JP2010076400A - フレキシブル基材向け印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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孝二 今吉
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Abstract

【課題】長尺状のフィルム基材など、可撓性で基材厚の薄い被印刷基材へのパタ−ン印刷装置において、基材搬送時の被印刷基材によじれや延びなどの無い寸法安定性を確保し、非印刷面のキズ防止、及び非印刷面の付着異物による印刷面への影響を低減する事により、基材厚の薄いフレキシブル基材へパターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷を可能とする印刷装置および印刷方法を提供する。
【解決手段】長尺状のフィルム基材にクッション層を積層形成した背面基材を使用し、被印刷基材に背面基材を重ねて貼り合わせた状態で搬送する事で、被印刷基材の搬送性の向上や、被印刷機材の歪みを抑制すると共に、印刷機の加圧等によるパターン形状への影響を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ペーパーや液晶表示装置などのカラーフィルターや、電気配線や絶縁層などの電子部品における精細な印刷方法に関し、基材厚の薄い可撓性の被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷装置およびそれを使った印刷方法に関するものである。
従来エレクトロニクス製品の製造において、精細なパターニング方法としてフォトリソ法が使用されている。フォトリソ法では様々な光源を持つ露光装置が開発され、高精細なフォトマスクを使用することで、高い解像性で且つ高い位置精度でパターニングが可能である。その応用分野は、フラットパネルディスプレイのカラーフィルター、電気配線や電子素子、その他機能性部材などのパターン形成などが知られている。また被形成基材としては硝子基板、プラスチック基板などの基材や、フィルムなどの可撓性の基材まで多岐に渡っている。
しかし、フォトリソ法は、感光性樹脂膜の塗工、露光、現像、洗浄、硬化、不要なレジストの剥離などの工程毎に大掛かりな製造設備が必要である。また現像液や、洗浄水などの多量の材料を必要とすることや、形成するパターン毎に露光用のフォトマスクを作製する必要があることなどにより、製造コストが高くなるという問題があった。
フォトリソ法以外の工法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、インクジェット法は、液滴を使用するパターニング法のため、液滴が濡れ広がる事を抑える隔壁を形成する必要がある。また、インク液滴の直径が数十μm程度あり着弾精度も十数μm程度と低く精細なパターン形成が難しいと共に、均一な膜厚が得にくいなどの問題があった。
上記の事情により、基材上へ精細なパターンを簡単に形成する方法として、印刷法が検討されている。
精細なパターンを形成するための印刷法には、シリンダー胴に巻き付けたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成し、その後、画像パターン部を凹形状に加工した刷版をインキ膜に接触させて非パターン部のみをブランケット上より刷版の凸面に転移付着させて除去し、ブランケット上に残ったインキパターンを被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する反転オフセット印刷法がある(特許文献1参照)。
また、刷版の凹形状部にインキを充填し、シリンダー胴に巻き付けたブランケットに凹形状部のインキを転移し、ブランケット上に転移したインキパターンを被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する凹版オフセット印刷法がある(特許文献2参照)。
前記印刷法では、インキ離型性のブランケット上に形成したインキパターンを被印刷基材に転写する際、吸着定盤に吸着保持した被印刷基材に前記ブランケットをシリンダー軸方向の単位長あたり0.05kg/cm以上の印圧で押し付けてインキを転写している。
被印刷基材としては、画像表示装置用途では基材厚0.5mm以上の低膨張硝子が使用
されている。回路形成用途では硝子繊維入りのエポキシ樹脂基板などが使用されている。近年は被印刷基材として、画像表示装置用途や回路形成用途ともに、基材厚の薄い50〜200μm厚程度のフレキシブルなフィルム基材も使用されるようになってきた。
特開2001−56405号公報 特開平3−61577号公報
被印刷基材が可撓性を有する、すなわちフレキシブルなフィルム基材の場合は、基材の搬送に、巻き出し、巻き取り機構を有するフィルム搬送を行う必要がある。基材厚の薄いフレキシブルなフィルム基材をフィルム搬送する場合、搬送時のテンションによる基材の歪みや、搬送装置と接する面のキズが問題となる。
また、基材厚の薄いフレキシブルなフィルム基材の場合、フィルム基材の非印刷面や印刷ユニット部の背面保持治具に付着した異物や、吸着定盤の吸着口による凹凸が、フィルム基材の印刷面に凹凸となって現れる。この印刷面の凹凸差が、印圧の加わり方の差となり、圧力過多の部分では印刷パターンの潰れになり、圧力不足の部分では印刷パターンの細りや転写不良になり、印刷パターン形状の面内均一性の悪さの原因になってきた。
本発明は、上記の問題を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、長尺状のフィルム基材など、可撓性で基材厚の薄い被印刷基材へのパタ−ン印刷装置において、基材搬送時の被印刷基材によじれや延びなどの無い寸法安定性を確保し、非印刷面のキズ防止、及び非印刷面の付着異物による印刷面への影響を低減する事により、基材厚の薄いフレキシブル基材へパターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷を可能とする印刷装置および印刷方法を提供することである。
本願請求項1記載の発明は、長尺状のフィルム基材からなる被印刷基材を送り出す巻き出し部と、予め形成したインキパターンを加圧して前記被印刷基材に印刷する加圧ローラーと、前記加圧ローラーと対向する位置にあり且つ前記被印刷基材の非印刷面側に位置し前記加圧ローラーの圧力を前記被印刷基材に伝えるための背面保持治具と、前記加圧ローラーと前記背面保持治具を少なくとも有する印刷ユニット部と、前記被印刷基材の巻き取り部とを備えた印刷装置において、前記とは別の長尺状のフィルム基材に、クッション層を形成した背面基材を搬送する搬送機構と、前記被印刷基材の非印刷面側と前記背面基材のクッション層側とを貼り合わせて積層基材とする貼合機構と、前記積層基材を印刷ユニット部へ搬送する機構と、予め形成したインキパターンを前記印刷ユニット部において加圧して前記積層基材に転写する機構とを有する事を特徴とするフレキシブル基材向け印刷装置である。
本願請求項2記載の発明は、前記貼合機構の前に、前記被印刷基材の非印刷面側と前記背面基材のクッション層側とを処理するドライクリーニング機構と静電気除電機構とを有する事を特徴とする請求項1記載のフレキシブル基材向け印刷装置である。
本願請求項3記載の発明は、前記印刷ユニット部において、前記背面保持治具を処理するドライクリーニング機構と静電気除電機構とを有する事を特徴とする請求項1または2記載のフレキシブル基材向け印刷装置である。
本願請求項4記載の発明は、前記印刷ユニット部の後に、前記積層基材から前記被印刷基材と前記背面基材とを分離して剥離する剥離機構を有する事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル基材向け印刷装置である。
本願請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル基材向け印刷装置を用いる印刷方法であって、前記背面基材がフィルム基材上にクッション層を形成した構成からなり、前記クッション層が粘着性を有する樹脂材料からなる事を特徴とするフレキシブル基材向け印刷方法である。
本願請求項6記載の発明は、前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有する凹版からなり、インキ剥離性のシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂またはフッ素系の樹脂からなるブランケット上にインキ膜を塗工し、前記インキ膜の非パターン部のインキを前記刷版の凸部により除去して残されたインキパターンをブランケット上に形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた積層基材を固定し、前記ブランケット上のインキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法である。
本願請求項7記載の発明は、前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有するシリンダー版からなり、前記シリンダー版の凹部にインキを充填し、前記シリンダー版の凸部のインキをドクターで排除するとともに凹部に埋め込みインキパターンを形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた前記積層基材を前記シリンダー版と前記背面保持治具の間を搬送する事で、前記インキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法である。
本願請求項8記載の発明は、前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有する凹版からなり、前記刷版の凹部にインキを充填し、凸部のインキをドクターで除去した後、前記刷版の凹部から、インキ剥離性のシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂またはフッ素系の樹脂からなるブランケット上へ、インキを転移してインキパターンを形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた積層基材を固定し、前記インキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法である。
上記請求項1に係る発明によれば、前記被印刷基材の非印刷面側と前記背面基材のクッション層側とを貼り合せた積層基材を使用することで、印刷処理の際の印圧が前記クッション層にて緩和され、インキパターンの潰れを避ける効果が得られる。後述するブランケット上やシリンダー版上に形成されたインキパターンは、未硬化の状態になっている。前記被印刷基材に前記インキパターンを加圧して印刷する際、印圧が最も突出したインキパターンに集中的に加わり、柔らかいインキパターンを押しつぶす現象が発生しやすい。
また、前記積層基材を使用することで、実質の基材厚が厚くなり基材剛性が増し、フィルム搬送のテンションにより前記被印刷基材が変形する事を避けることができる。更に、被印刷基材の非印刷面が印刷装置の搬送治具と擦れて被印刷基材に傷が入る事を避ける保護フィルムとしての効果を前記背面基材に担わせることができる。
前記背面基材を積層しない場合は、前記被印刷基材は基材厚が薄い為、被印刷基材の非印刷面への付着異物や、前記背面保持治具の凹凸により、被印刷基材の印刷面にまで凹凸を生じてしまう。しかし、前記被印刷基材に前記背面基材を貼り合わせることで、前記被印刷基材の非印刷面の付着異物をクッション層が包み込むので、印刷面が異物により突起状に押し上げられることを避ける効果が得られる。また、前記背面基材のフィルム厚が加わることで、前記背面保持治具の吸着定盤の吸着口やバックローラーに付着した異物などの凹凸が、前記被印刷基材の印刷面に凹凸として現れることを避ける効果が得られる。
上述のとおり、本発明は、長尺状のフィルム基材など、可撓性で基材厚の薄い被印刷基材へのパタ−ン印刷装置において、基材搬送時の被印刷基材によじれや延びなどの無い寸法安定性を確保し、非印刷面のキズ防止、及び非印刷面の付着異物による印刷面への影響を低減することにより、基材厚の薄いフレキシブル基材へパターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷を可能とする印刷装置を提供することができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記被印刷基材と前記背面基材の搬送ラインにおいて、前記貼合機構の前に、ドライクリーニング機構と静電気除電機構を設けることで、印刷処理前の前記被印刷基材の表面の付着異物を除去すると共に、搬送途中で蓄積した静電気やドライクリーニング処理で生じる剥離帯電による静電気を除電することができる。前記被印刷基材や前記背面基材は通常は樹脂製のフィルム基材からなる為、フィルム搬送の際、搬送ローラーに接触するフィルム基材の裏面では常に剥離帯電が発生している。しかも、剥離帯電したフィルム基材は静電気により集塵しやすい状態になっている。
こうして、前記被印刷基材の非印刷面と前記背面基材のクッション層面との、ドライクリーニング処理と除電処理とを行うことで、付着異物自体を減らすことができるので、前記被印刷基材の非印刷面と前記背面基材のクッション層による異物の包み込み効果をさらに向上させることができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、前記背面保持治具を処理するドライクリーニング機構と静電気除電機構を設けることで、前記積層基材の裏面と前記背面保持治具との間に挟まれる付着異物を低減することができる。前記印刷ユニット部の前記背面保持治具も、フィルム基材と常に接触と剥離を繰り返している為、剥離帯電により集塵し易い状態になっており、クリーニングと除電の効果は大きい。
なお、前記被印刷基材と前記背面基材を重ね合わせる事で積層基材の厚みが厚くなっており、前記背面基材の裏面の付着異物が印刷面を突状に押し上げる影響を低減する効果は既に得られている。しかしながら、付着異物の大きさが前記積層基材の厚みに比べ1/10を超えると前記積層基材の基材厚の効果だけでは解消できなくなり、前記被印刷基材の印刷面を突起状に押し上げる影響が無視できなくなる。このため、前記背面保持治具の表面をクリーニング処理と除電処理をして、付着異物を除去する事がより望ましい。
前記被印刷基材は、印刷パターンを熱硬化したり光硬化したりする硬化装置を経て、巻き取り装置にて巻き取られるが、上記請求項4に係る発明によれば、前記積層基材を前記被印刷基材と前記背面基材とに分離して剥離するすることができるので、印刷後の被印刷基材のみを効率良く硬化することができる。また、前記硬化処理が熱硬化の場合、前記積層基材の状態のままでは、前記被印刷基材と前記背面基材の熱伸縮性の違いにより基材間で歪を生じてしまい、前記被印刷基材自体に歪が残ることがある。しかも、前記クッション層を一緒に熱硬化すると、前記被印刷基材の裏面への前記クッション層からの樹脂成分の転移や、前記クッション層の硬化進行による前記被印刷基材の歪を生じることもある。また、光硬化処理のように、前記積層基材に歪などの影響を与えない硬化処理の場合であっても、巻き取り部で巻き取る際、厚さの増した積層基材のままでは、前記積層基材の巻きの内面と外面で巻き距離に差が生じ、前記被印刷基材と前記背面基材との間で歪を生じてしまい、結果として、前記被印刷基材自体に歪が残ることがある。
さらに、上記請求項4に係る発明によれば、前記背面基材を剥離後に、再利用することも容易になる。背面基材は剥離後、被印刷基材とは別の巻き取り装置によって巻き取られ、以後のロットの積層基材に供するために巻き出し装置に改めてかけられるからである。
上記請求項5に係る発明によれば、本発明の前記背面基材はフレキシブルなフィルム基材上にクッション層として弾性と粘着性をもつ樹脂材料を塗工した構成からなる。クッション層を構成する材料自体に粘着性があり、前記被印刷基材と容易に貼り合わせる事や剥離する事が出来る為、本発明の請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置を用いるフレキシブル基材向け印刷方法として、最適な部材を提供することができる。
上記請求項6に係る発明によれば、本発明のフレキシブル基材向け印刷方法を後述のいわゆる「反転オフセット印刷法」に適用することが可能である。すなわち、本発明は、長尺状のフィルム基材など、可撓性で基材厚の薄い被印刷基材へのパタ−ン印刷方法において、基材搬送時の被印刷基材によじれや延びなどの無い寸法安定性を確保し、非印刷面のキズ防止、及び非印刷面の付着異物による印刷面への影響を低減することにより、基材厚の薄いフレキシブル基材へパターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷を可能とする方法を提供することができる。
上記請求項7に係る発明によれば、本発明のフレキシブル基材向け印刷方法を、シリンダー凹版の凹部に充填したインキを被印刷基材に直接転写する、いわゆる「凹版直刷り法」に適用することが可能である。前記背面基材を貼り合わせた前記積層基材を使用することで、前記被印刷基材に加わる圧力を低減する事ができ、前記被印刷基材に歪を生じたり、事前に被印刷面に形成されていた印刷パターンを押しつぶしたりする事を避ける効果が特に大きい。また、上記請求項6に係る発明に関して述べた上述の基材搬送に伴う問題に対する効果も得られる。
上記請求項8に係る発明によれば、本発明のフレキシブル基材向け印刷方法を、凹版の凹部に充填したインキをブランケットへの転移を介して被印刷基材にオフセット印刷する、いわゆる「凹版オフセット印刷法」に適用することが可能である。すなわち、本発明は、長尺状のフィルム基材など、可撓性で基材厚の薄い被印刷基材へのパタ−ン印刷方法において、基材搬送時の被印刷基材によじれや延びなどの無い寸法安定性を確保し、非印刷面のキズ防止、及び非印刷面の付着異物による印刷面への影響を低減することにより、基材厚の薄いフレキシブル基材へパターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷を可能とする方法を提供することができる。
本発明のフレキシブル基材向け印刷装置及び印刷方法の実施形態について、以下、図面に従って説明する。
図1は、本発明の印刷装置における各部分の位置関係を説明するための模式図である。本発明の印刷装置の主要構成は、長尺状のフレキシブルなフィルム基材からなる被印刷基材31と、別の長尺状のフレキシブルなフィルム基材からなる背面基材32と、それぞれの基材の送り出し部としての巻き出し装置34と、前記送り出された2種類の基材に対するドライクリーング装置35と静電気除去装置36、前記2種類のフィルム基材を貼合する貼合装置37、前記貼合した積層基材33に予め形成したインキパターンを加圧し転写する印刷ユニット部38、印刷ユニット部に少なくとも有する加圧ローラー44と前記加圧ローラーと対向する位置にあり且つ前記被印刷基材の非印刷面側に位置し前記加圧ローラーの圧力を前記被印刷基材に伝えるための背面保持治具としての吸着定盤46、印刷パターン形成後、前記積層基材を剥離する剥離装置39、剥離された前記2種類の基材を巻き取る巻き取り装置42、からなる。
さらに、本装置は、印刷インキを熱硬化するための熱硬化装置41を印刷ユニット部38の後に有しているが、前記積層基材33を剥離する剥離装置39が、印刷ユニット38と熱硬化装置41との間に設置されるものである。
ドライクリーニング装置35と静電気除去装置36は、上述のとおり、被印刷基材31と背面基材32の各々に対して、巻き出し装置34の後に、配置されているが、それだけではなく、前記印刷ユニット38内の背面保持治具としての吸着定盤46に対してもドライクリーニング装置35と静電気除去装置36が配置される。さらに、前記積層基材33を印刷ユニット38に送り込む搬送機構の途中にも、積層基材33の両面からドライクリーニング装置35と静電気除去装置36を機能させる配置も取れる。
本発明の被印刷基材31は、巻き出し装置34のコア材より送り出された後、搬送ローラー(図示せず)により搬送され、印刷ユニット部38にてパターンを印刷された後、硬化工程を経て、巻き取り装置42にてコア材に巻き取られるが、上述のとおり、途中で背面基材32と密着された積層基材33の状態を経て処理されるものである。
また、前記被印刷基材31は巻き出し部において、保護フィルムを介してコアに巻いてある場合と、保護フィルム無しでコアに巻いてある場合とがある。前記保護フィルムは前記被印刷基材を巻き出した際に剥離しても良いが、前記貼合装置37の後で保護フィルムを剥離しても良い。図1は、上記の貼合装置37の直後に保護フィルム45を剥離する場合を示している。また、印刷後、積層基材33から剥離された前記被印刷基材31の硬化後に巻き取り装置42にかける前に再び保護フィルム45を被せる例も併せて図示している。
前記被印刷基材31と前記背面基材32とを貼り合わせる際、先に別の印刷パターンが形成されている場合は、前記被印刷基材31の印刷面を貼合装置のローラーが直接接触しないように、貼合装置の後ないし、貼合装置ローラーの通過と共に保護フィルムを剥離する事が望ましい。
前記積層基材33を前記被印刷基材31と前記背面基材32とに剥離する際、形成された印刷パターンに剥離装置39のローラーが直接接触しない事が望ましい。また、印刷インキが熱硬化性樹脂の場合、前記被印刷基材31の熱硬化前に、前記積層基材33から前記被印刷性基材31と前記背面基材32を分離して剥離することが望ましい。この場合、印刷パターンは未硬化の状態であるため、前記積層基材面の前記背面基材側のみに剥離ローラーを接触させ、前記背面基材を剥離する方法が望ましい。
また、印刷パターンの硬化を、前記背面基材への歪み等の影響の少ない光硬化法により行う場合は、積層基材33の状態のままでインキパターンの硬化を行い、印刷面に保護フィルム45を貼り合わせた後、前記積層基材の表裏面に2本の剥離ローラーを押し当てて、前記背面基材32と前記被印刷基材31とに分離して剥離する方法も可能である(図示せず)。
本発明の貼合機構とは、前記被印刷基材の非印刷面と、前記背面基材のクッション層とを貼り合せる為のものである。貼合方法としては、前記2種類のフィルム基材を連続搬送しながら、2本の加圧ローラーの間を搬送して貼り合わせる方法が可能である。また、前記背面保持治具である吸着定盤46において前記背面基材を吸着保持した後、前記被印刷基材を前記加圧ローラー44にて圧着して貼りあわせる事も可能である(図示せず)。前記被印刷基材の印刷面に貼り合わされた保護フィルムは、前記被印刷基材巻き出し時に被印刷基材から剥離しても良いが、前記加圧ローラーが直接印刷面に接触する事を避ける為には、前記背面基材を貼合した後に保護フィルムを剥離することも可能である。
本発明の印刷ユニット部38は、前記加圧ローラー44と対向する位置にある前記背面保持治具(図1においては吸着定盤46)を含む。印刷機の構成としては、前記被印刷基
材を含む積層基材を吸着定盤に吸着保持し、ブランケット上に予め形成したインキパターンを加圧して前記被印刷基材に印刷するものや、前記被印刷基材を含む積層基材をシリンダー版とバックローラーの間に搬送し、前記シリンダー版上に予め形成したインキパターンを加圧して前記被印刷基材に印刷するものが可能である。後者の場合には、シリンダー版が加圧ローラーとして機能し、バックローラーが前記加圧ローラーの圧力を前記被印刷基材に伝えるための背面保持治具として機能する。具体的な印刷方式の例としては、前者の例として、反転オフセット印刷法や凹版オフセット印刷法、後者の例として、凹版直刷り法が挙げられる。
前記加圧ローラーとは、前記ブランケットを巻いたブラン胴自体や、テンションで張ったブランケットの裏面より加圧する一般の加圧ローラーや、前記シリンダー版を総称する。また、前記背面保持治具とは、前記吸着定盤や、前記バックローラーのことであり、前記被印刷基材を保持すると共に、前記加圧ローラーの加圧を有効に被印刷基材に伝える効果がある。
印刷前の被印刷基材等に対するドライクリーニング機構の例としては、粘着ローラーや超音波ドライクリーナーをドライクリーニング装置35として使用することができる。また、事前に別装置により、ウェット洗浄した後、本発明の印刷装置にて印刷処理する事も可能である。
また、印刷前の被印刷基材等に対する静電気除電機構の例としては、市販のイオナイザー等を静電気除去装置36として使用することができる。
図2は、本発明の印刷装置に用いる積層基材の構成を示す断面模式図である。被印刷基材21の片面23aが後に印刷パターン26が形成されるべき印刷面を表す。反対側の非印刷面23bと背面基材22のクッション層24とを貼り合わせて、積層基材25を形成する。太い矢印が上記2種の基材を貼り合わせて一体化することを示す。
被印刷基材の基材厚は、目的とする製品の形態により決定され特に規定するものではないが、本発明のフィルム基材は50μmから200μmまでの薄い可撓性のものである。前記被印刷基材は、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートなどの長尺状のフレキシブルなプラスチック材料を使用する事が可能である。
前記背面基材は、巻き出し巻き取り部のコア材に容易に巻き取ることができ、前記被印刷基材と貼りあわせた状態で搬送ローラーにて抱き角を持って容易に搬送することができるものが望ましい。
前記背面基材のフィルム基材の基材厚としては、0.05mm以上で0.3mm以下である事が望ましい。0.05mm未満ではフィルム搬送時に前記背面基材に加わるテンションにより、基材自体に歪を生じてしまう。0.3mmより厚いと積層基材の状態でフィルム搬送がし難くなる。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートなどの長尺状のフレキシブルなプラスチック材料が使用可能である。前記背面基材のベースフィルムとして、前記被印刷基材と同じ基材を使用する事も可能であることは言うまでもない。
前記背面基材は、前記被印刷基材と同様に、巻き出し部より送り出し、印刷ユニット部を経て、巻き取り部にて巻き取る経路で、投入することができる。上述のとおり、上記の
一連の経路の途中で、上記被印刷基材と貼り合わされて積層基材として処理されるが、再び分離して、背面基材単独で巻き取ることが可能である。途中の積層基材としての処理における搬送では、厚さが厚いことによる制約が厳しくなることは当然であるが、巻き出しや巻き取りの工程とは異なるので、積層基材に適合する工程処理の動きに限定したり、積層基材の厚さを初めから薄めに設計することにより、支障となることはない。
前記背面基材のクッション層に求められる特性は、クッション材として機能するための弾性と、被印刷基材と容易に貼り合わせる事ができ、使用後に容易に剥離する事ができる、軽度の粘着性とを、併せ持つことが挙げられる。上記の特性を有するクッション層の材料としては、シリコーンゴムまたはシリコーン樹脂が望ましい。シリコーンゴムやシリコーン樹脂などは弾性を硬化剤の量で調整できるとともに、膜自体に適度な粘着性があり、前記被印刷基材と容易に貼り合わせることや剥離することが出来るためである。
クッション材として機能するための弾性としては、ゴム硬度40以下の材料が望ましい。ゴム硬度は40より大きくても良いが、その場合はクッション層の厚みを大きくする必要があったり、クッション層が被覆できる付着異物の大きさが小さくなるなど、の制約があるため、本発明のクッション層としては、一般的なデュロメータによる測定で、ゴム硬度10以上、40以下のものが望ましい。
前記クッション層24の厚みは、付着異物の高さの2倍以上あれば付着異物の被覆効果が得られることが判っているので、一般的な付着異物の大きさが50μm程度であることより、本発明のクッション層の厚みは100μm以上であることが望ましい。また前記クッション層24の厚みの上限は、前記被印刷基材21の厚みや硬さを含めた積層基材25全体を考慮して設定すべきであるが、特に限定するものでは無い。
また、前記背面基材22のフィルム基材の厚みと前記クッション層24の厚みは、前記印刷ユニット部の背面保持治具の形態に合わせて設定することが望ましい。背面保持治具が前記吸着定盤46の場合、穴径数百μmφから数mmφの吸着口が開いている。前記背面基材のフィルム基材の厚みと前記クッション層の厚みは、吸着口部にて前記被印刷基材21が凹む事を避けられるものを選択することが望ましい。また、背面保持治具がバックローラーの場合、バックローラーとシリンダー版の間の印圧が前記積層基材や、被印刷面に既に形成された印刷パターンなどに加わることになる。前記背面基材の前記クッション層の厚みと硬度は、印圧により前記インキパターンが潰れないものを選択すればよい。
次に、本発明を用いる印刷工程において、上述した以外の各印刷要素について述べる。
刷版用の基板としては、透明な基材として硝子、石英または金属板や電気めっきにより金属膜を形成した基材が使用可能である。除去平版はその表面に凹形状を形成したものや撥インキ剤をパターニングした平版が使用可能である。特に硝子、石英は加工しやすい、熱膨張率が1〜5*10-6/℃と低いことで寸法安定性が高い、版洗浄時の有機溶剤や有機アルカリなどの耐薬液性が高い、耐刷性が高い、ことより望ましい。基材の厚みは特に限定するものではない。
シリンダー版を使用する場合は、シリンダー上に電気めっきにより金属膜を形成した版材に、彫刻やエッチングにより凹形状を形成した一般的なものが使用可能である。
ブランケットとしては、印刷装置の構成に合わせ、フィルム状の連続したものか、枚葉のものを、選定すれば良い。ブランケットの基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート
、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム基材を用いることができる。
ブランケットは、上記のフィルム基材上にシリコーンゴム、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などのインキ離形性の高い材料を塗工したものが使用可能である。より具体的には、上記基材へシリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を塗っても良いし、あるいはシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用されうるし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は通常フィルム基材との密着が低いが、熱硬化または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、最表面に設けるシリコーン層に対して、より基材との接着性の高い樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設け、その上層に設けることもできる。
上記のブランケット塗工材は、いずれも適度のインキ受容性を有すると同時に、一度受容したインキの完全なインキ剥離性を有することが望ましい。具体的なシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
図3は、本発明の印刷装置における印刷ユニット部の一例を詳細に説明するための模式図である。とりわけ、「反転オフセット印刷法」と称される方式の中で、ブランケットに長尺状のフレキシブルなフィルム基材を用いた例を示す。反転オフセット印刷法は、ブランケットに塗工したインキ膜の非印刷パターン部を、刷版の凸部により除去し、前記ブランケット上のインキパターンを前記積層基材の被印刷面に印刷して印刷パターンを得るものである。すなわち、前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有する凹版からなり、インキ剥離性のシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂またはフッ素系の樹脂からなるブランケット上にインキ膜を塗工し、前記インキ膜の非パターン部のインキを前記刷版の凸部により除去して残されたインキパターンをブランケット上に形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた積層基材を固定し、前記ブランケット上のインキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写するものである。
図3に示す例は、特にブランケットに長尺状のフレキシブルなフィルム基材を用いた点が従来のシリンダーに巻いたブランケットを用いるタイプと異なる。図3において、一点鎖線で仕切られた上下のブロックは、それぞれ長尺状のフレキシブルなフィルム基材を用いたフィルムブランケットへのインキパターン形成工程を示す上部と、被印刷基材に上記のインキパターンを加圧転写する転写工程を示す下部と、に分けられる。本印刷方式における印刷方法を、図1に示した本発明の印刷装置の印刷ユニット部38に適用することができる。すなわち、吸着定盤46を背面保持治具として、被印刷基材31と背面基材32とを貼り合わせた積層基材33を吸着定盤46で保持し、フィルムブランケット43を加圧してインキパターンを転写し印刷パターン得る。
前記ブランケットは、ベースとなる長尺状のフレキシブルなフィルム基材にインキ剥離性の高いシリコーン樹脂やシリコーンゴムまたはフッ素系の樹脂を塗工したものであるが
、印刷の際の加圧する方法は、前記ブランケットの形態に合わせて選択すればよい。前記ブランケットが連続したフィルム形態の場合は、加圧ローラー44として通常の転写ロールにより前記ブランケットのインキ剥離性膜の裏面より加圧する方法が可能である。また前記ブランケットが枚葉形態の場合は、シリンダー胴に前記ブランケットを巻き付け、シリンダー胴により加圧する方法が可能である。
本発明の印刷装置における印刷ユニット部の他の一例として、「凹版直刷り法」がある。バックローラーを背面保持治具として、シリンダー版を加圧して、シリンダー版の凹部に形成したインキパターンを被印刷基材に直接印刷する印刷方法である。
また、本発明の印刷装置における印刷ユニット部の他の一例として、「凹版オフセット印刷法」も可能である。インキパターン形成手段として、凹版からブランケットへのインキ転移を利用し、吸着定盤を背面保持治具として、被印刷基材と背面基材からなる積層基材を吸着定盤で保持し、ブランケットを加圧してインキパターンを転写し印刷パターン得る印刷方法である。すなわち、本印刷方法は、刷版の凹部にドクターにより選択的に充填したインキを、前記ブランケットに転移し、前記ブランケット上のインキパターンを前記積層基材の被印刷面に印刷して印刷パターンを得るものである。
前記ブランケットは、ベース基材にインキ転写性の高い、すなわちインキ剥離性のシリコーン樹脂やシリコーンゴムまたはフッ素系の樹脂を塗工したものである。印刷の際の加圧する方法は、前記ブランケットの形態に合わせて選択すればよい。前記ブランケットが連続したフィルム形態の場合は、加圧ローラー44として通常の転写ロールにより前記ブランケットのインキ剥離性膜の裏面より加圧する方法が可能である。また前記ブランケットが枚葉形態の場合は、シリンダー胴に前記ブランケットを巻き付け、シリンダー胴により加圧する方法が可能である。
以下、本発明の実施の形態を例を挙げて説明する。
〈実施例1〉
被印刷基材は、フィルム厚100μmの光透過性PENフィルム、300mm幅、20mロール状のものを使用した。背面基材は、フィルム厚100μmのPETフィルム、300mm幅の上に、光硬化性シリコーンゴムを100μm形成したものを使用した。刷版として、アンバー材に銅めっきを積層し、金属エッチングで凹形状を形成したのち、Niめっきを行った平版を使用した。印刷パターンは、4インチカラーフィルター、3×3面付け、BMパターン上に、Red,Green,Blueの3色入色、BMパターン20μm幅、開口部80μm幅の連続したストライプパターンを形成した各カラーフィルターの周囲にアライメントマークを配置したものを使用した。ブランケットは、基材厚約120μmのシリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績社製)の300mm幅、500mロール状のものを使用した。上記基材を使用して下記手順に従い、被印刷基材上に印刷パターンを形成した。
1)インキをフィルムブランケット上に、250mm幅のヘッドを用いたダイコーターを用いて塗工しインキ塗膜を形成した。
前記インキ塗膜を刷版に押し当て、前記フィルムブランケット上にインキパターンを形成した。
2)前記フィルムブランケットを印刷ユニット部の吸着定盤に対向する位置にインキパターンが来るように搬送した。
3)被印刷基材を巻き出し装置より送り出し、被印刷基材の非印刷面を粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
4)背面基材を巻き出し装置より送り出し、背面基材の表裏面を粘着ロールによりクリー
ニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
5)前記被印刷基材と前記背面基材とを2本の加圧ロールの間を通し、前記被印刷基材の非印刷面と前記背面基材のクッション層とを貼りあわせて積層基材とした。
6)前記積層基材の印刷面の保護フィルムを剥離し、印刷面を粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
7)前記吸着定盤上を、粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
8)前記積層基材を前記吸着定盤上に送り、吸着保持した。
9)前記フィルムブランケットと前記被印刷基材を適度な間隔をもって保持し、各々のアライメントマークを重ね合わせ2台のアライメント用カメラで対角のアライメントマークを確認し、位置合わせを行った。
10)加圧ローラーでフィルムブランケット上のインキパターンを積層基材を構成する被印刷基材へ転写した後、フィルムブランケットを剥離し、印刷パターンを形成した。
11)前記積層基材を剥離装置部に搬送し、前記背面基材の裏面に設置した剥離ローラーにより、前記被印刷基材と前記背面基材を分離して剥離した。
12)前記被印刷基材上の印刷パターンを熱乾燥装置で硬化し、前記被印刷基材の印刷面に保護フィルムを貼り合せて、巻き取り装置にて巻き取った。
13)1)から12)を繰り返して、Red,Green,Blueを順に印刷することでカラーフィルターを形成した。
本発明の印刷方法を用いることで、加圧や塵による印刷パターン潰れの無い、良好なパターン形状のロールフィルムカラーフィルターが得られた。
〈実施例2〉
被印刷基材は、フィルム厚100μmの光透過性PENフィルム、300mm幅、20mロール状のものを使用した。背面基材は、フィルム厚100μmのPETフィルム、300mm幅の上に、光硬化性シリコーンゴムを100μm形成したものを使用した。
刷版として、アンバー材に銅めっきを積層し、金属エッチングで凹形状を形成したのち、Niめっきを行ったシリンダー版を使用した。印刷パターンは、4インチカラーフィルター、3×3面付け、TFT配線パターン、各カラーフィルターの周囲にアライメントマークを配置したものを使用した。上記基材を使用して下記手順に従い、被印刷基材上に印刷パターンを形成した。
1)シリンダー版に導電性ペーストからなるインキをインキングし、不要なインキをドクターによりかき取り、凹形状部にインキを充填し、インキパターンを形成した。
2)被印刷基材を巻き出し装置より送り出し、被印刷基材の非印刷面を粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
3)背面基材を巻き出し装置より送り出し、背面基材の表裏面を粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
4)前記被印刷基材と前記背面基材とを2本の加圧ロールの間を通し、前記被印刷基材の非印刷面と前記背面基材のクッション層とを貼りあわせて積層基材とした。
5)前記積層基材の印刷面の保護フィルムを剥離し、印刷面を粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
6)バックローラーの表面を、粘着ロールによりクリーニングした後、イオナイザーにより除電処理を行った。
7)前記積層基材を、前記シリンダー版とバックローラーの間を搬送し、インキパターンを被印刷基材へ転写し、印刷パターンを形成した。
8)前記積層基材を剥離装置部に搬送し、前記背面基材の裏面に設置した剥離ローラーにより、前記被印刷基材と前記背面基材を分離して剥離した。
9)前記被印刷基材上の印刷パターンを熱乾燥装置で硬化し、前記被印刷基材の印刷面に保護フィルムを貼り合せて、巻き取り装置にて巻き取った。
本発明の印刷方法を用いることで、加印圧や付着異物による印刷パターン潰れの無い、良
好はパターン形状のロールフィルム上のTFT導電パターンが得られた。
〈比較例〉
比較技術として、金属凹版を用いた印刷方法を説明する。被印刷基材は、フィルム厚100μmの光透過性PENフィルム、300mm幅、20mロール状のものを使用した。刷版として、アンバー材に銅めっきを積層し、金属エッチングで凹形状を形成したのち、Niめっきを行った平版を使用した。印刷パターンは、4インチカラーフィルター、3×3面付け、BMパターン上に、Red,Green,Blueの3色入色、BMパターン20μm幅、開口部80μm幅の連続したストライプパターンを形成した各カラーフィルターの周囲にアライメントマークを配置したものを使用した。ブランケットは、基材厚約120μmのシリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績社製)の300mm幅、500mロール状のものを使用した。上記基材を使用して下記手順に従い、被印刷基材上に印刷パターンを形成した。
1)インキをフィルムブランケット上に、250mm幅のヘッドを用いたダイコーターを用いて塗工しインキ塗膜を形成した。前記インキ塗膜を刷版に押し当て、前記フィルムブランケット上にインキパターンを形成した。
2)前記フィルムブランケットを印刷ユニット部の吸着定盤上にインキパターンが来るように搬送した。
3)事前に水洗した被印刷基材を巻き出し装置より送り出し、吸着定盤上に送り、吸着保持した。
4)前記フィルムブランケットと前記被印刷基材を適度な間隔をもって保持し、各々のアライメントマークを重ね合わせ2台のアライメント用カメラで対角のアライメントマークを確認し、位置合わせを行った。
5)加圧ローラーでフィルムブランケット上のインキパターンを被印刷基材へ転写した後、フィルムブランケットを剥離し、印刷パターンを形成した。
6)前記被印刷基材上の印刷パターンを熱乾燥装置で硬化し、前記被印刷基材の印刷面に保護フィルムを貼り合せて、巻き取り装置にて巻き取った。
7)1)から6)を繰り返して、Red,Green,Blueを順に印刷することでカラーフィルターを形成した。
従来法で投入した被印刷基材は、搬送途中の剥離帯電により発生した静電気により集塵した塵が基材の裏面に付着していた。また同様に吸着定盤に付着していた。基材や吸着定盤に付着していた塵により、被印刷基材の印刷面が突起状に押し上げられ、こうして得られたカラーフィルターは、加圧による転写時に、この部分のインキパターンが押しつぶされていた。また、吸着口のあった部分に目視による検査で認められるムラが発生していた。従って、カラーフィルター基板の性能としては不十分なものとなった。
本発明のフレキシブル基材向け印刷装置及び印刷方法により、基材厚の薄いフィルム状の被印刷基材に対して、パターン欠陥の無い、面内均一性の高い印刷が容易にできるため、カラーフィルター、薄膜トランジスタアレイやプリント基板などの導電性ペースト、機能性膜、絶縁膜などをエレクトロニクス関連の印刷物を製造する際に応用することができる。
本発明の印刷装置における各部分の位置関係を説明するための模式図である。 本発明の印刷装置に用いる積層基材の構成を示す断面模式図である。 本発明の印刷装置における印刷ユニット部の一例を詳細に説明するための模式図である。
符号の説明
11、21,31 ・・・被印刷基材
12,43 ・・・ フィルムブランケット
22,32 ・・・ 背面基材
23a ・・・ 印刷面
23b ・・・ 非印刷面
24 ・・・ クッション層
25,33 ・・・ 積層基材
26 ・・・ 印刷パターン
34,110 ・・・巻き出し装置
35 ・・・ ドライクリーニング装置
36 ・・・ 静電気除去装置
37 ・・・ 貼合装置
38 ・・・ 印刷ユニット部
39 ・・・ 剥離装置
41 ・・・ 熱硬化装置
42,108 ・・・巻き取り装置
44 ・・・ 加圧ローラー
45 ・・・ 保護フィルム
46 ・・・ 吸着定盤

Claims (8)

  1. 長尺状のフィルム基材からなる被印刷基材を送り出す巻き出し部と、予め形成したインキパターンを加圧して前記被印刷基材に印刷する加圧ローラーと、前記加圧ローラーと対向する位置にあり且つ前記被印刷基材の非印刷面側に位置し前記加圧ローラーの圧力を前記被印刷基材に伝えるための背面保持治具と、前記加圧ローラーと前記背面保持治具を少なくとも有する印刷ユニット部と、前記被印刷基材の巻き取り部とを備えた印刷装置において、前記とは別の長尺状のフィルム基材に、クッション層を形成した背面基材を搬送する搬送機構と、前記被印刷基材の非印刷面側と前記背面基材のクッション層側とを貼り合わせて積層基材とする貼合機構と、前記積層基材を印刷ユニット部へ搬送する機構と、予め形成したインキパターンを前記印刷ユニット部において加圧して前記積層基材に転写する機構とを有する事を特徴とするフレキシブル基材向け印刷装置。
  2. 前記貼合機構の前に、前記被印刷基材の非印刷面側と前記背面基材のクッション層側とを処理するドライクリーニング機構と静電気除電機構とを有する事を特徴とする請求項1記載のフレキシブル基材向け印刷装置。
  3. 前記印刷ユニット部において、前記背面保持治具を処理するドライクリーニング機構と静電気除電機構とを有する事を特徴とする請求項1または2記載のフレキシブル基材向け印刷装置。
  4. 前記印刷ユニット部の後に、前記積層基材から前記被印刷基材と前記背面基材とを分離して剥離する剥離機構を有する事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル基材向け印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル基材向け印刷装置を用いる印刷方法であって、前記背面基材がフィルム基材上にクッション層を形成した構成からなり、前記クッション層が粘着性を有する樹脂材料からなる事を特徴とするフレキシブル基材向け印刷方法。
  6. 前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有する凹版からなり、インキ剥離性のシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂またはフッ素系の樹脂からなるブランケット上にインキ膜を塗工し、前記インキ膜の非パターン部のインキを前記刷版の凸部により除去して残されたインキパターンをブランケット上に形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた積層基材を固定し、前記ブランケット上のインキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法。
  7. 前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有するシリンダー版からなり、前記シリンダー版の凹部にインキを充填し、前記シリンダー版の凸部のインキをドクターで排除するとともに凹部に埋め込みインキパターンを形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた前記積層基材を前記シリンダー版と前記背面保持治具の間を搬送する事で、前記インキパターンを前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法。
  8. 前記インキパターンを予め形成するための刷版が印刷パターンと同じ配置の凹形状パターンを有する凹版からなり、前記刷版の凹部にインキを充填し、凸部のインキをドクターで除去した後、前記刷版の凹部から、インキ剥離性のシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂またはフッ素系の樹脂からなるブランケット上へ、インキを転移してインキパターンを形成し、被印刷基材と背面基材とを貼りあわせた積層基材を固定し、前記インキパターン
    を前記積層基材の印刷面に加圧転写する事を特徴とする請求項5記載のフレキシブル基材向け印刷方法。
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