JP2010080390A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池が異常状態に曝された場合に、正負極活物質層同士が接触するのを抑制すると共に、早期に正極の電位を下げ且つ負極の電位を上げることで電池の機能を停止させ、これによって、電池の信頼性を格段に向上させることができる電池の提供。
【解決手段】渦巻状に巻回された巻取電極体5が金属外装缶内に収納されると共に、この金属外装缶と負極板とが電気的に接続された構造の電池において、巻取電極体の最外周部には、セパレータ3を介して正極板が配置されると共に、正極板の最外周部における巻回終端側には、上記セパレータ3の巻回終端部3aよりも突出し、正極活物質層1bが存在しない集電体露出部1cが設けられ、且つ、この集電体露出部1cの電池外側面が低密度ポリエチレンフィルム20で覆われている。
【選択図】図3

Description

本発明は電池に関し、特に、リチウムイオン電池或いはポリマー電池等の非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
ここで、上記移動情報端末は、動画再生機能、ゲーム機能といった機能の充実に伴って、更に消費電力が高まる傾向にあり、その駆動電源であるリチウムイオン電池には長時間再生や出力改善等を目的として、更なる高容量化や高性能化が強く望まれるところである。加えて、非水電解質二次電池は上記用途のみならず、電動工具やアシスト自転車、更にはHEV等の用途への展開も期待されおり、このような新用途に対応するためにも、更なる高容量化や高性能化を図ると共に、高信頼性化が強く望まれるところである。
ここで、上記非水電解質二次電池のセパレータとして広く用いられているポリオレフィン系の徴多孔膜は、電池温度上昇時に、延伸によって作製された空孔が閉塞されることで発動するシャットダウン機能により、電池信頼性向上のための大きな役割を担っている。しかしながら、電池温度が大きく上昇し、ポリオレフィンの融点を越えると、セパレータが収縮し、正負極活物質層同士が接触することで、短絡を招いてしまう。このような短絡時には、短絡部に大電流が流れ局所的に温度上昇するが、上記の如く正負極活物質層同士が接触している部位で短絡した場合には、正負極活物質および電解液の急激な熱分解反応を引き起こすという問題がある。
このようなことを考慮して、以下に示す技術が提案されている。
(1)ポリオレフィン系の徴多孔膜と無機微粒子や耐熱性樹脂とを複合することで、セパレータの耐熱性を向上させ(セパレータの収縮を抑制して)、正負極活物質同士の短絡を抑制するような技術。
(2)非水電解質二次電池のセパレータとして多く用いられているポリオレフィン系の徴多孔膜は、電池温度が上昇した場合、130〜140℃の温度でシャットダウンが機能するが、このシャットダウンより早期に機能する安全機構を電池内に組み込むことができれば、電池の信頼性をより向上させることが出来る。このような観点から、セパレータよりも融点の低い高分子粒子層をセパレータ表面に設け、セパレータのシャットダウンが生じる前に溶融して、セパレータの空孔を閉塞させる技術(下記特許文献1参照)。
(3)負極板と対向する電池ケースの内面に所定の抵抗率の導電層を備えることにより、高温環境下に電池をおいた場合、セパレータの収縮により、負極板と正極板とが導電層を介して接触する技術(下記特許文献2参照)。
特開2008−41504号公報 特開2005−285554号公報
・上記(1)や(2)に示した技術の課題
上記非水電解質二次電池で用いられている正負両活物質では、充電状態(即ち、正極の電位が高い状態で、負極の電位が低い状態)では、熱的に不安定である。したがって、何らかの要因で電池温度が上昇していくと、正負両活物質の分解や電解液との急激な反応が生じて発熱するため、電池内部は非常に不安定な状態となってしまう。
上記背景技術で示した技術(セパレータの耐熱性を向上させて収縮を抑制する技術や、セパレータのシャットダウン温度を低下させる技術)を用いても、電池温度上昇時に正負両活物質が充電状態に維持されることには変わりないため、正負両活物質の分解や電解液との急激な発熱反応が生じる。この結果、電池の信頼性を充分確保することができない。
・上記(3)に示した技術の課題
セパレータとして熱収縮性のものを用いているが、このような構成では、セパレータが熱収縮するまで(即ち、電池が高温となるまで)は正極と負極とが短絡しない。したがって、電池温度が高くなるまで正負両活物質が充電状態に維持されるため、やはり正負両活物質の分解等が生じて、電池の信頼性が低下する。また、負極板と正極板とが導電層を介して接触する際、負極集電体と導電層とが接触するのみならず、負極活物質層と導電層とが接触する。このように、負極活物質が存在する部位にて直接短絡すると、当該部位で急激に温度上昇が生じて活物質の分解等が助長されるため、電池の信頼性が一層低下する。
したがって、本発明は、電池が異常状態に曝された場合に、正負極活物質層同士が接触するのを抑制すると共に、早期に正極の電位を下げ且つ負極の電位を上げることで電池の機能を停止させ、これによって、信頼性を格段に向上させることができる電池の提供を目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、正極集電体の表面に正極活物質層が形成された正極板と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極板とが、セパレータを介して渦巻状に巻回された巻取電極体を有し、この巻取電極体が金属外装缶内に収納されると共に、この金属外装缶と上記両極板のうち一方の極板とが電気的に接続された構造の電池において、上記巻取電極体の最外周部には、上記セパレータを介して上記金属外装缶とは異なる極性の極板が配置されると共に、当該極板の最外周部における巻回終端側には、上記セパレータの巻回終端部よりも突出し、上記活物質層が存在しない集電体露出部が設けられ、しかも、この集電体露出部の電池外側面が、上記セパレータより低融点で且つ製造段階での乾燥工程における乾燥温度よりも高融点の絶縁性フィルムで覆われていることを特徴とする。
上記構成の如く、セパレータより低融点の絶縁性フィルムで覆われた集電体露出部が、金属外装缶とは異なる極性の極板における最外周部に設けられていれば、何らかの要因で電池温度が上昇した場合、セパレータの融点以下で絶縁性フィルムが溶融、収縮する。したがって、セパレータが溶融して正負両活物質層が直接接触して短絡するより前に、金属外装缶とは異なる極性の極板の集電体露出部と金属外装缶とが接触して短絡し、これにより、正極の電位が下がり且つ負極の電位が上がるので、電池が放電状態となる。このように、セパレータの融点以下で短絡が生じ、異常状態の早期に正負両活物質が安定化すれば、電池温度が更に上昇した場合であっても、正負両活物質の熱分解や電解液との急激な発熱反応が生じるのを抑制することができる。また、正負両活物質層が直接接触するような短絡を伴わないため、正負両活物質の局所的な温度上昇なしに電池を安定化させることができる。これらのことから、電池温度上昇時においても、信頼性の高い電池を得ることができる。
尚、金属外装缶とは異なる極性の極板の集電体露出部を覆う絶縁性フィルムは、通常の使用状態では溶融しないので、通常状態では、金属外装缶と上記集電体露出部との絶縁性は保持されることになる。
ここで、特開平10−261427号公報には、正極端子を兼ねた電池ケースと、最外周に配された負極と電気的に接続された金属箔膜と、電池ケースと金属箔膜とが電気的に非接触状態を保持する絶縁性の保持手段とを備えてなる短絡手段が設けられている旨記載されている。しかしながら、この発明は、過大な応力や加速度を加えて電池を変形させた場合の安全機構であり、本発明のように高温状態での安全性を確保することはできない。なぜなら、上記絶縁性の保持手段としてはセパレータ、紙、或いはセラミックが例示されているに過ぎず、このような物質で保持手段が構成されている場合には、セパレータ等の溶融温度に達するまでは短絡しない。この結果、高温状態となった際、セパレータが溶融する以前に金属同士を短絡させるという本発明の作用効果を発揮できないからである。
上記金属外装缶とは異なる極性の極板において、活物質層の巻回終端側の端部は、上記セパレータで覆われていることが望ましい。
活物質層の巻回終端側の端部とセパレータの端部とが揃っている場合には、絶縁性フィルムが溶融、収縮した場合に、電池の振動や電池の変形等が生じると、金属外装缶と異なる極性の活物質と金属外装缶とが直接接するおそれがある。しかしながら、上記構成の如く、活物質層の巻回終端側の端部がセパレータで覆われていれば、電池の振動や電池の変形等が生じた場合であっても、金属外装缶と異なる極性の活物質と金属外装缶とが直接接するのを抑制できるので、電池の信頼性が一層向上する。
上記正極活物質層の活物質及び上記負極活物質層の活物質として、リチウムイオンを挿入脱離できうるものを用いることが望ましい。
このようなリチウムイオン二次電池では、正負両活物質の分解や電解液との急激な発熱反応が顕著であるので、本発明の作用効果が一層発揮される。
本発明によれば、電池が異常状態に曝された場合に、正負両活物質同士が接触するのを抑制すると共に、早期に電池を放電状態とすることによって、電池の信頼性を格段に向上させることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の一例に係る円筒型リチウムイオン二次電池を、以下に説明する。なお、本発明における電池は、下記の形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
円筒型リチウムイオン二次電池は、図1に示すように、上部に開口部を有する有底円筒状の金属外装缶4と、正極板1と負極板2とをポリエチレン製多孔質膜から成るセパレータ3(融点:134℃、厚さ:18μm)を介して対向させ渦巻き状に巻回させてなる巻取電極体5と、この巻取電極体5内に含浸された非水電解液と、上記金属外装缶1の開口部を封口する封口蓋6等から構成されている。上記封口蓋6が正極端子、上記金属外装缶1が負極端子となっており、巻取電極体5の上面側に取り付けられている正極集電タブ(図示せず)が封口蓋6と、下面側に取り付けられている負極集電タブ(図示せず)が金属外装缶1と、それぞれ接続され、これによって二次電池としての充電及び放電が可能な構造となっている。上記巻取電極体5の上面及び下面は、上記巻取電極体5と金属外装缶1等とを絶縁するための上部絶縁板9及び下部絶縁板10で覆われている。また、上記封口蓋6は、絶縁パッキング11を介して金属外装缶1の開口部にかしめ固定されている。
ここで、上記巻取電極体5の最外周部には、セパレータ3を介して正極板1(金属外装缶4とは異なる極性の極板)が配置されており、また、図3に示すように、上記正極板1は、アルミニウム箔から成る正極集電体1a(厚さ:15μm)の両面に正極活物質層1b(片面の厚さ:70μm)が形成されるような構造となっている。上記正極板1における巻回終端側には、図2及び図3に示すように、上記正極活物質層1bが存在しない正極集電体露出部1cが設けられており、また、正極活物質層1bの巻回終端側の端部1eは、セパレータ3で覆われている。更に、上記正極集電体露出部1cの電池外側面1d及びセパレータ3の一部には、セパレータ3より低融点の低密度ポリエチレンフィルム(LDPE、融点:120℃)20が貼り付けられている。尚、上記負極板2は、銅箔から成る負極集電体2a(厚さ:8μm)の両面に負極活物質層2b(片面の厚さ:68μm)が形成されるような構造となっている。
このように、正極集電体露出部1cの電池外側面1dに、融点が120℃の低密度ポリエチレンフィルム20が存在することにより、通常使用する温度範囲では、金属外装缶4と正極集電体露出部1cとの絶縁性は保持される一方、何らかの要因で電池温度が上昇した場合には、セパレータ3の融点以下で低密度ポリエチレンフィルム20が溶融、収縮するため、金属外装缶4と正極集電体露出部1cとが接触して短絡する。
尚、図3では、正極集電体露出部1cが電池外側に変形しなければ、正極集電体露出部1cと金属外装缶4とが接触しないようにみえるが、上述したように、正極集電体1a、正極活物質層1b、及びセパレータ3の厚さは極めて小さく、しかも電池の充電状態では正負両活物質が膨張しているので、巻取電極体5には金属外装缶4方向に押圧力が加わる。したがって、正極集電体露出部1cが変形しなくても、正極集電体露出部1cと金属外装缶4とが接触する。
上記構造の円筒型リチウムイオン二次電池を、以下のようにして作製した。
〔正極板の作製〕
先ず、正極活物質であるコバルト酸リチウムと、炭素導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのPVDFとを、95:2.5:2.5の質量比で混合した後、NMPを溶剤として特殊機化製T.K.CONBIMIXを用いてこれらを攪拌し、正極スラリーを調製した。次に、アルミニウム箔から成る正極集電体の両面に上記正極スラリーを塗布した後、乾燥圧延することにより正極板1を作製した。
尚、上記正極板1を作製する際、正極板端部には正極スラリーの未塗工部を配置することにより正極集電体露出部1cを形成した。更に、正極板1の端部にはアルミニウム製の集電タブを溶接した。
〔負極板の作製〕
負極活物質である炭素材料(人造黒鉛)と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、SBR(スチレンブタジエンゴム)とを、質量比で98:1:1となるように、特殊機化製T.K.CONBIMIXを用いて水溶液中で混合して負極スラリーを作製した後、銅箔から成る負極集電体の両面に上記負極スラリーを塗着し、更に、乾燥、圧延することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極板2を作製した。
尚、負極板2の端部にはニッケル製の集電タブを溶接した。
〔非水電解液の調製〕
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが容積比で3:7の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6を1.0モル/リットルの割合で溶解させて調製した。
〔電池の組立〕
正極活物質層1bと負極活物質層2bとがセパレータ3を介して対向するように、正極板1、セパレータ3及び負極板2を渦巻状に多数回巻取り、巻取電極体5を作製した。このとき、正極活物質層1bの端部1eはセパレータ3により覆われ、また、正極集電体露出部1cは、上記巻取電極体5の最外面に配置されている構造となっている。その後、セパレータ3の巻回終端部3aから突出した正極集電体露出部1cの金属外装缶4側の面1dを全て覆うように低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)20を貼り付けた(尚、セパレータ3の一部にも低密度ポリエチレンフィルム20が貼り付けられている)。
次に、上記巻取電極体5を金属外装缶4に挿入し、金属外装缶4の底部に負極集電タブをスポット溶接により接合する一方、電池蓋6の底部に同様の方法にて正極集電タブを接合した。最後に、非水電解液を金属外装缶4内の巻取電極体5に注入、含浸させた後、金属外装缶4の開口部に絶縁パッキング11を介して封口蓋6をかしめ固定することにより円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。尚、本電池の設計容量は2500mAhである。
(実施例)
実施例としては、上記最良の形態で示した円筒型リチウムイオン二次電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池Aと称する。
(比較例)
図7に示すように、上記正極集電体露出部1cの電池外側面1dが全てセパレータ3により覆われている(即ち、低密度ポリエチレンフィルム20が存在しない)他は、上記実施例と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Zと称する。
(実験)
本発明電池A及び比較電池Zのサーマル試験を行なったので、その結果を表1に示す。具体的な実験内容は、上記本発明電池A及び比較電池Zを、1.0Itの電流値で電池電圧が4.20Vとなるまで定電流充電を行なった後、4.20Vの電圧で電流値が1/5Itになるまで充電した。その後、電気炉内で25℃から150℃まで5℃/minの昇温速度で昇温した後、150℃で60分間保持した場合の電池電圧および電池温度を測定した。
具体的な評価は、電池の放電終止電圧である2.75V以下に電池電圧が低下するまでの時間と、そのときの温度、及び、電池温度の異常に至った電池数とを調べた。試料数は各電池5個ずつであり、また、サーマル試験の保持温度である150℃以上に電池温度が上昇した場合を電池温度の異常と判断した。
尚、通常、電池にはPTC等の保護素子、保護回路が設置され、異常時の安全性が確保されるように設計されている。また、正極材料や負極材料における信頼性向上のための対策、電解液中の添加剤等、各種安全機構が用いられ、安全性は保護回路無しでも十分に確保されている。但し、今回の試験では、本発明の構成とした場合の安全性の向上を確認する目的であるということから、セパレータのシャットダウン機構を除く安全性に係わる材料/機構を極力排除してサーマル試験を行なった。
Figure 2010080390
表1から明らかなように、比較電池Zでは、昇温開始から29分後、電池温度141℃で電池電圧が2.75V以下に低下し、昇温後60分以内に全ての電池で電池温度の異常に至った。これに対して、本発明電池は、昇温開始から24分後、電池温度124℃で電池電圧が2.75V以下に低下し、昇温後60分以内には全く電池温度の異常は認められなかった。
これは、以下に示す理由によるものと考えられる。即ち、比較電池Zでは、電池温度がセパレータの融点(134℃)に達した後、電池電圧が低下していることから、セパレータの溶融による正負極活物質同士の接触により電圧が低下し、その後、正負極活物質のショート部で局所的な温度上昇が起こり、電池温度の異常に至ったものと考えられる。
これに対して、本発明電池Aでは、電池温度がセパレータの融点に達する前にショートに至っていることから、巻取電極体の最外周に位置した正極集電体露出部を覆う低密度ポリエチレンの溶融により、正極集電体露出部が金属外装缶(極性は負極)と接触し、ショートしたものと考えられる。このように、正極活物質層でなく、正極集電体露出部分が金属外装缶と接触することにより短絡が生じているため、正極活物質層での局所的な温度上昇は伴わず、早期に電池電圧を低下させることができたものと考えられる。そして、このように電池電圧が低下した場合には(即ち、放電状態の正極活物質及び負極活物質では)、熱的に安定であるため、150℃に保持しても熱分解したり、電解液と急激な発熱反応を起こすことはなく、電池温度の異常には至らなかったものと考えられる。
これらの結果から、本発明のように、巻取電極体の最外周部に、集電体露出部が設けられた正極板(金属外装缶とは異なる極性の極板)が配置されると共に、集電体露出部の電池外側面が低密度ポリエチレン(セパレータより低融点の絶縁性フィルム)で覆われている電池構造とすることで、高温下でも信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができることがわかる。
〔その他の事項〕
(1)上記実施例では円筒型リチウムイオン二次電池を例にとって説明したが、本発明は、図4及び図5に示すような角型リチウムイオン二次電池にも適用することができる(尚、図4及び図5では、上記図1〜図3と同一の機能を有するものには同一の符号を付している)。但し、当該電池では、金属外装缶4は正極板1に接続される構造となっているため、巻取電極体5の最外面には負極板2を配置し、当該負極板2に負極活物質層2bが存在しない集電体露出部2cを設け、この集電体露出部2cの電池外側面2dが低密度ポリエチレンフィルム20で覆われているような構成となっている。これにより、上述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(2)上記セパレータ3より融点の低い絶縁性フィルムとしては、上記低密度ポリエチレン(融点:120℃)に限定するものではなく、使用するセパレータの融点より低く、通常使用する温度領域において絶縁性があり、且つ電解液に対して安定であれば、如何なるものでも良い。但し、電池の製造段階で乾燥工程を有するので、絶縁性フィルムの融点は110℃以上であることが望ましい。このようなことを考慮すれば、絶縁性フィルムの融点は、一般的に、110〜130℃(特に110〜120℃)であることが望ましい。
また、絶縁性フィルムの厚みは通常の電池使用状態で絶縁性が保たれるような厚みであれば足る。尚、絶縁性フィルムの厚みが大きすぎると、本発明の効果が発揮され難くなるとも考えられるが、巻取電極体5と電池缶4との間のデットスペースは極めて狭いので、絶縁性フィルムの厚みを余り大きくすることはできない。このように、絶縁性フィルムの厚みが規制されているので、本発明の作用効果は円滑に発揮される。
更に、セパレータとしては、ポリエチレン製の微多孔膜に限定するものではなく、他のポリオレフィン系樹脂材料やフッ素系樹脂等、電池の機能を確保できれば、いかなる材料を用いても良い。また、セパレータ表面に、無機微粒子や耐熱性の樹脂を積層し、セパレータの収縮を抑制する加工を施したものを使用しても良い。
(3)上記実施例では正極活物質層1bの巻回終端側の端部1eをセパレータ3で覆っているが、図6に示すように、正極活物質層1bの巻回終端側の端部1eとセパレータ3の巻回終端部3aとが面一となり、両端部1e、3aまで低密度ポリエチレンフィルム20を延設するような構造であっても良い。但し、この構造では、低密度ポリエチレンフィルム20が変形した場合に、正極活物質層1bと金属外装缶4とが直接接触するおそれがあるので、上記実施例で示した構成とするのが好ましい。
(4)正極活物質としては、上記コバルト酸リチウムに限定するものではなく、ニッケル−コバルト−マンガンのリチウム複合酸化物、ニッケル−マンガン−アルミニウムのリチウム複合酸化物、ニッケル−コバルト−アルミニウムのリチウム複合酸化物等のコバルト或いはマンガンを含むリチウム複合酸化物や、スピネル型マンガン酸リチウム、オリビン型燐酸リチウム等でも良い。また、これらの正極活物質は単独で用いても良く、他の正極活物質と混合されていても良い。更に、正極スラリーの作製方法としては、上述した湿式混合に限定するものではなく、事前に正極活物質と導電剤とを乾式混合した後に、PVDFとNMPとを混合、撹絆するような方法を用いても良い。
(5)負極活物質としては、上記人造黒鉛に限定されるものではなく、グラファイト、コークス、酸化スズ、金属リチウム、珪素、及びそれらの混合物等、リチウムイオンを挿入脱離できうるものであればその種類は問わない。
(6)電解液のリチウム塩としては、上記LiPF6に限定されるものではなく、LiBF4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiPF6-X(Cn2n+1X[但し、1<x<6、n=1又は2]等でも良く、これら2種以上を混合して使用することもできる。リチウム塩の濃度は特に限定されないが、電解液1リットル当り0.8〜1.5モルに規制するのが望ましい。また、電解液の溶媒としては上記エチレンカーボネート(EC)やメチルエチルカーボネート(MEC)に限定するものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)等のカーボネート系溶媒が好ましく、更に好ましくは環状カーボネートと鎖状カーボネートの組合せが望ましい。
(7)本発明は液系の電池に限定するものではなく、ゲル系のポリマー電池にも適用することができる。この場合のポリマー材料としては、ポリエーテル系固体高分子、ポリカーボネート系固体高分子、ポリアクリロニトリル系固体高分子、オキセタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー及びこれらの2種以上からなる共重合体もしくは架橋した高分子若しくはPVDFが例示され、このポリマー材料とリチウム塩と電解質を組合せてゲル状にした固体電解質を用いることができる。
(8)本発明はリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池に限定されるものではなく、ニッケル−水素蓄電池等、その他の種類の電池にも用いることができる。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源のみならず、電動工具等のパワーツール電源、電気自動車やハイブリッド自動車の車載用電源等の大型電池にも適用することが出来る。
本発明の一例に係る円筒型リチウムイオン二次電池の半断面斜視図である。 図1の電池の巻取電極体の斜視図である。 図1の電池の要部断面図である。 本発明の一例に係る角型リチウムイオン二次電池の断面図である。 図4の電池の要部断面図である。 本発明の変形例を示す要部断面図である。 比較電池の要部断面図である。
符号の説明
1:正極板
1a:正極集電体
1b:正極活物質層
1c:正極集電体露出部
2:負極
3:セパレータ
4:金属外装缶
5:巻取電極体
20:低密度ポリエチレンフィルム

Claims (3)

  1. 正極集電体の表面に正極活物質層が形成された正極板と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極板とが、セパレータを介して渦巻状に巻回された巻取電極体を有し、この巻取電極体が金属外装缶内に収納されると共に、この金属外装缶と上記両極板のうち一方の極板とが電気的に接続された構造の電池において、
    上記巻取電極体の最外周部には、上記セパレータを介して上記金属外装缶とは異なる極性の極板が配置されると共に、当該極板の最外周部における巻回終端側には、上記セパレータの巻回終端部よりも突出し、上記活物質層が存在しない集電体露出部が設けられ、しかも、この集電体露出部の電池外側面が上記セパレータより低融点で且つ製造段階での乾燥工程における乾燥温度よりも高融点の絶縁性フィルムで覆われていることを特徴とする電池。
  2. 上記金属外装缶とは異なる極性の極板において、活物質層の巻回終端側の端部は、上記セパレータで覆われている、請求項1に記載の電池。
  3. 上記正極活物質層の活物質及び上記負極活物質層の活物質として、リチウムイオンを挿入脱離できうるものを用いる、請求項1又は2に記載の電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010212086A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2013004195A (ja) * 2011-06-13 2013-01-07 Toyota Motor Corp 捲回型電池、及び捲回型電池の製造方法

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