JP2010040935A - エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】450mm以上の大口径ウェーハの表面のみにエピタキシャル膜を成長させた際に、ウェーハの反りを低減可能で、かつ高いイントリンシックゲッタリング能力も得られるエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】直径が450mm、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満の大口径シリコンウェーハ11に、インゴット引き上げ時のシリコン溶融液56への窒素導入によるイントリンシックゲッタリング構造を形成したので、エピタキシャル膜12の成長後、シリコンウェーハ11に大きな反りが発生しにくい。その結果、エピタキシャルシリコンウェーハ10の反りを低減でき、しかも高いイントリンシックゲッタリング能力が得られる。
【選択図】図1

Description

この発明は、表面(片面)のみにエピタキシャル膜を有したエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法に関する。
シリコンウェーハの製造は、まずCZ(チョクラルスキー)法により単結晶インゴット(シリコン単結晶)を引き上げ、このインゴットに対してスライス、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨、洗浄などの各工程を施すことで行われている。しかしながら、ウェーハの大口径化が進むほど、CZ法で引き上げられた単結晶インゴットおよびこれから作製されたシリコンウェーハには、インゴット引き上げにおける技術的問題、歩留まりなどの理由により無欠陥結晶(COPフリー結晶)を製造することが困難になると予想される。
そこで、今後は、デバイスが形成されるウェーハ表面の無欠陥化を図るため、例えば特許文献1に開示されたような気相エピタキシャル法を利用し、例えば450mm以上の大口径ウェーハの表面(鏡面)にエピタキシャル膜を成長させる方法が主流になると予想されている。
特開平6−112120号公報 特開2008−140856号公報
しかしながら、バルクウェーハ(シリコンウェーハ)とエピタキシャル膜との関係において、互いが異素材または互いのドーパント濃度が異なる場合には、それぞれを構成する原子の格子定数が同一ではない。そのため、シリコンウェーハ、ひいてはエピタキシャルシリコンウェーハに反りが発生し易くなる。この反りは、ウェーハの大口径化に伴って増大する(特許文献1)。
一方、シリコンウェーハとして、例えばボロン濃度が2.7×1017atoms/cm以上8.5×1018atoms/cm未満の抵抗帯のボロンドープ単結晶インゴット(比抵抗値0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満)から得られたものを採用した場合には、バルクウェーハを構成する原子の半径とエピタキシャル膜を構成する原子の半径との違いによる応力がウェーハ内に存在する。そのため、デバイスが形成されるウェーハ表面のみにエピタキシャル膜を成長させても、ウェーハに大きな反りが発生する。その対策として、従来、研削工程および研磨工程の少なくとも一方において、シリコンウェーハの中央部にお椀状の凹みを形成してウェーハに反りを発生させ、これによりシリコンウェーハとエピタキシャル膜とのドーパント濃度差により生じた応力を打ち消し、大きな反りの発生を抑制する方法が知られている(特許文献2)。
また、ウェーハ内部のボロンはイントリンシックゲッタリング(IG)の成長核となることが知られている。しかしながら、高ボロン濃度(例えば1×1019atoms/cm以上)のウェーハに比べて、イントリンシックゲッタリング能力は低い。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、エピタキシャルシリコンウェーハにおいて、直径が450mm以上で、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満のシリコンウェーハに、何らかのイントリンシックゲッタリング構造を形成すればよいことに想到した。これにより、片面エピタキシャル成長がなされたウェーハであっても、ウェーハに大きな反りは発生しにくく、かつ高いイントリンシックゲッタリング能力が得られることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、450mm以上の大口径ウェーハの表面のみにエピタキシャル膜を成長させた際に、ウェーハの反りを低減できるとともに、高いイントリンシックゲッタリング能力を得ることができるエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、CZ法により引き上げられたシリコン単結晶を加工して得られた直径が450mm以上、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満のシリコンウェーハを本体とし、該シリコンウェーハの表面のみにエピタキシャル膜を成長させたエピタキシャルシリコンウェーハであって、前記シリコンウェーハが、イントリンシックゲッタリング構造を有したエピタキシャルシリコンウェーハである。
請求項1に記載の発明によれば、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満の抵抗で、直径が450mm以上のシリコンウェーハに、イントリンシックゲッタリング構造を形成したので、直径が450mm以上という大口径ウェーハであっても、エピタキシャル膜の成長後、ウェーハに大きな反りが発生しにくく、かつ高いイントリンシックゲッタリング能力を得ることができる。
シリコンウェーハの口径は、450mm以上であれば任意である。
エピタキシャル膜の素材は、ウェーハと同じ単結晶シリコンを採用することができる。または、ウェーハと異なる例えばガリウム・ヒ素等でもよい。
エピタキシャル膜の厚さは、例えばバイポーラデバイス用やパワーデバイス用で数μm〜150μm、MOSデバイス用では10μm以下である。
エピタキシャル法としては、気相エピタキシャル法、液相エピタキシャル法、固相エピタキシャル法の何れを採用してもよい。このうち、気相エピタキシャル法としては、例えば常圧気相エピタキシャル法、減圧気相エピタキシャル法、有機金属気相エピタキシャル法等を採用することができる。気相エピタキシャル法では、例えばエピタキシャルシリコンウェーハを横置き状態(表裏面が水平な状態)でウェーハ収納部に収納する、平面視して円形で、ウェーハが1枚載置可能なサセプタが使用される。気相エピタキシャル法は、シリコンウェーハと同じ素材をエピタキシャル成長させるホモエピタキシでも、ウェーハと異なる素材(GaAsなど)をエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシでもよい。
気相エピタキシャル成長装置としては、シリコンウェーハの一方の面のみにエピタキシャル膜を成長可能な片面気相エピタキシャル成長装置であれば、その構造は任意である。気相エピタキシャル成長装置は、枚葉型のものでも、複数枚のシリコンウェーハを同時に処理可能なパンケーキ型、バレル型、ホットウォール型、クラスタ型でもよい。
シリコンウェーハにイントリンシックゲッタリング構造を形成する方法としては、例えば、シリコン溶融液に対する1×1013〜1×1015atoms/cmの窒素元素の添加、シリコン溶融液に対する1×1016〜1×1018atoms/cmの炭素元素の添加を採用することができる。
また、研削工程および研磨工程の少なくとも一方に、シリコンウェーハとエピタキシャル膜とのドーパント濃度差から生じる応力を原因とした反りとは反対向きのお椀状の反りを、シリコンウェーハの中央部に凹みを形成して発生させれば、前記応力により生じる反りを打ち消し、大きな反りの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、CZ法によりルツボ内のシリコン溶融液から引き上げられたシリコン単結晶から得られた比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満、直径が450mm以上のシリコンウェーハの表面のみに、エピタキシャル膜を成長させるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、前記シリコン溶融液への1×1013〜1×1015atoms/cmの窒素元素の添加、前記シリコン溶融液への1×1016〜1×1018atoms/cmの炭素元素の添加の少なくとも1つを行うことで、前記シリコンウェーハにイントリンシックゲッタリング構造を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法である。
請求項2に記載の発明によれば、直径が450mm以上、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満の抵抗の大口径シリコンウェーハに、イントリンシックゲッタリング構造を形成する。具体的には、シリコン溶融液への1×1013〜1×1015atoms/cmの窒素元素の添加(ドープ)、このシリコン溶融液への1×1016〜1×1018atoms/cmの炭素元素の添加、窒素元素と炭素元素との両方の添加の少なくとも1つを行う。これにより、エピタキシャル膜の成長後、ウェーハに大きな反りが発生しにくい。その結果、ウェーハの反りを低減できるとともに、高いイントリンシックゲッタリング能力を得ることができる。
シリコンウェーハの比抵抗値を高める方法としては、インゴット引き上げ時、ルツボ内のシリコン溶融液中に、例えばボロン、リンなどのドーパントを添加する方法を採用することができる。その他、砒素・アンチモンなどの添加でもよい。
シリコン溶融液への窒素元素の添加量が1×1013atoms/cm未満であれば、内部析出不足によりゲッタリング能力が不足する。また、1×1015atoms/cmを超えれば、内部析出過多によるエピタキシャル膜への欠陥突き抜けが発生する。
シリコン溶融液への炭素元素の添加量が1×1016atoms/cm未満であれば、ゲッタリング能力が不足する。また、1×1018atoms/cmを超えれば、エピタキシャル膜の膜質が劣化する可能性がある。
請求項3に記載の発明は、前記エピタキシャル膜の成長後、該エピタキシャル膜の表面と前記シリコンウェーハの裏面とを同時に研磨する請求項2に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法である。
請求項3に記載の発明によれば、エピタキシャル膜の成長後、エピタキシャル膜の表面とシリコンウェーハの裏面とを同時に研磨する。これにより、エピタキシャルシリコンウェーハの両面の平坦度が高まるとともに、エピタキシャル膜の表面欠陥除去による表面完全性も高まる。
両面同時研磨の方法としては、上面に研磨布が展張された下定盤と、下面に研磨布が展張された上定盤との間で、エピタキシャルシリコンウェーハの表裏面を同時に研磨する枚葉式の両面研磨方法を採用することができる。また、下定盤と上定盤との間で、ウェーハ保持孔にエピタキシャルシリコンウェーハが収納されたキャリアプレートに対して、自転を伴わない円運動を行わせるサンギヤレスの両面研磨方法を採用してもよい。
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、直径が450mm以上、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満の大口径シリコンウェーハに、イントリンシックゲッタリング機能を付与したもので、エピタキシャル膜の成長後、ウェーハに大きな反りが発生しにくい。その結果、エピタキシャルシリコンウェーハの反りを低減することができるとともに、高いイントリンシックゲッタリング能力を得ることができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、エピタキシャル膜の成長後、エピタキシャル膜の表面とシリコンウェーハの裏面とを同時に研磨するので、エピタキシャルシリコンウェーハの両面の平坦度を高めることができる。しかも、エピタキシャル膜の表面欠陥除去による表面完全性も高まる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハである。エピタキシャルシリコンウェーハ10は、CZ法により引き上げられたシリコン単結晶を加工して得られた直径450mm、ボロン添加による比抵抗値0.02Ω・cmのシリコンウェーハ11を本体とする。このシリコンウェーハ11の表面のみに、気相エピタキシャル法により単結晶シリコン製のエピタキシャル膜12が成長され、2層式のエピタキシャルシリコンウェーハ10が得られる。シリコンウェーハ11には、イントリンシックゲッタリング構造を形成するため、窒素元素が1×1014atoms/cmで添加されている。
以下、図2のフローシートに基づき、この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を説明する。
図2のフローシートに示すように、シリコンウェーハ11は、坩堝内でボロンが所定量添加されたシリコン溶融液から、CZ法により単結晶シリコンインゴットの引き上げ(S100)、その後、インゴットを多数枚のウェーハにスライス(S101)し、各ウェーハに対して順に面取り(S102)、ラッピング(S103)、エッチング(S104)、研削工程(S105)、両面研磨(S106)を施して作製される。
次いで、シリコンウェーハ11の表面には、気相エピタキシャル法によりエピタキシャル膜12が成長され(S107)、その後、エピタキシャル膜12の表面とシリコンウェーハ11の裏面とを同時研磨(S108)することで、エピタキシャルシリコンウェーハ10が作製される(S109)。
以下、各工程を具体的に説明する。
インゴットの引き上げ工程(S100)では、図3に示す結晶成長装置を用いてシリコン単結晶が成長される。製造されるシリコン単結晶の直胴部の直径は、450mmのシリコンウェーハを形成可能な470mmである。
図3において、40はこの発明の実施例1に係るシリコン単結晶成長装置(以下、結晶成長装置)で、この結晶成長装置40は、中空円筒形状のチャンバ41を備えている。チャンバ41は、メインチャンバ42と、メインチャンバ42上に連設固定され、メインチャンバ42より小径なプルチャンバ43とからなる。メインチャンバ42内の中心部には、ルツボ44が、回転および昇降が可能な支持軸(ペディスタル)45の上に固定されている。ルツボ44は、内側の石英ルツボ46と外側の黒鉛ルツボ47とを組み合わせた二重構造である。
ルツボ44の外側には、加熱抵抗式のヒータ51がルツボ44の壁部と同心円状に配置されている。ヒータ51の外側には、円筒状の保温筒52がメインチャンバ42の周側壁内面に沿って配置されている。メインチャンバ42の底面上には、円形の保温板53が配置されている。
ルツボ44の中心線上には、支持軸45と同一軸心で回転および昇降が可能な引き上げ軸(ワイヤでも可能)55がプルチャンバ43を通って吊設されている。引き上げ軸55の下端には、種結晶Cが装着されている。
次に、この結晶成長装置40を用いたシリコン単結晶成長方法を具体的に説明する。
ルツボ44内に結晶用シリコン原料および不純物としてのボロンを、シリコン単結晶Sの比抵抗値が0.02Ω・cmとなる分量だけ投入する。チャンバ41内を25Torrに減圧し、100L/minの窒素ガスを含むアルゴンガスを導入する。次に、ルツボ44内の投入物をヒータ51により溶解し、ルツボ44内にシリコン溶融液56を形成する。
次に、引き上げ軸55の下端に装着された種結晶Cをシリコン溶融液56に浸漬し、ルツボ44および引き上げ軸55を互いに逆方向へ回転させつつ、引き上げ軸55を軸方向に引き上げ、種結晶Cの下方にシリコン単結晶Sを成長させる。これにより、窒素元素が1×1014atoms/cm、ボロン添加による比抵抗値が0.02Ω・cmのシリコン単結晶(インゴット)Sが得られる。
スライス工程(S101)では、側面視して三角形を形成するように配置された3本のグルーブローラにワイヤが巻掛けられたワイヤソーが用いられる。このワイヤソーによりシリコン単結晶Sから多数枚のシリコンウェーハ11がスライスされる。
この後の面取り工程(S102)では、回転中の面取り用砥石をシリコンウェーハ11の外周部に押し付けて面取りする。
ラッピング工程(S103)では、両面ラッピング装置によりシリコンウェーハ11の両面を同時にラッピングする。すなわち、シリコンウェーハ11の両面を、所定速度で回転中の上下のラップ定盤間でラッピングし、シリコンウェーハ11の表裏面の平行度を高める。
エッチング工程(S104)では、エッチング槽に貯留された酸性エッチング液にラッピング後のシリコンウェーハ11を浸漬してエッチングし、面取りおよびラッピングによるダメージを除去する。
研削工程(S105)では、まずシリコンウェーハ11の表裏面を研削し、シリコンウェーハ11とエピタキシャル膜12とのドーパント濃度差から生じる応力を原因とした反りとは反対向きのお椀状の反りを、ウェーハ中央部に凹みを形成して生じさせる。これにより、エピタキシャル膜12を成長させた応力により生じる反りを打ち消し、エピタキシャルシリコンウェーハ10に対しての大きい反りの発生を抑制することができる。
具体的には、まずシリコンウェーハ11の表面を保持テーブルで吸着保持し、シリコンウェーハ11の裏面を研削し、ウェーハ外周からウェーハ中心に向けて厚みを増加させた凸状のシリコンウェーハ11を作製する。その後、ウェーハ裏面を吸着テーブルに吸着保持し、シリコンウェーハ11の弾性変形によりウェーハ表面の中央を10μm程度突出させる。次に、ウェーハ表面を研削し、この面を平坦化する。その後、シリコンウェーハ11の吸着保持を解除することで、中央部が凹んだシリコンウェーハ11を得ることができる。
このウェーハ中央部の凹みは、下記(1)式の関係を満たす断面形状を有するよう形成される。
Figure 2010040935
Figure 2010040935
Figure 2010040935
ただし、(1)式において、εはエピタキシャル膜12中の歪み、tsiはシリコンウェーハ11の厚さ、tepiはエピタキシャル膜12の厚さ、δはエピタキシャルシリコンウェーハ10の反り、rはウェーハの半径を示し、(2)式において、εはシリコンウェーハ11とエピタキシャル膜12との格子定数の差による歪み、[B]はボロン濃度、ΔαSi-Bは[B]を含むシリコンウェーハ11とノンドープのエピタキシャル膜12との格子定数の差、αSiはエピタキシャル膜12の格子定数を示す。また、エピタキシャル膜12中の歪εは、シリコンウェーハ11とエピタキシャル膜12との格子定数の差による歪みεと等しいものとした。
両面研磨工程(S106)では、サンギヤレスの両面研磨装置を用い、シリコンウェーハ11の両面を同時に鏡面研磨する。
以下、図4および図5を参照して、サンギヤレス構造の両面研磨装置の構造を具体的に説明する。
図4および図5に示すように、上定盤120は、上方に延びた回転軸12aを介して、上側回転モータ16により水平面内で回転駆動される。また、上定盤120は軸線方向へ進退させる昇降装置18により垂直方向に昇降させられる。昇降装置18は、エピタキシャルシリコンウェーハ11をキャリアプレート110に給排する際等に使用される。なお、上定盤120および下定盤130のエピタキシャルシリコンウェーハ11の表裏両面に対する押圧は、上定盤120および下定盤130に組み込まれた図示しないエアバック方式等の加圧手段により行われる。下定盤130は、その出力軸17aを介して、下側回転モータ17により水平面内で回転させられる。このキャリアプレート110は、そのプレート110自体が自転しないように、キャリア円運動機構19によって、そのプレート110の表面と平行な面(水平面)内で円運動する。
キャリア円運動機構19は、キャリアプレート110を外方から保持する環状のキャリアホルダ20を有している。キャリア円運動機構19とキャリアホルダ20とは、連結構造を介して連結されている。
キャリアホルダ20の外周部には、90度ごとに外方へ突出した4個の軸受部20bが配設されている。各軸受部20bには、小径円板形状の偏心アーム24の上面の偏心位置に突設された偏心軸24aが挿着されている。また、これら4個の偏心アーム24の各下面の中心部には、回転軸24bが垂設されている。これらの回転軸24bは、環状の装置基体25に90度ごとに合計4個配設された軸受部25aに、それぞれ先端部を下方へ突出させた状態で挿着されている。各回転軸24bの下方に突出した先端部には、それぞれスプロケット26が固着されている。各スプロケット26には、一連にタイミングチェーン27が水平状態で架け渡されている。これらの4個のスプロケット26とタイミングチェーン27とは、4個の偏心アーム24が同期して円運動を行うように、4本の回転軸24bを同時に回転させる。
これらの4本の回転軸24bのうち、1本の回転軸24bはさらに長尺に形成されており、その先端部がスプロケット26より下方に突出されている。この部分に動力伝達用のギヤ28が固着されている。ギヤ28は、円運動用モータ29の上方へ延びる出力軸に固着された大径な駆動用のギヤ30に噛合されている。
したがって、円運動用モータ29を起動すると、その回転力は、ギヤ30,28および長尺な回転軸24bに固着されたスプロケット26を介してタイミングチェーン27に伝達され、このタイミングチェーン27が周転することで、他の3個のスプロケット26を介して、4個の偏心アーム24が同期して回転軸24bを中心に水平面内で回転する。これにより、それぞれの偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20、ひいてはこのホルダ20に保持されたキャリアプレート110が、このプレート110に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を行う。すなわち、キャリアプレート110は上定盤120および下定盤130の軸線eから距離Lだけ偏心した状態を保って旋回する。両定盤120,130の各対向面には、研磨布15が貼張されている。この距離Lは、偏心軸24aと回転軸24bとの距離と同じである。この自転をともなわない円運動により、キャリアプレート110上の全ての点は、同じ大きさの小円の軌跡を描く。これにより、キャリアプレート110に形成されたウェーハ収納部11aに収納されたシリコンウェーハ11が両面研磨される。
次に、図6を参照して、枚葉式の気相エピタキシャル成長装置を用いたエピタキシャル成長工程(S107)を具体的に説明する。
図6に示すように、気相エピタキシャル成長装置60は、上下にヒータが配設されたチャンバの中央部に、平面視して円形で、シリコンウェーハ11が1枚載置できるサセプタ61が水平配置されたものである。サセプタ61は、カーボン製の基材をSiCによりコーティングしたものである。
サセプタ61の上面の内周部には、シリコンウェーハ11を横置き状態(表裏面が水平な状態)で収納する凹形状のザグリ(ウェーハ収納部)62が形成されている。ザグリ62は、周壁62aと、幅6mmの平面視して環状の段差62bと、底板(ザグリの底壁面)62cとからなる。
チャンバの一側部には、チャンバの上部空間に、所定のキャリアガス(Hガス)と所定のソースガス(SiHClガス)とを、ウェーハ表面に対して平行に流すガス供給口が配設されている。また、チャンバの他側部には、ガスの排気口が形成されている。
エピタキシャル成長時には、シリコンウェーハ11をザグリ62に、ウェーハ表裏面を水平にし、かつウェーハ表面を上方に向けて横置きする。次に、シリコンウェーハ11の表面にエピタキシャル膜12を成長させる。すなわち、キャリアガスとソースガスとを、対応するガス供給口を通して反応室へ導入する。炉内圧力を100±20KPaとし、1000℃〜1150℃の高温に熱せられたシリコンウェーハ11上に、ソースガスの熱分解または還元によって生成されたシリコンを、反応速度3.5〜4.5μm/分で析出させる。これにより、シリコンウェーハ11の表面上にシリコン単結晶の厚さ10μm程度のエピタキシャル膜12が成長される。こうして、エピタキシャルシリコンウェーハ10が作製される。
続くエピタキシャルシリコンウェーハ10の同時研磨工程(S108)では、両面研磨工程(S106)で使用したサンギヤレス構造の両面研磨装置を用い、エピタキシャル膜12の表面とシリコンウェーハ11の裏面とを同時に鏡面研磨する。
こうして、エピタキシャルシリコンウェーハ10が作製される(S109)。
このように、比抵抗値が0.1Ω・cmで、直径が450mmのシリコンウェーハ11に、研削工程(研磨工程でもよい)で、凹状形状を維持する処理を行うことによりバルクウェーハ11を構成する原子の半径とエピタキシャル膜12を構成する原子の半径との違いによる反りの発生を抑制することができる。また、高濃度ボロンのシリコンウェーハ12に比較すれば、ドーパントがウェーハ裏面から外方拡散し、エピタキシャル膜12に回り込むことで生じるオートドープ量も減少し、比較的良好な抵抗分布のエピタキシャル膜12を得ることができる。
さらに、シリコンウェーハ11は、1×1014atoms/cmの窒素元素が添加されたウェーハである。そのため、シリコンウェーハ11はボロン濃度が低い高抵抗ウェーハであるにも拘わらず、高いイントリンシックゲッタリング能力を有している。
また、サンギヤレス構造の両面研磨装置を用いて、エピタキシャル成長工程後、エピタキシャル膜12の表面とシリコンウェーハ11の裏面とを同時に研磨するように構成している。そのため、エピタキシャルシリコンウェーハ10の平坦度を高めることができるとともに、研磨に要する時間を短縮し、生産性を高めることができる。
なお、エピタキシャル膜12の表面とシリコンウェーハ11の裏面とは、同時に研磨しなくても、片面ずつ研磨してもよい。
実施例1では、シリコンウェーハ11へのイントリンシックゲッタリング機能を付与する方法として、シリコン溶融液56に対する1×1014atoms/cmの窒素元素の添加を採用している。ただし、これに代えて、シリコン溶融液56中に1×1017atoms/cmとなる分量の炭素粉末を添加する方法を採用してもよい。また、窒素添加と炭素添加の両方を施してもよい。
ここで、エピタキシャルシリコンウェーハの本体となるシリコンウェーハ(ベアウェーハ)の比抵抗値と、シリコンウェーハの金属不純物(ニッケル)に対するイントリンシックゲッタリング能力との関係、および、シリコンウェーハの比抵抗値と実施例1のエピタキシャルシリコンウェーハの反り(Warp値)との関係を表1に示す。試験例1〜3および比較例1〜4は、比抵抗値が本発明の範囲(0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満)で、このうち、試験例1〜3は反り対策の研削工程(図2のS105)が施されたもの、比較例1〜2は反り対策の加工を実施していないもの、比較例3〜4はイントリンシックゲッタリング機能を付与をしていないものである。
Figure 2010040935
IG能力; 〇 ゲッタリング力(高)、 △ ゲッタリング力(中)、 × ゲッタリング力(低)
反りはWarp値
表1から明らかなように、比較例1〜2ではエピタキシャルシリコンウェーハの反りが大きく、比較例3〜4ではイントリンシックゲッタリング能力が不十分だった。これに対して、試験例1〜3では、高いイントリンシックゲッタリング能力と反りの抑制効果とが得られた。
この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの断面図である。 この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法のフローシートである。 この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用されるシリコン単結晶成長装置の縦断面図である。 この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用されるサンギヤレス構造の両面研磨装置の斜視図である。 この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用されるサンギヤレス構造の両面研磨装置の縦断面図である。 この発明の実施例1に係るエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法で使用されるエピタキシャル成長装置の要部拡大断面図である。
符号の説明
10 エピタキシャルシリコンウェーハ、
11 シリコンウェーハ、
12 エピタキシャル膜、
44 ルツボ、
56 シリコン溶融液、
S シリコン単結晶。

Claims (3)

  1. CZ法により引き上げられたシリコン単結晶を加工して得られた直径が450mm以上、比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満のシリコンウェーハを本体とし、該シリコンウェーハの表面のみにエピタキシャル膜を成長させたエピタキシャルシリコンウェーハであって、
    前記シリコンウェーハが、イントリンシックゲッタリング構造を有したエピタキシャルシリコンウェーハ。
  2. CZ法によりルツボ内のシリコン溶融液から引き上げられたシリコン単結晶から得られた比抵抗値が0.01Ω・cm以上0.1Ω・cm未満、直径が450mm以上のシリコンウェーハの表面のみに、エピタキシャル膜を成長させるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
    前記シリコン溶融液への1×1013〜1×1015atoms/cmの窒素元素の添加、
    前記シリコン溶融液への1×1016〜1×1018atoms/cmの炭素元素の添加の少なくとも1つを行うことで、前記シリコンウェーハにイントリンシックゲッタリング構造を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記エピタキシャル膜の成長後、該エピタキシャル膜の表面と前記シリコンウェーハの裏面とを同時に研磨する請求項2に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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