JP2010053295A - スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー組成物及び成形体 - Google Patents

スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】スチレン系エラストマー中での分散性が良好であり、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良する加工助剤、該加工助剤を含有するスチレン系エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2000万であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体を含有する、スチレン系エラストマー用加工助剤、及び、該加工助剤とスチレン系エラストマーを含有するスチレン系エラストマー組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良するスチレン系エラストマー用加工助剤、該加工助剤を含有するスチレン系エラストマー組成物及びその成形体に関する。
熱可塑性エラストマーは、加硫工程を必要とせずにゴム弾性を発現する材料であり、自動車部品、家電部品、電線被覆、履物、雑貨等の分野で注目されている。現在、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系、塩化ビニル系等の種々の材料が開発されている。
熱可塑性エラストマーの中でも、スチレン系エラストマーは、柔軟性、耐寒性、耐吸湿性等に優れ、しかも容易にゴム弾性を発現する成形体とすることができることから、既存の加硫ゴム代替としての用途のみならず、自動車部品、家電部品、建築材料、土木材料等の工業製品や、医療用品、スポーツ用品、各種容器等、様々な分野で実用化されている。
スチレン系エラストマーの中でも、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック型、スチレン−イソプレン−スチレンブロック型、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック型等は、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を発現する。また、水素添加されたスチレン系エラストマーでは、耐熱性、耐候性が改良される。これらのスチレン系エラストマーは、成形加工時の溶融張力が低いため、成形加工性には問題があった。
特許文献1及び2では、ポリオレフィン樹脂の成形加工性を改良する方法として、ポリオレフィン樹脂に長鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート重合体を添加する方法が提案されている。しかしながら、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良する方法については、開示されていない。
特開平8−302098号公報 特開平9−255816号公報
本発明の目的は、スチレン系エラストマー中での分散性が良好であり、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良する加工助剤、該加工助剤を含有するスチレン系エラストマー組成物及びその成形体を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2000万であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体をスチレン系エラストマーに添加することによって、得られる成形体の表面外観を損なうことなく、成形加工性を改良できることを見出した。
即ち、本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2000万であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体を含有する。アルキル(メタ)アクリレート系重合体は、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とすることが好ましい。
また、本発明のスチレン系エラストマー組成物は、前記のスチレン系エラストマー用加工助剤及びスチレン系エラストマーを含有する。
本発明の成形体は、前記のスチレン系エラストマー組成物を成形して得られる。
本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、スチレン系エラストマー中での分散性が良好であり、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良することができる。
本発明のスチレン系エラストマー組成物は、成形加工性に優れ、得られる成形体の表面外観を損なうことがない。
本発明の成形体は、表面外観に優れる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体は、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2000万である。
アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とすることで、スチレン系エラストマー中での分散性が良好となる。アルキル(メタ)アクリレート単位が有するアルキル基の炭素数は、スチレン系エラストマー中での分散性と、加工助剤としての粉体特性のバランスから、2〜13が好ましく、2〜6がより好ましい。
アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を構成する原料である、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体の中では、スチレン系エラストマー中での分散性が良好となることから、n−ブチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートが好ましい。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体は、必要に応じて、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位以外の、その他の単量体単位を含有してもよい。
その他の単量体単位を構成する原料である、その他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の光安定化能基含有単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン含有単量体が挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート系重合体(100質量%)中の、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位の含有率は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位の含有率が50質量%以上であれば、スチレン系エラストマー中での分散性が良好となる。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体は、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分をラジカル重合又はイオン重合等で重合することにより得ることができる。重合方法としては、ラジカル重合が好ましい。
ラジカル重合による単量体成分の重合方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が挙げられる。中でも、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を粉体状又は顆粒状の形態で得られることから、乳化重合が好ましい。乳化重合は公知の方法を用いることができる。
乳化重合には、公知の各種乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、スルホン酸系塩化合物、硫酸系塩化合物、燐酸エステル系塩化合物等のアニオン系乳化剤が好ましい。乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乳化重合には、公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩化合物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;上記の過硫酸塩化合物又は有機過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。これらの中では、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムが好ましい。
重合温度は、開始剤の種類によるが、通常40〜80℃である。
乳化重合で得られるアルキル(メタ)アクリレート系重合体のラテックスを粉体化する方法としては、凝析法及びスプレードライ法等が挙げられる。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体の質量平均分子量は、15万〜2000万である。質量平均分子量が15万以上であれば、成形加工性の改良効果に優れる。また、質量平均分子量が2000万以下であれば、スチレン系エラストマー中での分散性が良好となる。
アルキル(メタ)アクリレート系重合体の質量平均分子量は、50万以上が好ましく、100万以上がより好ましく、160万以上がさらに好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレート系重合体の質量平均分子量は、1500万以下が好ましく、700万以下がより好ましい。
本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体のラテックス中における質量平均粒子径は、50〜250nmが好ましい。質量平均粒子径が50nm以上であれば、乳化重合で用いた乳化剤がスチレン系エラストマーに与える影響を最小限に抑えることができる。また、質量平均粒子径が250nm以下であれば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体の重合時の停止反応が起こりにくく、質量平均分子量が160万以上の分子量を得ることが容易である。
本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、本発明のアルキル(メタ)アクリレート系重合体を含有する。
スチレン系エラストマー用加工助剤は、アルキル(メタ)アクリレート系重合体の1種を含有してもよく、分子量、組成、粒子径等の異なる2種以上を含有してもよい。
また、スチレン系エラストマー用加工助剤は、アルキル(メタ)アクリレート系重合体の他に、スチレン系エラストマー用加工助剤としての特性を損なわない範囲において、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等の各種添加剤を含有してもよい。
本発明で用いるスチレン系エラストマーは、特に限定されないが、柔軟性、ゴム弾性、高温流動性の点で、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック型、スチレン−イソプレン−スチレンブロック型、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック型から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
これらの中でも、水素添加されたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック型(以下、「水添SEBS」という。)が特に好ましい。
水添SEBSとしては、例えば、商品名「タフテックH1031」、「同H1041」、「同H1043」、「同H1051」、「同H1052」、「同H1053」、「同H1062」、「同1141」、「同1221」、「同1272」(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、商品名「ダイナロン8601P」、「同9901P」(以上、JSR(株)製)が挙げられる。
これらの水添SEBSは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のスチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー用加工助剤及びスチレン系エラストマーを含有する。
スチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、スチレン系エラストマー用加工助剤を、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部含有する。
スチレン系エラストマー100質量部に対するスチレン系エラストマー用加工助剤の含有量が0.5質量部以上であれば、スチレン系エラストマーに対する成形加工性の改良効果が十分に発現する。また、スチレン系エラストマー100質量部に対するスチレン系エラストマー用加工助剤の含有量が20質量部以下であれば、スチレン系エラストマーが有する特性を損なうことがない。
本発明のスチレン系エラストマー組成物は、必要に応じて、補強剤、吸湿剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、染顔料、防黴剤、抗菌剤、無機充填剤等の公知の添加剤を添加することができる。
また、前記以外のポリマー、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を配合することもできる。
本発明のスチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー、及び必要に応じて各種添加剤及びその他のポリマーを配合した後、押出混練、ロール混練等の公知の方法で溶融混練することにより、調製される。
また、スチレン系エラストマー用加工助剤及びスチレン系エラストマーの一部を混合してマスターバッチを作製した後、残部のスチレン系エラストマーを配合する多段階の配合も可能である。
スチレン系エラストマー組成物は、成形加工時の溶融張力が向上するため、真空成形又はブロー成形における溶融樹脂のドローダウン、発泡成形におけるセルの連泡化、カレンダー成形における引取性が改良され、真空成形、ブロー成形、発泡成形、カレンダー成形等の成形加工性が改良される。
また、押出成形における吐出量、シート及びフィルム等の押出成形体の表面外観が改良され、押出成形の成形加工性も改良される。
本発明の成形体は、本発明のスチレン系エラストマー組成物を、公知の方法によって成形して得られる。成形方法としては、例えば、カレンダー成形、熱成形、押出成形、押出ブロー成形、射出成形、発泡成形が挙げられる。本発明の成形体としては、例えば、押出成形によるシート、フィルム及び異型成形体、押出ブロー成形又は射出成形による中空成形体、射出成形体、発泡成形体が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
また、各実施例、比較例での諸物性の測定は、以下の(1)〜(5)の方法による。
(1)質量平均分子量
アルキル(メタ)アクリレート系重合体の質量平均分子量は、アルキル(メタ)アクリレート系重合体のテトラヒドロフラン可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220:東ソー(株)製)、カラム(TSK−GEL SUPER HZM−M:東ソー(株)製)を用いて測定した。
本発明における質量平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線から求めた。
(2)質量平均粒子径
ラテックスを脱イオン水で希釈したものを試料として、粒度分布計(CHDF2000型:MATEC社製)を用いて測定した。
測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行なった。即ち、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性:ほぼ中性、流速:1.4ml/分、圧力:約4000psi(2600KPa)、温度:35℃を保った状態で、ラテックスを濃度約3%に希釈した試料0.1mlを測定に用いた。
標準粒子径物質としては、粒子径既知の単分散ポリスチレンを20〜800nmの範囲で合計12点用いた。
(3)粉体としての取扱い性
加工助剤を8メッシュの篩を通過させた。以下の基準により、粉体としての取扱い性を評価した。
○:メッシュを通過した量が90%以上
△:メッシュを通過した量が50%以上〜90%未満
×:メッシュを通過した量が50%未満
(4)溶融張力
成形加工性の指標として、溶融張力を評価した。溶融張力は熱成形性、ブロー成形性、発泡成形性等の指標であり、溶融張力の向上は成形加工性の向上と見なし得る。
溶融張力は、以下のようにして測定した。
スチレン系エラストマーを、キャピラリー式レオメーター(ツインキャピラリーレオメーター RH−7:ROSAND社製)を用いて、一定量(0.54cm/分)で押し出し、ストランドを一定速度(6m/分)で引き取った。ダイスのL/Dは16.0mm×φ1.0mm、温度は190℃とした。
以下の基準により、溶融張力の向上効果を評価した。
○:ブランクに対して1.5倍以上
△:ブランクに対して1.2倍以上、1.5倍未満
×:ブランクに対して1.2倍未満
(製造例1) アルキル(メタ)アクリレート系重合体(1)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに、イソブチルメタクリレート100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.1部、脱イオン水300部を投入し、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、過硫酸カリウム0.15部を添加した。その後、60℃で加熱撹拌を2時間継続して重合を終了し、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(1)のラテックスを得た。
得られたアルキル(メタ)アクリレート系重合体(1)のラテックスを、酢酸カルシウム5部を含む熱水100部中に滴下してラテックスの凝析を行なった。
凝析物を分離洗浄後、65℃で16時間乾燥して、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(1)を得た。
(製造例2〜5) アルキル(メタ)アクリレート系重合体(2)〜(5)の製造
仕込み組成を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様にして、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(2)〜(5)を得た。
(製造例6) アルキル(メタ)アクリレート系重合体(6)の製造
下記の単量体混合物を、ホモミキサーを用いて10000rpmで6分間攪拌した後、ホモジナイザーを用いて圧力200kg/cmで強制乳化し、乳化混合物を得た。
単量体混合物:
2−エチルヘキシルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を投入し、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、下記の還元剤水溶液を投入した。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.0003部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.0009部
ロンガリット 0.1部
脱イオン水 5部
次いで、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.15部を加えた。
その後、加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(6)のラテックスを得た。これ以降の操作は、製造例1と同様にして、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(6)を得た。
(製造例7,8) アルキル(メタ)アクリレート系重合体(7),(8)の製造
仕込み組成を表1に記載の割合に変更した以外は、製造例1と同様にして、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(7),(8)を得た。
(製造例9) アルキル(メタ)アクリレート系重合体(9)の製造
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン2部を加えたこと以外は、製造例6と同様にして、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(9)を得た。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
得られたアルキル(メタ)アクリレート系重合体(1)〜(9)を、スチレン系エラストマー用加工助剤(A−1)〜(A−9)とした。
スチレン系エラストマー用加工助剤(A−1)〜(A−9)の、粉体としての取扱い性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2010053295
表中の略号は下記の通り。
iBMA :イソブチルメタクリレート
nBMA :n−ブチルメタクリレート
2EHMA :2−エチルヘキシルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
nBA :n−ブチルアクリレート
連鎖移動剤 :n−オクチルメルカプタン
(実施例7〜12、比較例4〜6)
スチレン系エラストマーとして、タフテックH1062(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、スチレン系エラストマー用加工助剤(A−1)〜(A−8)と、表2に示す割合で配合した。
その後、単軸押出機(サーモプラスチクス(株)製)を用いて、バレル温度190℃、スクリュー回転数35rpmにて溶融混練し、スチレン系エラストマー組成物を得た。比較例6については、スチレン系エラストマー用加工助剤を配合せずに同様の操作を行なった。
得られたスチレン系エラストマー組成物の溶融張力を表2に示す。
Figure 2010053295
表1から明らかなように、実施例1〜6及び比較例1,2のスチレン系エラストマー用加工助剤は粉体としての取扱い性が良好であったが、比較例3のスチレン系エラストマー用加工助剤は粉体としての取扱い性が不良であることが認められた。
表2から明らかなように、本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤を配合した実施例7〜12のスチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー用加工助剤を配合していない比較例6に比べて、溶融張力の向上が認められた。
一方、比較例4のスチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー用加工助剤の質量平均分子量が本発明の範囲外であり、溶融張力向上効果は認められなかった。
比較例5のスチレン系エラストマー組成物は、スチレン系エラストマー用加工助剤の組成が本発明の範囲外であり、スチレン系エラストマーとの相溶性が低く、押出時にストランド切れが発生するため、溶融張力の測定を断念した。
以上、表1及び2から、本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、粉体取扱い性に優れると共に、溶融張力の向上効果にも優れることが認められた。従って、本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、工業上極めて有用であることが分かる。
本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤は、スチレン系エラストマー中での分散性が良好であり、スチレン系エラストマーの成形加工性を改良することができる。
本発明のスチレン系エラストマー用加工助剤をスチレン系エラストマーに配合することにより、カレンダー成形時の引取性、熱性形成、ブロー成形性、発泡成形性等に優れたスチレン系エラストマー組成物を提供することができる。また、本発明のスチレン系エラストマー組成物は、シート及びフィルム等の押出成形体の表面状態が改良され、押出加工性が良好である。
本発明により得られたスチレン系エラストマー組成物は種々の用途に使用できる。具体的には、食品容器や食品包装等の食品関連用途、日用雑貨、玩具・運動用具用途、文具用途、自動車内外装用途、土木・建築用途、家電機器用途、衣料・履物用途、医療用途、衛生用品、包装輸送資材、電線用途等に利用可能である。

Claims (4)

  1. アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2000万であるアルキル(メタ)アクリレート系重合体を含有する、スチレン系エラストマー用加工助剤。
  2. アルキル基の炭素数が2〜6のアルキル(メタ)アクリレート単位を主成分とする、請求項1に記載のスチレン系エラストマー用加工助剤。
  3. 請求項1又は2に記載のスチレン系エラストマー用加工助剤及びスチレン系エラストマーを含有する、スチレン系エラストマー組成物。
  4. 請求項3に記載のスチレン系エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
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