JP2010071186A - 内燃機関制御装置および内燃機関制御システム - Google Patents

内燃機関制御装置および内燃機関制御システム

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Abstract

【課題】EGRクーラに堆積した異物を内燃機関の運転中に除去することを図った内燃機関制御装置を提供する。
【解決手段】EGRガスを冷却するEGRクーラと、EGRクーラを流れるEGRガスの流量を調整するEGRバルブ(流量調整バルブ)と、を備える内燃機関に適用され、EGRクーラの内部に所定量以上のPM(異物)が堆積した異物堆積状態であると判定された場合(S10:YES)に、EGRクーラを流れるEGRガスによりPM(異物)を除去するようEGRバルブの作動を制御する(S40)。具体的には、EGRバルブ(流量調整バルブ)を一旦全閉状態にしてから全開状態にすることで、EGRガスをEGRクーラへ一気に流してPMを除去する。或いは、EGRバルブを所定周期で繰り返し開閉させることでEGRガスに圧力脈動を生じさせ、その圧力脈動によりPMを除去する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、EGRガスを冷却するEGRクーラを備えた内燃機関の制御装置に関する。
従来より、内燃機関から排出される排ガスの一部をEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスとして内燃機関の吸気系に再循環させることで、燃焼温度を低下させて排ガス中のNOX低減を図ったEGRシステムが知られている。
ここで、排ガスは高温であるため、排ガスをEGRガスとしてそのまま吸気系に流入させると吸気温度が上昇し、燃焼室に吸入できる質量流量が低下して吸気効率が低下することが懸念される。そこで、EGRガスと熱交換して冷却するEGRクーラを設けることで、吸気効率低下の抑制を図ることが一般的である(特許文献1等参照)。
特開昭54−23825号公報
しかしながら、内燃機関の運転時間が長くなるにつれて、排ガス中に含まれるPM(particulate matters(微粒子))等の異物がEGRクーラの内部流路に付着して堆積していく。すると、その内部流路がPMで閉塞されることにより圧力損失の増加を招き、EGRガスの流量が減少するとの問題が生じる。また、内部流路の表面全体に断熱効果を有するPMが付着することで、EGRガスからEGRクーラへの熱移動量が減少してしまい、EGRクーラによる冷却効率が低下するとの問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、EGRクーラに堆積した異物を内燃機関の運転中に除去することを図った内燃機関制御装置及び内燃機関制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、内燃機関から排出される排ガスの一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気系へ再循環させるEGR配管と、前記EGR配管に設けられEGRガスと熱交換して冷却するEGRクーラと、前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量を調整するよう前記EGR配管の流路面積を可変制御する流量調整バルブと、を備える内燃機関に適用され、
前記EGRクーラの内部に所定量以上の異物が堆積した異物堆積状態であるか否かを判定する堆積判定手段と、前記異物堆積状態であると判定された場合に、前記EGRクーラを流れるEGRガスにより前記異物を除去するよう前記流量調整バルブの作動を制御する異物除去制御手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、EGRクーラの内部に所定量以上の異物が堆積すると、その異物は、流量調整バルブの作動によりEGRクーラを流れるEGRガスにより除去されることとなるので、EGRクーラに堆積した異物を内燃機関の運転中に除去することを容易に実現でき、先述したEGRガスの流量減少の問題、及びEGRクーラの冷却効率低下の問題を解消できる。
請求項2記載の発明では、前記流量調整バルブは、前記吸気系へ再循環させるEGRガスの循環流量を調整する循環流量調整バルブであることを特徴とする。また、請求項3記載の発明では、前記流量調整バルブは、前記吸気系へ再循環させるEGRガスの温度を調整するよう、前記EGRガスを前記EGRクーラへ流通させる流量とバイパス配管により迂回させる流量との割合を調整する流通割合調整バルブであることを特徴とする。
これらの発明によれば、既存の循環流量調整バルブ又は既存の流通割合調整バルブを用いて、異物を除去するようEGRガスの流れを制御することができるので、異物除去に要する部品点数の増大を抑制できる。
請求項4記載の発明では、前記異物除去制御手段は、EGRガスを所定周期で断続的に流通させるよう前記流量調整バルブを繰り返し開閉させることで、EGRガスに圧力脈動を生じさせることを特徴とする。
これによれば、EGRガスの圧力脈動によりEGRクーラに堆積した異物が除去されることとなり、EGRガスで異物を除去することを容易に実現できる。
ここで、内燃機関の燃焼サイクルに同期して、つまり内燃機関の出力軸(例えばクランク軸)の回転速度に同期して排ガスには脈動が生じている。この排ガス脈動を利用してEGRガスの圧力脈動増大を図ったのが請求項5記載の発明であり、前記異物除去制御手段は、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じて前記流量調整バルブの開閉周期を変更することを特徴とする。
これによれば、例えば、排ガス圧力が低い時に流量調整バルブを閉弁し、排ガス圧力が高い時に流量調整バルブを開弁するよう、出力軸の回転速度に応じて流量調整バルブの開閉周期を変更すれば、EGRガスの圧力脈動を増大させることができる。よって、EGRガスで異物を除去することを、より一層確実にできる。
請求項6記載の発明では、前記異物除去制御手段は、前記流量調整バルブを開き側へ制御することで、EGRガスの瞬時流量を増大させることを特徴とする。 これによれば、流量調整バルブを開き側へ制御することで、EGRガスがEGRクーラへ一気に流れてEGRガスの瞬時流量が増大することとなる。つまり、EGRガスをEGRクーラへ一気に流す(瞬時流量を増大させる)ことによりEGRクーラに堆積した異物が除去されることとなり、EGRガスで異物を除去することを容易に実現できる。
なお、上述の如く流量調整バルブを開き側へ制御するにあたり、全開状態になるまで開き側へ制御することが望ましい。また、開き側へ制御するに先立ち、前記流量調整バルブを一旦閉じ側へ制御してから開き側へ制御することが望ましい。さらには、閉じ側へ制御するにあたり、全閉状態になるまで閉じ側へ制御することが望ましい。そして、例えば一旦全閉状態にしてから全開状態にすれば、流量調整バルブを一旦全閉状態にすることでEGRガスが堰き止められ、その後、全開状態にした時に、堰き止められたEGRガスがEGRクーラへ一気に流れてEGRガスの瞬時流量をより一層増大させることができる。
請求項7記載の発明では、前記異物除去制御手段は、開き側へ制御する時の前記流量調整バルブの作動速度を、閉じ側へ制御する時よりも速くすることを特徴とする。さらに請求項8記載の発明では、前記異物除去制御手段は、開き側へ制御する時の前記流量調整バルブの作動速度を、前記流量調整バルブの能力最大速度にすることを特徴とする。
これらの発明によれば、堰き止められたEGRガスがEGRクーラへ一気に流れる時の瞬時流量を増大させることができるので、EGRガスで異物を除去することを、より一層確実にできる。
請求項9記載の発明では、前記異物除去制御手段による制御の実行に先立って、前記EGRクーラの前後差圧を増大させるよう前記内燃機関の運転状態を制御する差圧増大制御手段を備えることを特徴とする。
これによれば、EGRクーラの前後差圧を増大させた状態で異物除去制御手段による制御を実行するので、EGRガスで異物を除去することを、より一層確実にできる。例えば、先述したEGRガスの圧力脈動により異物を除去する場合においては、EGRクーラの前後差圧増大によりEGRガスの圧力脈動が増大されるので、異物が除去され易くなる。また、先述したEGRガスの瞬時流量増大により異物を除去する場合においては、EGRクーラの前後差圧増大によりEGRガスの瞬時流量が増大されるので、異物が除去され易くなる。
請求項10記載の発明では、前記差圧増大制御手段は、電動スロットルバルブの開度を小さくするよう制御することで、前記EGRクーラの下流側の圧力である吸気圧を低下させることを特徴とする。また、請求項11記載の発明では、前記差圧増大制御手段は、回転駆動力への変換割合を増大させるよう過給機の容量可変装置を制御することで、前記EGRクーラの上流側の圧力である排気圧を上昇させることを特徴とする。
これらの発明によれば、既存の電動スロットルバルブ又は既存の過給機の容量可変装置を用いて、EGRクーラの前後差圧を増大させることができるので、このような前後差圧増大に要する部品点数の増大を抑制できる。
ここで、異物を除去するよう流量調整バルブの作動を制御した時には、EGRガスを吸気系へ再循環させることによる排ガス中のNOX低減を十分に図れなくなる等、エミッションの悪化が懸念される。この懸念に対し請求項12記載の発明では、前記内燃機関の燃焼に供する燃料の噴射を停止させながら前記内燃機関を運転させる燃料噴射カット時に、前記異物除去制御手段による制御を実行することを特徴とする。
これによれば、異物除去制御手段による制御を燃料噴射カット時に実行するので、異物を除去するよう流量調整バルブの作動を制御することによる上記エミッション悪化の懸念を解消できる。
ところで、EGRクーラへの異物堆積が進行するに伴いEGRクーラの前後差圧が大きくなる。また、車両の走行距離や内燃機関の運転時間が長くなるにつれEGRクーラへの異物堆積は進行していく。つまり、EGRクーラの前後差圧、車両の走行距離及び内燃機関の運転時間は、EGRクーラへの異物の堆積量と相関が高い。この点に鑑みた請求項13記載の発明では、前記堆積判定手段は、前記EGRクーラの前後差圧が規定差圧より大きくなった場合、前記内燃機関が搭載された車両の走行距離が規定距離より長くなった場合、又は前記内燃機関の運転時間が規定時間より長くなった場合に、前記異物堆積状態であると判定することを特徴とする。そのため、EGRクーラの内部に所定量以上の異物が堆積した異物堆積状態であるか否かを、容易に判定することができる。
請求項14記載の発明は、上記内燃機関制御装置と、前記EGR配管、前記EGRクーラ及び前記流量調整バルブの少なくとも1つと、を備えることを特徴とする内燃機関制御システムである。この内燃機関制御システムによれば、上述の各種効果を同様に発揮することができる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
先ず、本実施形態にかかる内燃機関制御装置が搭載されるエンジン(内燃機関)の概略について、簡単に説明する。本実施形態では、4輪自動車用ディーゼルエンジンを対象にしており、燃焼室に直接的に高圧燃料(例えば噴射圧力「1000気圧」以上の軽油)を噴射供給(直噴供給)する方式のエンジンである。また、当該エンジンは、多気筒(例えば直列4気筒)の4ストローク、レシプロ式ディーゼルエンジンを想定している。
次に、エンジンの吸排気系システムの構成について図1を用いて説明する。
当該エンジンは、排気系から吸気系に排気を還流させるEGR配管10を備えており、排気の一部を吸気管11に戻すことで、燃焼室12における燃焼温度を下げて排ガス中のNOX低減等を図っている。EGR配管10には、EGRガスの流量(EGR流量)を調整するEGR流量調整装置13が備えられている。EGR流量調整装置13は、EGR配管10の流路断面開度を調整するEGRバルブ13a(循環流量調整バルブ)と、EGRバルブ13aを駆動させる電動モータ13bと、を備えて構成されている。そして、EGRバルブ13aを全開作動させるとEGR流量は最大となり、全閉作動させるとEGR流量はゼロとなる。
EGR配管10のうちEGRバルブ13aの下流側部分には、EGRガスを冷却するEGRクーラ14が備えられている。このようにEGRガスを冷却することで、EGRガスの体積減少(密度上昇)を図り、これによって燃焼室12に流入する吸気の充填効率向上を図っている。ちなみに、EGRクーラ14の内部には、冷却液が循環する冷却液通路と、EGRガスが流通するガス通路14aとが形成されており、ガス通路を流通するEGRガスは冷却液通路を循環する冷却液と熱交換して冷却される。なお、前記冷却液にはエンジン冷却水が適用されており、冷却液は図示しないラジエータにより外気と熱交換して冷却される。
吸気管11のうち、EGR配管10が接続される部分の上流側には、燃焼室12に流入する吸気のうち新気の流量を調整するスロットルバルブ17aが備えられている。スロットルバルブ17aは電動モータ17bにより開閉作動し、全開作動時に新気量は最大となり、全閉作動時に新気量はゼロとなる。
吸気管11と排気管18との間にはターボチャージャ19(過給機)が配設されている。ターボチャージャ19は、吸気管11に設けられたコンプレッサインペラ19aと、排気管18に設けられたタービンホイール19bとを有し、それらがシャフト19cにて連結されている。ターボチャージャ19では、排気管18を流れる排気によってタービンホイール19bが回転し、その回転力がシャフト19cを介してコンプレッサインペラ19aに伝達される。そして、コンプレッサインペラ19aにより、吸気管11内を流れる吸入空気が圧縮されて過給が行われる。
また、本実施形態に係るターボチャージャ19には、排気の流体エネルギをシャフト19cの回転駆動力に変換する割合を設定変更可能にする容量可変型のターボチャージャが採用されている。具体的には、タービンホイール19bには、吹き付けられる排気の流速を可変とするための複数の可変ベーン19d(容量可変装置)が設けられている。これらの可変ベーン19dは互いに同期した状態で開閉動作する。そして、隣り合う可変ベーン19d間の隙間の大きさ、すなわち可変ベーン19dの開度を変化させることで、前記排気流速を調整し、これによりタービンホイール19bの回転速度が調整される。そして、タービンホイール19bの回転速度が調整されることにより、燃焼室12に強制的に供給される空気の量、すなわち過給圧が調整される。
ターボチャージャ19にて過給された空気は、インタークーラ20によって冷却された後、その下流側に給送される。インタークーラ20によって吸入空気を冷却して体積減少(密度上昇)を図ることで、燃焼室12に流入する吸気の充填効率向上を図っている。
吸気管11のうちコンプレッサインペラ19aの上流側、かつ、エアクリーナ21の下流側には、単位時間あたりに流入する吸入空気の質量流量MAF(以下、単に吸入空気量又は吸気量と呼ぶ)を検出するエアフロメータ22(吸気量センサ)が取り付けられている。本実施形態に係るエアフロメータ22には、吸気流量に応じて発熱体から奪われる熱量の変化を検出することで吸気量を間接的に検出するホットワイヤ式エアフロメータが採用されている。
排気管18のうちタービンホイール19bの下流側には、排気を浄化する浄化装置23が取り付けられている。浄化装置23の具体例としては、排気中のPMを捕集するためのDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)、排気中のNOxを浄化するNOx触媒や排気中のHCやCOを浄化する酸化触媒等が挙げられる。
排気管18のうち浄化装置23の下流側には、排気中の酸素濃度を検出するA/Fセンサ24が取り付けられている。A/Fセンサ24は、時々の排気中酸素濃度に応じた酸素濃度検出信号O2を出力する酸素濃度センサである。A/Fセンサ24のセンサ出力としての酸素濃度検出信号は、酸素濃度に応じてリニアに変化するように調整される。なお、A/Fセンサ24に替えて、排気がリッチかリーンかに応じて異なる起電力信号を出力する起電力出力型のO2センサを採用してもよい。
吸気管11のうち、EGR配管10が接続される部分でありスロットルバルブ17aの下流側部分には、吸気圧P1(後述するターボチャージャの過給圧でもある)を検出する吸気圧センサ25が備えられている。排気管18のうち、EGR配管10が分岐する部分でありタービンホイール19bの上流側部分には、排気圧P2を検出する排気圧センサ26が備えられている。
EGR配管10のうちEGRクーラ14の下流側部分には、EGRクーラ14により冷却されたEGRガスの温度を検出するEGR温度センサ27が備えられている。なお、吸気管11のうちEGR配管10が接続される部分に配置されて吸気温度を検出する吸気温センサ(図示せず)を、前記EGR温度センサ27として兼用するようにしてもよい。
上述した各種センサ22,24,25,26,27及びクランク角センサ28から出力される検出信号は、内燃機関制御装置としてのエンジンECU29(電子制御ユニット)に入力される。ECU29は、これらの検出信号に基づき、以下の如く燃料噴射量、過給圧、EGRバルブ13aの開度、及びスロットルバルブ17aの開度等を制御することでエンジン制御を行う。
ECU29に備えられたマイコン29aは、クランク角センサ28から入力される検出信号に基づき、エンジンの出力軸(クランク軸)の回転速度(エンジン回転速度NE)を算出する。また、図示しないアクセルセンサから入力される検出信号に基づき、運転者によるアクセルペダルの操作量(踏込み量)が算出される。そしてマイコン29aは、時々のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度NE)やアクセルペダル操作量等に基づき燃料の目標噴射量Qfinを算出し、その目標噴射量Qfinとなるようインジェクタ30の作動を制御する。
ECU29のマイコン29aは、容量可変型ターボチャージャ19の容量を調整することで過給圧を制御する。すなわち、前述の目標噴射量Qfin、及びエンジン回転速度NE等をパラメータとして、マップ等を用いて可変ベーン19dの目標開度を算出する。そして、目標開度となるよう図示しないアクチュエータを駆動制御することにより、可変ベーン19dが目標開度となるよう制御する。なお、エンジン回転速度NEが高いほど、或いは目標噴射量Qfinが多いほど目標開度は大きく設定され、ひいては過給圧が増加する。さらにECU29は、吸気圧センサ25により検出した過給圧P1の値、或いは排気圧センサ26により検出した排気圧P2の値が目標値に近づくよう、可変ベーン19dの開度をフィードバック制御する。
ECU29のマイコン29aは、EGRバルブ13aの開度を制御することで、排気管18からEGR配管10に流入して還流するEGR流量を制御する。すなわち、前述の目標噴射量Qfin及びエンジン回転速度NE等をパラメータとして、マップ等を用いて排気中の酸素濃度(排気酸素濃度)の目標値(目標排気酸素濃度)を算出する。そして、A/Fセンサ24により検出された排気酸素濃度が目標排気酸素濃度に近づくよう目標EGR流量を設定し、その目標EGR流量となるようEGRバルブ13aのEGR開度EGRPを算出する。つまり、排気酸素濃度及び目標排気酸素濃度の偏差に基づきEGR開度EGRPをフィードバック制御していると言える。そして、算出したEGR開度EGRPに基づき電動モータ13bを駆動させてEGRバルブ13aの開度を制御する。
ちなみに、EGR流量が過小の場合には十分なNOx低減効果が得られず、EGR流量が過大の場合には、気筒内の酸素が不足してPMの増加によるスモークが発生する。これを回避するためには、スモーク発生限界ぎりぎりまでEGR流量を増やし、スモークの発生なしでNOxを低減させることが要求される。そこで、上記EGRバルブ開度の制御により、スモーク発生量と相関が強い排気酸素濃度を所定値以上とすることでスモーク発生ぎりぎりまでEGR流量を増やすよう、上述の目標排気酸素濃度は設定されている。また、浄化装置23の状態に応じて目標排気酸素濃度は設定される。
このように、エミッション悪化の抑制を図るべく、目標噴射量Qfin(エンジン負荷)及びエンジン回転速度NE等に基づきEGRバルブ13aの作動を制御する上記制御のことを、以下、EGRバルブ13aの通常制御と呼ぶ。
ところで、エンジンの運転時間が長くなるにつれて、排ガス中に含まれるPM等の異物(以下、単にPMと呼ぶ)が、EGRクーラ14のガス通路14a(内部流路)に付着して堆積していく。すると、そのガス通路14aがPMで閉塞されることにより圧力損失の増加を招き、EGRガスの流量減少が懸念される。また、ガス通路14aの表面全体に断熱効果を有するPMが付着することで、EGRガスからガス通路14aを通じて冷却液へ熱移動する量が減少してしまい、EGRクーラ14による冷却効率低下が懸念される。
これらの懸念に対し本実施形態では、所定量以上のPMが堆積した状態(PM堆積状態)であると推定された場合に、EGRクーラ14を流れるEGRガスによりPMを除去するようEGRバルブ13aを作動させる。具体的な作動内容は後に詳述する。なお、このようにガス通路14aに堆積したPMの除去を図るべくEGRバルブ13aの作動を制御することを、以下、EGRバルブ13aのPM除去制御と呼ぶ。つまり、EGRバルブ13aの作動を制御するにあたり、PM堆積状態であるか否かに応じて通常制御とPM除去制御とを切り替えて実行する。
以下、ECU29のマイコン29aが実行するPM除去制御の処理手順について、図2及び図3を用いて説明する。図2に示す一連の処理は、所定周期(例えばマイコン29aが有するCPUの演算周期)又は所定のクランク角度毎に、マイコン29aが繰り返し実行する処理である。また、図3に示す一連の処理は、後述する図2のPM除去制御(ステップS40)のサブルーチン処理である。
先ず、図2のステップS10(堆積判定手段)において、EGRクーラ14のガス通路14aに所定量以上のPMが堆積したPM堆積状態であるか否かを判定する。具体的には、排気圧センサ26により検出した排気圧P2と、吸気圧センサ25により検出した過給圧P1との差圧が、規定差圧TH1より大きくなった場合にPM堆積状態であると判定する。或いは、車両の走行距離が規定距離TH2より長くなった場合にPM堆積状態であると判定する。或いは、エンジンの運転時間が規定時間TH3より長くなった場合にPM堆積状態であると判定する。
PM堆積状態であると判定された場合(S10:YES)には、続くステップS20において、以下に説明する燃料噴射カットを実行中であるか否かを判定する。すなわち、減速走行時においてエンジン回転速度NEが所定値(カット回転速度)以上となっている場合に、インジェクタ30からの燃料噴射を停止させる燃料噴射カットを実行する。また、エンジン回転速度NEが上限値(例えば7000rpm)を超えて高回転になっている場合、或いは車速が上限値(例えば180km/h)を超えて高速である場合に、インジェクタ30からの燃料噴射を停止させる燃料噴射カットを実行する。
PM堆積状態でないと判定された場合(S10:NO)、又は、燃料噴射カットを実行中でないと判定された場合(S20:NO)には、ステップS30において、エミッション悪化の抑制を図るべくEGRバルブ13aの通常制御を、先述した通り実行する。一方、PM堆積状態であり燃料噴射カット実行中であると判定された場合(S20:YES)には、ステップS40(PM除去制御手段(異物除去制御手段))において、ガス通路14aに堆積したPMの除去を図るべくEGRバルブ13aのPM除去制御を、図3のサブルーチン処理に従い実行する。
先ず、図3のステップS41では、EGRバルブ13aを全閉にしてEGR流量がゼロとなるよう作動させる。この全閉作動を実行するにあたり、EGRバルブ13aの作動速度(閉弁速度)が所定の第1速度V1となるよう制御する。なお、電動モータ13bへの印加電圧を高くするほどEGRバルブ13aの作動速度は速くなるが、以下の説明において、印加電圧を最大にした時のEGRバルブ13aの作動速度をEGRバルブ13aの能力最大速度Vmaxと呼ぶ。
続くステップS42では、EGRバルブ13aを全閉にしてから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過するまでステップS41による全閉作動を実行し、所定時間が経過したと判定された場合(S42:YES)には、続くステップS43において、EGRバルブ13aを全開にしてEGR流量が最大となるよう作動させる。この全開作動を実行するにあたり、EGRバルブ13aの作動速度(開弁速度)が所定の第2速度V2となるよう制御する。本実施形態では、第2速度V2が第1速度よりも速くなるよう設定しており、さらに、第2速度V2を能力最大速度Vmaxに設定することが望ましい。また、第2速度V2が、ステップS30におけるEGRバルブ13aの作動速度(通常時速度)よりも速くなるよう設定することが望ましい。
続くステップS44では、EGRバルブ13aを全開にしてから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過するまでステップS43による全開作動を実行し、所定時間が経過したと判定された場合(S44:YES)に、ステップS40における図3のサブルーチン処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態にかかるPM除去制御では、EGRバルブ13aを一旦全閉状態にしてから全開状態にする。これによれば、一旦全閉状態にすることで、EGRガスがEGRバルブ13aにより堰き止められ、その後、全開状態にした時に、堰き止められたEGRガスがEGRクーラ14のガス通路14aへ一気に流れてEGRガスの瞬時流量が増大することとなる。つまり、EGRガスをガス通路14aへ一気に流す(瞬時流量を増大させる)ことにより、ガス通路14aに堆積したPMが除去されることとなる。したがって、EGRクーラ14に堆積したPMを容易に除去することができ、先述したEGRガスの流量減少及び冷却効率低下の懸念を解消できる。
(2)既存のEGRバルブ13aを用いて、PMを除去するようEGRガスの流れを制御することができるので、PM除去に要する部品点数の増大を抑制でき、エンジン運転中にPMを除去することを容易に実現できる。
(3)PM除去制御を実施するにあたり、ステップS43にかかるEGRバルブ13aの開弁速度を、ステップS41にかかるEGRバルブ13aの閉弁速度よりも速く設定(又は能力最大速度Vmaxに設定)するので、閉弁状態にあるEGRバルブ13aにより堰き止められたEGRガスが、EGRクーラ14へ一気に流れる時の瞬時流量を増大させることができる。よって、EGRガスで異物を除去することを、より一層確実にできる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態のPM除去制御では、EGRバルブ13aを一旦全閉状態にしてから全開状態にすることで、EGRガスをガス通路14aへ一気に流してPMを除去しているのに対し、本実施形態では、EGRバルブ13aを所定周期で繰り返し開閉させることでEGRガスに圧力脈動を生じさせ、その圧力脈動によりPMを除去する。
図4は、本実施形態によるPM除去制御の処理手順を示しており、以下、図3との違いを主体に説明する。なお、本実施形態におけるエンジンの吸排気系システム等のハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
先ず、図4のステップS45においてエンジン回転速度NEを取得する。次に、ステップS46において、取得したエンジン回転速度NEに基づきEGRバルブ13aの開閉周期t1,t2(前記所定周期)及び開閉タイミングを算出する。そして、続くステップS47において、図5(a)に示す如くt1期間はEGRバルブ13aを開弁させ、t2期間は閉弁させ、これらの開閉をt1+t2の周期で繰り返し作動させる。また、図5(a)中の実線は、EGR配管10のうちEGRバルブ13aの上流側部分における排気圧力の、時間経過による変化を示しており、排気圧力が高くなる最適タイミングで開弁作動させ、排気圧力が低くなる最適タイミングで閉弁作動させている。
EGR配管10中の排気圧力は、燃焼サイクルに同期して図5(a)中の実線に示す如く脈動する。そして、この脈動に同期して開閉弁期間t1,t2及び開閉タイミングが前記ステップS46にて算出されている。なお、図5(a)中の一点鎖線は、排気管18のうち燃焼室12の出口部分(排気ポート部分)における排気圧力の変化を示している。そして、実線に示す排気圧力変化は一点鎖線に示す排気圧力変化に対してずれが生じることとなる。
そして、エンジン回転速度NEに応じて排気圧力の脈動も変化するため、上記ステップS46では、エンジン回転速度NEと、最適開閉弁期間t1,t2及び開閉タイミングとの関係が記憶されたマップを用い、当該マップを参照してエンジン回転速度NEに基づき開閉弁期間t1,t2及び開閉タイミングを算出している。
次に、ステップS48において、ステップS47にて実施するEGRバルブ13aの開閉弁作動が所定時間以上経過したか否か、或いは、所定回数以上開閉作動を実施したか否かを判定する。所定時間以上経過又は所定回数以上実施したと判定された場合(S48:YES)に、ステップS40における図4のサブルーチン処理を終了する。
なお、EGRバルブ13aの駆動応答性が遅く、図5(a)のような短期間t1,t2で開閉を切り替えることができない場合においては、図5(b)に示すように、排気圧が比較的高くなっている時間領域t10で開弁し、排気圧が比較的低くなっている時間領域t20で閉弁させるように最適開閉弁期間t10,t20及び開閉タイミングを設定すればよい。例えば、開弁期間t10中における排気圧の積分値(図5(b)中の斜線部分S1の面積)が、閉弁期間t20中における排気圧の積分値(図5(b)中の網点部分S2の面積)よりも大きくなるよう開閉弁期間t10,t20及び開閉タイミングを設定すればよい。
以上詳述した本実施形態によれば、上記(2)の効果が得られるとともに以下の効果が得られるようになる。
(4)本実施形態にかかるPM除去制御では、EGRバルブ13aを所定周期t1+t2で繰り返し開閉させることで、EGRガスに圧力脈動を生じさせ、その圧力脈動により、ガス通路14aに堆積したPMが除去されることとなる。したがって、EGRクーラ14に堆積したPMを容易に除去することができ、先述したEGRガスの流量減少及び冷却効率低下の懸念を解消できる。
(第3実施形態)
図6は、本実施形態にかかる吸排気系システムのハード構成を示す図であり、図6中、図1と同一符号部分についてはその説明を援用して、以下、図1との違いを主体に説明する。
本実施形態では、以下に説明するバイパス配管15及び切替装置16を備えた構成の吸排気系システムを対象としている。すなわち、EGR配管10のうちEGRバルブ13aの下流側部分には、EGRガスをEGRクーラ14に対して迂回させるバイパス配管15が設けられている。また、EGR配管10のうちEGRクーラ14の上流側部分であり、バイパス配管15が分岐する部分には、EGRガスの流れをEGRクーラ14とバイパス配管15とに切り替える切替装置16が備えられている。切替装置16は、EGR配管10のうちEGRクーラ14への流入口10aとバイパス配管15への流入口10bとを切替開閉する切替バルブ16aと、切替バルブ16aを駆動させる電動モータ16bと、を備えて構成されている。
また、切替バルブ16a(流通割合調整バルブ)は、両流入口10a,10bを単に切替開閉するのみならず、両流入口10a,10bを開口させた中間開度位置においてその開度を調整することで、EGRガスをEGRクーラ14へ流通させる流量とバイパス配管15により迂回させる流量との流通割合を調整している。これにより、EGRクーラ14の下流側にてバイパス配管15と合流した部分における、EGRガスの温度が調整されることとなる。これによれば、EGRガスの温度を最適値に調整して、EGRガスを還流させることによるNOX低減の効果を向上させることができる。
次に、本実施形態によるPM除去制御の処理手順について図7を用いて説明する。
先ず、ステップS10,S20では、図2に示す第1実施形態と同様にして、PM堆積状態であるか否かを判定し、燃料噴射カット実行中であるか否かを判定する。そして、PM堆積状態であり燃料噴射カット実行中であると判定された場合(S20:YES)には、切替バルブ16aを、EGRクーラ14へEGRガスを流通させる側へ作動させる。つまり、EGRクーラ14への流入口10aを全開にしてバイパス配管15への流入口10bを全閉とするよう、切替バルブ16aを作動させる。
続くステップS40では、図2に示す第1実施形態と同様にして、ガス通路14aに堆積したPMの除去を図るべくEGRバルブ13aのPM除去制御を、図3又は図4のサブルーチン処理に従い実行する。つまり、EGRガスをガス通路14aへ一気に流すよう、又は、EGRガスに圧力脈動を生じさせるよう、EGRバルブ13aの作動を制御する。
一方、PM堆積状態でないと判定された場合(S10:NO)、又は、燃料噴射カットを実行中でないと判定された場合(S20:NO)には、ステップS300において、エミッション悪化の抑制を図るべくEGRバルブ13aの通常制御を第1実施形態と同様に実行する。さらにステップS300では、EGR温度センサ27により検出された実際のEGRガス温度が目標ガス温度に近づくよう、切替バルブ16aの開度をフィードバック制御(通常制御)する。
以上詳述した本実施形態によれば、バイパス配管15及び切替装置16を備えた構成の吸排気系システムにおいても、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が得られるようになる。
(第4実施形態)
本実施形態は、図6に示す上記第3実施形態と同様にして、バイパス配管15及び切替装置16を備えた構成の吸排気系システムを対象としている。そして、上記第3実施形態のPM除去制御ではEGRバルブ13aを制御対象としており、EGRバルブ13aを一旦全閉にしてから全開にする又は繰り返し開閉する。これに対し本実施形態のPM除去制御では、切替バルブ16aを制御対象としており、切替バルブ16aを一旦全閉状態にしてから全開状態にする又は繰り返し開閉する。
図8を用いてより詳細に説明すると、先ず、ステップS10,S20では、図2に示す第1実施形態と同様にして、PM堆積状態であるか否かを判定し、燃料噴射カット実行中であるか否かを判定する。そして、PM堆積状態であり燃料噴射カット実行中であると判定された場合(S20:YES)には、続くステップS400(PM除去制御手段(異物除去制御手段))において、EGRバルブ13aについては、エミッション悪化の抑制を図るべくEGRバルブ13aの通常制御を第1実施形態と同様に実行する。そして、切替バルブ16aについては、一旦全閉にしてから全開にするといった図3と同様のPM除去制御を、又は繰り返し開閉するといった図4と同様のPM除去制御を実施する。
一方、PM堆積状態でないと判定された場合(S10:NO)、又は、燃料噴射カットを実行中でないと判定された場合(S20:NO)には、ステップS300において、図7に示す上記第3実施形態と同様にして、EGRバルブ13aに対して通常制御を実行するとともに、切替バルブ16aに対してフィードバック制御(通常制御)を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1〜第3実施形態と同様の効果が得られるようになるとともに、以下の効果が得られるようになる。
(5)本実施形態にかかるPM除去制御では、切替バルブ16aの作動により、EGRガスをガス通路14aへ一気に流すよう、又はEGRガスに圧力脈動を生じさせることを実現させるので、EGRバルブ13aについては通常制御を実行することができる。よって、エミッション悪化の抑制を図るべくEGR流量を最適な流量にしつつ、PM除去を図ることができる。特に、燃料噴射カット実行中でない時にPM除去を実行させたい場合には、PM除去制御実施時におけるエミッション悪化を、好適に抑制できる。
(第5実施形態)
本実施形態は、図2に示す上記第1実施形態に、図9を用いて以下に説明するステップS25(差圧増大制御手段)及びステップS26を付加したことを特徴とする。
先ずステップS10,S20では、図2に示す第1実施形態と同様にして、PM堆積状態であるか否かを判定し、燃料噴射カット実行中であるか否かを判定する。そして、PM堆積状態であり燃料噴射カット実行中であると判定された場合(S20:YES)には、続くステップS25(差圧増大制御手段)において、EGRクーラ14の前後差圧を増大させるようエンジンの運転状態を制御する。具体的には、ターボチャージャ19の可変ベーン19d及びスロットルバルブ17aの少なくとも一方を、以下の如く制御(差圧増大制御)する。
すなわち、通常運転時における可変ベーン19dの開度は、エンジン回転速度NEやエンジン負荷等のエンジン運転状態に基づき決定されるが、ステップS40によるPM除去制御を実行する場合には、その実行に先立って、通常運転時における開度よりも小さい開度となるよう可変ベーン19dの開度を制御(差圧増大制御)する。これによれば、EGRクーラ14の上流側の圧力である排気圧を上昇させることとなり、ひいてはEGRクーラ14の前後差圧が増大することとなる。なお、差圧増大制御時における可変ベーン19dの開度は、最も小さい開度となるように設定することが前後差圧を増大する点で望ましい。
また、通常運転時におけるスロットルバルブ17aの開度は、エンジン回転速度NEやエンジン負荷等のエンジン運転状態に基づき決定されるが、ステップS40によるPM除去制御を実行する場合には、その実行に先立って、通常運転時における開度よりも小さい開度となるようスロットルバルブ17aの開度を制御(差圧増大制御)する。これによれば、EGRクーラ14の下流側の圧力である吸気圧を低下させることとなり、ひいてはEGRクーラ14の前後差圧が増大することとなる。なお、差圧増大制御時におけるスロットルバルブ17aの開度は、エンジンのアイドル運転時における開度となるように小さく設定することが前後差圧を増大する点で望ましい。
次に、ステップS26において、差圧増大制御の実行を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過するまでステップS25による差圧増大制御を実行し、所定時間が経過したと判定された場合(S26:YES)には、続くステップS40において、図2に示す第1実施形態と同様にして図3又は図4のサブルーチン処理に従いPM除去制御を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1及び第2実施形態と同様の効果が得られるようになるとともに、以下の効果が得られるようになる。
(6)本実施形態によれば、EGRクーラ14の前後差圧を増大させた状態でPM除去制御を実行するので、EGRガスで堆積PMを除去することを、より一層確実にできる。例えば、先述したEGRガスの圧力脈動によりPMを除去する場合においては、EGRクーラ14の前後差圧増大によりEGRガスの圧力脈動が増大されるので、PMが除去され易くなる。また、先述したEGRガスの瞬時流量増大によりPMを除去する場合においては、EGRクーラ14の前後差圧増大によりEGRガスの瞬時流量が増大されるので、PMが除去され易くなる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。また、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1実施形態にかかるPM除去制御では、EGRバルブ13aを一旦全閉状態にしてから全開状態にすることで、EGRガスをEGRクーラ14へ一気に流してPMを除去しているが、このようにEGRガスを一気に流してPM除去するにあたり、全開位置まで作動させずとも全開位置に向けて開作動させるようにしてもよい。また、前閉位置まで作動させずとも全閉位置に向けて閉作動させるようにしてもよい。また、一旦全閉状態にする(又は閉作動させる)ことなく全開状態に作動制御する(又は開作動させる)ようにしてもよい。
・図1に示すように、バイパス配管15を備えない構成の吸排気系システムにおいて、図1の例ではEGR流量調整装置13をEGRクーラ14の上流側に配置しているが、EGR流量調整装置13をEGRクーラ14の下流側に配置した吸排気系システムを対象としてもよい。
・図3のステップS41では、第1速度V1を能力最大速度Vmaxよりも小さく設定しているが、第1速度V1についても第2速度V2と同様にして能力最大速度Vmaxに設定してもよい。
・ここで、燃料噴射カット時以外の時に、ステップS41にてEGRバルブ13aの閉弁速度を能力最大速度Vmaxにすると、排気中のPMが増大することが懸念される。そこで、第1速度V1を能力最大速度Vmaxよりも小さく設定することで、上記懸念の解消を図ることが望ましい。
・上記実施形態では本発明を自己着火式のディーゼルエンジンに適用させているが、点火式のガソリンエンジンに適用させてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる内燃機関制御装置が適用された、エンジンの吸排気系システムの構成図。 第1実施形態にかかるPM除去制御の処理手順を示すフローチャート。 図2のサブルーチン処理を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態にかかるPM除去制御の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態にかかるPM除去制御において、EGRバルブの開閉周期及び開閉タイミングを説明する図。 本発明の第3実施形態にかかる内燃機関制御装置が適用された、エンジンの吸排気系システムの構成図。 第3実施形態にかかるPM除去制御の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第4実施形態にかかるPM除去制御の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第5実施形態にかかるPM除去制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…EGR配管、13a…EGRバルブ(循環流量調整バルブ(流量調整バルブ))、14…EGRクーラ、15…バイパス配管、16a…切替バルブ(流通割合調整バルブ(流量調整バルブ))、17a…電動スロットルバルブ、19…ターボチャージャ(過給機)、19d…可変ベーン(容量可変装置)、29…ECU(内燃機関制御装置)、S10…堆積判定手段、S25…差圧増大制御手段、S40,S400…PM除去制御手段(異物除去制御手段)。

Claims (14)

  1. 内燃機関から排出される排ガスの一部を、EGRガスとして前記内燃機関の吸気系へ再循環させるEGR配管と、
    前記EGR配管に設けられ、EGRガスと熱交換して冷却するEGRクーラと、
    前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量を調整するよう、前記EGR配管の流路面積を可変制御する流量調整バルブと、
    を備える内燃機関に適用され、
    前記EGRクーラの内部に所定量以上の異物が堆積した異物堆積状態であるか否かを判定する堆積判定手段と、
    前記異物堆積状態であると判定された場合に、前記EGRクーラを流れるEGRガスにより前記異物を除去するよう前記流量調整バルブの作動を制御する異物除去制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記流量調整バルブは、前記吸気系へ再循環させるEGRガスの循環流量を調整する循環流量調整バルブであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記EGR配管には、前記EGRガスを前記EGRクーラに対して迂回させるバイパス配管が接続されており、
    前記流量調整バルブは、前記吸気系へ再循環させるEGRガスの温度を調整するよう、前記EGRガスを前記EGRクーラへ流通させる流量と前記バイパス配管により迂回させる流量との割合を調整する流通割合調整バルブであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記異物除去制御手段は、EGRガスを所定周期で断続的に流通させるよう前記流量調整バルブを繰り返し開閉させることで、EGRガスに圧力脈動を生じさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記異物除去制御手段は、前記内燃機関の出力軸の回転速度に応じて、前記流量調整バルブの開閉周期を変更することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記異物除去制御手段は、前記流量調整バルブを開き側へ制御することで、EGRガスの瞬時流量を増大させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記異物除去制御手段は、開き側へ制御する時の前記流量調整バルブの作動速度を、閉じ側へ制御する時よりも速くすることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関制御装置。
  8. 前記異物除去制御手段は、開き側へ制御する時の前記流量調整バルブの作動速度を、前記流量調整バルブの能力最大速度にすることを特徴とする請求項6又は7に記載の内燃機関制御装置。
  9. 前記異物除去制御手段による制御の実行に先立って、前記EGRクーラの前後差圧を増大させるよう前記内燃機関の運転状態を制御する差圧増大制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  10. 前記内燃機関には、電動アクチュエータにより作動して吸気量を調整する電動スロットルバルブが備えられており、
    前記差圧増大制御手段は、前記電動スロットルバルブの開度を小さくするよう制御することで、前記EGRクーラの下流側の圧力である吸気圧を低下させることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関制御装置。
  11. 前記内燃機関には、吸気管に設けられたコンプレッサインペラ、排気管に設けられたタービンホイール、前記コンプレッサインペラと前記タービンホイールとを連結するシャフト、及び排気の流体エネルギを前記シャフトの回転駆動力に変換する割合を設定変更可能にする容量可変装置を有して構成される過給機が備えられており、
    前記差圧増大制御手段は、回転駆動力への変換割合を増大させるよう前記容量可変装置を制御することで、前記EGRクーラの上流側の圧力である排気圧を上昇させることを特徴とする請求項9又は10に記載の内燃機関制御装置。
  12. 前記内燃機関の燃焼に供する燃料の噴射を停止させながら前記内燃機関を運転させる燃料噴射カット時に、前記異物除去制御手段による制御を実行することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  13. 前記堆積判定手段は、前記EGRクーラの前後差圧が規定差圧より大きくなった場合、前記内燃機関が搭載された車両の走行距離が規定距離より長くなった場合、又は前記内燃機関の運転時間が規定時間より長くなった場合に、前記異物堆積状態であると判定することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置と、
    前記EGR配管、前記EGRクーラ及び前記流量調整バルブの少なくとも1つと、
    を備えることを特徴とする内燃機関制御システム。
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