JP2010046610A - 晶析装置及び晶析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな動力を要することなく晶析処理能力を高めることができる晶析方法を提供すること。
【解決手段】反応槽2内に、水没する第1の仕切板5によって通気を行う通気部3Aと通気を行わない循環部3Bとに区画された反応部3と、該反応部3の上方に位置する処理水分離部4を設けるとともに、処理水分離部4を、第1の仕切板5の上方にこれとの間に間隔をあけて設けられてその上部が水面から突出する第2の仕切板6によって気液分離部4Aと固液分離部4Bとに区画し、通気部3Aの下部に散気管7を設置するとともに、廃水導入管10を開口させて該通気部3Aに廃水の上向流を形成し、反応部3内で種晶を循環流動させつつ、これに薬剤を添加し、反応部3内の種晶の循環流動流の一部を処理水分離部4に流入させ、該処理水分離部4における固液分離によって清澄化された処理水を固液分離部4Bの上部から反応槽2外へ排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、晶析法によって廃水中からイオン類を除去するための晶析方法と晶析装置に関するものである。
廃水中からイオン類を除去する方法の1つとして晶析法が知られているが、この晶析法は、処理対象であるイオンに適宜薬剤を添加して難溶性塩を生成させ、この難溶性塩を廃水中から取り出すことによってイオン類を除去する方法である。具体的には、反応槽において一定以上の粒径の粒子(好ましくは、生成させようとする難溶性塩と同種の粒子)を種晶として懸濁或いは流動させ、この種晶に新たに難溶性塩を析出させていくことによって、最終的に得られる難溶性塩を或る程度の大きさの固定粒子として廃水中から取り出す方法である。
この晶析法において起こる化学反応は凝集沈澱法におけるそれと基本的には同じであるが、凝集沈澱法によって得られる所謂無機汚泥に対して、晶析法によって得られる固体粒子は極めて脱水性が良いため、脱水機を必要とせず、簡単な水切りだけで固定粒子の含水率を下げることができる。
ところで、斯かる晶析法を実施するための晶析装置においては、粒径が数十μm程度の比較的小さな粒子を種晶として使用する場合には、反応槽内に粒子を懸濁させて撹拌する方式が採用される。これに対して、粒径が数百μm程度の比較的大きな粒子を種晶として使用する場合には、反応塔に粒子を充填して固定床にて処理する方式、或は反応塔に廃水を上向流にて通液することによって粒子を展開させて流動床にて処理する方式が採用される。
ここで、上記固定床式と流動床式を比較すると、固定床式では、難溶性塩を生成させるための薬剤を反応槽導入前の廃水に添加する必要があるため、廃水中の被処理イオン濃度が低い場合のみに適用が限定される。これに対して、流動床式は、流動床内部への薬剤の添加が可能となるため、固定床式に比べて幅広い濃度範囲の廃水に対して適用が可能である。
次に、反応槽内に小粒径の粒子を懸濁させて撹拌する方式を採用する晶析装置と流動床式を採用する晶析装置について両者を比較しながら以下に説明する。
晶析法の処理能力を決める要因の1つとして、反応槽内において廃水中の被処理イオンと添加された薬剤との分散速度が挙げられる。仮に廃水中の被処理イオンと添加された薬剤とが共に高濃度のまま接触すると、直ちに微細な難溶性塩のSSが発生し、このSSが種晶上に補足されることなく廃水中に流出してしまう。従って、廃水中の被処理イオンと添加された薬剤を速やかに分散させるためには、反応槽内を十分撹拌することが効果的である。
反応槽内を十分撹拌するためには、反応槽内の粒子を小さく懸濁させた状態とすることが有利である。即ち、反応槽内の粒子を小さく懸濁させた状態とすると、成長する粒子径は比較的小さいものの、除去不能な微細なSSの発生を抑制し易いという点で粒子懸濁型の反応槽を備えた晶析装置は優れている。
他方、比較的大きな粒子を種晶として使用して流動床を形成する晶析装置においては、粒子が大きいためにその沈降速度が速く、流動床自体が固液分離機能を有しているため、固液分離を別途行う必要がない。又、この晶析装置によって回収された粒子は脱水性が極めて良く、簡単な水切り程度で粒子の含水率を下げることができるため、脱水機が不要となる。
流動床式を採用する晶析装置は、粒子と処理水とを分離する固液分離性には優れている反面、上向流のみによる流動床の流動状態では、流動層内の流動性が弱く、添加される薬剤の分散性が悪いという問題がある。
そこで、空気或いは撹拌機等を用いた機械撹拌によって流動層内を強制的に撹拌混合する提案がなされている(例えば、特許文献1,2参照)。
又、特許文献3には、撹拌機によって反応塔内に設置されたドラフトチューブ内に下降流を形成する構成が提案されている。更に、特許文献4には、空気撹拌による方式として、反応塔内に内筒を設置し、この内筒内に上向流を形成する構成が提案されている。何れの提案も、粒子の流動性を高めて薬剤の分散性を高めることを目的としているが、特に特許文献4において提案された空気撹拌を用いるものが低動力であるために有効である。
特開2004−321992号公報 特開2000−288556号公報 特開2003−305481号公報 特開2006−289099号公報
しかしながら、特許文献3において提案された晶析装置においては、粒子の機械的な破砕を避けるために反応槽内で撹拌羽根を低回転で回す必要があり、大きな動力を必要とするという問題があった。
又、特許文献4において提案された晶析装置においては、円筒体の内部に空気を供給する方式を採用しているため、円筒体の内部に上向流を発生させ、その外側に下降流を生じさせるために必要な空気量が多く、空気による乱れのために粒子同士の接触によって粒子が破砕されるという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、大きな動力を要することなく晶析処理能力を高めることができる晶析方法及び晶析装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、反応槽の下部から廃水又は廃水と処理水の一部を通液するとともに気体を通気し、反応槽内に析出核となる種晶を上向流にて流動させ、廃水中の被処理イオンに薬剤を添加して前記種晶に難溶性塩を析出させることによって廃水中からイオン類を除去するとともに、気液分離した後の処理水を反応槽外へ排出する晶析装置において、
前記反応槽内に、水没する第1の仕切板によって通気を行う通気部と通気を行わない循環部とに区画された反応部と、該反応部の上方に位置する処理水分離部を設けるとともに、前記処理水分離部を、前記第1の仕切板の上方にこれとの間に間隔をあけて設けられてその上部が水面から突出する第2の仕切板によって気液分離部と固液分離部とに区画し、
前記通気部の下部に散気管を設置するとともに、廃水導入管を開口させて該通気部に廃水の上向流を形成し、
前記反応部の底面を前記循環部から前記通気部に向かって斜め下方に傾斜する斜面とし、
前記反応部内で種晶を循環流動させつつ、これに薬剤を添加し、反応部内の種晶の循環流動流の一部を前記処理水分離部に流入させ、該処理水分離部における固液分離によって清澄化された処理水を前記固液分離部の上部から反応槽外へ排出することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、反応槽の下部から廃水又は廃水と処理水の一部を通液するとともに気体を通気し、反応槽内に析出核となる種晶を上向流にて流動させ、廃水中の被処理イオンに薬剤を添加して前記種晶に難溶性塩を析出させることによって廃水中からイオン類を除去するとともに、気液分離した後の処理水を反応槽外へ排出する晶析方法であって、
前記反応槽内に、水没する第1の仕切板によって通気を行う通気部と通気を行わない循環部とに区画された反応部と、該反応部の上方に位置する処理水分離部を設けるとともに、前記処理水分離部を、前記第1の仕切板の上方にこれとの間に間隔をあけて設けられてその上部が水面から突出する第2の仕切板によって気液分離部と固液分離部とに区画し、
前記通気部の下部に散気管を設置するとともに、廃水導入管を開口させて該通気部に廃水の上向流を形成し、
前記反応部の底面を前記循環部から前記通気部に向かって斜め下方に傾斜する斜面とし、
前記反応部内で種晶を循環流動させつつ、これに薬剤を添加し、反応部内の種晶の循環流動流の一部を前記処理水分離部に流入させ、該処理水分離部における固液分離によって清澄化された処理水を前記固液分離部の上部から反応槽外へ排出するよう構成された晶析装置の前記反応部での種晶の展開率(種晶の充填高さを100としたときの展開高さの割合(%))を130%以上に維持した状態で、種晶の展開流動界面が前記第1の仕切板よりも上方で且つ前記処理水分離部よりも下方に位置するよう保持するとともに、通気量を通気部の廃水の水量又は廃水と循環処理水の合計水量の0.2〜2倍(容積比)とすることを特徴とする。
請求項1記載によれば、反応槽内の第1の仕切板の上方において大部分の固液混合流が反応部の通気部と循環部との間を循環する旋回流を形成し、この旋回流が維持されるため、通気部の下部に導入された廃水に含まれる被処理イオンは、通気部に供給された薬剤と接触する際に旋回流によって希釈されるために過飽和度が低減され、この結果、晶析反応が一層効率的になされ、当該晶析装置の晶析処理能力が高められる。
又、本発明に係る晶析装置においては、固液の撹拌に空気を用いるため、機械的な大きな動力が不要となり、省エネルギー化を実現することができる。
ところで、本発明者は、反応部での種晶の展開率(種晶の充填高さを100としたときの展開高さの割合(%))を130%以上に維持した状態で、種晶の展開流動界面が第1の仕切板よりも上方で且つ処理水分離部よりも下方に位置するよう保持するとともに、通気量を通気部の廃水の水量又は廃水と循環処理水の合計水量の0.2〜2倍(容積比)とすることによって、通気量を必要最小限に抑えつつ、反応部の通気部と循環部に固液の旋回流を一層効率的に形成することができることを発見した。
従って、請求項2記載の発明によれば、晶析処理において良好な旋回流を発生させることができ、晶析装置の晶析処理能力を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る晶析装置の縦断面図であり、図示の晶析装置1は、反応槽2の下部から廃水又は廃水と処理水の一部を通液するとともに空気を通気し、反応槽2内に析出核となる種晶を上向流にて流動させ、廃水中の被処理イオンに薬剤を添加して前記種晶に難溶性塩を析出させることによって廃水中からイオン類を除去するとともに、気液分離した後の処理水を反応槽2外へ排出する装置であって、以下の特徴を有している。
即ち、上方が開口した円筒形の反応槽2内には、反応部3とその上方に位置する処理水分離部4が設けられており、反応部3は、水没する円筒状の第1の仕切板5によって通気を行う通気部3Aとその外側に位置する通気を行わない循環部3Bとに区画されている。又、反応槽2の上端部は外方に張り出す大径部2aが形成されており、この大径部2a内に前記処理水分離部4が形成されているが、この処理水分離部4は、その上部が水面から突出する円筒状の第2の仕切板6によって気液分離部4Aとその外側に位置する固液分離部4Bとに区画されている。ここで、第2の仕切板6は、第1の仕切板5の上方にこれとの間に所定の間隔をあけて設けられており、両仕切板5,6の間には高さ方向に所定の隙間が形成されている。
ところで、反応槽2(反応部3)の底面は、下方に向かって絞られた逆円錐状(漏斗状)の斜面2bとされており、従って、反応部3の底面は、循環部3Bから通気部3Aに向かって斜め下方に傾斜している。
又、反応槽2内の通気部3Aの下部には散気管7が設置され、この散気管7には空気供給管8が接続されている。そして、反応槽2内の通気部3Aの上部には薬剤供給管9が導入されている。
更に、反応槽2内の通気部3Aの底部には廃水導入管10が開口しており、反応槽2の固液分離部4Bの上端からは処理水排出管11が導出しており、この処理水排出管11からは処理水供給管12が分岐し、この処理水供給管12は廃水導入管10に接続されている。
次に、以上のように構成された晶析装置1を用いて実施される晶析方法について説明する。
反応槽2内には、廃水中の被処理イオンを難溶性塩として析出させる核となる同種の粒子が種晶として所定高さ位置まで収容されており、廃水導入管10からは廃水が反応槽2の通気部3Aの下部から導入される。或いは、後述のように反応槽2の固液分離部4Bにおいて固液分離されて処理水排出管11から反応槽2の外部へと排出される処理水の一部が処理水供給管12から廃水導入管10を流れる廃水に加えられ、これらの廃水と処理水の一部が反応槽2の通気部3Aの下部から導入される。又、同時に空気供給管8から散気管7へと供給される空気が反応槽2の通気部3Aの下部に通気されるとともに、通気部3Aに導入された廃水或いは廃水と処理水には薬剤供給管9から供給される薬剤が添加される。
而して、上述のように反応槽2の通気部3Aに廃水(或いは廃水と処理水の一部)が下方から通液されると、廃水(或いは廃水と処理水の一部)の上向きの水流によって種晶が展開して流動床が形成され、その流動界面は図示のように第1の仕切板5の上端よりも上方に位置している(つまり、第1の仕切板5の上端は、流動界面よりも下に位置している)。そして、散気管7から空気が通気されると、空気の浮上によって反応部3の通気部3Aに廃水(或いは廃水と処理水の一部)と種晶とが混合流となって通気部3Aを上向きに流れ、その過程で晶析反応が進行して種晶に廃水中の被処理イオンが難溶性塩として析出し、或る程度の大きさの固定粒子が生成される。
晶析反応によって生成された固体粒子を含む混合流の大部分は、反応槽2内の第1の仕切板5の上方において、通気部3Aにおける気固液混合流の上向きの流れに誘引されて循環部3Bを下向きに流れるため、通気部3Aと循環部3Bとの間で旋回流となって循環する。そして、他の一部の混合流は、そのまま上方へと流れて処理水分離部4へと流れ込み、これに含まれる空気は気液分離部4Aを上昇して大気中に排出される。又、処理水分離部4においては、空気が分離除去された固液混合流が第2の仕切板6によって整流されつつ水平方向外方へと移動して固液分離部4Bへと流れ込み、これに含まれる固体粒子は重力によって沈降し、反応槽2の底部の斜面2aに沿って移動して堆積する。又、イオン類が固体粒子として除去された後の廃水は清澄化されて処理水として固液分離部4Bの上端に接続された処理水排出管11から反応槽2外へと排出され、必要に応じてその一部は処理水供給管12から反応槽2へと戻されて循環する。
而して、本実施の形態に係る晶析装置1においては、上述のように反応槽2内の第1の仕切板5の上方において大部分の固液混合流が反応部3の通気部3Aと循環部3Bとの間を循環する旋回流を形成し、この旋回流が維持されるため、通気部3Aの下部に導入された廃水に含まれる被処理イオンは、薬剤供給管9から通気部3Aに供給された薬剤と接触する際に旋回流によって希釈されるため、晶析反応が一層効率的になされ、当該晶析装置1の晶析処理能力が高められる。
又、本実施の形態に係る晶析装置1においては、固液の撹拌に空気を用いるため、機械的な大きな動力が不要となり、省エネルギー化を実現することができる。
ところで、処理水分離部4の固液分離部4Bに空気が侵入しないようにするためには、図5に示すように、第2の仕切板6の下端を第1の仕切板5の上端よりも低い位置に設け、両仕切板5,6の一部が高さ方向においてオーバーラップするようにした方が効果的である。
しかしながら、上述のように両仕切板5,6をその一部が高さ方向においてオーバーラップするよう配置すると、固液混合流は、通気のない状態では、反応部3の通気部3Aよりも反応部3の循環部3B側に上向流が生じ易い状態となる。このような状態から、反応部3の通気部3Aに上向流と反応部3の循環部3Bに下向流とから成る循環流を形成するためには、通液量の10〜30倍程度の多くの通気量を必要とする。多量の通気により晶析反応は行われるが、液の乱れが大きくなり、粒子同士の接触により粒子の摩擦が大きくなる。又、通気部3Aに上向流を形成するためには、エアリフトによって粒子を持ち上げる必要があり、第1の仕切板5の内径に応じた粗大気泡を送る必要があり、装置のスケールアップに限界がある。
そこで、本発明に係る晶析装置1においては、第2の仕切板6を第1の仕切板5の上方にこれとの間に所定の間隔をあけて設け、反応部3において混合流が通気部3Aと循環部3Bの間で循環することによって旋回流を形成するようにしている。このような構成によれば、第1の仕切板5の上端においても水流は上向流となるため、通気がない状態でも通気部3Aにも上向流が形成され、粒子は自然な流動状態となる。従って、通気部3Aへの少量の通気によっても通気部3Aに上向流を形成し、循環部3Bに下向流を形成して通気部3Aと循環部3B間を循環する旋回流を形成することができる。
ところで、本発明に係る晶析装置1においては、第1の仕切板5の上端が第2の仕切板6の下端よりも低い位置にあるために気液分離性の低下が懸念されるが、前述のように晶析反応を効果的に行うために必要な通気量が減少するため、第2の仕切板6を配置することによって気液分離性が高められ、処理水への粒子の流出が防がれることが明らかとなった。
本発明に係る晶析装置1においては、反応部3での種晶の展開率(種晶の充填高さを100としたときの展開高さの割合(%))を130%以上に維持した状態で、種晶の展開流動界面が第1の仕切板5よりも上方で且つ処理水分離部4よりも下方に位置するよう保持するとともに、通気量を通気部3Aの廃水の水量又は廃水と循環処理水の合計水量の0.2〜2倍(容積比)、好ましくは0.3〜1倍程度とすることによって晶析処理を良好に行うことができることが分かった。旋回流を形成するために必要な通気量を低く抑えることによって、粒子同士の接触による破砕を抑制することも晶析処理が良好に行われる一因となっているものと考えられる。因みに、反応部3での種晶の展開率が130%未満である場合には、流動層部分での比重が大きくなり、効果的な旋回流を発生させるために必要な通気量が増大するとともに、粒子同士の接触による破砕が増えてしまう。
ところで、本実施の形態では、図1に示す晶析装置1を用いたが、図2に示す晶析装置1’或いは図3に示す晶析装置1”を採用しても良い。
図2に示す晶析装置1’は、反応槽2’を同一径の円筒で構成し、その内部の上方に向かって絞られた傾斜板13’を設け、この傾斜板13’によって空気を反応槽2’の内部中央に集めて第2の仕切板6’の内部の気液分離部4A’へと流すようにしている。
又、図3に示す晶析装置1”は、矩形容器状の反応槽2”を採用し、その内部に平板状の第1仕切板5”と第2の仕切板6”を配設し、第1の仕切板5”によって反応部3”を通気部3A”と循環部3B”とに区画するとともに、第2の仕切板6”によって処理水分離部4”を気液分離部4A”と固液分離部4B”とに区画している。尚、図2及び図3においては、図1に示したものと同一要素には同一符号を付している。
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、図4に示す晶析装置1(図1に示したものと同一構造)を用いて、被処理イオンとしてリン酸イオンを含む廃水の晶析処理を薬剤としてCa塩を添加することによって行った。晶析装置1の仕様と処理条件は以下の通りである。
反応槽寸法 :図4参照(但し、第1の仕切板5の長さは1m)
廃水リン濃度 :100mgP/L
廃水流量 :120L/h
通気量 :90NL/h
種晶 :リン鉱石(粒径0.2mmφ)
種晶充填高さ :1m
種晶展開高さ :1.6m
使用薬剤 :消石灰
操作pH :9
処理水循環水量 :0
<比較例>
比較例として図4に示す晶析装置1を用いて晶析処理を行った。処理条件としては第1の仕切板5の長さを1.8mとした以外は実施例と同じとした。通気量は、反応槽2内の粒子の流動性を目視によって確認して決定した。晶析装置1の仕様と処理条件は以下の通りである。
反応槽寸法 :図4参照(但し、第1の仕切板5の長さは1.8m)
廃水リン濃度 :100mgP/L
廃水流量 :120L/h
通気量 :2400NL/h
種晶 :リン鉱石(粒径0.2mmφ)
種晶充填高さ :1m
種晶展開高さ :−
使用薬剤 :消石灰
操作pH :9
処理水循環水量 :0
以上の実施例と比較例1における処理結果を表1に示す。
Figure 2010046610
以上の結果、実施例では廃水からのイオン類の除去率が78%と比較例の除去率55%よりも高い値を示し、本発明よれば高い晶析処理能力が得られることが実証された。
本発明に係る晶析装置の縦断面図である。 本発明に係る晶析装置の変形例を示す縦断面図である。 本発明に係る晶析装置の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施例及び比較例に係る晶析装置の縦断面図である。 参考例に係る晶析装置の縦断面図である。
符号の説明
1 晶析装置
2 反応槽
2a 反応槽の大径部
2b 反応槽の斜面
3 反応部
3A 反応部の通気部
3B 反応部の循環部
4 処理水分離部
4A 処理水分離部の気液分離部
4B 処理水分離部の固液分離部
5 第1の仕切板
6 第2の仕切板
7 散気管
8 空気供給管
9 薬剤供給管
10 廃水導入管
11 処理水排出管
12 処理水供給管

Claims (2)

  1. 反応槽の下部から廃水又は廃水と処理水の一部を通液するとともに気体を通気し、反応槽内に析出核となる種晶を上向流にて流動させ、廃水中の被処理イオンに薬剤を添加して前記種晶に難溶性塩を析出させることによって廃水中からイオン類を除去するとともに、気液分離した後の処理水を反応槽外へ排出する晶析装置において、
    前記反応槽内に、水没する第1の仕切板によって通気を行う通気部と通気を行わない循環部とに区画された反応部と、該反応部の上方に位置する処理水分離部を設けるとともに、前記処理水分離部を、前記第1の仕切板の上方にこれとの間に間隔をあけて設けられてその上部が水面から突出する第2の仕切板によって気液分離部と固液分離部とに区画し、
    前記通気部の下部に散気管を設置するとともに、廃水導入管を開口させて該通気部に廃水の上向流を形成し、
    前記反応部の底面を前記循環部から前記通気部に向かって斜め下方に傾斜する斜面とし、
    前記反応部内で種晶を循環流動させつつ、これに薬剤を添加し、反応部内の種晶の循環流動流の一部を前記処理水分離部に流入させ、該処理水分離部における固液分離によって清澄化された処理水を前記固液分離部の上部から反応槽外へ排出することを特徴とする晶析装置。
  2. 反応槽の下部から廃水又は廃水と処理水の一部を通液するとともに気体を通気し、反応槽内に析出核となる種晶を上向流にて流動させ、廃水中の被処理イオンに薬剤を添加して前記種晶に難溶性塩を析出させることによって廃水中からイオン類を除去するとともに、気液分離した後の処理水を反応槽外へ排出する晶析方法であって、
    前記反応槽内に、水没する第1の仕切板によって通気を行う通気部と通気を行わない循環部とに区画された反応部と、該反応部の上方に位置する処理水分離部を設けるとともに、前記処理水分離部を、前記第1の仕切板の上方にこれとの間に間隔をあけて設けられてその上部が水面から突出する第2の仕切板によって気液分離部と固液分離部とに区画し、
    前記通気部の下部に散気管を設置するとともに、廃水導入管を開口させて該通気部に廃水の上向流を形成し、
    前記反応部の底面を前記循環部から前記通気部に向かって斜め下方に傾斜する斜面とし、
    前記反応部内で種晶を循環流動させつつ、これに薬剤を添加し、反応部内の種晶の循環流動流の一部を前記処理水分離部に流入させ、該処理水分離部における固液分離によって清澄化された処理水を前記固液分離部の上部から反応槽外へ排出するよう構成された晶析装置の前記反応部での種晶の展開率(種晶の充填高さを100としたときの展開高さの割合(%))を130%以上に維持した状態で、種晶の展開流動界面が前記第1の仕切板よりも上方で且つ前記処理水分離部よりも下方に位置するよう保持するとともに、通気量を通気部の廃水の水量又は廃水と循環処理水の合計水量の0.2〜2倍(容積比)とすることを特徴とする晶析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105692895A (zh) * 2016-04-05 2016-06-22 四川大学 一种厌氧内循环制氢反应器
CN114506968A (zh) * 2021-12-29 2022-05-17 北京北华中清环境工程技术有限公司 一种多功能水质净化***

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CN105692895B (zh) * 2016-04-05 2018-11-13 四川大学 一种厌氧内循环制氢反应器
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