JP2005318518A - ダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラム - Google Patents

ダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 エコーキャンセル装置においてダブルトークの影響を除去しつつ迅速な学習を行う。
【解決手段】 第1の音声信号を、第1の周波数領域の信号に変換する第1の変換過程と、前記第1の周波数領域の信号に前記各成分毎に係数を乗算する乗算過程と、第2の音声信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の変換過程と、前記第2の周波数領域の信号から、前記乗算過程における乗算結果を減算する減算過程と、前記減算過程により減算された誤差信号と前記第1の周波数領域の信号とに基づいて、前記係数を更新する際の差分である更新加算値を算出する更新加算値算出過程と、前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程(SP15,SP35,SP55,SP60)とを設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ハンズフリータイプの通話に用いて好適なダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラムに関する。
マイク・スピーカを用いて遠方にいる相手とハンズフリー通話を行う際に発生する音響エコーを低減するために、エコーキャンセラ(エコーキャンセル装置)が使用されている。エコーキャンセラにおいては、スピーカからの出力信号は壁・ドア等による反射などのスピーカとマイクとの間の伝達系(エコーパス)の影響を受けた後、マイクに入力されるため、マイク出力信号にはこのようなスピーカ出力に起因する音響エコー信号が含まれている。したがって、この伝達系を適応フィルタ等で模擬したフィルタをスピーカ出力に畳み込むことによって得られる擬似エコー信号をマイク出力信号から差し引くことにより、音響エコー信号を打ち消すことが出来る。このようにスピーカ出力信号に起因する信号を模擬した擬似エコー信号との差(誤差信号)を最小化するように擬似エコー信号生成パラメータの更新を逐次行う技術が知られている。
ところが、実際のマイク出力信号には、スピーカ出力に起因する音響エコー信号だけでなく、直接マイクに入力される音声や暗騒音などが含まれている。室内でスピーカからの音とそれ以外の音の放射が同時に発生している状態のことをダブルトーク状態と呼ぶ。
適応フィルタを用いたエコーキャンセラでは参照信号(通常はスピーカ入力信号)と誤差信号とに基づき、誤差信号に含まれる参照信号と相関の高い信号を打ち消すようにフィルタ係数を更新する。したがって、適応フィルタが適切に動作していれば誤差信号が減少していくが、スピーカとマイクとの間の伝達系に変化が生じると、適応フィルタはその変化に追随するために更新量を増加させる。また、誤差信号は上述したダブルトーク状態になることによっても増加する。そして、それに合わせて適応フィルタの更新量も増加することになるが、ダブルトークにより増加した誤差信号はスピーカとマイクとの間の伝達系を含んでいるわけではないので、結果として伝達系を適切に推定することが出来ない。このようなダブルトーク状態においては、誤差信号が急激に増大するため、パラメータの更新を停止する必要がある。そのことを目的として、音響エコーが付加される前の音声信号パワーと誤差信号パワーとの比較によってダブルトーク状態を検出し、パラメータの更新を停止する技術が開示されている(特許文献1)。また、パラメータ更新における修正量に上限値・下限値を設け、その範囲を超えた場合には該上限値・下限値を修正量とし、ダブルトークに対する応答を制限する技術が開示されている(特許文献2)。
また、インパルス応答前段の残留パワーと後段の残留パワーとを比較し、残留パワーの後段の増加率が大きい場合にダブルトーク状態と判定し、パラメータの更新を停止する技術が開示されている(特許文献3)。
特開2000−252884号公報 特開平10−303787号公報 特開平4−127721号公報
ところが、特許文献1における技術においては、誤差信号の大きさに基づきダブルトーク状態の判定を行っているので、伝達系が変動したために誤差信号が増大したのかダブルトークが発生したために誤差信号が増大したのかの判断が困難であり、そのため本来不要である更新を行ってしまう可能性がある。特許文献2における技術においては、パラメータの修正量を制限しているので、エコーパスの変化に対する追従が遅くなり、迅速な学習が困難である。また、エコーパスが長い場合において、特許文献3における技術を用いると、インパルス応答後段のパワーが大きくなるので、ダブルトークであるとの誤った判定がされる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、係数の更新値に基づいてダブルトーク状態の判定を行うダブルトーク状態判定方法、ダブルトーク状態判定装置およびプログラム、また、ダブルトーク状態・エコーパスの変動の影響を除去しつつ伝達系の推定誤差の増大を阻止することが出来るダブルトーク状態判定方法、エコーキャンセル方法、ダブルトーク状態判定装置、エコーキャンセル装置およびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載のダブルトーク状態判定方法にあっては、第1の音声信号を、複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第1の周波数領域の信号に変換する第1の変換過程(FFTユニット、825)と、前記第1の周波数領域の信号の前記各成分毎に、適宜更新され得る係数を乗算する乗算過程(乗算ユニット、400)と、第2の音声信号を複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第2の周波数領域の信号に変換する第2の変換過程(FFTユニット、800)と、前記第2の周波数領域の信号から、前記乗算過程における乗算結果を減算する減算過程(減算ユニット、500)と、前記減算過程における減算結果である誤差信号と前記第1の周波数領域の信号とに基づいて、前記係数に対する更新加算値を算出する更新加算値算出過程(ΔHユニット、210)と、前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程(SP15、SP35、SP55、SP60)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項2記載のダブルトーク状態判定方法にあっては、サンプルした第1の音声信号を記憶する信号記憶過程(xレジスタ、305)と、前記信号記憶過程で記憶された信号と、適宜更新され得る係数との畳み込みを行う畳込演算過程(畳込演算ユニット、400)と、第2の音声信号から、前記畳込演算過程の出力信号を減算する減算過程(減算ユニット、505)と、前記減算過程により減算された誤差信号と前記第1の音声信号とに基づいて、前記係数に対する差分である更新加算値を算出する更新加算値算出過程(Δh生成ユニット、215)と、前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程(SP115、SP135、SP155、SP160)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法において、前記判定過程は、前記更新加算値が所定の範囲にあった場合において、前記更新加算値と過去の更新加算値とが所定の関係(SP155:両者の比が0.9〜1.1の範囲内)を有しない場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値と前記過去の更新加算値とが前記所定の関係を有し、かつ、前記過去の更新加算値が算出された際に前記係数の更新が行われていない場合(SP160:flag_k(n)=0の場合 )はシングルトーク状態であると判定する過程である事を特徴とする。
また、請求項4記載のエコーキャンセル方法にあっては、請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法における各過程と、前記判定過程の結果、ダブルトーク状態であると判定した場合には前記係数の更新を停止し、前記判定過程の結果、シングルトーク状態であると判定した場合には前記係数を更新する係数更新過程(SP145)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項5記載のダブルトーク状態判定装置にあっては、請求項1ないし3の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法を実行することを特徴とする。
また、請求項6記載のエコーキャンセル装置にあっては、請求項4記載のエコーキャンセル方法を実行することを特徴とする。
また、請求項7記載のプログラムにあっては、請求項1ないし4の何れかに記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
このように、本発明の構成によれば、更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定するように構成されているので、係数の更新を停止するか、あるいは更新を行うかを的確に判断することが出来る。
1.第1実施例
1.1.実施例の構成
1.1.1.ハードウェア構成
本発明の第1実施例であるエコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)のハードウェア構成を図1を参照して説明する。
図において、10は入出力インターフェースであり、A/D変換器、D/A変換器により構成される。ここで、A/D変換器はアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、D/A変換器はデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。そして、入出力インターフェース10にはマイク600およびスピーカ700が接続される。20はDSPであり、入出力インターフェース10を介して入力された音声信号をデジタル信号処理する。そして、DSP20により信号処理された音声信号が入出力インターフェース10を介して出力される。30は操作部であり、スイッチ、ボリューム等により構成される。40は通信部であり、遠方の相手と通信を行う。50はCPUであり、各部を制御する。60はRAMであり、ワークメモリとして使用される。70はROMであり、プログラム、パラメータが格納される。80はバスラインであり、各部を接続する。以上の要素により、エコーキャンセル装置(エコーキャンセラ、ダブルトーク状態判定装置)100が構成される。
1.1.2.アルゴリズム構成
相手側マイクから入力された音声信号は、通信部40、DSP20、入出力インターフェース10を介して、スピーカ700から放音される。また、マイク600から入力された音声信号は、入出力インターフェース10、DSP20、通信部40を介し、相手側スピーカから放音される。これらは、CPU50、DSP20によるソフトウェア処理によって行われる。以下、エコーキャンセル装置100のアルゴリズム構成を図2を参照して説明する。なお、本実施例においては、周波数領域において信号処理する場合について説明する。
図において、650は相手側マイクであり、音声を電気信号に変換する。750は相手側スピーカであり、アナログ音声信号を機械的振動に変換し放音する。1500は通信ユニットであり、相手側マイク650から入力された音声信号を受信すると共に、相手側スピーカ750に音声信号を送信する。このとき、受信されたアナログ音声信号が、一定時間毎にサンプルされ、通信ユニット1500によって、該アナログ音声信号がデジタル音声信号x(n)として出力される。700はスピーカであり、マイク650によって入力された音声信号が後述するFFTユニット、iFFTユニットを介して放音される。さらに、スピーカ700から放音された音声が壁・ドアにより反射されてマイク600に入力される。このようなスピーカ700に起因する音がマイク600により検出された信号を音響エコーといい、スピーカ700とマイク600との間の経路をエコーパスCという。さらに、マイク600に入力された信号に対して一定時間毎のサンプルが行われることにより、デジタル音声信号y(n)が出力される。
800,825はFFTユニットであり、マイク600,650を介して入力したデジタル音声信号x(n)(またはy(n))を所定長のフレーム毎に離散フーリエ変換する。それにより、離散周波数iの関数として離散フーリエ変換X(i)(あるいはY(i))が算出される。すなわち、離散フーリエ変換X(i)はデジタル音声信号x(n)についての複素数データであり、複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する周波数領域の信号である。
なお、周知のようにデジタル音声信号x(n)がエコーパスCを介した出力信号y(n)は、音声信号x(n)とエコーパスCのインパルス応答h(n)との畳込演算になる。そのため、出力信号y(n)のフーリエ変換Y(i)は、次式に示されるように、インパルス応答h(n)のフーリエ変換H(i)と音声信号x(t)のフーリエ変換X(i)とを乗算した形式に表現される。
Y(i)=H(i)・X(i) ………(1)
ここで、時間領域でサンプルした信号を変数nの小文字x(n),y(n),h(n)等で表し、周波数領域に変換した離散フーリエ変換を変数iの大文字X(i),Y(i),H(i)等で表現している。すなわち、大文字は複素数の信号であることを表現している。
850,875はiFFTユニットであり、離散フーリエ変換X(i)あるいは後述する誤差信号E(i)を逆フーリエ変換し、時間領域の信号x(n),e(n)に変換する。300はXレジスタであり、フーリエ変換X(i)の複素数信号をN個記憶することが出来るレジスタである。ここで、フーリエ変換X(i)の音声がiFFTユニット850を介してスピーカ700から放音されると同時に、フーリエ変換X(i)がXレジスタ300に記憶される。
400は乗算ユニットであり、次式の乗算を実行し、参照信号R(i)の複素数データを生成する。
R(i)=H(i)・X(i) ………(2)
ここで、H(i)は、k回目のフレーム更新におけるフーリエ変換X(i)に対する推定伝達関数であり、後述する処理によりエコーパスCの伝達関数H(i)に徐々に近似するように更新される。すなわち、参照信号R(i)は推定伝達関数H(i)とフーリエ変換X(i)とが乗算されたものである。500は減算ユニットであり、フーリエ変換Y(i)の値から参照信号R(i)の値を実部および虚部のそれぞれについて減算し、誤差信号E(i)を得る。ここで、誤差信号E(i)は、次式のように変形される。
E(i)=Y(i)−R(i)
=H(i)・X(i)−H(i)・X(i)
={H(i)−H(i)}・X(i)
=ΔH(i)・X(i)
但し、 ΔH(i)=H(i)−H(i)
である。なお、ΔH(i)を更新加算値といい、推定伝達関数H(i)を更新する際の差分である。
そして、iFFTユニット850および通信ユニット1500を介して、誤差信号E(i)を逆変換した音声信号e(n)が相手側スピーカ750から放音される。
280は複素共役ユニットであり、フーリエ変換X(i)の複素共役X(i)を生成する。210はΔH生成ユニットであり、誤差信号E(i)の値および複素共役X(i)の値を用いて、更新加算値ΔH(i)の値を算出する。
E(i)・X(i)=ΔH(i)・X(i)・X(i)
=ΔH(i)・|X(i)|2
ΔH(i)=E(i)・X(i)/|X(i)|2……(3)
すなわち、誤差信号E(i)がフーリエ変換X(i)の複素共役X(i)に乗算され、音声信号X(i)のパワーによって除算された値が更新加算値ΔH(i)の値である。
220はΔHレジスタであり、ΔH生成ユニット210によって算出された複素数値を一時記憶する。230はμ倍ユニットであり、ΔH生成ユニット210の出力値に対して収束係数μの値を必要に応じて乗算する。さらに、ΔHレジスタ220の出力値に対してμの値を乗算する。240はHレジスタであり、推定伝達関数H(i)の複素数値を記憶する。250は加算ユニットであり、μ倍されたΔH生成ユニット210の出力値をHレジスタ240の値に加算する。260は減算ユニットであり、μ倍されたΔHレジスタ220の出力値をHレジスタ240の値から減算する。これらΔH生成ユニット210、ΔHレジスタ220、μ倍ユニット230、Hレジスタ240、加算ユニット250および減算ユニット260によって適応フィルタ200が構成される。また、Xレジスタ300、乗算ユニット400、減算ユニット500および適応フィルタ200によってエコーキャンセルユニット1000が構成される。
1.2.第1実施例の動作
1.2.1.エコーキャンセル装置100の全体動作
前述の通り、相手側マイク650に入力後、サンプルされた音声信号x(n)がスピーカ700から放音されると、該音声信号x(n)がエコーパスCのインパルス応答h(n)によって畳み込まれ、マイク600において集音された音声信号y(n)が出力される。ここで、音響エコーを取り除くためには、マイク600によって集音された音声信号y(n)から音声信号x(n)を取り除く必要がある。しかし、音声信号y(n)はエコーパスCのインパルス応答h(n)と音声信号x(n)とが畳み込まれているので、単純に各信号を減算することによって取り除くことが出来ない。そこで、エコーパスCの伝達関数H(i)に近似する推定伝達関数H(i)が求められる。
1.2.2.エコーキャンセルユニット1000の動作
マイク600にスピーカ700から放音された音声のみがエコーパスCを介して入力されるシングルトーク状態において、乗算ユニット400によって乗算が実行されれば、エコーパスCを介して伝達された信号を模擬した参照データ(擬似エコー)R(i)が生成される。このとき、推定伝達関数H(i)は、別途、適応フィルタ200によって設定される。一方、マイク600が出力する音声信号y(n)がFFTユニット800によってフーリエ変換され、フーリエ変換Y(i)が算出される。
そして、減算ユニット500によって、フーリエ変換Y(i)から参照信号R(i)が減算される。さらに、減算ユニット500によって算出された誤差信号E(i)を最小にするように、推定伝達関数H(i)が逐次更新される。そして、該フィルタ係数はkの値の増加によって伝達関数H(i)近傍に収束する。そして、誤差信号E(i)がiFFTユニット850によって音声信号に変換され、該音声信号が通信ユニット1500を介して相手側スピーカ750から放音される。
ところが、誤差信号E(i)には、マイク650からの音声信号および音響エコーの他に、マイク600側の話者によって発音される音声信号が含まれる。このようなダブルトーク状態においては、マイク600側の話者による音声信号の成分だけ誤差信号E(i)が増加する。ここで、適応フィルタ200は、正当でない誤差信号E(i)を最小にするように、推定伝達関数H(i)を更新しようとするため、推定伝達関数が不適切な値に設定されるという問題が生ずる。そこで、ダブルトーク状態においては推定伝達関数の更新を強制的に停止する必要が生じる。
1.2.3.適応フィルタ200の動作
適応フィルタ200は、ダブルトーク状態において推定伝達関数H(i)の更新を停止し、シングルトーク状態においては誤差信号E(i)を最小にするようにH(i)が更新される。そのため、k回目のフレーム更新毎に、X(i)に対して、図3のルーチンが起動する。ステップSP10においては、(3)式に基づいて、更新加算値ΔH(i)が算出される。そして、処理はステップSP15に進む。
ステップSP15においては、更新加算値ΔH(i)の絶対値が任意の設定値α1の値より小さな値であるか否かが判定される。ここで、α1はダブルトーク判定閾値として、ダブルトーク状態であると判定して差し支えない程度の値が設定されている。ΔH(i)の絶対値がα1の値を超えるか等しい値であるときは、「NO」と判定され、処理はステップSP20に進む。ステップSP20においては、Hレジスタ240内のH(i)の値がHk−1(i)の値に設定され、推定伝達関数の更新が行われない。そして、処理はステップSP25に進み、ΔH(i)の値がΔHレジスタ220に保存される。そして、ステップSP30において、flag_k(i)の値が「0」に設定され、本ルーチンが終了する。ここで、flag_k(i)は、k番目に推定伝達関数H(i)が更新されたか否かを表し、「1」は更新されたことを表し、「0」は更新されなかったことを表す。
一方、ステップSP15において、更新加算値ΔH(i)の絶対値がα1の値より小さな値であれば、「YES」と判定され、処理はステップSP35に進む。ステップSP35においては、更新加算値ΔH(i)の絶対値が任意の設定値α2より小さな値であるか否かが判定される。ここで、α2はシングルトーク状態と判定して差し支えない程度の小さな値が設定されている。更新加算値ΔH(i)の絶対値がα2未満であるときは「YES」と判定され、処理はステップSP40に進む。ステップSP40においては、ΔH(i)の値がΔHレジスタ220に保存され、処理はステップSP45に進み、μ倍ユニット230、加算ユニット250によって、推定伝達関数H(i)の値が{Hk−1(i)+μΔH(i)}の値に更新される。ここで、収束係数μは任意の値に選定される。そして、ステップSP50においてflag_k(i)の値が「1」に設定され、k番目において、推定伝達関数が更新されたことが記憶される。そして、本ルーチンが終了する。
さらに、ステップSP35において、更新加算値ΔH(i)の絶対値がα2を超えるか等しい値であるときは「NO」と判定される。この場合においては、ダブルトーク状態の場合とシングルトーク状態の場合との両方が考えられる。そして、処理はステップSP55に進む。ステップSP55においては、更新加算値ΔH(i)の値が前回の更新加算値ΔHk−1(i)の値にほぼ等しいか否かが判定される。ここで、かかる判定を行う意義を説明する。本実施例においては、エコーパスはマイクとスピーカ間において生ずることを想定している。このため、エコーパスの変動要因はドアの開閉、マイクとスピーカとの距離変動等であり、系の時間的変動が比較的緩やかである。そのため、ΔH(i)の時間的変化が少なく、ΔH(i)の値がΔHk−1(i)の値にほぼ等しくなる。すなわち、更新加算値ΔH(i)が更新加算値ΔHk−1(i)とほぼ等しくなる場合は、エコーパスの変動が発生していると推測できる。ΔHk−1(i)の値がΔH(i)の値にほぼ等しいと判定する範囲(許容差)は、部屋の大きさ、ドアの開閉による影響の大きさ、マイク・スピーカの距離のみならずサンプリング時間等に応じて決定される。ΔHk−1(i)の値がΔH(i)の値にほぼ等しければ、「YES」と判定され、処理はステップSP60に進む。この「ほぼ等しい」の判定には、例えば、
0.9<|ΔH(i)/ΔHk−1(i)|<1.1
などの判定式が適宜用いられる。すなわち、更新加算値が所定範囲にあるか否かが判定される。
ステップSP60においては、flag_k−1(i)=0であるか否かの判定が行われる。ここで、flag_k−1(i)=0であれば、シングルトーク状態であるにもかかわらずエコーパスの変動により前回(k−1)で係数が更新されていないので、ほぼ同じ更新量が検出されたと判断できる。ステップSP60で「YES」と判定されると、処理はステップSP40に進み、ステップSP45、ステップSP50を介して、係数を変更して本ルーチンが終了する。
また、ステップSP60において、flag_k−1(i)=1であれば「NO」と判定される。これは、前回(k−1)で係数が更新されているにもかかわらず、今回の更新加算値がほぼ同じ値になっているということは、ダブルトーク状態であっても係数が更新されたものと判断し、処理はステップSP65に進む。ステップSP65においては、μ倍ユニット230、減算ユニット260によって、推定伝達関数H(i)の値に{Hk−1(i)−μΔHk−1(i)}の値が設定される。すなわち、前回(k−1)における更新が無効にされる。この場合、前回(k−1)の更新を無効にした分、エコー消去量は劣化するがダブルトーク状態による推定伝達関数の乱れは防止できる。そして、処理はステップSP25に進み、ステップSP30を介して、本ルーチンが終了する。
また、ステップSP55において、ΔH(i)の値がΔHk−1(i)の値と大きく異なっている場合は、ダブルトーク状態であると推定され、処理はステップSP20に進み、ステップSP25、ステップSP30を介して本ルーチンが終了する。
周波数領域で適応制御を行い、エコー消去量を求めた特性を図4(a)および図4(b)に示す。双方とも、縦軸はエコー消去量[dB]であり、横軸は応答時間を表す。図4(a)はシングルトーク状態からダブルトーク状態に変動した場合の応答特性を示す。線12はダブルトーク判定閾値α1=0.01の場合であり、線14はα1=0.03の場合であり、線16はα1=0.1の場合である。α1=0.01では、ダブルトークが検出され、係数の更新が行われない。そのため、ダブルトーク状態下での不適切な係数更新が行われずエコー消去量の低下が少ない。一方、α1=0.1では、ダブルトークが検出されておらず、ダブルトーク状態下での不適切な係数更新が行われ、エコー消去量が著しく低下している。図4(b)はドアを閉めた状態からドアを開けた状態の応答特性を表し、エコーパスが急激に変動した状態を表す。線22はダブルトーク判定閾値α1=0.01の場合であり、線24はα1=0.03の場合であり、線26はα1=0.1の場合である。α1=0.01では、エコーパスの変動に追従していないが、α1=0.1においてはエコーパスの変動に対して復帰するように動作している。したがって、閾値α1を大きな値に設定すると収束速度は速くなるがエコー消去量が小さくなり、ダブルトークに対する耐性が弱くなる事が判る。なお、図4(a)および図4(b)の双方の特性を考慮すると、中間のα1=0.03が最適値であると判断される。
2.第2実施例
第1実施例においては、推定伝達関数H(i)の推定を周波数領域に変換して行ったが、時間領域の信号を用いても同様の推定を行うことが出来る。この場合においては、ハードウェア構成は第1実施例と同一でよい。しかし、アルゴリズム構成および動作は第1実施例と異なる。
2.1.アルゴリズム構成
次に、エコーキャンセル装置100の時間領域におけるアルゴリズム構成を図5を参照して説明する。
図5において、相手側マイク650、相手側スピーカ750、通信ユニット1500は前述した通りである。さらに、215はΔh生成ユニットであり、誤差信号e(n)の値および音声信号x(n)の値を用いて、(4)式に示される学習同定法によって、推定インパルス応答h(n)を更新する際の差分である更新加算値Δh(n)の値を算出する。
Figure 2005318518
ここで、μは収束係数であり、h(n)の収束速度を決定する0<μ≦1の範囲の定数である。すなわち、誤差信号e(n)が音声信号x(n)に乗算され、音声信号x(n)の二乗和によって除算された値に収束係数を乗算した値が更新加算値Δh(n)の値である。
225はΔhレジスタであり、Δh生成ユニット215によって算出された値を一時記憶する。235はμ倍ユニットであり、Δh生成ユニット215の出力値に対して収束係数μの値を必要に応じて乗算する。245はhレジスタであり、推定インパルス応答h(j)の値を記憶する。255は加算ユニットであり、μ倍されたΔh生成ユニット215の出力値をhレジスタ245の値に加算する。265は減算ユニットであり、μ倍されたΔhレジスタ225の出力値をhレジスタ245の値から減算する。305はxレジスタであり、サンプリングデータx(n)をN個記憶することが出来るレジスタである。410は畳込演算ユニットであり、(5)式の畳込演算を実行し、参照信号r(n)を算出する。
Figure 2005318518
ここで、*は畳み込みを示す演算子であり、h(n)は、エコーパスCの推定インパルス応答である。すなわち、推定インパルス応答h(j)が信号x(n−j)に乗算され、該乗算された結果の和が演算される。なお、推定インパルス応答h(n)は後述する更新によりエコーパスCのインパルス応答h(n)の近似値に収束する。
505は減算ユニットであり、マイク600から入力されサンプルされた音声信号y(n)の値から参照信号r(n)の値を減算する。なお、減算ユニット505の出力信号e(n)を誤差信号という。そして、通信ユニット1500を介して、誤差信号e(n)による音声が相手側スピーカ750から放音される。また、Δh生成ユニット215、Δhレジスタ225、μ倍ユニット235、hレジスタ245、加算ユニット250および減算ユニット265によって適応フィルタ205が構成される。さらに、xレジスタ305、畳込演算ユニット410、減算ユニット505および適応フィルタ205によってエコーキャンセルユニット1100が構成される。なお、これらのレジスタ、演算ユニット等においては第1実施例と異なり、複素数の処理が行われず実数のみの処理が行われる。
2.2.第2実施例の動作
2.2.1.エコーキャンセルユニット1100の動作
第2実施例の全体動作は第1実施例と同様であるので、エコーキャンセルユニットの動作、適応フィルタの動作に分けて説明する。まず、図5を参照してエコーキャンセルユニットの動作を説明する。
マイク600にスピーカ700から放音された音声のみがエコーパスを介して入力されるシングルトーク状態において、畳込演算ユニット410によって畳込演算が実行されれば、エコーパスCを模擬した擬似エコーが生成される。すなわち、信号x(n)がxレジスタ305に一定時間毎に逐次記憶・更新されることにより、マイク600に入力される信号y(n)が(5)式の畳込演算によって模擬される。このとき、推定インパルス応答h(n)は、別途、適応フィルタ205によって設定される。ここで、Nの値はインパルス応答h(n)の応答長であり、インパルス応答h(n)の収束時間により決定され、収束時間が長ければ大きなNの値が必要になる。
そして、減算ユニット505によって、マイク600から入力後サンプルされた音声信号y(n)から畳込演算により生成された参照信号r(n)が減算される。さらに、減算ユニット505によって減算された誤差信号e(n)を最小にするように、推定インパルス応答h(n)が逐次更新され、該係数はエコーパスCのインパルス応答h(n)に収束する。そして、減算された誤差信号e(n)が通信ユニット1500を介して相手側スピーカ750から放音される。
2.2.2.適応フィルタ205の動作
適応フィルタ205は、ダブルトーク状態において推定インパルス応答の更新を停止し、シングルトーク状態においては誤差信号e(n)を最小にするように推定インパルス応答h(n)が更新される。そのため、信号x(n)が入力され、k番目の畳込演算が実行される毎に図6のルーチンが起動する。
ステップSP110においては、(4)式に示される学習同定法に基づいて、更新加算値Δh(n)が算出される。そして、処理はステップSP115に進む。
ステップSP115においては、Δh(n)の絶対値が任意の設定値α3の値より小さな値であるか否かが判定される。ここで、α3はダブルトーク判定閾値として、ダブルトーク状態であると判定して差し支えない程度の値が設定されている。Δh(n)の絶対値がα3の値を超えるか等しい値であるときは、「NO」と判定され、処理はステップSP120に進む。ステップSP120においては、hレジスタ245内のh(n)の値がhk−1(n)の値に設定され、推定インパルス応答の更新が行われない。そして、処理はステップSP125に進み、Δh(n)の値がΔHレジスタ220に保存される。そして、ステップSP130において、flag_k(n)の値が「0」に設定され、本ルーチンが終了する。ここで、flag_k(n)は、k番目に推定インパルス応答h(n)が更新されたか否かを表し、「1」は更新されたことを表し、「0」は更新されないことを表す。
一方、ステップSP115において、更新加算値Δh(n)の絶対値がα3の値より小さな値であれば、「YES」と判定され、ステップSP135に進む。ステップSP135においては、更新加算値Δh(n)の絶対値が任意の設定値α4より小さな値であるか否かが判定される。ここで、α4はシングルトーク状態と判定して差し支えない程度の小さな値が設定されている。更新加算値Δh(n)の絶対値がα4の値未満であるときは「YES」と判定され、処理はステップSP140に進む。ステップSP140においては、Δh(n)の値がΔhレジスタ225に保存され、処理はステップSP145に進む。ステップSP145においては、μ倍ユニット235、加算ユニット255によって、推定インパルス応答h(n)の値が{hk−1(n)+μΔh(n)}の値に更新される。ここで、収束係数μは任意の値に選定される。そして、ステップSP150においてflag_k(n)の値が「1」に設定され、k番目において、推定インパルス応答h(n)が更新されたことが記憶される。そして、本ルーチンが終了する。
さらに、ステップSP135において、更新加算値Δh(n)の絶対値がα4の値を超えるか等しい値であるときは「NO」と判定される。この場合においては、ダブルトーク状態の場合とシングルトーク状態の場合との両方が考えられる。そして、処理はステップSP155に進み、更新加算値Δh(n)が前回の更新加算値Δhk−1(n)にほぼ等しいか否かが判定される。更新加算値Δh(n)がΔhk−1(n)の値とほぼ等しければ、エコーパスの変動が発生していると推測できる。Δh(n)がΔhk−1(n)の値にほぼ等しければ「YES」と判定され、処理はステップSP160に進む。なお、この「ほぼ等しい」の判定には、例えば
0.9<|Δh(n)/Δhk−1(n)|<1.1
などの判定式が適宜用いられる。
ステップSP160においては、flag_k−1(n)=0であるか否かの判定が行われる。ここでflag_k−1(n)=0であれば、シングルトーク状態であるにもかかわらずエコーパスの変動により前回(k−1)で係数が更新されていないので、ほぼ同じ更新量が検出されたと判断できる。ステップSP160で「YES」と判定されると、処理はステップSP140に進み、ステップSP145、ステップSP150を介して、本ルーチンが終了する。
また、ステップSP160において、flag_k−1(n)=1であれば「NO」と判定される。これは、前回(k−1)で係数更新が行われているにもかかわらず、今回の更新値がほぼ同じ値になっているということは、ダブルトーク状態であっても係数が更新されたものと判断し、処理はステップSP165に進む。ステップSP165においては、μ倍ユニット235、減算ユニット265によって、推定インパルス応答h(n)の値に{hk−1(n)−μΔhk−1(n)}の値が設定される。そして、処理はステップSP125に進み、ステップSP130を介して、本ルーチンが終了する。
また、ステップSP155において、Δh(n)の値がΔhk−1(n)の値と大きく異なっている場合は、ダブルトーク状態であると推定され、処理はステップSP120に進み、ステップSP125、ステップSP130を介して本ルーチンが終了する。
以上のように本実施例によれば、更新加算値の大きさにより、推定インパルス応答の更新を行うか否かの判定をしているから、誤差信号e(n)パワーあるいは残留パワーに基づいてダブルトークの有無を判定している技術に比較して、適応の進み方にかかわらず判定ができるとともに、迅速な収束を可能にする。また、更新加算値の大きさのみならず、該更新加算値の変化に基づいて、推定インパルス応答の更新を行うか否かの判定をしているから、的確な判定をすることが出来る。また、各離散周波数iごとにダブルトーク状態の判定を行っているので、直接マイクに入力される音声によりダブルトークが発生している帯域のフィルタ係数の更新を停止し、その他の帯域については係数更新を行うといった処理を容易に行うことができる。
3.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
(1)上記実施例においては、学習同定法によって更新加算値を算出したが、LMS(最小自乗平均)アルゴリズムなど他のアルゴリズムを用いてもよい。
(2)上記実施例のステップSP15およびSP35においては、全ての離散周波数iに対する更新加算値ΔH(i)の絶対値とα1またはα2とを比較することによってダブルトーク状態の成否等を判定したが、ダブルトーク状態の成否等の判定のためには必ずしも全ての離散周波数iに対する更新加算値ΔH(i)を使用する必要はなく、任意の所定個数の更新加算値ΔH(i)が所定条件を満たしたか否かによってダブルトーク状態の成否等を判定するようにしてもよい。
例えば、離散周波数i毎にα1(i)およびα2(i)を定め、「ΔH(i)<α1(i)(またはα2(i))」を満たすΔH(i)を所定数検出したことを条件としてステップSP15(またはSP35)において「YES」と判定するようにしてもよい。この場合、α1(i)およびα2(i)は離散周波数i毎に異なる値にしてもよい。例えば、低周波成分は空間の変動の影響を受け易いため、低周波になるほどα1(i)を小さく設定してもよい。
(3)上記実施例は、ROM70に格納されたプログラムによってエコーキャンセル方法を実行したが、このプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記憶媒体に格納して頒布し、あるいは電気通信回線を通じて頒布してもよい。
本発明の第1実施例であるエコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)のハードウェア構成図である。 本発明の第1実施例であるエコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)のアルゴリズム構成図(周波数領域)である。 周波数領域におけるフローチャートである。 シングルトーク状態からダブルトーク状態に変動した場合およびエコーパスが急激に変動した場合の応答特性を示す図である。 本発明の第2実施例であるエコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)のアルゴリズム構成図(時間領域)である。 時間領域におけるフローチャートである。
符号の説明
10…入出力インターフェース、20…DSP、30…操作部、40…通信部、50…CPU、60…RAM、70…ROM、80…バスライン、100…エコーキャンセル装置(ダブルトーク状態判定装置)、200,205…適応フィルタ、210…ΔH生成ユニット(更新加算値算出過程)、215…Δh生成ユニット(更新加算値算出過程)、220…ΔHレジスタ、225…Δhレジスタ、230,235…μ倍ユニット、240…Hレジスタ、245…hレジスタ、250,255…加算ユニット、260,265…減算ユニット(減算過程)、280…複素共役ユニット、300…Xレジスタ、305…xレジスタ(信号記憶過程)、400…畳込演算ユニット(乗算過程)、410…乗算ユニット(畳込演算過程)、500,505…減算ユニット(減算過程)、600,650…マイク、700,750…スピーカ、800,825…FFTユニット(変換過程)、850,875…iFFTユニット、1000,1100…エコーキャンセルユニット、1500…通信ユニット、12,14,16,22,24,26…線。

Claims (7)

  1. 第1の音声信号を、複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第1の周波数領域の信号に変換する第1の変換過程と、
    前記第1の周波数領域の信号の前記各成分毎に、適宜更新され得る係数を乗算する乗算過程と、
    第2の音声信号を複数の周波数成分に対する振幅および位相を規定する第2の周波数領域の信号に変換する第2の変換過程と、
    前記第2の周波数領域の信号から、前記乗算過程における乗算結果を減算する減算過程と、
    前記減算過程における減算結果である誤差信号と前記第1の周波数領域の信号とに基づいて、前記係数に対する更新加算値を算出する更新加算値算出過程と、
    前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程と
    を処理装置に実行させることを特徴とするダブルトーク状態判定方法。
  2. サンプルした第1の音声信号を記憶する信号記憶過程と、
    前記信号記憶過程で記憶された信号と、適宜更新され得る係数との畳み込みを行う畳込演算過程と、
    第2の音声信号から、前記畳込演算過程の出力信号を減算する減算過程と、
    前記減算過程により減算された誤差信号と前記第1の音声信号とに基づいて、前記係数に対する差分である更新加算値を算出する更新加算値算出過程と、
    前記更新加算値に基づいてダブルトーク状態かシングルトーク状態かを判定する判定過程と
    を処理装置に実行させることを特徴とするダブルトーク状態判定方法。
  3. 前記判定過程は、前記更新加算値が所定の範囲にあった場合において、前記更新加算値と過去の更新加算値とが所定の関係を有しない場合はダブルトーク状態であると判定し、前記更新加算値と前記過去の更新加算値とが前記所定の関係を有し、かつ、前記過去の更新加算値が算出された際に前記係数の更新が行われていない場合はシングルトーク状態であると判定する過程である
    事を特徴とする請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法。
  4. 請求項1ないし2の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法における各過程と、
    前記判定過程の結果、ダブルトーク状態であると判定した場合には前記係数の更新を停止し、前記判定過程の結果、シングルトーク状態であると判定した場合には前記係数を更新する係数更新過程と
    を処理装置に実行させることを特徴とするエコーキャンセル方法。
  5. 請求項1ないし3の何れかに記載のダブルトーク状態判定方法を実行することを特徴とするダブルトーク状態判定装置。
  6. 請求項4記載のエコーキャンセル方法を実行することを特徴とするエコーキャンセル装置。
  7. 請求項1ないし4の何れかに記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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