JP2010068457A - エコーキャンセル装置、信号処理装置及び方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】演算量を削減するとともに演算誤差の悪影響を防ぐ。
【解決手段】フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部11と、スピーカ出力信号x(n)に上記フィルタ係数を乗じて擬似エコー信号s^(n)を生成する適応フィルタ12とを備える。また、マイク2から入力されるエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算して残留エコー信号を算出する減算器と、残留エコー信号の極性を所定フレーム毎に反転する第2スイッチ16とを備える。適応フィルタ12は、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、フィルタ係数を残留エコー信号に基づいて更新する。
【選択図】図4
【解決手段】フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部11と、スピーカ出力信号x(n)に上記フィルタ係数を乗じて擬似エコー信号s^(n)を生成する適応フィルタ12とを備える。また、マイク2から入力されるエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算して残留エコー信号を算出する減算器と、残留エコー信号の極性を所定フレーム毎に反転する第2スイッチ16とを備える。適応フィルタ12は、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、フィルタ係数を残留エコー信号に基づいて更新する。
【選択図】図4
Description
本発明は、固定小数点演算を用いるエコーキャンセル装置、信号処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
現在、音声通信機器、コンピュータ等のディジタル機器には、LSI(Large Scale Integration)が使用される。LSIには、大きく分けて浮動小数点演算型と固定小数点演算型がある。浮動小数点演算型は、変数を浮動小数点で表現することが可能であるため演算誤差の発生を抑えられるが、比較的消費電力、コストが高い。一方、固定小数点演算型は、変数を固定小数点(整数)で表現しており、比較的消費電力、コストが低いが演算誤差の発生が不可避である。
ところで、音声通信機器において、スピーカ、マイク間を廻りこむエコーを消去するため、エコーキャンセラを搭載する必要がある。エコーキャンセラは、スピーカ出力信号とマイク入力信号からエコーパスを適応的に推定し、求めた適応フィルタ係数をスピーカ出力信号に掛けて擬似エコーを生成しマイク入力信号から減算してエコーを消去する。適応フィルタ係数の更新は、例えばLMS(Least Mean Square)法を用いると、(1)式により1マイク入力信号サンプル毎に行われる。
ここで、nはサンプル番号である。また、H(n)とX(n)は各々適応フィルタ係数、スピーカ出力信号であり共にベクトル量である、また、μはステップサイズ、ε(n)は残留エコー信号である。
特許文献1には、浮動小数点演算回路を具備したプロセッサを用いて適応フィルタ処理することが記載されている。しかし、ハンズフリーフォンなどのポータブル通信端末では、消費電力の節減が不可欠であり、通常消費電力の高い浮動小数点演算回路を具備したプロセッサを使用するより、消費電力の低い固定小数点演算回路のみを具備したプロセッサを使用する方が合理的である。
上述のような適応フィルタ処理、例えばエコーキャンセリング処理を行う場合、適応フィルタの係数更新を1サンプル毎に行うと、かなりの演算量を必要とする。とりわけ固定小数点演算でこれを行う場合、係数更新で誤差が発生することは避けられない。誤差の軽減のため四捨五入を行うと、これによる演算量の増加も無視できないものになる。
具体的には、上記(1)式において右辺の第二項は乗算が行われるが、固定小数点演算で乗算結果の下位ビットを四捨五入すると演算量が増加する。一方、下位ビットを切り捨てると演算量は抑えられるものの、フィルタ係数の生成時に常時負の方向に誤差を発生することになり、適応フィルタの収束特性に悪影響を及ぼす結果になる。
本発明は、これらの問題点を鑑みてなされたものであり、演算量を削減するとともに演算誤差の悪影響を防ぐことができる信号処理装置及び方法、並びにプログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明に係るエコーキャンセル装置は、フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部と、スピーカ出力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する適応フィルタと、マイク入力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算器と、上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転部とを備え、上記適応フィルタは、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する。
また、本発明に係る信号処理装置は、フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部と、上記フィルタ係数に基づいて入力信号から未知系の推定信号を生成する適応フィルタと、上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算器と、上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転部とを備え、上記適応フィルタは、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する。
また、本発明に係る信号処理方法は、フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転工程と、入力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する生成工程と、上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算工程と、上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転工程と、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する更新工程とを有する。
また、本発明に係るプログラムは、フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転工程と、入力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する生成工程と、上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算工程と、上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転工程と、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する更新工程とを情報処理装置に実行させる。
本発明によれば、フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転することにより、固定小数点演算における四捨五入を省き、固定小数点演算における切り捨て処理を用いてフィルタ係数を更新することにより演算量を削減することができる。また、フィルタ係数及び誤差信号の極性を所定フレーム毎に反転してフィルタ係数を更新することにより、演算誤差の悪影響を防ぐことができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明をエコーキャンセラに適用したものである。先ず一般的なエコーキャンセラについて説明し、次いで本発明を適用したエコーキャンセラについて説明する。
1.一般的なエコーキャンセラ 図1〜図3
2.本発明を適用したエコーキャンセラ 図4〜図7
2.本発明を適用したエコーキャンセラ 図4〜図7
[1.一般的なエコーキャンセラ]
図1は、一般的なエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。このエコーキャンセラは、スピーカ(SP)1と、マイク(Mic.)2と、適応フィルタ3と、加算器4とを備える。適応フィルタ3は、スピーカ1への出力x(n)にエコーのインパルス特性を推定した適応フィルタ係数H(z)を掛け、擬似エコー信号s^(n)を出力する。また、加算器4は、マイク2からのエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算し、残留エコー信号ε(n)を出力する。
図1は、一般的なエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。このエコーキャンセラは、スピーカ(SP)1と、マイク(Mic.)2と、適応フィルタ3と、加算器4とを備える。適応フィルタ3は、スピーカ1への出力x(n)にエコーのインパルス特性を推定した適応フィルタ係数H(z)を掛け、擬似エコー信号s^(n)を出力する。また、加算器4は、マイク2からのエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算し、残留エコー信号ε(n)を出力する。
続いて、エコーキャンセラの具体的な演算処理について説明する。
スピーカ(SP)1への出力x(n)が未知のエコーの伝達特性U(z)を介してエコー信号s(n)としてマイク(Mic.)2に廻りこむ。
適応フィルタ3は、このエコーのインパルス特性を推定した適応フィルタの特性H(z)をスピーカ出力x(n)に掛けることにより、擬似エコー信号s^(n)を生成する。
ここで、Nは適応フィルタ3のタップ数である。
加算器4は、マイク2から入力されるエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算することにより残留エコー信号ε(n)を求める。
もし、適応フィルタが適切にエコーの伝達特性を推定できていたなら残留エコー信号ε(n)を抑圧できることになる。このエコーの伝達特性を推定するために学習同定法(Normalized LMS)が広く用いられる。
学習同定法では、次式により適応フィルタ係数を更新する。
右辺第二項の分母σ(n)2は、平滑化したスピーカ出力の電力であり、次式により更新する。
ここでηは平滑化係数である。
上記(5)式を固定小数点演算で求める場合、右辺第2項の一部はiの値によらず一定であり、これをαとおくと、次式のようになる。
ここで、(5)、(7)式の乗算によるスケーリングの調整のためSHIFTビットだけシフトダウンを行うとともに値ROUNDを加算して四捨五入を行う。
ここで、値ROUNDは以下の通りである。
一方、サンプル毎に全フィルタ係数を更新することを考えると値ROUNDを加算するのに必要な処理量は少なくない。そこで(8)式より値ROUNDを除去すると次式のようになる。
この式では右辺第2項で下位ビットの切り捨てがなされるため、下位ビットを小数点以下の値と見るとフィルタ係数の更新毎に0〜1に一様分布する誤差が生じることになる。
この誤差項をδ(n)とすると累積誤差は以下の通りとなる。
つまり、サンプルの更新毎に更新回数nに0.5を乗じた分誤差が発生することになる。
次に、誤差についてシミュレーション結果を用いて説明する。図2は、シミュレーションに使用したエコーパスのインパルス応答結果を示す図である。ただし、エコーパスのタップ数は128に限定している。この図2に示すインパルス応答を未知のエコーの伝達特性U(z)とし、(2)式よりエコー信号s(n)を生成した。
図3は、適応フィルタ係数h(n)(13)の適応過程を示す図である。この適応フィルタ係数h(n)(13)は、エコー信号s(n)とスピーカ出力x(n)から、(3)式、(8)式、及び(10)式で図2に示すエコーのタップ番号13(矢印の位置)を推定した。図3において、縦軸は固定小数点の振幅値を32768で除算した値、つまりQ15表現の値である。横軸はサンプル番号の代わりに160サンプルを1フレームとして表した場合のフレーム番号である。
この図で実線aは(8)式により四捨五入して推定した適応フィルタ係数h(n)(13)であり、真の値cである0.126より高いものの安定した推定値となっている。一方、点線bは(10)式の様に切り捨てにより推定した値であり、当初は推定の効果が見られるものの次第に誤差の影響が出てきており適応が破綻してしまっている。
[2.本発明を適用したエコーキャンセラ]
本発明を適用したエコーキャンセラは、適応フィルタ係数を一定の周期で反転するとともに通常毎サンプル実行される適応フィルタ係数の更新時に四捨五入を行わず、切り捨て演算を行う。これにより、固定小数点演算による切り捨ての影響を事実上相殺し、演算量の削減を可能にする。
本発明を適用したエコーキャンセラは、適応フィルタ係数を一定の周期で反転するとともに通常毎サンプル実行される適応フィルタ係数の更新時に四捨五入を行わず、切り捨て演算を行う。これにより、固定小数点演算による切り捨ての影響を事実上相殺し、演算量の削減を可能にする。
図4は、本発明を適用したエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。このエコーキャンセラは、タイマ10と、フィルタ係数反転部11と、適応フィルタ12と、スピーカ(SP)13と、第1乗算器14と、第1スイッチ15と、第2スイッチ16と、第2乗算器17と、加算器18と、マイク(Mic.)19とを備える。
タイマ10は、1フレームに相当するNFサンプル毎に信号(フラグ)を発信する。フィルタ係数反転部11は、タイマ10から信号を受信すると適応フィルタ12から適応フィルタ係数h′(n)(i)を入手し、極性を反転させて適応フィルタ12に返す。適応フィルタ12は、スピーカの出力x(n)に適応フィルタ係数h′(n)(i)を乗じて推定信号である仮の擬似エコー信号s^′(n)を生成するとともに適応フィルタ係数を更新する。第1乗算器14は、仮の擬似エコー信号s^′(n)に−1を乗じて極性を反転させる。第1スイッチ15は、タイマ10からの信号(フラグ)に応じてスイッチを切り替え、擬似エコー信号s^(n)を選択する。第2スイッチ16は、タイマ10からの信号(フラグ)に応じてスイッチを切り替え、残留エコー信号ε′(n)を選択する。第2乗算器17は残留エコー信号ε(n)に−1を乗じて極性を反転させる。加算器18は、エコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算して誤差信号である残留エコー信号ε(n)を生成する。
続いて、エコーキャンセラの具体的な演算処理について説明する。ここでは、1フレームに相当するNFサンプル毎にエコー信号s(n)、スピーカ13の出力信号x(n)を分割し、フレームとして扱う。ここでは、各フレームを奇数番目、0を含む偶数番目のフレームに分け、(3)式の適応フィルタ係数h(n)(i)の代わりに変換した適応フィルタ係数h′(n)(i)を使用する。この適応フィルタ係数h′(n)(i)は、フィルタ係数反転部11にてフレームの先頭で1回極性が反転される。
これより(3)式の適応フィルタ係数h(n)(i)をh′(n)(i)に変更して仮の擬似エコー信号s^′(n)を求める。
奇数番目、偶数番目のフレームで適応フィルタ係数が反転しているためこれを相殺し、
擬似エコー信号s^(n)を求める。
擬似エコー信号s^(n)を求める。
これより(4)式から残留エコー信号ε(n)を求める。
さらに、係数更新用残留エコー信号ε′(n)を次式のように変換する。
また、(7)式と同様にタップ更新時の一定値を求める。
また、(10)式と同様に係数更新を行う。
ここで四捨五入をせず切り捨てでよい理由について説明する。適応予測フィルタ係数は、偶数番目のフレームでは適応フィルタ係数の更新毎に演算誤差が0〜1に一様分布するものの、奇数番目のフレームでは極性が反転しているため、事実上切り上げをしているのと同じことになり演算誤差が−1〜0に一様分布する。これを繰り返すことにより長期的に見ると演算誤差は−1〜1に一様分布していることになりサンプル毎の誤差項をδ′(n)とすると累積誤差は以下の通りで多くともNF未満の範囲で振動することになる。
次に、本方式による誤差についてシミュレーション結果を用いて説明する。シミュレーションは、上述したシミュレーションと同様に図2に示すエコーパスのインパルス応答を用いて行った。
図5は、本方式の適応フィルタ係数h(n)(13)の適応過程を示す図である。なお、フレーム毎の適応フィルタ係数の極性反転は相殺している。図5において、実線aは四捨五入によるもの、点線bは本方式によるものである。本方式はいくらか変動があるものの四捨五入によるものとほぼ同じ適応過程を辿っていることがわかる。
図6は、本方式の性能評価としてフレーム毎のERLE(Echo Return Loss Enhancement)を求めた結果を示す図である。なお、ERLEは次式で定義される。
(19)式よりERLEはエコー信号と残留エコー信号の電力比であり、ERLEが高いほどエコー消去量が大きいことになる。
図6において実線は四捨五入によるもの、点線は本方式によるものである。両者ともエコー消去量はほぼ同等であり、常時25dB以上の良好な結果を示している。
次に、図7に示すフローチャートを参照して本方式のエコーキャンセラの演算処理について説明する。ここで、nはサンプルナンバであり、cは各フレーム内のサンプルナンバである。
ステップS00において、エコーキャンセラの制御部は、サンプル番号n、タイマ10のカウンタc、極性フラグ(flag)、及び全ての適応フィルタ係数h′(0)(i)を0で初期化する。
ステップS01において、タイマ10は、カウンタcの値が1フレームあたりのサンプル数NFに等しいか否かを判別する。カウンタcの値がNFに等しい場合ステップS02に進み、カウンタcの値がNFに等しくない場合ステップS05に進む。
ステップS02において、タイマ10は、極性フラグの値を反転させ、ステップS03において、カウンタcの値を0にリセットする。
ステップS04において、フィルタ係数反転部11は、極性フラグの値の反転を検出すると、全ての適応フィルタ係数h'(n)(i)の極性を反転させ、ステップS05に進む。
ステップS05において、適応フィルタ12は、仮の擬似エコー信号s^′(n)を生成する。
ステップS06において、第1スイッチ15は、フラグの値が0か否かを判別する。フラグの値が0でない場合ステップS07に進み、フラグの値が0の場合ステップS08に進む。
ステップS07において、第1スイッチ15は、適応フィルタ係数h'(n)(i)の極性が反転しているため、乗算器14からの出力に切り替え、仮の擬似エコー信号s^′(n)の極性が反転した擬似エコー信号s^(n)を生成する。
ステップS08において、第1スイッチ15は、適応フィルタ係数h'(n)(i)の極性が反転していないため、適応フィルタ12からの出力に切り替え、仮の擬似エコー信号s^′(n)を擬似エコー信号s^(n)に代入する。
ステップS09において、加算器18は、マイク19から入力されたエコー信号s(n)から擬似エコー信号s^(n)を減算して残留エコー信号ε(n)を生成する。
ステップS10において、適応フィルタ12は、適応フィルタ係数を更新するため、平滑化したスピーカ出力電力σ(n)2を更新する。
ステップS11において、第2スイッチ16は、フラグの値が0か否かを判別する。フラグの値が0でない場合ステップS12に進み、フラグの値が0の場合ステップS13に進む。
ステップS12において、第2スイッチ16は、乗算器17からの出力に切り替え、残留エコー信号ε(n)の極性が反転した係数更新用残留エコー信号ε′(n)を生成する。
ステップS13において、第2スイッチ16は、加算器18からの出力に切り替え、仮の残留エコー信号ε(n)を係数更新用残留エコー信号ε′(n)に代入する。
ステップS14において、適応フィルタ12は、全タップの共通値αを求める。
ステップS15において、適応フィルタ12は、適応フィルタ係数を切り捨てにより更新する。
ステップS16において、タイマ10は、サンプル番号及びカウンタcにそれぞれ1加算し、ステップS01に戻る。
このように本方式によれば固定小数点演算回路のみを具備したプロセッサを使用することができる。固定小数点演算回路のみを具備したプロセッサを使用することにより、通常消費電力の高い浮動小数点演算回路を具備したプロセッサを使用するよりも消費電力を削減することができる。
また、エコーキャンセラの適応フィルタ係数の極性をフレーム毎に反転させることにより、1サンプルごとに極性を反転させるものよりも極性を切り替えるスイッチの演算量を削減することができる。
また、フレーム毎に適応フィルタ係数の極性を反転しても、サンプル毎に極性を反転するに比べて同等の収束特性を得ることができる。例えば、仮にfs=8kHzで160サンプル毎(20msec)に極性を反転させるとすると16ビットの固定小数点演算器を使用した場合、切捨てによる誤差の蓄積の推定値は160×0.5/32768(=2^15)=0.00244程度である。したがって、適応フィルタを最適化して適応フィルタ係数のレンジを極力−1〜1に広く分布する様にすれば、優れた収束特性を得ることができる。
以上、実施形態の一例を示したが、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述した一連の処理もソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムを、専用のハードウェアが組み込まれているコンピュータにインストールすることで実現できる。
1 スピーカ、 2 マイク、 3 適応フィルタ、 4 加算器、 10 タイマ、 11 フィルタ係数反転部、 12 適応フィルタ、 13 スピーカ、 14 第1乗算器、 15 第1スイッチ、 16 第2スイッチ、 17 第2乗算器、 18 加算器、 19 マイク
Claims (6)
- フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部と、
スピーカ出力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する適応フィルタと、
マイク入力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算器と、
上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転部とを備え、
上記適応フィルタは、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新するエコーキャンセル装置。 - 上記推定信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する推定信号反転部を備え、
上記減算器は、上記マイク入力信号と上記所定フレーム毎に極性が反転される推定信号との誤差信号を算出する請求項1記載のエコーキャンセル装置。 - 上記適応フィルタは、整数演算のLSI(Large Scale Integration)からなる請求項1記載のエコーキャンセル装置。
- フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転部と、
入力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する適応フィルタと、
上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算器と、
上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転部とを備え、
上記適応フィルタは、固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する信号処理装置。 - フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転工程と、
入力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する生成工程と、
上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算工程と、
上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転工程と、
固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する更新工程と
を有する信号処理方法。 - フィルタ係数の極性を所定フレーム毎に反転するフィルタ係数反転工程と、
入力信号に上記フィルタ係数を乗じて未知系の推定信号を生成する生成工程と、
上記未知系の出力信号と上記推定信号との誤差信号を算出する減算工程と、
上記誤差信号の極性を上記所定フレーム毎に反転する誤差信号反転工程と、
固定小数点演算における切り捨て処理を用い、上記フィルタ係数を上記誤差信号に基づいて更新する更新工程と
を情報処理装置に実行させるプログラム。
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