JP2010080708A - 回路基板ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路基板4をアッパーケース2とロアケース3によって形成される空間内に収容する回路基板ユニットにおいて、アッパーケース2の少なくとも長手方向に対向する一対の辺縁部のそれぞれに、回路基板ユニットをクロスカービーム50に取り付けるための取付部が設けられ、アッパーケース2がクロスカービーム50に取り付けられたときに、ロアケース3の底面側のクロスカービーム50との間に空隙Aが設けられるようにした。
【選択図】図13
Description
図1は実施例1の回路基板ユニットの車両組付け状態を示す説明斜視図である。図2は実施例1の回路基板ユニットの車両組付け状態を示す説明図である。
実施例1の回路基板ユニット1は、インストパネルの内部に設けられるクロスカービーム50に取り付けられ、コックピットモジュールを構成する。コックピットモジュールは、予め組み立てられ、車両の車体に対して一度に搭載される。
そして、回路基板ユニット1は、車両の左右方向への電源配線、信号配線の一部を受け持つ。また、一部電子部品の実装を行ってもよい。
回路基板ユニット1は、樹脂製のアッパーケース2及びロアケース3の上下2体を組付けた構造であり、その内部に回路基板4を収容する構造である。
まず、アッパーケース2の構造について説明する。
アッパーケース2は、その長尺な側部に、締結によるロアケース3との取り付けのためのネジ受け部21を設ける。
また、アッパーケース2の周縁部の複数箇所には、ロアケース3との仮止めのための係合爪部22を設ける。
次に、アッパーケース2の手前側の3箇所には、下方へ伸びた舌片形状で、奥側の2箇所には、奥側へ伸びた舌片形状で、取り付け用の穴を備えた取付部24を設ける。この取付部24は、クロスカービーム50への取り付けに用いられる。
また、アッパーケース2の左右両端部には、左右へそれぞれ伸びた舌片形状で、取り付け用の穴を備えた取付部25を設ける。この取付部25は、クロスカービーム50への取り付けに用いられる。
ロアケース3は、その長尺な側部に、アッパーケースのネジ受け部21と重ねるように当接させ、ネジ5で締結する部分としたネジ止め部31を設ける。
また、ロアケース3の周縁部の複数箇所で、アッパーケース2の係合爪部22に対応する箇所には、アッパーケース2の係合爪部22を撓みで乗り越えるようにして、引っ掛けるように係合するコ字状(枠形状)の係合部32を設ける。
ロアケース3の底面の左右には、収容した回路基板4とコックピットモジュールの機器との電気接続を行うコネクタ4dが露出する部分が設けられている。コネクタ4dは、回路基板4に予め取り付けられ、電気的に接続されている。なお、図4には、回路基板4a、4bにおけるコネクタの実装位置を符号4dの二点鎖線で示す。
そして、ロアケース3には、コネクタ4dの周囲を側壁により囲むコネクタ保護部33を設ける。
次に回路基板4について説明する。
回路基板4は、ロアケース3に収容され、左右に分かれた回路基板4aと回路基板4bが中央で、フラットケーブル4cにより接続される構造である。
図6は実施例1の回路基板ユニットの断面図である。図7は実施例1の回路基板ユニットの断面斜視図である。図8は実施例1の回路基板ユニットのロアケースの平面図である。図9及び図10は実施例1の回路基板ユニットのロアケースの一部拡大斜視図である。図11は実施例1の回路基板ユニットの三角リブ部の説明斜視図である。
回路基板4の保持構造としては、回路基板4の短尺方向の両端部分に対応するロアケース3の位置に、ロアケース3の中央側の底部よりも一段高い保持部34を複数箇所に設ける。
この保持部34は、図8〜図11に示すように、複数設けるうちの一部がネジ止め部31に対応する位置、つまりネジ止め部31の内側位置に配置する。
また、ロアケース3の中央側の底部には、回路基板4の下面を保持部34と略同じ高さに支持する支持部35を複数箇所に設ける。
そして、支持部35の一部は、ネジ5がネジ部を貫通させ、頭部が着座する構造にする(これを支持部35bとする。詳細は後述する)。
これにより、回路基板4をロアケース3に載せると、回路基板4は図6に示すように、短尺な幅方向の両端を保持部34で支持され、中央を支持部35で支持されることになる。
さらに、回路基板4の短尺方向の両端に対応する位置には、三角リブ部27を設ける。三角リブ部27は、リブ部26及び支持部35におけるネジの締結により、下端が回路基板4に強く押し付けられる構造である。
このように、回路基板4は、アッパー側のリブ部26、三角リブ部27、ロア側の保持部34、支持部35により、挟むようにして保持される構造である。
そして、三角リブ部27は、リブ部26及び支持部35におけるネジの締結により、必ず下端部27cが回路基板4に当接し、押し付けられる寸法関係にしておく。
図12は実施例1の回路基板ユニットのロアケースと回路基板の取り付け構造を示す説明図である。なお、一部に三角リブ部27を示す。なお、図12には、回路基板4bを示すが、回路基板4aも同じ構造である。
ロアケース3の支持部35は、長尺方向に複数が配列し、この配列の両端に位置する支持部35は、支持部35aとし、支持部35aの上面から位置決めピン36が上方に突出するものとする。
そして、その間に位置する支持部35を支持部35bとし、ネジ5のネジ部が上方に突出するものとする。
なお、図12には三角リブ部27を、1箇所のコネクタ4dに対応するように示しているが、図12に示す長尺方向両側のコネクタ4d(並列して2つが設けられているもの)にも対応して配設されるものとする。
[コックピットモジュールの配電、配線を行う作用]
実施例1の回路基板ユニット1は、コックピットモジュールのクロスカービーム50に取り付けられ、コックピットモジュールにおける左右方向の電力の伝達、信号の送受を行う。そのため、コックピットモジュールのインストパネルの内部は、配線が簡略化され、非常に省スペースな構成となる。
また、回路基板ユニット1の上面には、左右方向に複数の取付部23が設けられているため、回路基板ユニット1の上面を利用して左右方向へ束状に配線を行い、取付部23で電線や信号線を固定する。
また、回路基板ユニット1の底面に設けられた複数のコネクタ4dから電源供給や信号線の接続を行うため、コックピットモジュールのインストパネルの内部は、非常に簡素な配線構造となる。
実施例1の回路基板ユニット1では、アッパーケース2の下側にロアケース3が組み付けられる構造となる。
回路基板ユニット1を組付ける際には、まず、ロアケース3に回路基板4(4a,4b)を上方から載置する。その際には、図12に示すように、回路基板4の位置決め孔41及び長孔42をロアケース3の上面の位置決めピン36が貫通するようにする。
これによりロアケース3の周縁部に囲まれた内部に回路基板4が収容される。
この状態では、回路基板4は、ロアケース3の保持部34と支持部35による複数点支持によりロアケース3の底面より上方位置に維持される。保持部34で回路基板4の周縁を支持し、支持部35で回路基板4の幅方向中央部を支持する。また、この際、回路基板4に実装され、下方に突出するコネクタ4dは、ロアケース3のコネクタ保護部33で囲まれた部分の貫通孔部分で下方外部へ突出させる。
左右の回路基板4(4a,4b)の電気的接続を行うフラットケーブル4cの接続は、この状態で行ってもよいし、ロアケース3へ載置する前に行ってもよい。
その際には、アッパーケース2の係合爪部22と係合部32の位置を合わせ、係合爪部22に係合部32が引っかかるように係合させる。これを仮止め状態とする。
この仮止め状態では、回路基板4は、下面を保持部34と支持部35で支持され、位置決めピン36により左右方向の位置を所定範囲に制限される。そして、上方は、リブ部26が所定の間隙位置に位置することにより、所定範囲に保持される。また、三角リブ部27は軽く当接した状態となり、回路基板4が保持される。このように係合爪部22と係合部32による係合状態では、回路基板4は左右、上下に所定範囲位置に保持される。
回路基板4は上下左右に所定範囲に保持されていることにより、反転中、反転後も、同様に所定範囲に保持される。
反転したならば、上方からネジ5を差し込むようにし、アッパーケース2のネジ受け部21とロアケース3のネジ止め部31を締結する。又、同様に、ネジ5が回路基板4の長孔42を貫通するようにして、アッパーケース2のリブ部26とロアケース3の支持部35bで回路基板4を挟み込むように締結する。
このネジ5の締結は、係合爪部22と係合部32の係合により、締結を行う部分が所定範囲に位置合わせされているので、特段の締結用の位置合わせを行うことなく、ネジ5の締結作業を行えばよい。
このように実施例1の回路基板ユニット1では、締結方向をロアケース3からアッパーケース2への方向のみとすることにより、締結部分から水が内部へ浸入することがないようにしている。
なお、締結後は回路基板ユニット1をさらに反転し、図3に示す状態となる。
このように組付けが完了した回路基板ユニット1は、車両のクロスカービーム50へ取り付けられる。
その際には、アッパーケース2に設けられた取付部24,25をクロスカービーム50へ取り付けることにより、回路基板ユニット1を取り付ける。そして、図1、図2に示す取り付け状態では、ロアケース3の下面は、クロスカービーム50から支持構造上、浮く状態となる。
図13に示すように、支持構造上、回路基板ユニット1のロアケース3の下面は、クロスカービーム50の上面から浮き、間隙Aを有することになる。但し、実際には、図14に示すように、ロアケース3の下面とクロスカービーム50の間隙Aには、緩衝部材であるウレタン材6を板状にして取り付けるようにする。
そして、クロスカービーム50に取り付けた回路基板ユニット1の上面で、図3、図4において奥側には、電線の束101を取付部23で複数箇所、回路基板ユニット1に固定する。
この電線の束101は、下部がアッパーケース2の上面から浮き、取付部23のみで支持することが好ましい。
図15は実施例1の回路基板ユニットの荷重の伝わり状態を示す説明図である。
そのため、図13に示すように、電線の束101の荷重は、図13に符号102で示すように、回路基板ユニット1を支持しているアッパーケース2の取付部24,25へ伝わることになる。回路基板4及びロアケース3へはこの荷重は伝わらない。また、アッパーケース2の取付部24,25をクロスカービーム50に取り付ける際の作業における外力もアッパーケース2へ加わるが、ロアケース3及び回路基板4へは伝わらない。
なお、回路基板ユニット1は、図14に示すようにロアケース3とクロスカービーム50の間にウレタン材6を設けているが、荷重の伝達はなく、振動や変形により直接接触し、磨耗や低級音を発することがないようにしている。
実施例1の回路基板ユニット1の作用を明確にするためにさらに説明を加える。
図16はロアケースが荷重を受ける場合の荷重の伝わり状態を示す説明図である。なお、図16において、符号は実施例1に準じた符号を示す。
回路基板4には、半田部分や通電パターンのように、構造部に比較して応力などに弱い部分があるため、電線の束101を支えるための荷重が伝わることは非常に好ましくないことである。
また、回路基板4を直接収容するロアケース3の一部をクロスカービーム50に取り付けるために、その作業の際の外力が、同様に回路基板4へ伝達してしまう。
また、この場合には、リブ部26を回路基板に締結させることはできない。詳細は後述する。さらに、リブ部26を設けない構成にしたとしても、ロアケース3が荷重支持を行うことにより発生する応力、あるいは力の伝達は回路基板4へ影響を与えることになる。
実施例1では、図15、図17に示すように電線の束101を取り付ける回路基板ユニット1のロアケース3がアッパーケース2に、電線の束101の支持構造を担うことなく、組み付けられる構造にすることで、クロスカービーム50への取り付けの際の外力、電線の束101を支持することによる荷重が、回路基板4に伝達しないようにする。
言い換えて説明すると、実施例1の回路基板ユニット1では、回路基板4を下方からのネジ5の締結により、リブ部26と支持部35により挟みこむように回路基板4を保持している。これは、空隙が設けられ、その空隙が車両の振動により当接を繰り返すことで生じる低級音の発生を防止しているのである。
また、回路基板自体は樹脂部材で挟みこまれて保持されるため、金属部材で直接固定されるのに比較して、振動などに対してその弾性から磨耗、変形等の耐性が向上することになる。
なお、実施例1の回路基板ユニット1では、上記説明のように、ロアケース3は回路基板4を収容するが、アッパーケース2の荷重や電線の束101の荷重を受けない構造のため、アッパーケース2より肉厚を薄くすることができる。ロアケース3は、図3などに示すように長尺な樹脂成形物であるため、薄くすることにより成形作業は良好に行えるようになる。これにより製品精度向上やコスト低減に寄与できる。
実施例1の回路基板ユニット1では、回路基板4が、車両のインストパネルの内部において、左右方向に電源供給や信号を送るための電線の代わりに機能する。
この機能において、シールド線の代わりに機能する場合には、シールド機能の一部を、その通電パターンが導電性のある材質のクロスカービーム50の左右の長手方向に沿って、所定間隔で上方に位置することで得ている。
しかし、ロアケース3を厚くしていくと、回路基板4とクロスカービーム50の間隙距離が大きくなってしまう。
クロスカービーム50との間隙距離が大きくなりすぎると、シールド機能を構成することが非常に弱くなってしまう。
この点からも、実施例1において、取付部24,25によりアッパーケース2をクロスカービーム50へ取り付けるようにし、ロアケース3が電線の束101の荷重を支持することを担わず、アッパーケース2の下側へ取り付けた構造となり構造上も肉厚上も薄くできることは有利である。クロスカービーム50とのシールド機能における間隙距離を小さくでき、さらにクロスカービーム50に対する位置を最適にする自由度を増加する構造となるからである。
なお、クロスカービーム50の撓みに対しては、アッパーケース2がその撓みにより影響を受けるが、アッパーケース2の強度を高めるよう厚くするなどしても、一部のシールド機能、外力の回路基板への影響を抑制する点について問題なく行えることも有利である。
これにより、回路基板ユニット1をクロスカービーム50に取り付け後、車両機器のコネクタをコネクタ4dに接続することが容易な作業となる。
さらに、この接続の際には、コネクタ4dに対して、車両機器のコネクタを下方から差し込むように接続されるので、回路基板4としては、上方へ力が加わることになる。この力は、コネクタ4dに対して比較的近傍に配置されたリブ部26及び三角リブ部27でアッパーケース2が受けるようにしている。そのため、コネクタの接続でロアケース3が力を受けて回路基板4へ影響することはない。回路基板4をアッパーケース2により強度高く下方へ支持することにより、コネクタの接続作業を容易にする。
実施例1の回路基板ユニットにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)回路基板4をアッパーケース2とロアケース3によって形成される空間内に収容する回路基板ユニット1において、アッパーケース2とロアケース3には、一体化するための係合爪部22と係合部32、及びネジ受け部21とネジ止め部31が設けられると共に、アッパーケース2の少なくとも長手方向に対向する一対の辺縁部のそれぞれに、回路基板ユニット1をクロスカービーム50に取り付けるための取付部25が設けられ、アッパーケース2がクロスカービーム50に取り付けられたとき、ロアケース3の底面側のクロスカービーム50との間に空隙が設けられるため、回路基板ユニットへの外力が回路基板へ影響しにくくすることができる。
実施例1の回路基板4は、電源供給、信号伝達のために、ほとんど電子部品の実装のないものとしても、電子部品を充分に実装したものであっても、どちらであってもよい。
2 アッパーケース
21 ネジ受け部
22 係合爪部
22a 傾斜部
22b 係合面部
23 取付部
24 取付部
25 取付部
26 リブ部
27 三角リブ部
27a 矩形部
27b 三角部
27c 下端部
28 凸部
3 ロアケース
31 ネジ止め部
32 係合部
32a 片持ち部分
32b 接続部分
33 コネクタ保護部
34 保持部
35 支持部
35a 支持部
35b 支持部
36 位置決めピン
4 回路基板
4a 回路基板
4b 回路基板
4c フラットケーブル
4d コネクタ
41 位置決め孔
42 長孔
5 ネジ
6 ウレタン材
50 クロスカービーム
101 電線の束
102 (電線の束の荷重の伝わりを示す)線
Claims (2)
- 回路基板をアッパーケースとロアケースによって形成される空間内に収容する回路基板ユニットにおいて、
前記アッパーケースと前記ロアケースには、一体化するための係合部が設けられると共に、前記アッパーケースの少なくとも長手方向に対向する一対の辺縁部のそれぞれに、回路基板ユニットを被取付部材に取り付けるための取付部が設けられ、
前記アッパーケースが前記被取付部材に取り付けられたとき、前記ロアケースの底面側の被取付部材との間に空隙が設けられる、
ことを特徴とする回路基板ユニット。 - 請求項1に記載の回路基板ユニットにおいて、
前記アッパーケースに、下面を前記回路基板に近接させて設けられた上側挟持部と、
前記ロアケースに、上面を前記回路基板に近接させて設けられた下側挟持部と、
前記上側挟持部と前記下側挟持部を締結する締結手段と、
を備え、
前記上側挟持部と前記下側挟持部により前記回路基板の短手方向の中央部を挟持する構造にした、
ことを特徴とする回路基板ユニット。
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