JP2010071692A - 測定装置及び測定方法 - Google Patents

測定装置及び測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010071692A
JP2010071692A JP2008237027A JP2008237027A JP2010071692A JP 2010071692 A JP2010071692 A JP 2010071692A JP 2008237027 A JP2008237027 A JP 2008237027A JP 2008237027 A JP2008237027 A JP 2008237027A JP 2010071692 A JP2010071692 A JP 2010071692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
subject
ultrasonic
absorption
amplitude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008237027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5183381B2 (ja
Inventor
Takahiro Masumura
考洋 増村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008237027A priority Critical patent/JP5183381B2/ja
Priority to EP09169693A priority patent/EP2163189A1/en
Priority to US12/556,693 priority patent/US8280494B2/en
Publication of JP2010071692A publication Critical patent/JP2010071692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5183381B2 publication Critical patent/JP5183381B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0059Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons using light, e.g. diagnosis by transillumination, diascopy, fluorescence
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0093Detecting, measuring or recording by applying one single type of energy and measuring its conversion into another type of energy
    • A61B5/0097Detecting, measuring or recording by applying one single type of energy and measuring its conversion into another type of energy by applying acoustic waves and detecting light, i.e. acoustooptic measurements
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8965Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using acousto-optical or acousto-electronic conversion techniques
    • G01S15/8968Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using acousto-optical or acousto-electronic conversion techniques using acoustical modulation of a light beam
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

【課題】AOTを利用して被検体の吸収特性及び散乱特性を高精度に測定することができる測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】被検体内部の分光特性をAOTを利用して測定する測定装置は、変調度の超音波の振幅に対する変化率と変調度の超音波の周波数に対する変化率を利用して、被検体の被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出する信号処理部9を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定装置及び測定方法に関する。
生体組織内部の分光特性(又は減衰特性)を測定する手法として、非特許文献1は、音響光学トモグラフィ(AOT:Acousto−Optical Tomography)を提案している。AOTは、生体組織内部にコヒーレント光及び超音波を照射し、超音波照射領域(被測定領域)において、光と超音波の相互作用によって光が変調される効果(音響光学効果)を利用する。超音波は一般的に集束超音波を使用し、超音波の集束領域が被測定領域となる。AOTでは、音響光学効果によって変調を受けた光から得られる交流成分と、変調を受けていない直流成分の双方の信号を測定し、両者の比である変調度を取得し、変調度をマッピングすることによって生体組織内部の吸収散乱情報が得ている。
より具体的には、超音波によって変調された光の自己相関関数は、光路長s[mm]の確率密度関数P(s)と散乱電場Eを用いて以下のように表される。
また、平面超音波が照射された均質媒質をコヒーレント光が伝播しているとき、散乱光の電場の時間τ[sec]における自己相関関数は以下のように表される。
ここで、C、S、Sは次式で表される。
数式4は、超音波による相互作用による影響を示す項であり、数式5はブラウン運動による影響を示す項である。ここで、Dは拡散係数(=1/3μ’)[mm]、nは媒質の屈折率、kは真空中の光の波数[mm−1]、ωは超音波の角周波数(=2πf)、lは平均自由行程(=1/μ)[mm]、l*=l/(1−g)[mm]である。また、Lは媒質の厚さ[mm]、L(=L+2l*γ)は外挿境界間の距離[mm]、z(=l*(1+γ))[mm]、γ=0.7104、τはブラウン運動による1粒子の緩和時間[sec]である。また、次式が成立する。
ここで、η(=(∂n/∂p)ρν )は光弾性係数、kは超音波の波数[mm−1]、ρは密度[kg/mm]、νは音速[mm/sec]、P(x)はj番目のルジャンドル多項式である。f(cosθ)は散乱位相関数、
は、マトリクス
の(0, 0)成分の実部である。散乱位相関数は、例えば、Henyey−Greenstein関数を用いる。
数式11のように数式2で表される自己相関関数をフーリエ変換し、変調度Mを求めると以下のようになる。
但し、Tは超音波の周期[sec]である。以上によって求められた変調度Mが、測定装置で得られるAC信号(I)とDC信号(I)の比と対応する。即ち、変調度Mは変調光Iの信号強度を非変調光Iの信号強度で割ったものである。
その他の従来技術としては特許文献1〜3がある。
米国特許第6738653号明細書 米国特許第6957096号明細書 米国特許第6041248号明細書 Sava Sakadzic and L.V.Wang,"Ultrasonic modulation of multiply scattered coherent light: An analytical model for anisotropically scattering media", Phys. Rev. E66, 026603 (2002)
分光特性(又は減衰特性)は吸収(分光)特性と散乱(分光)特性を含み、光の吸収特性からヘモグロビン、脂肪、コラーゲン、水などの構成要素の量を計算することができるため、吸収特性を取得する需要がある。しかしながら、変調度のままでは吸収と散乱が分離されていないため、吸収特性を正確に評価することができず、従来のAOTでは吸収特性を高精度に取得することができなかった。
そこで、本発明は、AOTを利用して被検体の吸収特性及び散乱特性を高精度に測定することができる測定装置及び方法を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての測定装置は、被検体内部の分光特性を音響光学トモグラフィを利用して測定する測定装置であって、第1の周波数と第1の振幅を有する超音波、第1の周波数と第2の振幅を有する超音波、及び、第2の周波数と第1の振幅を有する超音波を含む少なくとも三種類の超音波と光を前記被検体の被測定領域に照射し、前記被測定領域に照射された光が前記超音波による音響光学効果によって変調された変調光と、非変調光を測定する第1の測定部と、各超音波に対して前記変調光の強度を前記非変調光の強度で割った変調度を算出し、前記変調度の前記超音波の振幅に対する変化率又はそれに対応する量と前記変調度の前記超音波の周波数に対する変化率又はそれに対応する量を利用して、前記被検体の前記被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出する信号処理部と、を有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての測定方法は、被検体内部の分光特性を音響光学トモグラフィを利用して測定する測定方法であって、第1の周波数と第1の振幅を有する超音波、第1の周波数と第2の振幅を有する超音波、及び、第2の周波数と第1の振幅を有する超音波のそれぞれに対して前記被検体の被測定領域に照射して前記被測定領域に照射された光が前記超音波による音響光学効果によって変調された変調光と、非変調光を検出し、検出された結果から前記変調光の強度を前記非変調光の強度で割った変調度を少なくとも3つ算出し、前記変調度の前記超音波の振幅に対する変化率又はそれに対応する量と前記変調度の前記超音波の周波数に対する変化率又はそれに対応する量を利用して、前記被検体の前記被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出することを特徴とする。
本発明によれば、AOTを利用して被検体の吸収特性及び散乱特性を高精度に測定することができる測定装置及び方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1の測定装置のブロック図である。測定装置は、被検体内部の分光特性(吸収散乱特性)を音響光学トモグラフィ(AOT)を利用して測定する測定装置であって、測定部(第1の測定部)と、信号処理部9と、表示部14とを有する。
測定部(第1の測定部)は、少なくとも三種類の超音波と光を被検体7の被測定領域6に照射する。少なくとも三種類の超音波は、周波数f(第1の周波数)と振幅A(第1の振幅)を有する超音波と、周波数fと振幅A(第2の振幅)を有する超音波、及び、周波数fa1(第2の周波数)と振幅Aを有する超音波を含む。そして、測定部は、被測定領域6に照射された光が超音波による音響光学効果によって変調された変調光Iと、非変調光Iを測定する。測定部は、正弦波などの信号を発生する信号発生器1と、光源2と、光ファイバ3と、被検体固定板4と、超音波発振器(超音波トランスデューサアレイ)5と、光検出器8と、を有する。
被検体7は、***などの生体組織であり、吸収散乱体である。被検体7は、被検体固定板4で2方向から軽く抑えて固定された状態にある。被検体固定板4は、光学的に透明であり、被検体7と音響インピーダンスが比較的近いもので構成されている。
光源2はコヒーレンス長が長く(例えば、1m以上)、強度が一定のCW(Continuous Wave光)光を発し、複数の波長の光を発生する光源である。光源の波長は、生体組織を構成する水、脂肪、タンパク質、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、などの吸収スペクトルに応じた波長を選定する。一例としては、生体内部組織の主成分である水の吸収が小さいため光が良く透過し、脂肪、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンのスペクトルに特徴がある600乃至1500nm範囲が適当である。例えば、異なる波長を発生する半導体レーザ、波長可変レーザなどである。
光ファイバ3は光源2から発生した光を被検体7に導く。光ファイバ3の前段に光源2からの光を光ファイバ3の端部に効率良く導光する集光光学系を設けてもよい。被検体7内部に入射した光は、吸収と散乱を繰り返しながら伝播する。
超音波発生器5は、対向にある光検出器8に沿って伝播する平面超音波を発生する。超音波の周波数の範囲は、およそ1から10MHzの範囲である。超音波発生器5は、例えば、リニアアレイ探触子から構成される。超音波発生器5が発生する超音波の周波数及び振幅は信号処理部9で制御可能である。
超音波照射領域6は、超音波発生器5で設定された超音波の周波数と振幅に応じた音場を生成する。この領域内部では、音圧による媒質の密度変化が生じ、媒質の屈折率変化や散乱体の変位が生じる。この領域に光が入射すると、媒質の屈折率変化や散乱体の変位により、光の位相が超音波の周波数で変調される。ここでは、この現象を音響光学効果と呼ぶ。
光検出器8は、超音波照射領域6において音響光学効果により変調された変調光と、超音波照射領域6において変調を受けなかった非変調光及び、超音波照射領域6以外を通過した非変調光を検出する。本実施例の光検出器8は、PMT(Photomultiplier Tube)やAPD(Avalanche Photodiode)などのシングルセンサや、CCD、CMOSなどのマルチセンサも適用可能である。CCDやCMOSを用いて変調度を測定する場合も、本実施例を適用することができる。
図1に示していないが、光ファイバ3と超音波発生器5及び光検出器8は同期して、被検体固定板4の表面を2次元的に走査できる機構をもつ。これらのユニットを被検体7に対して走査することで、被検体7の空間的な測定分布を得ることができる。
信号処理部9は、各超音波に対して変調光Iの強度を非変調光Iの強度で割った変調度Mを算出し、被検体7の被測定領域6の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出する。その際、信号処理部9は、変調度Mの超音波の振幅に対する変化率(超音波振幅変化率)又はそれに対応する量と変調度の超音波の周波数に対する変化率(超音波周波数変化率)又はそれに対応する量を利用する。信号処理部9は、被検体7内部の吸収や散乱についての分光特性に関連する情報を解析し、画像化する処理を行い、信号抽出部10、演算処理部11、画像生成部12及びメモリ13を有する。
信号抽出部10は、フィルタとして機能し、変調光と非変調光を分離する。信号抽出部10には、特定周波数の信号を選択的に検出するバンドパスフィルタ、特定周波数の光を増幅して検出するロックインアンプが適用可能である。例えば、光検出器8にPMTやAPDを用いた場合は、信号抽出部10で変調光Iと非変調光Iをそれぞれ測定し、演算処理部11で変調度M=I/Iを算出する。或いは、CCDやCMOSなどを光検出器8に用いた場合は、出力信号を増幅し、A/D変換を行って演算処理部11にデータを渡す。演算処理部11は、超音波照射時と非照射時のそれぞれのスペックルコントラストから変調度Mを算出する。算出された変調度Mは、メモリ13に保存される。
また、演算処理部11は、分光特性の吸収に寄与した被検体内部の構成要素の濃度及び成分比率を算出する。また、算出されたこれら分光特性に関するデータは全て、超音波が照射された座標データと対応させて、被検体7内部の分光特性の分布データを作成する。
画像生成部12は、演算処理部11で作成した被検体7内の分光特性の分布データから被検体7の三次元的な断層像(画像)を生成する。
メモリ13は、演算処理部11が生成したデータや画像生成部12が生成した分光特性の画像などを記録する。メモリ13は、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク、などのデータ記録装置を用いることができる。
表示部14は、信号処理部9で生成した画像を表示し、液晶ディスプレイ、CRT、有機EL、などの表示デバイスを用いることができる。
図2は、ある1点の超音波照射位置で1波長の光における信号処理部9(の特に演算処理部11)による測定手順(又は算出手順)を示している。図2において、「S」はステップを表している。まず、S100において、信号処理部9は、超音波発生器5を制御して、超音波の周波数fと振幅Aにおいて変調光Iと非変調光Iを測定し、得られた測定結果と数式12変調度Mを算出する。
次に、S101において、信号処理部9は、超音波発生器5を制御して、超音波の振幅をS100で設定したAの近傍で変化させて振幅Aとし、その他の条件は変えずに(即ち、周波数fを維持した状態で)変調光Iと非変調光Iを測定する。そして、信号処理部9は、得られた測定結果と数式12から変調度Mを算出する。振幅Aと異なる振幅Aにおける変調度を少なくとも1つ算出すればよいが、変調度の振幅に対する変化率を精度良く求めるためには、振幅Aの近傍において複数点で変調度の算出を行ったほうがよい。このとき得られた測定データもメモリ13に保存される。
次に、S102において、信号処理部9は、超音波発生器5を制御して、超音波の周波数をS100で設定したfの近傍で変化させて周波数fa1とし、その他の条件は変えずに(即ち、振幅Aを維持した状態で)変調光Iと非変調光Iを測定する。そして、信号処理部9は、得られた測定結果と数式12から変調度Mを算出する。異なる周波数における変調度の測定も少なくとも1点測定すればよいが、変調度の周波数に対する変化率を高精度に求めるために、fの近傍において複数点で変調度の測定を行い、測定結果をメモリ13に保存する。
次に、S103において、信号処理部9は、S101の測定で得られたデータを用いて、変調度Mの超音波の振幅に対する変化率(超音波振幅変化率)∂M/∂Aを算出する。また、信号処理部9は、S102の測定で得られたデータを用いて、変調度Mの超音波の周波数に対する変化率(超音波周波数変化率)∂M/∂fを算出する。なお、これらを実際に算出して保持しなくても数式23〜26に必要な値を代入するだけでもよい。
次に、S104において、信号処理部9は、変調度Mと変調度の超音波振幅と周波数のそれぞれに対する変化率∂M/∂A及び、∂M/∂fを用い、超音波照射領域6における光の吸収特性及び散乱特性を算出する。超音波照射領域6では屈折率が変化するが、屈折率は吸収にも散乱にも直接的には影響しない。また、散乱物質が超音波で振動して変調されるが、この時超音波による変調は主として散乱に依存する。このため、超音波変化率(超音波振幅変化率、超音波周波数変化率)を調べることによって散乱特性のみを抽出することができる。
以下、変調度Mと変調度の超音波振幅と周波数のそれぞれに対する変化率∂M/∂A及び、∂M/∂fを用い、吸収特性及び散乱特性の求め方を以下で示す。
まず、数式1において、確率密度関数p(s)は、光路長sの他に、吸収係数μ[mm−1]、散乱係数μ[mm−1]、異方性パラメータgに依存する関数であるので、p(s,μ,μ,g)と記述する。また、数式1の電場の相関の部分〈E(t)E*(t+τ)〉は、光路長sと時間τの他に、散乱係数μ、異方性パラメータg、超音波の振幅A[nm]、超音波の周波数f[Hz]に依存した関数となるので、h(s,τ,μ,g,A,f)と記述する。従って、数式1は次式のようになる。
数式13をフーリエ変換して0次成分と1次成分の比をとれば変調度Mが得られる。次に、数式13を超音波の振幅Aで微分すると、次式が得られる。
また、数式13を超音波の周波数fで微分すると次式のようになる。
数式13から数式15までの独立の3つの式を用いれば、吸収係数μ、散乱係数μ、異方性パラメータgの3つのパラメータを連立方程式から算出できる。また、吸収特性と散乱特性とを分離するだけで十分な場合も多く、このときは、数式13から数式15までを利用して、吸収係数μと等価散乱係数μ’(=(1−g)μ)[mm−1]を分離して求めればよい。
AOTを実現させる上述の音響光学効果は、超音波照射による屈折率変化と散乱体の変位による光の位相変調が主な物理的要因である。従って、AOTの信号である変調度Mは、散乱特性による影響に敏感であることが予想される。このことから、照射する超音波のパラメータを変更して信号の変化を測定することによって散乱による影響を敏感に捉えることができる。数式13のフーリエ変換から得られる変調度のみの従来の測定に加えて、上述の条件を付加し、これを連立させることによって、AOTにおいて吸収と散乱の分離が比較的容易に可能である。
次に、数式2の自己相関関数から吸収係数と散乱係数を分離する方法について説明する。生体計測や医用診断で用いられる超音波の周波数〜MHz程度であり、診断における超音波照射安全基準以下の超音波振幅(エネルギー)においては、数式2及び3の各ハイパボリックサイン関数を1次で展開して近似することが可能である。また、z<<1よりzの2次以上の項を無視して整理すると次式が得られる。
数式16から明らかなように、超音波による影響を示すSと吸収係数μが和として表現され、それぞれ独立している。従って、数式16の超音波の振幅Aや周波数fによる変化率は、吸収特性に依存せず、散乱特性にのみ依存する項となる。後述するように、数式16の左辺と変調度Mとは相関関係があるため、結局、変調度Mに対する超音波の振幅Aや周波数fによる変化率は、散乱特性のみを反映したものと捉えることができる。
従って、変調度Mの上記変化率を測定することによって散乱特性を求めることができる。散乱特性を求めることができれば、吸収特性についても求めることができる。以下では、このモデルに沿って吸収特性と散乱特性の導出について説明する。ブラウン運動による効果が無視できる測定系においてτ=T/2を代入して整理すると次式のようになる。
数式17をAで微分して整理すると次式が得られる。
数式17と数式18より次式が得られる。
一方、数式6におけるマトリクス
の(0,0)成分は次式のように表すことができる。
上述した超音波周波数と生体組織中での平均自由行程を考慮すれば、数式20は次式のように近似することができる。
数式21を数式17のδの部分に代入したものを、ka=(2π/ν)fの関係を使って整理し、これをfで微分すれば次式が得られる。
数式17、18、22及び21を用いて等価散乱係数μ’、吸収係数μについて解くと次式のようになる。
また、図3に示すように、生体における吸収係数及び散乱係数の範囲内において、超音波の振幅Aが1nm以下では変調度Mと[1−G(T/2)]には比例関係が成り立つ。従って、最終的に変調度Mを用いて数式23と24は次式のように表すことができる。また、∂[1−G(T/2)]/∂Aは∂M/∂Aに対応する量である。同様に、∂[1−G(T/2)]/∂fは∂M/∂fに対応する量である。
但し、CとCは比例定数である。測定する被検体の厚さが十分厚い場合はLをLとしてもよい。数式25及び26より、変調度Mと変調度Mの超音波振幅に対する変化率∂M/∂Aや変調度Mの超音波周波数に対する変化率∂M/∂fから等価散乱係数μ’に比例関係にあるものと、吸収係数μと比例関係にあるものが得られる。前者を被測定領域における散乱特性、後者を被測定領域における吸収特性と呼ぶ。
本実施例では、信号処理部9は、変調度Mの超音波振幅変化率と超音波周波数変化率を算出し、算出結果を利用して被検体7の被測定領域6の散乱特性を算出する。そして、数式24や26に示すように、信号処理部9は、算出された散乱特性を利用して被検体内部の吸収特性を求める。
なお、数式23〜26は、被検体がある形状を採る限り成立するが、複雑な形状を採る場合には更に別の条件を付加する必要がある可能性がある。このため、散乱特性と吸収特性は必ずしも数式23〜26で定義するものに限定されない。
また、超音波の振幅Aが1nm以上であっても、図3から変調度Mと[1−G(T/2)]の関係を多項式などで補正テーブルを用意して、吸収特性・散乱特性を求めることもできる。
このように、本実施例は、従来の変調度Mのみの測定に加えて、変調度Mの超音波振幅に対する変化率∂M/∂Aや変調度Mの超音波周波数に対する変化率∂M/∂fを算出する。そして、数式25及び26の関係を利用することで吸収係数に比例する吸収特性と等価散乱係数に比例する散乱特性を分離して測定している。
なお、特許文献3は、超音波の進行方向の解像度とS/Nを向上させるために超音波周波数をスイープさせて測定を行っているが、本実施例のように変調度に対する超音波周波数の依存性を取得しておらず、吸収と散乱の特性を分離するためのものではない。
以上より、図2のS104では、数式25及び26を用いて、超音波照射領域6の吸収特性と散乱特性を算出する。図2のフローを光源2の波長を変化させて繰り返すことで、吸収と散乱特性に関する分光情報を得ることができる。更に、光ファイバ3や超音波発生器5、光検出器8の位置を走査することで、異なる超音波照射領域6の位置において図2のフローを行って散乱特性と吸収特性の空間的な分布を得ることができる。演算処理部11において、超音波照射領域6の被検体固定板4の面内における位置座標と散乱特性及び吸収特性を対応づけ、このデータを画像生成部12で画像化する。これにより超音波照射領域6内の散乱特性及び吸収特性の2次元的な空間分布が得られ、表示部14に表示する。この散乱特性及び吸収特性は、空間的な分布の中の最大値で規格化してもよいし、或いは等価散乱係数や吸収係数が既知で校正されたものを事前に測定し、これに基づいて規格化して表示することもできる。
また、複数の波長を用いて得られた吸収特性から、被検体7を構成する主要成分、例えば、酸化ヘモグロビン・還元ヘモグロビン・水・脂肪・コラーゲンなどの濃度や、ヘモグロビンの代謝などの機能情報を演算処理部11で求める。これら機能情報を上述したのと同様に超音波照射領域6の位置の座標と対応させてマッピングし、これを画像生成部12で画像化して画像データを生成し、表示部14で画像データを表示する。
また、被検体7の散乱特性はほぼ一様と見なせ、吸収特性や或いは上述の構成成分の比率等の内部分布のみに着目し可視化する場合には数式25で得られる散乱特性は、吸収特性を算出するための内部パラメータとして処理する。このとき表示部14には吸収特性や或いは構成成分の比率等の空間分布を表示する。
本実施例では、2次元的に超音波照射領域で特定された高解像度でかつ高精度に吸収特性と散乱特性が分離され、構成成分比率や機能情報を精度よく測定することができる。
図4は、実施例2の測定装置のブロック図である。信号処理部9及び表示部14は実施例1と同じである。本実施例では、被検体7は容器17に収められ、これらの間を光の屈折率や散乱係数及び、超音波の音響特性が被検体7とほぼ同等とみなせる、特性が既知で均一の媒質(マッチング材16)で満たされる。超音波集束機構を備え、被検体内部の超音波集束領域15に集束する。超音波集束領域15がAOTの被測定領域となる。
図5は、図4に示す容器17の横断面図である。図5では、単純化のため、ある断面において容器17に被検体7が充填された状態を示しており、被検体7の外表面である表層7aは容器17の外面と一致している。もちろん、被検体7と容器17との間にマッチング材16が配置されてもよい。15は被検体7に同心円状に設定された被測定領域であり、分光特性を求めたい黒丸の被検部位を含む。本実施例では、図5に示すように、超音波集束領域15の位置を容器17内部で順次走査して測定する。これにより、容器17の内部の全領域を超音波集束領域15が3次元的に網羅することができる。超音波集束領域15の位置に応じて光ファイバ3の光入射位置と光検出器8の検出位置は移動可能に構成されている。両者は、図5に示すように、後方散乱光を測定する反射型測定系であり、超音波集束領域15の位置が容器17の中心になるに従って、光ファイバ3と光検出器8の間の距離を広げている。
このようにして容器17内部を超音波集束領域15で分割したすべての被測定領域において、図2のフローのS100からS102までを実施し、それぞれの測定した変調度をメモリ13に保存する。このとき超音波集束領域15の位置座標、及び超音波照射条件などの測定条件も含めてメモリ13に記憶する。全ての被測定領域においてデータを測定し終わると、演算処理部11にてデータを解析する。
本実施例では、図5に示すように、超音波集束領域15で生じる変調度Mは、光ファイバ3から超音波集束領域15までの光の伝播経路上の吸収と散乱による影響と、超音波集束領域15から光検出器8までの光の伝播経路上の同様の影響に依存する。例えば、超音波集束領域15から光検出器8までの間に吸収が大きい物体が存在すると、測定される変調度Mは小さく測定される。従って、変調度Mを測定するにはこのようなクロストークの影響を考慮する必要がある。
一方、変調度Mの超音波周波数変化率と超音波振幅変化率は、超音波集束領域15における局所的な領域のみに生じ、光ファイバ3から超音波集束領域15まで、或いは超音波集束領域15から光検出器8までの伝播経路による影響とは無関係である。測定される変調度Mはクロストークの影響を受けて変動するが、変調度Mの超音波周波数変化率と超音波振幅変化率はクロストークの影響を受けずに保存される。これを利用して、例えば、数式25から明らかなように、散乱特性を算出する際には、変調度Mの超音波周波数変化率と超音波振幅変化率を用いるので、クロストークの影響を考慮しなくても散乱特性の相対的な分布を求めることができる。
以上のような考え方に基づき、演算処理部11で、メモリ13から測定データ及び測定条件を読み出し、変調度Mの超音波周波数変化率と超音波振幅変化率を算出する。この値を用いて数式25から散乱特性を算出する。この散乱特性を超音波集束領域15の位置の座標と対応させて、容器17内部の散乱特性をマッピングする。画像生成部12でこのマッピングの結果を画像化して画像データを生成して表示部14で画像データを表示させる。
また、散乱特性が均質で既知であるマッチング材16で予め数式25の比例定数などのパラメータを校正して散乱係数を求めることができる。
なお、測定系を反射型でなく、被検体を透過した光を検出する透過型の測定系であってもよい。
本実施例では、被検体7の散乱特性の分布を精度よく、超音波集束領域15で設定された空間解像度で求めることができる。
実施例3は、実施例2と同じ図4に示す測定装置を使用、実施例2と同様に散乱特性を算出するだけでなく吸収特性も算出する。即ち、実施例3の測定装置は、実施例2と同様に、超音波集束領域15の位置を容器17内部で順次走査して測定し、容器17の内部の全領域を超音波集束領域15が3次元的に網羅するように設定して測定を行う。超音波集束領域15の位置に応じて、光ファイバ3の光入射位置と光検出器8の検出位置は移動可能に構成されていて、両者は、実施例2と同じく、後方散乱光を測定する反射型測定系になっている。超音波集束領域15の位置が容器17の中心になるに従って、光ファイバ3と光検出器8の間の距離を広げる。
まず、実施例2と同じ方法によって、容器17内の超音波集束領域15で設定された被測定領域全てにおいて図2に示すS100からS102までのステップを実行する。次に実施例2と同様にして、被測定領域全てに対して散乱特性を算出する。このデータを超音波集束領域15の位置座標と対応させてメモリ13内部に格納する。実施例2と同じように、特性が既知で均質であるマッチング材16を測定して、予め数式25及び26における比例定数などのパラメータを校正する。
次に、演算処理部11において、メモリ13から容器17の最外周領域の測定データ、変調度Mと変調度Mの超音波振幅変化率∂M/∂A、及び上で述べた散乱特性の測定値を読み出す。これらの値を使って、数式26より吸収特性を算出する。これを図5で示す容器17の断面図の最外周領域全てについて実行し、最外周領域の吸収特性及び散乱特性を求める。この際、数式24及び26を参照すると理解されるように、吸収特性の式にはM又は[1−G(T/2)]を含んでおり、クロストークの影響を受けることになる。本実施例は、被測定領域の吸収特性を帰納的に算出する。
容器17の最外周領域より内側のデータの解析は、図6に示すフローを用いて実行する。まず、図7のように、S200で解析のターゲットとなっている被解析領域(測定時の超音波集束領域15に対応)に隣接する最外周領域の吸収特性を読み出し、これを被解析領域の吸収特性と仮定する。
S201で、S200で仮定した吸収特性と既に測定によって求められている散乱特性とを用いて、数式2〜12で算出される予想変調度M’を算出する。このとき、被解析領域と光検出器8との間の伝播領域については、例えば、モンテカルロシミュレーションや輸送方程式、拡散方程式などを用いて伝播による効果を考慮したうえで、予想変調度M’を算出する。
S202において、測定された変調度M(実測値)とS201で算出した予想変調度M’(予想値)との差分ΔMを算出する。変調度Mの超音波振幅変化率は伝播経路の影響を受けないので、S202で算出されたΔMは数式27に示すように、吸収特性に寄与する。
数式27で得られた吸収特性の差分を数式28のように順次修正し、被解析領域の吸収特性を求める。
以上のように、S200からS204までのフローを繰り返し、容器17内の最外周領域から中心に向かって帰納的に吸収特性を算出する。全測定データを読み出し、上記フローの解析が終了するまで続ける。
得られた吸収特性及び散乱特性を実施例2と同様に、位置座標に合わせてマッピングすることで、容器17内部の被検体7の吸収特性及び散乱特性の分布を3次元データとして得ることができる。また、吸収特性については、実施例1のように、吸収特性の波長依存性から、被検体7を構成する主要成分や代謝などの機能情報を求めたものをマッピングすることもできる。
図8は実施例4の測定装置のブロック図である。本実施例では、2つの測定部を有し、その一つの測定部(第2の測定部)は、被検体7の分光特性を拡散光トモグラフィ(DOT:Diffused Optical Tomography)を利用して測定する。DOTを用いた測定部は、可視から近赤外帯域の光を用いて生体組織内部の分光特性を測定し、生体組織内部の分光特性や主要構成成分、或いは代謝情報などの空間分布を画像化する。
信号発生器1は、周波数fの正弦波信号を発生する。信号発生器1が発生する正弦波信号は光源2を駆動するのに使用する。一般に生体計測においては、数十〜数百MHzの正弦波で強度変調する。光源2は実施例1などで述べたものを用いる。
光源2からは周波数fの強度変調光として放射され、光ファイバ3に導かれる。光ファイバ3は容器17の側面に接続され、容器17と光ファイバ3との間に切替器18が配置されている。
切替器18は、シャッターなどの開閉機構の機能を備え、n本のファイバのうち1本の光ファイバ3に光源2からの光を入射させ、残りのn−1本の光ファイバ3への光源2からの光を遮光する。n−1本の光ファイバ3は、容器17の側面から放射される、被検体7やマッチング材16を通過した拡散光を光検出器8にそれぞれ導く。切替器18は、光源2からの光を容器17に導く光ファイバ3から光検出器8への光路を遮光する。光源2からの光を容器17へと導く1本の光ファイバ3と容器17からの拡散光を光検出器8へと導くn−1本の光ファイバ3は排他的である。
光検出器8で検出された信号は信号抽出部10に伝達される。信号抽出部10は、信号発生器1から送られた信号を参照信号とし、参照信号と光検出器8で検出された信号とを比較して、変調信号の振幅と位相を測定する。これをn−1本の全ての信号に対して行う。
信号抽出部10で算出された振幅と位相のデータはメモリ13で保存する。同時に、光源として使用した光ファイバなどの測定条件もメモリ13に保存する。これをn本のファイバそれぞれが光源になるように測定をn回繰り返し、全ての測定データをメモリ13に保存する。第1の測定部が取得したデータを第2の測定データと呼ぶ。
光ファイバ3は容器17の側面に3次元的に配置されていてもよいし、2次元的に光ファイバ3が配置されたモジュールを容器17の側面に沿って、上下方向に走査することで3次元データを取得してもよい。
本実施例は、DOTの測定方法の一例を説明しているが、本発明はこれに限定されず、時間分解法を用いた測定法を使用してもよい。
もう一つの測定部(第1の測定部)は、被検体7の分光測定をAOTを利用して測定する。光源2から連続光を射出させる。前述と同様に光源2からの光は光ファイバ3に導かれ、切替器18により、1本の光ファイバ3を光源として選択する。選択された光ファイバ3を通して光源2からの光は、容器17の側面から入射される。
信号発生器1は超音波発生器5を駆動する。超音波発生器5は超音波集束機構を備えている。
光検出器8は、超音波集束領域15を通過し、超音波によって変調された変調光と、超音波の変調を受けていない非変調光とを同時に検出する。信号抽出部10では、実施例1と同様にして変調度Mを測定する。
第1の測定部では、図3のフローに従い、超音波集束領域15の吸収特性及び散乱特性を算出する。容器17内の少なくとも1つ以上の任意の位置に被測定領域である超音波集束領域15を設定し、吸収特性及び散乱特性を測定行する。第1の測定部でこのようにして得られたデータを第1の測定データと呼ぶ。第1の測定データも第2の測定データと同様に、測定条件と合わせてメモリ13に保存される。
第1の測定部と第2の測定部での測定が終了すると、演算処理部11でメモリ13から読み出し、画像再構成を行う。
画像再構成は第2の測定データを用いて、一般的に知られて手法、例えば拡散方程式に基づくモデルや、モンテカルロシミュレーションによる光伝播をモデル化したもの、輸送方程式を用いたものなどを利用する。
本実施例は、被検体内部の分光特性の分布を仮定し、当該仮定から得られる分光特性の予想値と第2の測定部による測定結果との差が許容範囲になるように前記仮定を変更している。この仮定を変更して最適解を得るステップにおいて、第1の測定データは、被測定領域の局所的な吸収特性及び散乱特性を表すものであり、第2の測定データを用いて画像再構成するときの、局所的な位置での解として用いる。或いは、初期条件として利用する。
第1の測定データを上記のように画像再構成を行う際の条件として使用することで、DOTの課題である不良設定問題(ill−posed problem)における解の自由度を制限することができる。これにより、高解像度に被検体7の吸収特性及び散乱特性や、或いは主要成分や代謝などの機能情報の分布を測定することができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
実施例1の測定装置のブロック図である。 図1に示す信号処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 振幅とM/{1−G(T/2)}の関係を示すグラフである。 実施例2の測定装置のブロック図である。 図4に示す容器の断面図である。 実施例3の測定装置の信号処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図5の超音波集束領域と光検出器との間を伝播する光の伝播経路とそこに配置された被解析領域を示す概略平面図である 実施例4の測定装置のブロック図である。
符号の説明
2 光源
5 超音波発生器
6 超音波照射領域(被測定領域)
9 信号処理部
11 演算処理部
14 表示部
15 超音波集束領域(被測定領域、被解析領域)

Claims (8)

  1. 被検体内部の分光特性を音響光学トモグラフィを利用して測定する測定装置であって、
    第1の周波数と第1の振幅を有する超音波、第1の周波数と第2の振幅を有する超音波、及び、第2の周波数と第1の振幅を有する超音波を含む少なくとも三種類の超音波と光を前記被検体の被測定領域に照射し、前記被測定領域に照射された光が前記超音波による音響光学効果によって変調された変調光と、非変調光を測定する第1の測定部と、
    各超音波に対して前記変調光の強度を前記非変調光の強度で割った変調度を算出し、前記変調度の前記超音波の振幅に対する変化率又はそれに対応する量と前記変調度の前記超音波の周波数に対する変化率又はそれに対応する量を利用して、前記被検体の前記被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出する信号処理部と、
    を有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記信号処理部は、前記変調度の前記超音波の振幅に対する変化率と前記変調度の前記超音波の周波数に対する変化率を算出し、算出結果を利用して前記被検体の前記被測定領域の前記散乱特性を算出することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記信号処理部は、算出された前記散乱特性を利用して前記被検体内部の吸収特性を求めることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記信号処理部は前記吸収特性を算出し、算出された前記吸収特性から、吸収に寄与した前記被検体内部の構成要素の濃度及び成分比率を算出することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  5. 前記信号処理部は、前記被測定領域の座標と前記被検体の前記被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を対応させてマッピングし、マッピングの結果を画像化して画像データを生成し、
    前記測定装置は、前記画像データを表示する表示部を更に有する請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の測定装置。
  6. 前記信号処理部は、前記被検体の表層に最も近い領域において前記散乱特性と前記吸収特性を算出し、前記被検体の前記領域における前記散乱特性及び前記吸収特性を利用して前記被測定領域から検出位置までの光の伝播経路にある前記被測定領域の前記吸収特性及び前記散乱特性を前記検出位置から前記被測定領域に向かって順次修正することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  7. 前記被検体の分光特性を拡散光トモグラフィを利用して測定する第2の測定部を更に有し、
    前記信号処理部は、前記被検体内部の前記吸収特性と前記散乱特性の分布を仮定し、当該仮定から得られる第2の測定部による測定の予想値と実測値との差が許容範囲になるように前記仮定を変更して画像再構成を行い、
    当該信号処理部は、前記第1の測定部による測定結果から取得した前記吸収特性と前記散乱特性の少なくとも一方を前記画像再構成の初期条件、又は、局所的な位置での解に利用することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  8. 被検体内部の分光特性を音響光学トモグラフィを利用して測定する測定方法であって、
    第1の周波数と第1の振幅を有する超音波、第1の周波数と第2の振幅を有する超音波、及び、第2の周波数と第1の振幅を有する超音波のそれぞれに対して前記被検体の被測定領域に照射して前記被測定領域に照射された光が前記超音波による音響光学効果によって変調された変調光と、非変調光を検出し、
    検出された結果から前記変調光の強度を前記非変調光の強度で割った変調度を少なくとも3つ算出し、前記変調度の前記超音波の振幅に対する変化率又はそれに対応する量と前記変調度の前記超音波の周波数に対する変化率又はそれに対応する量を利用して、前記被検体の前記被測定領域の散乱特性と吸収特性の少なくとも一方を算出することを特徴とする測定方法。
JP2008237027A 2008-09-16 2008-09-16 測定装置及び測定方法 Expired - Fee Related JP5183381B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237027A JP5183381B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 測定装置及び測定方法
EP09169693A EP2163189A1 (en) 2008-09-16 2009-09-08 Measurement apparatus and measurement method
US12/556,693 US8280494B2 (en) 2008-09-16 2009-09-10 Apparatus and method to measure a spectroscopic characteristic in an object

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237027A JP5183381B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 測定装置及び測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010071692A true JP2010071692A (ja) 2010-04-02
JP5183381B2 JP5183381B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41268387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008237027A Expired - Fee Related JP5183381B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 測定装置及び測定方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8280494B2 (ja)
EP (1) EP2163189A1 (ja)
JP (1) JP5183381B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102645407A (zh) * 2011-02-17 2012-08-22 爱科来株式会社 太赫兹波的特性测量方法和装置、物质检测方法和装置
JP2013253972A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 National Taiwan Univ 関心ある標的の検出のためのセンサー
WO2014174800A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 音響光学撮像装置
JP2018510674A (ja) * 2015-02-05 2018-04-19 オル−ニム メディカル エルティーディー.Or−Nim Medical Ltd. 対象の状態を非侵襲的に監視する方法およびシステム
JP2019007802A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 株式会社東芝 光学検査装置及び光学検査方法
CN113226624A (zh) * 2018-11-22 2021-08-06 普雷茨特两合公司 用于激光加工的方法和用于执行该方法的激光加工***

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011004790A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Canon Inc 光音響計測装置
KR101626072B1 (ko) * 2009-11-13 2016-06-13 삼성전자주식회사 영상 보정 장치 및 영상 보정 방법
US20140031684A1 (en) * 2012-07-30 2014-01-30 Lidror Troyansky System for transcranial ultrasound imaging
JP2016217860A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 キヤノン株式会社 制御装置、測定装置、制御方法、プログラム、記憶媒体
US20180217051A1 (en) * 2015-06-02 2018-08-02 Centre National De La Recherche Scientifique - Cnrs Acoustic-optical imaging methods and systems
US10299682B1 (en) 2017-11-22 2019-05-28 Hi Llc Pulsed ultrasound modulated optical tomography with increased optical/ultrasound pulse ratio
JP2021510466A (ja) * 2017-11-22 2021-04-22 テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル) 無線通信システムにおける無線リソース管理
US10016137B1 (en) 2017-11-22 2018-07-10 Hi Llc System and method for simultaneously detecting phase modulated optical signals
US10368752B1 (en) 2018-03-08 2019-08-06 Hi Llc Devices and methods to convert conventional imagers into lock-in cameras
US11206985B2 (en) 2018-04-13 2021-12-28 Hi Llc Non-invasive optical detection systems and methods in highly scattering medium
US11857316B2 (en) 2018-05-07 2024-01-02 Hi Llc Non-invasive optical detection system and method
US10857394B2 (en) * 2018-07-26 2020-12-08 Carnegie Mellon University Reconfigurable ultrasonically sculpted optical beam paths
CN110186387A (zh) * 2019-06-04 2019-08-30 浙江舜宇光学有限公司 深度的检测方法、装置和***
GB2596564B (en) * 2020-07-01 2023-02-01 Comind Tech Limited Acousto-optic apparatus and methods

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05228154A (ja) * 1991-08-29 1993-09-07 Siemens Ag 対象物の検査のための組織光学的測定装置
JP2000088743A (ja) * 1998-09-17 2000-03-31 Aloka Co Ltd 光計測装置
JP2000197635A (ja) * 1998-12-07 2000-07-18 General Electric Co <Ge> 一塊の組織の内部の特性を検出する方法及びシステム
JP2001145628A (ja) * 1999-11-19 2001-05-29 Aloka Co Ltd 音波計測装置
JP2004506467A (ja) * 2000-08-24 2004-03-04 グルコン インク 光音響を調べること及びイメージングシステム
WO2007009426A1 (de) * 2005-07-19 2007-01-25 Nirlus Engineering Ag Verfahren zur in vivo gewebeklassifizierung
JP2007216001A (ja) * 2006-01-20 2007-08-30 Olympus Medical Systems Corp 被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法
JP2008304439A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Olympus Medical Systems Corp 被検体情報分析装置
JP2009066125A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定装置
JP2009068977A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定装置
JP2009068962A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定方法及び測定装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6041248A (en) 1997-05-07 2000-03-21 The Texas A&M University System Method and apparatus for frequency encoded ultrasound-modulated optical tomography of dense turbid media
IL129398A (en) 1999-04-12 2005-05-17 Israel Atomic Energy Comm Metabolism monitoring or body organs
IL137447A (en) * 2000-07-23 2007-03-08 Israel Atomic Energy Comm Apparatus and method for probing light absorbing agents in biological tissues
IL141135A0 (en) 2001-01-28 2002-02-10 Israel Atomic Energy Comm Method for imaging in a turbid medium
US20050085725A1 (en) * 2001-08-09 2005-04-21 Ron Nagar Photoacoustic assay and imaging system
JP2009066110A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定装置
JP5219440B2 (ja) * 2007-09-12 2013-06-26 キヤノン株式会社 測定装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05228154A (ja) * 1991-08-29 1993-09-07 Siemens Ag 対象物の検査のための組織光学的測定装置
JP2000088743A (ja) * 1998-09-17 2000-03-31 Aloka Co Ltd 光計測装置
JP2000197635A (ja) * 1998-12-07 2000-07-18 General Electric Co <Ge> 一塊の組織の内部の特性を検出する方法及びシステム
JP2001145628A (ja) * 1999-11-19 2001-05-29 Aloka Co Ltd 音波計測装置
JP2004506467A (ja) * 2000-08-24 2004-03-04 グルコン インク 光音響を調べること及びイメージングシステム
WO2007009426A1 (de) * 2005-07-19 2007-01-25 Nirlus Engineering Ag Verfahren zur in vivo gewebeklassifizierung
JP2009501581A (ja) * 2005-07-19 2009-01-22 ニルラス・エンジニアリング・アクチエンゲゼルシャフト 生体内での組織分類方法
JP2007216001A (ja) * 2006-01-20 2007-08-30 Olympus Medical Systems Corp 被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法
JP2008304439A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Olympus Medical Systems Corp 被検体情報分析装置
JP2009066125A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定装置
JP2009068977A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定装置
JP2009068962A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 測定方法及び測定装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102645407A (zh) * 2011-02-17 2012-08-22 爱科来株式会社 太赫兹波的特性测量方法和装置、物质检测方法和装置
JP2013253972A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 National Taiwan Univ 関心ある標的の検出のためのセンサー
WO2014174800A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 音響光学撮像装置
JP2018510674A (ja) * 2015-02-05 2018-04-19 オル−ニム メディカル エルティーディー.Or−Nim Medical Ltd. 対象の状態を非侵襲的に監視する方法およびシステム
JP2019007802A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 株式会社東芝 光学検査装置及び光学検査方法
CN113226624A (zh) * 2018-11-22 2021-08-06 普雷茨特两合公司 用于激光加工的方法和用于执行该方法的激光加工***

Also Published As

Publication number Publication date
US8280494B2 (en) 2012-10-02
US20100069750A1 (en) 2010-03-18
JP5183381B2 (ja) 2013-04-17
EP2163189A1 (en) 2010-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5183381B2 (ja) 測定装置及び測定方法
JP5235586B2 (ja) 生体情報処理装置及び生体情報処理方法
JP5201920B2 (ja) 測定装置
JP5541662B2 (ja) 被検体情報取得装置およびその制御方法
JP5219440B2 (ja) 測定装置
JP5197779B2 (ja) 生体情報イメージング装置、生体情報の解析方法、及び生体情報のイメージング方法
US9833187B2 (en) Detection, diagnosis and monitoring of osteoporosis by a photo-acoustic method
US20100073674A1 (en) Measurement apparatus and measurement method
US20140196544A1 (en) Object information acquiring apparatus
CN106560160A (zh) 被检体信息获取装置及其控制方法
JP2010088627A (ja) 生体情報処理装置および生体情報処理方法
US10226181B2 (en) Object information acquiring apparatus and display method
JP2016217860A (ja) 制御装置、測定装置、制御方法、プログラム、記憶媒体
JP6461288B2 (ja) 生体情報イメージング装置、生体情報の解析方法、及び生体情報のイメージング方法
JP5183406B2 (ja) 生体情報処理装置及び生体情報処理方法
JP2015217012A (ja) ***計測方法及び計測装置
JP5575293B2 (ja) 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法
JP2009232876A (ja) 生体検査用プローブ及び生体検査装置
Thompson Interpretation and medical application of laser biospeckle
JP2010183929A (ja) 測定装置及び測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees