JP2010069567A - 連結部の被覆材および伸張材 - Google Patents

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一之助 前田
Shiketsu Kaku
士傑 郭
Junichiro Suzuki
淳一朗 鈴木
Takahiro Tsuji
孝浩 辻
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Abstract

【課題】見栄えを良くすることを可能としつつ、人間共存型ロボットの連結部に適用した場合に、内部装置への接触防止を可能としつつ且つ実際の人間に接触した場合と近似した接触感覚を与えることができる連結部の被覆材を提供する。
【解決手段】第一の部材14と第二の部材16とを相互に屈曲可能に連結する連結部の被覆材であって、凹凸状の表面を有しかつ多孔質状に形成され、該表面が延在する方向に伸張変形可能な基材31と、基材31の表面側に配置され、乾燥状態で基材31が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な外皮層32と、基材31の表面と乾燥状態の外皮層32との間に介装されることにより基材31と外皮層32とを接着し、基材31が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な中間接着層33とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、ロボットの関節部などに適用される屈曲可能な二つの部材を連結する連結部の被覆材および伸張材に関するものである。
従来、特開2007−105803号公報(特許文献1)に記載されているように、人型ロボットの関節部の被覆材には、樹脂やゴムなどにより蛇腹形状に形成されたものが用いられている。
特開2007−105803号公報
しかし、特許文献1に記載されているように、人型ロボットにおいて、関節部が蛇腹形状となると、見栄えが良くない。また、伸張材料としては、一般に、ゴム系フィルムなどが知られている。そこで、蛇腹形状の他に、ゴム系フィルムなどの伸張材料を関節部に適用することも考えられる。この場合には、蛇腹形状に比べると見栄えを良くすることが可能となる。しかし、ゴム系フィルムは引き裂き強度が低いため小さな傷などで容易に破断してしまう。このように、樹脂やゴムなどによる蛇腹形状からなるものも、ゴム系フィルムも、両者それぞれ課題を有する。
さらに、人間共存型ロボットにおいて、蛇腹形状の関節部が人間に接触する場合には、当該人間は、実際の人間と接触した場合とは全く異なる感覚を覚える。これは、実際の人間の関節部は、蛇腹形状のような形状ではないためである。近年、介護用ロボットの研究がされている。特に、介護用ロボットが人間を抱きかかえて移動する場合などに、抱きかかえられている人間に対して、実際の人間に抱きかかえられているような感覚を与えることが望ましい。従って、このことを満たすためには、関節部の被覆材として蛇腹形状を適用することはできない。
この点、ゴム系フィルムなどを適用した場合には、実際の人間と近似した接触感覚を接触した人間に与えることが可能である。しかし、ゴム系フィルム単体が表面に露出しているため、耐久性に問題がある。従って、このことからも、ゴム系フィルム単体は適用できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、見栄えを良くすることを可能としつつ、人間共存型ロボットの連結部に適用した場合に実際の人間に接触した場合に内部装置への接触防止を可能としつつ、且つ、実際の人間に接触した場合と近似した接触感覚を与えることができる連結部の被覆材を提供することを目的とする。また、連結部に限らず、見栄えが良く、表面が延在する方向に伸張可能な伸張材を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(手段1)手段1に係る連結部の被覆材は、
第一の部材と第二の部材とを相互に屈曲可能な連結部の被覆材であって、
凹凸状の表面を有しかつ多孔質状に形成され、該表面が延在する方向に伸張変形可能な基材と、
前記基材の前記表面側に配置され、乾燥状態で前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な外皮層と、
前記基材の表面と乾燥状態の前記外皮層との間に介装されることにより前記基材と前記外皮層とを接着し、前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な中間接着層と、
を備えることを特徴とする。
手段1によれば、連結部の被覆材を構成する各層が、表面が延在する方向に伸張可能な材料からなる。つまり、連結部の被覆材は、蛇腹形状ではないため、蛇腹形状に比べて、見栄えを良くすることができる。
また、本手段の連結部の被覆材の中間接着層が、基材の表面と乾燥状態の外皮層との間に介装されている。ここで、外皮層の表面は、乾燥状態で形状が決定している。つまり、基材の凹凸状の表面側に、中間接着層を介して外皮層が設けられるとしても、外皮層の表面は、基材の表面とは無関係の形状とすることができる。このように、基材が凹凸状の表面を有していたとしても、外皮層の表面は、滑らかな表面とすることもできるし、基材の表面とは異なる凹凸状の表面とすることもできるし、基材の表面と同様の表面とすることもできる。このように、外皮層の表面の意匠の自由度が非常に高い。さらに、基材に直接色を付すことができないとしても、外皮層に色を付すことができれば、被覆材として色を付すことができる。このことからも、意匠の自由度が高まる。
中間接着層は、基材の多孔質状の内部に侵入したとしても基材の柔軟性および伸張性を保ちつつ必要な厚みとすることで、基材の伸張性が損なわれることはない。
また、基材、中間接着層および外皮層の層構造を採用することで、被覆材全体として破損に対する強度、および、耐久性を高めることができる。これにより、本手段の連結部の被覆材は、人間共存型ロボットに適用した場合に、実際の人間に接触した場合に近似した接触感覚を接触した人間に与え、また、関節部に使用した場合に、人間が関節部を構成する内部装置に接触することを防止できる被覆材として適用できる。
(手段2)手段1の連結部の被覆材において、前記基材は、繊維素材による布地、または、高分子発泡体からなるようにしてもよい。
ここで、繊維素材による布地には、織物および不織布を含む。また、基材が高分子発泡体である場合には、被覆材としてクッション性を有することが可能となる。この場合、特に、当該被覆材が人間と接触する場合に、当該人間に対して柔らかい接触感覚を与えることができる。この場合、外皮層は、高分子発泡体を保護する機能も有する。
(手段3)手段1または2の連結部の被覆材において、前記外皮層は、予め成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料であるとよい。
外皮層がフィルムである場合には、外皮層の成形が容易にできる。塗料は形状の制約がない。具体的には、塗料は、塗料を塗布する成型部材の形状に合わせることができる。つまり、外皮層が乾燥させた塗料である場合には、乾燥させた塗料の形状を任意の形状とすることができる。
(手段4)手段3の連結部の被覆材において、
前記外皮層は、塗料であり、
前記塗料を成型部材の表面に塗布する塗布工程と、
前記塗料を乾燥させる乾燥工程と、
乾燥した前記塗料の上に前記中間接着層を配置する中間接着層配置工程と、
前記中間接着層の上に前記基材を配置する基材配置工程と、
から成型されるようにしてもよい。
これにより、確実に、塗料を外皮層に適用することができ、外皮層の形状の自由度の高さを有効に活用することができる。さらに、中間接着層配置工程において、中間接着層を基材に配置するのではなく、乾燥した塗料(外皮層)の上に配置している。これにより、中間接着層が基材の多孔質状の内部に侵入することにより基材の伸張性に影響を及ぼすことを最小限に防止できる。
(手段5)手段1〜4の何れかの連結部の被覆材において、前記中間接着層は、水に分散可能なゴム状材料または溶剤系ゴム状材料からなるとよい。
これにより、確実に、伸張性を有しつつ、接着力を発揮することができる。なお、溶剤系ゴム状材料とは、溶剤に分散または溶解可能なゴム状材料である。
(手段6)手段5の連結部の被覆材において、
前記中間接着層は、ゴム系接着剤、ゴムラテックス系接着剤、樹脂系エマルジョン接着剤、アクリルウレタン系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤の中から選択された何れかとするとよい。
これにより、確実に伸張性を有しつつ、接着力を発揮できる。なお、伸張性を有しないエポキシ樹脂、アクリル樹脂などは中間接着層として適用することはできない。
(手段7)手段6の連結部の被覆材において、前記中間接着層は、前記ゴム系接着剤を水に分散した状態、もしくは、前記ゴム系接着剤を溶剤に分散または溶解した状態とするとよい。
これにより、確実に、伸張性、接着力を有しつつ、耐久性を確保できる。
(手段8)手段1〜7の何れかの連結部の被覆材において、
前記連結部の被覆材は、
前記外皮層が外周側に位置するように筒状に形成され、
前記第一の部材に前記筒状の一方開口部が取り付けられ、前記第二の部材に前記筒状の他方開口部が取り付けられることで、前記屈曲部の全周を被覆するとよい。
これにより、屈曲部の全周において、本発明の被覆材の効果を得ることができる。
(手段9)手段9の伸張材は、
凹凸状の表面を有しかつ多孔質状に形成され、該表面が延在する方向に伸張変形可能な基材と、
前記基材の前記表面側に配置され、乾燥状態で前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な外皮層と、
前記基材の表面と乾燥状態の前記外皮層との間に介装されることにより前記基材と前記外皮層とを接着し、前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な中間接着層と、
を備えることを特徴とする。
本手段の伸張材によれば、上述した手段1における連結部の被覆材を、屈曲連結部以外の部位においても、伸張材として適用することを想定したものである。本発明の伸張材は、上述した手段1における連結部の被覆材による効果をそのまま発揮する。また、他の特徴についても、同様に適用することができる。
以下、本発明の連結部の被覆材を、人間共存型ロボットのうち特に介護用ロボットの関節部に適用した場合について図面を参照しつつ説明する。
(ロボットの全体構成)
ロボット1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、ロボット1の正面図である。本実施形態のロボット1は、人間共存型ロボットのうち介護用ロボットであり、主として、被介護者である人間を抱きかかえて移動することを可能とするロボットである。例えば、ロボット1は、ベッドに座っている被介護者を、車いすへ移動させることを可能とする。つまり、ロボット1は、ベッドに座っている被介護者を抱きかかえ、被介護者を抱きかかえた状態でベッドから車いすまで移動し、被介護者を車いすに下ろす動作を行う。
図1に示すように、ロボット1は、脚部11、胴体部12、頭部13、左右の上腕部14、15、左右の前腕部16、17、左右の手部18、19と、関節部としての、腰部21と、首関節部22、肩関節部23、24と、肘関節部25、26とから構成される。
脚部11は、車輪(図示せず)を備えており、床上を自由に移動可能な構成としている。胴体部12は、脚部11に対してロボット1の前後に揺動可能となるように、腰関節部21により脚部11と連結されている。頭部13は、胴体部12に対して上下左右に首振り可能となるように、首関節部22により胴体部12と連結されている。頭部13には、視覚センサ13a、13bが取り付けられている。
上腕部14、15は、胴体部12に対してロボット1の左右に揺動可能で且つ上腕軸回りに回転可能となるように、肩関節部23、24により胴体部12と連結されている。この上腕部14、15の表面には、接触センサ14a、15aが取り付けられている。つまり、接触センサ14aは、左上腕部14に接触する外力の大きさを検出することができ、接触センサ15aは、右上腕部15に接触する外力の大きさを検出することができる。
前腕部16、17は、上腕部14、15に対して、ロボット1の前後に揺動可能となるように、肘関節部25、26により上腕部12、13に連結されている。この前腕部16、17の表面には、接触センサ16a、17aが取り付けられている。つまり、接触センサ16aは、左前腕部16に接触する外力の大きさを検出することができ、接触センサ17aは、右前腕部17に接触する外力の大きさを検出することができる。左右の手部18、19は、前腕部16、17の先端側に固定されている。
そして、上腕部14と前腕部16との間の肘関節部25、および、上腕部15と前腕部17との間の肘関節部26に、本発明の連結部の被覆材51、52が配置されている。つまり、連結部の被覆材51、52は、第一の部材としての上腕部14、15と、第二の部材としての前腕部16、17とを相互に屈曲可能に連結する肘関節部25、26に適用される。
この連結部の被覆材51、52は、筒状に形成されている。そして、上腕部14、15に連結部の被覆材51、52の筒状の一方開口部が取り付けられ、前腕部16、17に連結部の被覆材51、52の筒状の他方開口部が取り付けられている。つまり、連結部の被覆材51、52が、左右それぞれの肘関節部25、26の全周を被覆している。そして、肘関節部25、26は屈曲可能であるため、連結部の被覆材51、52は、上腕部14、15および前腕部15、16の相対的な動作に応じて伸張変形する。具体的には、連結部の被覆材51、52は、筒軸方向に伸張可能に変形する。この被覆材51、52により、介護用ロボットが人間に接触した場合に、肘関節部25、26を構成する内部装置に人間が接触することを防止できる。
(連結部の被覆材51、52の構成)
連結部の被覆材51、52の構成について、図2を参照して説明する。図2は、連結部の被覆材51、52の断面図である。より詳細には、図2は、図1の連結部の被覆材51、52の筒軸方向の断面図であり、上側が外周側であり、下側が内周側である。
図2に示すように、連結部の被覆材51、52は、基材31と、外皮層32と、中間接着層33とから構成される。
基材31は、凹凸状の表面を有し、かつ、多孔質状に形成されている。基材31は、図1の連結部の被覆材51、52における内周側に位置する。さらに、基材31は、基材31の表面が延在する方向に伸張変形可能である。具体的には、図1に示すように、連結部の被覆材51、52の筒軸方向に伸張変形可能である。この基材31は、繊維素材による布地、または、高分子発泡体からなる。ここで、繊維素材による布地には、織物および不織布を含む。
基材31として繊維素材による布地を適用した場合には、繊維素材による布地の肉厚は、例えば、0.1mm〜5.0mmである。また、繊維素材による布地の特性として、多孔質状の内部に、例えば、接着剤などの他部材が侵入すると、伸張性を損なうおそれがある。そして、基材31が繊維素材による布地である場合には、その肉厚に応じて基材31はクッション性を有することが可能となる。この場合、特に、当該被覆材51、52が人間と接触する場合に、当該人間に対して柔らかい接触感覚を与えることができる。
また、基材31として繊維素材による布地を適用した場合には、繊維素材による布地の材質は、天然繊維、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、セルロース系繊維、更にこれらの生地にポリウレタンなどの弾性糸を複合させたものなどを適用する。
基材31として高分子発泡体を適用した場合には、高分子発泡体の肉厚の上限値は、例えば、0.1mm〜10mmである。高分子発泡体の肉厚の下限値は、例えば、0.01mm〜0.1mmである。
また、このような高分子発泡体の特性として、多孔質状の内部に、例えば、接着剤などの他部材が侵入すると、伸張性を損なうおそれがある。そして、基材31が高分子発泡体である場合には、基材31は被覆材としてクッション性を有することが可能となる。クッション性を有する場合には、特に、当該被覆材51、52が人間と接触する場合に、当該人間に対して柔らかい接触感覚を与えることができる。
本発明の積層構造の基材31に用いられる高分子発泡体とは、ゴム、エラストマー、合成樹脂の材料からなる発泡体であるが、特に限定されるものではない。具体的には、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ノルボルネンゴム(NOR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、アクリロニトリルーイソプレン共重合体(NIR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)等の加硫ゴム、スチレンーブタジエンースチレン・ブロック共重合体(SBS)、ポリエステル系、ウレタン系、オレフィン系等の熱可塑性エラストマー、塩化ビニル樹脂(PVC)、エチレンー酢ビ共重合体(EVA)、1,2-ポリブタジエン(RB)、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂などがある。積層構造の基材31に用いる際にはポリウレタン(PU)等が好適に用いられる。
外皮層32は、基材31の表面側に配置されている。つまり、外皮層32は、図1の連結部の被覆材51、52における外周側に位置する。この外皮層32は、乾燥状態で基材31が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能である。具体的には、外皮層32は、予め成形されたフィルム、または、乾燥させた塗料である。
外皮層32としてフィルムを適用した場合には、フィルムの材質は、部分架橋あるいは架橋した各種ゴムで、天然ゴム、ポリブタジエン、ブタジエンースチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ポリウレタンなどを適用する。フィルムの膜厚の上限値は、例えば、0.5mm〜1.0mmである。フィルムの膜厚の下限値は、例えば、0.01mm〜0.1mmである。このフィルムである外皮層32の成形方法は、例えば、溶融押出法、インフレーション成形、カレンダー成形などの方法で行う。このように、外皮層32が予め成形されたフィルムである場合には、外皮層32の成形が容易にできる。
外皮層32として塗料を適用した場合には、塗料の材質は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリルウレタンなどを適用する。乾燥させた状態の塗料の膜厚の上限値は、例えば、100μm〜500μmである。乾燥させた状態の塗料の膜厚の下限値は、例えば、10μm〜100μmである。このフィルムである外皮層32の成形方法は、後述する。
外皮層32として塗料を適用する場合には、そもそも塗料は形状の制約がないため、塗料を塗布する成型部材の形状に合わせることができる。つまり、外皮層32が乾燥させた塗料である場合には、乾燥させた塗料の形状を任意の形状とすることができる。
ここで、基材31として高分子発泡体を適用する場合には、高分子発泡体単体では、強度がそれほど高いものではない。この場合、外皮層32が、高分子発泡体からなる基材31を保護する機能を有する。
中間接着層33は、基材31の表面と乾燥状態の外皮層32との間に介装されることにより基材31と外皮層32とを接着する。さらに、この中間接着層33は、基材31が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能である。
中間接着層33は、弾性接着剤、特に、水に分散可能なゴム状材料または溶剤系ゴム状材料を用いる。具体的には、中間接着層33は、ゴム系接着剤、ゴムラテックス系接着剤、樹脂系エマルジョン接着剤、アクリルウレタン系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤の中から選択された何れかを適用する。これにより、中間接着層33は、確実に伸張性を有しつつ、接着力を発揮できる。なお、エポキシ樹脂、アクリル樹脂は中間接着層33として適用することはできない。これらは、伸張性を有しないためである。
また、中間接着層33としてゴム系接着剤を適用する場合には、ゴム系接着剤を水に分散した状態、もしくは、ゴム系接着剤を溶剤に分散または溶解した状態として適用する。これにより、確実に、伸張性、接着力を有しつつ、耐久性を確保できる。
この中間接着層33の膜厚は、確実に、伸張性、接着力を有しつつ、基材31の多孔質状の内部に侵入したとしても、基材31の伸張性に影響を及ぼすことがないように、接着剤の種類に応じて適切な膜厚とする。例えば、中間接着層33は、例えば、1μm〜500μmとする。これにより、被覆材全体として、確実に伸張性を有することができる。さらに、中間接着層33が外皮層32と基材31とを接着できる程度の膜厚であればよい。
(連結部の被覆材51、52の製造方法)
連結部の被覆材51、52の製造方法について図3を参照しながら説明する。図3(a)〜(d)は、連結部の被覆材51、52の各製造工程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、成型部材40の表面に、外皮層32を配置する。外皮層32として予め成形されたフィルムを適用する場合には、フィルムを成型部材40の表面に倣わせるように配置する。フィルムの場合には、既に乾燥した状態であるため、直ちに次工程を行うことができる。一方、外皮層32として塗料を適用する場合には、塗料を例えばスプレー噴射などにより、成型部材40の表面に塗布する(塗布工程)。塗料の場合には、塗布した塗料が乾燥するまで待機した後に、次工程を行う(乾燥工程)。
続いて、図3(b)に示すように、フィルムまたは乾燥した塗料の上に、中間接着層33を例えばスプレー噴射などにより塗布する(中間接着層配置工程)。続いて、図3(c)に示すように、基材31を、中間接着層33の上に配置して積層する(基材配置工程)。そして、中間接着層33により、基材31と外皮層32とが接着される状態となるまで待機する。
続いて、図3(d)に示すように、成型部材40を、積層された基材31、中間接着層33および外皮層32から離脱させて、平面状の被覆材51、52を成形する。続いて、平面状の被覆材51、52を筒状に成形する。
この製造方法を採用することにより、確実に、塗料を外皮層32に適用することができ、外皮層32の形状の自由度の高さを有効に活用することができる。さらに、中間接着層配置工程において、中間接着層33を基材31に配置するのではなく、乾燥した塗料(外皮層32)の上に配置している。これにより、中間接着層33が基材31の多孔質状の内部に侵入することにより基材31の伸張性に影響を及ぼすことを防止できる。
(比較試験)
本発明を適用した実施例1と比較例1、2とについて、伸張性能および表面性状について比較試験を行った。
(実施例1)
外皮層32としての2液性ポリウレタン (ミクニペイント社製UL−20)の塗料を、膜厚50μmとなるように、スプレー噴射する。外皮層32が乾燥した後に、中間接着層33を塗布する。中間接着層33の材質は、溶媒系ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製ニッポラン5120であり、中間接着層33の膜厚は、50μmである。中間接着層33の上に、基材31を配置する。基材31は、繊維素材による織物布地を適用する。具体的には、基材31の材質は、ナイロンにポリウレタンを組み合わせたもの(ナイロン+ポリウレタン(東レ社製トリンティ))であり、基材31の肉厚は、400μmである。
(比較例1)
基材31は、実施例1と同一のものを用いる。この基材31の表面に、実施例1と同種の中間接着層33のみ膜厚50μmを直接塗布する。つまり、比較例1は、実施例1の外皮層32に相当するものは有していない。
(比較例2)
基材31は、実施例1と同一のものを用いる。この基材31の表面に、実施例1と同種の中間接着層33のみ膜厚200μmを直接塗布する。つまり、比較例1は、実施例1の外皮層32に相当するものは有していない。
(試験結果)
実施例1および比較例1、2についての伸張性能および表面性状を表1に示す。
Figure 2010069567
このように、比較例1では、実施例1の中間接着層33に相当する膜の膜厚を50μmとしていることから、基材31の伸張性に影響を及ぼすことなく、被覆材全体としての伸張性を良好にすることができる。しかし、表面に基材31の凹凸状が表れるため、意匠性に欠ける。一方、比較例2は、実施例1の中間接着層33に相当する膜の膜厚を200μmとしているため、表面に基材31の凹凸状が表れることなく、滑らかな表面を形成することができる。しかし、実施例1の中間接着層33に相当する膜の膜厚が比較的厚いことに起因して、当該膜が基材31の多孔質状の内部への侵入していることから、基材31の伸張性を損なう結果となり、被覆材全体としての伸張性が不良となる。
これら比較例1、2に対して、実施例1は、高い伸張性を確保しつつ、表面に基材31の凹凸状が表れることなく、高い意匠性を確保している。つまり、外皮層32をほぼ形成し、中間接着層33を塗布することで、基材31の多孔質状の内部に中間接着層33が侵入することによる基材31の伸張性の低下を防止でき、表面に基材31の凹凸が表れない。つまり、外皮層32と基材31を中間接着層33で接着することで、連結部の被覆材全体としての伸張性を良好とすることができる。
以上説明した連結部の被覆材51、52によれば、さらに、以下の効果を奏する。連結部の被覆材51、52を構成する各層31、32、33が、表面が延在する方向に伸張可能な材料からなる。つまり、連結部の被覆材51、52は、蛇腹形状ではないため、蛇腹形状に比べて、見栄えを良くすることができる。
また、中間接着層33が、基材31の表面と乾燥状態の外皮層32との間に介装されている。ここで、外皮層32の表面は、乾燥状態で形状が決定している。つまり、基材31の凹凸状の表面側に、中間接着層33を介して外皮層32が設けられるとしても、外皮層32の表面は、基材31の表面とは無関係の形状とすることができる。このように、基材31が凹凸状の表面を有していたとしても、外皮層32の表面は、滑らかな表面とすることもできるし、基材31の表面とは異なる凹凸状の表面とすることもできるし、基材31の表面と同様の表面とすることもできる。このように、外皮層32の表面の意匠の自由度が非常に高い。さらに、基材31に直接色を付すことができないとしても、外皮層32に色を付すことができれば、連結部の被覆材51、52として色を付すことができる。このことからも、意匠の自由度が高まる。
また、基材31、中間接着層33および外皮層32の層構造を採用することで、被覆材全体として破損に対する強度、および、耐久性を高めることができる。これにより、被覆材51、52は、実際の人間に接触した場合に近似した接触感覚を接触した人間に与えることができる。
なお、上記実施形態において、外皮層32に色を付加することにより、連結部の被覆材51、52として色を付加されたものを形成できる。外皮層32に色を付加することは、上記材料であれば、可能である。
また、上記実施形態においては、肘関節部25、26に適用する場合について説明したが、他の関節部、例えば、首関節部22、腰関節部21、肩関節部23、24、手首関節部など、種々の関節部に適用可能である。さらに、関節部の他に、伸張性および意匠性を必要とするものであれば、適用可能である。
また、上記実施形態においては、基材31、中間接着層33および外皮層32の三層構造としたが、これに限られるものではない。例えば、図4に示すように、中央に基材31を配置し、その両面に中間接着層33、33を配置し、さらにそれぞれの中間接着層33、33の外側に外皮層32、32を配置する、五層構造とすることもできる。この構成であれば、両側の表面が、外皮層32により被覆されているため、両側の表面を外部に適用する場合には、有効である。
本発明の連結部の被覆材は、特に、人間と接触する人間共存型ロボットの関節部に適用することが効果的である。その他、関節部でなくても、伸張性および意匠性を必要とするものに適用することができる。
ロボット1の正面図である。 連結部の被覆材51、52の断面図である。 連結部の被覆材51、52の各製造工程を示す図である。 他の実施形態の被覆材を示す断面図である。
符号の説明
1:ロボット
11:脚部、 12:胴体部、 13:頭部、 13a、13b:視覚センサ
14、15:上腕部、 16、17:前腕部、 18、19:手部
14a、15a、16a、17a:感圧センサ
21:腰部、 22:首関節部、 23、24:肩関節部、 25、26:肘関節部
31:基材、 32:外皮層、 33:中間接着層
51、52:連結部の被覆材

Claims (9)

  1. 第一の部材と第二の部材とを相互に屈曲可能な連結部の被覆材であって、
    凹凸状の表面を有しかつ多孔質状に形成され、該表面が延在する方向に伸張変形可能な基材と、
    前記基材の前記表面側に配置され、乾燥状態で前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な外皮層と、
    前記基材の表面と乾燥状態の前記外皮層との間に介装されることにより前記基材と前記外皮層とを接着し、前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な中間接着層と、
    を備えることを特徴とする連結部の被覆材。
  2. 前記基材は、繊維素材による布地、または、高分子発泡体からなる請求項1に記載の連結部の被覆材。
  3. 前記外皮層は、予め成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料である請求項1または2に記載の連結部の被覆材。
  4. 前記外皮層は、塗料であり、
    前記塗料を成型部材の表面に塗布する塗布工程と、
    前記塗料を乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥した前記塗料の上に前記中間接着層を配置する中間接着層配置工程と、
    前記中間接着層の上に前記基材を配置する基材配置工程と、
    から成型される請求項3に記載の連結部の被覆材。
  5. 前記中間接着層は、水に分散可能なゴム状材料または溶剤系ゴム状材料からなる請求項1〜4の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
  6. 前記中間接着層は、ゴム系接着剤、ゴムラテックス系接着剤、樹脂系エマルジョン接着剤、アクリルウレタン系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤の中から選択された何れかである請求項5に記載の連結部の被覆材。
  7. 前記中間接着層は、前記ゴム系接着剤を水に分散した状態、もしくは、前記ゴム系接着剤を溶剤に分散または溶解した状態である請求項6に記載の連結部の被覆材。
  8. 前記連結部の被覆材は、
    前記外皮層が外周側に位置するように筒状に形成され、
    前記第一の部材に前記筒状の一方開口部が取り付けられ、前記第二の部材に前記筒状の他方開口部が取り付けられることで、前記連結部の全周を被覆する請求項1〜7の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
  9. 凹凸状の表面を有しかつ多孔質状に形成され、該表面が延在する方向に伸張変形可能な基材と、
    前記基材の前記表面側に配置され、乾燥状態で前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な外皮層と、
    前記基材の表面と乾燥状態の前記外皮層との間に介装されることにより前記基材と前記外皮層とを接着し、前記基材が伸張変形する方向と同方向に伸張変形可能な中間接着層と、
    を備えることを特徴とする伸張材。
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