JP2010062262A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】IGBTの特性を向上できる技術、特に、定常損失、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減できるIGBTを容易かつ安定した製造工程で製造できる技術を提供する。
【解決手段】ベース層2、開口部5を備えた埋め込み絶縁膜3、開口部5下でベース層2と接続する表面半導体層4、表面半導体層4に形成されたp型チャネル形成層7、n型ソース層8、p型エミッタ層、表面半導体層4上にゲート絶縁膜10を介して形成されたゲート電極11、n型バッファ層18およびp型コレクタ層19等を有するIGBTにおいて、表面半導体層4の厚さを20nm〜100nm程度とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、プレーナゲート型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)およびその製造技術に適用して有効な技術に関するものである。
IGBTは、制御性に優れたMOS構造の制御ゲート端子を備え、バイポーラ動作に基づく伝導度変調による低オン電圧を示すことから、中容量のインバータを中心に、産業用から民生用まで幅広く適用され、パワーエレクトロニクス用スイッチングデバイスの主役となっている。
図61は、トレンチゲート型IGBTの一例を示す要部断面図であり、図62は、図61中のA−A線に沿った位置における基板の深さとオン状態でのキャリア密度との関係を示す説明図である。
図61に示すようなトレンチゲート型IGBTでは、オン状態において裏面側のp型半導体基板101(下面のコレクタ金属電極102を含む)からn型バッファ層118を経由してn型ベース層102へのホール(正孔)の注入が盛んとなる。また、主面側では、前記ホールがp型チャネル層107とp型エミッタ層109とを通過して、エミッタ金属電極116へ抜ける構造となっている。また、エミッタ金属電極116は、n型ソース領域108を貫いて、その下部のp型エミッタ層109に達する構造となっている。その結果として、オン状態においては、キャリア(ホール)密度分布がエミッタ側に比べてコレクタ側(裏面側)に偏重することとなる(図62参照)。
上記トレンチゲート型IGBTでは、オン状態からターンオフする際に、エミッタ側に比べてコレクタ側に高密度で存在していたホールが、厚いn型ベース層102を通過し、さらにp型チャネル層107とp型エミッタ層109とを介してエミッタ電極116に流入する。ここで、ホールは移動速度が遅いことから、ターンオフに要する時間が延びてしまい、トレンチゲート型IGBTのスイッチング動作が低速となり、かつターンオフ損失(熱損失)が多くなってしまう課題を抱えている。
このような課題の対策として、特開2006−100779号公報(特許文献1)は、プレーナゲート型IGBTでの例を開示している。図63は、そのプレーナゲート型IGBTの一例を示す要部断面図であり、図64は、図63中のA−A線に沿った位置における基板の深さとオン状態でのキャリア密度との関係を示す説明図である。
図63に示すようなプレーナゲート型IGBTでは、n型ベース層102の主面上に、埋め込み絶縁膜103を介して、n型の表面半導体層104が形成されている。また、上記トレンチゲート型IGBTにおけるp型半導体基板101より不純物濃度の低いp型コレクタ層119(下面のコレクタ金属電極120を含む)を用いていることから、オン状態において、p型コレクタ層119からn型ベース層102へのホール(正孔)の注入効率は下がる。一方、主面側においては、埋め込み絶縁膜103によってホールがブロックされ、埋め込み絶縁膜103に形成された開口部105からのみホールが流入するため、ホール電流が制限され、ホールがエミッタ側に蓄積しやすい構造となっている。そのため、オン状態においては、キャリア(ホール)密度分布がベース側(裏面側)に比べてエミッタ側(主面側)に偏重することとなる(図64参照)。
上記プレーナゲート型IGBTにおいては、オン状態では埋め込み絶縁膜103の直下にホールが蓄積するので、n型ソース領域108からチャネル反転層(p型チャネル層107)を介してnベース層102への電子の注入が活発になり、導電率が向上する、いわゆるIE(Injection Enhancement)効果が現れるようになる。このようなオン状態からターンオフする際、ホールの大部分はエミッタ付近に存在していることから、素早くエミッタ金属電極116へ流入する。その結果、図63に示したプレーナゲート型IGBTでは、スイッチング動作が高速化し、ターンオフ損失も低減できるようになる。
また、「Akio Nakagawa,“Theoretical Investigation of Silicon Limit Characteristics of IGBT”,Proceedings of the 18th International Symposium on Power Semiconductor Devices & IC’s June 4−8, 2006 Naples, Italy」(非特許文献1)は、トレンチゲート型IGBTにおいて、隣接するゲート電極の間隔を狭くし、幅狭になったp型チャネル層を完全反転させることでホール電流を0へ近付け、前述のIE効果を顕著にする技術を開示している。
特開2006−100779号公報 Akio Nakagawa,"Theoretical Investigation of Silicon Limit Characteristics of IGBT",Proceedings of the 18th International Symposium on Power Semiconductor Devices & IC’s June 4−8, 2006 Naples, Italy
ところで、図65および図66は、それぞれIGBTにおけるオン電圧Vce(sat)とターンオフ損失(熱損失)Eoffとの関係、およびターンオフ時間tfとオン電圧Vce(sat)との関係を示す説明図である。また図66中のICおよびVGSは、それぞれコレクタ電流およびゲート−ソース間電圧を示す。
図65および図66に示すように、IGBTにおけるオン電圧Vce(sat)とターンオフ損失(熱損失)Eoffとの関係、およびターンオフ時間tfとオン電圧Vce(sat)との関係は、トレードオフの関係にあり、これら2つの関係は、ほぼ連動して変動する。すなわち、IGBTの定常損失低減を図ってオン電圧Vce(sat)が小さくなるように設計した場合には、ターンオフ時間およびターンオフ損失(スイッチング損失)が増大してしまい、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減できるよう設計した場合には、定常損失が増大してしまうというものである。
本発明者らは、上記IGBTにおける定常損失、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減するという観点から上記特許文献1および非特許文献1に開示された技術について検討した。
特許文献1に開示された技術は、前述のIE効果が現れることによって、スイッチング動作が高速化し、ターンオフ損失も低減できるようになる。しかしながら、p型チャネル層107(図63参照)の厚さの規定について何ら開示も示唆もなされていない。すなわち、IGBTのオン状態時において、p型チャネル層107を完全反転させることについて、何ら考慮されていない。p型チャネル層107が完全反転しない場合には、埋め込み絶縁膜103によってホール電流の経路が制限され、ホールが蓄積しやすい構造となってはいても、ホール電流は所定値以下にはすることができない。そのため、十分なIE効果が得られず、スイッチング動作の高速化およびターンオフ損失の低減は、ある程度までは実現できても、それ以上は実現が困難となってしまう。
また、非特許文献1に開示された技術は、前述したように、隣接するゲート電極の間隔を狭くし、幅狭になったp型チャネル層を完全反転させることでホール電流を0へ近付け、IE効果を顕著にするものである。しかしながら、十分なIE効果を得るためには、隣接するゲート電極の間隔を加工が困難もしくは不可能なほどにまで狭めることになってしまう。
本発明の目的は、IGBTの特性を向上できる技術、特に、定常損失、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による半導体装置は、IGBTを含み、
(a)p型を有する前記IGBTのコレクタ層と、
(b)前記コレクタ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのバッファ層と、
(c)前記バッファ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのベース層と、
(d)前記ベース層上に選択的に形成された複数の埋め込み絶縁膜と、
(e)前記ベース層上にて、前記複数の埋め込み絶縁膜間に形成された、n型を有する表面半導体層と、
(f)前記表面半導体層内に形成された、p型を有する前記IGBTのチャネル形成層と、
(g)前記表面半導体層内にて、前記チャネル形成層と接するように形成され、前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層と、
(h)前記表面半導体層内に形成された、n型を有する前記IGBTのソース層と、
(i)前記表面半導体層の表面の一部および前記チャネル形成層の一部に選択的に形成された、前記IGBTのゲート絶縁膜と、
(j)前記ゲート絶縁膜上に形成された、前記IGBTのゲート電極と、
(k)前記コレクタ層の裏面に形成され、前記コレクタ層と電気的に接続された、前記IGBTのコレクタ電極と、
(l)前記エミッタ層上および前記ソース層上に形成され、前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続された、前記IGBTのエミッタ電極と、
を有し、
前記チャネル形成層の厚さは、20nm〜100nmである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、IGBTを含む半導体装置の製造方法であって、
(a)前記IGBTのベース層となるn型を有する基板の主面上に、膜厚の厚い厚膜部と前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを含む埋め込み絶縁膜を形成する工程、
(b)前記埋め込み絶縁膜の前記薄膜部に前記基板に達する離間部を形成する工程、
(c)前記埋め込み絶縁膜の前記薄膜部上に前記離間部を埋め込む厚さ20nm〜100nmのn型を有する表面半導体層を形成する工程、
(d)前記表面半導体層の表面の一部に選択的に前記IGBTのゲート絶縁膜を形成する工程、
(e)前記ゲート絶縁膜上に前記IGBTのゲート電極を形成する工程、
(f)前記表面半導体層内にp型を有する前記IGBTのチャネル形成層を形成する工程、
(g)前記表面半導体層内にて、前記チャネル形成層と接するように前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層を形成する工程、
(h)前記表面半導体層内にn型を有する前記IGBTのソース層を形成する工程、
(i)前記基板を裏面から薄くし、前記IGBTの前記ベース層を形成する工程、
(j)前記基板の裏面にn型を有する前記IGBTのバッファ層を形成する工程、
(k)前記基板の裏面にp型を有する前記IGBTのコレクタ層を形成する工程、
(l)前記コレクタ層の裏面に前記コレクタ層と電気的に接続する前記IGBTのコレクタ電極を形成する工程、
(m)前記エミッタ層上および前記ソース層上に前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続する前記IGBTのエミッタ電極を形成する工程、
を含む。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
定常損失、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減できるIGBTを容易かつ安定した製造工程で製造できる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
また、本実施の形態における用語の定義として、「ターンオン」とは、スイッチング素子(本実施の形態ではIGBT)を導通状態に変化させるための動作を言い、「オン」とは、スイッチング素子が実際に導通状態であることを言う。また、「ターンオフ」とは、スイッチング素子を非導通状態に変化させるための動作を言い、「オフ」とは、スイッチング素子が実際に非導通状態であることを言う。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1のIGBTの断面図を示している。本実施の形態1のIGBTは、たとえばn型の単結晶シリコンからなるベース層2の主面上に、埋め込み絶縁膜(薄膜部)3を介して、n型の単結晶シリコンからなる複数の表面半導体層4が形成され、ベース層2と表面半導体層4とは、埋め込み絶縁膜3に形成された開口部(離間部)5で接続した構造となっている。また、複数の厚いフィールド絶縁膜(埋め込み絶縁膜の厚膜部)6によってベース層2の主面上では複数の活性領域が規定され、それら複数の活性領域の各々に前記表面半導体層4が形成されている。埋め込み絶縁膜3上の表面半導体層4には、p型チャネル形成層7、n型ソース層8およびp型エミッタ層9が形成されている。ベース層2の裏面には、ベース層2に近い順からn型バッファ層18、p型コレクタ層19およびコレクタ電極20が形成されている。さらに詳細については後述する。
本発明者らは、IGBTにおける定常損失、ターンオフ時間およびターンオフ損失を低減するという課題を解決するために、IGBTのオン電圧Vce(sat)と表面半導体層4の厚さt(図63におけるp型チャネル層107の厚さに対応)との関係に着目した。
本発明者らは、上記表面半導体層4の厚さtを変化させながら、IGBTの出力特性をシミュレーションにより計算した。Vge=15Vにおける出力特性(横軸:Vce、縦軸:Ic)を示したのが、図2である。表面半導体層4の厚さtが薄くなるほど、出力電流が立ち上がるVceが小さくなっていることがわかる。つまり、低いオン電圧Vceで、大きい電流を流すことができる。
図2の比較において、条件を変化させたのは、表面半導体層4の厚さtのみであって、ライフタイムや裏面コレクタ層の厚みおよび不純物濃度など、IGBTの特性に影響するその他一切の条件は同一としてシミュレーション計算を行い、比較している。
次に、図2において、出力電流密度Ic=180A/cmのポイントでVce(sat)を求めたのが図3である。ここでVce(sat)とは、ゲート電圧Vgeの値によらず出力電流密度Icがほぼ一定となる時のコレクタとエミッタ間の電圧を言う。
図3は、本発明者らがシミュレーションにより求めた上記表面半導体層4の厚さtとオン電圧Vce(sat)との関係を示した説明図であり、図4は、オン電圧Vce(sat)とターンオフ損失Eoffとのトレードオフ関係を示した説明図であり、図4では、種々の表面半導体層4の厚さの場合のトレードオフ曲線を示している。また、図3におけるプロットは、表面半導体層4の膜厚が、順に20nm、40nm、100nm、200nm、300nm、500nm、1μmおよび2μmの時のものである。
ところで、図3から、表面半導体層4の膜厚tを薄くすると、Vce(sat)を大幅に低減できることが判明した。このことは、IGBTを利用したインバータなどの運転中に、定常損失を大幅に低減できることを意味する。しかしながら、もし、その代償としてターンオフ損失が増大したならば意味がない。そこで、ターンオフ損失の増減を確認するのが、図4である。
図4は、表面半導体層4の厚さを種々変化させた場合のオン電圧Vce(sat)とターンオフ損失Eoffとのトレードオフ関係を示している。図4において、各トレードオフ曲線は、裏面コレクタ層の不純物濃度を変化させることにより、求めた。図4からは、IGBTの表面半導体層4の厚さtをある一定の値に固定して見たとき、裏面コレクタ層のp型不純物濃度を低く作ると、オン電圧Vce(sat)が大きくなると同時にターンオフ損失Eoffが小さくなり、逆に裏面コレクタ層のp型不純物濃度を高く作ると、オン電圧Vce(sat)が小さくなると同時にターンオフ損失Eoffが大きくなるという関係において、1本のトレードオフ曲線を形成していることがわかる。
図4において、表面半導体層4の膜厚が薄くなるにしたがって、トレードオフ曲線が左方向(または左下方向)に移動していることがわかる。すなわち、同じVce(sat)で比較すれば、表面半導体層4の膜厚が薄いほど、Eoffを小さく設計できる。また、同じEoffで比較すれば、表面半導体層4の膜厚が薄いほど、Vce(sat)を低く設計できる。
つまり、表面半導体層4の膜厚を薄くする結果としてもたらされる効果は、図3に示したようにVce(sat)を低減する効果だけにとどまらず、ターンオフ損失も含めた熱損失を低減できる方向にトレードオフ曲線が動き、熱損失が小さく、また放熱設計の容易なIGBTを提供できることが、図4から読み取れる。
ところで、現状のIGBTは、600V耐圧品の場合にはオン電圧Vce(sat)は1.2V〜2.0V程度、1200V耐圧品の場合では1.6V〜2.5V程度である。これらの値は、IEGTをはじめとする近年開発された表面構造と、薄いコレクタ層の適用など近年開発された裏面構造を駆使してようやく達成できる数字である。これら、表面におけるIEGT構造と裏面における薄ウエハ技術の組み合わせ以上に、ターンオフ損失Eoffを増やすことなく、上記のオン電圧Vce(sat)を大幅に低減できる現実的な手段は見つかっていない。
これに対し本発明においては、表面半導体層4の厚みを100nm以下、より望ましくは40〜20nmの範囲とすることで、たとえば600V耐圧のIGBTの場合にオン電圧Vce(sat)を0.9V〜1.1V程度、1200V耐圧のIGBTにおいても1.0V〜1.2V程度とすることが可能になる。
表面半導体層4の厚みが100nm以下となった時、半導体内で起こっている現象を、表面半導体層4の厚みがより厚い場合と比較して、以下に説明する。
図5〜図7はIGBTのオン状態において、図1中に示すD−D線に沿った切断線上でのエネルギーバンド図を示している。
図5〜7は、表面半導体層4の厚さが100nmを超える場合、40nm程度の場合、20nm程度の場合をそれぞれ示している。
表面半導体層4の厚さtが100nmを超える場合(図8参照)には、図5に示すように、ゲート電極11下のp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転せず、ゲート絶縁膜10との界面から20nm程度までしかn型反転層7Aとならない。そのため、導電型が反転しなかったp型チャネル形成層7は、IGBTのオン時にホールが通過できる(p型伝導を示す)状態となっているため、図14に示すように、開口部5を通じてベース層2からp型チャネル形成層7へホールが流入し、そのホールはさらにp型エミッタ層9を通過してエミッタ電極16へと流れていく。その結果、埋め込み絶縁膜3下のベース層2には、ホールが蓄積し難くなる。
一方、図6および図7に示すように、表面半導体層4の厚さが薄く、IGBTのオン時にゲート電極11下のp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転してn型反転層7Aとなる場合には、IGBTのオン時にそのn型反転層7Aの存在によって、ベース層2からのホールがp型エミッタ層9およびエミッタ電極16へと通過できなくなる。そのため、埋め込み絶縁膜3下のベース層2にホールが蓄積する状況となる。なお、表面半導体層4の厚さが40nm程度の場合には、実際にはIGBTのオン時にゲート電極11下のp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転せず、わずかに導電型が反転しなかったp型チャネル形成層7が残るが、埋め込み絶縁膜3がエネルギーバンドを引き下げる効果などにより、ここにはn型反転層7Aに比べればn型反転の緩いn型反転層が形成され、埋め込み絶縁膜3の開口部5を通じてベース層2から流入してくるホールを表面半導体層4の厚さ100nm程度の場合よりさらに制限することができる。このような状況を示したのが図9に示す要部断面図である。図9に示すように、本実施の形態1のIGBTは、表面半導体層4の厚さt2が図8に示したIGBTの表面半導体層4の厚さt1より薄くなっている。そのため、本実施の形態1のIGBTは、オン状態となると、埋め込み絶縁膜3とゲート絶縁膜10との間のp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転してn型反転層7Aとなる。このような状況下では、図9中に矢印で示すホール電流は、ベース層2の裏面のコレクタ側から表面半導体層4へ流入することができなくなる。すなわち、ターンオンの瞬間に、ベース層2のうち埋め込み絶縁膜3の直下付近に流入したホールが蓄積した後は、半導体内においてホールの移動がほぼなくなるのである。ただし、ベース層2においてライフタイムは有限な時間であるから、蓄積したホールの一部は再結合によって失われ、その分を補充するホール電流がコレクタ層19からベース層2に注入されるので、わずかなホール電流が流れる。しかし、薄いコレクタ層をもつIGBTにおいては、現在ではライフタイム制御を行わないことが主流になっており、過去のライフタイム制御されていたIGBTに比べれば、単位時間当たりのホールの再結合率は低い。従って、再結合によって失われたホールを補充するホール電流も、主電流と比較すると数%以下の小さなものとなる。
図10、図11および図12は、IGBTのオン状態において、ベース層2の内部におけるキャリア密度を、表面からの深さd(図13参照)を横軸にとって表したグラフであり、それぞれ表面半導体層4の厚さtが500nm、300nm、40nmの場合を表している。それぞれのグラフ中においてはコレクターエミッタ間電圧Vceを1.5V、2.0V、2.5V、3.0Vと変化させた時の深さdとキャリア密度の関係が示してある。ここで、表面半導体層4の厚さtが500nmおよび300nmの場合と40nmの場合とは、それぞれ図8と図9との構造に相当するものと考えられる。
実際の動作点におけるオン電圧Vce(sat)は0.9〜1.1V付近であるが、キャリア分布の特徴が現れやすいので、やや高めのVce(sat)までプロットしてある。
図10および図11に示すように、表面半導体層4の厚さtが厚いIGBTでは、前述したように、オン状態ではコレクタ側から流入したホールが、埋め込み絶縁膜3下に蓄積せずにエミッタ電極16へ流れ込んでしまう。その結果、キャリア密度はエミッタに近い表面側(dが浅い側)では低く、コレクタに近い裏面側(dが深い側)で高くなる傾向がある。表面半導体層4の厚さtが300nmの場合には、図14に示すホール電流の経路がやや狭くなる結果、tが500nmの場合に比べればホールの蓄積効果がわずかに発生し、埋め込み絶縁膜3直下のキャリア密度がやや高くなる。しかし、この程度の蓄積効果では、Vce(sat)を大幅に下げるために十分とは言えない。
一方、表面半導体層4の厚さtが40nmのIGBTでは、キャリア密度はエミッタに近い表面側で高く、コレクタに近い裏面側で低くなる。厚さtが薄い場合にエミッタ側偏重のキャリア分布になる原因は、ホール電流が反転層7Aによってブロックされ、ホールが表面の埋め込み絶縁膜3直下に蓄積し、この蓄積したホールが、電子をソース領域8からチャネル反転層7Aを介して引き出す効果をもつためである。すなわち、表面半導体層4が薄い本実施の形態1のIGBT(図1および図9参照)によれば、表面半導体層4が厚い比較対象のIGBT(図8および図14参照)に比べて、はるかに大きなIE効果(Injection Enhancement)を得ることができる。その結果、本実施の形態1のIGBTによれば、図8のような構造のIGBTに比べて、オン電圧Vce(sat)を低減しつつ、スイッチング動作を高速化し、ターンオフ損失も低減できるようになる。
ところで、オン時にp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転してn型反転層7Aとなるという点のみを考慮した場合には、表面半導体層4の厚さが約20nmよりさらに薄くすることも考えられる。しかしながら、このような場合には、n型反転層7Aでの電子電流まで絞られてしまい、この領域が高い直列抵抗成分をもつため、オン電圧Vce(sat)が大きくなってしまうことになる。オン電圧が大きくなってしまった場合には、IGBTの定常損失が増大する。そのため、本実施の形態1のように、表面半導体層4の厚さは、20nm程度以上とすることが好ましい。
また、表面半導体層4の厚さが約100nmである場合には、図15に示すように、n型反転層7Aが形成されるのは、ゲート絶縁膜10との界面から厚さ20nm程度の領域に止まる。しかしながら、ゲート絶縁膜10の対面には、埋め込み絶縁膜3が存在し、これがバンドエネルギーをわずかに引き下げる効果をもつことから、表面半導体層4のうちn型反転層7Aとなっていない残りの厚さ80nm程度の領域でも、n型反転層7Aのバンド構造が影響して電子が広がって流れることから、n型反転層7Aに比べればn型反転の緩いn型反転層7Bが形成される。それにより、ホールがベース層2の裏面のコレクタ側から表面半導体層4へ流入し難くすることができるようになる。すなわち、本実施の形態1のように、表面半導体層4の厚さは、100nm程度以下とすることが好ましい。さらに、p型チャネル形成層7の導電型が完全に反転してn型反転層7Aとなるという観点から、表面半導体層4の厚さは40nm程度以下とするのが望ましい。
本発明者らは、シミュレーションにより、エミッタ電流IEを構成するホール電流Ihと電子電流Ieとの内訳を求めた。ここで、IE=Ih+Ieという関係が成り立つ。
図16は、本実施の形態1に該当する表面半導体層4の厚さtが40nmのIGBTの全エミッタ電流IEと、これを構成するホール電流Ihおよび電子電流Ieの内訳を、コレクタ−エミッタ間バイアス電圧Vceを横軸にとって表したものである。図17、図18はそれぞれ、表面半導体層4の厚さtが300nm、1μmのIGBTの、全エミッタ電流IEと、これを構成するホール電流Ihおよび電子電流Ieの内訳を、コレクタ−エミッタ間バイアス電圧Vceを横軸にとって表したものである。
前述のように、表面半導体層4が厚いIGBTでは、開口部5を通じて表面半導体層4に流入したホール電流がエミッタパッド(エミッタ電極)16へ流れ込むため、全エミッタ電流IEの内、ホール電流Ihが占める割合が高くなる。
一方、本実施の形態1のIGBTでは、オン状態になると、埋め込み絶縁膜3とゲート絶縁膜10との間のp型チャネル形成層7の導電型が完全に反転してn型反転層7Aとなり、ホール電流が通過できず、エミッタパッド(エミッタ電極)16に到達できない。その結果、エミッタ電流IEのほとんどの成分を電子電流Ieが占め、ホール電流Ihは0または極めて微小となる。
その結果、図16ではホール電流Ihがほとんど流れないのに対して、図17および図18ではホール電流成分Ihが全エミッタ電流IEに占める割合が非常に大きくなる。ここで、エミッタ電流IEが180A/cmとなる動作点で両者を比較してみる。比較例である表面半導体層4の厚みが300nmのIGBTは、ホール電流成分および電子電流成分がそれぞれ約41Aおよび約139Aであり、ホール電流成分および電子電流成分の電流構成比は、それぞれ約23%および約77%となっている。また、表面半導体層4の厚みが1μmのIGBTは、ホール電流成分および電子電流成分がそれぞれ約48Aおよび約132Aであり、ホール電流成分および電子電流成分の電流構成比は、それぞれ約27%および約73%となっている。表面半導体層4が厚くなるにつれて、ホール電流の構成比が上がることがわかる。ホール電流の構成比が増えるということは、表面半導体層4が厚くなるほどIE(Injection Enhancement)効果が失われ、IGBTの性能は低下する(Vce(sat)大、ターンオフ損失Eoff大)ことを示している。なお、表面半導体層4が1μmと厚くなっても、ホール電流Ihが電子電流Ieを上回るほど劇的に増加しないのは、裏面コレクタ層19が薄く(約5μm以下)、p型不純物濃度が低く作られているためである。そのため、裏面におけるコレクタ層からベース層へのホールの注入効率がもともと低い。現状のIGBTは裏面の工夫によって、ホール電流の構成比をかなり下げることに成功していると言える。しかし、裏面の工夫によるホール電流抑制は限界に来ており、本発明で示すように、表面半導体層4の厚みを薄くすることによって、表面においてもホール電流構成比をさらに下げる構造を導入することが必要になる。
一方、図16に示すように、表面半導体層4の厚みが40nmである本実施の形態1のIGBTでは、ホール電流Ihの、全エミッタ電流IEに対する電流構成比が約5%まで下がっている。すなわち、本実施の形態1のIGBTによれば、オン状態でコレクタ側から流入したホールを埋め込み絶縁膜3下に蓄積し、エミッタ電極16への流れ込みを防止できることが図16〜図18に示したシミュレーション結果からも確認できる。
次に、本発明のIGBTを含む半導体装置について詳細を説明する。
図19は、本実施の形態1のIGBTを形成する半導体チップ(以下、単にチップと記す)1の要部平面図であり、上述した図1は図19中のA−A線に沿った断面を示したものである。
本実施の形態1のIGBTは、上述したように、たとえばn型の単結晶シリコンからなるベース層2の主面上に、埋め込み絶縁膜(薄膜部)3を介して、n型の単結晶シリコンからなる複数の表面半導体層4が形成され、ベース層2と表面半導体層4とは、埋め込み絶縁膜3に形成された開口部(離間部)5で接続した構造となっている。また、複数の厚いフィールド絶縁膜(埋め込み絶縁膜の厚膜部)6によってベース層2の主面上では複数の活性領域が規定され、それら複数の活性領域の各々に前記表面半導体層4が形成されている。ベース層2の厚さは、たとえば60μm〜150μm程度であるが、これはIGBTの耐圧に合わせて決定されるものであり、耐圧600Vであれば60μm〜100μm程度とし、耐圧1200Vであれば120μm〜150μm程度とすることを例示できる。また、上述したように本実施の形態1における表面半導体層4の厚さは、20nm〜100nm程度とすることを特徴としている。
埋め込み絶縁膜3上の表面半導体層4には、p型チャネル形成層7、n型ソース層8およびp型エミッタ層9が形成されている。p型エミッタ層9中の不純物濃度は、p型チャネル形成層7中の不純物濃度より高くなっている。また、フィールド絶縁膜6上のp型チャネル形成層7は、熱によって発生する応力を緩和する機能を有する。
各々の表面半導体層4上には、ゲート絶縁膜10を介して多結晶シリコンからなるゲート電極11がパターニングされており、平面ではすべてのゲート電極11が連結したパターンとなっている。また、ゲート電極11の一部は、平面で複数の表面半導体層4を取り囲むパターンとなっている。
チップ1の外周側には、平面で上記複数の表面半導体層4およびゲート電極11を囲むように複数のp型フィールドリミッティングリング(Field Limiting Ring)12が形成され、さらにそれら複数のp型フィールドリミッティングリング12を囲むようにn型ガードリング13が形成されている。p型フィールドリミッティングリング12は、電圧が固定されないフローティング状態にされている。図19では、2本のp型フィールドリミッティングリング12が形成されている例を図示しているが、さらに多数形成されていてもよい。上記のような複数本のp型フィールドリミッティングリング12を形成することにより、IGBTがオフ時において、最大電界部分が順次外側のp型フィールドリミッティングリング12のコーナー部へ移り、最外周のp型フィールドリミッティングリング12で降伏するようになり、本実施の形態1のIGBTを高耐圧とすることが可能となる。
複数のp型フィールドリミッティングリング12を取り囲むように形成されたn型ガードリング領域13は、半導体ウエハからチップ1が個片化された後でチップ1中のIGBT素子を保護する機能を有する。
表面半導体層4およびフィールド絶縁膜6上には、ゲート電極6を覆うようにPSG(Phospho Silicate Glass)膜等からなる絶縁膜14が形成されている。この絶縁膜14には、n型ソース層8およびp型エミッタ層9に達する開口部15と、ゲート電極11に達する開口部(図示は省略)とが形成されている。
型ソース層およびp型エミッタ層に達する開口部15と、ゲート電極に達する開口部とが形成された状況下で、絶縁膜14上には、開口部15の底部でn型ソース層8およびp型エミッタ層9と接続するエミッタパッド(エミッタ電極)16と、ゲート電極11に達する開口部の底部でゲート電極11と接続するゲートパッド17とが、互いに離間して形成されている。これらエミッタパッド16およびゲートパッド17は、たとえばAl(アルミニウム)等から形成されている。また、ゲート電極11のうち、前述の複数の表面半導体層4を取り囲むパターンの上部には、ゲートパッド17と連続してAl等からゲートフィンガー17Aが形成されている。ゲートフィンガー17Aは、その下部の絶縁膜14に形成された開口部下でゲート電極11と接続している。
図示は省略するが、エミッタパッド16およびゲートパッド17を覆うようにポリイミド膜が形成されており、そのポリイミド膜には、エミッタパッド16の一部およびゲートパッド17の一部の表面をそれぞれ露出する開口部が形成されている。これら開口部は、チップ1を外部と電気的に接続するためのボンディングワイヤを接続するためのボンディングパッドとなる。
ベース層2の裏面には、ベース層2に近い順からn型バッファ層18、p型コレクタ層19およびコレクタ電極20が形成されている。p型コレクタ層19は、導入されているp型を示す不純物の濃度が低いことに起因して比抵抗が高くなっている。そのため、p型コレクタ層19が有する直列抵抗成分を下げるために薄く形成することが求められ、その厚さは、5μm程度以下とすることが好ましい。さらに、p型コレクタ層19に導入されているp型を示す不純物であるB(ホウ素)の拡散係数が小さいことを考慮した場合には、p型コレクタ層19の厚さは、1μm程度以下とすることが好ましい。コレクタ電極20は、p型コレクタ層19に近い順からAl膜、Ti(チタン)膜、Ni(ニッケル)膜およびAu(金)膜を積層した金属膜、p型コレクタ層19に近い順からNi膜、Ti膜、Ni膜およびAu膜を積層した金属膜、もしくはp型コレクタ層19に近い順からTi膜、Ni膜およびAu膜を積層した金属膜から形成されている。
(実施の形態2)
次に、前記実施の形態1のIGBTの製造工程について、図20〜図41を用いて説明する。これら図20〜図41のうち、図20、図22、図27、図30、図33、図36および図39は、図19中のC−C線に沿った位置での工程中の断面を示し、図21、図23、図24、図25、図26、図28および図29は、図19中のA−A線に沿った位置およびB−B線に沿った位置での工程中の断面を示し、図31、図34、図37および図40は、図19中のA−A線に沿った位置での工程中の断面を示し、図32、図35、図38および図41は、図19中のB−B線に沿った位置での工程中の断面を示している。
まず、図20および図21に示すように、n型の単結晶シリコンからなる高抵抗の半導体基板(以下、単に基板と記す)2Aを用意する。基板2Aを形成する結晶の種類としては、フローティングゾーン法で製造されたFZ(Float Zoning)結晶、またはチョクラルスキー法(引き上げ法)で製造されたCZ(Czochralski)結晶が望ましい。基板2Aとして、FZ結晶もしくはCZ結晶のどちらを採用するかの判断基準について、安定した高抵抗の基板2Aを低コストで入手するという点では、FZ結晶を採用した方が好ましい。ただし、本実施の形態2では、後の工程でエピタキシャル法によって基板2A上に成膜を行う。一般にFZ結晶は、酸素原子の含有量が少なく、機械的にも柔らかく、熱応力によってスリップ転移が入りやすい。そのため、FZ結晶からなる基板2Aは、エピタキシャル炉に導入には不向きとも言える。一方、基板2AをCZ結晶から形成した場合には、酸素原子を不純物として結晶格子中に取り込んでいることから、機械的強度が向上している。そのため、CZ結晶からなる基板2Aは、エピタキシャル炉に導入するなら、CZ結晶からなる基板2Aの方が好ましいとも言える。
そこで、本実施の形態2では、基板2AとしてFZ結晶もしくはCZ結晶のどちらを採用するかの判断基準について、次のことを例示する。
すなわち、高抵抗の数値が安定しており、結晶品質も良質で安定しており、品質の高さの割に低コストなのがFZ結晶である。FZ結晶は、LOCOS(local oxidation of silicon)法等によって結晶表面に酸化膜を形成することで、その酸化膜による補強で基板の機械的強度が向上させることができる。また、LOCOS法による酸化膜形成時には、基板中に微量の酸素が浸入し、その微量な酸素の浸入によっても基板の機械的強度が向上させることができる。これらの要因による基板の機械的強度の向上によって、基板の機械的強度がエピタキシャル工程に耐えうるほどに強くなっていることが期待できるのであれば、品質を重視して基板2AとしてFZ結晶を選択することを例示できる。
一方、FZ結晶に比べると、高抵抗の数値がやや不安定で、結晶品質も及ばない反面、FZ結晶よりも低コストで、機械的強度もエピタキシャル工程に耐えうるほどに強いのがCZ結晶であることから、低コストと機械的強度とを重視するなら、基板2AとしてCZ結晶を選択することを例示できる。
また、基板2AとしてFZ結晶もしくはCZ結晶のいずれを選択した場合でも、主面(素子形成面)の結晶方位は(100)面または(100)面と等価な面とすることが好ましい。ここで、(100)面と等価な面としては、(010)面および(001)面等を例示することができる。なお、以降の本実施の形態では、(100)面および(100)面と等価な面を{100}面と記す場合がある。
次に、基板2Aに熱処理を施して、基板2Aの主面に薄い酸化シリコン膜2Bを形成する。次いで、その酸化シリコン膜2B上に窒化シリコン膜2Cを堆積する。続いて、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしたエッチングでその窒化シリコン膜2Cをパターニングし、後の工程でフィールド絶縁膜6が形成される領域の窒化シリコン膜2Cを除去する。
次に、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜2Dをマスクとして基板2Aの主面にp型の導電型の不純物(たとえばB(ホウ素))を導入し、p型フィールドリミッティングリング12およびp型ウエル12A(図19も参照)を形成する。
次に、図22および図23に示すように、LOCOS法によって基板2Aに熱処理を施すことによって、膜厚の厚いフィールド絶縁膜6を形成する。このフィールド絶縁膜6によって基板2Aの主面では活性領域(平面でフィールド絶縁膜6の存在しない領域)が規定される。本実施の形態2では、フィールド絶縁膜6が形成されると、図19に示したように、基板2Aの主面の活性領域では、膜厚の厚いフィールド絶縁膜6が形成された領域と、フィールド絶縁膜6のない領域(図19中ではゲート電極11が配置されている)とが交互にストライプ状に並ぶ。このストライプの向きは、基板2Aの主面の結晶方位に合わせて選択するものであるが、その理由については後述する。
次に、図24に示すように、フッ酸系の溶液を用いて基板2Aを洗浄することによって、基板2Aの主面上の窒化シリコン膜2Cを除去する。次いで、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして酸化シリコン膜2Bをエッチングする。それにより、開口部5を備えた埋め込み絶縁膜3を形成することができる。この時、開口部5の底面には基板2Aの表面が露出する。
次に、図25に示すように、埋め込み絶縁膜3の開口部5からシリコン結晶が格子レベルで連続するように、エピタキシャル法で比抵抗が基板2Aとほぼ同じのn型単結晶シリコン膜4Aを成膜する。この時、埋め込み絶縁膜3の表面に多結晶シリコンが堆積しないようにするために、選択性を有するエピタキシャル成膜条件とする。すなわち、基板2Aをエピタキシャル炉に導入してから、主成分がH(水素)ガスのキャリアガスを用い、SiHCl(トリクロロシラン)およびHCl(塩酸)の混合ガスを炉内に供給する手段や、主成分がHガスのキャリアガスを用い、SiHCl(ジクロロシラン)およびHCl(塩酸)の混合ガスを炉内に供給する手段を例示することができる。エピタキシャル炉内に導入するガスのうち、HClガスは、シリコン結晶に対して軽いエッチング性を有しており、埋め込み絶縁膜3上に多結晶シリコンが堆積してしまうことを阻止することができる。しかし、HClガスのエッチング力は、開口部5下の結晶(基板2A)から連続して成膜される結晶シリコンのエピタキシャル成膜を阻止するほどの強いエッチング力ではないので、開口部5からの選択エピタキシャル成膜が可能となる。
上記n型単結晶シリコン膜4Aのエピタキシャル成膜工程では、下部の基板2Aの表面の結晶面方位によって成膜速度が大きく異なる、いわゆる成膜速度の異方性が存在する。本実施の形態2においては、後の工程でCMP(Chemical Mechanical Polishing)法によってn型単結晶シリコン膜4Aを研磨することから、CMP工程での負担を軽減するために、n型単結晶シリコン膜4Aは基板2Aの厚さ方向で薄く、基板2Aの主面に沿った方向で厚く(長く)成膜していることが好ましく、そのようにn型単結晶シリコン膜4Aを成膜するためには、基板2Aの主面の面方位および前述の活性領域におけるフィールド絶縁膜6によるストライプパターンの方位の組み合わせを適当に選択する必要がある。
ところで、後の工程で形成するゲート絶縁膜10は、(100)面上に形成する。そのため、基板2Aは、(100)面を主面とする結晶基板を用いることが前提となる。この前提のために、活性領域におけるフィールド絶縁膜6によるストライプパターンの方向は、制約を受けることになる。
そこで、本発明者らは、実験により、(100)面を主面とする基板2A上に、種々の方向に延在するフィールド絶縁膜6によるストライプパターンを形成し、さらに上記n型単結晶シリコン膜4Aを選択エピタキシャル成膜して、n型単結晶シリコン膜4Aが基板2Aの厚さ方向に比べて基板2Aの主面に沿った方向で厚く(長く)成膜するフィールド絶縁膜6によるストライプパターンの方向について調べた。その結果、本実施の形態2では、以下のような条件を例示することができる。
すなわち、フィールド絶縁膜6によるストライプパターンの延在方向を<010>方向、または<010>方向と等価な<001>方向とする。ここで、たとえば(100)面とは、<100>方向を法線ベクトルとして有する結晶面を表し、<010>方向とはベクトルそのものの方向を表すものとする。すなわち、本実施の形態2においては、基板2Aの活性領域にてストライプパターンを形成するフィールド絶縁膜6の各々の延在方向を<010>方向または<001>方向とするものである。それにより、n型単結晶シリコン膜4Aの成膜厚さを基板2Aの厚さ方向と基板2Aの主面に沿った方向とでほぼ1:1とすることができる。
次に、図26に示すように、フィールド絶縁膜6をストッパ(研磨終点)としたCMP法によりn型単結晶シリコン膜4Aを研磨し、フィールド絶縁膜6による段差で厚さが規定される表面半導体層4を形成する。
前記実施の形態1において、表面半導体層4の厚さは20nm〜40nm程度とすることを前述したが、後の工程で表面半導体層4の表面は、所定の厚さだけゲート絶縁膜10の形成工程で犠牲となってしまうことから、本工程では、そのゲート絶縁膜10の形成工程で犠牲となってしまう厚さ分(ゲート絶縁膜10の厚さ自体も含む)を考慮して表面半導体層4の厚さを規定する必要がある。すなわち、ゲート絶縁膜10の形成工程では、ゲート絶縁膜10自体を形成する前に、表面半導体層4の表面に付着した異物等を除去するために、基板2Aの熱酸化処理によって表面半導体層4の表面に犠牲酸化膜を形成し、その犠牲酸化膜を除去した後で改めて基板2Aの熱酸化処理によって表面半導体層4の表面にゲート絶縁膜10を形成する。つまり、前記犠牲酸化膜およびゲート絶縁膜10の厚さ分だけ表面半導体層4の厚さが失われてしまうことを考慮して、上記CMP工程後に残る表面半導体層4の厚さを規定しなければならない。たとえば、IGBTのゲート絶縁膜の厚さは100nm程度であることから、本実施の形態2では、そのCMP工程後に残る表面半導体層4の厚さは、100nm〜300nm程度、好ましくは120nm〜200nm程度とすることを例示できる。また、このCMP工程後に残る表面半導体層4の厚さは、フィールド絶縁膜6による段差で決定されるものであるから、CMP工程後に残る表面半導体層4の厚さがそのような値となるようにフィールド絶縁膜6を形成しなければならないことは言うまでもない。
次に、図27および図28に示すように、基板2Aに熱処理を施すことによって表面半導体層4の表面に前述の犠牲酸化膜を形成する。また、その犠牲酸化膜は、表面半導体層4の表面だけでなく、基板2A(p型ウエル12A)の露出した表面にも形成される。続いて、基板2Aを洗浄することでその犠牲酸化膜を除去し、清浄な表面半導体層4および基板2A(p型ウエル12A)の表面を得る。
続いて、基板2Aに熱処理を施すことによって表面半導体層4および基板2A(p型ウエル12A)の表面に厚さは100nm程度のゲート絶縁膜10を形成する。
続いて、基板2A上に多結晶シリコン膜を堆積し、その多結晶シリコン膜をフォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしたエッチングによりパターニングする。それにより、ゲート電極11を形成することができる。
次に、図29に示すように、ゲート電極11の存在下で表面半導体層4にp型の導電型の不純物(たとえばB)を導入し、次いで、基板2Aに熱処理を施すことにより、そのp型の導電型の不純物を拡散させ、p型チャネル形成層7を形成する。
次に、図30および図31に示すように、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜8Aをマスクとして、p型チャネル形成層7および基板2Bにn型の導電型の不純物(たとえばAs(ヒ素)またはP(リン))を導入する。次いで、基板2Aに熱処理を施すことにより、そのn型の導電型の不純物を拡散させ、n型ソース層8およびn型ガードリング領域13を形成する。
次に、図32に示すように、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜9Aをマスクとして、p型チャネル形成層7にp型の導電型の不純物(たとえばB)を導入する。次いで、基板2Aに熱処理を施すことにより、そのp型の導電型の不純物を拡散させ、p型エミッタ層9を形成する。
上記n型ソース層8およびp型エミッタ層9は、同一断面の中に形成することは不可能である。そのため、図19に示したように、これらn型ソース層8およびp型エミッタ層9は、平面では1本のストライプパターン中にて交互に配置されることになる。
また、フィールド絶縁膜6の端部(バーズビーク)付近に作用する応力を緩和するために、p型エミッタ層9とフィールド絶縁膜6との間には、p型チャネル形成層7を残すようにp型エミッタ層9を形成し、p型エミッタ層9とフィールド絶縁膜6との間は、不純物濃度がp型エミッタ層9より薄いp型領域とする。
ここまでの工程により、本実施の形態2のIGBTの素子を形成することができる。
次に、図33〜図35に示すように、基板2Aの主面上に、PSG膜等からなる絶縁膜14を堆積する。続いて、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして絶縁膜14をエッチングし、n型ソース層8、p型エミッタ層9、ゲート電極11、p型ウエル12およびn型ガードリング13のそれぞれに達する開口部15を形成する。
次に、図36〜図38に示すように、たとえばスパッタリング法により基板2Aの主面上にAl(アルミニウム)膜を堆積する。次いで、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてそのAl膜をエッチングし、n型ソース層8およびp型エミッタ層9と電気的に接続するエミッタパッド16、ゲート電極10と電気的に接続するゲートパッド17(図19参照)、ゲート電極10と電気的に接続しゲートパッド17と連続したパターン(図19参照)を有するゲートフィンガー17A、およびn型ガードリング領域13電気的に接続するガードリング電極13Aを形成する。
図示は省略するが、エミッタパッド16、ゲートパッド17、ゲートフィンガー17Aおよびガードリング電極13Aを形成した後、基板2Aの主面上に表面保護膜としてポリイミド膜を堆積する。次いで、エミッタパッド16上およびゲートパッド17上のポリイミド膜に、エミッタパッド16およびゲートパッド17のそれぞれに達する開口部を形成する。これら開口部は、基板2Aを個々のチップ1(図19参照)へ分割し、チップ1をリードフレームのダイパッドに搭載した後で、ボンディングワイヤを用いてエミッタパッド16およびゲートパッド17のそれぞれを対応するリードと電気的に接続するために形成するものである。
次に、図39〜図41に示すように、基板2Aの裏面を研削し、ベース層2を形成する。前記実施の形態1で説明したように、ベース層2の厚さは、IGBTの耐圧に合わせて決定するものであり、耐圧600Vであれば60μm〜100μm程度となるまで、また耐圧1200Vであれば120μm〜150μm程度となるまで基板2Aの裏面を研削するものである。
続いて、ベース層2(基板2A)の裏面にPおよびBを順次導入し、n型バッファ層18およびp型コレクタ層19を形成する。
続いて、ベース層2(基板2A)の裏面にコレクタ電極20を形成する。このコレクタ電極20は、たとえばスパッタリング法または蒸着法により、p型コレクタ層19に近い順からAl膜、Ti膜、Ni膜およびAu膜を積層することで形成することができる。また、p型コレクタ層19に近い順からNi膜、Ti膜、Ni膜およびAu膜を積層したコレクタ電極20、もしくはp型コレクタ層19に近い順からTi膜、Ni膜およびAu膜を積層したコレクタ電極20としてもよい。
次いで、基板2Aを分割領域(ダイシングライン)に沿って切断することにより、個々のチップ1(図19参照)へ個片化する。続いて、リードフレームを用意し、個変化されたチップ1をリードフレームのダイパッドに搭載した後で、ボンディングワイヤを用いてエミッタパッド16およびゲートパッド17のそれぞれを対応するリードと電気的に接続する。その後、封止用樹脂でチップ1、リードフレームおよびボンディングワイヤを封止して、本実施の形態2の半導体装置を製造する。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3のIGBTの製造工程について、図42を用いて説明する。
本実施の形態3のIGBTの製造工程は、前記実施の形態2で説明したIGBTの製造工程のうち、図20〜図24を用いて説明した工程までは同様である。
その後、前記実施の形態1で示したn型単結晶シリコン膜4Aの代わりに、n型単結晶シリコン膜4Aおよび基板2Aよりn型の不純物濃度が高いn型単結晶シリコン膜4Bを、埋め込み絶縁膜3の開口部5からシリコン結晶が格子レベルで連続するようにエピタキシャル法で成膜する。
その後、前記実施の形態2において図26〜図41を用いて説明した工程を経て本実施の形態3の半導体装置を製造する。
上記のような本実施の形態3の製造工程で製造したIGBTは、表面半導体層4中のn型の不純物濃度が前記実施の形態2のIGBTより高くなる。たとえば、表面半導体層4およびp型チャネル形成層7が所望の厚さよりやや厚く形成されてしまった場合には、コレクタ側からエミッタ側へホール電流が流れ込んでIGBTのスイッチング動作速度を低下させてしまうことが懸念される。しかしながら、本実施の形態3によれば、前記実施の形態1よりも表面半導体層4中のn型の不純物濃度が高くなっていることから、そのホール電流を表面半導体層4で抑制することができる。すなわち、本実施の形態3によれば、表面半導体層4の厚さが意図せず所望の厚さより厚くなってしまった場合でも、所望の特性のIGBTを得ることができる。
上記のような本実施の形態3によっても、前記実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4のIGBTの製造工程について、図43および図44を用いて説明する。
本実施の形態4のIGBTの製造工程は、前記実施の形態1で説明したIGBTの製造工程のうち、図20〜図24を用いて説明した工程までは同様である。
その後、図43に示すように、前記実施の形態2で示したn型単結晶シリコン膜4Aの代わりに、p型の導電型の不純物がドープされたp型単結晶シリコン膜を、埋め込み絶縁膜3の開口部5からシリコン結晶が格子レベルで連続するようにエピタキシャル法で成膜する。この時、ドープするp型の導電型の不純物の濃度は、本実施の形態4のIGBTのチャネル形成層でしきい値電圧を決めるのに最適な濃度となるようにする。
次いで、フィールド絶縁膜6をストッパ(研磨終点)としたCMP法によりそのp型単結晶シリコン膜を研磨し、フィールド絶縁膜6による段差で厚さが規定されるp型チャネル形成層7Aを形成する。
次に、図44に示すように、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして、平面でのp型チャネル形成層7Aの中央部、すなわち開口部5上のp型チャネル形成層7Aにn型の導電型の不純物(たとえばP)を導入し、表面半導体層4Dを形成する。この時、導入するn型の導電型の不純物の濃度については、その理由と併せて後述する。
次いで、前記実施の形態1において、図27および図28を用いて説明した工程と同様の工程によってゲート絶縁膜10およびゲート電極11を形成する。その後、前記実施の形態2において図29〜図41を用いて説明した工程を経て本実施の形態4の半導体装置を製造する。
上記のような本実施の形態4の製造工程で製造したIGBTでは、埋め込み絶縁膜3に設けられた開口部3下において、ベース層2がn型の表面半導体層4Dと接続しなければならない。そのため、n型の表面半導体層4Dを形成するには、p型チャネル形成層7Aのp型を打ち消してn型に変えられるだけの濃度のn型の導電型の不純物の導入が必要となる。その結果、表面半導体層4D中の不純物濃度はベース層2中の不純物濃度よりも高くなり、比抵抗では、表面半導体層4Dはベース層2よりも低くなる。また、表面半導体層4D中では、n型の導電型の不純物の濃度が高くなっていることから、前記実施の形態3と同様に、ホール電流を表面半導体層4Dで抑制することができる。すなわち、本実施の形態4によれば、前記実施の形態3と同様に、表面半導体層4の厚さが意図せず所望の厚さより厚くなってしまった場合でも、所望の特性のIGBTを得ることができる。
また、表面半導体層4Dは、前記実施の形態2での表面半導体層4と同様に20nm〜40nm程度と非常に薄くなることから、前記実施の形態2のように表面半導体層4の形成後に表面半導体層4にp型の不純物を導入することでp型チャネル形成層7を形成すると、p型チャネル形成層7中での不純物濃度の制御が難しくなり、不純物濃度のばらつきが大きくなる等の不具合も懸念される。一方、本実施の形態4によれば、p型単結晶シリコン膜のエピタキシャル成膜の段階でp型チャネル形成層7A中の不純物濃度のばらつきが決定される。つまり、その不純物濃度のばらつきはエピタキシャル炉の性能によって決まるものであり、イオン注入によって不純物導入を行う方法に比べると、不純物濃度のばらつきを小さく抑えることが可能となる。その結果、本実施の形態4のIGBTのしきい値電圧が安定する等の効果を得ることが可能となる。
上記のような本実施の形態4によっても、前記実施の形態2、3と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5のIGBTの製造工程について、図45〜図53を用いて説明する。
本実施の形態5は、前記実施の形態1で示したLOCOS法により形成したフィールド絶縁膜6の代わりに、熱処理またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で堆積した絶縁膜を用いるものであり、平面パターンは、前記実施の形態2で示した図19におけるフィールド絶縁膜6が本実施の形態5の絶縁膜に変わるのみである。
まず、図45および図46に示すように、基板2Aに熱処理を施して、基板2Aの主面に薄い酸化シリコン膜2Bを形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜2Dをマスクとして基板2Aの主面にp型の導電型の不純物(たとえばB)を導入し、p型フィールドリミッティングリング12およびp型ウエル12A(図19も参照)を形成する。
次に、図47および図48に示すように、たとえば熱処理またはCVD法による酸化シリコン膜の堆積により、基板2A上に膜厚600nm程度の絶縁膜(埋め込み絶縁膜の厚膜部)6Aを形成する。前記実施の形態1におけるフィールド絶縁膜6と同様に、この絶縁膜6Aの膜厚によって後の工程で形成する表面半導体層4の厚さが決定されるものであり、本実施の形態5においても表面半導体層4の厚さが20nm〜40nm程度となるように絶縁膜6Aの膜厚を調整しなければならない。
次に、図49および図50に示すように、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしたエッチングにより絶縁膜6Aをパターニングし、基板2Aに達する複数の開口部6Bを形成する。本実施の形態5では、これら複数の開口部6Bおよび残った絶縁膜6Aによって、基板2Aの主面では活性領域(平面で開口部6Bが形成された領域)が規定される。
次に、図51および図52に示すように、基板2Aに熱処理を施すことにより、開口部6Bの底部に露出した基板2Aの表面に薄い酸化シリコン膜2Eを形成する。次いで、図53に示すように、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして酸化シリコン膜2Eをエッチングする。それにより、開口部5を備えた埋め込み絶縁膜3を形成することができる。この時、開口部5の底面には基板2Aの表面が露出する。
その後、前記実施の形態2において図25〜図41を用いて説明した工程と同様の工程を経て、本実施の形態5の半導体装置を製造する。
上記のような本実施の形態5によっても、前記実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
次に、本実施の形態6のIGBTの製造工程について、図54〜図57を用いて説明する。
本実施の形態6のIGBTの製造工程は、前記実施の形態5において説明したp型フィールドリミッティングリング12およびp型ウエル12Aを形成する工程までは、前記実施の形態5と同様である。
その後、図54に示すように、基板2Aの主面に対して選択的に酸素イオンを注入することによって、基板2A中に開口部5を備えた埋め込み絶縁膜3を形成する。
次に、図55に示すように、前記実施の形態1において図27および図28を用いて説明した工程と同様の工程によって、ゲート絶縁膜10およびゲート電極11を形成する。
続いて、ゲート電極11の存在下で基板2Aの主面にp型の導電型の不純物(たとえばB)を導入し、次いで、基板2Aに熱処理を施すことにより、そのp型の導電型の不純物を拡散させ、p型チャネル形成層7を形成する。
次に、図56および図57に示すように、前記実施の形態1において図30および図31を用いて説明した工程と同様の工程によって、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして、p型チャネル形成層7および基板2Bにn型の導電型の不純物(たとえばAsまたはP)を導入する。次いで、基板2Aに熱処理を施すことにより、そのn型の導電型の不純物を拡散させ、n型ソース層8およびn型ガードリング領域13(図19も参照)を形成する。
その後、前記実施の形態2において図32〜図41を用いて説明した工程と同様の工程を経て、本実施の形態6の半導体装置を製造する。
本実施の形態6において、前記実施の形態2〜5で説明した表面半導体層4、4Dに相当するのは、基板2Aのうちの埋め込み絶縁膜3上の部分である。すなわち、この基板2Aのうちの埋め込み絶縁膜3上の部分の厚さが20nm〜40nm程度となるように埋め込み絶縁膜3を形成するものであるが、これはゲート電極11付近でのことであり、他の部分、たとえばn型ソース層8およびp型エミッタ層9に達するコンタクトホール15(たとえば図1参照)の下部となる部分は、より厚くなっていてもよい。コンタクトホール15を形成する際のエッチングにより、コンタクトホール15下のシリコンもわずかではあるがエッチングされてしまうため、基板2Aのうちの埋め込み絶縁膜3上の部分の厚さが20nm〜40nm程度まで薄くなっていると、コンタクトホール15と埋め込み絶縁膜3との間のシリコン層がなくなってしまう虞があり、むしろコンタクトホール15と埋め込み絶縁膜3との間のシリコン層のみは、厚い方が好ましいことになる。
本実施の形態6では、埋め込み絶縁膜3を基板2Aの主面に対して選択的に酸素イオンを注入することで形成していることから、局所的に複数回の酸素イオン注入を行うことで埋め込み絶縁膜3の厚さを局所的に厚くすることが可能である。それにより、基板2Aのうちの埋め込み絶縁膜3上の部分についても、局所的に厚さを変えることが可能となる。その結果、コンタクトホール15と埋め込み絶縁膜3との間のシリコン層を局所的に厚くできるので、コンタクトホール15を形成した際にコンタクトホール15と埋め込み絶縁膜3との間のシリコン層がなくなってしまう不具合を防ぐことが可能となる。
上記のような本実施の形態6によっても、前記実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態7)
次に、本実施の形態7のIGBTの製造工程について、図58を用いて説明する。
本実施の形態7のIGBTの製造工程は、前記実施の形態1のIGBTの製造工程とほぼ同様であるが、図58に示すように、チップ1の外周部において、基板2Aの主面に予めフィールド絶縁膜6の厚さと同程度の段差2Fを設け、チップ1の外周部における基板2Aの主面を他の領域より低くしておくものである。
たとえばエッチング工程等の影響によって、チップ1の外周部に形成されたフィールド絶縁膜6の高さと、表面半導体層7が形成される活性領域のフィールド絶縁膜6の高さとの間に差が生じてしまった場合で、特に活性領域のフィールド絶縁膜6がチップ1の外周部に形成されたフィールド絶縁膜6より低くなってしまった場合には、表面半導体層7を形成する際のCMP工程に不具合を生じてしまう虞がある。すなわち、そのCMP工程は、フィールド絶縁膜6を研磨終点として行うものであることから、高さの高い方のフィールド絶縁膜6が基準となって研磨が終点となってしまうことになる。そのため、そのCMP工程後において、活性領域のフィールド絶縁膜6上に表面半導体層7が延在してしまう等の好ましくない形状で表面半導体層7が残ってしまう虞がある。
そこで、本実施の形態7のように、チップ1の外周部において、基板2Aの主面に予めフィールド絶縁膜6の厚さと同程度の段差2Fを設け、チップ1の外周部における基板2Aの主面を他の領域より低くしておくことにより、活性領域のフィールド絶縁膜6がチップ1の外周部に形成されたフィールド絶縁膜6より低くなってしまうことを防ぐことができる。それにより、表面半導体層7が好ましくない形状で残ってしまう不具合を防ぐことが可能となる。
(実施の形態8)
本実施の形態8は、前記実施の形態2〜7で説明したIGBTの適用例であり、後述する図59および図60に示す回路図中のIGBTが前記実施の形態2〜7で説明したIGBTに該当する。
図59は、一相インバータの基本回路図である。図59に示すように、基本的な一相インバータは、直流電源Vdd、4個のIGBTTr1および1個のコイルL1から形成されている。4個のIGBTTr1のそれぞれには、エミッタとコレクタとの間にフリーホイールダイオードD1が並列に接続されている。IGBTTr1が電気的に接続された負荷が容量性負荷もしくは誘導性負荷の場合には、オンしているスイッチング方向とは逆の方向に負荷電流を流すモードを備えているが、IGBTTr1は、単体ではこの逆方向電流を流し得る機能を有していない。そのため、IGBTTr1のスイッチング方向とは逆並列方向にフリーホイールダイオードD1が接続されているのである。
また、図60は、モータ駆動等に用いられる三相インバータの基本回路図である。図60に示すように、基本的な三相インバータは、直流電源Vdd、6個のIGBTTr1および3個のコイルL1から形成されている。一相インバータの場合(図59参照)と同様に、6個のIGBTTr1のそれぞれには、エミッタとコレクタとの間にフリーホイールダイオードD1が並列に接続されている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
たとえば、前記実施の形態では、埋め込み絶縁膜を酸化シリコン膜から形成する場合について説明したが、酸化シリコン膜の代わりに窒化シリコン膜から形成してもよい。
本発明の半導体装置およびその製造方法は、たとえば鉄道車両およびハイブリッドカーにおけるモータードライブ用インバータ等の種々のインバータに適用することができる。
本発明の実施の形態1の半導体装置であるIGBTを有するチップの要部断面図である。 本発明の実施の形態1のIGBTについて、シミュレーションによって求めたオン電圧とコレクタ電流との関係(直流出力特性)を表面半導体層の厚さ毎に示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTにおける表面半導体層の厚さとオン電圧との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTにおけるオン電圧とターンオフ損失との関係(特性)を示した説明図である。 プレーナ型IGBTにおけるホールの動きを説明するエネルギーバンド図である。 プレーナ型IGBTにおけるホールの動きを説明するエネルギーバンド図である。 プレーナ型IGBTにおけるホールの動きを説明するエネルギーバンド図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTを有するチップの要部断面図である。 本発明の実施の形態1のIGBTのオン状態での動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTにおける表面半導体層、ベース層、n型バッファ層およびp型コレクタ層を通じた深さと、キャリア密度との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTにおける表面半導体層、ベース層、n型バッファ層およびp型コレクタ層を通じた深さと、キャリア密度との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTにおける表面半導体層、ベース層、n型バッファ層およびp型コレクタ層を通じた深さと、キャリア密度との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置であるIGBTを有するチップの要部断面図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTのオン状態での動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTのオン状態での動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTにおける動作電圧に対するエミッタ電流の内訳を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTにおける動作電圧に対するエミッタ電流の内訳を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のIGBTと比較したIGBTにおける動作電圧に対するエミッタ電流の内訳を示す説明図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置であるIGBTを有するチップの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 図20に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図21に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図23に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図24に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図25に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図26に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図28に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図30に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図31に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図32に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図33に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図34に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図35に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図36に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図37に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図38に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体装置であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態4の半導体装置であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図43に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態5の半導体装置であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 本発明の実施の形態5の半導体装置であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 図45に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図46に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図47に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図48に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図49に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図50に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図52に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態6の半導体装置であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 図54に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 図55に続くIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態6の半導体装置であるIGBTの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態7の半導体装置であるIGBTの製造方法を説明する要部断面図である。 本発明の実施の形態8の半導体装置であるIGBTを含む一相インバータの基本回路図である。 本発明の実施の形態8の半導体装置であるIGBTを含む三相インバータの基本回路図である。 本発明者らが検討したトレンチゲート型IGBTの一例を示す要部断面と基板中のキャリア密度とを示す説明図である。 本発明者らが検討したトレンチゲート型IGBTにおける基板深さとキャリア密度との関係を示す説明図である。 本発明者らが検討したプレーナゲート型IGBTの一例を示す要部断面と基板中のキャリア密度とを示す説明図である。 本発明者らが検討したプレーナゲート型IGBTにおける基板深さとキャリア密度との関係を示す説明図である。 本発明者らが検討したトレンチゲート型IGBTおよびプレーナゲート型IGBTにおけるオン電圧とターンオフ損失(熱損失)との関係を示す説明図である。 本発明者らが検討したトレンチゲート型IGBTおよびプレーナゲート型IGBTにおけるターンオフ時間とオン電圧との関係を示す説明図である。
符号の説明
1 チップ
2 ベース層
2A 基板
2B 酸化シリコン膜
2C 窒化シリコン膜
2D フォトレジスト膜
2E 酸化シリコン膜
2F 段差
3 埋め込み絶縁膜(薄膜部)
4、4D 表面半導体層
4A n型単結晶シリコン膜
4B n型単結晶シリコン膜
4C p型チャネル形成層
5 開口部(離間部)
6 フィールド絶縁膜(埋め込み絶縁膜の厚膜部)
6A 絶縁膜(埋め込み絶縁膜の厚膜部)
6B 開口部
7、7A p型チャネル形成層
7A n型反転層
7B n型反転層
8 n型ソース層
8A フォトレジスト膜
9 p型エミッタ層
9A フォトレジスト膜
10 ゲート絶縁膜
11 ゲート電極
12 p型フィールドリミッティングリング
12A p型ウエル
13 n型ガードリング領域
13A ガードリング電極
14 絶縁膜
15 開口部
16 エミッタパッド(エミッタ電極)
17 ゲートパッド
17A ゲートフィンガー
18 n型バッファ層
19 p型コレクタ層
20 コレクタ電極
101 p型半導体基板
102 nベース層
103 埋め込み絶縁膜
104 表面半導体層
105 開口部
107 p型チャネル層
108 n型ソース領域
109 p型エミッタ層
110 ゲート絶縁膜
116 エミッタ電極
118 n型バッファ層
119 p型コレクタ層
120 コレクタ金属電極
D1 フリーホイールダイオード
L1 コイル
Tr1 IGBT
Vdd 直流電源

Claims (20)

  1. IGBTを含む半導体装置であって、
    (a)p型を有する前記IGBTのコレクタ層と、
    (b)前記コレクタ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのバッファ層と、
    (c)前記バッファ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのベース層と、
    (d)前記ベース層上に選択的に形成された複数の埋め込み絶縁膜と、
    (e)前記ベース層上にて、前記複数の埋め込み絶縁膜間に形成された、n型を有する表面半導体層と、
    (f)前記表面半導体層内に形成された、p型を有する前記IGBTのチャネル形成層と、
    (g)前記表面半導体層内にて、前記チャネル形成層と接するように形成され、前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層と、
    (h)前記表面半導体層内に形成された、n型を有する前記IGBTのソース層と、
    (i)前記表面半導体層の表面の一部および前記チャネル形成層の表面の一部に選択的に形成された、前記IGBTのゲート絶縁膜と、
    (j)前記ゲート絶縁膜上に形成された、前記IGBTのゲート電極と、
    (k)前記コレクタ層の裏面に形成され、前記コレクタ層と電気的に接続された、前記IGBTのコレクタ電極と、
    (l)前記エミッタ層上および前記ソース層上に形成され、前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続された、前記IGBTのエミッタ電極と、
    を有し、
    前記チャネル形成層の厚さは、20nm〜100nmであることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記複数の埋め込み絶縁膜の各々は、膜厚の厚い厚膜部と前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを含み、
    前記厚膜部の表面は、前記表面半導体層の表面と同一平面内にあり、
    前記チャネル形成層および前記ソース層は、前記複数の埋め込み絶縁膜の前記薄膜部上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記複数の埋め込み絶縁膜の各々における前記薄膜部には、離間部が形成され、
    前記ベース層と前記表面半導体層は、前記薄膜部の前記離間部にて接していることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記ベース層および前記表面半導体層は、単結晶シリコンから形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記IGBTのオン時における前記エミッタ電極に流れる電流の構成比は、ホール電流が20%以下であり、電子電流が80%以上であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記コレクタ層の厚さは、5μm以下であることを特徴とする半導体装置。
  7. IGBTを含む半導体装置であって、
    (a)p型を有する前記IGBTのコレクタ層と、
    (b)前記コレクタ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのバッファ層と、
    (c)前記バッファ層上に形成された、n型を有する前記IGBTのベース層と、
    (d)前記ベース層中に選択的に形成された複数の埋め込み絶縁膜と、
    (e)前記複数の埋め込み絶縁膜上の前記ベース層内に形成された、p型を有する前記IGBTのチャネル形成層と、
    (f)前記複数の埋め込み絶縁膜上の前記ベース層内にて、前記チャネル形成層と接するように形成され、前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層と、
    (g)前記複数の埋め込み絶縁膜上の前記ベース層内に形成された、n型を有する前記IGBTのソース層と、
    (h)前記複数の埋め込み絶縁膜上の前記ベース層の表面の一部および前記チャネル形成層の表面の一部に選択的に形成された、前記IGBTのゲート絶縁膜と、
    (i)前記ゲート絶縁膜上に形成された、前記IGBTのゲート電極と、
    (j)前記コレクタ層の裏面に形成され、前記コレクタ層と電気的に接続された、前記IGBTのコレクタ電極と、
    (k)前記エミッタ層上および前記ソース層上に形成され、前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続された、前記IGBTのエミッタ電極と、
    を有し、
    前記チャネル形成層の厚さは、20nm〜100nmであることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7記載の半導体装置において、
    前記複数の埋め込み絶縁膜の各々は、膜厚の厚い厚膜部と前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを含み、
    前記エミッタ層および前記ソース層と、前記IGBTの前記エミッタ電極との接続部は、前記複数の埋め込み絶縁膜の前記厚膜部上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項7記載の半導体装置において、
    前記ベース層は、単結晶シリコンから形成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項7記載の半導体装置において、
    前記IGBTのオン時における前記エミッタ電極に流れる電流の構成比は、ホール電流が20%以下であり、電子電流が80%以上であることを特徴とする半導体装置。
  11. IGBTを含む半導体装置の製造方法であって、
    (a)前記IGBTのベース層となるn型を有する基板の主面上に、膜厚の厚い厚膜部と前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを含む埋め込み絶縁膜を形成する工程、
    (b)前記埋め込み絶縁膜の前記薄膜部に前記基板に達する離間部を形成する工程、
    (c)前記埋め込み絶縁膜の前記薄膜部上に前記離間部を埋め込む厚さ20nm〜100nmのn型を有する表面半導体層を形成する工程、
    (d)前記表面半導体層の表面の一部に選択的に前記IGBTのゲート絶縁膜を形成する工程、
    (e)前記ゲート絶縁膜上に前記IGBTのゲート電極を形成する工程、
    (f)前記表面半導体層内にp型を有する前記IGBTのチャネル形成層を形成する工程、
    (g)前記表面半導体層内にて、前記チャネル形成層と接するように前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層を形成する工程、
    (h)前記表面半導体層内にn型を有する前記IGBTのソース層を形成する工程、
    (i)前記基板を裏面から薄くし、前記IGBTの前記ベース層を形成する工程、
    (j)前記基板の裏面にn型を有する前記IGBTのバッファ層を形成する工程、
    (k)前記基板の裏面にp型を有する前記IGBTのコレクタ層を形成する工程、
    (l)前記コレクタ層の裏面に前記コレクタ層と電気的に接続する前記IGBTのコレクタ電極を形成する工程、
    (m)前記エミッタ層上および前記ソース層上に前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続する前記IGBTのエミッタ電極を形成する工程、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記表面半導体層は、前記基板以上の濃度のn型を有し、
    前記(c)工程における前記表面半導体層の形成は、前記離間部において前記基板から結晶が格子レベルで連続するようにエピタキシャル法で行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記厚膜部の表面は、前記表面半導体層の表面と同一平面内に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記基板および前記表面半導体層は、単結晶シリコンから形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(c)工程における前記表面半導体層は、p型を有するシリコン膜を前記離間部において前記基板から結晶が格子レベルで連続するようにエピタキシャル法で形成した後、前記シリコン膜にn型の不純物を導入することで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記基板は、複数のチップ領域に区画され、
    前記複数のチップ領域の各々の主面は、活性領域と、前記活性領域を取り囲む外周部とが規定され、
    前記(a)工程は、
    (a1)前記複数のチップ領域の各々において、前記外周部が前記活性領域より低くなるように前記複数のチップ領域の各々の前記主面に段差を形成する工程、
    を含み、
    前記(a1)工程は、前記埋め込み絶縁膜を形成する前に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
    前記段差は、前記埋め込み絶縁膜の前記厚膜部の厚さと同程度であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
    前記コレクタ層の厚さは、5μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. IGBTを含む半導体装置の製造方法であって、
    (a)前記IGBTのベース層となるn型を有する基板に対し主面から酸素イオンを導入し、前記基板中に膜厚が厚く離間部を備えた厚膜部と前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを含む埋め込み絶縁膜を選択的に形成する工程、
    (b)前記基板の主面の一部に選択的に前記IGBTのゲート絶縁膜を形成する工程、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に前記IGBTのゲート電極を形成する工程、
    (d)前記埋め込み絶縁膜上の前記基板にp型を有する前記IGBTのチャネル形成層を形成する工程、
    (e)前記埋め込み絶縁膜上の前記基板に前記チャネル形成層と接するように前記チャネル形成層より高濃度のp型を有する前記IGBTのエミッタ層を形成する工程、
    (f)前記埋め込み絶縁膜上の前記基板にn型を有する前記IGBTのソース層を形成する工程、
    (g)前記基板を裏面から薄くし、前記IGBTの前記ベース層を形成する工程、
    (h)前記基板の裏面にn型を有する前記IGBTのバッファ層を形成する工程、
    (i)前記基板の裏面にp型を有する前記IGBTのコレクタ層を形成する工程、
    (j)前記コレクタ層の裏面に前記コレクタ層と電気的に接続する前記IGBTのコレクタ電極を形成する工程、
    (k)前記エミッタ層上および前記ソース層上に前記エミッタ層および前記ソース層と電気的に接続する前記IGBTのエミッタ電極を形成する工程、
    を含み、
    前記埋め込み絶縁膜は、前記基板の前記主面から前記厚膜部までの間隔が20nm〜100nmとなるように形成し、
    前記エミッタ層および前記ソース層と、前記IGBTの前記エミッタ電極との接続部は、前記埋め込み絶縁膜の前記厚膜部上に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求項19記載の半導体装置の製造方法において、
    前記基板および前記埋め込み絶縁膜上の表面半導体層は、単結晶シリコンから形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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