JP2010078821A - 表示体、粘着ラベル及びラベル付き物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い偽造防止効果と特殊な視覚効果を実現し得る表示体を提供する。
【解決手段】本発明の表示体10は、複数の凹部又は凸部が一次元的又は二次元的に配列され、かつ、前記複数の凹部又は凸部の中心間距離が200nm乃至500nmの範囲内にある凹凸構造領域を一方の主面に含む光透過層と、前記一方の主面に支持され、前記凹凸構造領域の少なくとも一部を被覆する反射層と、前記一方の主面に前記反射層を被覆するように支持され、屈折率が前記反射層の屈折率と0.2以上の差を有する屈折層と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば偽造防止効果を提供する表示技術に関する。
キャッシュカード、クレジットカード及びパスポートなどの認証物品並びに商品券及び株券などの有価証券には、偽造が困難であることが望まれる。そのため、従来から、そのような物品には、その偽造を抑止すべく、偽造又は模造が困難であると共に、偽造品や模造品との区別が容易なラベルが貼り付けられている。そのようなラベルは、例えば、特許文献1に記載されている。
また、近年では、認証物品及び有価証券以外の物品についても、偽造品の流通が問題視されている。そのため、このような物品に、認証物品及び有価証券に関して上述した偽造防止技術を適用する機会が増えている。
ところで、偽造防止用のラベルとして使用する表示体の多くには、偽造防止技術が適用されていることが観察者によって比較的悟られ易いという問題がある。偽造防止技術の適用が悟られると、表示体が不正に複製又は変造される可能性が高くなる。即ち、優れた偽造防止効果を達成できない。なお、ここでは、偽造又は模造が困難であること、偽造品や模造品との区別が容易であることを偽造防止効果と呼ぶ。
特開2005−91699号公報
本発明の目的は、より高い偽造防止効果と特殊な視覚効果を実現し得る表示体を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の凹部又は凸部が一次元的又は二次元的に配列され、かつ、前記複数の凹部又は凸部の中心間距離が200nm乃至500nmの範囲内にある凹凸構造領域を一方の主面に含む光透過層と、
前記一方の主面に支持され、前記凹凸構造領域の少なくとも一部を被覆する反射層と、
前記一方の主面に前記反射層を被覆するように支持され、屈折率が前記反射層の屈折率と 0.2以上の差を有する屈折層と、
を備えることを特徴とする表示体である。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記反射層と屈折層との屈折率差が0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示体である。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記屈折層は金属化合物からなり、前記金属化合物の屈折率は前記反射層の屈折率よりも0.5以上高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示体である。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記凹凸構造領域を複数備えており、
少なくとも1つの前記凹凸構造領域において、前記複数の凹部又は凸部の形状、深さ又は高さ、中心間距離および配置パターンが、他の凹凸構造領域と異なる
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかにに記載の表示体である。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体上に設けられた粘着層とを具備したことを特徴とする粘着ラベルである。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示体と、これを支持した物品とを具備したことを特徴とするラベル付き物品である。
本発明によると、より高い偽造防止効果と特殊な視覚効果を実現することが可能となる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図である。なお、図1及び2に記載の表示体10では、光透過層11側から観察した様子を示している。
この表示体10は、光透過層11、反射層13及び屈折層14とを含んでおり、図2に示す例では、光透過層11の一方の主面には、凹凸構造領域12aと非凹凸構造領域12bとを含んでいる。後述するように、凹凸構造領域12aは、複数の凹部又は凸部が設けられている。これら複数の凹部又は凸部は、光が照射されると、特定方向に回折光を射出する。また、非凹凸構造領域12bは、平坦面である。
さらに、凹凸構造領域12aを備える光透過層11の主面に、凹凸構造領域12aの少なくとも一部を被覆するように反射層13が形成されており、反射層13を被覆するように光透過層11の主面に屈折層14が形成されている。以下、光透過層11側を「前面」、屈折層14側を「背面」と記す。
次に、凹凸構造領域12aに採用可能な構造について説明する。先に述べた通り、凹凸構造領域12aには、複数の凹部又は凸部が設けられている。
なお、先に述べた通り、非凹凸構造領域12bは、平坦面である。また、非凹凸構造領域12bは、省略することができる。
図3は、図1及び図2に示す表示体10の凹凸構造領域12aに採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。図3に示す例では、凹部又は凸部RPは、二次元的に配列している。
凹凸構造領域12aに配列される凹部又は凸部RPは、中心間距離が200nm乃至500nmの範囲内で規則的に配列されている。そのため、後に詳しく説明するように、凹凸構造領域12aは、照明光を照射した際に特定の方向及び角度にのみ回折光を射出することができる。
複数の凹部又は凸部RPの配列は、例えば、正方格子、矩形格子又は三角格子をなしている。これら凹部又は凸部RPの配列を制御することにより、凹凸構造領域12aから射出される回折光の射出角及び射出方向などを任意に調整することができる。図3には、一例として、複数の凸部が、互いに直交するX方向及びY方向に二次元的に配列して正方格子をなしている場合を描いている。
また、凹部又は凸部RPの各々は、種々の形状でありうる。
凹部又は凸部RPの各々は、角錐、円錐及び半紡錘形状などの順テーパ形状を有していることが好ましい。順テーパ形状を有していることにより、凹凸構造領域12aを法線方向から観察した場合に、凹凸構造領域12aの正反射光の反射率をより小さくすることができる。
図4は、図1及び図2に示す表示体の凹凸構造領域12aに採用可能な構造の他の例を拡大して示す斜視図である。図4に示す例では、凹部又は凸部RPは、複数の溝が一次元的に配列したレリーフ型回折格子である。
この場合には、これら複数の溝の格子定数、方位、及び深さなどを制御することにより、凹凸構造領域12aから射出される回折光の射出角及び射出方向などを任意に調整することができる。
なお、用語「回折格子」は、自然光などの照明光を照射することにより回折波を生じる構造を意味し、複数の溝を平行且つ等間隔に配置する通常の回折格子に加え、ホログラムに記録された干渉縞も包含することとする。
凹部又は凸部RPは、200nm乃至500nmの中心間距離で配置されている。この場合、後述するように、凹凸構造領域12aから射出される回折光を視認又は検出することによる真正品と非真正品との判別が比較的容易となる。
また、凹部又は凸部RPの深さ又は高さは、光散乱を抑制するため、ほぼ一定とする。凹部又は凸部RPの深さ又は高さは、典型的には100nm以上とする。
表示体10に表示させる像は、二次元的に配列した複数の画素で構成してもよい。この場合、これら画素間において、凹部又は凸部RPの形状、深さ又は高さ、中心間距離及び配置パターンの少なくとも1つを互いに異ならしめることにより、比較的複雑な像を表示することができる。
凹部又は凸部RPは、例えば、微細な凸部又は凹部を設けた金型を樹脂に押し付けることにより形成することができる。例えば、凹部又は凸部RPは、基材上に設けられた熱可塑性樹脂層に、凸部又は凹部が設けられた原版を、熱を印加しながら押し当てる方法、即ち、熱エンボス加工法により得られる。或いは、凹部又は凸部RPは、基材上に紫外線硬化樹脂を塗布し、これに原版を押し当てながら基材側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、その後、原版を取り除く方法により形成することも可能である。
この原版は、例えば、電子線描画装置を用いて製造する。なお、通常は、原版の凹凸構造を転写して反転版を製造し、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を製造する。そして、必要に応じ、複製版を原版として用いて反転版を製造と、この反転版の凹凸構造を転写して複製版を更に製造する。実際の製造では、通常、このようにして得られる複製版を使用する。
光透過層11の材料としては、例えば透明材料を使用することができる。
また、光透過層11は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、先の基材の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートなどのプラスチック素材を使用し、先の熱可塑性樹脂又は紫外線硬化樹脂として、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル/スチレン共重合体系樹脂を使用してもよい。或いは、珪酸塩を含んだ無機材料を使用してもよい。
反射層13は、光透過層11の凹構造及び/または凸構造が設けられた主面の全体又は一部を被覆している。
反射層13としては、例えば、アルミニウム(1.48)、銀(0.17)、金(0.34)、白金(2.9)、鉄(2.36)、クロム(2.4)、亜鉛(2.4)及びそれらの合金などの金属材料からなる層を使用することができる。なお、上記括弧内の数字は各金属材料の屈折率を示すものである。
反射層13は、例えば、気相堆積法により形成することができる。例えば、斜め蒸着又は斜めスパッタリングにより形成することができる。
なお、反射層13を凹凸構造領域12aの一部のみに被覆させることにより、全体に被覆させた場合とは異なる意匠性付与することができる。
屈折層14としては、例えば、アルミニウム(1.48)、銀(0.17)、金(0.34)、白金(2.9)、鉄(2.36)、クロム(2.4)、亜鉛(2.4)及びそれらの合金などの金属材料や、硫化亜鉛(2.37)、酸化チタン(2.52)、酸化銅(2.71)、塩化銀(2.05)、酸化亜鉛(1.95)、酸化クロム(2.5)、酸化ジルコニウム(2.4)、酸化アルミニウム(1.76)、酸化第二鉄(3.01)、三酸化二鉄(3.08)、硫化水銀(2.95)などの金属化合物からなる層を使用することができる。なお、上記括弧内の数字は各材料の屈折率を示すものである。
屈折層14は、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。
表示体10は、その前面を白色光で照明した場合、例えば、以下に説明する画像を表示する。
凹凸構造領域12aにおいては、光透過層11と反射層13の界面は2次元的に配列した微細な凹部又は凸部RPを含んでいる。そのため、凹凸構造領域12aに入射した光の多くは、光透過層11と反射層13の界面で複数回反射される。その結果、入射光の多くは吸収され、凹凸構造領域12aでは、表示面に垂直な方向に反射光を射出しないか又は弱い反射光を射出する。
そして、凹部又は凸部RPの中心間距離は、200nm乃至500nmの範囲内であるため、表示面に垂直な方向に回折光が射出されることはないか又は表示面に垂直な方向に射出される回折光は視感度が低い波長の光のみである。したがって、凹凸構造領域12aでは、黒色乃至灰色を表示する。
非凹凸構造領域12bでは、光透過層11と反射層13の界面は平坦である。
それゆえ、正反射光を観察可能な場合には、非凹凸構造領域12bは光源色である白色を表示する。
従って、表示面に垂直な方向から観察した場合、表示体10は凹凸構造領域12aが黒インキを用いて形成した印刷パターンの如く見え、非凹凸構造領域12bが白色に見える。
次に、凹凸構造領域12aに起因した表示体10の視覚効果について、さらに説明する。
図5は、凹凸構造領域12aが回折光を射出する様子を概略的に示す図である。図5において、L1は照明光を示し、L2は正反射光又は0次回折光を示し、L3は1次回折光を示している。
凹凸構造領域12aでは、凹部又は凸部RPが規則的に配列している。そのため、凹凸構造領域12aを照明すると、入射光である照明光の進行方向に対して特定の方向に強い回折光が射出される。
最も代表的な回折光は、1次回折光である。2次以上の高次の回折光は、1次回折光と比較して強度が著しく小さい。そのため、高次の回折光が視認及び検出に与える影響は、無視できる程度に軽微である。
1次回折光の射出角βは、凹凸構造領域12aの法線Nに平行な面内で光が進行する場合、下記(1)式から算出することができる。
d=λ/(sinα−sinβ) …(1)
この(1)式において、dは凹部又は凸部RPの中心間距離を表し、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは、0次回折光、即ち透過光又は正反射光の射出角を表している。
角度α及びβは、法線Nから時計回りの方向を正方向として定める。そして、法線Nを基準として−90゜乃至0゜の角度範囲を「負の角度範囲」と呼び、0゜乃至90゜の角度範囲を「正の角度範囲」と呼ぶ。また、射出角αは、正の角度範囲に属するとする。即ち、0゜<α<90゜であるとする。
(1)式から明らかなように、1次回折光の射出角βは、波長λに応じて変化する。即ち、凹部又は凸部RPは、分光器としての機能を有している。したがって、照明光が白色光である場合、法線Nに平行な面内で観察角度を変化させると、観察者が視認する色が変化する。
また、(1)式から分かるように、中心間距離dを入射光の波長λより小さくすると、任意の入射角−αに対して、射出角βを負の値とすることができる。即ち、この場合、入射光L1が負の角度範囲に属するときには、1次回折光L3も負の角度範囲に属する。したがって、凹凸構造領域12aは正の角度範囲に可視光波長の1次回折光を射出しないか、又は、この角度範囲に射出する1次回折光を視感度が低い波長の光のみとすることができる。
本発明の表示体10は、一般的な照明光(白色光)の下で観察するものであり、「一般的な照明光」とは約380nmから約780nmの波長を有する可視光を指すものである。
このように、表示体10の凹凸構造領域12aは、凹部又は凸部の中心間距離が200nm乃至500nmの範囲内にあるため、法線方向から観察した場合には黒色インキを用いて形成した印刷パターンの如く見え、或る斜め方向から観察した場合には着色して見える。このような色変化は、通常の回折格子又はホログラムで再現することはできない。
なお、凹部又は凸部の中心間距離が200nm未満である場合は、一般的な照明光の下で1次回折光が射出することがないため除外している。
また、凹部又は凸部RPは微細であるため、不正を行う者にとって、それらの構造解析は難しい。そして、それらの構造を解析できたとしても、この微細構造を再現することは極めて困難である。即ち、この表示体10は、偽造が困難であり且つ特殊な視覚効果を提供する。
次に、反射層13背面に屈折層14を設けることによる効果について説明する。
表示体10において、光透過層11の背面に反射層13設けるだけでも、上述した視覚効果を提供することは可能である。
しかし、表示面に垂直な方向から観察した場合の黒色を際立たせる(具体的には黒色の明度(L*値)を抑える)には光透過層11と反射層13の界面における反射率を極力少なくする必要があり、斜め方向から観察した場合の着色(回折光)の出力強度をある程度犠牲としなければならない。逆に、回折光の出力強度を上げる為には垂直方向での黒色の明度(L*値)をやや上げなくてはいけない。
すなわち、表示面に垂直な方向から観察した場合の黒色と、斜め方向から観察した場合の着色(回折光)の双方を際立たせることは難しい。
表示体10において、光透過層11の背面に反射層13として、例えば、Al層(屈折率は1.48)を設けた場合、光透過層11と反射層13からなる表示体10の背面にある空気層(屈折率は1)との屈折率差は、約0.5となる。この屈折率差を大きくすることで、垂直方向での黒色の明度を保ったまま、回折光強度をやや上げることが可能となる。
また、光透過層11と反射層13らなる表示体10は、通常、防汚や耐性、偽造防止などの面から、反射層13背面に接着剤層、樹脂層等を更に積層する構成が実用的であることが考えられる。典型的な接着剤層、樹脂層は屈折率が1.5程度であり、そのような構成では、反射層13とその背面の層との屈折率差が背面に空気層がある場合よりも小さくなり、より一層回折光の強度は小さくなる。
本発明における表示体10では、反射層13背面に、反射層13の屈折率と0.2以上の差がある屈折率を持つ屈折層14を設ける。屈折率差が0.2未満であると、反射層−反射層の背面に形成した層界面での反射率が低くなり、回折光強度が下がってしまう。そこで、屈折率差を0.2以上とすることで、回折強度が低下することを防ぎ、前述した視覚効果をより高めることができる。
さらに、より好ましくは屈折率差を0.5以上とすることにより、より回折強度が高くなるため、好ましい。
また、防汚や耐性にも効果的であり、更には屈折層14によって、反射層13表面の露出を防止することができるため、先の凹部又は凸部RPの、偽造を目的とした複製を困難とすることができる。
図6は、本発明の一態様に係る粘着ラベルを概略的に示す断面図である。
粘着ラベル20は、表示体10と、表示体10上に設けられた接着層21とを備えている。
図6には、一例として、図2に示す表示体10の背面上(屈折層14面上)に接着層21が設けられている場合を示している。
接着層21を設けると、屈折層14の表面が露出しないようにできる。そのため、表示体10を粘着ラベル20の一部として使用することにより、先の界面の凹部又は凸部の複製をより一層困難とすることができる。
なお、表示体10において、光透過層11側を背面側とし且つ屈折層13b側を前面側とする場合、接着層21は、光透過層11上に形成する。
この粘着ラベル20は、例えば、真正さが確認されるべき物品に貼り付けるか、或いは、そのような物品に取り付けられるべきタグの基材などの他の物品に貼り付ける。これにより、当該物品に偽造防止効果を付与することができる。
なお、反射層13及び屈折層14にカッティングを入れたり、表示体10と接着層21との間に脆性層を更に設けたりすることにより、粘着ラベル20に貼替え防止機能を付与することもできる。これにより、更に優れた偽造防止効果を達成できる。
図7は、ラベル付き物品の一例を概略的に示す平面図である。
図7には、表示体付き物品の一例として、印刷物30を描いている。この印刷物30は、ID(identification)カードであって、基材31を含んでいる。基材31は、例えば、プラスチックからなる。基材31の一方の主面には凹部が設けられており、この凹部にICチップ32が嵌め込まれている。ICチップ32の表面には電極が設けられており、これら電極を介してICへの情報の書き込み及び/又はICに記録された情報の読出しが可能である。基材31上には、印刷層40が形成されている。基材31の印刷層40が形成された面には、上述した表示体10が例えば粘着層を介して固定されている。表示体10は、例えば、粘着ステッカとして又は転写箔として準備しておき、これを印刷層40に貼りつけることにより、基材31に固定する。
この印刷物30は、上述した表示体10を含んでいる。それゆえ、この印刷物30の偽造及び模造は不可能又は困難である。しかも、この印刷物30は、表示体10に加えて、ICチップ32及び印刷層40を更に含んでいるため、それらを利用した偽造防止対策を採用することができる。
なお、図7には、表示体10を含んだ印刷物としてIDカードを例示しているが、表示体10を含んだ印刷物は、これに限られない。例えば、表示体10を含んだ印刷物は、磁気カード、無線カード及びIC(integrated circuit)カードなどの他のカードであってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、商品券及び株券などの有価証券であってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグであってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
また、図7に示す印刷物30では、表示体10を基材31に貼り付けているが、表示体10は、他の方法で基材に支持させることができる。例えば、基材として紙を使用した場合、表示体10を紙に漉き込み、表示体10に対応した位置で紙を開口させてもよい。或いは、基材として光透過性の材料を使用する場合、その内部に表示体10を埋め込んでもよく、基材の裏面、即ち表示面とは反対側の面に表示体10を固定してもよい。
また、ラベル付き物品は、印刷物でなくてもよい。即ち、印刷層を含んでいない物品に表示体10を支持させてもよい。例えば、表示体10は、美術品などの高級品に支持させてもよい。
表示体10は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、表示体10は、玩具、学習教材又は装飾品等としても利用することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
実施例1では、図1乃至図2に示す表示体10を、以下の方法により製造した。
まず、厚さが25μmであるポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)上に、紫外線硬化樹脂を塗布した。
次いで、版面に複数の凸部が設けられた原版を先の塗膜に押し当てながら、PETフィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた。
その後、原版を取り除くことにより、複数の凹部構造のついた光透過層11を得た。ここでは、凹部の深さは400nmとし、凹部の中心間距離は300nmとした。
次に、光透過層11の凹部構造側の主面に、真空蒸着法によりアルミニウム(屈折率:1.48)を堆積させて、反射層13を形成した。
さらに、反射層13側に、真空蒸着法により硫化亜鉛(屈折率:2.37)を堆積させて、屈折層14を形成した。
ここで、反射層13と屈折層14との屈折率差は0.89であった。
このようにして得られた表示体10を法線方向から観察したところ、凹凸構造領域12aは黒色に見えた。また、この表示体10を傾けて観察したところ凹凸構造領域12aは着色して見えた。
次に、この表示体10について、JIS Z 8722−条件cのSCI方式を用いて、表示面に垂直な方向での反射率を測定し、明度L*を算出した。
その結果、明度L*は41であった。
また、この表示体10に40度の入射角で白色光を照射し、このときの回折効率を測定した。
その結果、波長が540nmの光に関する1次回折効率は最大で12.9%であった。
<実施例2>
図6に示すように、実施例1で得られた表示体10の屈折層14側に接着層21(ポリエステルウレタン、屈折率約1.5)を形成し粘着ラベル20を得た。
このようにして得られた粘着ラベル20について、実施例1と同様の方法で明度L*を測定したところ、L*は42であった。
また、この表示体10の540nmの光に関する1次回折効率を、実施例と同様の方法で測定したところ、回折効率は最大で12.1%であった。
<比較例1>
屈折層14を形成しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法で表示体を形成した。
ここで、比較例1では、屈折層を設けていないが、反射層の背面にある空気層は屈折率が1であるため、反射層と空気層との屈折率差は0.48であった。
この表示体について、実施例1と同様の方法で明度L*を測定したところ、L*は41で実施例1と変わらなかった。
しかしながら、この表示体の540nmの光に関する1次回折効率を、実施例と同様の方法で測定したところ、回折効率は最大で12.4%であり、実施例1よりも0.5%低下した。
つまり、反射層と屈折層との屈折率差が0.5以上であると、より回折効率が高くなることがわかる(実施例1及び比較例1)。
<比較例2>
比較例1で得られた表示体の反射層側に接着層(アクリル系接着剤(アクリル樹脂)、屈折率約1.5)を形成し粘着ラベルを得た。
ここで、比較例2では、屈折層を設けていないが、反射層の背面にある接着層は屈折率が1.5であるため、反射層と接着層との屈折率差は0.02であった。
この粘着ラベルについて、実施例と同様の方法で明度L*を測定したところ、L*は43で実施例よりも明度がやや上がっていた。
また、この表示体の540nmの光に関する1次回折効率を、実施例と同様の方法で測定したところ、回折効率は最大で11.6%で、実施例2よりも0.5%の落ちが、実施例1と比べると1%強の落ちがあった。
つまり、反射層と屈折層との屈折率差が0.2未満であると、L*の明度が高くなり、回折効率が低くなることがわかる(実施例1及び2、比較例1及び2)。
本発明の表示体では、表示面に垂直な方向から観察した場合の黒色の明度と、斜め方向から観察した場合の着色(回折効率)の双方を際立たせることができた。
本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図。 図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図。 図1及び図2に示す表示体の凹凸構造領域に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図。 図1及び図2に示す光学素子の凹凸構造領域に採用可能な構造の他の例を拡大して示す斜視図。 凹凸構造領域が回折光を射出する様子を概略的に示す図。 本発明の一態様に係る粘着ラベルを概略的に示す断面図。 ラベル付き物品の一例を概略的に示す平面図。
符号の説明
10…表示体、11…光透過層、12a…凹凸構造領域、12b…非凹凸構造領域、13…反射層、14…屈折層、20…粘着ラベル、21…接着層、30…印刷物、31…基材、32…ICチップ、40…印刷層、RP…凹部又は凸部、L1…照明光、L2…正反射光又は0次回折光、L3…1次回折光、N…法線

Claims (6)

  1. 複数の凹部又は凸部が一次元的又は二次元的に配列され、かつ、前記複数の凹部又は凸部の中心間距離が200nm乃至500nmの範囲内にある凹凸構造領域を一方の主面に含む光透過層と、
    前記一方の主面に支持され、前記凹凸構造領域の少なくとも一部を被覆する反射層と、
    前記一方の主面に前記反射層を被覆するように支持され、屈折率が前記反射層の屈折率と 0.2以上の差を有する屈折層と、
    を備えることを特徴とする表示体。
  2. 前記反射層と屈折層との屈折率差が0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 前記屈折層は金属化合物からなり、前記金属化合物の屈折率は前記反射層の屈折率よりも0.5以上高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示体。
  4. 前記凹凸構造領域を複数備えており、
    少なくとも1つの前記凹凸構造領域において、前記複数の凹部又は凸部の形状、深さ又は高さ、中心間距離および配置パターンが、他の凹凸構造領域と異なる
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかにに記載の表示体。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体上に設けられた粘着層とを具備したことを特徴とする粘着ラベル。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示体と、これを支持した物品とを具備したことを特徴とするラベル付き物品。
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