JP2010071165A - 内燃機関の可変バルブタイミング機構 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 付勢手段によって機構を安定的に作動させつつ、付勢手段の付勢力の変化を防止できる可変バルブタイミング機構を提供すること。
【解決手段】 付勢手段6(コイルばね610〜630)によりベーン42〜44が付勢される方向と反対方向にハウジング10とベーンロータ4が相対回動したときに互いに接触して上記相対回動を規制するシュー14とベーン41を設け、相対回動を規制するシュー14とベーン41を除くシュー11〜13とベーン42〜44の間に付勢手段6(コイルばね610〜630)を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じて吸気弁と排気弁の一方又は両方の開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング機構に関する。
従来、可変バルブタイミング機構(以下、機構という。)として、複数のシューを有してクランクシャフトの回転力が伝達されるハウジングと、シュー間で相対回動する複数のベーンを有してカムシャフトへ回転力を伝達するベーンロータとを有し、シューとベーンにより隔成された進角室及び遅角室へ油を給排して、油圧力によりクランクシャフトに対するカムシャフトの位相を進角側又は遅角側へ変更する油圧駆動タイプのものが知られている。
また、内燃機関が運転状態から停止状態へ移行する際、カムシャフトに作用する回転反力の影響により、ベーンロータが内燃機関の(再)始動に適した所定の初期位置に位置しないことがある。これを防止するため、ハウジングに対してベーンを一方向に付勢する付勢手段を設け、この付勢力によりベーンロータを所定の初期位置に保持して機構を安定的に作動させるようにしたものも知られている。例えば、特許文献1に記載の機構は、排気側の機構において、進角室を形成するシューとベーンの間に付勢手段としてスプリング(コイルばね)を設置し、ベーンロータを進角側に常時付勢することで、機関停止時における初期位置(最進角位置)での保持を可能としている。
特許第3964207号公報
しかし、特許文献1に記載の機構においては、付勢手段の変形量(スプリングの圧縮量)を規制していないため、スプリングが塑性変形し、付勢力が変化してしまうおそれがあった。本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、付勢手段によって機構を安定的に作動させつつ、付勢手段の付勢力の変化を防止できる可変バルブタイミング機構を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の可変バルブタイミング機構は、付勢手段によりベーンが付勢される方向と反対方向にハウジングとベーンロータが相対回動したときに互いに接触して上記相対回動を規制するシューとベーンを設け、相対回動を規制するシューとベーンを除くシューとベーンの間に付勢手段を設けた。
よって、付勢手段の付勢力の変化を防止し、機構をより安定的に作動できる。
以下、本発明の可変バルブタイミング機構を実現する最良の形態を、図面に基づき説明する。
(可変バルブタイミング機構の構成)
図1は、内燃機関(以下、機関という。)の排気側に適用されたバルブタイミング制御装置(以下、VTCという。)の構成を示す。VTCは、油圧駆動タイプであり、油圧を用いてクランクシャフトに対するカムシャフト3の回転位相を連続的に変化させる可変バルブタイミング機構1(以下、機構1という。)と、機構1の作動油を供給し又は排出する油圧給排機構2と、油圧給排機構2の作動を制御することでバルブタイミングを可変制御する制御手段(コントローラCU)と、を有している。
図1では、機構1の回転軸O(図2参照)を通る部分断面を示す。以下、説明の便宜上、カムシャフト3の軸方向にX軸を設け、機構1に対してカムシャフト3が設置されている側を正方向とする。図2(a)及び図3は、図1のA-A視断面である。図1の機構1は、図2(a)のB-O-B断面に相当する。図4は、フロントプレート101等を外した状態の機構1(ハウジング本体部102にベーンロータ4を組み付けたもの)をX軸負方向側から見た部分斜視図である。
機構1は、ハウジング10とベーンロータ4を有する油圧アクチュエータであり、排気側カムシャフト3の端部に設置されている。ハウジング10にはクランクシャフトの回転力が伝達される。ベーンロータ4はハウジング10との間で相対回動自在に設けられており、作動油を介してハウジング10から回転力が伝達されるとともに、この回転力をカムシャフト3へ伝達する。
ハウジング10は、フロントプレート101と、本体部102と、リアプレート103とを有している。本体部102は、X軸方向両端で開口した円筒状の部材である。フロントプレート101は本体部102のX軸負方向側の開口端を閉塞する。リアプレート103は本体部102のX軸正方向側の開口端を閉塞する。リアプレート103には4本の小径ボルトb1〜b4を締結するための雌ネジが形成されており、フロントプレート101、本体部102、及びリアプレート103は、小径ボルトb1〜b4によって、X軸負方向側から一体的に締付固定されている。
リアプレート103のX軸正方向側には隣接してスプロケット104が一体に設けられている。スプロケット104は、巻装されたタイミングチェーンを介して機関のクランクシャフトにより回転駆動される駆動回転体(タイミングスプロケット)であり、その外周には、タイミングチェーンが噛合する歯が形成されている(図2参照)。スプロケット104は、図2の時計回り方向に回転する。
本体部102の内周面には、周方向で略等間隔に、4つの隔壁部である第1〜第4シュー11〜14が、内径方向(回転軸O)に向かって突設されている。第1〜第4シュー11,12,13,14は、この順番で、図2の時計回り方向に並んでいる。各シュー11〜14はX軸方向に延びて形成され、X軸に対して垂直方向の断面は略台形状に設けられている。各シュー11〜14のX軸方向の両端面は、フロントプレート101及びリアプレート103に密着固定されている。
X軸方向から見たとき、回転軸Oの周り方向(以下、周方向という。)における第2、第3シュー12,13の幅は、略同じ大きさに設けられている。第1シュー11の周方向幅は、第2、第3シュー12,13の周方向幅よりも若干大きく設けられている。第4シュー14の周方向幅は、第2、第3シュー12,13の周方向幅よりも若干小さく設けられている。
また、各シュー11〜14は、ハウジング10全体の周方向における重量バランスをとるように、本体部102の周方向での所定角度位置に設けられている。第1シュー11と第2シュー12の間の隙間、第2シュー12と第3シュー13の間の隙間、第3シュー13と第4シュー14の間の隙間の周方向幅は、それぞれ略同じ大きさに設けられている。第4シュー14と第1シュー11の間の隙間の周方向幅は、他のシュー間の上記隙間よりも若干大きく設けられている。
第1シュー11の上記台形断面の略中央には、ボルトb1が挿通するボルト挿通孔110がX軸方向に貫通形成されている。同様に、第2〜第4シュー12〜14にもそれぞれボルト挿通孔120,130,140が形成されている。
第1〜第4シュー11〜14の内径側(回転軸Oの側)の内周面111,121,131,141は、X軸方向から見て、ベーンロータ4のロータ40の外周面に沿って凹円弧状に形成されている。面111には、溝112がX軸方向に沿って形成されている。溝112の内部には、ロータ40の外周面に液密に摺接するシール部材113と、このシール部材113をロータ40の外周面へ向けて押圧するシールスプリング(板バネ)が嵌合保持されている。同様に、他の内周面121,131,141にも、それぞれシール部材123,133,143が設けられている。
X軸方向から見て、フロントプレート101の略中央には、軸受孔105が貫通形成され、軸受孔105の周りには、ボルトb1〜b4がそれぞれ挿通する4つのボルト孔が穿設されている。また、X軸方向から見て、リアプレート103及びスプロケット104の略中央には、軸受孔105と略同径の軸受孔106が貫通形成され、軸受孔106の周りには、ボルトb1〜b4がそれぞれ螺着する4つの雌ねじ孔が形成されている。
ベーンロータ4は、焼結合金材で一体に形成されたベーン部材であり、ハウジング10の内部に回転自在に収容されている。ベーンロータ4は、スプロケット104(ハウジング10)に対して相対回転自在な従動回転体であり、カムシャフト3と一体になって図2の時計回り方向に回転する。ベーンロータ4は、回転軸部であるロータ40と、4枚の羽根である第1〜第4ベーン41,42,43,44とを有している。
ロータ40は、本体軸部400と、第1延長軸部401と、第2延長軸部402とを同軸に有しており、カムボルト31によって、カムシャフト3と同軸に、カムシャフト3のX軸負方向側の端部30に一体的に固定されている。第1延長軸部401は本体軸部400をX軸負方向側に延長して形成され、第2延長軸部402は本体軸部400をX軸正方向側に延長して形成されている。X軸方向から見て本体軸部400と第1,第2延長軸部401,402の外周は一致している。
第1延長軸部401はフロントプレート101の軸受孔105に回転自在に支持され、第2延長軸部402はリアプレート103及びスプロケット104の軸受孔106に回転自在に支持されている。本体軸部400のX軸方向長さは、ハウジング10の本体部102のX軸方向長さと略等しい。第2延長軸部402のX軸方向長さは、軸受孔106のX軸方向長さと略等しい。
第1延長軸部401及び本体軸部400には、嵌合穴403がロータ40と同軸にX軸負方向側から穿設されている。第2延長軸部402には、嵌合穴404がロータ40と同軸にX軸正方向側から穿設されている。また、本体軸部400と第2延長軸部402の両方に跨って、カムボルト31が挿通するボルト穴405がロータ40と同軸に穿設され、嵌合穴403と嵌合穴404とを連通している。カムボルト31のフランジ(ヘッド部分)を収容する嵌合穴403の径は嵌合穴404の径よりも若干大きく、カムボルト31の軸を収容するボルト穴405の径は嵌合穴404の径よりも小さい。
本体軸部400の外周面には、周方向で略等間隔に、第1〜第4ベーン41〜44が、外径方向(回転軸Oから離れる方向)に向かって放射状に突設されている。第1〜第4ベーン41〜44は、この順番で、図2の時計回り方向に並んで設けられている。各ベーン41〜44はX軸方向に延びて形成され、X軸に対して垂直方向の断面形状は、外径方向に向かうにつれて周方向幅が広くなる略台形状に形成されている。
各ベーン41〜44のX軸方向長さは本体軸部400のX軸方向長さと略同じに設けられている。ベーンロータ4がハウジング10内に設置された状態で、各ベーン41〜44のX軸負方向側の面は、フロントプレート101のX軸正方向側の面に対して極僅かな隙間を介して対向している。また、各ベーン41〜44のX軸正方向側の面は、リアプレート103のX軸負方向側の面に対して極僅かな隙間を介して対向している。
本体軸部400の周方向における第2〜第4ベーン42〜44の幅は、略同じ大きさに設けられている。第1ベーン41にはロック機構5が設けられている。第1ベーン41の周方向幅は、第2〜第4ベーン42〜44よりも広く形成されている。
各ベーン41〜44は、ベーンロータ4の周方向で所定角度位置に設けられている。第1ベーン41と第2ベーン42の間の隙間、第2ベーン42と第3ベーン43の間の隙間、第3ベーン43と第4ベーン44の間の隙間は、周方向で略同じ大きさに設けられている。第4ベーン44と第1ベーン41の間の隙間は、他のベーン間の上記隙間よりも(第1ベーン41が幅広である分だけ)若干狭く設けられている。
第2ベーン42と第4ベーン44は、回転軸Oを挟んで略対称位置に設けられている。第3ベーン43は、第2ベーン42(及び第4ベーン44)に対して略90度回転した位置に設けられている。第1ベーン41は、回転軸Oを挟んで第3ベーン43に対向し、かつ第2ベーン42から離れるとともに第4ベーン44に近づくように反時計回り方向に若干回転した位置に設けられている。
ベーンロータ4がハウジング10内に設置された状態で、第1ベーン41は第4シュー14と第1シュー11の間、第2ベーン42は第1シュー11と第2シュー12の間、第3ベーン43は第2シュー12と第3シュー13の間、第4ベーン44は第3シュー13と第4シュー14の間の隙間に、それぞれ配置されている。
各ベーン41〜44のロータ外径側(回転軸Oから離れる側)の外周面411,421,431,441は、X軸方向から見て、ハウジング10の本体部102の内周面に沿って円弧状に形成されている。第1ベーン41の外周面411には、溝412がX軸方向に沿って形成されている。溝412の内部には、本体部102の上記内周面に液密に摺接するシール部材413と、シール部材413を上記内周面に向けて押圧するシールスプリング(板バネLS)とが嵌着保持されている。同様に、第2〜第4ベーン42〜44の外周面421〜441にも、それぞれシール部材423〜443が設けられている。
隣り合うシュー11,12等とベーンロータ4(ロータ40)との間には、4つの油室が隔成され、シール部材113等により液密とされている。これらの油室にオイルポンプPから供給される作動油を導入し、作動油を介してベーンロータ4とハウジング10との間の回転伝達を行う。これらの油室は、ベーン41等によって進角室A及び遅角室Rに隔成されている。
具体的には、フロントプレート101のX軸正方向側の面と、リアプレート103のX軸負方向側の面と、各ベーン41〜44の周方向での両側面と、各シュー11〜14の周方向での両側面との間で、4組の油圧作動室、すなわち4つの進角室A1,A2,A3,A4と4つの遅角室R1,R2,R3,R4が隔成されている。例えば、図2に示すように、第1ベーン41の反時計回り方向側の面414と第4シュー14の時計回り方向側の面145との間に第1進角室A1が隔成されている。また、第1ベーン41の時計回り方向側の面415と第1シュー11の反時計回り方向側の面114との間に第1遅角室R1が隔成されている。
同様に、第2ベーン42と第1シュー11との間に第2進角室A2、第2ベーン42と第2シュー12との間に第2遅角室R2、第3ベーン43と第2シュー12との間に第3進角室A3、第3ベーン43と第3シュー13との間に第3遅角室R3、第4ベーン44と第3シュー13との間に第4進角室A4、第4ベーン44と第4シュー14との間に第4遅角室R4が、それぞれ隔成されている。
カムシャフト3は、内燃機関のシリンダヘッドの上端部に軸受けを介して回転自在に支持されている。カムシャフト3の外周面には、排気弁の位置に対応する位置にカムが設けられており、カムシャフト3が回転すると上記カムがバルブリフタ等を介して排気弁を開閉作動させる。
カムシャフト3のX軸負方向側の端部30には、ベーンロータ4(第2延長軸部402)の嵌合穴404に挿通されてこれに嵌合する挿通部301と、嵌合穴404における挿通部301のX軸負方向側への移動を規制する係止部としてのフランジ302とが形成されている。端部30にはX軸負方向側からネジ穴303が穿設されている。挿通部301が嵌合穴404に嵌合した状態で、カムボルト31がX負方向側からボルト穴405に挿通され、カムボルト31の先端部がネジ穴303に螺着することで、カムシャフト3の端部30がベーンロータ4と一体に締付固定される。
所定の進角室A2〜A4には付勢手段6が設けられており、ハウジング10(シュー)に対してベーンロータ4(ベーン)を時計回り方向に付勢している。付勢手段6は3つのスプリングユニット、すなわち第1〜第3スプリングユニット61〜63を有している。反時計回り方向をシュー11〜14に、時計回り方向をベーン41〜44により隔成される4つの進角室A1〜A4のうち、ベーン42〜44により隔成される3つの進角室A2〜A4に各スプリングユニット61〜63が設けられている。
すなわち、第1スプリングユニット61は第1シュー11と第2ベーン42との間(第2進角室A2)に、第2スプリングユニット62は第2シュー12と第3ベーン43との間(第3進角室A3)に、第3スプリングユニット63は第3シュー13と第4ベーン44との間(第4進角室A4)に、それぞれ収納されている。第4シュー14と第1ベーン41との間(第1進角室A1)には付勢手段6(スプリングユニット)が設けられていない。
第1スプリングユニット61は、1本のコイルばね610と、その両端に設けられたスプリングリテーナである保持部611,612とを有している。図2(b)は、図2(a)における保持部611の拡大断面図である。保持部611の一側面には円筒状に突出する係合部613が形成されており、係合部613の外周にコイルばね610の一端が嵌合されている。保持部612も保持部611と同様に設けられている。第1スプリングユニット61と同様に、第2スプリングユニット62はコイルばね620と保持部621,622を有し、第3スプリングユニット63はコイルばね630と保持部631,632を有している。コイルばね610〜630の付勢力は、略同一に設けられている。コイルばね610〜630の径は、それぞれ第2〜第4進角室A2〜A4の(ハウジング10の)径方向における幅の約85%を占めている。
図4は、第3スプリングユニット63のコイルばね630及び保持部631,632(図示せず)を取り外した状態を示す。図4に示すように、第3シュー13の時計回り方向側の面135には、保持部631を支持する溝136が設けられている。溝136は、面135の大部分を占め、X軸方向から見て凹形状に形成されている。(ハウジング10の)径方向における溝136の幅は保持部631の径と略同じに設けられており、溝136は(ハウジング10の)径方向における保持部631の移動を規制する。また、溝136のハウジング外径側、すなわち第3シュー13の根元部分には、コイルばね630の外周が摺接可能なガイド部137が形成されている。
一方、第4ベーン44の反時計回り方向側の面444には、大部分にわたって、第3スプリングユニット63の保持部632を支持する円筒形状の穴446が設けられている。穴446の径は保持部632の径と略同じに設けられている。穴446は第4ベーン44に対する保持部632の移動、例えばハウジング10の径方向における移動を規制する。
組み付け時には、第3スプリングユニット63をX軸負方向側から第4進角室A4に挿入し、保持部632を穴446に嵌合させるとともに、保持部631を溝136に係合して組み付けを行う。これにより、第4進角室A4にはコイルばね630が押し縮められた状態で収納され、コイルばね630は、ハウジング10(第3シュー13)に対して第4ベーン44を時計回り方向に常時付勢する。
他の第1、第2スプリングユニット61,62についても同様に設けられている。すなわち、1つの進角室に1本のコイルばねが設けられている。第2進角室A2に設けられた1本のコイルばね610がハウジング10(第1シュー11)に対して第2ベーン42を時計回り方向に常時付勢している。第3進角室A3に設けられた1本のコイルばね620がハウジング10(第2シュー12)に対して第3ベーン43を時計回り方向に常時付勢している。
付勢手段6により第2〜第4ベーン42〜44が付勢される方向である時計回り方向にベーンロータ4がハウジング10に対して回動すると、第2〜第4進角室A2〜A4の容積が大きくなるとともにコイルばね610〜630の長さが長くなる。回動量(相対回転角)が所定値になると、図2に示すように、第1ベーン41(の時計回り方向側の面415)と第1シュー11(の反時計回り方向側の面114)が互いに接触して上記相対回動を規制する。このとき、他のベーンとシュー、すなわち第2ベーン42(の時計回り方向側の面425)と第2シュー12(の反時計回り方向側の面124)、第3ベーン43(の時計回り方向側の面435)と第3シュー13(の反時計回り方向側の面134)、第4ベーン44(の時計回り方向側の面445)と第4シュー14(の反時計回り方向側の面144)は、それぞれ接触せず、互いの間に僅かな距離を保っている。
付勢手段6により第2〜第4ベーン42〜44が付勢される方向とは反対方向である反時計回り方向にベーンロータ4がハウジング10に対して回動すると、第2〜第4進角室A2〜A4の容積が小さくなるとともにコイルばね610〜630が圧縮される。回動量(相対回転角)が所定値になると、図3に示すように、スプリングユニットが設けられていない第1進角室A1において、第1ベーン41(の反時計回り方向側の面414)と第4シュー14(の時計回り方向側の面145)が互いに接触して上記相対回動を規制する。一方、第1〜第3スプリングユニット61〜63が設けられた各油室A2〜A4には、コイルばね610〜630の圧縮を規制するストッパが設けられていない。
このとき、図3に示すように、第1ベーン41と第4シュー14以外の他のベーンとシュー、すなわち第2ベーン42(の反時計回り方向側の面424)と第1シュー11(の時計回り方向側の面115)、第3ベーン43(の反時計回り方向側の面434)と第2シュー12(の時計回り方向側の面125)、第4ベーン44(の反時計回り方向側の面444)と第3シュー13(の時計回り方向側の面135)は、それぞれ互いに接触しない。
また、第1〜第3スプリングユニット61〜63のそれぞれにおいて、ベーン側及びシュー側の各保持部611,612等が互いに当接しないのは勿論のこと、各コイルばね610〜630において巻き線同士が密着しない。言い換えると、第1ベーン41と第4シュー14が当接して上記相対回動を規制する際、第1〜第3スプリングユニット61〜63が設けられた各進角室A2〜A4の周方向隙間は、各コイルばね610〜630の巻き線同士が完全に密着するときのバネ長よりも大きく設定されている。例えば、第2ベーン42(面424)と第1シュー11(面115)の間の隙間が図2の大きさから図3の大きさへ変化し、その分だけコイルばね610を押し縮めても、コイルばね610の巻き線同士の間には所定の隙間が残るように設定されている。
尚、上記のように第2〜第4ベーン42〜44には、反時計回り方向側(面424〜444)にそれぞれ第1〜第3スプリングユニット61〜63が設けられている。このため、(後述するロック機構5が設けられた)幅広の第1ベーン41の重心、及び(第1〜第3スプリングユニット61〜63を含めた)第2〜第4ベーン42〜44の重心が、回転軸Oの周りで略等間隔の対称位置に設けられることとなる。これにより、ベーンロータ4の全体の軸周り方向における重量バランスが偏らずに均衡している。
第1ベーン41とリアプレート103には、リアプレート103(スプロケット104)に対してベーンロータ4の回転を拘束し、該拘束を解除可能なロック機構5が設けられている。ロック機構5は、ロックピストン51と、ロック穴構成部材(スリーブ52)と、コイルスプリング53と、スプリングリテーナ54とを有している。図5及び図6は、図2のC-C視の部分断面であり、ロックピストン51の作動状態を模式的に示す。図5は機関停止時(機関始動時)、図6は機関作動時の状態をそれぞれ示す。
第1ベーン41の内部には、摺動用孔501がX軸方向に貫通形成されている。摺動用孔501は、X軸正方向側に小径室502を有し、X軸負方向側に大径室503を有している。摺動用孔501の内部には、有蓋円筒状のロックピストン51がX軸方向に摺動自在に設置されている。ロックピストン51のX軸正方向側の端には、軸方向断面が略台形のテーパ状先端部511が形成されている。先端部511に隣接してX軸負方向側には、円筒状の摺動部512が形成されている。摺動部512に隣接してX軸負方向側の端には、円環状のフランジ部513が形成されている。
摺動部512の径は、摺動用孔501の小径室502の内周面と略同径に設けられている。摺動部512は小径室502に収容され、小径室502に対して摺動する。また、フランジ部513の径は、摺動部512よりも大径、かつ摺動用孔501の大径室503の内周面と略同径に設けられている。フランジ部513は大径室503に収容され、大径室503に対して摺動する。第1ベーン41の内部には、小径室502と大径室503との境界に、段差部504が形成されており、段差部504のX軸負方向側の面508とフランジ部513のX軸正方向側の面との間に、受圧室550が形成されている。
一方、リアプレート103には、固定孔505がX軸方向に貫通形成されている。固定孔505には、カップ状のスリーブ52が固定されている。リアプレート103(スプロケット104)にはスリーブ52のx軸正方向への移動を規制するスリーブ係止部107が設けられている(図1参照)。スリーブ52は、スリーブ係止部107においてリアプレート103と当接して係止される。スリーブ52には、軸方向断面が略台形の、開口部に向かって徐々に大径となるロック穴521が、X軸正方向側から穿設されている。
大径室503のX軸負方向側には、スプリングリテーナ54が設置されている。スプリングリテーナ54とロックピストン51との間には、コイルスプリング53が押し縮められた状態で設置されており、コイルスプリング53はロックピストン51をX軸正方向側、すなわちリアプレート103(ロック穴521)の方向へ常時付勢している。
ベーンロータ4が最進角側に相対回転したとき、すなわち第1ベーン41(の時計回り方向側の面415)と第1シュー11(の反時計回り方向側の面114)が接して遅角室R1の容積が最小となったときに、X軸方向から見て、ロックピストン51の位置とロック穴521の位置が略同軸に重なる。このとき、ロックピストン51がコイルスプリング53のばね力により押し付けられてX軸正方向へ移動し、先端部511がロック穴521に嵌まり込むことで、ロックピストン51がロック穴521と係合する。これにより、リアプレート103とベーンロータ4との相対回転、すなわちスプロケット104とカムシャフト3との相対回転がロックされる。
図5に示すように、第1ベーン41には、進角室A1と受圧室550とを連通する連通孔506が形成されている。同じく第1ベーン41には、X軸正方向側の面に、遅角室R1とロック穴521及び小径室502とを連通する連通溝507が形成されている。ロックピストン51は、連通孔506を介して進角室A1から受圧室550内に供給された作動油圧により、フランジ部513においてX軸負方向側に油圧力を受ける。
また、ロックピストン51は、連通溝507を介して遅角室R1からロック穴521内に供給された作動油圧により、先端部511においてX軸負方向側に油圧力を受ける。ロックピストン51は、上記油圧力のいずれかによって、コイルスプリング53のばね力に抗してX軸負方向側に移動する。これにより、ロックピストン51とロック穴521との係合が解除されるようになっている。
このようにコイルスプリング53は、ロック状態維持機構として機能する。そのばね力は、機関始動時に進角室A1内に滞留していた空気が、(後述する)ポンプPから進角室A1内に圧送されてきた作動油圧によって圧縮され、受圧室550内でフランジ部513を押圧したとしても、これによってコイルスプリング53が大きく圧縮変形せず、ロックピストン51とロック穴521との係合が解除されない程度の大きさに設定されている。
機構1の組み付け時には、まずハウジング10の本体部102にベーンロータ4を挿入し、ロックピン51を摺動用孔501に挿入し、コイルスプリング53及びスプリングリテーナ54をロックピン51の内部に挿入する。次に進角室A2〜A4にスプリングユニット62〜63を夫々係合させ、X軸正方向側からリアプレート103(スプロケット104)を本体部102に当接させる。その際、スリーブ52及びスリーブ係止部107が摺動用孔501と同軸上となるようにする。そして、本体部102のX軸負方向側からフロントプレート101を当接させ、ボルトb1〜b4により締結し、各部材を一体とする。
油圧給排機構2は、進角室A1〜A4又は遅角室R1〜R4へ作動油を供給し、排出することによって、ベーンロータ4をハウジング10(スプロケット104)に対して所定角度だけ正逆回転させる。すなわち、作動油の給排を調整して油室容積を変更することにより、ベーンロータ4に対してハウジング10が相対回転され、この状態で両者間の回転力伝達が行われることにより、クランクシャフトの回転に対するカムシャフト3の回転位相が変更される。油圧給排機構2は、図1に示すように、油圧供給源であるポンプPと、油流路と、油圧制御アクチュエータである流路切換弁24とを有している。
油流路は、2系統の通路、すなわち各進角室A1〜A4に対して作動油を給排する進角通路20、及び各遅角室R1〜R4に対して作動油を給排する遅角通路21を有している。両通路20,21には、メインオイルギャラリーである供給通路22とドレン通路23とが、流路切換弁24を介して接続されている。供給通路22には、オイルパン26内の油を圧送するポンプPが設けられている。ポンプPとしては、例えば一方向の可変容量ベーンポンプを用いることができる。ドレン通路23の下流端はオイルパン26に連通している。
進角通路20と遅角通路21の一部は、油圧供給ブロック25により構成されている。油圧供給ブロック25は、ベーンロータ4の嵌合穴403にX軸負方向側から挿通され、嵌合穴403に対して相対回転自在に嵌合している。油圧供給ブロック25の内部には、進角通路20の幹通路である第1通路200、及び遅角通路21の幹通路である第2通路210が、X軸方向に形成されている。このように油圧供給ブロック25を用いることで、カムシャフト3の側に軸心油路等を形成する必要がなくなり、カムシャフト3の加工工数を低減できる。
第1通路200は、油圧供給ブロック25のX軸正方向側の端面に開口している。油圧供給ブロック25の外周には、X軸正方向側の端に、嵌合穴403の内周面との間で液密性を確保するオイルシールが設けられている。油圧供給ブロック25のX軸正方向側の端面と嵌合穴403のX軸正方向側の内周面と上記オイルシールとの間で、第1油圧ポート251が形成されている。第1油圧ポート251には、カムボルト31のヘッド部分が収容されている。
第2通路210は、油孔252を介して、油圧供給ブロック25の外周に形成された油溝253と連通している。油圧供給ブロック25の外周には、油溝253のX軸方向両側を挟んで、油溝253の液密性を確保するオイルシールが設けられている。油圧供給ブロック25の外周面(油溝253)と嵌合穴403のX軸負方向側の内周面と上記オイルシールとの間で、第2油圧ポート254が形成されている。
進角通路20は、流路切換弁24と各進角室A1〜A4との間に設けられており、第1通路200と4本の分岐通路201,202,203,204とを有している。第1通路200は、流路切換弁24から油圧供給ブロック25の内部に連通し、第1油圧ポート251に連通している。分岐通路201〜204は、ロータ40の内部にX軸方向から見て略放射状に分岐形成されており(図2参照)、内径側では第1油圧ポート251に連通し、外径側ではそれぞれ進角室A1〜A4に連通している。
遅角通路21は、流路切換弁24と各遅角室R1〜R4との間に設けられており、第2通路210と4本の分岐通路211,212,213,214とを有している。第2通路210は、流路切換弁24から油圧供給ブロック25の内部に連通し、第2油圧ポート254に連通している。分岐通路211〜214は、ロータ40の内部にX軸方向から見て略放射状に分岐形成されており(図2参照)、内径側では第2油圧ポート254に連通し、外径側ではそれぞれ遅角室R1〜R4に連通している。
流路切換弁24は直動式のソレノイド弁(4ポート3位置の方向制御弁)であり、進角室A1〜A4又は遅角室R1〜R4へ給排される作動油圧を制御する。流路切換弁24は、シリンダヘッドに固定されたバルブボディと、バルブボディに固定されたソレノイドと、バルブボディの内部に摺動自在に設けられたスプール弁体とを有している。バルブボディには、供給通路22と連通する供給ポート240、進角通路20と連通する第1ポート241、遅角通路21と連通する第2ポート242、及びドレン通路23と連通するドレンポート243が形成されている。
ソレノイドは、電磁コイルへの通電によってスプール弁体を押圧移動させる。電磁コイルは、ハーネスを介してコントローラCUに接続されている。スプール弁体が移動するのに応じて、第1ポート241や第2ポート242が開閉される。
ソレノイドの非通電状態で、スプール弁体は、リターンスプリングRSのばね力によってX軸負方向側に最大変位し、供給ポート240と第1ポート241とを連通し、かつ第2ポート242とドレンポート243とを連通する位置に付勢されている。一方、ソレノイドが通電された状態で、スプール弁体は、コントローラCUからの制御電流によって、リターンスプリングRSのばね力に抗してX軸正方向側の最大位置、または所定の中間位置に移動制御されるようになっている。
コントローラCUは電子制御ユニットであり、機関回転数を検出するクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータ、スロットルバルブ開度センサ、機関の水温を検出する水温センサ等の各種センサ類からの信号によって、現在の機関運転状態を検出する。また、コントローラCUは、機関運転状態に応じて流路切換弁24の電磁コイルにパルス制御電流を通電し、又は通電を遮断して、流路の切り替え制御を行うことで、進角室A1〜A4又は遅角室R1〜R4へ作動油を選択的に給排する。
(可変バルブタイミング機構の作用)
以下、VTCの作用を、図面に基づき説明する。図2は機関停止時(機関始動時)、図3は機関回転時の状態をそれぞれ示す。ベーンロータ4やハウジング10、進角室A1〜A4及び遅角室R1〜R4、油圧給排機構2等によって位相変更機構(VTC)が構成されている。
機関作動時、カムシャフト3の回転中、排気弁のバルブスプリングからカムシャフト3のカムへ伝達される回転反力により、カムシャフト3には、いわゆる交番トルクが発生する。すなわちカム形状に起因して、カムシャフト3の(時計回り方向の)回転を妨げる(反時計回り方向の)正トルクと、カムシャフト3の回転をアシストする(時計回り方向の)負トルクが、カムシャフト3に交互に作用する。そして、カムシャフト3のカムとバルブ側部材との接触面における抵抗に起因して、交番トルクは、全体としてみると正トルク側へオフセットしている。すなわち、カムシャフト3の回転周期ごとに発生する正トルク及び負トルクを時間的に積分すると正となり、カムシャフト3には平均して正トルクが作用する。
機関が停止すると、ポンプPの作動が停止される。また、コントローラCUから流路切換弁24への通電が遮断される。よって、進角室A1〜A4と遅角室R1〜R4への作動油圧の供給が停止される。また、機関停止直後には、カムシャフト3に発生する(正トルク側にオフセットした)交番トルクによって、ベーンロータ4は、ハウジング10に対して、スプロケット104(ハウジング10)の回転方向(図2の矢印方向)とは反対側の反時計回り方向、すなわち遅角側へ回転移動しようとする。
一方、付勢手段6(第1〜第3スプリングユニット61〜63)によって、ベーンロータ4は、ハウジング10に対して、スプロケット104の回転方向と同じ時計回り方向、すなわち進角側に付勢されている。よって、機関の停止後、ベーンロータ4は、交番トルクの影響を受けずに、付勢力に従って、予め機関(再)始動に適した所定の初期位置、すなわち図2に示す最進角側の位置に移動する。(これは機関停止時に限らず、アイドル時等の低油圧時においても同様である。)言い換えると、バルブタイミングが機関(再)始動に適した位相となる。最進角状態では、進角室A1〜A4の容積が最大となる一方、遅角室R1〜R4の容積が最小となる。
また、ハウジング10に対してベーンロータ4が最進角側に相対回転したとき、ロック機構5のロックピストン51の位置とロック穴521の位置が重なるため、機関停止時には、図5に示すように、コイルスプリング53のばね力により、先端部511がロック穴521内に嵌まり込んで係合し、ロックピストン51がベーンロータ4の自由な回転を規制する。これにより、機関再始動時には、油圧発生の有無に関わらず、VTCの初期位置から制御可能となり、機関再始動時においてカムシャフト3に作用する交番トルクによって生じるベーンロータ4とハウジング10との間のバタツキ(衝突による異音の発生)を防止できる。
次に、イグニッションキーをオン操作して機関を始動させた場合、クランキング開始から数秒間は、コントローラCUからの制御電流が流路切換弁24に出力されない。スプール弁体は、リターンスプリングRSのばね力によってX軸負方向側の最大位置に付勢され、供給ポート240と第1ポート241とを連通し、第2ポート242とドレンポート243とを連通する。よって、ポンプPから吐出された作動油圧は、供給通路22から供給ポート240を介してバルブボディ内に流入し、そのまま第1ポート241から第1通路200内に流入し、ここから各分岐通路201〜204を通って、各進角室A1〜A4に供給される。各進角室A1〜A4の内圧は、ポンプPの吐出圧が増大するに応じて上昇する。
進角室A1の内圧が上昇するに伴って、この油圧が連通孔506(図5参照)から受圧室550に供給され、ロックピストン51のフランジ部513の受圧面に油圧力として作用する。ポンプPの吐出圧が所定値P1以上になると、上記油圧力がコイルスプリング53のばね力よりも大きくなってロックピストン51がX軸正方向に移動する。先端部511がロック穴521から完全に抜け出すと、ロック状態が解除される。すなわち、ベーンロータ4の自由な回転が許容され、バルブタイミングの任意の変更が可能な状態となる。ロック状態が解除される上記所定圧P1は、時間的にはイグニッションキーをオンして約2〜3秒経過後に実現される。
ロック状態が解除された後も、ポンプPの吐出圧がP1以上かつ所定圧P2未満のとき、ベーンロータ4は、各進角室A1〜A4内に供給される比較的低い作動油圧によって、機関停止時の最進角側に位置した状態が維持される。よって、機関始動性が向上する。尚、このとき、各進角室A1〜A4内に滞留した空気は、油圧によって押圧されて、油圧と一緒にベーンロータ4を最進角側へ押し付ける働きをする。
クランキング後、機関回転数が中回転域まで上昇すると、ポンプPの吐出圧がP2以上となる。コントローラCUから流路切換弁24に通電されると、スプール弁体がX軸正方向へ移動する。X軸正方向での最大位置になると、スプール弁体は、供給ポート240と第2ポート242とを連通し、第1ポート241とドレンポート243とを連通する。
このため、ポンプPの吐出圧は、供給通路22から供給ポート240及び第2ポート242を介して第2通路210内に流入し、ここから各分岐通路211〜214を通って各遅角室R1〜R4に供給される。よって、各遅角室R1〜R4の内部が高圧になる。一方、各進角室A1〜A4内の作動油は第1通路200等を介して第1ドレンポート243からオイルパン26に戻されるため、各進角室A1〜A4の内部は低圧になる。
このとき、ロック機構5において、受圧室550の油圧は低下するものの、今度は遅角室R1の油圧の上昇に伴い、連通溝507から先端部511に供給される高油圧によって、ロックピストン51はX軸負方向側の油圧力を受ける。これにより、ロックピストン51がコイルスプリング53のばね力に抗してロック穴521から抜け出した解除状態が維持される。
一方、ポンプPが吐出するP2以上の作動油圧により各遅角室R1〜R4の油圧が増大し、この油圧力が各進角室A1〜A4の油圧力とスプリングユニット61〜63の付勢力との和よりも大きくなると、ベーンロータ4は、図2に示す位置から、スプロケット104(ハウジング10)の回転方向(図2の矢印方向)と反対側の反時計回り方向に、ハウジング10に対して回転する。これにより、クランクシャフトに対するカムシャフト3の回転位相が遅角側へ速やかに変更され、吸気弁と排気弁がともに開弁する期間であるバルブオーバーラップが若干大きくなる。
尚、機関回転数の低下等により各遅角室R1〜R4の油圧が減少すると、相対回転位相が進角側へ速やかに戻され、バルブオーバーラップが小さくなる。このとき、ポンプPの吐出圧はP2以上であるため、ロック解除状態は維持されたままである。
機関回転数がさらに上昇すると、ポンプPの吐出圧がP3以上となる。また、コントローラCUから流路切換弁24への通電が維持され、各遅角室R1〜R4に高油圧が継続的に供給される。このため、ベーンロータ4は反時計回り方向へさらに相対回転して、カムシャフト3の回転位相をさらに遅角側に変更させる。最終的に、図3に示すように、ベーンロータ4は、各遅角室R1〜R4の容積が最大となる最遅角側の位置に保持され、これによりバルブオーバーラップが最大となる。最遅角状態では、進角室A1〜A4の容積が最小となる一方、遅角室R1〜R4の容積が最大となる。
(作用効果)
以上のように、VTCの作動油圧がゼロになるか又は低下する機関停止時やアイドル時に、付勢手段6の付勢力により、交番トルクの影響を受けずにベーンロータ4をハウジング10に対して最進角側の初期位置に回転移動させる。よって、機関再始動時やアイドル時においてもVTCを初期位置から制御可能とし、機構1を安定的に作動させることができる。
また、初期位置においてロック手段(ロック機構5)を作動させることでハウジング10とベーン(第1〜第4ベーン41〜44)との相対回動を規制可能である。すなわち、油圧が発生しない状態であってもハウジング10とベーンロータ4とを保持状態とし、油圧の発生の有無に関わらずVTCを初期位置から制御することが可能である。これにより、交番トルクによって生じるベーンロータ4とハウジング10との間のバタツキや異音を防止しつつ、機関始動時やアイドル時においても機構1を安定的に作動させることができる。
そして、VTCの作動油圧が上昇し、ロックを解除してバルブタイミングを遅角側に変更するときは、ベーンロータ4をハウジング10に対して相対回動させる。その際、第4シュー14と第1ベーン41の接触により所定量以上の相対回動を不可能としている。すなわち、進角室A1内において第4シュー14と第1ベーン41とが最遅角位置において当接することでストッパ機能を発揮し、相対回転を規制する。このとき、他のシューとベーンとは当接しておらず、進角室A2〜A4に所定の容積(各スプリングユニット61〜63が完全に縮小しない周方向間隔)が確保された状態を維持している。
このストッパ機能により付勢手段6の変位量(圧縮量)が所定量以下に規制されるため、付勢手段6の塑性変形が防止され、付勢力が不可逆的に変化することを防止できる。すなわち、第4シュー14と第1ベーン41の接触面は、最遅角位置で当接した際に各スプリングユニット61〜63が完全に縮小しないような位置に設けられている。最遅角状態となった場合、スプリングユニット61〜63が完全に縮小状態となる前に第4シュー14と第1ベーン41が当接して回転を規制する。
このため、どの回転位相であっても、各スプリングユニット61〜63においてベーン側及びシュー側それぞれの保持部611,612等が当接しないのは勿論のこと、各スプリングユニット61〜63のコイルばね610〜630は完全縮小状態とはならない。よって、最遅角状態においてもスプリングユニット61〜63は密着長まで圧縮せず、スプリング線同士が干渉し合うことがなく、スプリング線間の隙間を確保して線同士の接触を回避できるため、付勢手段6の塑性変形及び付勢力の変化を防止できる。
ここで仮に、付勢手段6が設けられない油室A1ではなく、付勢手段6が設けられた油室A2〜A4に付勢手段6の圧縮量を規制するストッパ手段を設けることとした場合、ストッパ手段を設けたスペースの分だけ付勢手段6を配置するスペースが制限されてしまう。言い換えると、付勢手段6のサイズの上限が小さくなって、付勢力を所定量以上増大することができなくなる。付勢力を増大するためには油室A2〜A4を大きくしてスペースを確保する必要があるが、この場合、VTCが大型化してしまう。例えば、第2ベーン42の1つの側面424に、付勢手段6の保持部と上記ストッパ機能を有する接触部とを一緒に設けた場合、保持部用の面積と接触部用の面積のうち一方の面積を拡大すると他方の面積が縮小してしまう。
これに対して、本実施例1では、互いの間に付勢手段6が設けられていないシュー14とベーン41との接触によってハウジング10とベーンロータ4の相対回動を規制する。言い換えると、付勢手段6の圧縮時のストッパが、付勢手段6が設けられていない油室A1に設けられているため、付勢手段6の配置スペースが制約されることがない。よって、付勢手段6のサイズを大きくして付勢力を増大することができる。言い換えると、VTCの小型化を図りつつ付勢力を増大できる。例えば、付勢手段6の保持部とストッパ機能を有する接触部とがベーンの同一の側面に設けられず、異なるベーン41(接触部)、42〜44(保持部)にそれぞれ別に設けられているため、双方の面積を拡大することができる。
また、第4シュー14との当接部分も含めて第1ベーン41は回転軸方向(X軸方向)に同一形状で形成されており、ベーンロータ4の焼結加工時に型成形により一体形成される。よって、別の部分に特別な回転規制機構(ストッパ機構)を設ける必要がなく、簡単にストッパ機構を構成することができる。尚、本実施例1では第4シュー14と第1ベーン41を面接触させることとしたが、第4シュー14において第1ベーン41に向かって突出する凸部を形成し、この凸部と第1ベーン41が当接することとしてもよい。また、第1ベーン41の側に上記凸部を形成することとしてもよい。
また、ロック手段(ロック機構5)を有する第1ベーン41が回動する油室A1を除く油室A2〜A3を形成するシュー11〜14とベーン42〜44の間に、ハウジング10に対してベーン42〜44を一方向に付勢するための付勢手段6を設けている。すなわち、ロック機構5を有する第1ベーン41は他のベーン42〜44と比較して重くなる。よって、カムシャフト3に取り付けられる機構1の重心がロック機構5を有する第1ベーン41の側に偏り、機構1のバランス性が悪化し、VTC作動時(カムシャフト3の回転時)に振動が発生する原因となっていた。本実施例1では、第1ベーン41を除くベーン42〜44に付勢手段6を設けることで、ベーンロータ4の軸心Oの周りの重量バランスを向上させ、アンバランス量を低減しており、これによりVTC作動時における振動を抑制できる。
また、進角方向と遅角方向とで、接触により相対回動を規制するベーンは同じであり、ロック機構5を有する第1ベーン41である。すなわち、ロック機構5を有する第1ベーン41は、最進角位置で付勢手段6の付勢方向側で隣り合う第1シュー11と接触するとともに(図2)、最遅角位置で付勢方向とは反対方向側で隣り合う第4シュー14とも接触する(図3)。最進角位置では、ロック機構5を有する第1ベーン41には付勢手段6の付勢力に加えて油圧力が作用する。しかし、ロック機構5を有する第1ベーン41は周方向に厚いため、剛性は十分であり、相対回動を規制するための強度を十分に得ることができて有利である。
ロック手段(ロック機構5)は、第1ベーン41の内部に収納されるロックピストン51であって、軸方向に作動することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を係止し、又は前記係止を解除する。すなわち、付勢手段6の付勢力によってベーンロータ4が所定の初期位置に回動してきたときに自動的にロックピストン51がロック穴521に係合するため、ロック動作のためのアクチュエータを特に必要としない。よって、ロック手段としてクラッチ機構やレバー機構を用いた場合よりも機構が簡便であり、低コスト化しつつロック作動の信頼性を確保できる。
付勢手段6はコイルばねであって、各進角室A1〜A4に1本ずつコイルばね610〜630を収納している。このようにコイルばねを用いることで、例えば板ばね等を用いた場合に比べ、付勢力を調整しやすく、また油室A2〜A3に設置しやすく組付性がよい。また、各油室A2〜A3に1本ずつ収納することで、機構1を小型化できる。例えば各油室A2〜A3にコイルばねを2本ずつ軸方向に重ねて収納した場合、機構1が軸方向に大型化してしまう。また、2本のコイルばねを油室A2〜A3に設置する際、これらをホルダ(保持部)に設置して1つのスプリングユニットとした状態で油室A2〜A3に設置しなければ設置が困難である。これに対し、本実施例1のように各油室A2〜A3に1本ずつ収納した場合には、組み付けが容易であるだけでなく、コイルばね610〜630をホルダ(保持部611,612等)と一体化せず直接に油室A2〜A3に設置することも可能であり、この場合、ホルダを省略することで部品点数を削減できる。
ロック機構5を有する第1ベーン41に、付勢手段6の付勢力により容積が拡大する側の油室(進角室A1)と連通し、ロック機構5を作動(ロック解除)させるための油を供給する通路(連通孔506)を形成している。すなわち、付勢手段6が設けられたベーン42〜44には、付勢手段6を保持するための溝446等や部材を設ける必要がある(図4参照)。一方、ロック機構5が設けられた第1ベーン41には、VTCの作動に応じたロック機構5の係合・解除を実現するために、油室A1と連通し、ロック機構5を作動させるための油を供給する通路(連通孔506)を形成するのが簡便である。本実施例1では、ロック機構5を有する第1ベーン41が回動する油室A1に付勢手段6を設けていないため、上記通路(連通孔506)が、付勢手段6を保持するために必要な溝や部材と干渉することがない。よって、上記通路(連通孔506)を自由に配置することができ、設計の自由度が高い。
[実施例1の効果]
以下、実施例1から把握される本発明の可変バルブタイミング機構1の効果を列挙する。
(1)内燃機関の可変バルブタイミング機構1において、クランクシャフトの回転力が伝達され、内周側に凸形状の複数のシュー11〜14を有するハウジング10と、カムシャフト3へ回転力を伝達し、ハウジング10との間で相対回動自在に設けられ、シュー11〜14間で相対回動するシュー11〜14と同数のベーン41〜44と、ベーン41〜44と一体のロータ40と、上記相対回動を規制可能なロック手段(ロック機構5)とを有するベーンロータ4と、周方向に隣り合うシュー11〜14とロータ40により隔成される油室と、上記油室がベーン41〜44により隔成された進角室A1〜A4及び遅角室R1〜R4と、進角室A1〜A4又は遅角室R1〜R4へ油を給排するための油通路(分岐通路201〜204、211〜214等)と、ハウジング10に対してベーン42〜44を一方向(時計回り方向)に付勢し、ベーン42〜44が付勢される方向と反対方向にハウジング10とベーンロータ4が相対回動したときに互いに接触して上記相対回動を規制する第4シュー14と第1ベーン41「を除く」シュー11〜13とベーン42〜44の間に設けられた付勢手段6(第1〜第3スプリングユニット61〜63)と、を有することとした。
言い換えると、付勢手段6によりベーン42〜44が付勢される方向と反対方向にハウジング10とベーンロータ4が相対回動したときに互いに接触して上記相対回動を規制する第4シュー14と第1ベーン41を設け、相対回動を規制する第4シュー14と第1ベーン41を除くシュー11〜13とベーン42〜44の間に付勢手段6を設けた。
よって、第4シュー14と第1ベーン41の接触によるストッパ機能により、付勢手段6の変位量(圧縮量)が所定量以下に規制されるため、付勢手段6の塑性変形が防止され、その付勢力が不可逆的に変化することを防止できる。したがって、付勢手段6の付勢力の変化を防止し、機構をより安定的に作動できる。
また、付勢手段6が設けられていない油室A2〜A4にストッパ機能が設けられているため、付勢手段6の配置スペースが制約されることがない。よって、機構1の小型化を図りつつ付勢力を任意に調整できる、という効果を奏する。
(2)ロック手段(ロック機構5)を有するベーン41が回動する油室A1を除く油室A2〜A4を形成するシュー11〜13とベーン42〜44の間に、ハウジング10に対してベーン42〜44を一方向に付勢するための付勢手段6を設けた。
よって、ロック手段により、ベーンロータ4とハウジング10の相対回動を規制することで、両者間のバタツキや異音を防止し、機関始動時やアイドル時においても機構1を安定的に作動させることができる。また、ロック手段を有するベーン41を除くベーン42〜44に付勢手段6を設けることで、ベーンロータ4の軸心Oの周りの重量バランスを向上させ、VTC作動時における振動を抑制できる、という効果を奏する。
(3)ロック手段はベーン41の内部に収納されるロックピストン51であって、軸方向に作動することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を係止し、又は上記係止を解除する。
よって、機構1が簡便であり、低コスト化しつつロック作動の信頼性を確保できる。
(4)付勢手段6はコイルばねであって、各進角室A2〜A4に1本ずつコイルばね610〜630を収納した。
よって、コイルばねを用いることで付勢力を調整しやすく、また組付性がよい。また、各油室A2〜A4に1本ずつ収納することで、機構を小型化できる。
(5)ロック手段(ロック機構5)を有するベーン41に、付勢手段6の付勢力により容積が拡大する側の油室A1と連通し、ロック手段を作動させるための油を供給する通路(連通孔506)を形成した。
よって、ロック手段を有するベーン41が回動する油室A1に付勢手段6を設けていないため、付勢手段6を保持するための溝446等や部材とロック手段を作動させるための油通路(連通孔506)とが干渉せず、設計の自由度が高い。
(実施例2の構成)
実施例2の可変バルブタイミング機構1は、ベーンが付勢される方向と反対方向にハウジング10とベーンロータ4が相対回動したときに互いに接触して上記相対回動を規制するシューとベーン「を除く」シューとベーンの間に付勢手段6(第1〜第3スプリングユニット61〜63)を設けている点で、実施例1と共通する。しかし、上記ストッパ機能を有するベーンが第1ベーン41ではなく第3ベーン43である点、及び第1〜第4シュー11〜14の間の周方向間隔の広狭が、実施例1と相違する。その他の構成は実施例1と同様である。
図7,図8は実施例2の機構1を示し、それぞれ図2,図3と同様の断面図(図1のA-A視断面)である。以下、実施例1と対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
実施例2の第1〜第4シュー11〜14の配置は、実施例1の配置に対し、第3、第4シュー13,14を(互いの周方向間隔は同一に保ったまま)軸心Oの周りで反時計回り方向に所定角度だけずらしたものである。これにより、第2シュー12と第3シュー13との間の周方向間隔は、実施例1よりも狭く設けられ、他のシュー間の周方向間隔よりも狭くなっている。また、第4シュー14と第1シュー11との間の周方向間隔は、実施例1よりも広く設けられ、他のシュー間の周方向間隔よりも広くなっている。第1シュー11と第2シュー12との間、及び第3シュー13と第4シュー14との間の周方向間隔は、実施例1と同様である。また、第1〜第4シュー11〜14それ自体の周方向幅や、第1〜第4ベーン41〜44の周方向幅は、実施例1と同様である。
言い換えると、ベーンロータ4の軸心Oを挟んで(ロック機構5を有する)第1ベーン41と反対側の第3ベーン43の周方向両側の第2、第3シュー12,13が軸心Oに対してなす角度(このような角度の基準としては、例えば各シューの重心位置や各シューの周方向中間位置を用いることができる。)を、他のベーン41,42,44の周方向両側のシュー(第4シュー14と第1シュー11、第1シュー11と第2シュー12、第3シュー13と第4シュー14)がそれぞれ軸心Oに対してなす角度よりも小さくしている。
また、(ロック機構5を有する)第1ベーン41の周方向両側の第1、第4シュー11,14が軸心Oに対してなす角度を、他のベーン42〜44の周方向両側のシュー(第1シュー11と第2シュー12、第2シュー12と第3シュー13、第3シュー13と第4シュー14)がそれぞれ軸心Oに対してなす角度よりも大きくしている。
付勢手段6は3つのスプリングユニット、すなわち第1、第3、第4スプリングユニット61,63,64を有している。3つの進角室A2, A4, A1には、それぞれスプリングユニット61,63,64が設けられている。周方向間隔が狭く設けられた第2シュー12と第3シュー13との間の油室において、第3進角室A3には付勢手段6(第2スプリングユニット62)が設けられていない。一方、周方向間隔が広く設けられた第4シュー14と第1シュー11との間の油室において、第4シュー14と第1ベーン41との間(第1進角室A1)には付勢手段6(第4スプリングユニット64)が設けられており、ハウジング10(第4シュー14)に対して第1ベーン41を時計回り方向に付勢している。
言い換えると、軸心Oを挟んで(ロック機構5を有する)第1ベーン41と反対側の第3ベーン43が回動する油室A3「を除く」油室A2, A4, A1を形成するシュー11,13,14とベーン41,42,44の間に、ハウジング10に対してベーン41,42,44を一方向に付勢するための付勢手段6(スプリングユニット61,63,64)が設けられている。
第4スプリングユニット64は、1本のコイルばね640と、その両端に設けられた保持部641,642とを有している。コイルばね610,630,640の付勢力は、略同一に設けられている。第4シュー14の時計回り方向側の面145には、保持部641を支持する溝146が設けられている。溝146のハウジング外径側(第4シュー14の根元部分)にはガイド部147が形成されている。一方、第1ベーン41の反時計回り方向側の面414には、保持部642を支持する穴416が設けられている。
(作用)
上記のように、ロック機構5を有する第1ベーン41は他のベーン42〜44と比較して重いため、VTC作動時(カムシャフト3の回転時)に振動が発生する原因となる。本実施例2では、第1ベーン41と軸心Oを挟んで反対側の第3ベーン43の周方向両側の第2、第3シュー12,13が軸心Oに対してなす角度を他のシューがなす角度よりも小さくしている。このため、シュー12,13を合わせた質量の重心と軸心Oとの距離が大きくなり、第1ベーン41と反対側のハウジング10の重さ(慣性モーメント)が大きくなって、第1ベーン41の重さを打ち消す。これにより、機構1の軸心Oの周りの重量バランスを向上させ、アンバランス量を低減して、VTC作動時における振動を抑制している。
また、第1ベーン41の周方向両側の第1、第4シュー11,14が軸心Oに対してなす角度を他のシューがなす角度よりも大きくしている(いわば第1、第4シュー11,14の間の肉抜き量を多くしている)。このため、シュー11,14を合わせた質量の重心と軸心Oとの距離が小さくなり、第1ベーン41の側のハウジング10の重さ(慣性モーメント)が小さくなって、第1ベーン41の重さを打ち消す。これにより、上記と同様、機構1の軸心Oの周りの重量バランスを向上させ、VTC作動時における振動を抑制している。
また、実施例1と異なり、シューと接触することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を規制するベーンを、上記相対回動の方向に応じて別々に設けている。言い換えると、シューとベーンが接触することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を規制する進角方向接触部と遅角方向接触部をそれぞれ異なるベーンに設けている。
すなわち、付勢手段6によりベーン41,42,44が付勢される方向である時計回り方向(進角方向)にベーンロータ4がハウジング10に対して回動すると、図7に示すように、実施例1と同様、第1ベーン41(の時計回り方向側の面415)と第1シュー11(の反時計回り方向側の面114)が互いに接触して上記相対回動を規制する。
一方、付勢手段6による付勢方向と反対の反時計回り方向(遅角方向)にベーンロータ4がハウジング10に対して回動すると、図8に示すように、実施例1と異なり、第3ベーン43(の反時計回り方向側の面434)と第2シュー12(の時計回り方向側の面125)が互いに接触して上記相対回動を規制する。このストッパ機能により付勢手段6(スプリングユニット61,63,64)の変位量が所定以下に規制されるため、付勢手段6の塑性変形が防止され、付勢力の不可逆的変化を防止できる。
このように、進角方向と遅角方向とで、接触により相対回動を規制するベーンが異なっており、進角方向では第1ベーン41であり、遅角方向では第3ベーン43である。よって、1つのベーンが担当する強度が小さくて済む。言い換えると、各ベーン41,43の剛性が比較的小さくても、相対回動を規制するための強度を十分に得ることができる。
そして、進角方向で相対回動を規制するベーンは、ロック機構5を有する第1ベーン41であり、第1ベーン41(面415)は付勢手段6の付勢方向側で隣り合う第1シュー11(面114)と接触する(図7)。一方、遅角方向で相対回動を規制するベーンは、ロック機構5を有しない第3ベーン43であり、第3ベーン43(面434)は付勢方向とは反対方向側で隣り合う第2シュー12(面125)と接触する(図8)。
よって、第3ベーン43が付勢方向とは反対方向側の第2シュー12と接触する際の圧接力は、油圧力から付勢手段6の付勢力を差し引いたものとなるため、相対回動規制時に第3ベーン43を第2シュー12に押し付ける力は比較的小さくなり、よって第3ベーン43の周方向厚さは小さくて済む。すなわち第3ベーン43を薄く設けてもストッパを兼ねさせることができる。尚、第1ベーン41には付勢手段6の付勢力に加えて油圧力が作用する場合があるが、ロック機構5を有する第1ベーン41は元々周方向に厚く設けられているため、強度の心配は少ない。
(実施例2の効果)
(6)内燃機関の可変バルブタイミング機構1において、クランクシャフトの回転力が伝達され、内周側に凸形状の4枚のシュー11〜14を有するハウジング10と、カムシャフト3へ回転力を伝達し、ハウジング10との間で相対回動自在に設けられ、シュー11〜14間で相対回動するシュー11〜14と同数のベーン41〜44と、ベーン41〜44と一体のロータ40とを有し、ベーン41〜44のうち1つ(第1ベーン41)が周方向に肉厚であり、上記相対回動を規制可能なロック手段(ロック機構5)を有するベーンロータ4と、周方向に隣り合うシュー11〜14とロータ40により隔成される油室と、上記油室がベーン41〜44により隔成された進角室A1〜A4及び遅角室R1〜R4と、進角室A1〜A4又は遅角室R1〜R4へ油を給排するための油通路(分岐通路201〜204、211〜214等)と、を設け、ベーンロータ4の軸心Oを挟んで(ロック手段を有する)第1ベーン41と反対側の第3ベーン43が回動する油室A3「を除く」油室A2, A4, A1を形成するシュー11,13,14とベーン41,42,44の間に、ハウジング10に対してベーン41,42,44を一方向に付勢するための付勢手段6(スプリングユニット61,63,64)を設け、上記反対側の第3ベーン43の周方向両側の第2シュー12と第3シュー13が軸心Oに対してなす角度を、他のベーン41,42,44の周方向両側のシュー(第4シュー14と第1シュー11、第1シュー11と第2シュー12、第3シュー13と第4シュー14)が軸心Oに対してなす角度よりも小さくした。
よって、実施例1の(1)と同様の効果を得ることができるほか、機構1の重量バランスを向上させ、VTC作動時における振動を抑制できる、という効果を奏する。
(7)ロック手段はベーン41の内部に収納されるロックピストン51であって、軸方向に作動することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を係止し、又は上記係止を解除する。
よって、実施例1の(3)と同様の効果を得ることができる。
(8)付勢手段6はコイルばねであって、各進角室A2, A4, A1に1本ずつコイルばね610,630,640を収納した。
よって、実施例1の(4)と同様の効果を得ることができる。
(9)シューと接触することによりハウジング10とベーンロータ4の相対回動を規制するベーン41,43を、上記相対回動の方向に応じて別々に設けた。
よって、相対回動を規制するために各ベーン41,43が備えなければならない強度や剛性が小さくて済む。
(10)上記相対回動を規制するベーンは、ロック機構5を有する第1ベーン41と上記反対側の第3ベーン43とからなり、第1ベーン41は付勢手段6の付勢方向側で隣り合う第1シュー11と接触し、第3ベーン43は付勢方向とは反対方向側で隣り合う第2シュー12と接触することとした。
よって、上記(9)と同様の効果を得ることができるほか、第3ベーン43の周方向厚さが小さくて済み、強度の心配が少ない。
(11)ロック機構5を有する第1ベーン41の周方向両側の第4シュー14と第1シュー11が軸心Oに対してなす角度を、他のベーン42〜44の周方向両側のシュー(第1シュー11と第2シュー12、第2シュー12と第3シュー13、第3シュー13と第4シュー14)が軸心Oに対してなす角度よりも大きくした。
よって、機構1の重量バランスを向上させ、VTC作動時における振動を抑制できる。
(12)尚、第1ベーン41と反対側の第3ベーン43の径方向長さを他のベーン41,42,44よりも小さく設けることとしてもよい。
すなわち、第3ベーン43は、付勢手段5もロック機構5も有しないため、第2シュー12との接触に対して強度を保つことができる範囲内で、その径方向長さを短縮することが可能である。第3ベーン43の径方向長さを短くすることにより、ベーンロータ4の軽量化を図ることができるとともに、油室A3,R3の容積を調節し、相対回動に必要な油量を減らすこともできる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1、2に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1、2では、本発明のVTC(機構1)を機関の排気側カムシャフトのみに設置することとしたが、吸気側カムシャフトに設置することとしてもよく、排気側及び吸気側の両方にVTCを適用することとしてもよい。また、クランクシャフトの回転が回転伝達部材により両方のカムシャフトに直接伝達される構成としてもよいし、一方のカムシャフトに伝達された後、別途回転伝達部材により他方のカムシャフトに回転が伝達される構成でもよく、特に限定しない。
実施例1、2では付勢手段6(スプリングユニット)を進角室に設けることとしたが、遅角室に設けることとしてもよい。クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達する形式によっては、遅角側に付勢する必要も出てくるからである。
実施例1、2では、機関停止時(再始動時)のベーンロータのロック位置を最進角側としたが、これに限らず、機関始動に適した所定位置でロックしてこれをVTCの初期位置とすることとしてもよい。また、実施例1、2では、ロック手段として、油圧により係脱するロックピストンを用いることとしたが、例えばクラッチ機構やレバー機構等を用いることとしてもよい。また、機関始動に適したベーンロータの初期位置を最進角側(又は最遅角側)に設定した場合、機関停止時(再始動時)にベーンロータを上記初期位置に保持することができれば完全にロックする必要はなく、ロック手段を設けることなく付勢手段(スプリングユニット)を用いて最進角側(又は最遅角側)に保持することとしてもよい。
実施例1、2ではスプリングユニットに設けられるコイルばねは1本であることとしたが、2本以上であってもよく、特に限定しない。
実施例1、2ではスプリングユニットにおいてコイルばねを用いたが、コイルばねの代わりに板ばね等の弾性部材を用いてもよい。また、実施例1、2では各スプリングユニットにホルダ(保持部)を設けることしたが、ホルダ(保持部)を適宜省略することとしてもよい。
実施例1、2では、機関駆動軸であるクランクシャフトから機構1のハウジング10に動力を伝達する部材としてタイミングチェーンを用いることとしたが、ベルトやギヤを用いることとしてもよい。回転が伝達されるハウジング10側の部材としては、スプロケットのほか、ベルトで駆動されるプーリやギヤ同士で駆動されるギヤなどを用いることができる。
実施例1、2では、スプロケットはハウジングのカムシャフト側を塞ぐ部材(リアプレート)を兼ねる構成としたが、この回転伝達部材はハウジングのどこに設けられていてもよく、カムシャフト側とは反対側(フロントプレート側)やハウジング(本体部)の外周に設けることとしてもよい。
実施例1、2では、ボルトb1〜b4を締結するための雌ネジをリアプレート103に形成したが、フロントプレート101に上記雌ネジを設け、フロントプレート101、本体部102、及びリアプレート103を、ボルトb1〜b4によってX軸正方向側から一体的に締付固定することとしてもよい。
実施例1、2ではベーンの数を4枚としたが、他の枚数であってもよく、特に限定されない。
実施例1、2では、付勢手段6の付勢方向における相対回動を、第1ベーン41と第1シュー11の接触により規制することとしたが、他のベーンとシュー、すなわち第2ベーン42と第2シュー12、第3ベーン43と第3シュー13、第4ベーン44と第4シュー14のいずれか1組又は複数組の接触により規制することとしてもよい。
実施例1の可変バルブタイミング機構の断面図である(図2(a)のB-O-B断面)。 (a)実施例1の最進角位置での可変バルブタイミング機構の断面図(図1のA-A視断面)と、(b)その部分拡大図である。 実施例1の最遅角位置での可変バルブタイミング機構の断面図(図1のA-A視断面)である。 実施例1の可変バルブタイミング機構の部分分解斜視図である。 実施例1の機関停止時のロック機構を示す(図2のC-C視部分断面)。 実施例1の機関回転時のロック機構を示す(図2のC-C視部分断面)。 実施例2の最進角位置での可変バルブタイミング機構の断面図(図1のA-A視断面)である。 実施例2の最遅角位置での可変バルブタイミング機構の断面図(図1のA-A視断面)である。
符号の説明
1 可変バルブタイミング機構
3 カムシャフト
10 ハウジング
11〜14 シュー
4 ベーンロータ
40 ロータ
41〜44 ベーン
5 ロック機構(ロック手段)
6 付勢手段
61〜63 スプリングユニット
201〜204 分岐通路(油通路)
A1〜A4 進角室
R1〜R4 遅角室

Claims (12)

  1. 内燃機関の可変バルブタイミング機構において、
    クランクシャフトの回転力が伝達され、内周側に凸形状の複数のシューを有するハウジングと、
    カムシャフトへ回転力を伝達し、前記ハウジングとの間で相対回動自在に設けられ、前記シュー間で相対回動する前記シューと同数のベーンと、前記ベーンと一体のロータと、を有するベーンロータと、
    周方向に隣り合う前記シューと前記ロータにより隔成される油室と、
    前記油室が前記ベーンにより隔成された進角室及び遅角室と、
    前記進角室又は遅角室へ油を給排するための油通路と、
    前記ハウジングに対して前記ベーンを一方向に付勢し、前記ベーンが付勢される方向と反対方向に前記ハウジングと前記ベーンロータが相対回動したときに互いに接触して前記相対回動を規制するシューとベーンを除くシューとベーンの間に設けられた付勢手段と、を有する
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  2. 内燃機関の可変バルブタイミング機構において、
    クランクシャフトの回転力が伝達され、内周側に凸形状の複数のシューを有するハウジングと、
    カムシャフトへ回転力を伝達し、前記ハウジングとの間で相対回動自在に設けられ、前記シュー間で相対回動する前記シューと同数のベーンと、前記ベーンと一体のロータとを有し、前記ベーンのうち1つが周方向に肉厚であり、前記相対回動を規制可能なロック手段を有するベーンロータと、
    周方向に隣り合う前記シューと前記ロータにより隔成される油室と、
    前記油室が前記ベーンにより隔成された進角室及び遅角室と、
    前記進角室又は遅角室へ油を給排するための油通路と、を設け、
    前記ロック手段を有するベーンが回動する油室を除く油室を形成する前記シューと前記ベーンの間に、前記ハウジングに対して前記ベーンを一方向に付勢するための付勢手段を設けた
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  3. 請求項2に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記ロック手段は前記ベーン内部に収納されるロックピストンであって、軸方向に作動することにより前記ハウジングと前記ベーンロータの相対回動を係止し、又は前記係止を解除する
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  4. 請求項2に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記付勢手段はコイルばねであって、
    前記各進角室又は前記各遅角室に1本ずつ前記コイルばねを収納した
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  5. 請求項2に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記ロック手段を有するベーンに、前記付勢手段の付勢力により容積が拡大する側の油室と連通し、前記ロック手段を作動させるための油を供給する通路を形成した
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  6. 内燃機関の可変バルブタイミング機構において、
    クランクシャフトの回転力が伝達され、内周側に凸形状の4枚のシューを有するハウジングと、
    カムシャフトへ回転力を伝達し、前記ハウジングとの間で相対回動自在に設けられ、前記シュー間で相対回動する前記シューと同数のベーンと、前記ベーンと一体のロータとを有し、前記ベーンのうち1つが周方向に肉厚であり、前記相対回動を規制可能なロック手段を有するベーンロータと、
    周方向に隣り合う前記シューと前記ロータにより隔成される油室と、
    前記油室が前記ベーンにより隔成された進角室及び遅角室と、
    前記進角室又は遅角室へ油を給排するための油通路と、を設け、
    前記ベーンロータの軸心を挟んで前記ロック手段を有するベーンと反対側のベーンが回動する油室を除く油室を形成する前記シューと前記ベーンの間に、前記ハウジングに対して前記ベーンを一方向に付勢するための付勢手段を設け、
    前記反対側のベーンの周方向両側のシューが前記軸心に対してなす角度を、他のベーンの周方向両側のシューがなす前記角度よりも小さくした
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  7. 請求項6に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記ロック手段は前記ベーン内部に収納されるロックピストンであって、軸方向に作動することにより前記ハウジングと前記ベーンロータの相対回動を係止し、又は前記係止を解除する
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  8. 請求項6に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記付勢手段はコイルばねであって、
    前記各進角室又は前記各遅角室に1本ずつ前記コイルばねを収納した
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  9. 請求項6に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記シューと接触することにより前記ハウジングと前記ベーンロータの相対回動を規制するベーンを、前記相対回動の方向に応じて別々に設けた
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  10. 請求項9に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記相対回動を規制するベーンは、前記ロック手段を有するベーンと前記反対側のベーンとからなり、
    前記ロック手段を有するベーンは前記付勢手段の付勢方向側で隣り合う前記シューと接触し、前記反対側のベーンは前記付勢方向とは反対方向側で隣り合う前記シューと接触する
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  11. 請求項6に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記ロック手段を有するベーンの周方向両側のシューが前記軸心に対してなす角度を、他のベーンの周方向両側のシューがなす前記角度よりも大きくした
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
  12. 請求項6に記載の可変バルブタイミング機構において、
    前記反対側のベーンの径方向長さを他のベーンよりも小さく設けた
    ことを特徴とする可変バルブタイミング機構。
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