JP2010075060A - コンバインの変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行装置と一体回転する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出する実走行速度検出手段26の検出情報に基づいて、刈取処理装置の駆動速度を走行装置の走行速度が高速となるほど高速にする関係にて定めた設定関係速度にするように変速手段を変速操作する走行連係変速処理を実行する変速制御手段Hが、実走行速度検出手段26にて検出される走行速度が零のときには、走行変速操作具24にて指令されて目標速度検出手段25にて検出される目標走行速度を走行速度として、走行連係変速処理を実行するように構成されている。
【選択図】図4
Description
前記走行装置の走行速度を変速すべく前記変速手段を操作する走行変速操作具と、
前記走行装置と一体回転する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出する実走行速度検出手段と、
前記変速手段を操作する変速制御手段とが設けられ、
前記変速制御手段が、
前記実走行速度検出手段の検出情報に基づいて、前記走行装置が停止及び後進するときには前記刈取処理装置を停止し且つ前記走行装置が前進するときには前記刈取処理装置の駆動速度を前記走行装置の走行速度が高速となるほど高速にする関係にて定めた設定関係速度にするように前記変速手段を変速操作する走行連係変速処理を実行するように構成されたコンバインの変速制御装置に関する。
そして、刈取処理装置の駆動速度を走行装置の走行速度が高速となるほど高速とする関係として定めた設定関係速度にするものであるから、走行速度の高低に拘わらず穀稈を適正な立ち姿勢に引き起こしながら刈り取り処理することを良好に行なえるものである(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、刈取収穫作業は、刈取に適した時期に集中して行うことが望まれるものであり、このような刈取に適した時期にコンバインを使用して刈取収穫作業が行えなくなる事態は、的確に回避する必要がある。
前記走行装置の走行速度を変速すべく前記変速手段を操作する走行変速操作具と、
前記走行装置と一体回転する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出する実走行速度検出手段と、
前記変速手段を操作する変速制御手段とが設けられ、
前記変速制御手段が、
前記実走行速度検出手段の検出情報に基づいて、前記走行装置が停止及び後進するときには前記刈取処理装置を停止し且つ前記走行装置が前進するときには前記刈取処理装置の駆動速度を前記走行装置の走行速度が高速となるほど高速にする関係にて定めた設定関係速度にするように前記変速手段を変速操作する走行連係変速処理を実行するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記走行変速操作具にて指令されている目標走行速度を検出する目標走行速度検出手段が設けられ、
前記変速制御手段が、前記実走行速度検出手段にて検出される走行速度が零のときには、前記目標走行速度検出手段の検出情報に基づいて、前記走行変速操作具にて指令されている目標走行速度を走行速度として、前記走行連係変速処理を実行するように構成されている点にある。
このように実走行速度検出手段にて検出される走行速度が零のときにも、走行連係処理を行うことができるものであるから、故障等により実走行速度検出手段が零を出力することがあっても、走行連係変速処理によって刈取処理装置を駆動することが可能なるのであり、実走行速度検出手段の故障等により、刈取に適した時期にコンバインを使用できなくなるトラブルを回避できるものとなる。
前記変速手段から前記走行装置に伝達される出力を高低に変速する変速状態及び中立状態に切換操作自在な副変速手段が設けられ、
前記実走行検出手段が、前記走行装置と一体回転する回転体として、前記副変速手段よりも動力伝達方向下手側に位置する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出するように構成されている点にある。
このように、コンバインの走行を停止した状態で、刈取処理装置を走行変速操作具の操作により駆動速度を変化させながら駆動できるものとなるから、刈取処理装置を点検保守作業のために駆動することを良好に行えるものとなる。
前記刈取処理装置を駆動する駆動指令を指令する駆動指令状態と前記刈取処理装置の駆動指令を解除する解除指令を指令する指令解除状態とに切り換え自在な手動操作式の刈取駆動指令手段が設けられ、
前記変速制御手段が、
前記刈取駆動指令手段にて前記解除指令が指令されている場合には、前記走行連係変速処理を実行し、且つ、前記刈取駆動指令手段にて前記駆動指令が指令されている場合には、前記刈取処理装置を設定目標駆動速度で駆動するように前記変速手段を変速操作する非連係変速処理を実行するように構成されている点にある。
このようなときに、刈取駆動指令手段にて駆動指令を指令することにより、刈取処理装置を駆動することができるものとなる。
ちなみに、走行装置が停止しているときに、刈取駆動指令手段にて駆動指令を指令することにより、保守点検作業のために刈取処理装置を駆動することもできるものである。
前記刈取駆動指令手段が、前記駆動指令状態において、前記刈取処理装置の駆動速度の高低を示す速度指標を指令するように構成され、
前記変速制御手段が、前記非連係変速処理における前記設定目標駆動速度を、前記刈取駆動指令手段にて指令される前記速度指標が高速であるほど高速とする状態で定めるように構成されている点を特徴とする。
前記刈取駆動指令手段が、復帰付勢された中立位置とその中立位置から離れる側に移動操作自在な指令操作具と、その指令操作具の位置を検出する位置検出センサと、指令制御手段とから構成され、
前記指令制御手段が、前記位置検出センサの検出情報に基づいて、前記指令操作具が前記中立位置側の中立操作域に位置すると、前記解除指令を指令し、かつ、前記指令操作具が前記中立操作域よりも前記中立位置から離れる側の指令操作域に位置すると、前記駆動指令を指令し、加えて、前記指令操作具が前記指令操作域内において前記中立位置から離れる側に位置するほど高速の前記速度指標を指令するように構成されている点にある。
このように、指令操作具を中立位置から復帰付勢力に抗して指令操作域に操作するだけの簡単な操作にて、駆動指令を指令することができ、また、指令操作具に対する操作を解除するだけで、的確に解除指令を指令することができる。
そして、指令操作域内において、指令操作具の位置を変更操作するだけの簡単な操作にて速度指標を変更操作できるものであり、加えて、指令操作具を中立位置から離れる側に操作するほど高速の速度指標を指令するものであるから、刈取処理装置の駆動状態を監視しながら漸次高速側に操作できるものとなり、不必要に高速で駆動させて穀稈を損傷させることが無いようにしながら、刈取処理装置を適正な駆動速度で駆動することが行い易いものとなる。
前記指令操作具が、運転席の足元部に、前記中立位置としての踏込みを解除された位置に復帰付勢した状態で設けた踏込み操作式の踏込みペダルである点にある。
このように、踏込みペダルの操作により、駆動指令や解除指令を指令でき、しかも、速度指標を指令することができるものであるから、運転席に着座した作業者は、手指にて操向操作や走行速度の変速操作等の操縦を行いながら、足にて、駆動指令や解除指令を指令でき、しかも、速度指標を指令することができるものとなる。
前記指令制御手段が、前記指令操作域内における前記中立位置側となる前側範囲に前記指令操作具が位置するときには、前記速度指標として、設定低速度の速度指標を指令し、前記指令操作域内における前記前側範囲よりも前記中立位置から離れる側の後側範囲に前記指令操作具が位置するときには、前記速度指標として、前記指令操作具が前記中立位置から離れる側に位置するほど、前記設定低速度の速度指標から漸次高速となる速度指標を指令するように構成されている点にある。
つまり、枕刈り作業の際に、刈取処理装置に刈取後の穀稈が残っている場合において、刈取駆動指令手段にて駆動指令を指令して刈取処理装置を駆動するときの目標速度は、走行が停止しているあるいは低速で走行していることを考えると、一定で且つ低速が好ましいものであり、そのような目標速度が、指令操作域における前側範囲に指令操作具を位置させると設定されるようにすることにより、指令操作具を前側範囲に操作すると、刈取処理装置に残っている穀稈を脱穀装置に供給するのに好都合な速度で刈取処理装置を駆動することができるのである。しかも、そのような速度で刈取処理装置を駆動するようにすることを、範囲として定められている前側範囲に指令操作具を操作することで行なえるから、刈取処理装置に残っている穀稈を脱穀装置に供給するように脱穀装置を駆動する操作が行い易いものである。
前記変速制御手段が、前記非連係変速処理において、前記刈取駆動指令手段の指令に基づいて定めた前記設定目標駆動速度が前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度よりも低いときには、前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度にて前記刈取処理装置を駆動し、且つ、前記刈取駆動指令手段の指令に基づいて定めた前記設定目標駆動速度が前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度と同じ及びその駆動速度よりも高速のときには、前記設定目標駆動速度にて前記刈取処理装置を駆動すべく、前記変速手段を変速操作するように構成されている点にある。
つまり、走行装置が前進しているとき、換言すれば、走行連係変速処理が行われているときに、刈取駆動指令手段にて駆動指令を指令するのは、刈取収穫作業を行っているときに圃場の穀稈が部分的に倒伏しているような場合や、圃場の穀稈群内に進入して刈取作業を開始する場合等であり、このような場合においては、走行連係変速処理にて駆動されている刈取処理装置をその駆動速度よりも高速で駆動することを目的とするものである。そして、このような場合において、刈取処理装置の駆動速度が走行連係変速処理にて駆動されている刈取処理装置の駆動速度よりも低速になると、穀稈の引き起こし刈取り処理を一層適切に行い難くなるものとなる。
従って、第3〜第7特徴構成のいずれかの作用効果に加えて、刈取処理装置の駆動速度を不必要に低速にしてしまうことを回避しながら、高速に操作することを的確に行なうことができるコンバインの変速制御装置を提供するに至った。
前記変速制御手段が、前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときにおける前記刈取処理装置の駆動速度のうちで最大となる速度よりも低い速度を最大速度として、前記設定目標駆動速度を定めるように構成されている点にある。
つまり、走行しながら刈取収穫作業を行なっているときに、圃場の穀稈が部分的に倒伏しているような場合においは、走行速度をその変速可能な最大速度よりも低速にして行なうことになるものであり、刈取駆動指令手段にて変更設定操作できる刈取処理装置の設定目標駆動速度が、走行連係変速処理を実行すると仮定したときにおける刈取処理装置の駆動速度のうちで最大となる速度と同じ速度であるとすると、誤操作により、刈取処理装置の目標駆動速度を不必要に高速に変更設定して、穀稈を損傷させてしまう等のトラブルを発生する虞がある。
従って、上記第3〜第8特徴構成のいずれかの作用効果に加えて、刈取処理装置の設定目標駆動速度を不必要な高速に設定することを回避できるコンバインの変速制御装置を提供するに至った。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1、及び、運転席2を備える操縦部Aを装備した走行車体Bと、この走行車体Bの機体フレーム3の前部に昇降操作自在に連結された刈取処理装置4と、前記機体フレーム3の後部側箇所に走行車体Bの横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6とを備えて、圃場を走行しながら、稲、麦などの穀稈を刈り取り、その刈取穀稈を脱穀処理するように構成されている。
説明を加えると、前記刈取処理装置4は、刈取り部フレーム4aが油圧シリンダ7によって機体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、刈取処理装置4の前端部に刈取り部横方向に並んで位置する複数の分草具4bが地面付近に下降した下降作業状態と、前記分草具4bが地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降するように構成されている。
そして、刈取処理装置4を下降作業状態にして走行車体Bを走行させると、刈取処理装置4が、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を対応する前記分草具4bによって隣接する植付け条の植立穀稈と分草し、各分草具4bからの植立穀稈を対応した引起し装置4cによって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置4dによって刈取り処理し、刈取穀稈を前搬送装置(図示せず)によって車体横幅方向の合流箇所に搬送したのち、合流された刈取穀稈を縦搬送装置4eによって走行車体Bの後方向に搬送して脱穀装置5の脱穀フィードチェーン5aの始端部に供給するように構成されている。
前記縦搬送装置4eの始端側箇所における穀稈の存否、つまり、刈取処理装置4における刈取穀稈を脱穀装置5に搬送する穀稈搬送経路の始端側箇所における穀稈の存否を検出する穀稈存否検出手段として、刈取穀稈の株元に接触作用して穀稈の存否を検出する株元センサ50が設けられている。
穀粒タンク6は、脱穀装置5から搬送された脱穀粒を回収して貯留することになり、また、貯留した脱穀粒を排出するオーガ形の排出装置8を備えている。
つまり、エンジン10に並列的に接続される走行変速装置Sと刈取変速装置Kとから、走行装置1の走行速度及び刈取処置装置4の駆動速度を変速する変速手段Zが構成されている。
ちなみに、詳述はしないが、シフトギヤ22cを一体回転自在に且つスライド自在に支持する回転軸23の動力が、ギヤ伝動機構を用いて、左右の走行装置1に伝達されることになる。また、例示はしないが、副変速操作具が、その揺動操作によりシフトギヤ22cをシフト操作するように、リンク機構等の機械式連係機構により、シフトギヤ22cを係止してスライドするシフターと連動連結されている。
そして、制御手段Hが、刈取オート指令スイッチ48にて実行指令状態が指令され且つクラッチ操作レバー44がクラッチ入り指令位置Yに操作されている状態において、昇降位置センサ49の検出情報に基づいて刈取処理装置4が走行車体Bに対して設定高さ以上上昇されていることが検出されると、刈取クラッチ15を切り操作し、かつ、昇降位置センサ49の検出情報に基づいて刈取処理装置4が走行車体Bに対して前記設定高さよりも低い位置に下降されていることが検出されると、刈取クラッチ15を入り操作するように構成されている。
尚、詳述はしないが、前記操縦レバー42が中立位置から左方向に操作されると左旋回を指令し、且つ、操縦レバー42が中立位置から右方向に操作されると右旋回を指令する旋回指令スイッチ40が設けられている。そして、その旋回指令スイッチ40の指令情報が、前記制御手段Hに入力され、制御手段Hは、その左旋回指令及び右旋回指令に基づいて、左右一対の走行装置1を旋回駆動状態に切り換える駆動手段(図示せず)を作動させて、旋回を行なうように構成されている。
つまり、詳述はしないが、回転軸23に、外周部に凹凸を設けた検出体を取り付け、その検出体の外周部に対応して固定設置されて、検出体の凹凸を検出する凹凸検出センサを設け、そして、その凹凸検出センサが単位時間当たりに凸を検出する回数を検出体の回転速度として求める演算部を設けて構成されている。
すなわち、刈取処理装置4を設定目標駆動速度Mで駆動する駆動指令を指令する駆動指令状態と刈取処理装置4の駆動指令を解除する解除指令を指令する指令解除状態とに切り換え自在で且つ駆動指令状態において、刈取処理装置4の駆動速度の高低を示す速度指標Pを指令する手動操作式の刈取駆動指令手段Jが設けられている。
尚、本実施形態においては、走行速度検出センサ26が、回転軸23の回転速度のみを検出し、回転方向を検出できない形態のものを使用しているため、制御手段Hは、変速操作レバー24の操作位置を目標走行速度Qとして検出する目標速度検出センサ25の検出情報を用いて、前進及び後進の判別を行うことになる。ちなみに、走行速度検出センサ26として、回転軸23の回転方向をも検出する形態のものを使用して、その走行速度検出センサ26の検出情報にて、前進及び後進の判別を行うように構成しても良いことは勿論である。
指令操作具30は、運転席2の足元部に相当する箇所に、中立位置Tとしての上昇位置に復帰付勢されて設けられた踏込み操作式の踏込みペダル(図4参照)にて構成され、運転席2に着座した操縦者の足にて踏込み操作可能に構成されている。具体的には、運転席2に着座した操縦者の右足の前方に相当する箇所、つまり、運転席2の前方で且つ右側に寄った箇所に設けられている。
そして、刈取処理装置4に残っている刈取穀稈を脱穀装置5に供給する場合には、刈取処理装置4が地面近くの刈取高さから大きく上昇されると、刈取処理装置4から脱穀装置5への穀稈の受け渡しにトラブルを生じ易いものとなるから、刈取処理装置4が地面近くの刈取高さから大きく上昇されるまでの短時間の間に、つまり、刈取処理装置4が地面近くの刈取高さに位置する間に、穀稈を脱穀装置5に供給することを完了させるために、かなりの高速にて刈取処理装置4を駆動させることが望まれるものである。これに対して、走行停止状態や微低速にて圃場に進入する場合においては、刈取処理装置4を高速で駆動させると、高速の引き起こし作用で脱粒を生じる不都合や、刈り取った穀稈が穂先先行状態で脱穀装置5に向けて搬送される結果、搬送詰まり等の搬送トラブルを生じる不都合が生じるため、刈取処理装置4を低速にて駆動することが望まれるものとなる。
そして、制御手段Hが、指令スイッチ35にて許可指令が指令されているときには、非連係変速処理を実行し、かつ、指令スイッチ35にて停止指令が指令されているときには、非連係変速処理を実行しないように構成されている。
先ず、刈取クラッチ15が入り操作されている状態である否か、つまり、クラッチ操作レバー44がクラッチ入り指令位置Yに操作されているか否かを判別し(#1)、クラッチ入り指令位置Yに操作されているときには、刈取オート指令スイッチ48にて実行指令状態が指令されているか否か、つまり、刈取オート指令スイッチ48が入りであるか否かを判別する(#2)。
刈取オート指令スイッチ48が入りで無いとき、及び、刈取オート指令スイッチ48が入りであっても、刈取処理装置4が設定高さ以下であるとき、つまり、刈取処理装置4が駆動されているとき(#3)には、指令スイッチ35にて許可指令が指令されているか否かを判別し(#4)、許可指令が指令されているときには、刈取駆動指令手段Jにて駆動指令が指令されているか否かを判別する(#5)。
この走行連係変速処理としては、基本的には、刈取処理装置4の駆動速度Wを、走行速度検出センサ26にて検出される走行装置1の走行速度Vが高速となるほど高速にする関係にて定めた設定関係速度にするように刈取変速装置Kを変速操作するものであるが、走行速度検出手段26にて検出される走行速度Vが零のときには、目標速度検出センサ25にて検出される変速操作レバー24の操作位置に応じた目標速度Qが前進に対応するときには、刈取処理装置4の駆動速度Wを目標速度Qが高速になるほど高速にする関係に定めた設定関係速度になるように刈取変速装置Kを変速することになる。
次に別実施形態について説明する。
例えば、図9に示すように、上記実施形態と同様に、指令操作域G内における中立位置側となる前側範囲G1に指令操作具30が位置するときに指令制御手段32にて指令される速度指標Pに基づいて、刈取処理装置4の設定目標駆動速度Mとしての穀稈存在用目標速度M1及び穀稈非存在用目標速度M0を、設定低速度に定め、且つ、指令操作域G内における前側範囲G1よりも中立位置Tから離れる側の後側範囲G2に指令操作具30が位置するときに指令制御手段32にて指令される速度指標Pに基づいて、指令操作具30が中立位置Tから離れる側に位置するほど、設定低速度から漸次高速となるように定める形態で、かつ、指令制御手段32にて指令される速度指標Pが同じであるときに、穀稈存在用目標速度M1が穀稈非存在用目標速度M0の半分の速度になるようにする形態で定めるようにし、そして、上記の実施形態では、指令制御手段32にて指令される速度指標Pが最大のときの穀稈非存在用目標速度M0が、走行連係変速処理を実行すると仮定したときにおける刈取処理装置4の駆動速度Wのうちで最大となる速度W1よりも低い速度、具体的には最大速度W1の1/2にする形態で定める場合を例示したが、これに代えて、指令制御手段32にて指令される速度指標Pが最大のときの穀稈非存在用目標速度M0が、走行連係変速処理を実行すると仮定したときにおける刈取処理装置4の駆動速度Wのうちで最大となる速度W1と同じ速度とする形態で定めるようにしてもよい。
(3)上記実施形態、及び、上述の(2)の別の実施形態においては、指令制御手段32にて指令される速度指標Pがおなじであるときに、穀稈存在用目標速度M1が穀稈非存在用目標速度M0の半分の速度になるようにする場合を例示したが、穀稈存在用目標速度M1が穀稈非存在用目標速度M0の3/4になるようにし、あるいは、1/3にする等、穀稈存在用目標速度M1を稈非存在用目標速度M0よりもどの程度低下させるかは各種変更できるものである。
その他、本発明を実施する上で必要となる各部の構成は各種の構成を用いることができるものである。
2 運転席
4 刈取処理装置
5 脱穀装置
10 エンジン
24 走行変速操作具
25 目標速度検出手段
26 実走行速度検出手段
28 刈取駆動速度検出手段
29 変速操作用のアクチュエータ
30 指令操作具
31 位置検出センサ
32 指令制御手段
35 実行指令手段
G 指令操作域
G1 前側範囲
G2 後側範囲
J 刈取駆動指令手段
K 刈取変速装置
P 速度指標
Q 目標走行速度
S 走行変速装置
Sb 副変速手段
T 中立位置
U 中立操作域
V 走行速度
W 駆動速度
Z 変速制御手段
Claims (9)
- 走行装置の走行速度及び穀稈を引き起こし刈取り処理して脱穀装置に供給する刈取処理装置の駆動速度を変速する変速手段と、
前記走行装置の走行速度を変速すべく前記変速手段を操作する走行変速操作具と、
前記走行装置と一体回転する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出する実走行速度検出手段と、
前記変速手段を操作する変速制御手段とが設けられ、
前記変速制御手段が、
前記実走行速度検出手段の検出情報に基づいて、前記走行装置が停止及び後進するときには前記刈取処理装置を停止し且つ前記走行装置が前進するときには前記刈取処理装置の駆動速度を前記走行装置の走行速度が高速となるほど高速にする関係にて定めた設定関係速度にするように前記変速手段を変速操作する走行連係変速処理を実行するように構成されたコンバインの変速制御装置であって、
前記走行変速操作具にて指令されている目標走行速度を検出する目標走行速度検出手段が設けられ、
前記変速制御手段が、前記実走行速度検出手段にて検出される走行速度が零のときには、前記目標走行速度検出手段の検出情報に基づいて、前記走行変速操作具にて指令されている目標走行速度を走行速度として、前記走行連係変速処理を実行するように構成されているコンバインの変速制御装置。 - 前記走行装置に伝達される出力を高低に変速する変速状態及び中立状態に切換操作自在な副変速手段が設けられ、
前記実走行検出手段が、前記走行装置と一体回転する回転体として、前記副変速手段よりも動力伝達方向下手側に位置する回転体に検出作用して前記走行装置の走行速度を検出するように構成されている請求項1記載のコンバインの変速制御装置。 - 前記刈取処理装置を駆動する駆動指令を指令する駆動指令状態と前記刈取処理装置の駆動指令を解除する解除指令を指令する指令解除状態とに切り換え自在な手動操作式の刈取駆動指令手段が設けられ、
前記変速制御手段が、
前記刈取駆動指令手段にて前記解除指令が指令されている場合には、前記走行連係変速処理を実行し、且つ、前記刈取駆動指令手段にて前記駆動指令が指令されている場合には、前記刈取処理装置を設定目標駆動速度で駆動するように前記変速手段を変速操作する非連係変速処理を実行するように構成されている請求項1又は2記載のコンバインの変速制御装置。 - 前記刈取駆動指令手段が、前記駆動指令状態において、前記刈取処理装置の駆動速度の高低を示す速度指標を指令するように構成され、
前記変速制御手段が、前記非連係変速処理における前記設定目標駆動速度を、前記刈取駆動指令手段にて指令される前記速度指標が高速であるほど高速とする状態で定めるように構成されている請求項3記載のコンバインの変速制御装置。 - 前記刈取駆動指令手段が、復帰付勢された中立位置とその中立位置から離れる側に移動操作自在な指令操作具と、その指令操作具の位置を検出する位置検出センサと、指令制御手段とから構成され、
前記指令制御手段が、前記位置検出センサの検出情報に基づいて、前記指令操作具が前記中立位置側の中立操作域に位置すると、前記解除指令を指令し、かつ、前記指令操作具が前記中立操作域よりも前記中立位置から離れる側の指令操作域に位置すると、前記駆動指令を指令し、加えて、前記指令操作具が前記指令操作域内において前記中立位置から離れる側に位置するほど高速の前記速度指標を指令するように構成されている請求項4記載のコンバインの変速制御装置。 - 前記指令操作具が、運転席の足元部に、前記中立位置としての踏込みを解除された位置に復帰付勢した状態で設けた踏込み操作式の踏込みペダルである請求項5記載のコンバインの変速制御装置。
- 前記指令制御手段が、前記指令操作域内における前記中立位置側となる前側範囲に前記指令操作具が位置するときには、前記速度指標として、設定低速度の速度指標を指令し、前記指令操作域内における前記前側範囲よりも前記中立位置から離れる側の後側範囲に前記指令操作具が位置するときには、前記速度指標として、前記指令操作具が前記中立位置から離れる側に位置するほど、前記設定低速度の速度指標から漸次高速となる速度指標を指令するように構成されている請求項5又は6に記載のコンバインの変速制御装置。
- 前記変速制御手段が、前記非連係変速処理において、前記刈取駆動指令手段の指令に基づいて定めた前記設定目標駆動速度が前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度よりも低いときには、前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度にて前記刈取処理装置を駆動し、且つ、前記刈取駆動指令手段の指令に基づいて定めた前記設定目標駆動速度が前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときの前記刈取処理装置の駆動速度と同じ及びその駆動速度よりも高速のときには、前記設定目標駆動速度にて前記刈取処理装置を駆動すべく、前記変速手段を変速操作するように構成されている請求項3〜7のいずれか1項に記載のコンバインの変速制御装置。
- 前記変速制御手段が、前記走行連係変速処理を実行すると仮定したときにおける前記刈取処理装置の駆動速度のうちで最大となる速度よりも低い速度を最大速度として、前記設定目標駆動速度を定めるように構成されている請求項3〜8のいずれか1項に記載のコンバインの変速制御装置。
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