JP2010089236A - スローアウェイ式回転工具およびスローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents

スローアウェイ式回転工具およびスローアウェイチップのクランプ機構 Download PDF

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Abstract

【課題】安定して優れた取付剛性を得る。
【解決手段】軸線O回りに回転される工具本体1と、該工具本体1の先端部にこの工具本体1の先端面に開口して凹設されたチップ本体10を取り付けるためのチップ取付溝2と、該チップ取付溝2に交差して穿設されたチップ本体10の取付けに用いるクランプねじ20を挿入するためのクランプ孔5とを備え、前記チップ取付溝2がチップ本体10を載置するための底面3と該底面3から起立する側壁4とを有するとともに、前記クランプ孔5が、前記軸線Oに垂直な横断面視において、前記チップ取付溝2の側壁4と直交する平面Pに対して斜交するように形成されていることを特徴とするスローアウェイ式回転工具を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、切れ刃としてスローアウェイチップが工具本体に着脱可能に装着されてなるスローアウェイ式回転工具に関する。
従来、工具本体の先端部に設けられたスリット状のチップ取付溝にスローアウェイチップを挿入して、工具本体のチップ取付溝に直交して設けられたクランプ孔にチップ本体に貫通形成された取付孔を通してクランプねじを螺入することにより、スローアウェイチップを着脱可能に装着したスローアウェイエンドミルが知られている。
このようなスローアウェイエンドミルの取付精度や取付剛性の改善を図るため、工具本体のチップ座側面部における締め付け部材の頭部円錐面に対応する部分に、工具本体後端方向に偏心した円錐受け面を設けたボールエンドミルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特開平11−239911号公報
しかしながら、上記特許文献1の発明では、スローアウェイチップの工具回転方向の固定が工具本体の弾性変形に基づくチップ座側面部による押圧のみによって行われるため、チップ座の溝幅、チップ座側面部の平面度、スローアウェイチップの厚み等の精度によっては、チップ座側面部とスローアウェイチップとが密着せずに隙間ができ、加工中にスローアウェイチップが回転してずれ動いてしまうおそれがある。また、長期の使用によってチップ座が磨耗し、スローアウェイチップの取付けにがたつきが生じるおそれもある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、安定して優れた取付剛性を有するスローアウェイ式回転工具およびスローアウェイチップのクランプ機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、軸線回りに回転される工具本体と、該工具本体の先端部にこの工具本体の先端面に開口して凹設されたスローアウェイチップを取り付けるためのチップ取付溝と、該チップ取付溝に交差して穿設されたスローアウェイチップの取付けに用いるクランプねじを挿入するためのクランプ孔とを備え、前記チップ取付溝がスローアウェイチップを載置するための底面と該底面から起立する側壁とを有するとともに、前記クランプ孔が、前記軸線に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されていることを特徴とするスローアウェイ式回転工具を提供する。
本発明によれば、スローアウェイチップをチップ取付溝に挿入して、クランプ孔に取付孔を通してクランプねじを螺入することにより、工具本体の先端部がチップ取付溝の溝幅を狭めるように弾性変形して、スローアウェイチップが工具本体の先端部に挟持される。
この場合において、クランプ孔が、軸線に垂直な横断面視で、チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されているので、クランプねじを締め込むことにより、スローアウェイチップが軸線回りに回転しながら、チップ取付溝の側壁に押圧されることで、スローアウェイチップとチップ取付溝の側壁とが密着させられて固定されることとなる。これにより、チップ取付溝の加工精度等に依存することなく、スローアウェイチップを工具回転方向の所定位置に強固に固定することが可能となり、加工中にスローアウェイチップが工具回転方向にずれ動いてしまうことを防止できる。
上記発明においては、前記クランプ孔が、前記軸線に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して工具回転方向後方側に傾斜していることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記クランプ孔の傾斜角が30′〜1°であることが好ましい。
このようにすることで、クランプねじの締め付けによって、スローウェイチップが工具回転方向に回転しながら、工具回転方向を向くチップ取付溝の側壁に押圧されることで、工具回転方向を向くチップ取付溝の側壁に密着させられて固定されることとなる。
また、上記発明においては、前記クランプ孔が前記クランプねじの頭部を受けるための座ぐり穴と前記クランプねじのねじ部を螺入するためのねじ孔とを備えるとともに、前記座ぐり穴がねじ孔に対して工具基端側に偏心していることとしてもよい。
このようにすることで、クランプねじを締め込むことにより、スローアウェイチップが工具基端側に引き込まれ、チップ取付溝の底面側に押圧されることで、チップ取付溝の底面に密着させられて固定されることとなる。これにより、スローアウェイチップを軸線方向の所定位置に強固に固定することが可能となる。
また、円筒状をなす工具本体の先端部に設けられたチップ取付溝に取付孔を有するスローアウェイチップを挿入して、前記チップ取付溝に交差して穿設されたクランプ孔に前記取付孔を通してクランプねじを螺入することにより、前記スローアウェイチップを前記チップ取付溝に着脱可能に取り付けるスローアウェイチップのクランプ機構であって、前記チップ取付溝がスローアウェイチップを載置するための底面と該底面から起立する側壁とを有するとともに、前記クランプ孔が、工具長手方向に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されていることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構を提供する。
本発明によれば、クランプ孔が、工具長手方向に垂直な横断面視で、チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されているので、クランプねじを締め込むことにより、スローウェイチップがチップ取付溝の側壁に押圧されることで、スローアウェイチップとチップ取付溝の側壁とが密着させられて固定されることとなる。これにより、チップ取付溝の加工精度等に依存することなく、スローアウェイチップを切削方向の所定位置に強固に固定することが可能となる。
上記発明においては、前記クランプ孔が前記クランプねじの頭部を受けるための座ぐり穴と前記クランプねじのねじ部を螺入するためのねじ孔とを備えるとともに、前記座ぐり穴が前記ねじ孔に対して工具基端側に偏心するように形成されていることとしてもよい。
このようにすることで、クランプねじを締め込むことにより、スローアウェイチップが工具基端側に引き込まれ、チップ取付溝の底面側に押圧されることで、チップ取付溝の底面に密着させられて固定されることとなる。これにより、スローアウェイチップを工具中心軸方向の所定位置に強固に固定することが可能となる。
本発明のスローアウェイ式回転工具およびスローアウェイチップのクランプ機構によれば、取付剛性および取付安定性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明に係るスローアウェイ式回転工具およびスローウェイチップのクランプ機構の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルは、図1(a)(b)に示されるように、軸線O回りに回転される円筒状の工具本体1と、該工具本体1の先端部に切れ刃11として着脱可能に装着されるスローアウェイチップと、該スローアウェイチップを工具本体1に取り付けるためのクランプねじ20とから構成されている。
前記工具本体1は、高速度鋼、工具鋼、合金鋼、ステンレス鋼、超硬合金等から構成され、先端部には、工具本体1の先端面に開口する凹溝状のスローアウェイチップを取り付けるためのチップ取付溝2と、該チップ取付溝2と交差するスローアウェイチップの取付けに用いるクランプねじ20を挿入するためのクランプ孔5とが設けられている。
前記チップ取付溝2は、図2(a)に示されるように、工具本体1の先端部を二分するように工具本体1の先端中央部から基端側に向けて軸線Oを含む平面方向に延びるように凹設されており、チップ本体10が載置される軸線Oに垂直な平坦面からなる底面3と、この底面3の両端から起立する軸線Oに平行な平坦面からなる一対の側壁4,4とを備えている。この工具本体1の先端部を二分するように形成されたチップ取付溝2により、工具本体1の先端部がチップ取付溝2の溝幅を狭める方向に弾性変形可能となっている。この場合に、工具本体1の先端部の弾性変形をより円滑にするため、チップ取付溝2の底面3の一部を切り欠いて凹部9を設けることが好ましい。この凹部9は、例えば、チップ取付溝2により二分された工具本体1の座ぐり穴6側の先端部における弾性変形を円滑にするために、工具本体1の座ぐり穴6側におけるチップ取付溝2の側壁4と底面3とが交差する角部を円弧状にくり抜くように形成されている。
前記クランプ孔5は、図2(b)に示されるように、軸線Oと垂直に工具本体1の外周部に向かって延びるように貫通形成されており、チップ取付溝2の一方の側壁4側に開口するクランプねじ20の頭部22を受けるための座ぐり穴6と、チップ取付溝2の他方の側壁4側に開口するクランプねじ20のねじ部23を螺入するためのねじ孔7と、これら座ぐり穴6とねじ孔7の間に一体形成されたクランプねじ20の軸部21を受けるための円筒部8とを備えている。これら座ぐり穴6、ねじ孔7および円筒部8の中心線n1,n2,n3は、軸線Oに垂直な横断面視において一致するようになっている。前記座ぐり穴6は、工具本体1の外周部側の開口部に向かって漸次拡径するように形成されたテーパ部を備え、このテーパ部でクランプねじ20の頭部22を受けるようになっている。前記ねじ孔7は、略円筒状をなし、その内周面に雌ねじ状の溝が形成されている。前記円筒部8は、断面円形状に形成されている。
このように構成されたクランプ孔5は、図2(b)に示されるように、軸線Oに垂直な横断面視において、チップ取付溝2の側壁4と直交する平面Pに対して斜交するように形成されており、このクランプ孔5の中心線Nはチップ取付溝2の側壁4と直交する平面Pに対して工具回転方向T後方側に傾斜している。このクランプ孔5の傾斜角αは、30′〜1°の範囲内で設定されることが好ましく、例えば、45′に設定されている。
また、図2(a)に示されるように、軸線Oに沿った縦断面視において、クランプ孔5の座ぐり穴6はねじ孔7および円筒部8に対し工具基端側に偏心するように形成されており、座ぐり穴6の中心線n1がねじ孔7および円筒部8の中心線n2,n3からチップ取付溝2の底面3側へ僅かにずれるように配置されている。このクランプ孔5の偏心量Δは、0.05mm〜0.15mmの範囲内で設定されることが好ましく、例えば、0.1mmに設定されている。
前記スローアウェイチップは、平板状をなすチップ本体10と、該チップ本体10の先端部におけるチップ厚さ方向に間隔を空けて対向する一対の側面14,14の辺稜部に形成された切れ刃11,11と、チップ本体10の中央部にチップ厚さ方向に向かって貫通形成された取付孔12とから構成される。前記チップ本体10は、高速度鋼、超硬合金、サーメット、セラミックス、超高圧焼結体等から構成され、後端部にはチップ取付状態においてチップ取付溝2の底面3に当接させられる着座面13が設けられている。前記チップ本体10の厚さは、チップ取付溝2の幅よりも若干小さく、クランプねじ20を締めることにより工具本体1の先端部が弾性変形させられ、チップ取付溝2の一方の側壁4が他方の側壁4に近接するように変位させられることで、チップ本体10の両側面14、14がチップ取付溝2の両側壁4,4に当接されるように設定されている。前記切れ刃11は、工具本体1の外周面に配置される外周刃と、工具本体1の先端面に配置される略球状の底刃とから構成されている。前記取付孔12は、クランプねじ20の軸部21が嵌挿させられるようになっており、その内周面にはクランプねじ20の軸部21と係合する円筒面が設けられている。そして、取付精度向上の観点から、チップ本体10は、両側面14,14の平行度、側面14の平面度、着座面13の平面度、取付孔12の円筒度等が高精度となるように仕上げられている。
前記クランプねじ20は、鋼材等の高強度の材料から構成され、円筒状の軸部21と、該軸部21の一端に一体形成された外周面に座ぐり穴6のテーパ部と係合するテーパ面を有する頭部22と、その他端に一体形成された外周面に雄ねじ状の溝を有するねじ部23とを備えている。そして、取付精度向上の観点から、このクランプねじ20の軸部21は寸法精度、円筒度等が高精度となるように仕上げられている。
このように構成されたスローアウェイ式ボールエンドミルは、ホルダを介して工作機械の主軸に取り付けられて使用され、工具本体1を軸線O回りに回転させつつ、工作機械のテーブルに固定された鋼などの被加工物に接触させながら移動させていくことにより切削加工を行うようになっており、金型を代表とする機械部品の加工に用いられる。そして、使用した切れ刃11が損傷した場合には、スローアウェイチップを新しいものに付け替えて使用される。
このように構成された本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルの作用について以下に説明する。
本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルによれば、チップ本体10をチップ取付溝2に挿入し、チップ本体10の着座面13がチップ取付溝2の底面3に当接するように載置して、クランプ孔5にチップ本体10の取付孔12を通してクランプねじ20を螺入することにより、チップ取付溝2により二分された工具本体1の座ぐり穴6側の先端部がチップ取付溝2の溝幅を狭めるように弾性変形させられることで、チップ本体10の側面14がチップ取付溝2の座ぐり穴6側の側壁4に押圧されて、チップ本体10が工具本体1の先端部に挟持される。
この場合において、本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルによれば、クランプ孔5が、軸線Oに垂直な横断面視において、その中心線Nをチップ取付溝2の側壁4と直交する平面Pに対して工具回転方向T後方側に傾斜するように形成されているので、クランプねじ20を締め込むことにより、チップ本体10の取付孔12の内周面と当接するクランプねじ20の軸部21からチップ本体10を工具回転方向Tに回転させる力が作用して、チップ本体1が工具本体1の軸線O回りに回転しながらチップ取付溝2の側壁4に当接させられる。これと同時に、チップ取付溝2の座ぐり穴6側の側壁4がねじ孔7側の側壁4側へ近接するように弾性変形するため、チップ本体10の工具回転方向T後方を向く側面14aがチップ取付溝の工具回転方向Tを向く側壁4aに押圧される。これにより、チップ本体10の工具回転方向T後方を向く側面14aと工具回転方向Tを向くチップ取付溝2の側壁4aとが密着させられて、工具回転方向すなわち切削方向Tに位置決めされて、チップ本体10がチップ取付溝2に固定されることとなる。
図3を参照しつつ、さらに詳しく説明すると、チップ本体10は、取付孔12の中心線Sとクランプ孔の中心線Nとが平行となるように僅かに傾斜させられた状態でクランプねじ20が螺入されることにより、まず、一方の工具回転方向T後方を向く側面14aの外周部が、チップ取付溝2の工具回転方向Tを向く側壁4aの外周部に接触点Aで接触させられる。次に、他方の工具回転方向T後方を向く側面14aの外周部が、チップ取付溝2の工具回転方向Tを向く側壁4aの外周部に接触点Aと点対称の位置にある接触点Bで接触させられる。その次に、取付孔12の接触点A側の内周面における工具回転方向T前方側開口部が、クランプねじの軸部21の頭部22側外周面に接触点Cで接触させられる。そして、取付孔12の接触点B側の内周面における工具回転方向T前方側開口部が、クランプねじの軸部21のねじ部22側外周面に接触点Cと点対称の位置にある接触点Dで接触させられる。
つまり、チップ本体10が軸線O回りに工具回転方向Tに向かって回転しながら、これら4つの接触点A,B,C,Dにほぼ同時に当接させられるとともに、チップ取付溝2の座ぐり穴6側の側壁4がねじ孔7側へ変位してチップ本体10を押圧することで、チップ取付溝2の工具回転方向Tを向く側壁4a,4aからチップ本体10のチップ回転方向T後方を向く側面14a,14aを押し付ける力が作用する。この押圧力を受けてチップ本体10のチップ回転方向Tを向く側面14aとチップ取付溝2の工具回転方向Tを向く側壁4aとが密着させられて、チップ取付溝2の工具回転方向を向くねじ孔7側の側壁4aを基準面として、工具回転方向Tに位置決めされて固定される。
しがって、従来の工具本体先端部の弾性変形に基づく押圧のみによってチップ本体がチップ取付溝の側壁に当接させられるものとは異なり、これに加えて、チップ取付溝2の工具回転方向Tを向く側壁4a,4aからチップ本体10のチップ回転方向T後方を向く側面14a,14aを押し付ける力が作用することで、チップ本体10を工具回転方向Tの所定位置に強固に固定することが可能となり、取付剛性に優れる。その結果、加工中に大きな負荷がかかってもチップ本体10が工具回転方向Tの前後にずれ動いてしまうようなことがなく、高い取付剛性および取付精度を維持することができ、取付安定性に優れる。
また、従来のチップ本体が面接触で支持されるものとは異なり、チップ本体10が4点A,B,C,Dで支持されることとなるので、チップ取付溝2の幅寸法やチップ本体10の厚さ寸法等の精度の如何に拘らず、チップ本体10を安定して所定位置に取り付けることができ、取付剛性に優れる。その結果、従来のように取付剛性の向上を目的とし、チップ取付溝2側壁4に研磨加工を施す等してチップ取付溝2を高精度に仕上げる必要がなくなるので、工具本体1の製造時間を短縮化して製造コストの削減を図ることができる。また、チップ取付溝2の加工精度等に依存しないことから切削に伴いチップ取付溝2が磨耗等した場合であっても取付剛性を維持することができ、工具寿命が向上する。
特に、取付剛性および取付精度上、最も重要となる切れ刃11の直下におけるチップ本体1とチップ取付溝との当接面4a,14aにおいて押圧力が安定して確保されることで、長期に亘って優れた取付剛性および取付精度を得ることが可能となり、取付安定性に極めて優れる。
さらに、クランプ孔5の座ぐり穴6がねじ孔7および円筒部8に対し工具基端側に偏心するように形成することで、クランプねじ20の締め付けによってチップ本体10が回転しつつ工具基端側に引き込まれ、チップ本体10の着座面13がチップ取付溝2の底面3に当接させられてチップ取付溝2の底面3側に押圧される。これにより、チップ本体10が、工具回転方向Tに位置決めされると同時にこのチップ取付溝2の底面3を基準面として軸線O方向にも位置決めされて、チップ取付溝2に固定されることとなる。したがって、チップ取付溝2の加工精度の如何に拘らず、チップ本体10を安定して工具回転方向Tおよび軸方向Oの所定位置に強固に固定することが可能となり、取付剛性および取付安定性のさらなる向上を図ることができる。
このように、本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルによれば、優れた取付剛性および取付安定性を有するので、チップ本体10のズレに起因するビビリ振動の発生、刃部の欠損、仕上げ面粗さの悪化等を防止することができ、加工精度および工具寿命が向上する。
なお、本実施形態においては、クランプ孔5の傾斜角αを45′に設定することとしたが、これに限定されるものではなく、他の任意の角度とすることができる。この場合に、クランプ孔5の傾斜角αは30′〜1°の範囲内で設定するのが好ましい。傾斜角αが1°を超えると、クランプねじ20によるチップ本体10の拘束力が強すぎて取付孔12、クランプ孔5およびクランプねじ20に大きな負荷がかかってこれらが磨耗、塑性変形等してしまうおそれがあり、工具寿命が短くなる可能性があるからであり、傾斜角αが30′より小さいと押圧力を十分に確保できないおそれがあるからである。また、クランプ孔5を工具回転方向T後方側に傾斜させるのに代えて、工具回転方向T前方側に傾斜させることとしてもよい。この場合、チップ本体10は工具回転方向Tと逆方向に回転しながらチップ取付溝2の側壁4に密着させられて固定されることとなる。
また、クランプ孔5の偏心量Δを0.1mmに設定することとしたが、これに限定されるものではなく、他の任意の角度とすることができる。この場合に、クランプ孔の偏心量Δは0.05mm〜0.15mmの範囲内で設定されることが好ましい。また、このような偏心機構を設けないこととしてもよく、これに代えて、他の構成からなる軸線O方向への位置決め手段を採用することとしてもよい。
また、工具本体1の座ぐり穴6側におけるチップ取付溝2の側壁4と底面3とが交差する角部を円弧状にくり抜いて、軸線Oに沿った縦断面視において略円形をなす凹部9を設けることとしたが、凹部9の位置、形状、長さ等としては特に限定されるものではなく、また、凹部9を設けないこととしてもよい。例えば、凹部9を、図4(a)に示されるように、チップ取付溝2の座ぐり穴6側の底面3から工具基端側に向かって切り欠いて形成してもよい。図4(b)に示されるように、チップ取付溝2の側壁4から工具外周側に向かって切り欠いて形成してもよい。図4(c)に示されるように、チップ取付溝2の底面3の中央部から工具基端側に向かって切り欠いて形成してもよい。図(d)に示されるように、チップ取付溝2の側壁4と底面3とが交差する角部から工具外周側および工具基端側に向かって斜めに切り欠いて形成してもよい。また、凹部9の形状としては、特に限定されるものではなく、他の任意の形状とすることができ、例えば、図4(a)〜(d)に示されるように、略四角形とすることができる。
また、上記実施形態においては、本発明に係るスローアウェイ式回転工具およびスローアウェイチップのクランプ機構としてスローアウェイ式ボールエンドミルを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、ラジアスエンドミル、スクエアエンドミル、ドリル、リーマ、ボーリングカッタ等多種のスローアウェイ式回転工具に適用することができる。
また、スローアウェイ式回転工具に限らず、旋盤などに工具を固定して工作物を回転させて使用するバイト等のスローアウェイ式旋削工具に転用することも可能である。例えば、中ぐりバイト、穴ぐりバイト等の円筒状のシャンクをもつ丸シャンクバイトに適用した場合には、クランプねじを締め込むことにより、チップ本体10が工具中心軸回りに回転し、チップ取付溝の側壁に押圧されて、切削方向の所定位置に精度よく位置決めして強固に固定されることとなる。その結果、チップ本体10を交換した場合における刃先位置の再現性に優れるという利点がある。
また、高精度・高強度の取付けが必要な継ぎ手にも転用できる。
本発明の一実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルを示す図であり、(a)は斜視図、(b)はその先端部を示す正面図である。 (a)は図1(b)のX−X線に沿う平面で切断した縦断面図であり、(b)は図1(b)のY−Y線に沿う平面で切断した横断面図である。 図1のスローアウェイ式ボールエンドミルにおけるスローアウェイチップのクランプ機構を説明する横断面図である。 図1のスローアウェイ式ボールエンドミルの変形例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 工具本体
2 チップ取付溝
3 底面
4 側壁
4a 工具回転方向を向く側壁
5 クランプ孔
6 座ぐり穴
7 ねじ孔
8 円筒部
10 チップ本体
12 取付孔
20 クランプねじ
N クランプ孔の中心線
O 軸線
P チップ取付溝の側壁と直交する平面
T 工具回転方向
α クランプ孔の傾斜角

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転される工具本体と、
    該工具本体の先端部にこの工具本体の先端面に開口して凹設されたスローアウェイチップを取り付けるためのチップ取付溝と、
    該チップ取付溝に交差して穿設されたスローアウェイチップの取付けに用いるクランプねじを挿入するためのクランプ孔とを備え、
    前記チップ取付溝がスローアウェイチップを載置するための底面と該底面から起立する側壁とを有するとともに、
    前記クランプ孔が、前記軸線に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されている
    ことを特徴とするスローアウェイ式回転工具。
  2. 前記クランプ孔が、前記軸線に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して工具回転方向後方側に傾斜している
    ことを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式回転工具。
  3. 前記クランプ孔の傾斜角が30′〜1°である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスローアウェイ式回転工具。
  4. 前記クランプ孔が前記クランプねじの頭部を受けるための座ぐり穴と前記クランプねじのねじ部を螺入するためのねじ孔とを備えるとともに、
    前記座ぐり穴がねじ孔に対して工具基端側に偏心している
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスローアウェイ式回転工具。
  5. 円筒状をなす工具本体の先端部に設けられたチップ取付溝に取付孔を有するスローアウェイチップを挿入して、前記チップ取付溝に交差して穿設されたクランプ孔に前記取付孔を通してクランプねじを螺入することにより、前記スローアウェイチップを前記チップ取付溝に着脱可能に取り付けるスローアウェイチップのクランプ機構であって、
    前記チップ取付溝がスローアウェイチップを載置するための底面と該底面から起立する側壁とを有するとともに、
    前記クランプ孔が、工具長手方向に垂直な横断面視において、前記チップ取付溝の側壁と直交する平面に対して斜交するように形成されている
    ことを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。
  6. 前記クランプ孔が前記クランプねじの頭部を受けるための座ぐり穴と前記クランプねじのねじ部を螺入するためのねじ孔とを備えるとともに、
    前記座ぐり穴が前記ねじ孔に対して工具基端側に偏心するように形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
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