JP2010054722A - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広角端の画角の確保や小型化に有利な負先行のズームレンズであって、変倍比の確保及び光学性能の確保に有利なズームレンズを提供する。
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を有し、第1レンズ群と第3レンズ群との間に配置された明るさ絞りを有し、広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔は、広角端よりも望遠端にて広がり、明るさ絞りは広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、第2レンズ群と第3レンズ群が所定の条件式を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズに関するものである。さらには、ズームレンズと撮像素子を備えたデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に関するものである。
近年、撮像装置の技術分野において、銀塩カメラに代わりデジタルカメラが主流となっている。デジタルカメラは一般的に撮影フィルム用カメラに比べて撮像面サイズが小さいため小型化を達成しやすいという特徴をもつ。最近では携帯性が従来に比べてより一層重視される傾向があるためにデジタルカメラ自体が小型化している。さらに、屋内・屋外問わず、手軽にデジタルカメラを用いて撮影を楽しみたいという顧客のニーズがあるために、光学系として用いるズームレンズの広画角化や高変倍比化が求められている。
このような小型・広画角・高変倍比のズームレンズの達成を目指して、従来から様々なズームレンズが提唱されている。例えば、特許文献1、特許文献2には、最も物体側に負屈折力のレンズ群を配置した負先行タイプのズームレンズが開示されている。このような、負先行のズームレンズは、全体としてレトロフォーカスタイプの屈折力配置となっているため、正先行型のズームレンズに比べ広角端での画角の確保に有利であり、最も物体側のレンズ群のサイズの小型化によりズームレンズ全体の小型化にも有利となっている。
例示した特許文献1、2に開示されたズームレンズは、物体から順に、負屈折力の第1レンズ群、正屈折力の第2レンズ群、負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群を備え、第2レンズ群と第3レンズ群を広角端から望遠端への変倍の際に物体側に移動させている。
特開2006−208889号公報 特開平11−84242号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたズームレンズは、変倍比が3倍程度と小さい。特許文献2に開示されたズームレンズは、広角端の光学性能は比較的良好であり、5倍程度の変倍比を確保できている。しかしながら、第3レンズ群での変倍負担の割合が大きすぎるために、全長が肥大化してしまっており、メカ的制約から沈胴時の小型化が難しい。また、第3レンズ群の望遠端での横倍率を大きくしすぎたために特に望遠端で球面収差とコマ収差が発生してしまっており、良好な光学特性とは言いがたい。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、広角端の画角の確保や小型化に有利な負先行のズームレンズであって、変倍比の確保及び光学性能の確保に有利なズームレンズの提供を目的とする。
更には、そのようなズームレンズを備えた撮像装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を有し、そして、前記第1レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置された明るさ絞りを有し、広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、前記第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、前記第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間の間隔は、広角端よりも望遠端にて広がり、前記明るさ絞りは広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴としている。
3.1<β2(t)/β2(w)<6.0 ・・・(1)
1.00<β3(t)/β3(w)<1.25 ・・・(2)
ただし、β2(w)、β2(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における第2レンズ群の横倍率、β3(w)、β3(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における第3レンズ群の横倍率である。
このような構成とすることで、広い画角を確保しやすいパワー配置のレンズ群配置となる。第2レンズ群と第3レンズ群が広角端から望遠端への増倍作用を分担しあい、変倍比の確保と収差バランスの調整に有利となる。明るさ絞りを上述のように移動させることで、第2レンズ群のサイズを小さくでき、第2レンズ群に変倍負担をもたせても収差変動を抑えやすくなる。
第1レンズ群が上述の移動により、像面位置を調整している。負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群を配置して両レンズ群間の間隔変更を行うことによって、広角端および望遠端での射出瞳の変動の低減や、像面湾曲の補正及び変倍の作用を負担させることができる。
条件式(1)、(2)は第2レンズ群、第3レンズ群の広角端および望遠端における好ましい横倍率の変化を表したものである。負先行のズームレンズにおいて高変倍比の確保と光学性能の確保の両立のためには、正屈折力の第2レンズ群と負屈折力の3レンズ群のそれぞれの変倍比を適切にすることが好ましい。なぜならば1つのレンズ群でのみで変倍作用を負担するズームレンズでは、変倍を担うレンズ群の移動量を著しく大きくするかパワー(屈折力)を大きくせざるを得ない。前者はズームレンズ全長の肥大化につながり、後者は軸上および軸外の諸収差の発生につながる。
負屈折力の第1レンズ群、正屈折力の第2レンズ群、負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群を有するズームレンズにおいて、条件式(1)、(2)を満足することで、高変倍比化を達成する上で適切な変倍負担となり、各レンズ群の屈折力絶対値、また移動量を低減しやすくなり好ましい。
条件式(1)の下限を下回らないようにすることで、第3レンズ群への変倍負担を軽減し、収差の増大やレンズ枚数の増大を抑えやすくなる。
条件式(1)の上限を上回らないようにすることで、第2レンズ群の変倍にともなう収差変動の低減やレンズ全長の低減に有利となる。
条件式(2)の下限を下回らないようにすることで、第3レンズ群が変倍負担をもつことになり、第2レンズ群の変倍負担を軽減できる。
条件式(2)の上限を上回らないようにすることで、第3レンズ群の屈折力の低減による収差低減や第3レンズ群の薄型化に有利となる。
条件式(1)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
3.5<β2(t)/β2(w)<5.0 ・・・(1’)
4.0<β2(t)/β2(w)<4.2 ・・・(1”)
条件式(2)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.01<β3(t)/β3(w)<1.10 ・・・(2’)
1.02<β3(t)/β3(w)<1.05 ・・・(2”)
基礎となる条件式の下限値のみ、もしくは、上限値のみをより限定してもよい。なお、ズームレンズがフォーカシング機能を備える場合、上述の各構成要件は、最も遠距離の物体に合焦した状態でのものとする。以下に示す構成も同様である。
また、上記課題を解決するため、本発明の第2の側面のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を有し、そして、前記第1レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置された明るさ絞りを有し、広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、前記第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、前記第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、前記第4レンズ群は広角端よりも望遠端にて像側に位置するように移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間の間隔は、広角端よりも望遠端にて広がり、前記明るさ絞りは広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が以下の条件式(1)、(3)を満足することを特徴としている。
3.1<β2(t)/β2(w)<6.0 ・・・(1)
1.02<β4(t)/β4(w)<3.00 ・・・(3)
ただし、β2(w)、β2(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における第2レンズ群の横倍率、β4(w)、β4(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における第4レンズ群の横倍率である。
このような構成とすることで、広い画角を確保しやすいパワー配置のレンズ群配置となる。第2レンズ群と第4レンズ群が広角端から望遠端への増倍作用を分担しあい、変倍比の確保と収差バランスの調整に有利となる。明るさ絞りを上述のように移動させることで、第2レンズ群のサイズを小さくでき、第2レンズ群に変倍負担をもたせても収差変動を抑えやすくなる。
第1レンズ群が上述の移動により、像面位置を調整している。負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群を配置して両レンズ群間の間隔変更を行うことによって、広角端および望遠端での射出瞳の変動の低減や、像面湾曲の補正、及び、変倍の作用を負担させることができる。
条件式(1)、(3)は第2レンズ群、第4レンズ群の広角端および望遠端における好ましい横倍率の変化を表したものである。負先行のズームレンズにおいて高変倍比の確保と光学性能の確保の両立のためには、増倍のために移動する正屈折力の第2レンズ群と正屈折力の4レンズ群のそれぞれの変倍比を適切にすることが好ましい。なぜならば1つのレンズ群でのみで変倍作用を負担するズームレンズでは、変倍を担うレンズ群の移動量を著しく大きくするかパワーを大きくせざるを得ない。前者はズームレンズ全長の肥大化につながり、後者は軸上および軸外の諸収差の発生につながる。
負屈折力の第1レンズ群、正屈折力の第2レンズ群、負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群を有するズームレンズにおいて、条件式(1)、(3)を満足することで、高変倍比化を達成する上で適切な変倍負担となり、各レンズ群の屈折力絶対値、また移動量を低減しやすくなり好ましい。
条件式(1)の下限を下回らないようにすることで、第3レンズ群への変倍負担を軽減し、収差の増大やレンズ枚数の増大を抑えやすくなる。
条件式(1)の上限を上回らないようにすることで、第2レンズ群の変倍にともなう収差変動の低減やレンズ全長の低減に有利となる。
条件式(3)の下限を下回らないようにすることで、第4レンズ群が変倍負担をもつことになり、第2レンズ群の変倍負担を軽減できる。望遠端での球面収差の低減にも有利となる。
条件式(3)の上限を上回らないようにすることで、第4レンズ群の移動量を適度に抑えられ、ズームレンズ全長の増大を低減できる。
条件式(1)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
3.5<β2(t)/β2(w)<5.0 ・・・(1’)
4.0<β2(t)/β2(w)<4.2 ・・・(1”)
条件式(3)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.05<β4(t)/β4(w)<2.00 ・・・(3’)
1.10<β4(t)/β4(w)<1.30 ・・・(3”)
基礎となる条件式の下限値のみ、もしくは、上限値のみをより限定してもよい。なお、ズームレンズがフォーカシング機能を備える場合、上述の各構成要件は、最も遠距離の物体に合焦した状態でのものとする。以下に示す構成も同様である。
上述の第1の側面のズームレンズと第2の側面のズームレンズは同時に満足する構成としてもよい。つまり、前記第4レンズ群は広角端よりも望遠端にて像面側に位置するように移動し、前記第4レンズ群が以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
1.02<β4(t)/β4(w)<3.00 ・・・(3)
ただし、β4(w)、β4(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における第4レンズ群の横倍率である。
条件式(3)は第4レンズ群の横倍率の変化に関する条件式である。高変倍比化と光学性能確保の両立のため、第2レンズ群、第3レンズ群での変倍負担に加えて第4レンズ群も増倍作用を負担することが好ましい。条件式(3)の下限を下回らないようにすることで、第2レンズ群および第3レンズ群のパワーを小さくでき、特に球面収差を良好に補正することが可能となる。条件式(3)の上限を上回らないようにすることで、第4レンズ群の移動量を適度に抑えられ、ズームレンズ全長の増大を低減できる。
条件式(3)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.05<β4(t)/β4(w)<2.00 ・・・(3’)
1.10<β4(t)/β4(w)<1.30 ・・・(3”)
上述の第1の側面のズームレンズ、第2の側面のズームレンズにて、以下の何れかの構成を満足することがより好ましい。前記第3レンズ群と前記第4レンズ群が広角端から望遠端への変倍に際して移動することが好ましい。第3レンズ群と第4レンズ群を変倍時に移動させることで変倍分担や収差変動の低減などに有利となる。
また、前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズ成分、正レンズ成分の2つのレンズ成分からなることが好ましい。第1レンズ群の主点を物体側よりにでき、第1レンズ群の小径化が可能となる。また、広角端での軸外収差、望遠端での球面収差の補正にも有利となる。
なお、レンズ成分は、光軸上にて物体側面と像側面の2面のみが空気と接するレンズ体を意味する。
さらには、負レンズ成分の少なくとも1面を非球面とすることが好ましい。それにより、負レンズ成分の負屈折力を確保しつつ、広角端における軸外収差を良好に補正できる。そして、第1レンズ群全体の負屈折力を確保できるので、ズームレンズ全長の短縮化によるコンパクト化に有利となる。
非球面は負レンズ成分の物体側面と像側面の双方に設けることが、広画角化したときの収差低減に好ましい。非球面は、物体側面の場合、光軸から離れるに従って、正の方向に曲率が変化する形状が好ましい。球面収差と軸外収差のバランスを取りやすくなる。非球面は、像側面の場合、光軸から離れるに従って、正の曲率が小さくなる形状が好ましい。広画角化に伴う軸外収差の補正に有利となる。また、小型化のためそれぞれのレンズ成分を単レンズとすることがより好ましい。
また、前記ズームレンズが物体側から順に前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群からなる4群ズームレンズであることが好ましい。物体側から順に負屈折力の第1レンズ群、正屈折力の第2レンズ群、負屈折力の第3レンズ群、正屈折力の第4レンズ群から構成することによって、レンズ群数を少なくし、沈胴時の薄型化に有利となる。また、負屈折力のレンズ群と正屈折力のレンズ群を同じ数で構成することでペッツバール和のバランスをとりやすくなる。
前記第1レンズ群中の前記負レンズ成分は以下の条件式(4)を満足する負レンズを有することが好ましい。
1.80<nd11<2.5 ・・・(4)
ただし、nd11は第1レンズ群の前記負レンズ成分中の何れかの負レンズのd線に対する屈折率である。
条件式(4)は第1レンズ群の負レンズ成分に含まれる負レンズのd線に対する好ましい屈折率を特定するものである。条件式(4)の下限を下回らないようにすることで、近軸の曲率を抑えつつ、負レンズ成分の屈折力を確保でき、高変倍比化や収差低減に有利となる。特に広角端での像面湾曲や望遠端での球面収差の発生を抑えることが可能となる。条件式(4)の上限を上回らないようにすることで、ダイアモンドなどの加工が不便な材料ではなくなり、コストを抑えやすくなる。
条件式(4)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.83<nd11<2.0 ・・・(4’)
1.85<nd11<1.9 ・・・(4”)
また、前記第1レンズ群の前記正レンズ成分は以下の条件式(5)を満足する負レンズを有することが好ましい。
1.80<nd12<2.5 ・・・(5)
ただし、nd12は第1レンズ群の前記正レンズ成分中の何れかの正レンズのd線に対する屈折率である。
条件式(5)は第1レンズ群中の正レンズ成分中の正レンズのd線に対する好ましい屈折率を特定するものである。条件式(5)の下限を下回らないようにすることで、近軸の曲率を抑えつつ、正レンズ成分の屈折力を確保でき、収差低減に有利となる。特に広角端での像面湾曲や望遠端での球面収差の発生を抑えることが可能となる。条件式(5)の上限を上回らないようにすることで、ダイアモンドなどの加工が不便な材料ではなくなり、コストを抑えやすくなる。
条件式(5)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.85<nd12<2.3 ・・・(5’)
1.90<nd12<2.1 ・・・(5”)
前記第1レンズ群は以下の条件式(7)を満足する形状の負レンズ成分を有することが好ましい。
0.3<(r11a+r11b)/(r11a−r11b)<1.01 ・・・(7)
ただし、
11aは第1レンズ群の負レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
11bは第1レンズ群の負レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
条件式(7)は第1レンズ群の負レンズ成分の形状に関する好ましい条件式である。条件式(7)の下限を下回らないようにすることで負レンズ成分の物体側面の負屈折力の過剰を抑えられ、広角端の軸外収差を低減しやすくなる。条件式(7)の上限を上回らないようにして、負レンズ成分の像側面の近軸曲率を小さくすることで、望遠端での球面収差を低減しやすくなる。
条件式(7)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
0.4<(r11a+r11b)/(r11a−r11b)<0.9 ・・・(7’)
0.5<(r11a+r11b)/(r11a−r11b)<0.8 ・・・(7”)
前記第1レンズ群の前記負レンズ成分は、物体側面が光軸から離れるにしたがって、曲率が正方向に大きくなることが好ましい。負レンズ成分の物体側面は、光軸付近では弱い正から負の曲率とすると球面収差の補正にメリットがあり、上述の非球面を採用することで、光線の入射角を低減し、望遠端での球面収差や広角端での軸外収差の低減にいっそう有利となる。
前記第3レンズ群は1つの負レンズ成分からなることが好ましい。第1の側面、第2の側面のズームレンズでは、第3レンズ群の負パワーを小さくすることが可能となる。そこで、このレンズ群を一つの負レンズ成分で構成することで、沈胴時の薄型化にいっそう有利となる。
前記第3レンズ群の前記負レンズ成分が、以下の条件式(8)を満足する形状であることが好ましい。
−5.0<(r31a+r31b)/(r31a−r31b)<3.0 ・・・(8)
ただし、
31aは、第3レンズ群の負レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
31bは、第3レンズ群の負レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
条件式(8)は第3レンズ群の負レンズ成分の好ましい形状と特定するものである。条件式(8)の下限を下回らないようにすることで、負レンズ成分の像側面による内側へのコマ収差の発生を抑えやすくなる。条件式(8)の上限を上回らないようにすることで、負レンズ成分の像側面による外側へのコマ収差の発生を抑えやすくなる。
条件式(8)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
−3.0<(r31a+r31b)/(r31a−r31b)<1.5 ・・・(8’)
−2.5<(r31a+r31b)/(r31a−r31b)<0.5 ・・・(8”)
また、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群の各々が非球面レンズを有することが好ましい。各レンズ群の収差低減に有利となり、各レンズ群のレンズ枚数の低減や沈胴時の小型化に有利となる。
前記ズームレンズは以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
3.5<ft/fw<10 ・・・(9)
ただし、
tは望遠端におけるズームレンズ全系の焦点距離、
wは広角端におけるズームレンズ全系の焦点距離である。
条件式(9)は変倍比に関する条件式である。条件式(9)の下限を下回らないようにして画角変更による自由度を確保することで種々撮影シーンに対応でき好ましい。条件式(9)の上限を上回らないようにすることで、第1レンズ群と第2レンズ群で発生する収差を抑えやすくなり、小型化とズーム全域での性能確保に有利となる。
条件式(9)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
3.7<ft/fw<8 ・・・(9’)
4.0<ft/fw<6 ・・・(9”)
4.5<ft/fw<5.2 ・・・(9''')
前記第4レンズ群は1つの正レンズ成分から構成されることが好ましい。第4レンズ群は像面に近いため球面収差への影響が少ない。そこで、このレンズ群を一つの正レンズ成分で構成することで、沈胴時の薄型化に有利となる。
前記第4レンズ群の前記正レンズ成分は、物体側面が光軸から離れるほど曲率が正方向となる非球面であり、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分は以下の条件式(10)を満足する形状であることが好ましい。
−0.7<(r41a+r41b)/(r41a−r41b)<3.0 ・・・(10)
ただし、
41aは、第4レンズ群の正レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
41bは、第4レンズ群の正レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
第4レンズ群の正レンズ成分の物体側面を上述の形状とすることで、望遠側でのテレセントリック性の確保に有利となる。条件式(10)は第4レンズ群の正レンズ成分の好ましい形状と特定するものである。条件式(10)の下限を下回らないようにすることで、物体側面の近軸曲率を抑えられ、非球面を形成しやすくなる。条件式(10)の上限を上回らないようにすることで、正レンズの像側面による軸外収差の発生を抑えやすくなる。
条件式(10)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
−0.3<(r41a+r41b)/(r41a−r41b)<1.0 ・・・(10’)
0.0<(r41a+r41b)/(r41a−r41b)<0.6 ・・・(10”)
前記明るさ絞りが第2レンズ群の物体側直前に配置され、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群と一体で移動することが好ましい。
第1レンズ群、第2レンズ群の有効径を小さくでき、ズームレンズの小径化や第2レンズ群の変倍負担の確保に有利となる。
前記第3レンズ群または前記第4レンズ群がフォーカシング時に移動することが好ましい。第3レンズ群や第4レンズ群は、屈折力の絶対値を小さくしやすいので、これらのレンズ群をフォーカシングレンズ群とすると、メカ機構への負担を軽減しやすくなる。
前記第2レンズ群と前記第4レンズ群は以下の条件式(13)を満足することが好ましい。
0.65<P4/P2<1.0 ・・・(13)
ただし、
2は第2レンズ群の屈折力、
4は第4レンズ群の屈折力である。
条件式(13)は第2レンズ群と第4レンズ群の正屈折力の好ましい分担比率を特定するものである。条件式(13)の下限を下回らないようにして第4レンズ群における正屈折力を確保することで相対的に第2レンズ群の屈折力を低減でき、軸上収差を抑えやすくなる。条件式(13)の上限を上回らないようにして第2レンズ群における正屈折力を確保することで相対的に第4レンズ群の屈折力を低減でき、軸外収差を抑えやすくなる。
条件式(13)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
0.75<P4/P2<0.95 ・・・(13’)
0.85<P4/P2<0.9 ・・・(13”)
前記第1レンズ群と前記第3レンズ群は以下の条件式(14)を満足することが好ましい。
0.1<P3/P1<0.7 ・・・(14)
ただし、
3は第3レンズ群の屈折力、
1は第1レンズ群の屈折力である。
条件式(14)は第1レンズ群と第3レンズ群の負屈折力の好ましい比率を特定するものである。条件式(14)の下限を下回らないようにして第3レンズ群における負屈折力を確保することで第3レンズ群での増倍効果や収差を調整する機能を確保しやすくなる。条件式(14)の上限を上回らないようにして第3レンズ群における負屈折力を抑えることで、第3レンズ群での収差低減による小型化に有利となる。
条件式(14)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
0.12<P3/P1<0.6 ・・・(14’)
0.15<P3/P1<0.5 ・・・(14”)
前記ズームレンズを構成するレンズの内、少なくとも一面のレンズ面は反射防止コートを施すことが好ましい。これにより、画質の向上に有利となる。
また、本発明の撮像装置は、ズームレンズと、前記ズームレンズの像側に配置され、前記ズームレンズにより形成された像を電気信号に変換する撮像素子を備え、前記ズームレンズが上述の何れかのズームレンズであることを特徴としている。これにより小型化や高変倍比化に有利な撮像装置を提供できる。
本発明の撮像装置では、前記第4レンズ群は1つの正レンズ成分からなり、その正レンズ成分は物体側面と像側面が光軸から離れるほど曲率が正方向となる非球面であり、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分の物体側面と像側面の形状が以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
0.5<ΔASP41b/ΔASP41a<10.0 ・・・(11)
ただし、
ΔASP41aは第4レンズ群中の正レンズ成分の物体側面における、光軸から最大像高離れた位置での非球面偏倚量、
ΔASP41bは第4レンズ群中の正レンズ成分の像側面における、光軸から最大像高離れた位置での非球面偏倚量、であり、非球面偏倚量は、非球面の面頂を面頂とし、曲率半径を非球面の近軸曲率半径とした基準球面から非球面までの光軸方向での距離であり、基準球面に対して非球面が像側にある場合を正符号とし、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。
ここで、非球面偏倚量は、図14に示すように、非球面の面頂を面頂とし、曲率半径を非球面の近軸曲率半径とした基準球面から非球面までの光軸方向での距離であり、基準球面に対して非球面が像側にある場合を正符号とする。図14は、本発明の非球面レンズの非球面偏倚量を示す断面図である。
第4レンズ群の正レンズ成分の物体側面を上述の非球面とすることで望遠端でのテレセントリック性の確保に有利となる。そして、正レンズ成分の像側面を上述の非球面とすることで軸外収差の低減に有利となる。
条件式(11)は、正レンズ成分の物体側の非球面量と像側面の非球面量の好ましいバランスを特定するものである。条件式(11)の下限を下回らないようにすることで、像側面の非球面による軸外収差の補正機能の確保に有利となる。もしくは、物体側面の非球面偏倚量の過剰を抑え、軸外収差の発生を低減しやすくなる。条件式(11)の上限を上回らないようにすることで、像側面の非球面偏倚量の過剰を抑え、第4レンズ群が偏心したときの像面への影響を抑えやすくなる。もしくは、物体側面の非球面によるテレセントリック性能の確保に有利となる。
条件式(11)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.0<ΔASP41b/ΔASP41a<5.0 ・・・(11’)
1.3<ΔASP41b/ΔASP41a<3.0 ・・・(11”)
本発明の撮像装置では、前記ズームレンズが以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.5<enp(w)/IH(max)<3.0 ・・・(6)
ただし、
enp(w)は広角端におけるズームレンズの入射瞳位置であり、最も物体側のレンズの物体側面の面頂から入射瞳までの軸上距離で表し、像側を正方向とし、
IH(max)は最大像高であり、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。このように入射瞳位置を条件式(6)の範囲内にすることによって、特に第1レンズ群を径方向の小型化に有利となり、広画角化・高変倍比化に有利となる。
条件式(6)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
1.0<enp(w)/IH(max)<2.5 ・・・(6’)
1.8<enp(w)/IH(max)<2.2 ・・・(6”)
本発明の撮像装置では、前記第3レンズ群が、以下の条件式(12)を満足して移動することが好ましい。
−4.0<Dg3/IH(max)<0.1 ・・・(12)
ただし、Dg3は第3レンズ群の広角端に対する望遠端での位置の差であり、像側へ位置が変化したときを正符号、IH(max)は最大像高であり、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。
条件式(12)は第3レンズ群の移動量の好ましい移動量を特定するものである。条件式(12)を満足することで第3レンズ群が良好に変倍作用を行うことができる。下限を下回らないようにすることで、メカ機構の負担を軽減でき、沈胴時の小型化に有利となる。上限を上回らないようにすることで、第3レンズ群に増倍作用をもたせることに有利となる。
条件式(12)について、以下の条件を満足することがより好ましい。
−3.0<Dg3/IH(max)<0.0 ・・・(12’)
−1.2<Dg3/IH(max)<−0.5 ・・・(12”)
本発明の撮像装置では、前記ズームレンズによるディストーションを含んだ電気信号を、画像処理によりディストーションを補正した画像信号に変換する画像変換部を有することが好ましい。これにより、ズームレンズのディストーションを電気的に補正したうえで画像の記録や表示を行える。したがって、ズームレンズのディストーションの収差発生を許容することで、像面湾曲やコマ収差の補正に有利となり、結果的に小型のズームレンズで良好な画質を得やすくなる。
本発明の撮像装置では、前記ズームレンズによる倍率色収差を含んだ電気信号を、画像処理により倍率色収差を補正した画像信号に変換する画像変換部を有することが好ましい。これにより、ズームレンズにより撮影された画像の電気信号を、画像処理により倍率色収差による色のずれを補正した画像信号に変換する画像変換部を有することが好ましい。ズームレンズの倍率色収差を電気的に補正することで、より良好な画像を得ることができるようになる。また、ズームレンズの倍率色収差を許容することで、レンズの材料選択の自由度が確保でき、低コスト化、薄型化、高性能化に有利となる。
上述の各発明を、任意に複数を同時に満足することがより好ましい。また、各条件式について、より限定した条件式の数値範囲の上限値あるいは下限値のみを限定しても構わない。また、上述の各構成は、任意に組み合わせて構わない。
本発明によれば、広角端の画角の確保や小型化に有利な負先行のズームレンズであって、変倍比の確保及び光学性能の確保に有利なズームレンズを提供できる。
更には、そのようなズームレンズを備えた撮像装置を提供できる。
以下に、本発明にかかるズームレンズ及び撮像装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜4について説明する。実施例1〜4の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図をそれぞれ図1〜図4に示す。図1〜図4中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、明るさ(開口)絞りはS、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、赤外光を制限する波長域制限コートを施したローパスフィルタを構成する平行平板はF、電子撮像素子のカバーガラスの平行平板はC、像面はIで示してある。なお、カバーガラスCの表面に波長域制限用の多層膜を施してもよい。また、そのカバーガラスCにローパスフィルタ作用を持たせるようにしてもよい。
また、各実施例において、明るさ絞りSは第3レンズ群G3と一体で移動する。数値データはいずれも無限遠の被写体に合焦した状態でのデータである。各数値の長さの単位はmm、角度の単位は°(度)である。フォーカシングはいずれの実施例も第3レンズ群G3又は第4レンズ群G4の移動により行う。さらに、ズームデータは広角端(WE)、本発明で定義する中間ズーム状態(ST)、望遠端(TE)での値である。
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力の第3レンズ群G3と、フレア絞りFSと、正の屈折力の第4レンズ群G4と、を配置している。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像側へ移動した後に物体側へ移動する。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、からなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、両凹負レンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの物体側の面と、第2レンズ群G2の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の両凹負レンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面との7面に用いている。
実施例2のズームレンズは、図2に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、フレア絞りFSと、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4と、を配置している。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像側へ移動した後に物体側へ移動する。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、からなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の両凹負レンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面との7面に用いている。
実施例3のズームレンズは、図3に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、フレア絞りFSと、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4と、を配置している。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像側へ移動した後に物体側へ移動する。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、からなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の両凹負レンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面と、に用いている。
実施例4のズームレンズは、図4に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、フレア絞りFSと、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4と、を配置している。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は像側へ移動した後に物体側へ移動する。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、からなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の両凹負レンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面との7面に用いている。
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は上記の外、fは全系焦点距離、BFはバックフォーカス、f1、f2…は各レンズ群の焦点距離、IHは像高、FNOはFナンバー、ωは半画角、WEは広角端、STは中間焦点距離状態、TEは望遠端、r1、r2…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2…は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。後述するレンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。BF(バックフォーカス)は、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算して表したものである。
また、各非球面形状は、各実施例における各非球面係数を用いて、以下の式で表される。
但し、光軸方向の座標をZ、光軸と垂直な方向の座標をYとする。
Z=(Y/r)/[1+{1−(1+K)・(Y/r)1/2
+A4×Y+A6×Y+A8×Y+A10×Y10+A12×Y12
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、「10−n」を示している。
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -48.083 0.70 1.85135 40.10
2* 6.768 1.40
3 10.334 1.90 2.00170 20.64
4 26.408 可変
5(絞り) ∞ 0.00
6* 6.002 2.15 1.49700 81.54
7* -11.385 0.05
8 5.479 1.70 1.88300 40.76
9 68.227 0.50 2.00330 28.27
10 3.568 1.65
11 ∞ 可変
12 -49.269 0.70 1.49700 81.54
13* 25.077 可変
14* 19.132 1.90 1.85135 40.10
15* -17.405 可変
16 ∞ 0.50 1.53996 59.45
17 ∞ 0.50
18 ∞ 0.49 1.51633 64.14
19 ∞ 0.36
像面 ∞

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=2.20847e-04,A6=-5.71991e-06,A8=5.00877e-08
第2面
K=0.000
A4=-4.56869e-05,A6=-1.68478e-06,A8=-3.14664e-07,A10=1.49291e-09
第6面
K=0.000
A4=-6.82322e-04,A6=-1.81824e-05,A8=-1.16955e-06
第7面
K=0.000
A4=3.16920e-04,A6=-1.93076e-05,A8=-4.66867e-07
第13面
K=0.000
A4=1.98305e-04,A6=-1.31640e-05
第14面
K=0.000
A4=5.00000e-04
第15面
K=0.000
A4=9.87383e-04,A6=-8.17534e-06,A8=1.62332e-07,A10=-3.43516e-09

ズームデータ
広角 中間 望遠
像高 3.84 3.84 3.84
焦点距離 5.07 11.51 24.35
Fno. 2.88 4.38 6.00
画角2ω 84.31 35.56 17.05
bf 3.51 3.47 2.68
全長 36.66 31.42 36.62
d4 17.41 6.09 1.50
d11 1.00 5.19 13.91
d13 2.10 4.03 5.89
d15 2.00 1.97 1.17

各群焦点距離
f1=-13.51 f2=9.76 f3=-33.33 f4=10.97
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -27.016 0.70 1.85135 40.10
2* 7.610 1.70
3 13.311 2.20 1.92286 20.88
4 93.847 可変
5(絞り) ∞ 0.00
6* 6.462 2.50 1.49700 81.54
7* -11.052 0.00
8 7.271 2.20 1.88300 40.76
9 -9.443 0.50 1.90366 31.32
10 3.961 1.65
11 ∞ 可変
12 -22.783 1.10 1.49700 81.54
13* -60.731 可変
14* 34.126 2.00 1.77377 47.17
15* -12.529 可変
16 ∞ 0.50 1.53996 59.45
17 ∞ 0.50
18 ∞ 0.49 1.51633 64.14
19 ∞ 0.36
像面 ∞

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=4.47752e-04,A6=-8.91704e-06,A8=5.85976e-08
第2面
K=0.000
A4=1.30254e-04,A6=-1.83562e-06,A8=-3.59895e-07,A10=3.46324e-09
第6面
K=0.000
A4=-8.80733e-04,A6=-2.63541e-05,A8=-2.19176e-06
第7面
K=0.000
A4=3.66913e-06,A6=-3.40917e-05,A8=-1.13661e-06
第13面
K=0.000
A4=1.98305e-04,A6=-1.31640e-05
第14面
K=0.000
A4=4.71006e-04
第15面
K=0.000
A4=9.51166e-04,A6=8.56015e-07

ズームデータ
広角 中間 望遠
像高 3.84 3.84 3.84
焦点距離 4.53 11.60 21.74
Fno. 2.88 4.64 6.00
画角2ω 91.24 35.06 19.06
bf 4.01 3.67 2.81
全長 40.23 33.04 37.90
d4 19.84 5.45 1.50
d11 0.23 6.88 13.04
d13 1.60 2.50 6.00
d15 2.51 2.16 1.31

各群焦点距離
f1=-14.18 f2=10.62 f3=-74.07 f4=12.07
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -30.301 0.70 1.85135 40.10
2* 7.369 1.70
3 12.063 2.40 1.92286 20.88
4 52.975 可変
5(絞り) ∞ 0.00
6* 6.148 2.50 1.49700 81.54
7* -10.920 0.05
8 7.355 2.20 1.88300 40.76
9 -8.823 0.50 1.90366 31.32
10 3.900 1.65
11 ∞ 可変
12 -30.701 0.90 1.49700 81.54
13* -422.356 可変
14* 29.420 2.00 1.85135 40.10
15* -14.825 可変
16 ∞ 0.50 1.53996 59.45
17 ∞ 0.50
18 ∞ 0.49 1.51633 64.14
19 ∞ 0.36
像面 ∞

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=5.05758e-04,A6=-1.12252e-05,A8=7.90775e-08
第2面
K=0.000
A4=2.15817e-04,A6=-2.63060e-06,A8=-4.76639e-07,A10=5.15438e-09
第6面
K=0.000
A4=-8.68109e-04,A6=-2.65511e-05,A8=-1.34727e-06
第7面
K=0.000
A4=1.56167e-04,A6=-3.19277e-05,A8=-4.07166e-07
第13面
K=0.000
A4=1.98305e-04,A6=-1.31640e-05
第14面
K=0.000
A4=7.71052e-04
第15面
K=0.000
A4=1.33872e-03,A6=-4.76756e-06,A8=9.00844e-08

ズームデータ
広角 中間 望遠
像高 3.84 3.84 3.84
焦点距離 4.53 11.50 21.74
Fno. 2.88 4.63 6.00
画角2ω 91.71 35.39 19.11
bf 3.71 3.39 2.61
全長 39.66 32.68 37.37
d4 19.37 5.47 1.50
d11 0.38 6.22 12.06
d13 1.60 3.00 6.60
d15 2.20 1.88 1.11

各群焦点距離
f1=-13.96 f2=10.33 f3=-66.67 f4=11.82
数値実施例4
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -31.636 0.70 1.85135 40.10
2* 7.240 1.70
3 11.787 2.40 1.92286 20.88
4 48.425 可変
5(絞り) ∞ 0.00
6* 6.348 2.50 1.49700 81.54
7* -9.947 0.05
8 6.622 2.20 1.88300 40.76
9 -97.640 0.50 2.00330 28.27
10 3.863 1.65
11 ∞ 可変
12 -23.453 0.90 1.49700 81.54
13* -422.356 可変
14* 25.456 2.00 1.85135 40.10
15* -14.860 可変
16 ∞ 0.50 1.53996 59.45
17 ∞ 0.50
18 ∞ 0.49 1.51633 64.14
19 ∞ 0.36
像面 ∞

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=5.68001e-04,A6=-1.20030e-05,A8=8.15486e-08
第2面
K=0.000
A4=2.82841e-04,A6=-2.88733e-07,A8=-5.89488e-07,A10=5.87539e-09
第6面
K=0.000
A4=-8.90873e-04,A6=-2.94121e-05,A8=-1.92528e-06
第7面
K=0.000
A4=1.31105e-04,A6=-3.51792e-05,A8=-8.90851e-07
第13面
K=0.000
A4=1.98305e-04,A6=-1.31640e-05
第14面
K=0.000
A4=5.00000e-04
第15面
K=0.000
A4=1.04752e-03,A6=-1.19212e-05,A8=4.55281e-07,A10=-7.25591e-09

ズームデータ
広角 中間 望遠
像高 3.84 3.84 3.84
焦点距離 4.53 11.50 21.74
Fno. 2.88 4.60 6.00
画角2ω 91.40 35.38 19.06
bf 3.51 3.44 2.71
全長 39.66 32.32 36.83
d4 19.52 5.44 1.50
d11 0.43 5.84 12.53
d13 1.60 3.00 5.50
d15 2.00 1.93 1.20

各群焦点距離
f1=-13.83 f2=10.09 f3=-50.00 f4=11.28
以上の実施例1〜4の無限遠物点合焦時の収差図をそれぞれ図5〜図8に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端における、球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。各図中、“FIY”は最大像高を示す。
次に、各実施例における条件式(1)〜(14)の値を掲げる。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
(1)β2(t)2(w) 4.102 4.064 4.058 4.171
(2)β3(t)3(w) 1.046 1.022 1.037 1.037
(3)β4(t)4(w) 1.119 1.155 1.141 1.109
(4)nd11 1.85135 1.85135 1.85135 1.85135
(5)nd12 2.00170 1.92286 1.92286 1.92286
(6)enp(w)/IH(max) 2.019 2.057 2.057 2.057
(7)(r11a+r11b)/(r11a-r11b) 0.753 0.560 0.609 0.628
(8)(r31a+r31b)/(r31a-r31b) 0.325 -2.201 -1.157 -1.118
(9)ft/fw 4.803 4.799 4.799 4.799
(10)(r41a+r41b)/(r41a-r41b) 0.047 0.463 0.330 0.263
(11)ΔASP41b/ΔASP41a 1.782 2.046 1.670 1.895
(12)Dg3/IH(max) -0.771 -0.833 -1.018 -0.807
(13)P4/P2 0.890 0.880 0.873 0.895
(14)P3/P1 0.405 0.191 0.209 0.277
ΔASP41a 0.1087 0.1024 0.1677 0.1087
ΔASP41b 0.1938 0.2096 0.2801 0.2060
enp (w) 7.752 7.900 7.900 7.900
ディストーション補正時広角端像高 3.55 3.54 3.53 3.54
ディストーション補正時広角端画角 80 84.26 84 84.13
(反射防止コート)
ゴースト・フレアの発生を防止するためにレンズの空気接触面に反射防止コートを施すことは一般的に行われている。一方、接合レンズの接合面では接着材の屈折率が空気の屈折率よりも十分高い。そのためもともと単層コート並み、あるいはそれ以下の反射率となっていることが多く、あえてコートを施すことは少ない。
しかしながら、接合面にも積極的に反射防止コートを施せばさらにゴースト・フレアを軽減でき、なお良好な画像を得ることができるようになる。特に最近では高屈折率硝材が普及し収差補正効果が高いためカメラ光学系に多用されるようになってきているが、高屈折率硝材を接合レンズとして用いた場合、接合面での反射も無視できなくなってくる。そのような場合、接合面に反射防止コートを施しておくことは特に効果的である。
接合面コートの効果的な使用法に関しては、特開平2−27301号、特開2001−324676号、特開2005−92115号、USP7116482等に開示されている。使用するコート材としては、基盤となるレンズの屈折率と接着材の屈折率に応じて、比較的高屈折率なTa、TiO、Nb、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Yなどのコート材、比較的低屈折率なMgF、SiO、Alなどのコート材、などを適宜選択し、位相条件を満たすような膜厚に設定すれば良い。
当然のことながら、レンズの空気接触面へのコーティング同様、接合面コートをマルチコートとしても良い。2層あるいはそれ以上の膜数のコート材や膜厚を適宜組み合わせることで、更なる反射率の低減や、反射率の分光特性・角度特性等のコントロールなどを行うことが可能となる。また第1レンズ群以外のレンズ接合面についても、同様の思想に基づいて接合面コートを行うことが効果的なのは言うまでもない。
(ディストーションの信号処理)
本実施例のズームレンズは矩形の光電変換面上に広角端では樽型の歪曲収差が発生する。一方中間焦点距離状態付近や望遠端では歪曲収差の発生が抑えられる。歪曲収差を電気的に補正するために、有効撮像領域は、広角端では樽型形状とし、中間焦点距離状態や望遠端では矩形の形状となるようにしている。そして、あらかじめ設定した有効撮像領域を画像処理により画像変換し、歪みを低減させた矩形の画像情報に変換する。広角端での像高IHwは、中間焦点距離状態の像高IHsや望遠端での像高IHtよりも小さくなるようにしている。
(倍率色収差の信号処理)
一般に、電子スチルカメラにおいては被写体の像を、第1原色、第2原色、第3原色の3原色の像に分解して、それぞれの出力信号を演算により重ね合わせることによりカラー画像を再現するようにしている。ズームレンズに倍率色収差がある場合、第1原色の光による像を基準にして考えると、第2原色と第3原色の光による像が結像される位置は第1原色の像が結像される位置からずれることになる。
電子的に画像の倍率色収差を補正するためには、第1原色に対する第2原色、第3原色の光の結像位置のずれの量をズームレンズの収差情報に基づいて撮像素子の各画素について予め求めておく。そして撮影画像の各画素ごとに、第1原色とのズレ量だけ補正するよう座標変換を行ってやればよい。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の出力信号からなる画像について説明すれば、Gに対するRとBの結像位置ずれを各画素について求めておき、Gとのずれがなくなるように撮影画像の座標変換を行い、その後にRとBの信号を出力してやればよい。
倍率色収差はズーム、フォーカス、絞り値によって変化するが、各レンズポジション(ズーム、フォーカス、絞り値)ごとに、この第1原色からの第2原色および第3原色のずれ量を補正データとして記憶保持装置に記憶させておくとよい。ズームポジションに応じてこの補正データを参照することで、第1原色信号に対する第2及び第3原色のずれを補正した第2及び第3原色信号とを出力することができる。
また、第3レンズ群または第4レンズ群のいずれか一方をフォーカシング時に移動する構成としてもよい。数値データ中の第2レンズ群の物体側直前に明るさ絞りを配置し、像側直後にシャッターを配置している。
(歪曲収差の補正)
ところで、本発明のズームレンズを用いたときに、像の歪曲は電気的にデジタル補正する。以下に、像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念について説明する。
例えば、図9に示すように、光軸と撮像面との交点を中心として有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円周上(像高)での倍率を固定し、この円周を補正の基準とする。そして、それ以外の任意の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r'(ω)となるように同心円状に移動させることで補正する。
例えば、図9において、半径Rの円の内側に位置する任意の半径r1(ω)の円周上の点P1は、円の中心に向けて補正すべき半径r1'(ω)円周上の点P2に移動させる。また、半径Rの円の外側に位置する任意の半径r2(ω)の円周上の点Q1は、円の中心から離れる方向に向けて補正すべき半径r2'(ω)円周上の点Q2に移動させる。
ここで、r'(ω)は次のように表すことができる。
r'(ω)=α・f・tanω (0≦α≦1)
ただし、
ωは被写体半画角、fは結像光学系(本発明では、ズームレンズ)の焦点距離である。
ここで、前記半径Rの円上(像高)に対応する理想像高をYとすると、
α=R/Y=R/(f・tanω)
となる。
光学系は、理想的には、光軸に対して回転対称であり、すなわち歪曲収差も光軸に対して回転対称に発生する。したがって、上述のように、光学的に発生した歪曲収差を電気的に補正する場合には、再現画像上で光軸と撮像面との交点を中心とした有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円の円周上(像高)の倍率を固定して、それ以外の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r'(ω)となるように同心円状に移動させることで補正することができれば、データ量や演算量の点で有利と考えられる。
ところが、光学像は、電子撮像素子で撮像された時点で(サンプリングのため)連続量ではなくなる。したがって、厳密には光学像上に描かれる上記半径Rの円も、電子撮像素子上の画素が放射状に配列されていない限り正確な円ではなくなる。
つまり、離散的座標点毎に表される画像データの形状補正においては、上記倍率を固定できる円は存在しない。そこで、各画素(Xi,Yj)毎に、移動先の座標(Xi',Yj' )を決める方法を用いるのがよい。なお、座標(Xi',Yj')に(Xi,Yj)の2点以上が移動してきた場合には、各画素が有する値の平均値をとる。また、移動してくる点がない場合には、周囲のいくつかの画素の座標(Xi',Yj')の値を用いて補間すればよい。
このような方法は、特にズームレンズを有する電子撮像装置において光学系や電子撮像素子の製造誤差等のために光軸に対して歪みが著しく、前記光学像上に描かれる上記半径Rの円が非対称になった場合の補正に有効である。また、撮像素子あるいは各種出力装置において信号を画像に再現する際に幾何学的歪み等が発生する場合等の補正に有効である。
本発明の電子撮像装置では、補正量r’(ω)−r(ω)を計算するために、r(ω)すなわち半画角と像高との関係、あるいは、実像高rと理想像高r’/αとの関係が、電子撮像装置に内蔵された記録媒体に記録されている構成としてもよい。
なお、歪曲補正後の画像が短辺方向の両端において光量が極端に不足することのないようにするには、前記半径Rが、次の条件式を満足するのがよい。
0≦R≦0.6Ls
ただし、Lsは有効撮像面の短辺の長さである。
好ましくは、前記半径Rは、次の条件式を満足するのがよい。
0.3Ls≦R≦0.6Ls
さらには、半径Rは、略有効撮像面の短辺方向の内接円の半径に一致させるのが最も有利である。なお、半径R=0の近傍、すなわち、軸上近傍において倍率を固定した補正の場合は、画質の面で若干の不利があるが、広角化しても小型化にするための効果は確保できる。
なお、補正が必要な焦点距離区間については、いくつかの焦点ゾーンに分割する。そして、該分割された焦点ゾーン内の望遠端近傍で略、
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合と同じ補正量で補正してもよい。
ただし、その場合、分割された焦点ゾーン内の広角端において樽型歪曲量がある程度残存してしまう。また、分割ゾーン数を増加させてしまうと、補正のために必要な固有データを記録媒体に余計に保有する必要が生じあまり好ましくない。そこで、分割された焦点ゾーン内の各焦点距離に関連した1つ又は数個の係数を予め算出しておく。この係数は、シミュレーションや実機による測定に基づいて決定しておけばよい。
そして、前記分割されたゾーン内の望遠端近傍で略、
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合の補正量を算出し、この補正量に対して焦点距離毎に前記係数を一律に掛けて最終的な補正量にしてもよい。
ところで、無限遠物体を結像させて得られた像に歪曲がない場合は、
f=y/tanω
が成立する。
ただし、yは像点の光軸からの高さ(像高)、fは結像系(本発明ではズームレンズ)の焦点距離、ωは撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度(被写体半画角)である。
結像系に樽型の歪曲収差がある場合は、
f>y/tanω
となる。つまり、結像系の焦点距離fと、像高yとを一定とすると、ωの値は大きくなる。
(デジタルカメラ)
図10〜図12は、以上のようなズームレンズを撮影光学系141に組み込んだ本発明によるデジタルカメラの構成の概念図を示す。図10はデジタルカメラ140の外観を示す前方斜視図、図11は同後方正面図、図12はデジタルカメラ140の構成を示す模式的な断面図である。ただし、図10と図12においては、撮影光学系141の非沈胴時を示している。デジタルカメラ140は、この例の場合、撮影用光路142を有する撮影光学系141、ファインダー用光路144を有するファインダー光学系143、シャッターボタン145、フラッシュ146、液晶表示モニター147、焦点距離変更ボタン161、設定変更スイッチ162等を含み、撮影光学系141の沈胴時には、カバー160をスライドすることにより、撮影光学系141とファインダー光学系143とフラッシュ146はそのカバー160で覆われる。そして、カバー160を開いてカメラ140を撮影状態に設定すると、撮影光学系141は図12の非沈胴状態になり、カメラ140の上部に配置されたシャッターボタン145を押圧すると、それに連動して撮影光学系141、例えば実施例1のズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系141によって形成された物体像が、波長域制限コートを施したローパスフィルタFとカバーガラスCを介してCCD149の撮像面上に形成される。このCCD149で受光された物体像は、処理手段151を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター147に表示される。また、この処理手段151には記録手段152が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段152は処理手段151と別体に設けてもよいし、フレキシブルディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD149に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
さらに、ファインダー用光路144上にはファインダー用対物光学系153が配置してある。ファインダー用対物光学系153は、複数のレンズ群(図の場合は3群)と2つのプリズムからなり、撮影光学系141のズームレンズに連動して焦点距離が変化するズーム光学系からなり、このファインダー用対物光学系153によって形成された物体像は、像正立部材である正立プリズム155の視野枠157上に形成される。この正立プリズム155の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系159が配置されている。なお、接眼光学系159の射出側にカバー部材150が配置されている。
このように構成されたデジタルカメラ140は、撮影光学系141が本発明により、沈胴時に厚みを極めて薄く、高変倍で全変倍域で結像性能が極めて安定的であるので、高性能・小型化・広角化が実現できる。
(内部回路構成)
図13は、上記デジタルカメラ140の主要部の内部回路の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、上記の処理手段は、例えばCDS/ADC部124、一時記憶メモリ117、画像処理部118等からなり、記憶手段は、例えば記憶媒体部119等からなる。
図13に示すように、デジタルカメラ140は、操作部112と、この操作部112に接続された制御部113と、この制御部113の制御信号出力ポートにバス114及び115を介して接続された撮像駆動回路116並びに一時記憶メモリ117、画像処理部118、記憶媒体部119、表示部120、及び設定情報記憶メモリ部121を備えている。
上記の一時記憶メモリ117、画像処理部118、記憶媒体部119、表示部120、及び設定情報記憶メモリ部121は、バス122を介して相互にデータの入力又は出力が可能なように構成され、また、撮像駆動回路116には、CCD149とCDS/ADC部124が接続されている。
操作部112は各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらの入力ボタンやスイッチを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する回路である。
制御部113は、例えばCPU等からなる中央演算処理装置であり、不図示のプログラムメモリを内蔵し、そのプログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、操作部112を介してカメラ使用者から入力される指示命令を受けてデジタルカメラ140全体を制御する回路である。
CCD149は、本発明による撮影光学系141を介して形成された物体像を受光する。CCD149は、撮像駆動回路116により駆動制御され、その物体像の各画素ごとの光量を電気信号に変換してCDS/ADC部124に出力する撮像素子である。
CDS/ADC部124は、CCD149から入力する電気信号を増幅しかつアナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時記憶メモリ117に出力する回路である。
一時記憶メモリ117は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部124から出力される上記RAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部118は、一時記憶メモリ117に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部119に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部113から指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
記録媒体部119は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、それらカード型又はスティック型のフラッシュメモリに、一時記憶メモリ117から転送されるRAWデータや画像処理部118で画像処理された画像データを記録して保持する装置の制御回路である。
表示部120は、液晶表示モニターを備え、その液晶表示モニターに画像や操作メニュー等を表示する回路である。設定情報記憶メモリ部121には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、そのROM部から読み出された画質パラメータの中から操作部112の入力操作によって選択された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。設定情報記憶メモリ部121は、それらのメモリへの入出力を制御する回路である。
このように構成されたデジタルカメラ140は、撮影光学系141が、本発明により、十分な広角域を有し、コンパクトな構成としながら、高変倍で全変倍域で結像性能が極めて安定的であるので、高性能・小型化・広角化が実現できる。そして、広角側、望遠側での速い合焦動作が可能となる。
なお以上の各実施例は、前記特許請求の範囲や下記の付記の構成に合わせて種々変更することができる。
以上の本発明のズームレンズは例えば次のように構成することができる。
(構成1)
また、前述の第1または第2の側面の発明に加えて、もしくは独立して以下の構成を満足してもよい。
(付記項1)
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、前記第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、前記第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、前記第3レンズ群は移動し、前記第1レンズ群は負レンズと正レンズの2枚の単レンズからなり、前記第2レンズ群は物体側から順に正レンズ、正レンズ、負レンズからなり、前記第3レンズ群は1枚または2枚のレンズからなり、前記第4レンズ群は1枚または2枚のレンズなることを特徴とする4群ズームレンズ。
この構成によれば、負先行タイプのズームレンズとすることで小型化と広画角化に有利となる。上述の4群ズームレンズとしたので、第2レンズ群の移動にて変倍機能を確保できる。第3レンズ群の移動にて変倍負担や収差の調整を行える。第1レンズ群の移動により、像面位置を調整する機能をもたせられる。第4レンズ群は射出瞳を像面から離す機能をもつ。
各レンズ群内の構成を上述のようにすることで少ないレンズ枚数でありながら変倍比の確保と収差の低減の両立、小型化に有利となる。
第1レンズ群を上述の構成としたので、第1レンズ群の主点を物体側よりにでき、径方向のサイズの小型化やズームレンズ全長の小型化に有利となる。
第2レンズ群を上述の構成とすることで、主点を物体側よりにでき、変倍負担を確保しやすくできる。また、球面収差を良好に補正しながら、ペッツバール和のバランスをとることができる。更には、色収差の補正のため、正レンズと負レンズを接合してもよい。
第3レンズ群、第4レンズ群はレンズ2枚以下としても機能を確保できるので、枚数低減により沈胴時の小型化を行うことが好ましい。
上記付記項にて以下の構成、もしくは、上述の第1、第2の側面における好ましい構成を一つもしくは複数を同時満足することがより好ましい。
更には、以下のようにしてもよい。
(付記項2)
前記第3レンズ群は1枚のレンズからなり、第4レンズ群は1枚のレンズからなることを特徴とする前記何れかの請求項または付記項1に記載のズームレンズ。
これにより、コストと沈胴時の薄型化を達成できる。
(付記項3)
前記第4レンズ群は変倍時可動であることを特徴とする付記項1または2に記載のズームレンズ。
これにより、変倍時の増倍作用や収差変動の低減に有利となる。
(付記4)
フォーカシングの際に第4レンズ群が移動することを特徴とする前記何れかの請求項または付記項1から3の何れかに記載のズームレンズ。
これにより、第4レンズ群をフォーカシングレンズ群とすることでメカ駆動機構の負担軽減に有利となる。
以上のように、本発明にかかるズームレンズは、高変倍比を有しながら光学性能の確保や小型化する場合に有用である。
本発明のズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。 本発明のズームレンズの実施例2の図1と同様の図である。 本発明のズームレンズの実施例3の図1と同様の図である。 本発明のズームレンズの実施例4の図1と同様の図である。 実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例2の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例3の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例4の無限遠物点合焦時の収差図である。 歪曲収差の補正を説明する図である。 本発明による沈胴式のズームレンズを組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 上記デジタルカメラの後方斜視図である。 上記デジタルカメラの断面図である。 デジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。 本発明の非球面レンズの非球面偏倚量を示す断面図である。
符号の説明
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
S…明るさ絞り
LPF…ローパスフィルタ
CG…カバーガラス
I…像面
112…操作部
113…制御部
114…バス
115…バス
116…撮像駆動回路
117…一時記憶メモリ
118…画像処理部
119…記憶媒体部
120…表示部
121…設定情報記憶メモリ部
122…バス
124…CDS/ADC部
140…デジタルカメラ
141…撮影光学系
142…撮影用光路
143…ファインダー光学系
144…ファインダー用光路
145…シャッターボタン
146…フラッシュ
147…液晶表示モニター
149…CCD
150…カバー部材
151…処理手段
152…記録手段
153…ファインダー用対物光学系
155…正立プリズム
157…視野枠
159…接眼光学系
160…カバー
161…焦点距離変更ボタン
162…設定変更スイッチ

Claims (27)

  1. 物体側から順に、
    負の屈折力を有する第1レンズ群、
    正の屈折力を有する第2レンズ群、
    負の屈折力を有する第3レンズ群、
    正の屈折力を有する第4レンズ群
    を有し、
    前記第1レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置された明るさ絞りを有し、
    広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、前記第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、
    前記第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、
    前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間の間隔は、広角端よりも望遠端にて広がり、
    前記明るさ絞りは広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、
    前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とするズームレンズ。
    3.1<β2(t)/β2(w)<6.0 ・・・(1)
    1.00<β3(t)/β3(w)<1.25 ・・・(2)
    ただし、
    β2(w)、β2(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における前記第2レンズ群の横倍率、
    β3(w)、β3(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における前記第3レンズ群の横倍率、
    である。
  2. 物体側から順に、
    負の屈折力を有する第1レンズ群、
    正の屈折力を有する第2レンズ群、
    負の屈折力を有する第3レンズ群、
    正の屈折力を有する第4レンズ群
    を有し、
    前記第1レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置された明るさ絞りを有し、
    広角端から望遠端への変倍に際して各レンズ群の間の間隔が変化するように、前記第1レンズ群は像側に移動後物体側に移動し、
    前記第2レンズ群は広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、
    前記第4レンズ群は広角端よりも望遠端にて像側に位置するように移動し、
    前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間の間隔は、広角端よりも望遠端にて広がり、
    前記明るさ絞りは広角端よりも望遠端にて物体側に位置するように移動し、
    前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が以下の条件式(1)、(3)を満足することを特徴とするズームレンズ。
    3.1<β2(t)/β2(w)<6.0 ・・・(1)
    1.02<β4(t)/β4(w)<3.00 ・・・(3)
    ただし、
    β2(w)、β2(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における前記第2レンズ群の横倍率、
    β4(w)、β4(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における前記第4レンズ群の横倍率、
    である。
  3. 前記第4レンズ群は広角端よりも望遠端にて像面側に位置するように移動し、前記第4レンズ群が以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    1.02<β4(t)/β4(w)<3.00 ・・・(3)
    ただし、β4(w)、β4(t)は、それぞれ、広角端、望遠端における前記第4レンズ群の横倍率である。
  4. 前記第3レンズ群と前記第4レンズ群が広角端から望遠端への変倍に際して移動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズ成分、正レンズ成分の2つのレンズ成分からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記ズームレンズが物体側から順に前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群からなる4群ズームレンズであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第1レンズ群中の前記負レンズ成分は以下の条件式(4)を満足する負レンズを有することを特徴とする請求項5に記載のズームレンズ。
    1.80<nd11<2.5 ・・・(4)
    ただし、nd11は前記第1レンズ群の前記負レンズ成分中の何れかの負レンズのd線に対する屈折率である。
  8. 前記第1レンズ群の前記正レンズ成分は以下の条件式(5)を満足する負レンズを有することを特徴とする請求項5または請求項7に記載のズームレンズ。
    1.80<nd12<2.5 ・・・(5)
    ただし、nd12は前記第1レンズ群の前記正レンズ成分中の何れかの正レンズのd線に対する屈折率である。
  9. 前記第1レンズ群が以下の条件式(7)を満足する形状の負レンズ成分を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    0.3<(r11a+r11b)/(r11a−r11b)<1.01 ・・・(7)
    ただし、
    11aは前記第1レンズ群の前記負レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
    11bは前記第1レンズ群の前記負レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
  10. 前記第1レンズ群の前記負レンズ成分は、物体側面が光軸から離れるにしたがって、曲率が正方向に大きくなることを特徴とする請求項9に記載のズームレンズ。
  11. 前記第3レンズ群は1つの負レンズ成分からなることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  12. 前記第3レンズ群の前記負レンズ成分が、以下の条件式(8)を満足する形状であることを特徴とする請求項11に記載のズームレンズ。
    −5.0<(r31a+r31b)/(r31a−r31b)<3.0 ・・・(8)
    ただし、
    31aは、前記第3レンズ群の前記負レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
    31bは、第3レンズ群の負レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
  13. 前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群の各々が非球面レンズを有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  14. 前記ズームレンズは以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    3.5<ft/fw<10 ・・・(9)
    ただし、
    tは望遠端における前記ズームレンズ全系の焦点距離、
    wは広角端における前記ズームレンズ全系の焦点距離である。
  15. 前記第4レンズ群は1つの正レンズ成分から構成されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  16. 前記第4レンズ群の前記正レンズ成分は、物体側面が光軸から離れるほど曲率が正方向となる非球面であり、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分は以下の条件式(10)を満足する形状であることを特徴とする請求項15に記載のズームレンズ。
    −0.7<(r41a+r41b)/(r41a−r41b)<3.0 ・・・(10)
    ただし、
    41aは、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分の物体側面の近軸曲率半径、
    41bは、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分の像側面の近軸曲率半径である。
  17. 前記明るさ絞りが第2レンズ群の物体側直前に配置され、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群と一体で移動することを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  18. 前記第3レンズ群または前記第4レンズ群がフォーカシング時に移動することを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  19. 前記第2レンズ群と前記第4レンズ群が以下の条件式(13)を満足することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    0.65<P4/P2<1.0 ・・・(13)
    ただし、
    2は前記第2レンズ群の屈折力、
    4は前記第4レンズ群の屈折力である。
  20. 前記第1レンズ群と前記第3レンズ群が以下の条件式(14)を満足することを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    0.1<P3/P1<0.7 ・・・(14)
    ただし、
    3は前記第3レンズ群の屈折力、
    1は前記第1レンズ群の屈折力である。
  21. 前記ズームレンズを構成するレンズの内、少なくとも一面のレンズ面は反射防止コートを施すことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  22. ズームレンズと、前記ズームレンズの像側に配置され、前記ズームレンズにより形成された像を電気信号に変換する撮像素子を備え、前記ズームレンズが請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のズームレンズであることを特徴とする撮像装置。
  23. 前記第4レンズ群は1つの正レンズ成分からなり、その正レンズ成分は物体側面と像側面が光軸から離れるほど曲率が正方向となる非球面であり、前記第4レンズ群の前記正レンズ成分の物体側面と像側面の形状が以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項22に記載の撮像装置。
    0.5<ΔASP41b/ΔASP41a<10.0 ・・・(11)
    ただし、
    ΔASP41aは第4レンズ群中の正レンズ成分の物体側面における、光軸から最大像高離れた位置での非球面偏倚量、
    ΔASP41bは第4レンズ群中の正レンズ成分の像側面における、光軸から最大像高離れた位置での非球面偏倚量、であり、非球面偏倚量は、非球面の面頂を面頂とし、曲率半径を非球面の近軸曲率半径とした基準球面から非球面までの光軸方向での距離であり、基準球面に対して非球面が像側にある場合を正符号とし、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。
  24. 前記ズームレンズが以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の撮像装置。
    0.5<enp(w)/IH(max)<3.0 ・・・(6)
    ただし、
    enp(w)は広角端におけるズームレンズの入射瞳位置であり、最も物体側のレンズの物体側面の面頂から入射瞳までの軸上距離で表し、像側を正方向とし、
    IH(max)は最大像高であり、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。
  25. 前記第3レンズ群が、以下の条件式(12)を満足して移動することを特徴とする請求項22から請求項24のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    −4.0<Dg3/IH(max)<0.1 ・・・(12)
    ただし、
    g3は第3レンズ群の広角端に対する望遠端での位置の差であり、像側へ位置が変化したときを正符号とし、
    IH(max)は最大像高であり、最大像高が変化する場合は、とり得る範囲での最大値とする。
  26. 前記ズームレンズによるディストーションを含んだ電気信号を、画像処理によりディストーションを補正した画像信号に変換する画像変換部を有することを特徴とする請求項22から請求項25のいずれか1項に記載の撮像装置。
  27. 前記ズームレンズによる倍率色収差を含んだ電気信号を、画像処理により倍率色収差を補正した画像信号に変換する画像変換部を有することを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか1項に記載の撮像装置。
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