JP2010043724A - 端止め部材、その前駆体及びその製造方法並びに端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特定分野に使用される端止め部材を新規な方法で製造するとともに、その端止め部材が完成される前段階にある前駆体を使用してその前駆体から端止め部材を形成すると同時に部材層を加締める。
【解決手段】 可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1を準備する第一工程と、その基材を所定間隔離して複数個所で断ち切って複数個の括れ部10を形成する第二工程と、その基材を上下金型3、4間に供給する第三工程と、前記基板の括れ部の存在しない部位に絞り成形を施して外周面S3が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部12を複数形成する第四工程とを経て端止め部材9用の前駆体13を作る。この前駆体の短筒部を部材層29の透孔24に挿入して加締める。
【選択図】図1
【解決手段】 可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1を準備する第一工程と、その基材を所定間隔離して複数個所で断ち切って複数個の括れ部10を形成する第二工程と、その基材を上下金型3、4間に供給する第三工程と、前記基板の括れ部の存在しない部位に絞り成形を施して外周面S3が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部12を複数形成する第四工程とを経て端止め部材9用の前駆体13を作る。この前駆体の短筒部を部材層29の透孔24に挿入して加締める。
【選択図】図1
Description
本発明は、特定の方法により製造されるはとめ部材及びその前駆体並びにその前駆体の一部分を使用して、特に二つの板状部材により形成される積部材層層(以下、「部材層」と称する)をかしめる過程で、はとめ部材の形成と部材層のかしめとを同時に行なう方法に関するものである。
従来から合成樹脂製のはとめ(本明細書においてはこの名詞表記を一見して判読し易くするために「端止め」と漢字で表記する)部材により二つの板状部材の部材層をかしめる(上記同様にこの動詞表現を一見して判読し易くするために「加締める」と漢字で表記する)技術は、特開2000−179518号公報により公知である。
この公知技術によると、合成樹脂製の端止め部材は頭部と脚部とからなり、脚部は頭部の首下から途中まで厚肉に形成されており、途中から先端まで薄肉に形成されているので、加締め時に脚部の座屈が発生しにくく、かつ先端にカールを発生し易いという効果を発揮する。
特開2000−179518号公報
しかしながら、このような樹脂製の端止め部材は、通常、射出成形法により1個ずつ製造せざるを得ず、その生産性の向上には限度がある。また部材層の加締め作業をするとき、端止め部材を1個ずつ前記部材層の所定位置に位置決めしてから、端止め部材の先端を加締め治具で押し潰さねばならない。これは、端止め部材の位置決めを不安定にするという問題がある。
そこで、本発明者は、この問題の解消可能な端止め部材及びそれを使用しての加締め方法について、鋭意、研究したところ、端止め部材が使用される用途によっては、公知技術と全く異なる端止め部材の製造方法を採用し、その端止め部材が完成する前段階にある前駆体を使用し、その前駆体の最先端にある端止め部材となる前駆体の構成要素を部材層の透孔に位置決めをしてから、その構成要素を部材層に加締めると同時に前駆体から分離すればよいという事実を見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の課題は、特定分野に使用される端止め部材を新規な方法で製造するとともに、その端止め部材が完成する前段階にある前駆体を使用して、その前駆体から端止め部材を形成すると同時に部材層を加締める方法を提案することにある。
本発明は、前記の課題を解決するために、所定の厚みと外形を有する可塑性合成樹脂製の基板部と、前記基板部のほぼ中央部に、それを絞り成形して外周面が先端にゆくにつれて縮径するように形成されている短筒部とからなる端止め部材を提供する。
このような構造を有する端止め部材は、所定の厚みを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材に所定の間隔を以って複数個の括れ部を形成するとともに、該括れ部以外の非括れ部である複数個の各基板部のほぼ中央部にそれを絞り成形して外周面が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部を垂直形成してなる前駆体を準備することにより得られる。
このような前駆体は、所定の厚みを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材を準備する第一工程と、所定間隔離して前記基材を複数個所で部分的に断ち切って複数個の括れ部を形成する第二工程と、前記基材を上下一対の上下金型間に供給する第三工程と、前記基板のうち前記括れ部の存在しない部位である基板部に絞り成形を施して外周面が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部を複数個垂直に形成する第四工程とを経て製造される。
そして、前記テープ又はシート状基材として、好ましくは、基材の長手方向に所定間隔離して幅方向の中心部位に前記短筒部の端面形成を誘導する誘導孔を有しているものを使用するとともに、前記第二工程が、第三工程が実施された後に、前記上下金型間において、第四工程と同時に実施される端止め部材用前駆体の製造方法を採用する。
そして、この前駆体を使用するとともに、その前駆体の一部分を加締めんとする、例えば、第一板状部材と第二板状部材から形成される部材層を加締める過程で前記加締め部材が製作される。すなわち、所定の厚みを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材に所定の間隔を以って複数個の括れ部を設ける第一工程と、前記括れ部以外の非括れ部である複数個の基板部のほぼ中心部にそれを絞り成形を施して短筒部を形成する第二工程と、少なくとも第一板状部材及び/又は第二板状部材の部材層に透孔を設ける第三工程と、前記短筒部を前記部材層の一面側から透孔に挿入して、その先端部を他面側に突出せる第四工程と、前記テープ又はシート状基材を前記括れ部の存在部位で破断する第五工程と、前記部材層から突出した先端部を外方に拡開するとともに下方に押し潰す第六工程とからなる方法を採用することにより端止め部材が形成される。
なお、この方法において、前記第五工程は、前記第四工程又は第六工程の実施と同時に又はそれらの工程が実施された後に実施することにより、前駆体においてその一部分である端止め部材となる構成要素の位置決めが可能になるので、前記構成要素以外の部分を手に持って、又は作動する機械に把持させることが可能になり、前記位置決めが安定する。
このように前駆体から分離され、部材層の透孔内に加締められた端止め部材は、前記部材層から突出して外方に拡開されかつ下方に押し潰された先端部の端止め性能は、金属製の端止め部材のそれより劣ることは避けられない。そこで本発明では、端止め部材に対して部材層の端止め効果の発現を主目的にするのではなく、前記部材層の透孔における周端面の保護を主目的にした用途開発を進め、次の用途発明を完成した。
すなわち、第一板状部材が、二板状部材である台紙の上に載置された被包装物品を覆う膨らみ部を有する樹脂製ブリスタ部材であり、第一板状部材の膨らみ部が存在しない部位と第二板状部材によって形成されている部材層に前記方法を適用して、前記透孔を保護すれば、本発明に係る端止め部材は、金属製の端止め部材より透孔の周端面保護性能を効果的に発揮する。
本発明は、特定分野に使用される端止め部材を効率的に形成できる端止め部材用の前駆体の新規な製造方法を提供できるとともに、その前駆体を使用すると加締められようとする部材層の透孔に対する端止め部材の位置決めを容易にできるという効果を発揮する。
(端止め部材)
次に図面を参照しながら、本発明の最良の実施形態を説明する。まず本発明に係る端止め部材について説明すると、図1に示すように、本発明に係る端止め部材9は、所定の厚みTと方形又はその方形の周縁部をトリミングして円形若しくは非円形、例えば多角形又は花びら形等、種々の外形S1を有する可塑性合成樹脂製の基板部11と、その基板部11のほぼ中央部Cからほぼ垂直に立ち上がる断面が円形又は非円形である多角形又は花びら形等、種々の外形S3を有する短筒部12とから形成されている。なお、図1においては方形の基板部11と円形12の短筒部12とからなる実施形態が描かれているとともに、基板部11の一縁部に後述する括れ部10が破断され、その一部分が基板部11に付随した状態が描かれている。
次に図面を参照しながら、本発明の最良の実施形態を説明する。まず本発明に係る端止め部材について説明すると、図1に示すように、本発明に係る端止め部材9は、所定の厚みTと方形又はその方形の周縁部をトリミングして円形若しくは非円形、例えば多角形又は花びら形等、種々の外形S1を有する可塑性合成樹脂製の基板部11と、その基板部11のほぼ中央部Cからほぼ垂直に立ち上がる断面が円形又は非円形である多角形又は花びら形等、種々の外形S3を有する短筒部12とから形成されている。なお、図1においては方形の基板部11と円形12の短筒部12とからなる実施形態が描かれているとともに、基板部11の一縁部に後述する括れ部10が破断され、その一部分が基板部11に付随した状態が描かれている。
前記短筒部12は、後述する端止め部材用の前駆体を形成する過程を経て形成されるが、原理的には次のステップを経て得られる。まず、図2に示すように、前記基板部11の中央部Cに前記短筒部12の端面12aを形成するために誘導透孔2をあけ、その誘導透孔2を中心とする部位を上下金型3、4間におく。その上下型3、4のうちの雄部5の中央突起5aを前記誘導透孔2に臨ませて絞り成形をする。すると、基板部11の誘導透孔2付近が塑性変形を起し始める。さらに絞り成形を続けると、図3に示すように、塑性変形部分の塑性変形が継続して起こり、最終的には上下型3、4の雄部5と雌部6の間で短筒部12が完成する。
本発明に係る端止め部材9は、このようにして得られるので、短筒部12の形成に使用される材料は、絞り成形前に基端部11において短筒部12の内形S2の広さに相当する材料であるから、端止め部材9は、前記内形S2が狭い端止め部材11ほど短筒部12の厚みを薄くするか高さHを小さくしなければならないという第一の特徴を有している。
前記短筒部12では、基板部11の材質の一部分を絞り成形法により形成しているので、得られた短筒部12を構造的に安定な形状にするために、短筒部12の外形S3が先端にゆくにつれて縮径されたテーパー面を有しているという第二特徴を有している。しかしながら、内形S2は絞り成形時における雄部5の型抜きを円滑にするために先端にゆくにつれて縮径されたテーパー面を有するか、それとも内外形S2、S3ともテーパー面を有し、かつ内形S2のテーパー角は外形S3のそれより急な形状を有するようにする。
次に、本発明に係る端止め部材9は、前記成形法において短筒部12の基端周辺の基板部11を金型で抑えるのに所定広さのスペースが要るので、必然的に基板部11の外形S1が短筒部12の外形S3に比して著しく大きくなるという第三の特徴を有している。なお、本発明において基板部11及び短筒部12の外形形状は一定ではないので、外形S1、外形S2、外形S3とは、種々の外形が円に相当するものと仮想して、前記外形面積をその仮想円の面積に置き換えて計算した大きさをいう。
更に、本発明に係る端止め部材9は、その製造過程で下型の雄部4が基板部11をその裏面側から強制的に突き通しているので、基板部11と短筒部12とが連通しているという第四の特徴を有している。
(端止め部材用の前駆体)
本発明に係る端止め部材は上記したような方法で製造され、得られた端止め部材は上記の特徴を有しているが、そのような端止め部材の使用時に際して、部材層の透孔に対する位置決めを容易にするという究極的な目的を達成するために、本発明では前記形状・構造の端止め部材を形成する直前の段階にある端止め部材用の前駆体を部材層の加締め過程で使用する。
本発明に係る端止め部材は上記したような方法で製造され、得られた端止め部材は上記の特徴を有しているが、そのような端止め部材の使用時に際して、部材層の透孔に対する位置決めを容易にするという究極的な目的を達成するために、本発明では前記形状・構造の端止め部材を形成する直前の段階にある端止め部材用の前駆体を部材層の加締め過程で使用する。
すなわち、図5〜図7に示すように、所定の厚みTを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1に所定の間隔を以って複数個の括れ部10を形成するとともに、該括れ部10以外の非括れ部である複数個の基板部11のほぼ中央部Cにそれを絞り成形を施して短筒部12を垂直形成しなる複数個の端止め部材9a、9b、9c、9d・・(本明細書において、これら複数個の端止め部材に代表的な符号9を使用することもある)用の前駆体13を使用する。
なお、ここに括れ部10とは、前記複数個の端止め部材9a、9b、9c、9d・・を一列に連結して前駆体13を構成する機能を有する基材1の幅狭連結部を意味し、後述する端止め部材9の形成段階において破断される基材1の部位であるから、その大きさ・形状は、複数個の端止め部材9a、9b、9c、9d・・の連結と基材1の切断とを同時に満足するものであればよい。また、基板部11の形状は前述のとおりであるが、図8に示すように、その外縁部はトリミングして、花びらのように加飾することもできる。
(前駆体の製造方法)
次に前記のような形状・構造を有する端止め部材9用の前駆体13は、次の工程を経て製造される。すなわち、図9〜図12に示すように、所定の厚みTを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1を準備する第一工程と、前記基材1を一対の上下金型3、4間に供給する第三工程と、前記上型3から下方に突出させた第二切断刃8により前記基材1を部分的に断ち切って、図12で示すように、括れ部10を形成する第二工程と、前記括れ部10の存在しない非括れ部に絞り成形を施して、図7に示したように、外周面が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部12を垂直に形成する第四工程とを含む方法により前駆体13を形成する。
次に前記のような形状・構造を有する端止め部材9用の前駆体13は、次の工程を経て製造される。すなわち、図9〜図12に示すように、所定の厚みTを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1を準備する第一工程と、前記基材1を一対の上下金型3、4間に供給する第三工程と、前記上型3から下方に突出させた第二切断刃8により前記基材1を部分的に断ち切って、図12で示すように、括れ部10を形成する第二工程と、前記括れ部10の存在しない非括れ部に絞り成形を施して、図7に示したように、外周面が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部12を垂直に形成する第四工程とを含む方法により前駆体13を形成する。
さらに説明を加えると、好ましくは前記基材1には、図9に示すように、絞り成形時に前記短筒部12の端面形成を誘発する誘発透孔12が長手方向に所定間隔をおいて横幅方向に中心に透設されている。前記上型3には凹状の雌部6が形成されており、下型4には前記雌部6に嵌合する雄部5が形成されている。なお、基材1に誘発透孔12を設ける代わりに、前記雌部6の天井に前記短筒部12の端面を形成するための第一切断刃7を設けることもできる。
上記の各工程を反復することにより、基材1には、図12に示すように、複数個の括れ部10間に非括れ部としての複数個の基板部11と、それら基板部11のそれぞれから垂直に立ち上がる短筒部12とからなる複数個の端止め部材9が前記括れ部10を介して連接した形状・構造の前駆体13を得ることができるが、前記第二、第三及び弟四工程をそれらの順に実施する必要はなく、前記第二工程を、第三工程が実施された後に、前記上下金型3、4間において、第四工程と同時に実施することができる。要するに上述した本発明に係る前駆体13を得ることが可能な順序でそれらの工程を実施すればよい。
(端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法)
ではこのような形状・構造の前駆体13から端止め部材9をどのように分離・成形するかということについて次に説明する。既に図5及び図6に示したように、まず端止め部材9が括れ部10を介して複数個連接した前駆体13を準備する。すなわち、所定の厚みTを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1に所定の間隔を以って複数個の括れ部10を設ける第一工程と、その括れ部10以外の非括れ部である複数個の基板部11のほぼ中心部に絞り成形を施して短筒部12を形成する第二工程とを経て端止め部材9用の前駆体13を準備する。
ではこのような形状・構造の前駆体13から端止め部材9をどのように分離・成形するかということについて次に説明する。既に図5及び図6に示したように、まず端止め部材9が括れ部10を介して複数個連接した前駆体13を準備する。すなわち、所定の厚みTを有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材1に所定の間隔を以って複数個の括れ部10を設ける第一工程と、その括れ部10以外の非括れ部である複数個の基板部11のほぼ中心部に絞り成形を施して短筒部12を形成する第二工程とを経て端止め部材9用の前駆体13を準備する。
次に、図13に示すように、少なくとも第一板状部材21及び/又は第二板状部材22を用意し、それらの積層体からなる部材層29に透孔24を設ける(第三工程)。このように前記前駆体13と部材層29とが準備されたら、図14に示すように、上型3と下型4との間に部材層29と前駆体13とを介在させる。前記上型3は、前駆体13の短筒部12の先端開口12aに挿入可能な切頭円錐形の中子部30と、前記先端開口12aが当接したとき、先端部12bを外方に拡開するとともに下方に押し潰す機能を果たす当接面33とを備えている。さらに、上型3には前記中子部30から所定距離離れた位置に第三切断刃35が下向きに取り付けられており、次の工程において前駆体13の括れ部10を断ち切ることが可能になっている。かくして、前記短筒部12を前記部材層29の一面側から透孔24に臨ませて挿入して、その先端部を他面側に突出せる(第四工程)。
次いで、図15に示すように、上下型3、4を相対的に接近させると、前記当接面33が先端開口12aに当接した後、先端部12bを外方に拡開するとともに下方に押し潰すと、前記第三切断刃35が前駆体13の括れ部10を破断する(第五、六工程)。すると、図16に示すように、前記前駆体13が分離・独立して端止め部材9が形成されると同時に部材層29の加締めが生ずる。なお、本発明において先端部12bが外方に拡開されるとともに下方に押し潰されて形成された先端フランジ34の拡開する程度は、その先端外周縁に破裂が生じない範囲とする。
このようにして部材層29に組み込まれた端止め部材9は、図16及び図17に示すように、従来公知の端止め部材と異なり、基端部11の厚みDが短筒部12の厚みD1より大きいのみならず、前記基端部11の外形S1は先端フランジ34の外形S4に比較して非常に大きい。そのため、本発明にかかる端止め部材9が部材層29を加締める加締め力は、周知の金属製端止め部材や前述した公知の樹脂製端止め部材のそれらに比較して、小さいことは否定できないが、部材層29の透孔24内の端面を確実に保護する効果は、従来の端止め部材のそれより顕著に優れている。
すなわち、基板部11の外形S1が大きいので、本発明にかかる端止め部材9は、従来技術のそれと異なり、部材層29に片面に貼り付くようにぴたりと沿うという効果を発揮する。そしてそれから垂直に立ち上がる短筒部12は、基板部11に支配されて自立して透孔24内面を保護する。
(本発明の応用例)
最後にこのような形状・構造を有する端止め部材の機能を効果的に発揮する応用例として物品の包装媒体について説明する。図18に示すように、第一板状部材21の膨らみ部23の中に包装されようとする物品、すなわち、被包装物品20を入れ、図19に示すように、その上から第二板状部材22をスライドさせながら、第二板状部材22の三つの側縁部を第一板状部材21の三つの側縁部に曲げ形成されているスライド係止部25a、25b、25c(スライド係止部25cは、図19には開示されていないが、後述する図22及び図23に記載されている)に係止させた後、図20に示すように、両部材21、22の尻部(図20においては下方に位置する部分)をU字形釘26で留めることにより、被包装物品20を第一板状部材21と第二板状部材22により包装するとともに、被包装物品20の改ざんを防止している。
最後にこのような形状・構造を有する端止め部材の機能を効果的に発揮する応用例として物品の包装媒体について説明する。図18に示すように、第一板状部材21の膨らみ部23の中に包装されようとする物品、すなわち、被包装物品20を入れ、図19に示すように、その上から第二板状部材22をスライドさせながら、第二板状部材22の三つの側縁部を第一板状部材21の三つの側縁部に曲げ形成されているスライド係止部25a、25b、25c(スライド係止部25cは、図19には開示されていないが、後述する図22及び図23に記載されている)に係止させた後、図20に示すように、両部材21、22の尻部(図20においては下方に位置する部分)をU字形釘26で留めることにより、被包装物品20を第一板状部材21と第二板状部材22により包装するとともに、被包装物品20の改ざんを防止している。
他方、前記両部材21、22において頭部には、長方形をなすとともに、その一辺の途中に湾曲部を有する透孔24が設けられており、その透孔24に販売店等の陳列壁27から延びる片持ち支持棒25を通すことにより、被包装物品20が陳列される。図21に示す本発明に係る端止め部材9は、図22及び図23に示すように、前記包装媒体20を包装する第一、第二板状部材21、22の部材層29に使用された場合、特異の作用・効果を発揮する。この作用・効果を次に説明する。
まず、図21に示したように、この実施形態に使用される前駆体13には、ほぼ長方形をなす基板部11とほぼ長方形断面を有する短筒部12とからなる複数個の端止め部材9が括れ部10により連接されている。さらにこの前駆体13において短筒部12を形成されている二つの長辺部のうちの一つの長辺部の中央部には、円弧部14が形成されており、その円弧部14に、図20で示したように、被包装物品20を包装した第一板状部材21と第二板状部材22の頭部に形成されている透孔24に陳列壁27から突出している片持ち支持棒28が、位置決めされるとともに係止されるようになっている。
図22及び図23に示すように、この前駆体13から切り離した端止め部材9を、第一板状部材21と第二板状部材22に加締める場合、図14及び図15に示したように、前駆体13を上下一対の金型3、4間の所定位置に第一板状部材21と第二板状部材22との部材層29を誘導し、前駆体13の最先端にある一構成要素である短筒部12を第一板状部材21と第二板状部材22との透孔24内を臨むように位置決めする。
次いで、上下金型3、4を相対的に上下動させると、図16に示すように、前駆体13と部材層29とが接近し、短筒部12は積層体29の透孔24の中に侵入するとともに、上型3に取り付けてある第三切断刃35が前駆体13の括れ部10を破断する。このとき、部材層29の透孔24に臨ませてある中子部30より、上昇してくる短筒部12の先端部12bが外方に拡開されるとともに、相対的に下方に潰される。
その結果、図16に示すように、前駆体13における基板部11は、そのほぼ中央から立ち上がる短筒部12の基端フランジとして機能し、短筒部12の先端部は、先端フランジ34として機能し、それらが端止め部材9を構成するのみならず、短筒部12の内面及び先端フランジ34の上面は、図24に示すように、部材層29の透孔24に相似する形状を有するに至る。
しかも、本発明に係る端止め部材9においては、その製造方法に起因して、まず前記先端フランジ部34の外形S4に比較し基板部11の外形S1が著しく大きくなる(図16を参照、以下同じ)。次に、前記製造方法の主要工程である可塑性合成樹脂の塑性プレス成形方法に起因して、基板部11の厚みDに比較し短筒部12及び先端フランジ34の厚みが非常に薄くなる。さらに同様の成形方法に起因して、短筒部12の高さHが従来技術のそれに比較して非常に小さい。本発明においては、前記短筒部12の高さHは、前記基板部11の厚さDの 〜 倍の範囲にある。なお、先端フランジ34の厚みとは、短筒部12自体が先端にゆくにつれて薄肉となるテーパー形状をなしているので、少なくとも短筒部12の基端部(符号P1で示す部位)の厚みD1より薄い厚みを意味する。
このように、本は発明に係る樹脂製端止め部材とその形状・構造は公知のそれらに比し顕著に相異するため、本発明に係る端止め部材は、複数枚の板状部材を強固に接合する機能より、部材層に形成した透孔の内周端面を保護乃至加飾する機能に優れていると言える。また、従来、第一板状部材21と第二板状部材22をその尻部でU字形金属釘により留めて、被包装物品20の改ざんを防止していた(図20を参照)が、前記の実施形態においては、頭部の透孔24を端止め部材9で加締めているので、このような金属釘を使用する必要がない。そのため、第一、第二板状部材21、22を廃棄するとき、本発明は、環境上の問題はないという付加的効果を発揮する。
本発明はその根本的技術思想を踏襲し、発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の実施形態の一部分を変更して実施することは当然に許容される。例えば、図25及び図25に示すように、第一板状部材21と第二板状部材22の透孔24が、それら部材21、22の外縁31と二次元的に接続するよう、第一板状部材21と第二板状部材22における透孔24の外側部位を破断した形状の部材を使用することができる。このような実施形態を採用すると、第一、第二板状部材21、22を製造する工程にまで本発明の効果が遡及する。
なぜならば、透孔24を有する第一板状部材21と第二板状部材22を製造するとき、図27に示すように、第一板状部材21と第二板状部材22の外形より大きな原板32を使用して、その原板32から第一板状部材21と第二板状部材22を切り欠いているが、このとき、もし、前記透孔24を外縁31と二次元的に接続させておくと、第一板状部材21や第二板状部材22を成形する過程で透孔24を切り欠いたとき生ずる切り屑が原板32の残余部分に付随してゆくので、第一板状部材21や第二板状部材22から透孔24を別個に繰り抜く操作が不要になるからである。
本発明においてはこのように透孔24が外縁31と二次元的に接続している態様においても、図20に示すように、本発明に係る端止め部材9は、透孔24の内周端面を保護するので、陳列壁27から延びる片持ち支持棒28により被包装物品20等の支持が可能になる。
本発明に係る透孔の内周端面構造の形成方法として、上下一対の金型を工夫することにより、可塑性合成樹脂テープと第一板状部材及び第二板状部材とを重ねて、それらを同時にプレス加工することにより、第一板状部材及び第二板状部材との部材層に透孔を形成するとともに、その透孔に短筒部を挿入することもできる。
また、部材層を第一板状部材と第二板状部材を使用することなく、用途によっては第一板状部材だけを使用し、その透孔の内周端面を強化又は加飾するために、本発明に係る技術を採用することができる。この態様において、すなわち、部材層の透孔に合成樹脂製端止め部材の短筒部を挿入して、加締めてなる端止め部材において、前記短筒部の先端部にある先端フランジ部が基端部にある基端フランジ部より小さく、かつ薄肉に形成されている内周端面形成構造が前記部材層に実現される。
本発明は、比較的薄い部材層に設けた透孔の内周端面の保護及び加飾並びに二つの板状部材を一体化する分野に広く利用できる。
1:テープ(シート)状基材、2:誘導透孔、3:上型、4:下型、5:雄部、5a:誘導突起、6:雌部、7:第一切断刃、8:第二切断刃、9、9a、9b、9c、9d、9e:端止め部材、10:括れ部、11:基板部、12:短筒部、12a:先端開口、12b:先端部、13:前駆体、14:円弧部20:被包装物品、21:第一板状部材、22:第二板状部材、23:膨らみ部、24:透孔、25a、25b、25c:スライド係止部、26:U字形釘、27:陳列壁、28:片持ち支持棒、29:部材層、30:中子部、31:外縁、32:原板、33:当接面、34:先端フランジ、35:第三切断刃、C:中央部、D:厚み、D1:厚み、S1:外形、S2:内形、S3:外形、S4:外形、L:長さ、T:厚み、H:高さ。
Claims (11)
- 所定の厚み(D)と外形(S1)を有する可塑性合成樹脂製の基板部(11)と、前記基板部のほぼ中央部(C)に、それを絞り成形して外周面(S3)が先端にゆくにつれて縮径するように形成されている短筒部(12)とから構成されている端止め部材。
- 前記基板部(11)の外縁部がトリミングされている請求項1記載の端止め部材。
- 所定の厚み(T)を有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材(1)に所定の間隔を以って複数個の括れ部(10)を形成するとともに、該括れ部以外の非括れ部である複数個の各基板部(11)のほぼ中央部(C)にそれを絞り成形して外周面(S3)が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部(12)を垂直形成してなる端止め部材用の前駆体。
- 前記基板部(11)の外縁部がトリミングされている請求項3記載の端止め部材用の前駆体。
- 所定の厚み(T)を有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材(1)を準備する第一工程と、所定間隔離して前記基材を複数個所で部分的に断ち切って複数個の括れ部(10)を形成する第二工程と、前記基材を上下一対の上下金型(3,4)間に供給する第三工程と、前記基板のうち前記括れ部の存在しない部位に絞り成形を施して外周面(S3)が先端にゆくにつれて縮径されている短筒部(12)を複数個垂直に形成する第四工程とを少なくとも包含する端止め部材用前駆体の製造方法。
- 前記テープ又はシート状基材(1)が、その長手方向に所定間隔離して幅方向の中心部位に前記短筒部(12)の端面(12a)の形成を誘導する誘導孔(2)を有している請求項5記載の端止め部材用前駆体の製造方法。
- 前記第二工程が、第三工程が実施された後に、前記上下金型(3,4)間において、第四工程と同時に実施される請求項5記載の端止め部材用前駆体の製造方法。
- 所定の厚み(T)を有する可塑性合成樹脂製のテープ又はシート状基材(1)に所定の間隔を以って複数個の括れ部(10)を設ける第一工程と、前記括れ部以外の非括れ部である複数個の基板部(11)のほぼ中心部(C)にそれを絞り成形を施して短筒部(12)を形成する第二工程と、少なくとも第一板状部材(21)及び/又は第二板状部材(22)の部材層(29)に透孔(24)を設ける第三工程と、前記短筒部を前記部材層の一面側から透孔に挿入して、その先端部(12b)を他面側に突出せる第四工程と、前記テープ又はシート状基材を前記括れ部の存在部位で破断する第五工程と、前記部材層から突出した先端部を外方に拡開するとともに下方に押し潰す第六工程とからなる端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法。
- 前記基端部(11)の厚み(D)が前記短筒部(12)の厚み(D1)より大きい請求項8記載の端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法。
- 前記第五工程が、前記第四工程又は第六工程の実施と同時に又はそれらの工程が実施された後に実施される請求項8記載の端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法。
- 前記第一板状部材(21)が、前記第二板状部材(22)である台紙の上に載置された被包装物品(20)を覆う膨らみ部(23)を有する樹脂製ブリスタ部材であり、前記部材層(29)が第一板状部材の膨らみ部が存在しない部位と第二板状部材によって形成されている請求項8記載の端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法。
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JP2008235673A JP2010043724A (ja) | 2008-08-18 | 2008-08-18 | 端止め部材、その前駆体及びその製造方法並びに端止め部材の形成と部材層の加締めとを同時に行なう方法 |
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WO2011108318A1 (ja) | 2010-03-01 | 2011-09-09 | シャープ株式会社 | 通信システム、送信装置、受信装置、通信方法 |
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