JP2010034157A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

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Hiroyuki Ichikawa
弘之 市川
Masafumi Ito
雅史 伊東
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Abstract

【課題】ESD特性の劣化を抑制することが可能な半導体レーザの製造方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザ50の製造方法は、半導体レーザバー2を形成する工程S105と、半導体レーザバー2の第1端面2aに第1コーティング21を形成する工程S107と、半導体レーザバー2の第2端面2bに第2コーティング23を形成する工程S113とを備え、工程S107は、イオンアシスト蒸着法によって、第1端面2aに向かって60eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、第1端面2aに第1誘電体層21aを形成する工程S109を含み、工程S113は、イオンアシスト蒸着法によって、第2端面2bに向かって90eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、第2端面2bに第2誘電体層23aを形成する工程S115を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザの製造方法に関する。
特許文献1には、半導体レーザの製造方法が記載されている。この方法では、真空蒸着法によって半導体レーザの端面に保護膜を形成するときに、酸素を含まないSi膜を形成している。この後に、Si膜上にAl膜を形成している。この成膜の順序によれば、酸素による半導体レーザの端面の損傷が抑制される。その結果、端面におけるリーク電流の発生とCOD(光学的破壊レベル)値の低下が抑制される。
特許文献2には、半導体レーザの製造方法が記載されている。この方法では、真空蒸着法によって、低反射膜として単層のAlを半導体レーザの端面に形成し、高反射層としてAlとアモルファスSiの積層物を半導体レーザの端面に形成している。これらの低反射膜と高反射層を形成するとき、各形成の初期段階では成膜速度を遅くし、その後、成膜速度を速くしている。この方法によれば、迷走電子や反跳電子等が端面に損傷を与えることや、飛散した蒸着材料が端面に損傷を与えることが抑制される。その結果、端面におけるCOD値が高くなる。
引用文献3には、半導体レーザの製造方法が記載されている。この方法では、スパッタ法によって半導体レーザの端面に保護膜を形成するとき、保護膜形成初期の段階ではスパッタ装置の放電用電源の出力を低くし、徐々にその出力を上げる。この方法によれば、プラズマ放電の開始の際に急激に端面にかかる電圧によって端面に電気的な損傷が与えられたり、プラズマ放電が端面を荒らしたりすることが抑制される。
特開2002−164609号公報 特開2001−177179号公報 特開2003−183824号公報
半導体レーザの対向する2つの端面には、端面保護、及び、光反射率制御の目的で、コーティング(保護膜)が形成されている。
半導体レーザの端面にコーティングを形成する際、端面に損傷を与えてしまう場合がある。端面に損傷を与えてしまうと、半導体レーザのESD特性(静電破壊特性)等の特性が劣化するという問題が生じる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、半導体レーザのESD特性については言及されていない。また、特許文献3では、半導体レーザのESD特性について言及されていないだけでなく、この半導体レーザの製造方法では、スパッタ装置によるプラズマ放電を利用しているので、このプラズマによる端面の損傷の可能性は避けられない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ESD特性の劣化を抑制することが可能な半導体レーザの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザの製造方法は、レーザ光を発生させるための活性層を含む半導体レーザバーを形成する工程と、半導体レーザバーの第1端面に第1コーティングを形成する工程と、半導体レーザバーの第1端面に対向する第2端面に第2コーティングを形成する工程とを備え、第1コーティングを形成する工程は、イオンアシスト蒸着法によって、第1端面に向かって60eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、第1端面に第1誘電体層を形成する工程を含み、第2コーティングを形成する工程は、イオンアシスト蒸着法によって、第2端面に向かって90eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、第2端面に第2誘電体層を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の半導体レーザの製造方法によれば、イオンアシスト蒸着法による第1誘電体層の形成の際、第1端面に向かって60eV以上のエネルギーを有するイオンを照射している。これにより、第1誘電体層は結晶欠陥の少ない緻密な膜となる。第1誘電体層の成膜中、この緻密な膜で第1端面の全体が覆われて保護される。また、イオンアシスト蒸着法による第2誘電体層の形成の際、第2端面に向かって90eV以上のエネルギーを有するイオンを照射している。これにより、第2誘電体層は結晶欠陥の少ない緻密な膜となる。第2誘電体層の成膜中、この緻密な膜で第2端面の全体が覆われて保護される。その結果、ESD特性の高い半導体レーザが得られる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法では、第1コーティングを形成する工程は、第1誘電体層上に、第1誘電体層とは異なる屈折率を有する第3誘電体層を形成する工程をさらに有し、第2コーティングを形成する工程は、第2誘電体層上に、互いに屈折率の異なる第4誘電体層と第5誘電体層とを交互に形成する工程をさらに有することができる。
これにより、第1コーティングと第2コーティングの光反射率を容易に制御することができると共に、第2コーティングの光反射率を第1コーティングの光反射率よりも容易に高くすることができる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法では、第1誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、第2誘電体層は、酸化アルミニウムからなることができる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法では、第1誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、第2誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、第3誘電体層は、酸化チタンからなり、第4誘電体層は、酸化チタンからなり、第5誘電体層は、酸化アルミニウムからなることができる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法では、第1コーティングは、半導体レーザの低反射層であることができる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法では、第2コーティングは、半導体レーザの高反射層であることができる。
以上説明したように、本発明によれば、ESD特性の劣化を抑制することが可能な半導体レーザの製造方法が提供される。
以下、実施形態に係る半導体レーザの製造方法について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。可能な場合には、同一要素には同一符号を用いる。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザの製造方法の主要な工程を示すフローチャートである。図1のフローチャート100に示すように、本実施形態に係る半導体レーザの製造方法は、主として、半導体基板上に半導体レーザのための半導体積層を形成する工程S101、P電極とN電極を形成する工程S103、半導体基板を劈開して半導体レーザバーを作成する工程S105、半導体レーザバーの第1端面に低反射層を形成する工程S107、半導体レーザバーの第2端面に高反射層を形成する工程S113、及び、半導体レーザバーを個々の半導体レーザ素子に分離する工程S123を備える。
(工程S101)
工程S101では、半導体基板上に半導体レーザのための半導体の積層やエッチング等を行う。半導体の積層は、例えば有機金属気相成長法によって行われる。半導体の積層物は、例えば、2つのクラッド層と、これらのクラッド層の間に設けられた活性層を有する。これにより、半導体エピタキシャルウェハが得られる。
図2は、工程S101で得られる半導体エピタキシャルウェハを示す断面図である。図2には直交座標系17が示されている。
図2に示すように、半導体エピタキシャルウェハ1は、n型InP基板等の半導体基板5の主面上に設けられY軸方向に延びるストライプ形状のストライプ部1aを有し、このストライプ部1aがトレンチ溝Tの間に設けられている。
ストライプ部1aは、メサ部6と、例えばp型InPからなるp型ブロック層9と、例えばn型InPからなるn型ブロック層10とを備える。
メサ部6は、半導体基板5の主面上に設けられている。メサ部6は、活性層7と、その上に設けられ、例えばp型InPからなる第1上部クラッド層8とを有する。メサ部6は、順メサ形状を有しており、活性層7と第1上部クラッド層8の幅が徐々に小さくなる。活性層7の厚さは、例えば、1μmである。第1上部クラッド層8の厚さは、例えば、1μmである。メサ部6のストライプ幅は、例えば、1μmである。
活性層7は、例えばGaInAsPからなるMQW(多重量子井戸)構造やSQW(単一量子井戸)構造を有する。半導体基板5又は下部クラッド層は、活性層7にキャリアである電子を供給する。第1上部クラッド層8は、活性層7にキャリアであるホールを供給する。活性層7で電子とホールが再結合して、光が生じる。半導体基板5又は下部クラッド層は活性層7の材料よりも屈折率の低い材料で形成されているので、活性層7で生じた光を活性層7近傍に閉じ込める働きをする。第1上部クラッド層8は、活性層7の材料よりも屈折率の低い材料で形成されているので、活性層7で生じた光を活性層7近傍に閉じ込める働きをする。
電流ブロック領域がメサ部6の両側及び半導体基板5上に形成される。例えば、p型ブロック層9は、メサ部6の両側面及び半導体基板5上に形成されている。n型ブロック層10は、p型ブロック層9上に形成されている。p型ブロック層9及びn型ブロック層10はメサ部6を埋め込んでいる。p型ブロック層9及びn型ブロック層10はメサ部6に電流を閉じ込める。
第1上部クラッド層8及びn型ブロック層10上には、例えばp型InPからなる第2上部クラッド層11が形成されている。第2上部クラッド層11は、活性層7を形成する材料よりも屈折率の低い材料で形成されているので、活性層7で生じた光を活性層7近傍に閉じ込める働きをする。第2上部クラッド層11上には、例えばGaInAsからなるコンタクト層13が形成されている。
コンタクト層13及びトレンチ溝T上には、例えばSiNやSiOからなる絶縁層15が形成されている。絶縁層15には、コンタクト層13上に、Y軸方向に延びるコンタクトホール15hが形成されている。
半導体基板5上には、複数のストライプ部1aが形成されている。これらのストライプ部1aはX軸方向に配列されており、また、Y軸方向に延びている。
(工程S103)
工程S103では、半導体エピタキシャルウェハ1に、真空蒸着法等によって、図3に示すようにP電極18とN電極19を形成する。P電極18とN電極19は、例えば、Au等の金属からなる。P電極18は、絶縁層15上に形成され、コンタクトホール15hを介して第2上部クラッド層11とオーミック接触する。N電極19は、半導体基板5の裏面に形成される。半導体基板5の裏面を研磨して半導体基板5を薄くした後に、N電極19の形成を行ってもよい。このようにして、アレイ状に配置された複数のレーザ素子を含む基板生成物が完成する。
(工程S105)
工程S105では、基板生成物を劈開して、半導体レーザバーを作成する。基板生成物の劈開のために、例えばけがき装置を用いて基板生成物に2本のけがき線を入れる。これらのけがき線は、ストライプ部1aの延び方向と略直交する方向に形成される。けがき線を形成した後に半導体基板5に力をかけることによって、基板生成物を劈開する。この劈開は、メサ部6が延びる方向と直交する面(XZ面)と略平行な面で生じる。これにより、半導体レーザバーが完成する。
図3は、半導体レーザバーの一部の斜視図である。半導体レーザバー2は、Y軸方向に延びる複数のストライプ部1aを有しており、ストライプ部1aは、X軸方向に並んでいる。半導体レーザバー2は、劈開によって形成された互いに対向する第1端面2aと第2端面2bを有する。第1端面2aにおいて、活性層7の一方の端面が露出し、第2端面2bにおいて、活性層7の他方の端面が露出している。半導体レーザバー2の厚さZ2、及び長さY2は、例えば、それぞれ100μm、及び300μm程度である。
(工程S107)
工程S107では、半導体レーザバーの第1端面に第1コーティングとしての低反射層を形成する。低反射層を形成するために、例えば、工程S109及び工程S111を行うことができる。工程S109では、半導体レーザバーの第1端面にイオンアシスト蒸着法によって酸化アルミニウム層を形成する。工程S111では、その酸化アルミニウム層上に酸化チタン層を形成する。
まず、イオンアシスト蒸着法に用いられるイオンアシスト蒸着装置について説明する。図4は、イオンアシスト蒸着装置の一例を模式的に示す図である。イオンアシスト蒸着装置27は、真空チャンバ29と、イオン銃31と、電子銃33と、ハースといった容器35と、天板といった支持台37とを備えている。
真空チャンバ29は、フランジ29Fを有している。フランジ29Fには真空ポンプが接続されている。この真空ポンプによって、真空チャンバ29内は真空蒸着が可能な低圧力に維持される。
イオン銃31は、例えばアルゴンイオン(Ar)等のイオン31Aを出射する。イオン銃31は、支持台37に対向して配置されている。
蒸着材料は、容器35に収容される。電子銃33は、電子ビーム33Aを出射する。電子ビーム33Aは、例えば磁界によって進行方向が曲げられ、容器35に入射する。容器35は、蒸着材料を収容する。容器35に電子ビーム33Aが入射すると、電子ビーム33Aによって容器35内の蒸着材料が加熱される。この加熱により、蒸着材料が蒸発して、蒸発した原料フラックス35Aが容器35から放出される。放出される原料フラックス35Aは、真空チャンバ29内に設けられたシャッター36を用いて必要に応じて遮断されるようにしてもよい。
支持台37は例えばドーム状であり、イオン銃31と容器35に対向して配置されている。支持台37には、半導体レーザバー2を支持するための複数の冶具39が配置される。半導体レーザバー2は、そのいずれかの端面をイオン銃31と容器35に向けて冶具39に配置されており、その端面が蒸着面となる。イオン銃31と半導体レーザバー2間には、アノード電圧が印加されている。イオン31Aは、アノード電圧によって半導体レーザバー2の方向に加速されて、半導体レーザバー2の端面に照射される。イオン31Aが半導体レーザバー2に到達したときのイオン31Aの運動エネルギーは、アノード電圧に対応した大きさとなる。支持台37は、蒸着中に軸37Cの周りに回転可能である。これにより、複数の半導体レーザバー2に蒸着を行う際、それぞれの蒸着膜の均一性が向上する。
イオンアシスト蒸着法によって真空蒸着を行う際は、イオン31Aを半導体レーザバー2の蒸着面に向かって照射しながら、原料フラックス35Aを蒸着面に到達させる。すると、蒸着面に原料フラックス35Aからなる蒸着膜が形成される。
真空チャンバ29内には、膜厚測定器38が配置されていてもよい。膜厚測定器38は例えば光学式膜厚測定器である。支持台37は、その表面から裏面に貫通する孔部37hを有している。孔部37hよりも容器35側とは反対側には、膜厚測定器38と対向するようにモニターガラス板39が配置されている。半導体レーザバー2に真空蒸着を行うときに、イオン31A及び原料フラックス35Aがモニターガラス板39に到達して、モニターガラス板39にも蒸着膜が形成される。この蒸着膜の厚さを膜厚測定器38で測定することができる。
また、チャンバ12内には、蒸着膜の厚さをモニタするための水晶振動子41が配置されていてもよい。水晶振動子41は、イオン銃31に対向して配置されている。
(工程S109)
工程S109では、イオンアシスト蒸着法によって、半導体レーザバーの第1端面に酸化アルミニウム層を形成する。この工程では、容器35に収容する蒸着材料として、酸化アルミニウムを用いる。第1端面2aがイオン銃31及び容器35と対向するように、半導体レーザバー2を冶具39に固定する。即ち、第1端面2aが蒸着面となる。
図5(A)及び(B)は、半導体レーザバーの断面図である。本工程では、60eV(9.6×10−18J)以上のエネルギーを有するアルゴンイオンからなるイオン31Aを第1端面2aに向かって照射しながら、原料フラックス35Aを第1端面2aに到達させる。イオン31Aのエネルギーの大きさは、イオン銃31と半導体レーザバー2間に印加されるアノード電圧の大きさによって調整される。すると、図5(A)に示すように、第1誘電体層である酸化アルミニウム層21aが形成される。好適な実施例では、イオン31Aは、イオンビームとして照射される。このイオンビームのイオン粒子の運動エネルギーは分布しており、その運動エネルギースペクトルのピーク値が60eV以上に位置することが好ましい。
上述のように、酸化アルミニウム層21a形成の際、60eV以上のエネルギーを有するイオン31Aが第1端面2aに向かって照射されているので、第1端面2aに到達した原料フラックス35Aはイオン31Aからエネルギーを受け取ると考えられる。これにより、酸化アルミニウム層21aを構成する個々の原子は安定な位置まで移動し易くなるので、酸化アルミニウム層21aは結晶欠陥の少ない緻密な膜となると考えられる。そのため、第1端面2aの全体は酸化アルミニウム層21aによって覆われて有効に保護されることになる。その結果、ESD特性の高い半導体レーザが得られる。
既に説明したように、酸化アルミニウム層21a形成の際、第1端面2aに向かって照射されるイオン31Aのエネルギーの下限は60eV以上であることが好ましい。また、その上限は、100eV以下であることが好ましい。イオン31Aのエネルギーが100eVよりも大きいと、第1端面2aに与える衝撃が大きくなるためである。
また、酸化アルミニウム層は、以下に示されるように複層構造を有することができる。例えば、60eV以上のエネルギーを有するイオン31Aを第1端面2aに向かって照射しながら第1端面2a上に酸化アルミニウム層21aを形成した後に、さらに酸化アルミニウムからなる層を、60eV未満のエネルギーを有するイオン31Aを第1端面2aに向かって照射しながら、又はイオン31Aを照射せずに酸化アルミニウム層21a上に形成する。この場合も、酸化アルミニウム層21aが第1誘電体層となる。また、酸化アルミニウム層が単層構造又は複層構造のいずれかを有するとき、酸化アルミニウム層21aの厚さは、50nm以上であることが好ましい。第1端面2aを十分に保護することが可能になるからである。
第1誘電体層を構成する材料としては、酸化アルミニウム以外に、例えば酸化チタンを用いることができる。
(工程S111)
工程S111では、図5(B)に示すように、酸化アルミニウム層21a上に、第3誘電体層である酸化チタン層21bを形成する。酸化チタン層21bも、イオンアシスト蒸着法によって形成することができる。酸化チタン層21bをイオンアシスト蒸着法によって形成する場合、容器35に収容する蒸着材料として、酸化チタンを用いる。また、酸化チタン層21bの形成は、アルゴンイオンからなるイオン31Aを第1端面2aに向かって照射しながら行うことができる。この際のイオン31Aのエネルギーは、例えば40〜150eVとすることができる。なお、酸化チタン層21bは、イオン31Aの照射を行わずに、真空蒸着法によって形成してもよい。酸化チタン層21bの厚さは、例えば、40〜50nmとすることができる。
低反射層21は、第1誘電体層である酸化アルミニウム層21aと第3誘電体層である酸化チタン層21bからなる。酸化チタン層21bの屈折率は、半導体レーザの発振波長において、酸化アルミニウム層21aの屈折率と異なる。そのため、低反射層21の反射率を、所定の値に容易に制御することができる。低反射層21の反射率は、例えば0.01〜1パーセントである。低反射層21は、第1端面2aを保護する保護膜としても機能する。
第3誘電体層を構成する材料としては、酸化チタン以外の材料を用いることも可能である。例えば、第1誘電体層を構成する材料(A)と第3誘電体層を構成する材料(B)の組み合わせ(A、B)は、(酸化アルミニウム、酸化チタン)の他に、例えば(酸化チタン、酸化アルミニウム)、(酸化チタン、フッ化マグネシウム)とすることができる。
(工程S113)
工程S113では、半導体レーザバーの第2端面に第2コーティングとしての高反射層を形成する。高反射層を形成するために、例えば、工程S115、工程S117、工程S119、及び、工程S121を行うことができる。工程S115では、半導体レーザバーの第2端面にイオンアシスト蒸着法によって酸化アルミニウム層を形成する。工程S117では、その酸化アルミニウム層上に酸化チタン層を形成する。工程S119では、その酸化チタン層上に酸化アルミニウム層を形成する。工程S121では、工程S117と工程S119とを所定回数繰り返す。
(工程S115)
工程S115では、イオンアシスト蒸着法によって、半導体レーザバーの第2端面に酸化アルミニウム層を形成する。この工程では、容器35に収容する蒸着材料として、酸化アルミニウムを用いる。第2端面2bがイオン銃31及び容器35と対向するように、半導体レーザバー2を冶具39に固定する。即ち、第2端面2bが蒸着面となる。
図6(A)〜(D)は、半導体レーザバーの断面図である。本工程では、90eV(1.4×10−17J)以上のエネルギーを有するアルゴンイオンからなるイオン31Aを第1端面2bに向かって照射しながら、原料フラックス35Aを第2端面2bに到達させる。すると、図6(A)に示すように、第2誘電体層である酸化アルミニウム層23aが形成される。好適な実施例では、イオン31Aは、イオンビームとして照射される。このイオンビームのイオン粒子の運動エネルギーは分布しており、その運動エネルギースペクトルのピーク値が90eV以上に位置することが好ましい。
上述のように、酸化アルミニウム層23a形成の際、90eV以上のエネルギーを有するイオン31Aが第2端面2bに向かって照射されているので、第2端面2bに到達した原料フラックス35Aはイオン31Aからエネルギーを受け取ると考えられる。これにより、酸化アルミニウム層23aを構成する個々の原子は、安定な位置まで移動し易くなるので、酸化アルミニウム層23aは結晶欠陥の少ない緻密な膜となると考えられる。そのため、第2端面2bの全体は酸化アルミニウム層23aによって覆われて有効に保護されることになる。その結果、ESD特性の高い半導体レーザが得られる。
既に説明したように、酸化アルミニウム層23a形成の際、第2端面2bに向かって照射されるイオン31Aのエネルギーの下限は90eV以上であることが好ましい。また、その上限は、100eV以下であることが好ましい。イオン31Aのエネルギーが100eVよりも大きいと、第2端面2bに与える衝撃が大きくなるためである。また、酸化アルミニウム層23aを形成する際に第2端面2bに向かって照射されるイオン31Aのエネルギーは、酸化アルミニウム層21aを形成のする際に第1端面2aに向かって照射されるイオン31Aのエネルギーよりも高いことが好ましい。
また、酸化アルミニウム層は、以下に示されるように複層構造を有することができる。例えば、90eV以上のエネルギーを有するイオン31Aを第2端面2bに向かって照射しながら第2端面上に酸化アルミニウム層23aを形成した後に、さらに酸化アルミニウムからなる層を、90eV未満のエネルギーを有するイオン31Aを第2端面2bに向かって照射しながら、又はイオン31Aを照射せずに酸化アルミニウム層23a上に形成する。この場合も、酸化アルミニウム層23aが第2誘電体層となる。また、酸化アルミニウム層が単層構造又は複層構造のいずれかを有するとき、酸化アルミニウム層23aの厚さは、50nm以上であることが好ましい。第2端面2bを十分に保護することが可能になるからである。
第2誘電体層を構成する材料としては、酸化アルミニウム以外に、例えば酸化シリコンを用いることができる。
(工程S117)
工程S117では、図6(B)に示すように、酸化アルミニウム層23a上に、第4誘電体層である酸化チタン層23bを形成する。酸化チタン層23bは、イオンアシスト蒸着法によって形成することができる。酸化チタン層23bをイオンアシスト蒸着法によって形成する場合、容器35に収容する蒸着材料として、酸化チタンを用いる。また、酸化チタン層23bの形成は、イオン31Aを第2端面2bに向かって照射しながら行うことができる。この際のイオン31Aのエネルギーは、例えば40〜150eVとすることができる。なお、酸化チタン層23bは、イオン31Aの照射を行わずに、真空蒸着法によって形成してもよい。酸化チタン層23bの厚さは、例えば、120〜160nmとすることができる。
(工程S119)
工程S119では、図6(C)に示すように、酸化チタン層23b上に、第5誘電体層である酸化アルミニウム層23cを形成する。酸化アルミニウム層23cは、イオンアシスト蒸着法によって形成することができる。酸化アルミニウム層23cをイオンアシスト蒸着法によって形成する場合、容器35に収容する蒸着材料として、酸化アルミニウムを用いる。また、酸化アルミニウム層23cの形成は、イオン31Aを第2端面2bに向かって照射しながら行うことができる。この際のイオン31Aのエネルギーは、例えば40〜150eVとすることができる。なお、酸化アルミニウム層23cは、イオン31Aの照射を行わずに、真空蒸着法によって形成してもよい。酸化アルミニウム層23cの厚さは、例えば、190〜230nmとすることができる。
(工程S121)
工程S121では、上記工程S117と上記工程S119を交互に所定回数繰り返す。即ち、図5(D)に示すように、工程S119において形成した酸化アルミニウム層23c上に、酸化チタン層23bと酸化アルミニウム層23cとを、交互に所定回数形成する。酸化チタン層23bと酸化アルミニウム層23cとを交互に形成する回数は特に制限されず、最後に形成する層は、酸化チタン層23bと酸化アルミニウム層23cのいずれの層であってもよい。
高反射層23は、第2誘電体層である酸化アルミニウム層23aと、第4誘電体層である酸化チタン層23bと、第5誘電体層である酸化アルミニウム層23cとからなる。高反射層23の反射率は、半導体レーザの発振波長の光に対して、低反射層21の反射率よりも高い。また、酸化チタン層23bの屈折率は、半導体レーザの発振波長において、酸化アルミニウム層23a、23cの屈折率と異なる。そのため、高反射層23の反射率を、所定の値に容易に制御することができる。また、高反射層23の反射率を、低反射層21よりも、容易に高くすることができる。高反射層23の反射率は、例えば60〜90パーセントである。高反射層23は、第2端面2bを保護する保護膜としても機能する。
第4誘電体層を構成する材料としては、酸化チタン以外の材料を用いることも可能である。また、第2誘電体層及び第5誘電体層を構成する材料としては、酸化アルミニウム以外の材料を用いることも可能である。例えば、第2誘電体層と第5誘電体層を構成する材料(C)と第4誘電体層を構成する材料(D)との組み合わせ(C、D)は、(酸化アルミニウム、酸化チタン)の他に、例えば(酸化シリコン、酸化チタン)、(酸化シリコン、アモルファスシリコン)とすることができる。
また、上述の工程S107と工程S113の順序は、逆であってもよい。
(工程S123)
工程S123では、半導体レーザバーを個々の半導体レーザ素子に分離する。このようにして、半導体レーザ素子が完成する。
図7は、本実施形態で得られる半導体レーザ素子の斜視図である。図7に示すように、半導体レーザ素子50は、レーザ本体部2xと、第1端面2aに形成された低反射層21と、第2端面2bに形成された高反射層23とを有している。半導体レーザ素子50の厚さZ50、長さY50、及び幅X50は、例えばそれぞれ100μm、300μm、及び250μmである。
半導体レーザ素子50に順方向に電圧を印加すると、p型ブロック層9及びn型ブロック層10の働きにより、電流はメサ部6に流れる。これにより、活性層7で光が生じる。活性層7で生じた光は、低反射層21と高反射層23における反射により、低反射層21と高反射層23との間を往復する。そして、半導体レーザ素子50はレーザ発振し、第1端面2aからレーザ光を出射する。
半導体レーザ素子50において順方向に静電放電が生じると、半導体レーザ素子50に、順方向にパルス状の電流が流れる。この電流注入により、活性層7においてパルス状の高強度の光が生じる。この光は低反射層21や高反射層23に到達する。この際、第1端面2aや第2端面2bに欠陥があると、第1端面2aや第2端面2bの欠陥において損傷が生じる。その結果、半導体レーザ素子50の特性が劣化する場合がある。本実施形態の半導体レーザ素子50においては、上述のように第1端面2a及び第2端面2bは、それぞれ酸化アルミニウム層21a及び酸化アルミニウム層23aによって有効に保護されており、第1端面2aや第2端面2bの欠陥は少ない。そのため、半導体レーザ素子50のESD特性は高くなる。
以下、本発明の効果をより一層明らかなものとするため、実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1として、20個の半導体レーザ素子を作成した。実施例1の20個の半導体レーザ素子は、以下のように作成した。
まず、上記実施形態と同様の半導体エピタキシャルウェハ(図2の半導体エピタキシャルウェハ1参照)を作成した。そして、半導体エピタキシャルウェハにP電極とN電極を形成した後に、基板生成物を劈開して半導体レーザバーを作成した(図3の半導体レーザバー2参照)。
次に、イオンアシスト蒸着法によって、半導体レーザバーの第1端面に低反射層を作成した。低反射層は、第1誘電体層及び第3誘電体層からなる2層構造とした。第1誘電体層と第3誘電体層は、アルゴンイオンを第1端面に向かって照射しながら形成した。
図8は、実施例1の第1誘電体層と第3誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。図9は、実施例1の低反射層を形成する際の、アノード電圧及び第1端面に照射されたアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。
図8及び図9に示すように、低反射層の第1層目である第1誘電体層は、Alを用いて形成した。0秒(点A1)から点A2まで、イオン銃と半導体レーザバー間に75.0Vのアノード電圧を印加した。これにより、0秒(点B1)から点B2まで、アルゴンイオンのエネルギーは、60.0eVとなった。点A1から点A2までの間に、イオンアシスト蒸着装置のシャッターを259秒開いた。これにより、60.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第1端面に向かって照射しながら、128.8nmの厚さの第1誘電体層を第1端面に形成した。
続いて、低反射層の第2層目である第3誘電体層を形成した。第3誘電体層は、TiOを用いて形成した。点A3から点A4まで、イオン銃と半導体レーザバー間に56.7Vのアノード電圧を印加した。これにより点B3から点B4まで、アルゴンイオンのエネルギーは、45.4eVとなった。点A3から点A4までの間に、イオンアシスト蒸着装置のシャッターを210秒開いた。これにより、45.4eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第1端面に向かって照射しながら、42.8nmの厚さの第3誘電体層を第1誘電体層上に形成した。
次に、イオンアシスト蒸着法によって、半導体レーザバーの第2端面に高反射層を作成した。高反射層は、第2誘電体層、複数の第4誘電体層、及び、複数の第5誘電体層からなる6層構造とした。第2誘電体層、第4誘電体層、及び、第5誘電体層は、アルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら形成した。
図10は、実施例1の第2誘電体層、第4誘電体層、及び、第5誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。図11は、実施例1の高反射層を形成する際の、アノード電圧及び第2端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。
図10及び図11に示すように、高反射層の第1層目である第2誘電体層は、Alを用いて形成した。0秒(点C1)から点C2まで、イオン銃と半導体レーザバー間に112.5Vのアノード電圧を印加した。これにより、0秒(点D1)から点D2まで、アルゴンイオンのエネルギーは、90.0eVとなった。点C1から点C2までの間に、イオンアシスト蒸着装置のシャッターを441秒開いた。これにより、90.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、220.1nmの厚さの第2誘電体層を第2端面に形成した。
続いて、第4誘電体層と第5誘電体層とを交互に形成することにより、高反射層の第2〜第6層目を形成した。第4誘電体層はTiOを用いて形成した。第5誘電体層はAlを用いて形成した。点C3から点C8までの間、それぞれイオン銃と半導体レーザバー間に68.8Vのアノード電圧を印加した。これにより、点D3から点D8までの間、それぞれアルゴンイオンのエネルギーは、55.0eVとなった。
点C3から点C4までの間にイオンアシスト蒸着装置のシャッターを293秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、140.7nmの第4誘電体層を形成した。次に、点C4から点C5までの間にイオンアシスト蒸着装置のシャッターを422秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、210.3nmの第5誘電体層を形成した。次に、点C5から点C6までの間にイオンアシスト蒸着装置のシャッターをそれぞれ290秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、138.8nmの第4誘電体層を形成した。次に、点C6から点C7までの間にイオンアシスト蒸着装置のシャッターを416秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、204.9nmの第5誘電体層を形成した。次に、点C7から点C8までの間にイオンアシスト蒸着装置のシャッターを270秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、128.4nmの第4誘電体層を形成した。
次に、半導体レーザバーを個々の半導体レーザ素子に分離した。このようにして、20個の半導体レーザ素子を作成した。
(比較例1)
比較例1として、20個の半導体レーザ素子を作成した。比較例1の半導体レーザ素子は、実施例1の半導体レーザ素子と比較して、低反射層と高反射層の形成条件のみ異なる。
図12は、比較例1の第1誘電体層と第3誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。図13は、実施例1の低反射層を形成する際の、アノード電圧及び第1端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。
比較例1の低反射層は実施例1の低反射層と同様の材料で形成されている。しかし、比較例1の低反射層の第1誘電体層の形成条件が、実施例1と異なる。図12及び図13に示すように、比較例1では、点A1から点A2まで、イオン銃と半導体レーザバー間に56.7Vのアノード電圧を印加した。これにより、点B1から点B2まで、アルゴンイオンのエネルギーは、45.4eVとなった。点A1から点A2までの間に、イオンアシスト蒸着装置のシャッターを259秒開いた。これにより、45.4eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第1端面に向かって照射しながら、128.8nmの厚さの第1誘電体層を第1端面に形成した。
図14は、比較例1の第2誘電体層、第4誘電体層、及び、第5誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。図15は、比較例1の高反射層を形成する際の、アノード電圧及び第2端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。
比較例1の高反射層は実施例1の高反射層と同様の材料で形成されている。しかし、比較例1の高反射層の第2誘電体層の形成条件が、実施例1と異なる。図14及び図15に示すように、比較例1では、点C1から点C2まで、イオン銃と半導体レーザバー間に68.8Vのアノード電圧を印加した。これにより、点D1から点D2まで、アルゴンイオンのエネルギーは、55.0eVとなった。点C1から点C2までの間に、イオンアシスト蒸着装置のシャッターを441秒開いた。これにより、55.0eVのエネルギーを有するアルゴンイオンを第2端面に向かって照射しながら、220.1nmの厚さの第3誘電体層を第2端面に形成した。
(比較例2)
比較例2として、20個の半導体レーザ素子を作成した。比較例2の半導体レーザ素子は、実施例1の半導体レーザ素子と比較して、高反射層の形成条件のみ異なる。比較例2の高反射層は、比較例1と同様とした。
(比較例3)
比較例3として、20個の半導体レーザ素子を作成した。比較例3の半導体レーザ素子は、実施例1の半導体レーザ素子と比較して、低反射層の形成条件のみ異なる。比較例3の低反射層は、比較例1と同様とした。
(ESD特性試験)
実施例1及び比較例1〜3について、それぞれの20個の半導体レーザ素子のESD特性試験を行った。図16は、ESD特性試験方法の主要な工程を示すフローチャートである。
図16のフローチャート200に示すように、ESD特性試験方法は、初期試験電圧を設定する工程S201、順方向のESD試験を行う工程S203、レーザ特性の劣化の有無を判定する工程S205、試験電圧を上昇させる工程S207、及び、ESD特性試験を終了する工程S209を備える。
工程S201では、各半導体レーザ素子に対して、ESD試験を行う際のパルス電圧の振幅値を設定する。
工程S203では、各半導体レーザ素子の順方向のESD試験を行う。具体的には、各半導体レーザ素子に100pFの容量のキャパシターを1.5kΩの抵抗を介して接続する。このキャパシターに充電をしてから、各半導体レーザ素子に順方向に放電してパルス電圧を印加する。このようなパルス電圧を5回印加する。
工程S205では、各半導体レーザ素子のレーザ特性の劣化の有無を判定する。この判定は、逆方向に10μA流れるときの電圧値を基準にして行う。
工程S205でレーザ特性の劣化がないと判断された場合、工程S207において試験電圧を上昇させる。そして、工程S203でレーザ特性が劣化したと判定されるまで、工程S203、S205、及び、S207を繰り返す。工程S203でレーザ特性が劣化したと判定された後、工程S209で試験電圧の印加を止めてESD試験を終了する。
図17は、実施例1及び比較例1〜3についての、ESD特性試験結果を示す図である。図17の横軸は、ESD特性試験の際に各半導体レーザ素子に印加した試験電圧値を示し、図17の縦軸は、実施例1及び比較例1〜3の半導体レーザ素子の不良率を示す。
図17に示されるように、実施例1の半導体レーザ素子では、試験電圧が1.0kV、1.5kV、及び、2.0kVの場合、不良率はすべて0%であった。試験電圧が2.5kV及び3.0kVの場合、不良率はそれぞれ5%であった。これにより、実施例1の半導体レーザ素子は、ESD特性が高いことがわかった。
それに対して、比較例1〜3の半導体レーザ素子では、どの試験電圧の場合においても、実施例1の半導体レーザ素子よりも不良率が高くなった。これにより、実施例1の半導体レーザ素子は、比較例1〜3の半導体レーザ素子と比較して、ESD特性が高いことがわかった。
実施形態に係る半導体レーザの製造方法の主要な工程を示すフローチャートである。 半導体エピタキシャルウェハを示す断面図である。 半導体レーザバーの一部の斜視図である。 イオンアシスト蒸着装置の一例を模式的に示す図である。 半導体レーザバーの断面図である。 半導体レーザバーの断面図である。 半導体レーザ素子の斜視図である。 実施例1の第1誘電体層と第3誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。 実施例1の低反射層を形成する際の、アノード電圧及び第1端面に照射されたアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。 実施例1の第2誘電体層、第4誘電体層、及び、第5誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。 実施例1の高反射層を形成する際の、アノード電圧及び第2端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。 比較例1の第1誘電体層と第3誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。 実施例1の低反射層を形成する際の、アノード電圧及び第1端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。 比較例1の第2誘電体層、第4誘電体層、及び、第5誘電体層の、形成材料及びイオンアシスト蒸着法による形成条件を示す図である。 比較例1の高反射層を形成する際の、アノード電圧及び第2端面に照射されるアルゴンイオンのエネルギーの時間変化を示す図である。 ESD特性試験方法の主要な工程を示すフローチャートである。 実施例1及び比較例1〜3についての、ESD特性試験結果を示す図である。
符号の説明
2・・・半導体レーザバー、2a・・・第1端面、2b・・・第2端面、21・・・第1コーティング(低反射層)、21a・・・第1誘電体層(酸化アルミニウム層)、23・・・第2コーティング(高反射層)、23a・・・第2誘電体層(酸化アルミニウム層)、50・・・半導体レーザ、S105・・・半導体レーザバー2を形成する工程、S107・・・第1端面に第1コーティングを形成する工程、S109・・・第1端面に第1誘電体層を形成する工程、S113・・・第2端面に第2コーティングを形成する工程、S115・・・第2端面に第2誘電体層2を形成する工程。

Claims (6)

  1. レーザ光を発生させるための活性層を含む半導体レーザバーを形成する工程と、
    前記半導体レーザバーの第1端面に第1コーティングを形成する工程と、
    前記半導体レーザバーの前記第1端面に対向する第2端面に第2コーティングを形成する工程と、
    を備え、
    前記第1コーティングを形成する工程は、イオンアシスト蒸着法によって、前記第1端面に向かって60eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、前記第1端面に第1誘電体層を形成する工程を含み、
    前記第2コーティングを形成する工程は、イオンアシスト蒸着法によって、前記第2端面に向かって90eV以上のエネルギーを有するイオンを照射しながら、前記第2端面に第2誘電体層を形成する工程を含むことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  2. 前記第1コーティングを形成する工程は、前記第1誘電体層上に、前記第1誘電体層とは異なる屈折率を有する第3誘電体層を形成する工程をさらに有し、
    前記第2コーティングを形成する工程は、前記第2誘電体層上に、互いに屈折率の異なる第4誘電体層と第5誘電体層とを交互に形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
  3. 前記第1誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、
    前記第2誘電体層は、酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザの製造方法。
  4. 前記第1誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、
    前記第2誘電体層は、酸化アルミニウムからなり、
    前記第3誘電体層は、酸化チタンからなり、
    前記第4誘電体層は、酸化チタンからなり、
    前記第5誘電体層は、酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザの製造方法。
  5. 前記第1コーティングは、前記半導体レーザの低反射層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体レーザの製造方法。
  6. 前記第2コーティングは、前記半導体レーザの高反射層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体レーザの製造方法。
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