JP2010052508A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングシャフトと、伝達比可変機構のうちステアリングシャフトに連結される部材との間で十分なトルクを伝達できるとともに、両者間にがたつきが生じることを防止でき、さらには両者が軸方向に抜けることを確実に規制でき、且つ小型化を達成することのできる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】伝達比可変機構5は、第1のシャフト11が嵌合される入力部材20と、第2のシャフト22が嵌合される出力部材22と、これらの部材20,22を差動回転可能に連結する内輪391とを含む。第1のシャフト11と入力部材20は、第1の連結要素としてのスプライン嵌合部138によって連結されているとともに、第2の連結要素としてのタイトフィット部137によって連結されており、さらに、第3の連結要素としてのプッシュナット121によって、第1のシャフト11からの入力部材20の離脱が防止されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用操舵装置に関する。
入力回転角に対する出力回転角の比としての伝達比を変化することのできる伝達比可変機構として、揺動歯車機構を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
揺動歯車機構は、互いに対向する第1および第4歯車と、第1および第4歯車の間に配置され第1および第4歯車に対して傾斜した揺動歯車と、を備えている。揺動歯車は、第1歯車に噛合する第2歯車と、第4歯車に噛合する第3歯車とを含んでいる。第4歯車は、出力軸に嵌合されている。
特開2008−133861号公報
揺動歯車機構を車両用操舵装置に適用する場合には、出力軸は、舵取り機構に連なるステアリングシャフトとして機能する。第4歯車と出力軸との結合構造は、両者間でがたつきを生じないようなものが好ましい。また、車両用操舵装置の全長を短くしたいという要請がある。さらに、出力軸に対して第4歯車が軸方向に抜けることが確実に規制されていることが好ましい。
そこで、本発明は、ステアリングシャフトと、伝達比可変機構のうちステアリングシャフトに連結される部材との間で十分なトルクを伝達できるとともに、両者間にがたつきが生じることを防止でき、さらには両者が軸方向に抜けることを確実に規制でき、且つ小型化を達成することのできる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵部材(2)の操舵角(θ1)に対する転舵輪(4L,4R)の転舵角(θ2)の比である伝達比(θ2/θ1)を変更可能な伝達比可変機構(5)を備え、上記伝達比可変機構は、第1の軸線(A)上に中心軸線を有し一方が入力軸(11)を構成し他方が出力軸(12)を構成する一対の軸と、上記一対の軸のそれぞれと同行回転可能に嵌合され一方が入力部材(20)を構成し他方が出力部材(22)を構成する一対の筒状部材と、上記一対の筒状部材を差動回転可能に連結し、上記第1の軸線に対して傾斜した第2の軸線(B)の回りに回転可能な中間部材(391)と、を含み、上記一対の軸の少なくとも一方と対応する筒状部材とを連結する第1(138,158)、第2(137,157)および第3の連結要素(121,141)を備え、第1の連結要素は、スプライン嵌合部またはセレーション嵌合部を含み、第2の連結要素は、ルーズフィット部またはタイトフィット部を含み、第3の連結要素は、上記一対の軸の上記少なくとも一方に係止され、上記対応する筒状部材の離脱を防止するプッシュナットを含むことを特徴とする車両用操舵装置(1)を提供する(請求項1)。
本発明によれば、第2の連結要素として、ルーズフィット部またはタイトフィット部を設けていることにより、一対の軸の少なくとも一方と対応する筒状部材との間のすき間を詰めることができ、両者間にがたつきが生じることを防止できる。また、第1の連結要素としてスプライン嵌合部またはセレーション嵌合部を設けている。これにより、一対の軸の少なくとも一方と対応する筒状部材との間に大トルクが入力されたときでも、第2の連結要素と協働して第1の連結要素で大トルクを伝達することができ、十分なトルク伝達容量を確保できる。また、第3の連結要素としてプッシュナットを設けていることにより、一対の軸の少なくとも一方から対応する筒状部材が離脱することを防止できる。しかも、第2の連結要素は大トルクを伝達する必要がないので全長を短くでき、また、プッシュナットは通常薄肉である。これにより、装置の全長の短縮化を通じて装置の小型化、軽量化および部品コスト低減を達成できる。
また、本発明において、上記対応する筒状部材に対応する軸が装着される方向(D1,D2)に関して、第1の連結要素、第2の連結要素および第3の連結要素の順に配置されている場合がある(請求項2)。
この場合、対応する筒状部材に対応する軸が装着される方向に関して、第1の連結要素としてのスプライン嵌合部またはセレーション嵌合部が上流側に配置される。これにより、対応する筒状部材を対応する軸に装着する際に、スプライン嵌合部またはセレーション嵌合部を視認し易くできる。これにより、対応する筒状部材と対応する軸の周方向に関する位相合わせを行い易くできる。
また、本発明において、上記一対の軸の上記少なくとも一方は、軸端(11b,12a)に設けられた小径部(131,151)と、上記小径部に隣接する大径部(132,152)と、上記大径部および小径部の間に形成された環状の位置決め段部(124,144)とを含み、上記小径部に上記プッシュナットが嵌合され、上記対応する筒状部材は、上記大径部にスプライン嵌合またはセレーション嵌合した筒状部(202,222)と、上記筒状部から径方向内方に延び、上記小径部の外周にルーズフィットまたはタイトフィットで嵌合された環状の延設部(203,223)とを含み、上記延設部が、上記プッシュナットと上記位置決め段部との間に挟持されている場合がある(請求項3)。
この場合、対応する筒状部材の延設部が、プッシュナットと位置決め段部との間に挟持されている。これにより、対応する筒状部材が対応する軸に対して軸方向に移動することを確実に規制できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる伝達比可変機構を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に付与された操舵トルクを、操舵軸としてのステアリングシャフト3等を介して左右の転舵輪4L,4Rのそれぞれに与えて転舵を行うものであり、操舵部材2の操舵角θ1に対する転舵輪の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio)機能を有している。
この車両用操舵装置1は、操舵部材2と、操舵部材2に連なるステアリングシャフト3とを有している。ステアリングシャフト3は、互いに同軸上に配置された第1〜第3の軸としての第1〜第3のシャフト11〜13を含んでいる。第1〜第3のシャフト11〜13の中心軸線としての第1の軸線Aは、当該第1〜第3のシャフト11〜13の回転軸線でもある。
なお、以下では、ステアリングシャフト3の軸方向Sを単に軸方向Sといい、ステアリングシャフト3の径方向Rを単に径方向Rといい、ステアリングシャフト3の周方向Cを単に周方向Cという。
第1のシャフト11の一端11aに操舵部材2が同行回転可能に連結されている。第1のシャフト11の他端11bと第2のシャフト12の一端12aとは、差動機構としての伝達比可変機構5を介して差動回転可能に連結されている。第2のシャフト12の他端12bと第3のシャフト13の一端とは、トーションバー14を介して所定の範囲内で弾性的に相対回転可能且つ動力伝達可能に連結されている。
第3のシャフト14の他端は、自在継手7、中間軸8、自在継手9および転舵機構10等を介して、転舵輪4L,4Rと連なっている。
転舵機構10は、自在継手9に連なるピニオン軸15と、ピニオン軸15の先端のピニオン15aに噛み合うラック16aを有し車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを有している。ラック軸16の一対の端部のそれぞれにタイロッド17L,17Rを介してナックルアーム18L,18Rが連結されている。
上記の構成により、操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト3等を介して転舵機構10に伝達される。転舵機構10では、ピニオン15aの回転がラック軸16の軸方向の運動に変換される。ラック軸16の軸方向の運動は、各タイロッド17L,17Rを介して対応するナックルアーム18L,18Rに伝えられ、これらのナックルアーム18L,18Rがそれぞれ回動する。これにより、各ナックルアーム18L,18Rに連結された対応する転舵輪4L,4Rがそれぞれ操向する。
伝達比可変機構5は、ステアリングシャフト3の第1および第2のシャフト11,12間の回転伝達比(伝達比θ2/θ1)を変更するためのものであり、ニューテーションギヤ機構とされている。この伝達比可変機構5は、一対の軸としての上記第1および第2のシャフト11,12と、第1のシャフト11の他端11bに設けられた入力部材20と、第2のシャフト12の一端12aに設けられた出力部材22と、入力部材20と出力部材22との間に介在する軌道輪ユニット39とを含んでいる。
入力部材20は、第1のシャフト11とは同軸的に且つ同行回転可能に連結されており、出力部材22は、第2のシャフト12とは同軸的に且つ同行回転可能に連結されている。第1の軸線Aは、入力部材20および出力部材22の中心軸線および回転軸線でもある。
出力部材22は、第2のシャフト12や転舵機構10等を介して転舵輪4L,4Rに連なっている。
軌道輪ユニット39は、第1の軸線Aに対して傾斜する中心軸線としての第2の軸線Bを有しており、第1の軌道輪としての内輪391と、第2の軌道輪としての外輪392と、内輪391および外輪392間に介在する玉等の転動体393とを含んでいる。
内輪391は、中間部材を構成している。内輪391は、入力部材20と出力部材22とを差動回転可能に連結するものであり、入力部材20と出力部材22のそれぞれと回転伝達可能に係合している。内輪391は、転動体393を介して外輪392に回転可能に支持されていることにより、第2の軸線Bの回りを回転可能である。また、内輪391は、外輪392を駆動するためのアクチュエータとしての電動モータである伝達比可変機構用モータ23が駆動されることに伴い、第1の軸線Aの回りを回転可能である。内輪391および外輪392は、第1の軸線A回りにコリオリ運動(首振り運動)可能である。
伝達比可変機構用モータ23は、伝達比可変用モータを構成しており、伝達比可変機構5を駆動するために第1および第2のシャフト11,12とは同軸的に配置されている。第1の軸線Aは、伝達比可変機構用モータ23の中心軸線でもある。伝達比可変機構用モータ23は、第1の軸線A回りに関する外輪392の回転数を変更することにより、伝達比θ2/θ1を変更する。
伝達比可変機構用モータ23は、ステアリングシャフト3とは同軸的に配置されたブラシレスモータからなり、軌道輪ユニット39を保持する筒状のロータ231と、ロータ231を取り囲むとともにハウジング24に固定されたステータ232とを含んでいる。
この車両用操舵装置1は、ステアリングシャフト3に操舵補助力を付与するための操舵補助力付与機構19を備えている。操舵補助力付与機構19は、伝達比可変機構5の出力部材22に連なる入力軸としての上記第2のシャフト12と、転舵機構10に連なる出力軸としての上記第3のシャフト13と、第2のシャフト12と第3のシャフト13との間に伝達されるトルクを検出するトルクセンサ44と、操舵補助用のアクチュエータとしての操舵補助用モータ25と、操舵補助用モータ25と第3のシャフト13との間に介在する減速機構26とを含んでいる。
操舵補助用モータ25は、ブラシレスモータ等の電動モータからなる。この操舵補助用モータ25の出力は、減速機構26を介して第3のシャフト13に伝達されるようになっている。
減速機構26は、例えばウォームギヤ機構からなり、操舵補助用モータ25の出力軸25aに連結された駆動歯車としてのウォーム軸27と、ウォーム軸27と噛み合い且つ第3のシャフト13に同行回転可能に連結された従動歯車としてのウォームホイール28とを含んでいる。
上記伝達比可変機構5および操舵補助力付与機構19は、ハウジング24内に収容されている。ハウジング24は、車両の乗員室(キャビン)内に配置されている。なお、ハウジング24を、中間軸8を取り囲むように配置してもよいし、車両のエンジンルーム内に配置してもよい。
上記伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動は、それぞれ、CPU、RAMおよびROMを含む制御部29によって制御される。制御部29は、駆動回路40を介して伝達比可変機構用モータ23に接続されているとともに、駆動回路41を介して操舵補助用モータ25に接続されている。
制御部29には、操舵角センサ42、伝達比可変機構用モータ23のロータ231の回転角を検出する回転角検出センサとしてのモータレゾルバ43、トルクセンサ44、転舵角センサ45、車速センサ46およびヨーレートセンサ47がそれぞれ接続されている。
制御部29に、操舵角センサ42からは、操舵部材2の直進位置からの操作量である操舵角θ1に対応する値として、第1のシャフト11の回転角についての信号が入力される。
モータレゾルバ43からは、伝達比可変機構用モータ23のロータ231の回転角θrについての信号が入力される。
トルクセンサ44からは、操舵部材2に作用する操舵トルクTに対応する値として、第2および第3のシャフト12,13間に作用するトルクについての信号が入力される。
転舵角センサ45からは、転舵角θ2に対応する値として第3のシャフト13の回転角についての信号が入力される。
車速センサ46からは、車速Vについての信号が入力される。
ヨーレートセンサ47からは、車両のヨーレートγについての信号が入力される。
制御部29は、各上記センサ42〜47の信号等に基づいて、伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動を制御する。
上記の構成により、操舵部材2からのトルク、および伝達比可変機構5からのトルクは、操舵補助力付与機構19を介して転舵機構10に伝達される。具体的には、操舵部材2に入力された操舵トルクは、第1のシャフト11を介して伝達比可変機構5の入力部材20に入力され、入力部材20から内輪391に入力される。内輪391には、操舵部材2からのトルクに加え、外輪392および転動体393を介して内輪391に伝わった伝達比可変機構用モータ5からのトルクが伝達され、これらのトルクが、出力部材22に伝達される。出力部材22に伝達されたトルクは、第2のシャフト12に伝達される。第2のシャフト12に伝達されたトルクは、トーションバー14および第3のシャフト13に伝わり、操舵補助用モータ25からの出力と合わさって、自在継手7、中間軸8、および自在継手9を介して、転舵機構10に伝達される。
図2は、図1の要部のより具体的な構成を示す一部断面図である。図2を参照して、ハウジング24は、例えば、アルミニウム合金等の金属を用いて全体として筒状に形成したものであり、第1〜第3のハウジング51〜53を含んでいる。
第1のハウジング51は筒状をなしており、差動機構としての伝達比可変機構5を収容する差動機構ハウジングを構成しているとともに、第2のハウジング52と協働して伝達比可変機構用モータ23を収容するモータハウジングを構成している。第1のハウジング51の一端は、端壁部材54によって覆われている。第1のハウジング51の一端と端壁部材54とは、ボルト等の締結部材55を用いて互いに固定されている。第1のハウジング51の他端の内周面56に、第2のハウジング52の一端の環状凸部57が嵌合されている。これら第1および第2のハウジング51,52は、ボルト等の締結部材(図示せず)を用いて互いに固定されている。
第2のハウジング52は筒状をなしており、トルクセンサ44を収容するセンサハウジングと、モータレゾルバ43を収容するレゾルバハウジングと、伝達比可変機構用モータ23のモータハウジングの一部とを構成している。第2のハウジング52の他端の外周面59に、第3のハウジング53の一端の内周面60が嵌合している。
第3のハウジング53は、筒状をなしており、減速機構26を収容する減速機構ハウジングを構成している。第3のハウジング53の他端には端壁部61が設けられている。端壁部61は環状をなしており、第3のハウジング53の他端を覆っている。
図3は、図2の第1のシャフト11と第2のシャフト12の対向端11b,12a付近の拡大図である。図3を参照して、伝達比可変機構5の入力部材20、出力部材22および軌道輪ユニット39は、それぞれ、環状をなしている。入力部材20および出力部材22は、一対の筒状部材を構成している。
入力部材20は、全体が単一の部材を用いて一体に形成されており、入力部材本体201と、入力部材本体201の径方向内方に配置された入力部材筒状部202とを含んでいる。
入力部材20は、第1の軸受31を介して、第1のハウジング51の後述する環状凸部92に回転可能に支持されている。
入力部材筒状部202には、一対の軸の一方としての入力軸であるの第1のシャフト11が挿通されており、これら入力部材筒状部202と第1のシャフト11とが同行回転可能に連結されている。
具体的には、第1のシャフト11の他端部11bは、プッシュナット121が係止される被係止部122と、入力部材筒状部202に圧入する圧入部123と、圧入部123に対して軸方向Sの一方S1側に配置され圧入部123に対して径方向外方に延びる環状の位置決め段部124と、位置決め段部124に対して軸方向Sの一方S1側に配置された雄スプライン部125とを含んでいる。
また、入力部材筒状部202の内周面は、軸方向Sに対して直交し第2の軸方向S2側を向く環状の第1の段部126と、第1の段部126の内径部から軸方向Sの一方S1側に延びる円筒状の被圧入部127と、被圧入部127に対して軸方向Sの一方S1側に配置された環状の第2の段部128と、被圧入部127に対して軸方向Sの一方S1側に配置された雌スプライン部129と、雌スプライン部129に対して軸方向Sの一方S1側に配置され、第1のシャフト11が遊嵌される遊嵌部130とを含んでいる。
第1のシャフト11の被係止部122および圧入部123は、円柱状の小径部131の外周面に形成されている。軸方向Sに関して、小径部131の長さは、入力部材20の雌スプライン部129の長さと比べて短くされている。これにより、第1のシャフト11を入力部材20に挿入するときに、第1のシャフト11の雄スプライン部125が、小径部131よりも先に入力部材20に係合できるようになっている。
第1のシャフト11の雄スプライン部125は、第1のシャフト11の大径部132に形成されている。大径部132は、小径部131に隣接しており、小径部131よりも大径である。小径部131と大径部132との間に位置決め段部124が形成されている。
第1のシャフト11の雄スプライン部125は、位置決め段部124に連なるガイド部133と、ガイド部133に対して軸方向Sの一方S1側に配置され、外径が一定の雄スプライン部本体134とを含んでいる。
第1のシャフト11のガイド部133は、雄スプライン部本体134を雌スプライン部129に挿入するときのガイドとされている。ガイド部133の外径は、軸方向Sの一方S1側に進むに従い、大きくなっている。
軸方向Sに関して、入力部材20の雄スプライン部125は相対的に長く形成されており、第1のシャフト11の圧入部123は相対的に短く形成されている。
入力部材20の第1の段部126と、第1のシャフト11の被係止部122の双方に係合するように、第3の連結要素としてのプッシュナット121が配置されている。プッシュナット121は、図4に示すように、薄板の板金部材であり、環状の主体部135と、主体部135の内径部から延設された複数の舌片136と、を含んでいる。舌片136は、主体部135の周方向に等間隔に複数(例えば、4つ)配置されており、主体部135に対して傾斜している。
再び図3を参照して、プッシュナット121は、第1のシャフト11の小径部131に外嵌されている。プッシュナット121の主体部135の一側面は、入力部材20の第1の段部126に当接している。また、プッシュナット121の各舌片136の自由端としての先端は、第1のシャフト11の被係止部122に係止しており、第2の軸方向S2側を向いている。これにより、第1のシャフト11から入力部材20が軸方向Sの他方S2側に離脱することが防止されている。
入力部材20の被圧入部122は、入力部材筒状部202から径方向内方に延びた環状の延設部203の内周面に形成されている。この延設部203には、上記第1の段部126および第2の段部128が形成されている。
被圧入部127は、第1のシャフト11の圧入部123にタイトフィットにより軽圧入されて固定されている。これらの被圧入部127および圧入部123によって、第1のシャフト11と入力部材20とを連結する第2の連結要素としてのタイトフィット部137が形成されている。これにより、第1のシャフト11と入力部材20とは、同行回転可能に連結されている。
入力部材20の雌スプライン部129は、入力部材20の筒状部202の中間部の内周面に形成されている。この雌スプライン部129は、第1のシャフト11の雄スプライン部125と同行回転可能に嵌合している。雌スプライン部129および雄スプライン部125は、周方向Cに関してすき間なく嵌合している。これらのスプライン部125,129によって、第1のシャフト11と入力部材20とを連結する第1の連結要素としてのスプライン嵌合部138が形成されている。
また、入力部材20の延設部203は、プッシュナット121と、第1のシャフト11の位置決め段部124との間に挟持されており、入力部材20が第1のシャフト11に対して軸方向Sに移動しないようにされている。
入力部材20に第1のシャフト11が装着される装着方向D1に関して、スプライン嵌合部138、タイトフィット部137およびプッシュナット121の順に配置されている。上記装着方向D1は、第2の軸方向S2に沿っている。
出力部材22は、全体が単一の部材を用いて一体に形成されており、出力部材本体221と、出力部材本体221の径方向内方に配置された出力部材筒状部222とを含んでいる。
出力部材22は、第3の軸受33を介して、第2のハウジング52の後述する内筒93の先端部に回転可能に支持されている。
出力部材筒状部222には、一対の軸の他方としての出力軸である第2のシャフト12が挿通されており、これら出力部材筒状部222と第2のシャフト12とが同行回転可能に連結されている。
具体的には、第2のシャフト12の一端12aは、プッシュナット141が係止される被係止部142と、出力部材筒状部222に圧入する圧入部143と、圧入部143に対して軸方向Sの他方S2側に配置され圧入部143に対して径方向外方に延びる環状の位置決め段部144と、位置決め段部144に対して軸方向Sの他方S2側に配置された雄スプライン部145とを含んでいる。
また、出力部材筒状部222の内周面は、軸方向Sに対して直交し第1の軸方向S1側を向く環状の第1の段部146と、第1の段部146から軸方向Sの他方S2側に延びる円筒状の被圧入部147と、被圧入部147に対して軸方向Sの他方S2側に配置された環状の第2の段部148と、被圧入部147に対して軸方向Sの他方S2側に配置された雌スプライン部149と、雌スプライン部149に対して軸方向Sの他方S2側に配置され第2のシャフト12が遊嵌される遊嵌部150とを含んでいる。
第2のシャフト12の被係止部142および圧入部143は、小径部151の外周面に形成されている。第2のシャフト12の雄スプライン部145は、第2のシャフト12の大径部152に形成されている。大径部152は、小径部151に隣接しており、小径部151よりも大径である。小径部151と大径部152との間に位置決め段部144が形成されている。
第2のシャフト12の雄スプライン部145は、この第2のシャフト12の位置決め段部144に連なるガイド部153と、ガイド部153に対して軸方向Sの他方S2側に配置され、外径が一定の雄スプライン部本体154とを含んでいる。
第2のシャフト12のガイド部153は、雄スプライン部本体154を雌スプライン部149に挿通するときのガイドとされている。第2のシャフト12のガイド部153の外径は、軸方向Sの他方S2側に進むに従い、大きくなっている。
軸方向Sに関して、雄スプライン部145は相対的に長く形成されており、圧入部143は相対的に短く形成されている。
出力部材22の第1の段部146と、第2のシャフト12の被係止部142の双方に係合するように、第3の連結要素としてのプッシュナット141が配置されている。プッシュナット141は、プッシュナット121と同様の構成を有している。
プッシュナット141は、第2のシャフト12の小径部151に外嵌されている。プッシュナット141の主体部135の一側面135aは、出力部材22の第1の段部146に当接している。また、プッシュナット141の各舌片136の自由端としての先端136aは、第2のシャフト12の被係止部142に係止しており、第1の軸方向S1側を向いている。これにより、第2のシャフト12から出力部材22が軸方向Sの一方S1側に離脱することが防止されている。
出力部材20の被圧入部143は、出力部材筒状部222から径方向内方に延びた環状の延設部223の内周面に形成されている。この延設部223には、上記第1の段部146および第2の段部148が形成されている。
被圧入部147は、第2のシャフト12の圧入部143にタイトフィットにより軽圧入されて固定されている。これらの被圧入部147および圧入部143によって、第2のシャフト12と出力部材22とを連結する第2の連結要素としてのタイトフィット部157が形成されている。これにより、第2のシャフト12と出力部材22とは、同行回転可能に連結されている。
出力部材22の雌スプライン部149は、出力部材22の出力部材筒状部222の内周面に形成されている。この雌スプライン部149は、第2のシャフト12の雄スプライン部145と同行回転可能に嵌合している。雌スプライン部149および雄スプライン部15は、周方向Cに関してすき間なく嵌合している。これらのスプライン部145,149によって、第2のシャフト12と出力部材22とを連結する第1の連結要素としてのスプライン嵌合部158が形成されている。
また、出力部材22の延設部223は、プッシュナット141と、第2のシャフト12の位置決め段部144との間に挟持されており、出力部材22が第2のシャフト12に対して軸方向Sに移動しないようにしている。
出力部材22に第2のシャフト12が装着される装着方向D2に関して、スプライン嵌合部158、タイトフィット部157およびプッシュナット141の順に配置されている。上記装着方向D2は、第1の軸方向S1に沿っている。
入力部材本体201および内輪391のそれぞれに第1の凹凸係合部71が設けられていることにより、入力部材20と内輪391とは動力伝達可能とされている。また、内輪391および出力部材22のそれぞれに第2の凹凸係合部72が設けられていることにより、内輪391と出力部材22とは動力伝達可能とされている。
第1の凹凸係合部71は、入力部材本体201の一端面としての動力伝達面73に形成された第1の凸部74と、内輪391の一端面としての第1の端面75に形成され第1の凸部74に係合する第1の凹部76と、を含んでいる。動力伝達面73および第1の端面75はステアリングシャフト3の軸方向Sに互いに対向している。
第1の凸部74は、入力部材20の全周に亘って等間隔に形成されている。第1の凹部76は、内輪391の全周に亘って等間隔に形成されている。
内輪391の第2の軸線Bが入力部材20および出力部材22の第1の軸線Aに対して傾斜していることにより、各第1の凸部74のうちの一部の第1の凸部74と、各第1の凹部76のうちの一部の第1の凹部76とが、互いに噛み合っている。
第1の凸部74の数は、第1の凹部76の数とは異なる数にされている。第1の凸部74の数と第1の凹部76の数との差に応じて、入力部材20と内輪391との間で差動回転を発生することができる。
第2の凹凸係合部72は、出力部材22の一端面としての動力伝達面77に形成された第2の凸部78と、内輪391の他端面としての第2の端面79に形成され第2の凸部78に係合する第2の凹部80とを含んでいる。動力伝達面77および第2の端面79はステアリングシャフト3の軸方向Sに互いに対向している。
第2の凹凸係合部72の第2の凸部78は、第1の凸部74と同様の構成を有しており、第2の凹部80は、第1の凹部76と同様の構成を有している。したがって、第2の凹凸係合部72の詳細についての説明は省略する。
入力部材筒状部202は、第1および第2のシャフト11,12のそれぞれの対向端11b,12aを取り囲んでおり、第8の軸受38を介して第2のシャフト12の一端12aを回転可能に支持している。
図5は、図2の伝達比可変機構5およびその周辺の拡大図である。図5を参照して、伝達比可変機構用モータ23のロータ231は、軸方向Sに延びる円筒状のロータコア85と、ロータコア85の中間部85cの外周面に固定された永久磁石86とを含んでいる。軸方向Sは、ロータ231の軸方向でもある。
ロータコア85の内周面には、第2の軸線Bを中心軸線とし、第1の軸線Aに対して傾斜する傾斜孔91が形成されている。この傾斜孔91には、軌道輪ユニット39の外輪392が圧入固定されている。これにより、外輪392とロータコア85とは、第1の軸線Aの回りに同行回転可能である。
ロータコア85は、第2および第4の軸受32,34によって両持ち支持されている。具体的には、第2の軸受32は、ロータコア85の一端部85aの内周面と、第1のハウジング51の一端の内径部に形成された環状凸部92の外周面との間に配置されている。
第4の軸受34は、ロータコア85の中間部85cの内周面と、第2のハウジング52の内筒93の先端部の外周面との間に配置されている。内筒93の一部は、ロータコア85内に配置されている。
伝達比可変機構用モータ23のステータ232は、第1のハウジング51の外径部87の内周面に焼きばめ等によって固定されている。
モータレゾルバ43は、第2のハウジング52内に配置されている。モータレゾルバ43は、レゾルバロータ107とレゾルバステータ108とを含んでいる。
レゾルバロータ107は、ロータコア85の他端部85bの外周面に固定されている。レゾルバステータ108は、第2のハウジング52の外径部88の内周面に圧入固定されている。
図6は、図2のトルクセンサ44の周辺の拡大図である。図6を参照して、トルクセンサ44は、第2および第3のシャフト12,13間に作用するトルクを検出する。
このトルクセンサ44は、第2のシャフト12の中間部に固定された多極磁石115と、第3のシャフト13の一端に支持され、多極磁石115が発生する磁界内に配置されて磁気回路を形成する一対の軟磁性体としての信号検出用部材である磁気ヨーク116,117と、を含んでいる。
各磁気ヨーク116,117は、合成樹脂部材118にモールドされている。合成樹脂部材118は、第3のシャフト13の一端に同行回転可能に連結されている。
トルクセンサ44は、環状部112をさらに備えている。環状部112は、全体として円環状をなしており、磁気ヨーク116,117からの磁束を誘導する信号検出用部材としての一対の集磁リング119,120と、各集磁リング119,120間に配置された信号検出用部材としてのホールIC160と、集磁リング119,120およびホールIC160をモールドする合成樹脂部材161とを含んでいる。
ホールIC160は、集磁リング119,120に誘導された磁束を検出するためのものである。
合成樹脂部材161は、第2のハウジング52の内筒93によって保持されている。また、合成樹脂部材161は、第2のハウジング52の外径部88と内筒93とを繋ぐ連結壁94と協働して、第5の軸受35の外輪の外周面を保持している。
トルクセンサ44に対して軸方向Sの他方S2側に第5の軸受35が配置されている。第5の軸受35は、第3のシャフト13の一端を回転可能に支持している。
上記の構成により、第2および第3のシャフト12,13の相対回転量に応じて磁気ヨーク116,117に磁束が生じるようになっており、この磁束は、集磁リング119,120により誘導され、ホールIC160により検出される。ホールIC160のトルク検出信号は制御部に入力される。このようにして、第2および第3のシャフト12,13に加えられたトルクに応じた磁束密度を検出することが出来る。
図2を参照して、第2のシャフト12の外周部と第3のシャフト13の内周部とは、第6の軸受36を介して相対回転可能に互いに支持されている。第3のハウジング53の端壁部61は、第7の軸受37を介して第3のシャフト13を回転可能に支持している。
上記の概略構成を有する車両用操舵装置1において、入力部材20と第1のシャフト11との連結は、以下のようにして行われる。すなわち、まず、図7(A)に示すように、単品の入力部材20と第1のシャフト11とを用意し、第1のシャフト11の小径部131が入力部材20側を向くようにして、両者を対向させる。
次に、図7(B)に示すように、第1のシャフト11を入力部材20に対して装着方向D1に移動し、第1のシャフト11を、入力部材20の入力部材筒状部202に挿通する。これにより、第1のシャフト11の大径部132が入力部材20の遊嵌部130に遊嵌する。また、第1のシャフト11の大径部132の雄スプライン部125のガイド部133が雌スプライン部129に係合する。これにより、両者の歯部同士が周方向に互いに違いに配置され、両者の位相が合わされる。その後、雄スプライン部125の雄スプライン部本体134が雌スプライン部129に係合する。
雄スプライン部125と雌スプライン部129とが嵌り合った状態で、第1のシャフト11を装着方向D1にさらに動かす。これにより、図7(C)に示すように、第1のシャフト11の圧入部123が入力部材20の被圧入部127に圧入される。
図7(D)に示すように、第1のシャフト11の位置決め段部124が入力部材20の第2の段部128に当接された状態で、プッシュナット121を第1のシャフト11に挿通する。これにより、第1のシャフト11の被係止部122にプッシュナット121の各舌片136の先端を係止させるとともに、プッシュナット121の主体部135の一側面を、入力部材20の第1の段部126に当接させる。これにより、第1のシャフト11と入力部材20との連結が完了する。
また、出力部材22と第2のシャフト12との連結は、以下のようにして行われる。すなわち、まず、図8(A)に示すように、単品の出力部材22と第2のシャフト12とを用意し、第2のシャフト12の小径部151が出力部材22側を向くようにして、両者を対向させる。
次に、図8(B)に示すように、第2のシャフト12を出力部材22に対して装着方向D2に移動し、第2のシャフト12を、出力部材22の出力部材筒状部222に挿通する。これにより、第2のシャフト12の小径部151が出力部材22の被圧入部147に圧入される。第2のシャフト12を装着方向D2にさらに移動すると、第2のシャフト12の大径部152が出力部材22の遊嵌部150に遊嵌する。また、第2のシャフト12の大径部152の雄スプライン部145のガイド部153が、雌スプライン部149に係合する。これにより、両者の歯部同士が周方向に互いに違いに配置され、両者の位相が合わされる。
その後、図8(C)に示すように、雄スプライン部本体154が雌スプライン部149に係合する。この状態で、第2のシャフト12を装着方向D2にさらに動かす。これにより、図8(D)に示すように、第2のシャフト12の位置決め段部144が出力部材22の第2の段部148に当接する。
この状態で、プッシュナット141を第2のシャフト12に挿通する。これにより、第2のシャフト12の被係止部142にプッシュナット141の各舌片136の先端を係止させるとともに、プッシュナット141の主体部135の一側面135aを出力部材22の第1の段部146に当接させる。これにより、第2のシャフト12と出力部材22との連結が完了する。
図1を参照して、上記の概略構成を有する車両用操舵装置1は、車両が比較的低速で走行している場合には、伝達比可変機構用モータ23を駆動して伝達比可変機構5における伝達比θ2/θ1を変更することにより、操舵角θ1を転舵角θ2に対して増幅して運転者の操舵を補助する機能を発揮することができる。
また、車両が比較的高速で走行している場合には、伝達比可変機構用モータ23を駆動して伝達比可変機構5における伝達比θ2/θ1を変更することにより、車両のスタビリティコントロール(姿勢安定制御)を行うことができる。
以上の次第で、本実施の形態によれば、第1のシャフト11と入力部材20との連結、および第2のシャフト12と出力部材22との連結のそれぞれに関して、タイトフィット部137,157を設けている。これにより、第1のシャフト11と入力部材20との間の周方向Cのすき間、および第2のシャフト12と出力部材22との間の周方向Cのすき間をそれぞれ詰めることができる。したがって、第1のシャフト11と入力部材20との間にがたつきが生じることを防止できるとともに、第2のシャフト12と出力部材22との間にがたつきが生じることを防止できる。
また、第1のシャフト11と入力部材20との連結、および第2のシャフト12と出力部材22との連結のそれぞれに関して、スプライン嵌合部138,158を設けている。これにより、第1のシャフト11と入力部材20との間、および第2のシャフト12と出力部材22との間のそれぞれに大トルクが入力されたときでも、タイトフィット部137,157と協働して対応するスプライン嵌合部138,158で大トルクを伝達することができ、十分なトルク伝達容量を確保できる。
また、プッシュナット121,141を設けており、入力部材20をプッシュナット121と第1のシャフト11の位置決め段部124とで挟持するとともに、出力部材22をプッシュナット141と第2のシャフト12の位置決め段部144とで挟持している。
これにより、第1のシャフト11から入力部材20が離脱すること、および第2のシャフト12から出力部材22が離脱することを確実に防止できる。しかも、タイトフィット部137,157は大トルクを伝達する必要がないので全長を短くでき、また、プッシュナット121,141は薄肉である。これにより、車両用操舵装置1の全長の短縮化を通じて車両用操舵装置1の小型化、軽量化および部品コスト低減を達成できる。
また、装着方向D1に関して、スプライン嵌合部138、タイトフィット部137およびプッシュナット121の順に配置されている。同様に、装着方向D2に関して、スプライン嵌合部158、タイトフィット部157およびプッシュナット141の順に配置されている。
これにより、装着方向D1,D2に関して、対応するスプライン嵌合部138,158が対応する第1および第2のシャフト11,12の上流側に配置される。これにより、入力部材20および出力部材22を、対応する第1および第2のシャフト11,12に装着する際に、スプライン嵌合部138,158を視認し易くできる。これにより、入力部材20および出力部材22と対応する第1および第2のシャフト11,12の周方向Cに関する位相合わせを行い易くできる。
また、入力部材20の延設部203が、プッシュナット121と第1のシャフト11の位置決め段部124との間に挟持されている。これにより、入力部材20が第1のシャフト11に対して軸方向Sに移動することを確実に規制できる。同様に、出力部材22の延設部223が、プッシュナット141と第2のシャフト12の位置決め段部144との間に挟持されている。これにより、出力部材22が第2のシャフト12に対して軸方向Sに移動することを確実に規制できる。
また、入力部材20と、第1のシャフト11とをタイトフィット部137によって軽圧入で固定することにより、第1のシャフト11と入力部材20との互いの同軸度のずれを少なくでき、両者の位置決めを高精度にできる。同様に、出力部材22と、第2のシャフト12とをタイトフィット部157によって軽圧入で固定することにより、第2のシャフト12と出力部材22との互いの同軸度のずれを少なくでき、両者の位置決めを高精度にできる。
さらに、入力部材20と、第1のシャフト11とをスプライン嵌合部138でスプライン嵌合することにより、大トルクが作用しても、これらの入力部材20および第1のシャフト11間で確実に受けることができ、両者の相対位相(周方向の位置)がずれることを抑制できる。これにより、操舵中立状態において、第1のシャフト11および操舵部材2の位相がずれることを抑制でき、操舵に違和感が生じることを防止できる。
同様に、出力部材22と、第2のシャフト12とをスプライン嵌合部158でスプライン嵌合することにより、大トルクが作用しても、これらの出力部材22および第2のシャフト12間で確実に受けることができ、両者の相対位相(周方向の位置)がずれることを抑制できる。これにより、操舵中立状態において第2のシャフト12および操舵部材2の位相がずれることを抑制でき、操舵に違和感が生じることを防止できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、第1のシャフト11と入力部材20との間のスプライン嵌合部138、タイトフィット部137およびプッシュナット121を廃止してもよい。または、第2のシャフト12と出力部材22との間のスプライン嵌合部158、タイトフィット部157およびプッシュナット141を廃止してもよい。
さらに、スプライン嵌合部138に代えてセレーション嵌合部を設けることにより、第1のシャフト11と入力部材20とをセレーション嵌合してもよい。また、スプライン嵌合部158に代えてセレーション嵌合部を設けることにより、第2のシャフト12と出力部材22とをセレーション嵌合してもよい。
さらに、タイトフィット部137に代えてルーズフィット部を設けてもよい。このような軽圧入により、第1のシャフト11と入力部材20との間でルーズフィット部における第1のシャフト11と入力部材20との同軸度をより向上することができる。同様に、タイトフィット部157に代えてルーズフィット部を設けてもよい。このような軽圧入により、第2のシャフト12と出力部材22との間でルーズフィット部における第2のシャフト12と出力部材22との同軸度をより向上することができる。
本発明の一実施の形態にかかる伝達比可変機構を備える車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 図1の要部のより具体的な構成を示す一部断面図である。 図2の第1のシャフトと第2のシャフトの対向端付近の拡大図である。 プッシュナットの斜視図である。 図2の伝達比可変機構およびその周辺の拡大図である。 図2のトルクセンサの周辺の拡大図である。 (A)〜(D)は、それぞれ、第1のシャフトと入力部材との連結の工程を示す断面図である。 (A)〜(D)は、それぞれ、第2のシャフトと出力部材との連結の工程を示す断面図である。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、4L,4R…転舵輪、5…伝達比可変機構、11…第1のシャフト(入力軸)、11b…(第1のシャフトの)他端部(軸端)、12…第2のシャフト(出力軸)、12a…(第2のシャフトの)一端部(軸端)、20…入力部材、22…出力部材、121,141…プッシュナット(第3の連結要素)、124,144…位置決め段部、131,151…小径部、132,152…大径部、138,158…スプライン嵌合部(第1の連結要素)、137,157…タイトフィット部(第2の連結要素)、202,222…筒状部、203,223…延設部、391…内輪(中間部材)、A…第1の軸線、B…第2の軸線、D1,D2…装着方向(対応する筒状部材に対応する軸が装着される方向)、θ1…操舵角、θ2…転舵角、θ2/θ1…伝達比。

Claims (3)

  1. 操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比である伝達比を変更可能な伝達比可変機構を備え、
    上記伝達比可変機構は、第1の軸線上に中心軸線を有し一方が入力軸を構成し他方が出力軸を構成する一対の軸と、上記一対の軸のそれぞれと同行回転可能に嵌合され一方が入力部材を構成し他方が出力部材を構成する一対の筒状部材と、上記一対の筒状部材を差動回転可能に連結し、上記第1の軸線に対して傾斜した第2の軸線の回りに回転可能な中間部材と、を含み、
    上記一対の軸の少なくとも一方と対応する筒状部材とを連結する第1、第2および第3の連結要素を備え、
    第1の連結要素は、スプライン嵌合部またはセレーション嵌合部を含み、
    第2の連結要素は、ルーズフィット部またはタイトフィット部を含み、
    第3の連結要素は、上記一対の軸の上記少なくとも一方に係止され、上記対応する筒状部材の離脱を防止するプッシュナットを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、上記対応する筒状部材に対応する軸が装着される方向に関して、第1の連結要素、第2の連結要素および第3の連結要素の順に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項2において、上記一対の軸の上記少なくとも一方は、軸端に設けられた小径部と、上記小径部に隣接する大径部と、上記大径部および小径部の間に形成された環状の位置決め段部とを含み、上記小径部に上記プッシュナットが嵌合され、
    上記対応する筒状部材は、上記大径部にスプライン嵌合またはセレーション嵌合した筒状部と、上記筒状部から径方向内方に延び、上記小径部の外周にルーズフィットまたはタイトフィットで嵌合された環状の延設部とを含み、
    上記延設部が、上記プッシュナットと上記位置決め段部との間に挟持されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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