Bに示す評価パターンを印刷させ、印刷された評価パターンをそれぞれスキャナ120で読み取らせる。コンピュータ110は、スキャナ120の読み取り結果のRGB値を、L***表示系の成分(Lab値)に変換し、各パターンのL*値を算出する。そして、コンピュータ110は、図23Aと図23Bの各パターンのうちからL*値がほぼ同じパターンを選択する。本実施形態では、図23Aと図23Bの矢印で結んだ各パターンのL*がほぼ同じ値となっており、これらのパターンが選択される。
コンピュータ110は、選択したこれらのパターンについて、前述した実施形態と同様に、粒状度及びΔE94の値を算出する。そして、評価パターン毎に粒状度及びΔE94の平均値を求め、求めたΔE94がゼロ〜αの範囲内であり、且つ、粒状度がゼロ〜βの範囲内であるドットサイズを選択する。例えば、図23Aで選択したパターンのΔE94がゼロ〜αの範囲内であり、粒状度がゼロ〜βの範囲内であれば電圧振幅Va´を選択する。そして、印刷対象用紙に印刷する際には、選択した電圧振幅Va´に対応したドットサイズ(大ドット、中ドット、小ドット)を用いるようにする。
この第4実施形態では、第2実施形態と同様に、複数のドットサイズを用いる場合において、濃度ばらつきと粒状度とを考慮した印刷を行なうことができ、基本用紙で作成した補正値テーブルを印刷対象用紙の印刷に好適に適用することができる。よって、補正値テーブルの数の削減を図ることができる。
===その他の実施形態===
以上、上記実施形態に基づき、主に、本発明に係る補正値算出装置について説明したが、上記の説明には、色情報の選択を実行するための色情報選択システム、及び、色情報選択システム中のコンピュータ110に色情報選択処理を実行させるためのプログラムの開示も含まれている。また、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
<プリンタ1について>
上記実施形態では、媒体の搬送方向と交差する紙幅方向にノズルが並んだラインヘッドプリンタを例に挙げているがこれに限らない。例えば、ヘッドユニットをノズル列方向と交差する移動方向に移動しながら、移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成動作と、ノズル列方向である搬送方向に用紙を搬送する搬送動作(移動動作)とを交互に繰り返すプリンタであってもよい。
また、上記実施形態では、液体の一例であるインクを噴射するインクジェットプリンタについて説明したが、これには限られず、インク以外の他の液体を噴射する液体噴射装置に適用することも可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルタ製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であってもよい。
<スキャナ120について>
上記実施形態では、スキャナ120は、R、G、Bの各センサ(例えばCCD)を有し、原稿に照射された光の反射光を各センサで読取ることによりR、G、Bの色情報を取得するセンサ方式のものを用いていたがこれには限定されない。例えば、R、G、Bの各色の蛍光ランプを順次点滅し、モノクロイメージセンサで反射光を読み取り、R、G、Bの色情報を取得する光源切り替え方式や、あるいは、光源とセンサの間にR、G、Bのカラーフィルタを設け、このカラーフィルタを順次切り替えることによりR、G、Bの色情報を取得するフィルタ切り替え方式のものを用いてもよい。
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを噴射していた。しかし、液体を噴射する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<ドットサイズの調整について>
前述した実施形態では、駆動信号COMの電圧振幅を変えることによってドットサイズを変化させていたが、ドットサイズを変化させる方法はこれに限られない。例えば、駆動信号COMの駆動パルスPSの波形形状(例えば図6の膨張要素P1の傾きなど)を変えることによって、ドットサイズを変化させるようにしてもよい。
印刷システムの構成を示すブロック図である。 プリンタの搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。 ヘッドユニットの下面における複数のヘッドの配列の説明図である。 簡略説明用のヘッド配置とドット形成の様子の説明図である。 インク噴射機構の一例を詳しく示した図である。 駆動信号COMの一例の一部分を示したものである。 駆動信号COMの説明図である。 プリンタドライバによる処理の説明図である。 図9Aは、理想的にラスタラインが形成されたときの様子の説明図である。図9Bは、濃度ばらつきが発生したときの説明図である。図9Cは、濃度ばらつきの発生が抑制された様子を示す図である。 補正値取得処理の流れを示す図である。 補正用パターンCPの説明図である。 サブパターンCSPについてラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。 図13Aは、第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。図13Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。 補正値テーブルを示す図である。 第1実施形態で用いる評価パターンの一例を示す図である。 色差式ΔE94の概念について説明するための図である。 空間周波数特性VTFの概念図である。 第1実施形態の印刷処理についてのフロー図である。 第1実施形態のドットサイズの選択についての説明図である。 駆動信号COM全体の電圧振幅を変化させるときの説明図である。図20Aは、駆動信号COM全体の電圧振幅を大きくする場合の説明図であり、図20Bは駆動信号COM全体の電圧振幅を小さくする場合の説明図である。図20Cは図20Aの変形例である。 第2実施形態のドットサイズの選択についての説明図である。 第3実施形態で用いる評価パターンの一例を示す図である。 第4実施形態で用いる評価パターンの一例を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、20 ヘッドユニット、
23 ヘッド、23A 第1ヘッド、23B 第2ヘッド、23C 第3ヘッド、
30 搬送ユニット、32A 上流側ローラ、32B 下流側ローラ、34 ベルト、
40 検出器群、50 コントローラ、51 インターフェース、52 CPU、
53 メモリ、54 ユニット制御回路、62 駆動ユニット、
621 ピエゾ素子、623 固定板、624 フレキシブルケーブル、
64 流路ユニット、65 流路形成基板、
651 圧力室、652 インク供給口、653 リザーバ、
66 ノズルプレート、67 弾性板、673 島部、70 駆動信号生成回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、111 インターフェース、
112 CPU、113 メモリ、120 スキャナ、
121 読取キャリッジ、122 インターフェース、
123 CPU、124 メモリ、125 スキャナコントローラ

Claims (5)

  1. 所定方向に複数の画素が並ぶ画素列が前記所定方向と交差する方向に複数並んで構成されるテストパターンを、ある種類の媒体に印刷することと、
    前記ある種類の媒体に印刷された前記テストパターンを読取部で読み取ることと、
    前記テストパターンの読み取り結果に基づいて、前記画素列毎の濃度の補正値を求め、各画素列と各補正値とを対応付けた補正値テーブルを作成することと、
    前記ある種類とは別の種類の印刷対象媒体に、前記補正値テーブルを適用したテストパターンを、ドットサイズを変化させて印刷することと、
    前記補正値テーブルを適用したテストパターンを読取部で読み取り、その読み取り結果に基づいて、濃度ばらつきが所定範囲内であり、且つ、粒状度が許容範囲内のドットサイズを選択することと、
    前記印刷対象媒体に印刷する際に、選択した前記ドットサイズを用いて、前記補正値テーブルによって前記画素列毎に補正を行なうことと、
    を有する補正方法。
  2. 請求項1に記載の補正方法であって、
    液体を噴射させるための動作を行う素子を駆動する駆動信号の電圧振幅を変えることによって、前記ドットサイズを変化させる、補正方法。
  3. 請求項1又は2に記載の補正方法であって、
    前記印刷対象媒体に前記補正値テーブルを適用した前記テストパターンを印刷する際に、各パターンに複数のドットサイズを所定の割合で混合するとともに、各ドットサイズを前記パターン毎にそれぞれ変化させ、
    前記補正値テーブルを適用した前記テストパターンの読み取り結果に基づいて、前記濃度ばらつきが前記所定範囲内であり、且つ、前記粒状度が前記許容範囲内の前記パターンの形成に用いられた複数の前記ドットサイズを選択する、補正方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の補正方法であって、
    前記濃度ばらつきは、前記テストパターンの画素列の読み取り値の平均と各画素列の読み取り値との差を前記画素列毎に求め、その前記画素列毎に求められた前記差を平均することに基づいて算出される、補正方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の補正方法であって、
    前記粒状度は、前記テストパターンの読み取り結果に対してフーリエ変換を施すことに基づいて算出したウィナースペクトルと、視覚の特性である空間周波数特性と、の演算に基づいて算出される、補正方法。
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