JP2010042785A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプライン嵌合部の円周方向のガタの抑制を図ることができ、軽量化を図りつつも、軸受の負荷容量(定格荷重)及び剛性を向上させることができる車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。
【解決手段】内周側に複数の外側軌道面26、27を有する外方部材25と、外周側に複数の内側軌道面28、29を有する内方部材39と、外側軌道面26、27と内側軌道面28、29との間に配置される転動体30とを有する転がり軸受2を備え、内方部材39はハブ輪1を有し、ハブ輪1の孔部22に嵌挿される外側継手部材の軸部12が凹凸嵌合構造Mを介してハブ輪1に一体化される。軸方向に延びる凸部35を、軸方向に沿って他方に圧入し、嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。転がり軸受2において、インボード側の転動体30のピッチ円直径をアウトボード側の転動体30のピッチ円直径よりも大径とする。
【選択図】図1
【解決手段】内周側に複数の外側軌道面26、27を有する外方部材25と、外周側に複数の内側軌道面28、29を有する内方部材39と、外側軌道面26、27と内側軌道面28、29との間に配置される転動体30とを有する転がり軸受2を備え、内方部材39はハブ輪1を有し、ハブ輪1の孔部22に嵌挿される外側継手部材の軸部12が凹凸嵌合構造Mを介してハブ輪1に一体化される。軸方向に延びる凸部35を、軸方向に沿って他方に圧入し、嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。転がり軸受2において、インボード側の転動体30のピッチ円直径をアウトボード側の転動体30のピッチ円直径よりも大径とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置およびアクスルモジュールに関する。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方の内側軌道面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
例えば、特許文献1には、第3世代と呼ばれるものが記載されている。第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図11に示すように、外径方向に延びるフランジ151を有するハブ輪152と、このハブ輪152に外側継手部材153が固定される等速自在継手154と、ハブ輪152の外周側に配設される外方部材155とを備える。
等速自在継手154は、前記外側継手部材153と、この外側継手部材153の椀形部157内に配設される内側継手部材158と、この内側継手部材158と外側継手部材153との間に配設されるボール159と、このボール159を保持する保持器160とを備える。また、内側継手部材158の中心孔の内周面にはスプライン部161が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材158側のスプライン部161とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪152は、筒状の軸部163と前記フランジ151とを有し、フランジ151の外端面164(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部165が突設されている。なお、パイロット部165は、大径の第1部165aと小径の第2部165bとからなり、第1部165aにブレーキロータが外嵌され、第2部165bにホイールが外嵌される。
そして、軸部163の椀形部157側端部の外周面に切欠部166が設けられ、この切欠部166に内輪167が嵌合されている。ハブ輪152の軸部163の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面168が設けられ、内輪167の外周面に第2内側軌道面169が設けられている。また、ハブ輪152のフランジ151にはボルト装着孔162が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ151に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔162に装着される。
外方部材155は、その内周に2列の外側軌道面170、171が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)182が設けられている。そして、外方部材155の第1外側軌道面170とハブ輪152の第1内側軌道面168とが対向し、外方部材155の第2外側軌道面171と、内輪167の第2内側軌道面169とが対向し、これらの間に転動体172が介装される。また、外方部材155の外周面(外径面)には車体取付用のフランジ182が設けられ、このフランジ182が図示省略のナックルに取り付けられる。
ハブ輪152の軸部163に外側継手部材153の軸部173が挿入される。軸部173は、その反椀形部の端部にねじ部174が形成され、このねじ部174と椀形部157との間にスプライン部175が形成されている。また、ハブ輪152の軸部163の内周面(内径面)にスプライン部176が形成され、この軸部173がハブ輪152の軸部163に挿入された際には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合する。
そして、軸部163から突出した軸部173のねじ部174にナット部材177が螺着され、ハブ輪152と外側継手部材153とが連結される。この際、ナット部材177の内端面(裏面)178と軸部163の外端面179とが当接するとともに、椀形部157の軸部側の端面180と内輪167の外端面181とが当接する。すなわち、ナット部材177を締付けることによって、ハブ輪152が内輪167を介してナット部材177と椀形部157とで挟持される。
特開2004−340311号公報
従来では、前記したように、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176とが係合するものである。このため、軸部173側及びハブ輪152側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部173側のスプライン部175とハブ輪152側のスプライン部176との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷する(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を成立させることは困難であった。
スプライン嵌合において、雄スプラインと雌スプラインとの密着性の向上を図って、円周方向のガタが生じないようにしたとしても、駆動トルクが作用すれば、雄スプラインと雌スプラインとに相対変位が発生するおそれがある。このような相対変位が発生すれば、フレッティング摩耗が発生し、その摩耗粉により、スプラインがアブレーション摩耗を起すおそれがある。これによって、スプライン嵌合部位においてガタつきが生じたり、安定したトルク伝達ができなくなるおそれがある。
近年、車両の燃費向上やバネ下荷重軽量化による運動性能向上のため、車輪用軸受装置に更なる軽量化が求められている。加えて、大きなモーメント荷重等が負荷されても充分な強度・耐久性を発揮するとともに、安定した走行のため(操縦安定性向上のため)に、軸受剛性を高めることも望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みて、スプライン嵌合部の円周方向のガタの抑制を図ることができ、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との嵌合が安定して強度的にも優れた車輪用軸受装置であって、しかも、軽量化を図りつつも、軸受の負荷容量(定格荷重)及び剛性を向上させることができる車輪用軸受装置およびアクスルモジュールを提供する。
本発明の車輪用軸受装置は、内周側に複数の外側軌道面を有する外方部材と、外周側に複数の内側軌道面を有する内方部材と、外方部材の外側軌道面とこれに対向する内方部材の内側軌道面との間に配置される転動体とを有する転がり軸受を備え、前記内方部材はハブ輪を有し、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、かつ、前記転がり軸受において、インボード側の転動体のピッチ円直径をアウトボード側の転動体のピッチ円直径よりも大径としたものである。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図1の左側)、中央寄り側をインボード側(図1の右側)という。
本発明の車輪用軸受装置によれば、凹凸嵌合構造は、凸部と凹部との嵌合接触部位の全体が密着しているので、この嵌合構造では、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、この他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、前記凹凸嵌合構造を構成する。すなわち、相手側の凹部形成面に凸部の形状の転写を行うことになる。
転がり軸受において、インボード側の転動体の数をアウトボード側の転動体の数よりも多くしたり、インボード側の転動体とアウトボード側の転動体とを同一サイズとしたりすることができる。すなわち、インボード側の転動体とアウトボード側の転動体とを同一サイズにすれば、インボード側の転動体のピッチ円直径はアウトボード側の転動体のピッチ円直径よりも大径であるので、インボード側の転動体の数をアウトボード側の転動体の数よりも多くできる。また、インボード側の転動体のピッチ円直径を大きくすることによって、軸受スパン(両軌道面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)を大きくすることができる。
内方部材のインボード側の端面と、これに対向する等速自在継手の外側継手部材の対向面とを接触させ、この接触によって軸部のハブ輪への圧入量を規制するようにするのが好ましい。このように接触させることによって、車輪用軸受装置の軸方向長さを短く設定することができるとともに、凹凸嵌合構造の軸方向長さを規制できる。しかも、この接触によって、内方部材のインボード側の端面と、等速自在継手の外側継手部材の対向面との間においてシール機能を発揮することができ、凹凸嵌合構造部への雨水やダストの侵入を防止することができる。
本発明のアクスルモジュールは、前記車輪用軸受装置を備え、アウトボード側の等速自在継手に連結されたシャフトと、このシャフトの他方に連結されたインボード側の摺動型の等速自在継手とを備えたものである。
また、車輪用軸受装置の外方部材のナックル嵌入面の外径が、インボード側の等速自在継手及びアウトボード側の等速自在継手の最大外径よりも大径に設定されているのが好ましい。このように設定すれば、アクスルモジュールのナックルへの挿入の容易化を図ることができる。
本発明では、凹凸嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。さらには、隙間無く密着しているので、トルク伝達部位の強度が向上する。このため、車輪用軸受装置を軽量、コンパクトにすることができる。
インボード側の転動体の数をアウトボード側の転動体の数よりも多くできるとともに、軸受スパンを大きくすることができる。これによって、径方向寸法を有効に活用し、軸方向寸法のコンパクト化及び軽量化を図ることができ、しかも軸受の負荷容量の向上及び内部剛性の向上を図ることができる。すなわち、本発明の車輪用軸受装置は、従来の同タイプのものと比較して、軸受の負荷容量・剛性を同等以上に確保しつつ、軸受の両軌道面の軸方向配置距離(寸法)を短縮する構造となっている。
ところで、通常この種の車輪用軸受装置の寿命は、インボード側列の方が短命である。本発明の構造とすることによって、インボード側列の負荷容量がアップし、計算寿命が長くなる。この結果、アウトボード側列との計算寿命のバランスが良くなり、無駄のない設計、及びコストアップ防止が可能となる。
インボード側の転動体とアウトボード側の転動体とを同一サイズとすることによって、組立工程における誤組みの問題を解消でき、製造コストの低減を図ることができるとともに、品質の信頼性が向上する。
内方部材のインボード側の端面と、これに対向する等速自在継手の外側継手部材の対向面とを接触させることによって、軸方向のコンパクト化を図ることができ、しかも、この車輪用軸受装置の寸法精度が安定するとともに、軸方向に沿って配設される凹凸嵌合構造の軸方向長さを安定した長さに確保することができ、トルク伝達性の向上を図ることができる。また、接触面におけるシール機能が発揮され、雨水やダスト等の凹凸嵌合構造内部への侵入が防止され、凹凸嵌合構造は長期にわたって安定した嵌合状態を維持できる。しかも、この接触面間において別途シール材(剤)を装着する必要がなく、コスト増加を防ぐことができる。
前記のような車輪用軸受装置を用いたアクスルモジュールは、車輪用軸受装置のコンパクト化及び軽量化を図ることができ、しかも軸受の負荷容量の向上及び内部剛性の向上を図ることができるので、車両の燃費向上およびバネ下荷重軽量化による運動性能の向上を図ることができる。さらに、大きなモーメント荷重が負荷されても充分な強度・耐久性を発揮することができる。しかも、安定した走行(操縦安定性向上)が可能となる。
また、車輪用軸受装置の外方部材のナックル嵌入面の外径が、インボード側の等速自在継手及びアウトボード側の等速自在継手の最大外径よりも大径に設定されていれば、懸架装置を構成するナックルに対してアクスルモジュールを容易に嵌挿でき、ブーツ等がナックルに干渉して傷付くことなく組立てることができる。この場合、アウトボード側の外方部材の外径はハブボルトPCDの制約から自由に大きくすることができない。また、軽量化の観点からもハブボルトPCDアップによるハブフランジ外径アップは望ましくない。そこで、外方部材のナックル嵌入面の外径を大きくした分、インボード側列の軸受PCD(インボード側の転動体のピッチ円直径)を大きくし、転動体個数(ボール個数)の増加と軸受スパンのアップを図るようにしている。
以下本発明の実施の形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1にアクスルモジュールの例を示す。このアクスルモジュールは、アウトボード側等速自在継手T1と、インボード側等速自在継手T2と、一端側がアウトボード側等速自在継手T1に連結されるとともに、他端側がインボード側等速自在継手T2に連結される中間軸(シャフト)10とを備えたものである。アウトボード側においては、転がり軸受2を有する車輪用軸受装置を備え、この車輪用軸受装置の後述するハブ輪1にアウトボード側等速自在継手T1が装着される。なお、自動車等の車両に組付けた状態で車両の外側となる方をアウトボード側(図面左側)、自動車等の車両に組付けた状態で車両の内側となる方をインボード側(図面右側)という場合がある。
アウトボード側等速自在継手T1(3)は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその孔部内径6aにシャフト10の端部10aを圧入することによりスプライン嵌合してシャフト10とトルク伝達可能に結合されている。なお、シャフト10の端部10aには、シャフト抜け止め用の止め輪9が装着
されている。
されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、図2に示すように、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内球面13に、軸方向に延びた複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成されている。そのトラック溝14はマウス部11の開口端まで延びている。内輪6は、その外球面15に、軸方向に延びた複数のトラック溝16が円周方向等間隔に形成されている。
外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16とは対をなし、各対のトラック溝14,16で構成されるボールトラックに1個ずつ、トルク伝達要素としてのボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する。ケージ8は外輪5と内輪6との間に摺動可能に介在し、外球面にて外輪5の内球面13と接し、内球面にて内輪6の外球面15と接する。なお、この場合の等速自在継手は、ツェパー型を示しているが、トラック溝の溝底に直線状のストレート部を有するアンダーカットフリー型等の他の等速自在継手であってもよい。
また、図1に示すように、マウス部11の開口部はブーツ18にて塞がれている。ブーツ18は、大径部18aと、小径部18bと、大径部18aと小径部18bとを連結する蛇腹部18cとからなる。大径部18aがマウス部11の開口部に外嵌され、この状態でブーツバンド19aにて締結され、小径部18bがシャフト10のブーツ装着部10bに外嵌され、この状態でブーツバンド19bにて締結されている。
インボード側の等速自在継手T2は、ここではトリポード型の例を示してあるが、ダブルオフセット型等、他のしゅう動式等速自在継手を採用することもできる。等速自在継手T2は、外側継手部材としての継手外輪131と、内側継手部材としてのトリポード132と、トルク伝達要素としてのローラ133とを主要な構成要素としている。
継手外輪131はマウス部131aと軸部131bとからなり、軸部131bにてデイファレンシャルの出力軸とトルク伝達可能に連結するようになっている。マウス部131aは一端にて開口したカップ状で、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝136が形成してある。このためマウス部131aの横断面形状は花冠状を呈する。
トリポード132はボス138と脚軸139とからなり、ボス138のスプライン孔138aにてシャフト10の端部スプライン10cとトルク伝達可能に結合している。脚軸139はボス138の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。各脚軸139にはローラ133を回転自在に支持させてある。
ここでも、ブーツ140を取り付けて継手外輪131の開口部を塞いである。これにより、内部に充填した潤滑剤の漏洩を防止するとともに、外部から異物が侵入するのを防止する。ブーツ140は、大径部140aと、小径部140bと、大径部140aと小径部140bとの間の蛇腹部140cとからなり、大径部140aをマウス部131aの開口端部に取り付けてブーツバンド141aで締め付け、小径部140bをシャフト10のブーツ装着部10dに取り付けてブーツバンド141bで締め付けてある。
ハブ輪1は、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ21とを有し、アウトボード側の端面に、ブレーキパイロット部60aとホイールパイロット部60bとからなるパイロット部60が設けられている。
筒部20の孔部22は、図6に示すように、軸方向中間部の軸部嵌合孔22aと、反継手側のコーン状孔22bと、継手側の大径孔22cとを備える。すなわち、軸部嵌合孔22aにおいて、後述する凹凸嵌合構造Mを介して等速自在継手3の外輪5の軸部12とハブ輪1とが結合される。また、軸部嵌合孔22aと大径孔22cとの間には、テーパ部(テーパ孔)22dが設けられている。このテーパ部22dは、ハブ輪1と外輪5の軸部12を結合する際の圧入方向に沿って縮径している。テーパ部22dのテーパ角度θ1は、例えば15°〜75°とされる。
転がり軸受2は、内周側に複数の外側軌道面26、27を有する外方部材25と、外周側に複数の内側軌道面28,29を有する内方部材39と、外方部材25の外側軌道面26、27とこれに対向する内方部材39の内側軌道面28,29との間に配置される転動体30とを有する。この場合の内方部材39は、前記ハブ輪1と、ハブ輪1の筒部20の継手側に設けられた段差部23に嵌合する内輪24とからなる。なお、外方部材25の両開口部にはシール部材S1,S2が装着されている。
図1に示すように、インボード側の転動体30のピッチ円直径PCDIBをアウトボード側の転動体30のピッチ円直径PCDOBよりも大径としている。この際、インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一のサイズとしている。すなわち、インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一外径寸法のボールとしている。このため、インボード側の転動体30の数がアウトボード側の転動体30の数よりも多くなっている。
また、外方部材25の外径面には車体取付用フランジ55が設けられ、この車体取付用フランジ55よりもインボード側の外径面を図示省略のナックルに嵌入される嵌入面25aとされる。車体取付用フランジ55には取付孔(ねじ孔)55aが形成され、嵌入面25aをナックルに挿入し、その状態でこの取付孔(ねじ孔)55aを介してボルト部材を締結することによって、ナックルにこの車輪用軸受装置を取り付けることができる。
ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて軸受2に予圧を付与するものである。これによって、内輪24をハブ輪1に締結することができる。またハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ21に固定するためのハブボルト33がこのボルト装着孔32に装着される。
凹凸嵌合構造Mは、図3(a)(b)に示すように、例えば、軸部12の端部に設けられて軸方向に延びる凸部35と、ハブ輪1の孔部22の内径面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に形成される凹部36とからなり、凸部35とその凸部35に嵌合するハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着している。すなわち、軸部12の反マウス部側の外周面に、複数の凸部35が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37に凸部35が嵌合する複数の凹部36が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部35とこれに嵌合する凹部36とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部35は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部35の凹部嵌合部位とは、図3(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、ハブ輪1の内径面37よりも内径側に隙間40が形成されている。
このように、ハブ輪1と等速自在継手3の外輪5の軸部12とを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、前記したようにハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて軸受2に予圧を付与するものである。すなわち、加締部31によって、図2等に示すように、内輪24のインボード側の端面24aを軸方向に沿ってアウトボード側へ押圧し、内輪24のアウトボード側の端面24bが段差部23の端面23aに接触乃至圧接する。
この車輪用軸受装置では、図2等に示すように、内方部材39のインボード側の端面と、これに対向する等速自在継手3の外輪5の対向面とが接触している。すなわち、内方部材39のインボード側の端面である加締部31の端面(外端面)31aに、等速自在継手T1(3)の外輪5のマウス部11の対向面である底部裏面(バック面)11aが当接する。すなわち、接触させた場合、ハブ輪1の加締部31とマウス部11の底部裏面(バック面)11aとの接触面圧が100MPaを越えると、異音を発生するおそれがある。これは、大トルク負荷時に、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との捩れ量に差が生じ、この差により、等速自在継手3の外輪5とハブ輪1との接触部に急激なスリップが生じて異音が発生することがある。これに対して、接触面圧が100MPa以下であれば、急激なスリップが生じることを防止できて、異音の発生を抑えることができる。これによって、静粛な車輪用軸受装置を構成することができる。なお、接触面圧が100MPa以下であっても、シール構造を構成することができる面圧以上である必要がある。
また、孔部22のアウトボード側の開口部62には、異物侵入防止用シールプレート61が装着されている。シールプレート61は、円盤状の本体61aと、この本体61aの外周縁から軸方向に延びる短円筒状の鍔部61bとからなり、鍔部61bが孔部22のアウトボード側の開口部62に圧入されている。すなわち、この異物侵入防止用シールプレート61にて、雨水やダスト等の異物のハブ輪1の内部、つまり凹凸嵌合構造Mへの侵入を防止することができる。
ところで、この車輪用軸受装置を組み立てる場合、後述するように、ハブ輪1に対して外輪5の軸部12を圧入することによって、凸部35によって凹部36を形成するようにしている。この際圧入していけば、凸部35にて形成される凹部36から材料がはみ出してはみ出し部45(図4参照)が形成される。はみ出し部45は、凸部35の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部36の容量の材料分であって、形成される凹部36から押し出されたもの、凹部36を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。このため、前記図1等に示す車輪用軸受装置では、はみ出し部45を収納するポケット部(収納部)50を軸部12に設けている。
軸部12のスプライン41の軸端縁に周方向溝51を設けることによって、ポケット部(収納部)50を形成している。周方向溝51よりも反スプライン側には、軸部抜け止め構造M1を構成する端部拡径加締部(テーパ状係止片)65が形成されている。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図6に示すように、軸部12の外径部には熱硬化処理を施し、この硬化層Hに軸方向に沿う凸部41aと凹部41bとからなるスプライン41を形成する。このため、スプライン41の凸部41aが硬化処理されて、この凸部41aが凹凸嵌合構造Mの凸部35となる。なお、この実施形態での硬化層Hの範囲は、クロスハッチング部で示すように、スプライン41の外端縁から外輪5のマウス部11の底壁の一部までである。この熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。また、ハブ輪1の外径側に高周波焼入れによる硬化層H1を形成するとともに、ハブ輪の内径側を未焼き状態としたものである。この実施形態での硬化層H1の範囲は、クロスハッチング部で示すように、フランジ21の付け根部から内輪24が嵌合する段差部23の加締部近傍までである。なお、硬化層H、H1はこの図6のみ表示し、他の図面においては図示省略しているが、実際にはこの図6に示すように形成されている。
高周波焼入れを行えば、表面は硬く、内部は素材の硬さそのままとすることができ、このため、ハブ輪1の内径側を未焼き状態に維持できる。このため、ハブ輪1の孔部22の内径面37側においては熱硬化処理を行わない未硬化部(未焼き状態)とする。外輪5の軸部12の硬化層Hとハブ輪1の未硬化部との硬度差は、HRCで20ポイント以上とする。具体的には、硬化層Hの硬度を50HRCから65HRC程度とし、ハブ輪1の未硬化部の硬度を10HRCから30HRC程度とする。
この際、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(この場合、ハブ輪1の軸部嵌合孔22aの内径面37)の位置に対応する。すなわち、図6に示すように、軸部嵌合孔22aの内径面37の内径寸法Dを、凸部35の最大外径、つまりスプライン41の凸部41aである前記凸部35の頂点を結ぶ円の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも小さく、凸部間の軸部外径面の外径寸法、つまりスプライン41の凹部41bの底を結ぶ円の最小外径寸法D2よりも大きく設定される。すなわち、D2<D<D1とされる。
スプライン41は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
また、圧入前には軸部12の端面12aの外周縁部から前記テーパ状係止片65を構成するための短円筒部66を軸方向に沿って突出させている。短円筒部66の外径D4は孔部22の軸部嵌合孔22aの内径寸法Dよりも小さく設定している。すなわち、この短円筒部66が後述するように、軸部12のハブ輪1の孔部22への圧入時の調芯部材となる。孔部22の大径部22cの内径D5を短円筒部66の外径D4よりも大きくしている。
そして、ハブ輪1の軸心と等速自在継手の外輪5の軸心とを合わせた状態で、ハブ輪1に対して、外輪5の軸部12を挿入(圧入)していく。この際、ハブ輪1の孔部22に圧入方向に沿って縮径するテーパ部22dを形成しているので、このテーパ部22dが圧入開始時のガイドを構成することができる。また、軸部嵌合孔22aの内径面37の径寸法Dと、凸部35の最大直径寸法D1と、スプライン41の凹部の最小外径寸法D2とが前記のような関係であり、しかも、凸部35の硬度が軸部嵌合孔22aの内径面37の硬度よりも20ポイント以上大きいので、軸部12をハブ輪1の軸部嵌合孔22aに圧入していけば、この凸部35が内径面37に食い込んでいき、凸部35が、この凸部35が嵌合する凹部36を軸方向に沿って形成していくことになる。
このように圧入されることによって、図4に示すように、形成されるはみ出し部45は、カールしつつポケット部50内に収納されて行く。すなわち、軸部嵌合孔22aの内径面から削り取られたり、押し出されたりした材料の一部がポケット部50内に入り込んでいく。
また、圧入によって、図3に示すように、軸部12の端部の凸部35と、これに嵌合する凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着している。すなわち、相手側の凹部形成面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に凸部35の形状の転写を行うことになる。この際、凸部35が軸部嵌合孔22aの内径面37に食い込んでいくことによって、軸部嵌合孔22aが僅かに拡径した状態となって、凸部35の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、軸部嵌合孔22aが元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部35の圧入時にハブ輪1が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部35の歯面(凹部嵌合部位の表面)に付与される。このため、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。
このように、凹凸嵌合構造Mが構成されるが、この場合の凹凸嵌合構造Mは転がり軸受2の軌道面26、27、28、29の避直下位置に配置される。ここで、避直下位置とは、軌道面26、27、28、29に対して径方向に対応しない位置である。
また、外輪5の軸部12をハブ輪1の軸部嵌合孔22aに圧入して、凹凸嵌合構造Mを介して外輪5の軸部12とハブ輪1とが一体化された状態では、短円筒部66が軸部嵌合孔22aからコーン状孔22b側に突出する。
そこで、図2の仮想線で示すような治具67を使用してこの短円筒部66を拡径することになる。なお、この状態ではシールプレート61を装着してない。治具67は、円柱状の本体部68と、この本体部68の先端部に連設される円錐台部69とを備える。治具67の円錐台部69は、その傾斜面69aの傾斜角度がコーン状孔22bの傾斜角度と略同一とされ、かつ、その先端の外径が短円筒部66の内径と同一乃至僅かに短円筒部66の内径よりも小さい寸法に設定されている。そして、治具67の円錐台部69をコーン状孔22bを介して嵌入することによって矢印α方向の荷重を付加し、これによって、図6に示す短円筒部66の内径側にこの短円筒部66が拡径する矢印β方向(図2参照)の拡径力を付与する。この際、治具67の円錐台部69によって、短円筒部66の少なくとも一部はコーン状孔22bの内径面側に押圧され、コーン状孔22bの内径面に、圧接乃至接触した状態となり、前記軸部抜け止め構造M1を構成することができる。なお、治具67の矢印α方向の荷重を付加する際には、この車輪用軸受装置が矢印α方向へ移動しないように、固定する必要があるが、ハブ輪1や等速自在継手3等の一部を固定部材にて受ければよい。ところで、短円筒部66の内径面は軸端側に拡径するテーパ形状でも良い。このような形状にしておけば、鍛造で内径面を成形することも可能であり、コスト低減に繋がる。
また、治具67の矢印α方向の荷重を低減させるため、円筒部66に切り欠きを入れても良いし、治具67の円錐台部69の円錐面を周方向で部分的に配置するものでも良い。円筒部66に切り欠きを入れた場合、円筒部66を拡径し易くなる。また、治具67の円錐台部69の円錐面を周方向で部分的に配置するものである場合、円筒部66を拡径させる部位が円周上の一部になるため、治具67の押し込み荷重を低減させることができる。
この凹凸嵌合構造Mでは、図5に示すように、軸部12の外径寸法D1と、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径寸法Dとの径差(D1−D)をΔdとし、軸部12の外径面に設けられた凸部35の高さをhとし、その比をΔd/2hとしたときに、0.3<Δd/2h<0.86とする。これによって、凸部35の突出方向中間部位(高さ方向中間部位)が、凹部形成前の凹部形成面上に確実に配置されるようにすることによって、凸部35が圧入時に凹部形成面に食い込んでいき、凹部36を確実に形成することができる。
このように、等速自在継手3の外輪5の軸部12をハブ輪1の軸部嵌合孔22aに圧入した後は、ハブ輪1のアウトボード側の開口部62にシールプレート61を圧入することになる。
ところで、図1に示すように組立られたアクスルモジュールは、ナックル(図示省略)に装着されることになる。この場合、外方部材25のナックル嵌入面25aの外径D11を等速自在継手T1の最大外径寸法D12よりも大径とする。ここで、等速自在継手T1の最大外径寸法D12は、ブーツ18およびブーツバンド19a,19b等の付属品も含めた状態でのこの等速自在継手T1の最大外径寸法を意味する。また、インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13を外方部材25の外径D11よりも小径に設定する。インボード側等速自在継手T2の最大外径寸法D13は、アウトボード側等速自在継手T1の場合と同様に、ブーツ140およびブーツバンド141等の付属品も含めた状態でのインボード側等速自在継手T2の最大外径寸法を意味する。
アクスルモジュールの車両への組み付けは、ナックルにこのアクスルモジュールをインボード側の等速自在継手T2側から通し、続いてアウトボード側の等速自在継手T1を通過させ、最後に、車輪用軸受装置の外方部材25をナックルの孔に嵌入することになる。そして、この嵌入状態で、外方部材25のフランジ55の取付孔(ねじ孔)55aを介してボルト部材を締結することによって、ナックルにこの車輪用軸受装置を取り付けることができる。
本発明では、凹凸嵌合構造Mは、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着しているので、この嵌合構造Mにおいて、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
凹部36が形成される部材(この場合、ハブ輪1)には、スプライン部等を形成してお
く必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
く必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
凸部35の硬度が50HRC〜65HRCであれば、相手側に圧入するための硬度を具備することができ、圧入性の向上を図ることができ、また、相手側の硬度が10HRC〜30HRCであれば、圧入することができる。
凸部35が高周波熱処理にて熱処理硬化することができ、高周波熱処理の利点(局部加熱ができ、焼入れ条件の調整が容易である点。短時間に加熱ができるため酸化が少ない点。他の焼入れ方法に比べて、焼入れ歪が少ない点。表面硬さが高く、優れた耐摩耗性を得られる点。硬化層の深さの選定も比較的容易である点。自動化が容易で機械加工ラインへの組み入れも可能である点等の利点)を奏することができる。
軸部12の外径寸法とハブ輪1の軸部嵌合孔22aの内径寸法との径差をΔdとし、凸部の高さをhとし、その比をΔd/2hとしたときに、0.3<Δd/2h<0.86としので、凸部35の圧入代を十分にとることができる。すなわち、Δd/2hが0.3以下である場合、捩り強度が低くなり、また、Δd/2hが0.86を越えれば、微小な圧入時の芯ずれや圧入傾きにより、凸部35の全体が相手側に食い込み、凹凸嵌合構造Mの成形性が悪化し、圧入荷重が急激に増大する。凹凸嵌合構造Mの成形性が悪化した場合、捩り強度が低下するだけでなく、ハブ輪外径の膨張量も増大するため、ハブ輪1に装着される軸受2の機能に影響し、回転寿命が低下する等の問題もある。これに対して、Δd/2hを0.3〜0.86にすることにより、凹凸嵌合構造Mの成形性が安定し、圧入荷重のばらつきも無く、安定した捩り強度が得られる。
テーパ部22dが圧入開始時のガイドを構成することができるので、ハブ輪1の孔部22に対して外輪5の軸部12を、ズレを生じさせることなく圧入させることができ、安定したトルク伝達が可能となる。さらに、短円筒部66の外径D4は孔部22の軸部嵌合孔22aの内径寸法Dよりも小さく設定しているので、調芯部材となり、芯ずれを防止しつつ軸部をハブ輪に圧入することができ、より安定した圧入が可能となる。
凹凸嵌合構造Mを転がり軸受2の軌道面の避直下位置に配置することによって、軸受軌道面におけるフープ応力の発生を抑える。これにより、転がり疲労寿命の低下、クラック発生、及び応力腐食割れ等の軸受の不具合発生を防止することができ、高品質な軸受を提供することができる。
軸部抜け止め構造M1によって、外輪5の軸部12がハブ輪1の孔部22からの抜け(特にシャフト側への軸方向の抜け)を有効に防止できる。これによって、安定した連結状態を維持でき、車輪用軸受装置の高品質化を図ることができる。また、軸部抜け止め構造M1がテーパ状係止片65であるので、従来のようなねじ締結を省略できる。このため、軸部12にハブ輪1の孔部22から突出するねじ部を形成する必要がなくなって、軽量化を図ることができるとともに、ねじ締結作業を省略でき、組立作業性の向上を図ることができる。しかも、テーパ状係止片65では、外輪5の軸部12の一部を拡径させればよく、軸部抜け止め構造M1の形成を容易に行うことができる。なお、外輪5の軸部12の反継手方向への移動は、軸部12をさらに圧入する方向への押圧力が必要であり、外輪5の軸部12の反継手方向への位置ズレは極めて生じにくく、かつ、たとえこの方向に位置ズレしたとしても、外輪5のマウス部11の底部がハブ輪1の加締部31に当接して、ハブ輪1から外輪5の軸部12が抜けることがない。
等速自在継手の外輪5の軸部12の凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪1の軸部嵌合孔22a内径部よりも高くして、軸部12をハブ輪1の軸部嵌合孔22aに凸部35の軸方向端部側から圧入するので、ハブ輪1の軸部嵌合孔22a内径面への凹部形成が容易となる。また、軸部側の硬度を高くでき、軸部12の捩り強度を向上させることができる。
また、ハブ輪1の端部が加締られて転がり軸受2に対して予圧が付与されるので、外輪5のマウス部11によって予圧を付与する必要がなくなる。このため、転がり軸受2への予圧を考慮することなく、外輪5の軸部12を圧入することができ、ハブ輪1と外輪5との連結性(組み付け性)の向上を図ることができる。
なお、凸部35を、この種のシャフトに通常形成されるスプラインをもって構成することができるので、低コストにて簡単にこの凸部35を形成することができる。
また、軸部12をハブ輪1に圧入していくことによって、凹部36を形成していくと、この凹部36側に加工硬化が生じる。ここで、加工硬化とは、物体に塑性変形(塑性加工)を与えると,変形の度合が増すにつれて変形に対する抵抗が増大し,変形を受けていない材料よりも硬くなることをいう。このため、圧入時に塑性変形することによって、凹部36側のハブ輪1の内径面37が硬化して、回転トルク伝達性の向上を図ることができる。
ハブ輪1の内径側は比較的軟かい。このため、外輪5の軸部12の外径面の凸部35をハブ輪1の軸部嵌合孔22a内径面の凹部36に嵌合させる際の嵌合性(密着性)の向上を図ることができ、径方向及び円周方向においてガタが生じるのを精度良く抑えることができる。
圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部45を収納するポケット部50を設けることによって、はみ出し部45をこのポケット部50内に保持(維持)することができ、はみ出し部45が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部45をポケット部50に収納したままにしておくことができ、はみ出し部45の除去処理を行う必要がなく、組み立て作業工数の減少を図ることができて、組み立て作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
ところで、凸部35(軸部12側の凸部)と相手側(ハブ輪1の内径面)との硬度差が20HRC未満では、圧入荷重が大きくなって、圧入途中等で、いわゆる「むしれ」が発生する損傷状態となるおそれがある。このため、本実施形態では、具体的には、軸部12の硬化層Hの硬度を50HRCから65HRC程度とし、ハブ輪1の未硬化部の硬度を10HRCから30HRC程度として、硬度差をHRCで20ポイント以上とするのが、比較的低荷重に圧入でき、しかも凸部35にむしれが発生しない。
転がり軸受2において、インボード側の転動体30の数をアウトボード側の転動体30の数よりも多くしたり、インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一サイズとしたりすることができる。すなわち、インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一サイズにすれば、インボード側の転動体30のピッチ円直径PCDIBはアウトボード側の転動体30のピッチ円直径PCDOBよりも大径であるので、インボード側の転動体30の数をアウトボード側の転動体30の数よりも多くできる。また、図2に示すように、軸受スパンS(両軌道面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)を大きくすることができる。すなわち、インボード側の転動体30のピッチ円直径PCDIBとアウトボード側の転動体30のピッチ円直径PCDOBとが同一であれば、軸受スパンがSaとなり、この場合、S>Saとなる。
このように、軸受スパンSを大きくすることができることによって、径方向寸法を有効に活用し、軸方向寸法のコンパクト化及び軽量化を図ることができ、しかも軸受の負荷容量の向上及び内部剛性の向上を図ることができる。すなわち、本発明の車輪用軸受装置は、従来の同タイプのものと比較して、軸受の負荷容量・剛性を同等以上に確保しつつ、軸受の両軌道面の軸方向配置距離(寸法)を短縮し、車輪用軸受装置をコンパクトにする構造となっている。
ところで、通常この種の車輪用軸受装置の寿命は、インボード側列の方が短命である。本発明の構造とすることによって、インボード側列の負荷容量がアップし、計算寿命が長くなる。この結果、アウトボード側列との計算寿命のバランスが良くなり、無駄のない設計、及びコストアップ防止が可能となる。
インボード側の転動体30とアウトボード側の転動体30とを同一サイズとすることによって、組立工程における誤組みの問題を解消でき、製造コストの低減を図ることができるとともに、品質の信頼性が向上する。
内方部材39のインボード側の端面と、これに対向する等速自在継手3の外輪5の対向面とを接触させ、この接触によって軸部12のハブ輪1への圧入量を規制するようにするのが好ましい。このように接触させることによって、車輪用軸受装置の軸方向長さを短く設定することができるとともに、凹凸嵌合構造Mの軸方向長さを規制できる。しかも、この接触によって、内方部材39のインボード側の端面と、等速自在継手3の外輪5の対向面との間においてシール機能を発揮することができる。また、アウトボード側においては、シールプレート61にてハブ輪1内部への雨水等の異物の侵入が規制されている。このため、雨水やダスト等の車輪用軸受装置内部への侵入が防止され、凹凸嵌合構造は長期にわたって安定した嵌合状態を維持できる。
前記のような車輪用軸受装置を用いたアクスルモジュールは、車輪用軸受装置のコンパクト化及び軽量化を図ることができ、しかも軸受の負荷容量の向上及び内部剛性の向上を図ることができるので、車両の燃費向上およびバネ下荷重軽量化による運動性能の向上を図ることができる。さらに、大きなモーメント荷重が負荷されても充分な強度・耐久性を発揮することができる。しかも、安定した走行(操縦安定性向上)が可能となる。
また、車輪用軸受装置の外方部材25のナックル嵌入面25aの外径が、インボード側の等速自在継手T2及びアウトボード側の等速自在継手T1の最大外径よりも大径に設定されているので、懸架装置を構成するナックルに対してアクスルモジュールを容易に嵌挿でき、ブーツ18、140等がナックルに干渉して傷付くことなく組立てることができる。この場合、アウトボード側の外方部材25の外径はハブボルトPCDの制約から自由に大きくすることができない。また、軽量化の観点からもハブボルトPCDアップによるハブフランジ外径アップは望ましくない。そこで、外方部材25のナックル嵌入面25aの外径を大きくした分、インボード側列の軸受PCD(インボード側の転動体のピッチ円直径)を大きくし、転動体個数(ボール個数)の増加と軸受スパンのアップを図るようにしている。
図7は車輪用軸受装置の第2実施形態を示し、この場合、ハブ輪1のアウトボード側の端面にパイロット部を設けていないタイプである。このため、別途、パイロット部をもった部材をハブ輪1に取り付けることになる。すなわち、ホイールパイロットを有するブレーキロータを取り付けるようにすればよい。
図7の他の構成は図2に示す車輪用軸受装置と同様であるので、同一部材は図2の同一の符号を附してそれらの説明を省略する。このため、この車輪用軸受装置においても、図2に示す車輪用軸受装置と同様に作用効果を奏する。また。この実施形態におけるハブ輪1はパイロット部を設けてないため、ハブ輪1自体の軽量化を図るとともに、冷間鍛造が容易な形状であり、生産性の向上に寄与する。
本発明の車輪用軸受装置においては、図8に示すように、軸部抜け止め構造M1を設けないものであってもよい。この場合、周方向溝51は、そのスプライン41側の側面51aが、軸方向に対して直交する平面であり、反スプライン側の側面51bは、溝底51cから反スプライン側に向かって拡径するテーパ面である。周方向溝51の側面51bよりも反スプライン側には、調芯用の円盤状の鍔部52が設けられている。鍔部52の外径寸法D4aが孔部22の嵌合孔22aの孔径と同一乃至嵌合孔22aの孔径よりも僅かに小さく設定される。この場合、鍔部52の外径面52aと孔部22の嵌合孔22aの内径面との間に微小隙間tが設けられている。
ポケット部50の軸方向反凸部側にハブ輪1の孔部22との調芯用の鍔部52を設けることによって、ポケット部50内のはみ出し部45の鍔部52側への飛び出しがなくなって、はみ出し部45の収納がより安定したものとなる。しかも、鍔部52は調芯用であるので、芯ずれを防止しつつ軸部12をハブ輪1に圧入することができる。このため、外輪5とハブ輪1とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。
鍔部52は圧入時の調芯用であるので、その外径寸法は、ハブ輪1の孔部22の嵌合孔22aの孔径よりも僅かに小さい程度に設定するが好ましい。すなわち、鍔部52の外径寸法が嵌合孔22aの孔径と同一や嵌合孔22aの孔径よりも大きければ、鍔部52自体を嵌合孔22aに圧入することになる。この際、芯ずれしていれば、このまま凹凸嵌合構造Mの凸部35が圧入され、軸部12の軸心とハブ輪1の軸心とが合っていない状態で軸部12とハブ輪1とが連結されることになる。また、鍔部52の外径寸法が嵌合孔22aの孔径よりも小さすぎると、調芯用として機能しない。このため、鍔部52の外径面52aと孔部22の嵌合孔22aの内径面との間の微小隙間tとしては、0.01mm〜0.2mm
程度に設定するのが好ましい。
程度に設定するのが好ましい。
なお、図13に示すように、軸部抜け止め構造M1を有しない場合において、軸部12の調芯用としての鍔部52を省略したものであってもよい。
前記図3に示すスプライン41では、凸部41aのピッチと凹部41bのピッチとが同一設定される。このため、前記実施形態では、図3(b)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さLと、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L0とがほぼ同一となっている。
これに対して、図9(a)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部43間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L1よりも小さいものであってもよい。すなわち、軸部12に形成されるスプライン41において、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L2を、凸部35間に嵌合するハブ輪1側の凸部43の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L1よりも小さくしている。
このため、軸部12側の全周における凸部35の歯厚の総和Σ(B1+B2+B3+・・・)を、ハブ輪1側の凸部43(凸歯)の歯厚の総和Σ(A1+A2+A3+・・・)よりも小さく設定している。これによって、ハブ輪1側の凸部43のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、凸部35の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。凸部35の周方向厚さの総和を、相手側の凸部43における周方向厚さの総和よりも小さくする場合、全凸部35の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における周方向の寸法L1よりも小さくする必要がない。すなわち、複数の凸部35のうち、任意の凸部35の周方向厚さが周方向に隣り合う凸部間における周方向の寸法と同一であっても、この周方向の寸法よりも大きくても、総和で小さければよい。
図9(a)における凸部35は、断面台形(富士山形状)としているが、図9(b)に示すように、インボリュート歯形状であってもよい。
ところで、前記各実施形態では、軸部12側に凸部35を構成するスプライン41を形成するとともに、この軸部12のスプライン41に対して硬化処理を施し、ハブ輪1の内径面を未硬化(生材)としている。これに対して、図10に示すように、ハブ輪1の孔部22の内径面に硬化処理を施されたスプライン111(凸条111a及び凹条111bとからなる)を形成するとともに、軸部12には硬化処理を施さないものであってもよい。なお、このスプライン111も公知公用の手段であるブローチ加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としても、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
この場合、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(軸部12の外径面)の位置に対応する。すなわち、スプライン111の凸部111aである凸部35の頂点を結ぶ円の径寸法(凸部35の最小径寸法)D8を、軸部12の外径寸法D10よりも小さく、スプライン111の凹部111bの底を結ぶ円の径寸法(凹部111bの最大径寸法)D9を軸部12の外径寸法D10よりも大きく設定する。すなわち、D8<D10<D9とされる。この場合も、軸部12の外径寸法D10とハブ輪1の孔部22の内径寸法D9との径差をΔdとし、凸部35の高さをhとし、その比をΔd/2hとしたときに、0.3<Δd/2h<0.86とする。
軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、ハブ輪1側の凸部35によって、軸部12の外周面にこの凸部35が嵌合する凹部36を形成することができる。これによって、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着している。
ここで、嵌合接触部位38とは、図10(b)に示す範囲Bであり、凸部35の断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、軸部12の外周面よりも外径側に隙間112が形成される。
この場合であっても、圧入によってはみ出し部45が形成されるので、このはみ出し部45を収納する収納部を設けるのが好ましい。はみ出し部45は軸部12のマウス側に形成されることになるので、収納部をハブ輪1側に設けることになる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの凸部35の形状として、前記図3に示す実施形態では断面三角形状であり、図9(a)に示す実施形態では断面台形(富士山形状)であるが、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部35の面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。すなわち、スプライン41、111を形成し、このスプライン41、111の凸部(凸歯)41a、111aをもって凹凸嵌合構造Mの凸部35とする必要はなく、キーのようなものであってもよく、曲線状の波型の合わせ面を形成するものであってもよい。要は、軸方向に沿って配設される凸部35を相手側に圧入し、この凸部35にて凸部35に密着嵌合する凹部36を相手側に形成することができて、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着し、しかも、ハブ輪1と等速自在継手3との間で回転トルクの伝達ができればよい。
また、ハブ輪1の孔部22としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この孔部22に嵌挿する軸部12の端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であってもよい。さらに、ハブ輪1に軸部12を圧入する際に凸部35の圧入始端部のみが、凹部36が形成される部位より硬度が高ければよいので、凸部35の全体の硬度を高くする必要がない。図3等では隙間40が形成されるが、凸部35間の凹部まで、ハブ輪1の内径面37に食い込むようなものであってもよい。なお、凸部35側と、凸部35にて形成される凹部形成面側との硬度差としては、前記したようにHRCで20ポイント以上とするのが好ましいが、凸部35が圧入可能であれば20ポイント未満であってもよい。
凸部35の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
また、ポケット部50の形状としては、生じるはみ出し部45を収納(収容)できるものであればよく、そのため、ポケット部50の容量として、生じるはみ出し部45に対応できるものであればよい。
また、ハブ輪1の孔部22の内径面37に、周方向に沿って所定ピッチで配設される小凹部を設けてもよい。小凹部としては、凹部36の容積よりも小さくする必要がある。このように小凹部を設けることによって、凸部35の圧入性の向上を図ることができる。すなわち、小凹部を設けることによって、凸部35の圧入時に形成されるはみ出し部45の容量を減少させることができて、圧入抵抗の低減を図ることができる。また、はみ出し部45を少なくできるので、ポケット部50の容積を小さくでき、ポケット部50の加工性及び軸部12の強度の向上を図ることができる。なお、小凹部の形状は、三角形状、半楕円状、矩形等の種々のものを採用でき、数も任意に設定できる。
また、軸受2の転動体30として円錐ころ等を使用したものであってもよい。さらに、前記実施形態では、第3世代の車輪用軸受装置を示したが、第1世代や第2世代さらには第4世代であってもよい。なお、凸部35を圧入する場合、凹部36が形成される側を固定して、凸部35を形成している側を移動させても、逆に、凸部35を形成している側を固定して、凹部36が形成される側を移動させても、両者を移動させてもよい。なお、等速自在継手3において、内輪6とシャフト10とを前記各実施形態に記載した凹凸嵌合構造Mを介して一体化してもよい。
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
25 外方部材
26、27 外側軌道面
28,29 内側軌道面
30 転動体
31 加締部
35 凸部
36 凹部
38 嵌合接触部位
39 内方部材
M 凹凸嵌合構造
T1 アウトボード側等速自在継手
T2 インボード側等速自在継手
2 軸受
3 等速自在継手
25 外方部材
26、27 外側軌道面
28,29 内側軌道面
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35 凸部
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38 嵌合接触部位
39 内方部材
M 凹凸嵌合構造
T1 アウトボード側等速自在継手
T2 インボード側等速自在継手
Claims (6)
- 内周側に複数の外側軌道面を有する外方部材と、外周側に複数の内側軌道面を有する内方部材と、外方部材の外側軌道面とこれに対向する内方部材の内側軌道面との間に配置される転動体とを有する転がり軸受を備え、前記内方部材はハブ輪を有し、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部が凹凸嵌合構造を介してハブ輪に一体化される車輪用軸受装置であって、
等速自在継手の外側継手部材の軸部の外径面とハブ輪の孔部の内径面とのどちらか一方に設けられて軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入し、他方に凸部に密着嵌合する凹部を凸部にて形成して、凸部と凹部との嵌合接触部位全域が密着する前記凹凸嵌合構造を構成し、かつ、前記転がり軸受において、インボード側の転動体のピッチ円直径をアウトボード側の転動体のピッチ円直径よりも大径としたことを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記転がり軸受において、インボード側の転動体の数をアウトボード側の転動体の数よりも多くしたことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記転がり軸受において、インボード側の転動体とアウトボード側の転動体とを同一サイズとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
- 内方部材のインボード側の端面と、これに対向する等速自在継手の外側継手部材の対向面とを接触させ、この接触によって軸部のハブ輪への圧入量を規制することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
- 前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置を備え、アウトボード側の等速自在継手に連結されたシャフトと、このシャフトの他方に連結されたインボード側の摺動型の等速自在継手とを備えたことを特徴とするアクスルモジュール。
- 前記車輪用軸受装置の外方部材のナックル嵌入面の外径が、インボード側の等速自在継手及びアウトボード側の等速自在継手の最大外径よりも大径に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のアクスルモジュール。
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2008
- 2008-08-18 JP JP2008209911A patent/JP2010042785A/ja active Pending
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