JP2010066744A - ディスプレー面板用透明多層シート - Google Patents

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日勝 岩本
Yoshihiro Fumoto
吉弘 麓
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邦彦 土井
Motoyuki Tsuruta
素之 鶴田
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Abstract

【課題】本発明は、各樹脂層間の良好な密着性を有し、環境の湿度変化が起こった場合でも反りが発生しにくく、その表面に硬質架橋皮膜を形成することにより実用的に十分な硬度を得ることができるディスプレー面板用透明多層シートを提供する。
【解決手段】MMA・スチレン共重合体樹脂シートの少なくとも片面に、メタクリル樹脂層を有し、メタクリル樹脂層のメタクリル樹脂のメタクリル酸メチル(MMA)含有率が85モル%以上であり、更に、メタクリル樹脂層の表面の少なくとも一方にハードコート層を有するディスプレー面板用透明多層シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明な樹脂積層体に関し、具体的にはディスプレー面板用透明多層シートに関する。
ディスプレー面板用透明シートとしては、透明な熱可塑性樹脂シートが使用され、従来から、メタクリル樹脂が主に使用されてきた(例えば特許文献1参照)。また、その表面に傷付きを防止するため、コーティングなどにより硬質層(ハードコート層)を形成することが一般に行われてきた(例えば特許文献1参照)。
従来から使用されてきた面板の素材であるメタクリル樹脂の場合は、その弾性率が高いため、その表面に硬質架橋皮膜を形成することにより実用的に十分な硬度を得ることができるが、吸湿性が高いため環境の湿度変化が起こると反りが発生しやすいという欠点を有していた。
他方、MMA・スチレン共重合体樹脂シートを面板の素材として使用した場合には、吸湿性が低いため環境の湿度変化が起こった場合でも反りが発生しにくいものの、その表面に硬質架橋皮膜を形成した場合には、メタクリル樹脂の表面に硬質架橋皮膜を形成した場合に比べて硬度が不十分であることが問題であった。
特開2004−299199号公報 特公昭62−41241号公報
本発明は、各樹脂層間の良好な密着性を有し、環境の湿度変化が起こった場合でも反りが発生しにくく、その表面に硬質架橋皮膜を形成することにより実用的に十分な硬度を得ることができるディスプレー面板用透明多層シートを提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、MMA・スチレン共重合体樹脂基材の少なくとも一方の面上に、メタクリル樹脂層及びハードコート層を順に積層して得られる樹脂積層体が、各樹脂層間の良好な密着性を有し、環境の湿度変化が起こった場合でも反りが発生しにくく、その表面に硬質架橋皮膜を形成することにより実用的に十分な硬度を得ることができることを見出した。発明者は、さらに検討を加えることにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のディスプレー面板用透明多層シート及びその製造方法を提供する。
項1.MMA・スチレン共重合体樹脂シートの少なくとも片面に、メタクリル樹脂層を有し、メタクリル樹脂層のメタクリル樹脂のメタクリル酸メチル(MMA)含有率が85モル%以上であり、更に、メタクリル樹脂層の表面の少なくとも一方にハードコート層を有するディスプレー面板用透明多層シート。
項2.MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にメタクリル樹脂層を有することを特徴とする項1に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
項3.MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にあるメタクリル樹脂層の表面の両方にハードコート層を有する項2に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
項4.メタクリル樹脂層の厚さが30μm以上である項1〜3のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
項5.メタクリル樹脂層の厚さが多層シート全体の厚さの20%以内である項1〜4のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
項6.ハードコート層の厚さが3乃至12μmである項1〜5のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
項7.ハードコート層が紫外線により硬化されたことを特徴とする項1〜6のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートは、MMA・スチレン共重合体樹脂基材の少なくとも一方の面上に、メタクリル樹脂層及びハードコート層を順に積層して得られる樹脂積層体である。
MMA・スチレン共重合体樹脂基材シート
本発明のディスプレー面板用透明多層シートの基材として、透明性、加工特性、低吸湿特性、市場での入手しやすさなどの点で、MMA・スチレン共重合体樹脂が好適に用いられる。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートとして使用されるMMA・スチレン共重合体樹脂シートの厚さとしては、ディスプレーのサイズ、使用方法などにより適切に決定されるが、通常使用されるディスプレーのサイズである2インチから50インチの範囲に対しては、0.5mmないし4.0mmが好適である。
MMA・スチレン共重合体樹脂基材シートの多層シート全体に対する厚さ比率は、その低吸湿特性を発揮し、環境の湿度変化が起こった場合でも反りが発生しにくくするために、ディスプレー面板用透明多層シートの全体厚さの50%以上、さらに60%〜96%であることが望ましい。
MMA・スチレン共重合体樹脂基材シートは透明性が高く、2mm厚さのシート状で測定した全光線透過率(JIS K7105)が85%以上、さらに87%〜92%であることが好ましい。
本発明におけるMMA・スチレン共重合体樹脂としては、MMAモノマーとスチレンとを共重合することにより得られる重合体が用いられる。このMMA・スチレン共重合体樹脂の主成分であるMMAとスチレンの組成はモル比でMMA:スチレン=80:20〜20:80、好ましくは75:25〜50:50までの範囲で実用化が可能であるが、メタクリル樹脂層との密着性を高めるためには、MMAの組成比が高いことが好ましく、一方、吸湿特性の面ではMMAの組成比が低いことが好ましい。また、このMMA・スチレン共重合体樹脂の組成に衝撃強度を高めるためにブタジエンなどのゴム成分、その他の目的でMMA・スチレンと共重合が可能なモノマーを共重合させることも可能である。
本発明におけるMMA・スチレン共重合体樹脂の製造方法については特に限定せず、バッチ重合法、及び連続重合法のいずれにより製造されたものでも使用できるが、その透明性、異物等の混入が起こりにくいことを考慮すると連続重合法が好ましい。
本発明におけるMMA・スチレン共重合体樹脂の分子量についても特に限定はしない。
また、MMA・スチレン共重合体樹脂に使用される一般的な熱安定剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、着色剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤などの各種添加剤を含有させても良い。
メタクリル樹脂層
本発明におけるメタクリル樹脂層は、ディスプレー面板用透明多層シートの表面に形成されたハードコート層を支持して十分な硬さを発揮させることにより、本発明の透明多層シート表面の傷つきを防止することを目的とする。ハードコート層の硬さを発揮させるために必要なメタクリル樹脂層の厚さは、30μm以上、特に50μm〜80μmであることが好ましい。一方、メタクリル樹脂層の厚さが増すと、吸湿による反りが起こりやすくなるため、十分な硬さを発揮させるために必要な厚さにとどめる必要があり、メタクリル樹脂層の厚さは、シートの全体厚さの20%以内、好ましくは15%〜1.5%にとどめることが好ましい。ここで、メタクリル樹脂層の厚さは、メタクリル樹脂層が基材シートの両面にある場合は、片面の厚さを意味する。
本発明におけるメタクリル樹脂としては、MMAモノマーを85モル%以上、好ましくは90モル%以上含有し、これと共重合可能なモノマー、例えばアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、スチレン、その他共重合可能なモノマーを共重合して得られる。MMAモノマーの含有率がこの範囲であれば、メタクリル樹脂層にハードコート層を積層したときに透明多層シートとして実用的に十分な表面硬度を得ることができる。また、本発明におけるメタクリル樹脂には、ゴム状ポリマー(架橋弾性重合体)からなるコア層をガラス状ポリマー(熱可塑性重合体)のシェル層で被覆したコアシェル構造(多層重合体粒子)を有する微粒子を分散(例えば特許文献2参照)させることも可能である。さらに、上記メタクリル樹脂層には、一般的な熱安定剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、着色剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤などの各種添加剤を含有させても良い。
メタクリル樹脂と屈折率を調整し、さらにその粒子径を調節して調製された乳化重合法によるゴム粒子を混練・分散させて、衝撃強度を改良することも可能である。
本発明においては、MMA・スチレン共重合体樹脂基材シートの少なくとも片面にメタクリル樹脂層が積層されることが必要であるが、基材シートの両面にメタクリル樹脂層を積層することは、得られるディスプレー面板用透明多層シートの吸湿によるそりを低減するために有効である。
本発明におけるメタクリル樹脂は透明性が高く、2mm厚さのシート状で測定した全光線透過率が85%以上、さらに87%〜93%であることが好ましい。
ハードコート層
本発明におけるハードコート層として、一般に無機系ハードコート層、有機系ハードコート層、有機無機系ハードコート層、シリコーン系ハードコート層等を使用することができる。
無機系ハードコート層は、例えば、SiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2等から構成され、これらをアクリル系樹脂層に真空蒸着、スパッタリング等することにより層が形成される。
有機系ハードコート層としては、メラミン系、アルキッド系、ウレタン系及びアクリル系樹脂の塗料を加熱硬化処理するタイプ、多官能アクリル系樹脂塗料を紫外線硬化させるタイプ等が挙げられる。
有機無機系ハードコート層としては、例えば、シリカ超微粒子の表面に光重合反応性官能基が導入されたものが紫外線硬化性ハードコート材の有機成分中に均一に分散されたもの、紫外線照射により紫外線硬化性ハードコート成分と無機超微粒子の感光性基とが重合反応を起こし、化学結合で介されたシリカ超微粒子が有機マトリックス中に均一分散した網目状の架橋塗膜が形成されたもの等が挙げられる。
シリコーン系ハードコート層としては、例えば、カーボンファンクショナルアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等の部分加水分解物や、それらにコロイダルシリカを配合したものを重縮合させることが挙げられる。
本発明では上述の通り、シラン系といわれているアルコキシシランを含有する反応タイプのハードコート皮膜を使用することもできるが、生産性の面では有機系といわれている各種有機化合物の反応架橋タイプのハードコート皮膜を使用することが望ましい。
特に、紫外線を照射して硬化するタイプの耐擦傷性有機ハードコート皮膜を用いることにより、高い生産性のもとで、安定的にディスプレー面板用透明多層シートを製造することができる。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートは、低温から高温に至るまでの環境で使用されるため、温度変化によるシートの伸縮を考慮してハードコート層の厚さを決める必要がある。温度変化によるシートの伸縮に追従させるためにはハードコート層の厚さが薄いことが望ましいが、シート表面の硬さが低下する傾向にある。一方で、ハードコート層の厚さが厚いとUV硬化による硬化収縮が大きくなり割れが生じてしまう場合がある。そのため、ディスプレー面板用透明多層シートにおけるハードコート層の厚さは、1〜20μm程度、特に3〜12μm程度であることが好ましく、これにより硬さと耐久性の両方が満足できる。ここで、ハードコート層の厚さは、ハードコート層が2層ある場合は、1層の厚さを意味する。
ディスプレー面板用透明多層シート
本発明のディスプレー面板用透明多層シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、MMA・スチレン共重合体樹脂基材シートの少なくとも片面にメタクリル樹脂を積層する方法として、MMA・スチレン共重合体樹脂基材シートを巻き取ったシートにメタクリル樹脂シートを巻き取ったシートを連続的に貼合する方法、溶融押出法により連続的に押出加工しているシートに、巻き取ったシートを貼合する方法、溶融押出法によりMMA・スチレン共重合体樹脂及びメタクリル樹脂を連続的に接合しながらシートに加工する方法など種々の方法を採用することができる。なかでも、貼合面の密着性を高めることができ、貼合時に異物を貼合面に挟み込まないための方法としては、溶融押出法により異種の樹脂材料を連続的に接合しながらシートに加工する方法が好適である。
異種の樹脂材料を溶融させながら連続的に接合する方法には、シート押出用のダイから吐出後に貼合する方法と、シート押出用のダイの内部で一体化させたのち、シート状のダイから押出して積層シートを成形する方法がある。本発明のディスプレー面板用透明多層シートを製造するためには、何れの方法も適用することができる。本発明において、シート押出用のダイの内部で一体化させたのち、シート状のダイから押出して積層シートを成形する方法、すなわち多層ダイを使用する方法は、密着性を高めるのに適した方法である。
多層ダイを使用する方法で使用するダイは一般に多層フィルム、多層シートを製造するときに使用されるものが使用できる。フィードブロック方式のダイを使用しても良いし、マルチマニホールド方式のダイを使用しても良いが、各層の厚みのバラツキをできるだけ少なくするにはマルチマニホールド方式のダイを使用することがより良い結果をもたらす。
メタクリル樹脂層上にハードコート層を積層する方法として、例えば次のようなものが例示される。例えば、2本の金属もしくはゴムロールに塗料を供給しロールの間隙に板を通すことにより塗工するロールコート法が挙げられる。これは 板、フィルム形状のものを塗装する場合に好適である。塗装する品物の中央に塗料を滴下し回転させることにより塗料を品物の表面に広げ塗工するスピンコート法が挙げられる。これは円に近い形状のものを均一な膜厚で塗装する場合に好適である。塗料を霧状にして塗装品の表面に塗装するスプレイコート法が挙げられる。これは三次元形状の成形品を塗装するのに適している。塗料の液の中に塗装する品物を浸漬し緩やかに引き上げることにより塗工するディップコート法が挙げられる。これにより、板状、曲面、三次元形状等表裏を一度に塗装することが出来る。塗料を塗装する品物の上に流し塗装するフローコート法が挙げられる。これは板状、曲面等の両面もしくは片面を塗装することが出来る。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートの層構造の具体例としては、MMA・スチレン共重合体樹脂シートをMSシート、メタクリル樹脂層をMA層、ハードコート層をHC層と表記し、MSシート/MA層/HC層、MA層/MSシート/MA層/HC層、HC層/MA層/MSシート/MA層/HC層等が挙げられる。また、本発明の効果を奏する範囲で、これらの層構造に他の層を追加することもできる。
特に、MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にメタクリル樹脂層を有するディスプレー面板用透明多層シートの層構造の具体例としては、MA層/MSシート/MA層/HC層、HC層/MA層/MSシート/MA層/HC層等が挙げられる。
本発明の「MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にあるメタクリル樹脂層の表面の両方にハードコート層を有する」は、HC層/MA層/MSシート/MA層/HC層の層構造を有する。
上記のようにして得られるディスプレー面板用透明多層シートは、そのハードコート層上における鉛筆硬度(JISK5600)は4H〜5H程度と高いものであり、スチールウール#0000(日本スチールウール社製)にて500g/cm2にて10往復させた後であっても傷はほとんど認められず、優れた耐擦傷性を有している。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートは、液晶(TN液晶、STN液晶、TFT液晶など)表示装置、有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)装置など平面ディスプレー装置の表示装置を保護することを主目的として、その表面に取り付けられる。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートの厚さは、必要に応じて適切に選ぶことができるが、ディスプレー面板用透明多層シートの所要厚さはディスプレーのサイズにより決められることが多い。2ないし5インチの小さなサイズのディスプレーでは、面板用透明シートの全体厚さは0.4ないし0.8mmが使用され、20インチないし50インチの大きなサイズのディスプレーでは面板用透明シートの全体厚さは1.2ないし4.0mmが使用されることが多い。
本発明のディスプレー面板用透明多層シートは、各樹脂層間の密着性が良好で、透明性、耐湿変形性、硬度、及び耐傷つき性に優れているため、平面ディスプレー装置の表示装置を保護するための透明多層シートとして好適に用いられる。
以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例により制約をうけるものではない。
[試験方法]
実施例における各試験は、具体的には次のようにして行った。
1.全光線透過率
全光線透過率はJIS K7105に準拠して測定した。
2.鉛筆硬度
鉛筆硬度はJIS K5600に準拠して測定した。
3.スチールウール硬度
スチールウール硬度はスチールウール♯0000を500g/cmの荷重で往復させ、10往復後の傷の程度を観察した。傷が無いときを1とし、無数の傷が発生したときを10として、10段階で傷付き性を示した。
4.耐湿試験そり
ハードコート加工後、シートを200mm×200mmに切断し、片面にポリエチレン系マスキングフィルム(大王加工紙、FM−125、60μm)を気泡や浮きの無いように貼り付けた。このシートを60℃、95%相対湿度の環境に36時間保持した後、片面に貼ったマスキングフィルムを剥離し、室温に保持し、凸になった面が下になるようにして、平滑な5mm厚さの板ガラス板に乗せて、4つの角と板ガラスの面との隙間を測定し、その平均値を求めた。
5.密着性
透明多層シートを曲率半径200mmになるように10回曲げた後、積層した界面における剥離の有無を調べた。
[実施例1]
押出機(主押出機:田辺プラスチック製、押出スクリュー径:40mm、L/D:32、副押出機:プラ技研製、押出スクリュー径:25mm、L/D:24)とフィードブロック3層ダイを用い、主押出機にMMA・スチレン共重合体樹脂(製造元:日本エー・アンド・エル株式会社、品種:プラネロイKM−6A、MMA=60.9mol%、スチレン=39.1mol%、ランダム重合品)を、そして副押出機にメタクリル樹脂(製造元:三菱レイヨン株式会社、品種アクリペットVH、MMA=98mol%以上、ランダム重合品)を投入し、主押出機をシリンダー温度220℃、スクリュウ回転数40rpm、副押出機をシリンダー温度250℃、スクリュウ回転数10rpmとして、MMA・スチレン共重合体樹脂の両面にメタクリル樹脂層を形成した。
以上よりMMA・スチレン共重合体樹脂層約1380μmの両面に60μmのメタクリル樹脂層を有する3層の1.5mm厚さのシートを得た。
このメタクリル樹脂層の両面に、多官能アクリル樹脂からなる紫外線硬化型ハードコート塗料(日本合成化学工業(株)紫光UT-4256)を用いてロールコート法によりハードコート層4μmを形成した。
この透明多層シートハードコート品の鉛筆硬度は4〜5Hで、スチールウール#0000にて10往復した後でも傷は無く、耐擦傷性に優れていた。また、この透明多層シートハードコート品は、環境の湿度変化によるそりがほとんど観察されず良好な板であった。
[実施例2]
押出機(主押出機:田辺プラスチック製、押出スクリュー径:40mm、L/D:32、副押出機:プラ技研製、押出スクリュー径:25mm、L/D:24)とフィードブロック3層ダイを用いて、主押出機にMMA・スチレン共重合体樹脂(製造元:日本エー・アンド・エル株式会社、品種:プラネロイKM−6A、MMA=60.9mol%、スチレン=39.1mol%、ランダム重合品)を、そして副押出機にスチレンを共重合したメタクリル樹脂(製造元:電気化学工業株式会社、品種;TXポリマー、KT−80、MMA=90.3mol%、スチレン=9.7mol%、ランダム重合品)を投入し、主押出機をシリンダー温度220℃、スクリュウ回転数40rpm、副押出機をシリンダー温度250℃、スクリュウ回転数10rpmとして、MMA・スチレン共重合体樹脂の両面にメタクリル樹脂層を形成した。
以上よりMMA・スチレン共重合体樹脂層約1380μmの両面に60μmのメタクリル樹脂層を有する3層の1.5mm厚さのシートを得た。
このメタクリル樹脂層の両面に、多官能アクリル樹脂からなる紫外線硬化型ハードコート塗料(日本合成化学工業(株)紫光UT-4256)を用いてロールコート法によりハードコート層4μmを形成した。
この透明多層シートハードコート品の鉛筆硬度は4〜5Hで、スチールウール#0000にて10往復した後でも傷はほとんど無く、耐擦傷性に優れていた。また、この透明多層シートハードコート品は、環境の湿度変化によるそりがほとんど観察されず良好な板であった。
[比較例1]
押出機(主押出機:田辺プラスチック製、押出スクリュー径:40mm、L/D:32)と単層ダイを使用して、MMA・スチレン共重合体樹脂(製造元:日本エー・アンド・エル株式会社、品種:プラネロイKM−6A)の1.5mmのシートを得た。このMMA・スチレン共重合体樹脂層の両面に、多官能アクリル樹脂からなる紫外線硬化型ハードコート塗料(日本合成化学工業(株)紫光UT-4256)を用いてロールコート法によりハードコート層4μmを形成した。
この透明シートハードコート品の鉛筆硬度は2〜3Hで、スチールウール#0000にて10往復した後、傷が発生し、実用上好ましくないレベルであった。一方、この透明シートハードコート品は、環境の湿度変化による反りがほとんど観察されずこの反りの点では良好な板であった。
[比較例2]
押出機(主押出機:田辺プラスチック製、押出スクリュー径:40mm、L/D:32)と単層ダイを使用して、メタクリル樹脂(製造元:三菱レイヨン株式会社、品種アクリペットVH)の1.5mmのシートを得た。
このアクリル系樹脂層の両面に、多官能アクリル樹脂からなる紫外線硬化型ハードコート塗料(日本合成化学工業(株)紫光UT-4256)を用いてロールコート法によりハードコート層4μmを形成した。
この透明シートハードコート品の鉛筆硬度は4〜5Hで、スチールウール#0000にて10往復した後でも傷はほとんど無く、耐擦傷性に優れていた。しかし、この透明シートハードコート品は、環境の湿度変化による反り激しく発生し、実用上問題なレベルであった。
[比較例3]
押出機(主押出機:田辺プラスチック製、押出スクリュー径:40mm、L/D:32、副押出機:プラ技研製、押出スクリュー径:25mm、L/D:24)とフィードブロック3層ダイを用い、主押出機にMMA・スチレン共重合体樹脂(製造元:日本エー・アンド・エル株式会社、品種:プラネロイKM−6A、MMA=60.9mol%、スチレン=39.1mol%、ランダム重合品))を、そして副押出機にMS樹脂(製造元:電気化学工業株式会社、品種;TXポリマー、KT−75、MMA=80.6mol%、スチレン=19.4mol%、ランダム重合品)を投入し、主押出機をシリンダー温度220℃、スクリュウ回転数40rpm、副押出機をシリンダー温度250℃、スクリュウ回転数10rpmとして、MMA含有率60.9mol%のMMA・スチレン共重合体樹脂の両面にMMA含有率80.6mol%のMMA・スチレン共重合体樹脂層を形成した。以上よりMMA含有率60.9mol%のMMA・スチレン共重合体樹脂層約1380μmの両面に60μmのMMA含有率80.6mol%のMMA・スチレン共重合体樹脂層を有する3層の1.5mm厚さのシートを得た。この両面に、多官能アクリル樹脂からなる紫外線硬化型ハードコート塗料(日本合成化学工業(株)紫光UT-4256)を用いてロールコート法によりハードコート層4μmを形成した。
この透明シートハードコート品の鉛筆硬度は3Hで、スチールウール#0000にて10往復した後、傷が発生し、実用上好ましくないレベルであった。一方、この透明シートハードコート品は、環境の湿度変化による反りがほとんど観察されずこの反りの点では良好な板であった。
実施例1、2および比較例1-3の結果を表1に示す。
Figure 2010066744

Claims (7)

  1. MMA・スチレン共重合体樹脂シートの少なくとも片面に、メタクリル樹脂層を有し、メタクリル樹脂層のメタクリル樹脂のメタクリル酸メチル(MMA)含有率が85モル%以上であり、更に、メタクリル樹脂層の表面の少なくとも一方にハードコート層を有するディスプレー面板用透明多層シート。
  2. MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にメタクリル樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
  3. MMA・スチレン共重合体樹脂シートの両面にあるメタクリル樹脂層の表面の両方にハードコート層を有する請求項2に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
  4. メタクリル樹脂層の厚さが30μm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
  5. メタクリル樹脂層の厚さが多層シート全体の厚さの20%以内である請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
  6. ハードコート層の厚さが3乃至12μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
  7. ハードコート層が紫外線により硬化されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスプレー面板用透明多層シート。
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