JP2010094670A - ポリフッ化ビニリデン系複合膜およびその製造方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系複合膜およびその製造方法 Download PDF

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利之 石崎
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尚 皆木
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健太 岩井
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Abstract

【課題】
従来の水処理膜に比べ、分離機能の向上により透過水の水質を安定させるために、簡素なプロセスで優れたウイルス除去性能、純水透過性能、及び物理的強度を有するポリフッ化ビニリデン系複合膜を提供することを目的とする。
【解決手段】
溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を50重量%以上88重量%以下、かつセルロースエステルを12重量%以上50重量%以下含有し、平均孔径0.01μm以上1μm以下の三次元網目構造を有し、厚さが5μm以上100μm以下であって、実質的に5μm以上のマクロボイドを有しない分離機能層が、平均直径0.1μm以上5μm以下の球状構造を有するポリフッ化ビニリデン系支持膜に積層されて形成されていることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系複合膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理分野、医薬品製造分野、食品工業分野などに好適に用いられる分離膜に関する。さらに詳しくは、液体中のウイルスなどの微小物を効率的に除去する分野に好適に使用できるポリフッ化ビニリデン系複合膜の製造方法に関する。
近年、河川水や地下水の除濁、工業用水の清澄化、排水の高度処理などの浄水分野にフッ素系樹脂の中空糸膜モジュールが適用されるようになってきた。これら浄水分野で用いられる中空糸膜モジュールには、長期運転を目的に酸、アルカリ、塩素、界面活性剤などの薬品洗浄を中空糸膜モジュールに施し、再生を繰り返して使用される。このために使用される中空糸膜には、高い耐薬品性能(化学的強度)、物理強度が要求され、加えてクリプトスポリジウムなどの病原性微生物が透過処理水に混入しない分離特性が必要とされている。また飲料水製造、医薬品製造、食品工業分野では、製造工程内にウイルスなどの病原体が混入すると製造ラインが汚染され、ウイルス感染症などを引き起こす危険性がある。このために種々の殺菌技術が用いられ、物理的にウイルスを細孔で除去できる分離膜の利用が注目されるようになってきた。このように分離膜には、優れた分離性能、化学的強度(耐薬品性)、物理強度、及び透過性能が求められている。
この様な特性要求に対して化学的強度(耐薬品性)、物理強度を併せ有するポリフッ化ビニリデン系樹脂の分離膜が用いられるようになって来た。しかしながらポリフッ化ビニリデン樹脂製の分離膜は、化学的強度(耐薬品性)、物理強度が高いものの、膜面に疎水性相互作用があって汚れ易く、透水性能が低下する。
このためにポリフッ化ビニリデン樹脂の親水化など耐汚れ性、透水性、或いはウイルス除去性の改善が行われてきた。例えば特許文献1に記載の方法では、酢酸セルロースとポリフッ化ビニリデン系樹脂をブレンドした分離膜の製造方法が開示されている。しかし、単層系の膜で親水性の効果が発現するまで酢酸セルロースをブレンドした場合、酸、アルカリ、塩素などの耐薬品性が低く、機械的強度が低下する懸念がある。また特許文献2には、表層に親水性高分子を含有するフッ素系樹脂を形成させて、高い物理強度や透水性能などを有する複合膜が開示されている。しかし、この複合膜はマクロボイドを含み膜細孔が粗いためにウイルスなどの微小物を除去する分離特性が低い。また特許文献3では、表層に親水性高分子を含有するフッ素系樹脂で形成させた複合膜が高い分離特性を有すること開示されている。しかしながらウイルス除去性については未だ不十分であった。また特許文献4には、医療用途の中空糸膜の記載がある。しかし、高いウイルス除去性能を示すものの膜厚が薄いため物理的強度が低く、さらに透過性能も低い。
特開平2−78425号公報 特開2006−239680号公報 特開2006−263721号公報 国際公開第03/26779号パンフレット
本発明は上記のような問題点に鑑み、簡素なプロセスで優れたウイルス除去性能、純水透過性能、及び物理的強度を有するポリフッ化ビニリデン系複合膜を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するために以下の(1)から(2)の構成からなる。
(1)溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を50重量%以上88重量%以下、かつセルロースエステルを12重量%以上50重量%以下含有し、平均孔径0.01μm以上1μm以下の三次元網目構造を有し、厚さが5μm以上100μm以下であって、実質的に5μm以上のマクロボイドを有しない分離機能層が、平均直径0.1μm以上5μm以下の球状構造を有するポリフッ化ビニリデン系支持膜に積層されて形成されていることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系複合膜。
(2)溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を8重量%以上14重量%以下、かつセルロースエステルを2重量%以上12重量%以下含有し、溶液粘度が1Pa・s以上100Pa・s以下のコート溶液を、ポリフッ化ビニリデン系支持膜にコーティングしながら、2秒以下の空走時間を経て凝固浴中で凝固させることで、該ポリフッ化ビニリデン系支持膜に分離機能層を形成することを特徴とするポリフッ化ビニリデン系複合膜の製造方法。
本発明の製造方法により、簡素なプロセスで優れたウイルス除去性能、純水透過性能、及び物理的強度を有するポリフッ化ビニリデン系複合膜およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る中空糸状分離膜に関する一様態の横断面(一部)を示す電子顕微鏡写真(倍率600倍)である。 本発明に係る中空糸状分離膜に関する一様態の横断面(一部)を示す電子顕微鏡写真(倍率3000倍)である。 実施例で用いたろ過抵抗上昇度の評価モジュールの概略図である。
以下、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂複合膜、およびポリフッ化ビニリデン系樹脂複合膜の製造方法の具体的な実施形態について述べる。
本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂で、複数のフッ化ビニリデン共重合体を含有しても構わない。フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデンの残基構造を有するポリマーであり、典型的にはフッ化ビニリデンモノマーとそれ以外のフッ素系モノマーなどとの共重合体である。かかる共重合体としては、例えば、フッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上とフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない程度に、前記フッ素系モノマー以外の例えばエチレンなどのモノマーが共重合されていても良い。なかでも化学的強度および物理的強度の高さからフッ化ビニリデンホモポリマーからなる樹脂が好ましく用いられる。
上述したポリフッ化ビニリデン系樹脂を支持膜に用いる場合、物理的強度や透水性を考慮すると重量平均分子量が5万から70万の範囲内にあることが好ましく、溶媒への溶解性や紡糸性を考慮すると重量平均分子量10万〜50万のものが好ましく用いられる。
またコート層に用いるポリフッ化ビニリデン系樹脂の場合、溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂が用いられるが、一般的に溶融粘度と重量平均分子量との関係が一義的に決まることから、溶融粘度2500Pa・s以上に相当する重量平均分子量のポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いても良い。溶融粘度2500Pa・s以上となるポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量としては、一般的に70万以上であるが、90万以上であればより確実に達成される。溶融粘度が2500Pa・s以上、あるいは重量平均分子量が70万以上であるとマクロボイド発生を抑制しウイルス除去などの分離特性を向上させることができる。ここで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶融粘度の上限については特に制限はないが、7000Pa・sを超える、あるいは重量平均分子量が130万を超えると、溶媒への溶解性の低下、或いは複合膜にした場合の透水性が低下する懸念がある。
本発明の支持膜は、主にポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液の冷却による熱誘起相分離法により製造される。ここでは重量平均分子量5万から70万のポリフッ化ビニリデン系樹脂を20重量%以上60重量%以下の濃度で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒もしくは良溶媒に結晶化温度以上の温度で溶解する。ポリフッ化ビニリデン系樹脂濃度は高くなれば、物理強度の高い支持膜が得られるが、分離膜の空孔率が小さくなり透過性能が低下傾向を示すので考慮する必要がある。従ってポリフッ化ビニリデン系樹脂濃度は30重量%以上50重量%以下の範囲とすることが好ましい。
該ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液をTダイ、二重管式口金などで、シート状或いは中空糸状に賦形して、冷却浴中で冷却固化する。冷却浴には0℃以上30℃以下で、濃度が50重量%以上95重量%以下の貧溶媒あるいは良溶媒と、濃度が5重量%以上50重量%以下の非溶媒からなる混合液体が好ましい。また、中空糸状に成形する際には、該ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液と同時に二重管式口金の中心パイプから中空部形成液体を吐出させる方法が好ましい。中空部形成液体には、冷却浴同様、濃度が50重量%以上95重量%以下の貧溶媒あるいは良溶媒と、濃度が5重量%以上50重量%以下の非溶媒からなる混合液体が好ましい。さらに貧溶媒としては樹脂溶液と同じ貧溶媒を用いることが好ましく採用される。
以上の支持膜の製造方法に加えて、透過性能を向上させるために延伸を行うことも好ましい。延伸温度は、好ましくは50℃以上165℃以下が好ましい。50℃以上であると延伸配向が均一に起こりやすくなり、165℃以下であるとポリフッ化ビニリデンの融点近くになるので、膜表面の微細孔の部分消失などを抑制することができる。延伸倍率は1.1倍以上4倍以下が好ましく、より好ましくは1.1倍以上2倍以下である。1.1倍以上であると透過性能が向上し、4倍以下であると座屈圧力などの物理強度の低下を抑制することができる。
本発明における貧溶媒とは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を60℃未満の低温では5重量%以上溶解させることができないが、60℃以上かつポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点以下(例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂がポリフッ化ビニリデンホモポリマー単独で構成される場合は178℃程度)の高温領域で5重量%以上溶解させることができる溶媒のことである。ここで、本発明における貧溶媒を例示すると、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロラクトン、メチルイソアミルケトン、プロピレンカーボネート、等の中鎖長のアルキルケトン、エステル、および有機カーボネート等およびその混合溶媒が挙げられる。
良溶媒としては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解し、好ましくは非溶媒誘起相分離により三次元網目構造を形成するものであればとくに制限されないが、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、テトラメチル尿素、リン酸トリメチル等の低級アルキルケトン、エステル、アミド等およびそれらの混合溶媒が挙げられる。ここで良溶媒とは、60℃未満の低温でもポリフッ化ビニリデン系樹脂を5重量%以上溶解させることが可能な溶媒である。
また非溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点または溶媒の沸点まで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解も膨潤もさせない溶媒と定義する。ここでポリフッ化ビニリデン系樹脂の非溶媒としては、水、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、o−ジクロルベンゼン、トリクロルエチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、低分子量のポリエチレングリコール等の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコール、塩素化炭化水素、またはその他の塩素化有機液体およびその混合溶媒などが挙げられる。
本発明に用いられるコート溶液は、溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を8重量%以上14重量%以下、かつセルロースエステルを2重量%以上12重量%以下含有する樹脂溶液である。通常、単一組成のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液をコート溶液に用いて非溶媒誘起相分離法で凝固させる場合、コート溶液の凝集性が高いために形成する膜壁に多数のマクロボイドが発生して、高い分離特性と透過性能を発現させることが難しい。なお、本発明においてマクロボイドとは、分離機能層中に形成された孔径が5μmを超える粗大な孔のことを指す。また溶融粘度の高いポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いることでマクロボイドを少なくすることができるが、膜壁に緻密層を形成するなどのために透過性能が低下する。本発明では親水性ポリマーであるセルロースエステルをブレンドすることでポリフッ化ビニリデン樹脂の凝集性を低下させ、相溶性を高めることができる。さらに溶融粘度の高いポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いることで分離機能層の細孔を均一的に形成し、従来膜に比べ高い分離特性と透過性能を発現させることが可能になる。
本発明では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶融粘度が2500Pa・s以上であることが必要であり、好ましくは3000Pa・s以上、さらに好ましくは3300Pa・s以上である。溶融粘度が2500Pa・s以上であることで物理的強度が向上し、ウイルス除去などの分離特性を低下させるボイドの発生を抑制できるため、本発明が達成される。また上限については特に制限はないが、7000Pa・sを超えると、樹脂の溶解性低下などの製造上の懸念がある。ここで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶融粘度は、ASTM D3835/232℃に剪断速度100秒−1の条件下で測定することができる。
またコート溶液におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂の濃度が、8重量%以上14重量%以下であることが必要であり、好ましくは8重量%以上12重量%以下である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の濃度が8重量%以上であると物理特性が向上し、一方で14重量%以下であると分離特性、透水性が向上するため、本発明が達成される。
また本発明でコート溶液中にブレンドするセルロースエステルのコート溶液における濃度は、2重量%以上12重量%以下であることが必要であり、好ましくは3重量%以上12重量%以下、さらに好ましくは5重量%以上12重量%以下である。セルロースエステルを2重量%以上にすると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の凝集性が低下して大きなボイド発生を抑制し、均一的な細孔形成によりウイルスの分離特性、及び耐ファウリング性が向上する。一方で12重量%以下にすると耐薬品性、物理的強度の低下を軽減することができるため、本発明が達成される。ここでセルロースエステルとは、繰り返し単位中に3つのエステル基を有し、それらの加水分解の程度を調整したセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートから少なくとも1種以上選ばれるものである。
本発明の製造方法では、溶液粘度が1Pa・s以上100Pa・s以下のコート溶液を、ポリフッ化ビニリデン系支持膜にコーティングしながら、2秒以下の空走時間を経て凝固浴中で凝固させる。中空糸状に賦形する場合、溶液粘度に合わせて、例えば特開2004−314059号公報に記載の弾性体で構成されるコートノズル、或いは金属、セラミックスなどで構成される円形ノズルを用いてコーティングすることが可能である。またシート状に賦形する場合、例えばTダイから引き出した支持膜にスリットコータでコーティングすることが可能である。
コート溶液の溶液粘度は1Pa・s以上100Pa・s以下であることが必要であり、好ましくは5Pa・s以上80Pa・s以下である。コート溶液の粘度が1Pa・s以上であると支持膜への過度なコート溶液の浸透を抑制することができ、また100Pa・s以下であるとズリ応力の増加によるコーティング斑を軽減して、本発明が達成される。ここで、コート溶液の溶液粘度は、溶液を50℃に保温して回転式デジタル粘度計(型式:PV-II+Pro,米国ブルックフィールド社製)で測定することができる。
コーティング後の空走時間は2秒以下が必要であり、好ましくは1秒以下である。コーティング後に2秒以下で凝固させると、気相中の湿気に誘起されたコート溶液の相分離の進展によるボイドの発達を抑制して、分離特性を向上させることができるため、本発明が達成される。なお凝固液としては、上述した40重量%以下の良溶媒と非溶媒との混合液が好ましく用いられるが、取り扱い容易な水を単独で用いることも好ましい。凝固浴温度は5℃以上、80℃以下であることが好ましい。5℃以上、80℃以下とすることでコート溶液粘度に合わせて、相分離を制御することにより膜壁の細孔を制御できるため、マクロボイドを減らすことができる。
本発明に係るポリフッ化ビニリデン系樹脂の複合膜について、以下に説明する。図1、図2は、本発明の複合中空糸膜の形態を説明する図面代用走査型電子顕微鏡写真である。
図1は本発明に係る中空糸状複合膜を構成する膜壁断面構造を示す図面代用写真(600倍)であり、図2は本発明に係る中空糸状複合膜を構成する膜壁断面構造を示す図面代用写真(3000倍)である。
これらの複合膜の構造は、溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を50重量%以上88重量%以下、かつセルロースエステルを12重量%以上50重量%以下含有する三次元網目構造の分離機能層と、それに続く球状構造の支持膜とで形成される。ポリフッ化ビニリデン系樹脂が50重量%以上であると分離特性や物理強度が向上し、88重量%以下であると透水性が向上する三次元網目構造を形成する。またセルロースエステルを12重量%以上含有することで耐ファウリング性が向上し、50重量%以下含有すると耐薬品性が向上する。本発明における複合膜は、球状構造の支持膜に分離機能層が積層されるものであるから、界面では層同士が互いに入り込むことで積層形成される。つまり球状構造の支持膜の場合では、球状の平均直径が大きくなると広い間隔で支持膜が接合するために、分離機能層が深く入り組む形で積層される。一方で球状の平均直径が小さくなると接合間隔が狭くなり、界面で相互に入り組んだ形で浅く構造が形成される。ここで三次元網目構造とは、固形分が三次元的に網目状に広がっている構造をいう。また三次元網目構造は網を形成する固形分に仕切られた細孔およびボイドを有する。また、球状構造とは、多数の球状もしくは略球状の固形分が、直接もしくは筋状に固形分を介して連結している構造のこという。
本発明に係る分離機能層は、平均孔径0.01μm以上1μm以下の三次元網目構造を有し、かつ厚さ5μm以上100μm以下であることが必要であるが、この場合、本発明に係る分離機能層は、最も小さいポリオウイルスの大きさ(約0.03μm)よりも少し大きい孔径を含む三次元網目構造の分離機能層が、ある程度以上の厚みをもって存在することになる。実際には、かかる性質を有することで、より好ましくウイルスなどの除去を行えることから、本発明に係る分離機能層においては、ウイルスより小さい孔径でろ過を行うシービング(篩い分け)ろ過よりも、小さい粒子やウイルスを細孔内で捕捉する、いわゆるデプスろ過が支配的に起こると考えられる。
上記の理由から、本発明に係る分離機能層中の三次元網目構造の平均孔径は、0.01μm以上1μm以下であることが必要であり、好ましくは0.03μm以上0.5μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上、0.2μm以下である。平均孔径が0.01μm未満であると膜透過性が低下しやすくなる傾向があり、逆に1μmを超えるとウイルスの阻止率が低下してしまう懸念がある。ここで、分離機能層中の三次元網目構造の平均孔径は、走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を6,000倍、10,000倍で画像写真撮影し、外表層から5μmの深さで任意に選んだ計20カ所の孔の長径と短径を測定した結果を数平均して求めることができる。
また、本発明の分離機能層最表面の平均孔径は1μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下である。最表面の平均孔径が1μmを超えると膜ファウリングが発生し易くなる傾向がある。ここで、分離機能層最表面の平均孔径は、走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の表面を30,000倍、60,000倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計20カ所の孔の長径と短径を測定した結果を数平均して求めることができる。
また分離機能層は、実質的には5μm以上のマクロボイドを有しない、厚さ5μm以上100μm以下であることが必要であり、好ましくは5μm以上80μm以下である。コート層の厚さが5μm以上であるとウイルス除去性が向上し、厚さ100μm以下であると透過性能が向上する。ここで、分離機能層の厚さは、走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を3,000倍で画像写真撮影し、三次元網目構造が観察される範囲の長さを、任意に選んだ計10カ所で測定した結果を数平均して求めることができる。
また本発明に係る支持膜は、厚さは60μm以上400μm以下が好ましく、より好ましくは120μm以上350μm以下である。支持膜の厚さが60μm以上であれば外圧による座屈圧力が向上し、400μm以下であると透過性能が向上する。ここで、支持膜の厚さは、走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を100倍、1000倍で画像写真撮影し、球状構造が観察される範囲の長さを、任意に選んだ計10カ所で測定した結果を数平均して求めることができる。
また球状構造の平均直径は0.1μm以上5μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下である。平均直径が0.1μm以上の球状構造で構成される場合、透過性能が向上する。また平均直径が5μm以下に球状構造で構成される場合、物理的強度が向上する。ここで、球状構造の平均直径は、走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を6,000倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計20カ所の球状の直径を測定した結果を数平均して求めることができる。
本発明の分離膜におけるウイルス除去性能は、膜が捕捉すべき適切な性能を有しているか、また欠損があるかを判定するための非破壊性の試験によって定められる性能である。試験方法としては、例えば決まった大きさの指標菌を培養して、ウイルス原液は指標菌を約1.0×10PFU/mlの濃度を含有する様に蒸留水中で調製し、全ろ過を行う。原液中の菌濃度を分子に、透過液の菌濃度を分母にとり、その比を常用対数で表す。本分離膜のウイルス除去性能は、大きさが約25nmのバクテリオファージMS−2(Bacteriophage MS−2 ATCC 15597−B1)を用いて行うことができる。ウイルス原液の除去性能評価を、例えば中空糸膜の場合では、中空糸2〜4本程度からなる長さ約20cmのガラス製モジュールを作製し、温度約20℃、ろ過差圧約10kPa(外圧)の条件でウイルス原液を送液して全ろ過して行うことができる。また平膜の場合では、例えば膜を直径43mmに切り出し、円筒のろ過ホルダーにセットして中空糸膜と同様な操作をすることで求めることができる。
本発明における純水透過性能は、供給水と透過水を区分する容器(モジュール)内に膜を組み込み、印加した圧力のものとに透過水量を測定することで評価できる。供給水に実質的には微粒子を含まない純水ないしは蒸留水を用いて行う。例えば中空糸膜の場合では、中空糸2〜4本程度からなる長さ約20cmのガラス製モジュールを作製し、温度約20℃、ろ過差圧約10kPa(外圧)の条件で純水を送液して全ろ過して行うことができる。また平膜の場合では、例えば膜を直径43mmに切り出し、円筒のろ過ホルダーにセットして中空糸膜と同様な操作をすることで求めることができる。
本発明における破断強度・破断伸度は、物性試験機を用いて試験長の長さ方向に引っ張った際の荷重−伸びの曲線が示す破断した時の強度・伸度を測定する。これらの測定については、引張試験機((株)東洋ボールドウィン製TENSILON(登録商標)/RTM−100)を用いて、水で湿潤させた複合膜を試験長50mm、フルスケール5kgの荷重でクロスヘッドスピード50mm/分にて測定し、複合膜を変えて10回実施した破断強力・伸度の測定結果から数平均することによって求めることができる。また破断強度は、破断強力(N)を複合膜の単位断面積(mm)における破断強度(N/mm=Pa)として求めることができる。
本発明の複合膜は、分離機能層において均一的な細孔形成と、セルロースエステルによる親水性の効果により、優れた耐汚れ性を示すことも特徴である。耐汚れ性について以下に説明する。一般的な精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いた水処理方法では、ろ過工程において被処理水中の濁質成分などを阻止することによって膜面細孔の閉塞が進み、ろ過抵抗が上昇する。このために物理洗浄工程では、膜面付着した濁質成分などを膜細孔から除去するために、透過水側から膜外表面に向けて透過水や圧縮空気などの流体を流す逆圧洗浄を施す。この物理洗浄工程において、阻止した成分の一部が膜から剥離され、ろ過抵抗が下がる。しかしながら膜面で阻止した全ての成分を完全に除去することは難しく、膜に残る付着成分によってろ過抵抗は運転の継続と共に上昇を続けることになる。最終的には化学薬品を用いた薬液洗浄を施すが、ろ過抵抗が回復しない場合には膜モジュール自体を交換することになる。
このような長期的なろ過抵抗の上昇(度)を抑え、定流量(安定)運転を可能にするには、1回のろ過工程におけるろ過抵抗の上昇を抑制すると共に、物理洗浄工程を含む連続運転におけるろ過抵抗の上昇を抑制することが求められる。つまり、長期の安定運転には物理洗浄の回復性を含んだろ過抵抗値上昇の程度を下げることが重要となる。連続運転におけるろ過抵抗の上昇は、ろ過抵抗上昇度として以下のような手法で定量的に表される。
ろ過工程では、ろ過圧力100kPaで透過水量0.065m/mまで実施し、次いで逆圧洗浄工程では、逆洗圧力150kPaで0.0025m/mの水を透過側から膜外表面に向けて流すことを行い、再度、ろ過工程と逆圧洗浄工程をサイクルで10回繰り返す。総ろ過水量を横軸に、算出したろ過抵抗を縦軸にプロットする。ろ過工程において一定時間あたりに得られる透過水量を記録し、ろ過圧力100kPaを、その透過水量で除することにより、その時におけるろ過抵抗値を求める。このプロットにおいて、2回目〜10回目のろ過工程開始時のろ過抵抗9点を結んだ直線の傾きをろ過抵抗上昇度とする。ただし、9点が直線上に乗らない場合には、線形近似で直線の傾きを求めてろ過抵抗上昇度とする。通常、ろ過工程と逆圧洗浄工程を繰り返す膜ろ過運転において、ろ過抵抗上昇度が小さいほど耐汚れ性に優れ、長期的に安定運転できる優れた膜と云える。本発明の複合膜において、前記手法によって算出されるろ過抵抗上昇度は、2×1012/m以下が好ましく、1×1012/m以下がより好ましい。
以下に具体的な実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。ここで本発明のポリフッ化ビニリデン系複合膜に関する物性値、形態は以下の方法で測定した。
(1)溶融粘度
溶融粘度は、ASTM D3835/232℃に剪断速度100秒−1の条件下で測定した。
(2)溶液粘度
溶液粘度は、溶液を50℃に保温して回転式デジタル粘度計(型式:PV-II+Pro,米国ブルックフィールド社製)で測定した。
(3)ウイルス除去性能
ウイルス原液は、大きさが約25nmのバクテリオファージMS−2(Bacteriophage MS−2 ATCC 15597−B1)を約1.0×10PFU/mlの濃度を含有する様に蒸留水中で調製した。ここで蒸留水は純水製造装置オートスチル(ヤマト科学製)の蒸留水を121℃で20分間高圧蒸気滅菌したものを用いた。ウイルス原液の除去性能評価は、中空糸膜2〜4本程度からなる長さ約20cmのガラス製モジュールを作製し、温度約20℃、ろ過差圧約10kPa(外圧)の条件でウイルス原液を送液して、全ろ過した。ろ過液の採取は、ろ過した初期透過液の約10mlを破棄した後、測定用の透過液を約5ml採取し、0〜1000倍に蒸留水で希釈した。Overlay agar assay、Standard Method 9211−D(APHA、1998、Standard methods for the examination of water and wastewater, 18th ed.)の方法に基づいて、希釈した透過液1mlを検定用シャーレに接種し、プラックを計数することによってバクテリオファージMS−2の濃度を求めた。除去性能は対数で表した。例えば2logとは2log10のことであり、残存濃度が100分の1であることを意味する。また透過液中にプラックがまったく計測されない場合、>7logとした。
(4)純水透過性能
透水性能は、複合膜2〜4本程度からなるガラス製ミニモジュールを作製し、温度25℃、ろ過差圧16kPa(外圧)の条件で蒸留水を送液して全ろ過を行い、一定時間の透過水量(m)を測定して得た値を、単位時間(hr)、単位有効膜面積(m)、50kPaにおける値に換算して算出した。
(5)破断強度・伸度
引張試験機((株)東洋ボールドウィン製TENSILON(登録商標)/RTM−100)を用いて、水で湿潤させた複合膜を試験長50mm、フルスケール5kgの荷重でクロスヘッドスピード50mm/分にて測定し、複合膜を変えて10回実施した破断強力・伸度の測定結果から数平均することで求めた。また破断強度は、破断強力(N)を複合膜の単位断面積(mm)における破断強度(N/mm=Pa)として求めた。
(6)分離機能層の厚さ
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を3,000倍で画像写真撮影し、三次元網目構造が観察される範囲の長さを、任意に選んだ計10カ所で測定した結果を数平均して求めた。
(7)支持膜の厚さ
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を100倍、1000倍で画像写真撮影し、球状構造が観察される範囲の長さを、任意に選んだ計10カ所で測定した結果を数平均して求めた。
(8)分離機能層外表面の平均孔径
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の表面を30,000倍、60,000倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計20カ所の孔の長径と短径を測定した結果を数平均して求めた。
(9)三次元網目構造の平均孔径
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を6,000倍、10,000倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計20カ所の孔の長径と短径を測定した結果を数平均して求めた。
(10)球状構造の平均直径
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を6,000倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計20カ所の球状の長径と短径を測定した結果を数平均して求めた。
(11)複合膜(中空糸膜)の平均外径/内径
走査型電子顕微鏡を用いて、中空糸状の複合膜の断面を60倍、100倍で画像写真撮影し、任意に選んだ計10カ所の外径及内径の長径と短径を測定した結果を数平均して求めた。
(12)複合膜(中空糸膜)の平均厚み
走査型電子顕微鏡を用いて、複合膜の断面を60倍、100倍で画像写真撮影し、最外層から最内層端部までの長さを、任意に選んだ計10カ所の測定した結果を数平均して求めた。
(13)ろ過抵抗上昇度
中空糸膜6本からなる長さ約15cmの中空糸膜の両端部が開口したガラス製膜モジュールを作製した(図3)。ステンレス製加圧タンク(ADVANTEC PRESSURE VESSEL DV−10、容量10L)に原水を入れ(以下に原水タンクと云う)、ステンレス製加圧タンク(ADVANTEC PRESSURE VESSEL DV−40、容量40L))に純水製造装置オートスチル(ヤマト科学製)の蒸留水を121℃で20分間高圧蒸気滅菌した蒸留水を入れた(以下に蒸留水タンクと云う)。なお原水には、琵琶湖水(濁度1.0NTU以下,TOC(全有機炭素)1.2mg/L,カルシウム濃度15mg/L,ケイ素濃度0.5,マンガン濃度0.01mg/L以下,鉄濃度0.01mg/以下)を用いた。
評価装置の構成は、ガラス製膜モジュールのA、Dの端部に接続型2方コック(PTFE製)、C、Dの端部に接続型3方コック(PTFE製)を取り付けた。ガラス製膜モジュールのB端部の2方コックと原水タンク供給口を内径φ6mmのPTFEチューブで接続し、原水供給ラインとした。また同様のチューブでA,C端部のコックと蒸留水タンク供給口に接続して、蒸留水供給ラインとした。まずA端部とC端部のコックを閉止し、原水タンク内に100KPaに調整した圧縮空気を印加し、B端部とD端部のコックを開くことで原水タンクからガラス製膜モジュール内に原水(湖水)を供給して外圧全ろ過を行うろ過工程とした。
透過水の重量をパソコンに接続した電子天秤(AND HF−6000)で5秒毎に測定し、連続記録プログラムAND RsCom ver.2.40を用いて記録した。本実験で得られるデータは5秒あたりの透過水重量(g)から、ろ過抵抗を以下に示す式を用いて算出した。
ろ過抵抗(1/m) =ろ過圧力(kPa)×10 ×5×膜面積(m)×10 /(粘度(Pa・s)×(5秒あたりの透過水重量)×密度(g/cm))
透過水が流量0.00025(m/m)になった時点で、ガラス製膜モジュールのB端部の原水ライン3方コック、及びD端部の2方コックを閉として原水供給を停止した。引き続き、蒸留水タンク内に150kPaに調整した圧縮空気印加し、逆洗水としてA端部の2方コックを開いて蒸留水を中空糸内部に流し、C端部の3方コックを排出側に開いて逆洗排水が10mlになるまで系外に流して逆洗工程とした。以上のろ過工程と逆洗工程を一つの操作として、設置モジュール対して10回連続して実施し、総ろ過水量を横軸に、算出したろ過抵抗を縦軸にプロットした。
ここでプロットの開始は、各回のろ過開始30秒後からとした。また、ろ過抵抗の上昇に伴い透水量が減少するため、5秒ごとの増加量の絶対値が減少する。ろ過抵抗は増加量から前記式に従って算出するため、増加量が減少するとそのばらつきが算出されるろ過抵抗に与える影響が大きくなる。従って、透水量の減少が著しい場合には、適宜作成したグラフの移動平均近似をとってグラフを修正した。
ろ過実験の結果から作成した総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフ、場合によっては前記グラフの移動平均近似をとったグラフにおいて、総ろ過水量とろ過抵抗の関係から、2〜10回目のろ過工程開始時のろ過抵抗9点を結んだ直線の傾きをろ過抵抗上昇度とした。ただし、9点が直線上に乗らない場合には、線形近似で直線の傾きを求めてろ過抵抗上昇度(×1012/m)とした。
<実施例1>
重量平均分子量42万のフッ化ビニリデンホモポリマー38重量%とγ−ブチロラクトン62重量%を160℃で溶解して支持膜用溶液を得た。また溶融粘度4700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−755:三酢酸セルロース、CA398−3:二酢酸セルロース)6重量%、N−メチル−2−ピロリドンを84重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度46Pa・sのコート溶液を得た。この支持膜用溶液を2重管状紡糸ノズルの外側スリットから、γ−ブチロラクトン85重量%水溶液を2重管状紡糸ノズルの中心パイプから共に同心円状に押し出し、凝固温度が10℃のγ−ブチロラクトン85重量%水溶液中で固化させた後、1.5倍の延伸工程、脱溶媒工程、乾燥工程を経て支持膜を得た。この支持膜をコートノズル内に供給し、一方で得られたコート溶液を供給して支持膜をコーティングしながら引き出して、空走時間1秒で凝固浴温度が25℃の水中で凝固させる工程、脱溶媒工程を経て中空糸状の複合膜(以後、複合中空糸膜と呼ぶ。)を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1352μm、内径が728μm、分離機能層の平均厚さが50μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.03μm、三次元網目構造の平均孔径が0.3μm、支持膜の厚さが262μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであった。純水透過性能が0.43m/m/hr、ウイルス除去性能が>7log、破断強度が11.9MPa、破断伸度53%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度が0.55×1012/mを示す、耐汚れ性に優れた複合中空糸膜であった。なお評価結果を表1にまとめた。
<実施例2>
溶融粘度4700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース、CA398−3:二酢酸セルロース)9.6重量%、N−メチル−2−ピロリドンを80.4重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度76Pa・sのコート溶液を得た。実施例1と同様の支持膜用溶液を用いて支持膜を得た。この支持膜をコートノズル内に供給し、一方で得られたコート溶液を供給して支持膜をコーティングしながら引き出して、空走時間1秒で凝固浴温度が25℃の水中で凝固させる工程、脱溶媒工程を経て複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1360μm、内径が736μm、分離機能層の平均厚さが52μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、三次元網目構造の平均孔径が0.4μm、支持膜の厚さが260μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであった。純水透過性能が0.32m/m/hr、ウイルス除去性能が>7log、破断強度が12.9MPa、破断伸度45%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、0.21×1012/mを示す、耐汚れ性に優れた複合中空糸膜であった。なお評価結果を表1にまとめた。
<実施例3>
溶融粘度4700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー12重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース、CA398−3:二酢酸セルロース)6重量%、ジメチルスルホキシドを82重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度80Pa・sのコート溶液を得た。実施例1と同様の支持膜用溶液を用いて支持膜を得た。この支持膜をコートノズル内に供給し、一方で得られたコート溶液を供給して支持膜をコーティングしながら引き出して、空走時間1秒で凝固浴温度が25℃の水中で凝固させる工程、脱溶媒工程を経て複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1363μm、内径が713μm、分離機能層の平均厚さが64μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、三次元網目構造の平均孔径が0.4μm、支持膜の厚さが261μm、球状(構造)の平均直径が2.7μmであった。純水透過性能が0.32m/m/hr、ウイルス除去性能が>7log、破断強度が12.2MPa、破断伸度43%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、2.0×1012/mを示す、耐汚れ性に優れた複合中空糸膜であった。なお評価結果を表1にまとめた。
<実施例4>
溶融粘度2800Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース、CA398−3:二酢酸セルロース)4重量%、N−メチル−2−ピロリドンを82重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度8.6Pa・sのコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件下に支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1371μm、内径が717μm、分離機能層の平均厚さが60μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、三次元網目構造の平均孔径が0.4μm、支持膜の厚さが267μm、球状(構造)の平均直径が2.5μmであって、純水透過性能が0.39m/m/hr、ウイルス除去性能が>7logであった。また破断強度が8.2MPa、破断伸度43%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、1.3×1012/mを示す、耐汚れ性に優れた複合中空糸膜であった。なお評価結果を表1にまとめた。
<実施例5>
溶融粘度4700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー14重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース、CA398−3:二酢酸セルロース)2重量%、N−メチル−2−ピロリドンを84重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度68Pa・sのコート溶液を得た。実施例1と同様の支持膜用溶液を用いて支持膜を得た。この支持膜をコートノズル内に供給し、一方で得られたコート溶液を供給して支持膜をコーティングしながら引き出して、空走時間1秒で凝固浴温度が25℃の水中で凝固させる工程、脱溶媒工程を経て複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1383μm、内径が713μm、分離機能層の平均厚さが74μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、三次元網目構造の平均孔径が0.4μm、支持膜の厚さが261μm、球状(構造)の平均直径が2.7μmであって、純水透過性能が0.30m/m/hr、ウイルス除去性能が>7log、破断強度が11.2MPa、破断伸度44%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、1.9×1012/mを示す、耐汚れ性に優れた複合中空糸膜であった。なお評価結果を表1にまとめた。
<比較例1>
空走時間を10秒にする以外は実施例1の条件で行った。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1348μm、内径が722μm、分離機能層の平均厚さが51μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.06μm、三次元網目構造の平均孔径が1.3μm、支持膜の厚さが262μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであった。純水透過性能が0.41m/m/hr、ウイルス除去性能が4.8log、破断強力が11.2MPa、破断伸度48%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、0.61×1012/mを示した。膜特性としては、純水透過性能、破断強伸度、高く維持し、ろ過抵抗上昇度が低く耐汚れ性にも優れていたが、ウイルス除去性が低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例2>
溶融粘度700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)4重量%、N−メチル−2−ピロリドンを86重量%の割合として温度110℃で溶解し、溶液粘度0.4Pa・sのコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1340μm、内径が750μm、分離機能層の平均厚さが35μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.04μm、支持膜の厚さが260μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであったが、三次元網目構造内(断面)に孔径5μmを超えるマクロボイドが多数みられた。純水透過性能が0.18m/m/hr、ウイルス除去性能が1.2logであった。また破断強度が7.0MPa、破断伸度55%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、0.73×1012/mを示したが、ウイルス除去性能、純水透過性能、および破断強度が顕著に低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例3>
溶融粘度700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)8重量%、N−メチル−2−ピロリドンを82重量%の割合として温度110℃で溶解し、溶液粘度4.7Pa・sのコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1342μm、内径が740μm、分離機能層の平均厚さが38μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、支持膜の厚さが263μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであったが、三次元網目構造内(断面)に孔径5μmを超えるマクロボイドが多数みられた。純水透過性能が0.04m/m/hr、ウイルス除去性能が1.7logであった。また破断強度が7.1MPa、破断伸度32%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、2.3×1012/mを示した。膜特性としては、ウイルス除去性能、透水性能、破断強度が顕著に低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例4>
溶融粘度2200Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)4重量%、N−メチル−2−ピロリドンを86重量%の割合に温度110℃で溶解し、溶液粘度1.7Pa・sコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1345μm、内径が715μm、分離機能層の平均厚さが50μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.03μm、支持膜の厚さが265μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであったが、三次元網目構造内(断面)に孔径5μmを超えるマクロボイドが数カ所みられた。純水透過性能が0.26m/m/hr、ウイルス除去性能が4.2logであった。また破断強度が7.6MPa、破断伸度50%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、0.83×1012/mを示した。膜特性としては、耐汚れ性に優れていたが、ウイルス除去性能、破断強度が顕著に低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例5>
溶融粘度2200Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)8重量%、N−メチル−2−ピロリドンを82重量%の割合に温度110℃で溶解し、溶液粘度8.6Pa・sコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1350μm、内径が706μm、分離機能層の平均厚さが55μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.03μm、支持膜の厚さが267μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであったが、三次元網目構造内(断面)に孔径5μmを超えるマクロボイドが多数みられた。純水透過性能が0.28m/m/hr、ウイルス除去性能が3.8logであった。また破断強度が7.0MPa、破断伸度42%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、0.78×1012/mを示した。膜特性としては、耐汚れ性に優れていたがウイルス除去性能、破断強度が顕著に低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例6>
溶融粘度700Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー14重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)3重量%、N−メチル−2−ピロリドン77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネット(登録商標)T-20C)3重量%、水を3重量%の割合に温度95℃で溶解し、溶液粘度0.6Pa・sコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1345μm、内径が739μm、分離機能層の平均厚さが38μm、分離機能層外表面の平均孔径が0.02μm、支持膜の厚さが265μm、球状(構造)の平均直径が2.6μmであって、純水透過性能が0.16m/m/hr、ウイルス除去性能が3.2logであったが、三次元網目構造内(断面)に孔径5μmを超えるマクロボイドが多数みられた。また破断強度が7.8MPa、破断伸度85%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、2.3×1012/mを示した。膜特性としては、ウイルス除去性能、純水透過性能、および破断強度が顕著に低下した。なお評価結果を表2にまとめた。
<比較例7>
溶融粘度2000Pa・sのフッ化ビニリデンホモポリマー10重量%をN−メチル−2−ピロリドンを90重量%の割合として温度140℃で溶解し、溶液粘度13Pa・sコート溶液を得た以外は、実施例1と同様の条件で支持膜にコーティングして複合中空糸膜を得た。
得られた複合中空糸膜の構造形態は、外径が1380μm、内径が742μm、分離機能層に孔径5μmを超えるマクロボイドが多数みられた。膜特性としては、純水透過性能が0.55m/m/hr、ウイルス除去性能が2.2log、破断強度が7.4MPa、破断伸度80%であり、琵琶湖水におけるろ過抵抗上昇度は、2.4×1012/mを示した。なお評価結果を表2にまとめた。
本発明によればコーティングによる簡便な方法で高いウイルス除去性能、純水透過性能、かつ物理的強度を有するコーティング層を積層したポリフッ化ビニリデン系複合膜を製造する方法、及びポリフッ化ビニリデン系複合膜を提供する。これにより水処理用途に使用した場合、透過水の水質向上と長期再生使用が可能になる。

Claims (2)

  1. 溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を50重量%以上88重量%以下、かつセルロースエステルを12重量%以上50重量%以下含有し、平均孔径0.01μm以上1μm以下の三次元網目構造を有し、厚さが5μm以上100μm以下であって、実質的に5μm以上のマクロボイドを有しない分離機能層が、平均直径0.1μm以上5μm以下の球状構造を有するポリフッ化ビニリデン系支持膜に積層されて形成されていることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系複合膜。
  2. 溶融粘度2500Pa・s以上のポリフッ化ビニリデン系樹脂を8重量%以上14重量%以下、かつセルロースエステルを2重量%以上12重量%以下含有し、溶液粘度が1Pa・s以上100Pa・s以下のコート溶液を、ポリフッ化ビニリデン系支持膜にコーティングしながら、2秒以下の空走時間を経て凝固浴中で凝固させることで、該ポリフッ化ビニリデン系支持膜に分離機能層を形成するポリフッ化ビニリデン系複合膜の製造方法。
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