JP2010031928A - トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010031928A
JP2010031928A JP2008193195A JP2008193195A JP2010031928A JP 2010031928 A JP2010031928 A JP 2010031928A JP 2008193195 A JP2008193195 A JP 2008193195A JP 2008193195 A JP2008193195 A JP 2008193195A JP 2010031928 A JP2010031928 A JP 2010031928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spline
shaft
worm
elastic
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008193195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5077124B2 (ja
JP2010031928A5 (ja
Inventor
Hideki Ishii
飛出樹 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2008193195A priority Critical patent/JP5077124B2/ja
Publication of JP2010031928A publication Critical patent/JP2010031928A/ja
Publication of JP2010031928A5 publication Critical patent/JP2010031928A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5077124B2 publication Critical patent/JP5077124B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Gear Transmission (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや設置スペースの形状等に応じて、弾力の大きさや形状等を調整自在な弾性緩衝部材を実現し、電動式パワーステアリング装置の低コスト化を図る。
【解決手段】上記弾性緩衝部材を、同一諸元を有する複数本の弾性リング24、24を密に集合する事により構成した、弾性リング集合体23とする。そして、この弾性リング集合体23を構成する上記各弾性リング24、24の本数及び配置を、上記スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや上記弾性リング集合体23の設置スペースとなる環状隙間17cの形状・大きさに応じて適宜変更する。これにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明の対象となるトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうちの電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。又、トルク伝達用継手は、例えばこの様な電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸と、減速機のウォーム軸とのトルク伝達部に組み込み、操舵時に歯打ち音が発生する事を抑えつつ、上記出力軸から上記ウォーム軸に上記補助動力を伝達するものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、広く実施されている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの操舵用回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、上記操舵用回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図6〜7は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、操舵用回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、上記ウォーム軸6の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と上記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、上記押圧駒10を介して、上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記歯打ち音の発生を抑えている。尚、このバックラッシュの解消に伴って、上記ウォーム軸6の中心軸と上記電動モータ7の出力軸12の中心軸とは、厳密には一致しなくなる。但し、これら両中心軸同士のずれは極く僅かであり、上記ウォーム軸6と上記出力軸12とは、実質的には同心のままである。
上述の様な従来構造の場合、上記ウォーム歯5と上記ウォームホイール4との噛合部で上記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との接続部で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部とを回転力の伝達を自在に接続する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸12の先端部にスプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事によりトルク伝達用継手15を構成し、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に接続している。尚、本明細書及び特許請求の範囲に於ける「スプライン」には、ピッチの細かい、所謂「セレーション」と呼ばれるものも含む。
上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との接続部(スプライン係合部)で歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在する。このスプライン係合部のバックラッシュは、上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる作業を容易に行える様にする為に必要である。又、上記出力軸12の中心軸と上記ウォーム軸6の中心軸とが僅かにずれた程度では、上記スプライン係合部にコジリが発生しない様にして、上記出力軸12を回転させる為に要するトルクが上昇する事を防止する為にも、上記バックラッシュは必要である。特に、前記コイルばね11等の弾性部材により上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を前記ウォームホイール4に向け押圧して、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを解消する構造の場合には、上記スプライン係合部のバックラッシュを設ける事は必須となる。
ところが、このスプライン係合部にバックラッシュが存在すると、上記電動モータ7の回転方向が変換される瞬間に、上記スプライン軸部14の外周面に設けられた雄スプライン歯の円周方向側面と、上記スプライン孔13の内周面に設けられた雌スプライン歯の円周方向側面とが勢い良く衝突し、上記歯打ち音が発生する。この様な歯打ち音は、上記スプライン係合部のバックラッシュが大きくなる程著しくなるので、従来は、このバックラッシュを、このスプライン係合部の組立が可能な範囲で、更には、上記ウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを解消できる範囲で、小さく抑える様にしていた。但し、上記スプライン係合部のバックラッシュを小さくすると、その分、上記スプライン軸部14を上記スプライン孔13に挿入しにくくなり、組立作業性が低下し、電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。又、上記出力軸12と上記ウォーム軸6との組み付け精度を高くしないと、上記コジリによるトルク上昇の問題が発生し易くなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。
この様な事情に鑑み、例えば特許文献4、5には、スプライン軸部の外周面とスプライン孔の内周面との間に、Oリング等の弾性緩衝部材を弾性的に圧縮した状態で設ける事により、スプライン係合部で歯打ち音が発生する事を防止する発明が記載されている。図8は、このうちの特許文献4に記載されたトルク伝達用継手15aを示している。このトルク伝達用継手15aの場合、スプライン軸部14aの外周面の一部に、凹溝状の係止溝16を全周に亙り形成している。そして、この係止溝16とスプライン孔13の内周面との間に設けられた環状隙間17内に、弾性緩衝部材である弾性リング18を弾性的に圧縮した状態で組み込んでいる。これにより、この弾性リング18の内外両周縁を、上記係止溝16の外周面及び上記スプライン孔13の内周面にそれぞれ摩擦係合させて、上記スプライン軸部14aとこのスプライン孔13とのトルク伝達方向の相対変位速度を抑え、上記歯打ち音の発生を抑えている。
又、上記特許文献5に記載されたトルク伝達用継手15bの場合には、図9に示す様に、スプライン軸部14bの外周面に、軸方向に離隔した状態で、1対の係止溝16a、16bを形成している。そして、これら各係止溝16a、16bとスプライン孔13の内周面との間に設けられた1対の環状隙間17a、17b内に、弾性リング18a、18bを、それぞれ弾性的に圧縮した状態で組み込んでいる。これにより、上述した特許文献4に記載された構造の場合と同様に、歯打ち音の発生を抑制している。
ところで、上述の様に、弾性緩衝部材を使用して歯打ち音の発生を抑制する場合、この弾性緩衝部材に必要となる弾力の大きさは、電動モータの出力軸とウォーム軸との間(スプライン係合部)で伝達されるトルクの大きさに応じて異なる。この為、上述した特許文献4、5に記載された従来構造の場合には、弾性リングとして、スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさに応じた弾力を有するものを使用する必要がある。更に、上記弾性リングとして、この弾性リングの設置スペースとなる、環状隙間の形状(断面形状)や大きさに見合うものを使用する必要もある。従って、上記特許文献4、5に記載された従来構造の場合には、スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや環状隙間の形状・大きさが一つでも異なると、それまで使用していた弾性リングをそのまま使用して、歯打ち音の発生を防止する事が難しくなる為、別途種類の異なる弾性リングが新たに必要となる。この為、歯打ち音の発生防止に適した弾性リングを得る為のコストが嵩み、電動式パワーステアリング装置のコスト上昇の原因となる。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 特開2003−34256号公報 特開2004−122852号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや設置スペースの形状等に応じて、弾力の大きさや形状等を調整自在な弾性緩衝部材を実現し、上記スプライン係合部での歯打ち音の発生を抑制できる構造の低コスト化を図るべく発明したものである。
本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載したトルク伝達用継手の発明は、軸方向に関して互いに直列に配置された1対の回転軸の端部同士の間でトルクを伝達する為のもので、スプライン孔とスプライン軸部とを備える。
このうちのスプライン孔は、上記両回転軸のうちの一方の回転軸の端面に開口する状態で設けられたもので、内周面に雌スプライン部を形成している。
又、上記スプライン軸部は、上記両回転軸のうちの他方の回転軸の端部に設けられたもので、外周面に雄スプライン部を形成している。
そして、上記スプライン孔と上記スプライン軸部とをスプライン係合させる事により、上記両回転軸同士の間でトルクの伝達を可能に接続して成る。
更に、上記スプライン孔の内周面と上記スプライン軸部の外周面との間に、弾性緩衝部材を、これら両周面同士の間で弾性的に圧縮した状態で設けている。
特に、本発明のトルク伝達用継手に於いては、上記弾性緩衝部材が、複数の弾性リングを集合して成るものである。好ましくは、これら各弾性リングとして、同一諸元を有するものを使用する。
又、請求項2に記載した、電動式パワーステアリング装置は、前述した従来から知られている電動式パワーステアリング装置と同様に、ハウジングと、操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータとを備える。
このうちのハウジングは、車体等の固定の部分に支持されて、操舵時にも回転する事はない。
又、上記操舵用回転軸は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。この様な操舵用回転軸としては、ステアリングホイール及び操舵輪に同期して動く軸であれば採用可能である。例えば前述の図6に示した構造でのステアリングシャフト2、或いは、中間シャフト19、更には、ステアリングギヤユニット20の入力軸(ピニオン軸)が採用可能である。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールに噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為のものである。
そして、この電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とをトルク伝達用継手により、トルク伝達自在に接続している。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、上記トルク伝達用継手が、前述の請求項1に記載したトルク伝達用継手である。
上述の様な構成を有する本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置の場合、弾性緩衝部材を複数の弾性リングを集合する事により構成している為、スプライン係合部(電動モータの出力軸とウォーム軸との間)で伝達されるトルクの大きさに応じて、弾性リングの本数を変える事により、歯打ち音の発生を抑制するのに必要となる弾力を容易に得られる。
更に、本発明の場合には、上記弾性緩衝部材を設置する為の設置スペースに合わせて、この弾性緩衝部材を構成する弾性リングの本数や配置(配列)を変更する事もできる。
従って、本発明の場合には、スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや設置スペースの形状・大きさに応じて、種類の異なる弾性緩衝部材が新たに必要になる事はなく、上記弾性緩衝部材を構成する弾性リングの本数や配置を適宜変更する事により、歯打ち音の発生防止に適した弾性緩衝部材を容易に得る事ができる。
又、本発明の場合には、上記弾性緩衝部材を同一諸元を有する弾性リングからでも構成できる為、この弾性緩衝部材のコストも抑えられる。
この様に、本発明の場合には、スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや設置スペースの形状・大きさに拘わらず、歯打ち音の発生防止に適した弾性緩衝部材を、容易に且つ低コストで得られる。この為、上記スプライン係合部での歯打ち音の発生を抑制できる構造の低コスト化を図れる。
図1〜5は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、電動モータ7の出力軸12の先端部と、ウォーム軸6の基端部との接続部に設けた、トルク伝達用継手15cの構造にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、広く実施されている従来構造と同様であるから、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、前述の図6〜7と図1とで、ハウジング3に対する電動モータ7の取付方向が異なっているが、この点は、設置する自動車に応じ適宜設計的に変更するものであって、本例の特徴部分とは関係がない。
本例の構造の場合には、図1〜4に示す様に、一方の回転軸である上記ウォーム軸6の基端部(図1〜4の右端部)に、内周面に雌スプライン部を形成したスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、上記出力軸12の先端部(図1〜4の左端部)に、外周面に雄スプライン部を形成したスプライン軸部14cを、この出力軸12と同心に形成している。そして、このスプライン軸部14cと上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を可能に結合し、トルク伝達用継手15cを構成している。
又、本例の場合には、上記スプライン孔13の内周面を構成する各雌スプライン歯21、21のピッチ円直径を、上記スプライン軸部14cの外周面を構成する各雄スプライン歯22、22のピッチ円直径よりも少し大きくして、上記スプライン軸部14cを上記スプライン孔13に、緩く挿入できる様にしている。従って、これらスプライン軸部14cとスプライン孔13とのスプライン係合部には、ウォーム歯5とウォームホイール4との噛合部のバックラッシュを解消すべく、上記ウォーム軸6の先端部(図1の左端部)を上記ウォームホイール4に向け変位させる為に、十分なバックラッシュが存在する。言い換えれば、上記ウォーム歯5と上記ウォームホイール4との噛合部のバックラッシュの解消に伴って、上記スプライン係合部にコジリ等の不都合が発生しにくくしている。
又、本例の場合には、上記スプライン軸部14cの外周面で、上記各雄スプライン歯22、22から軸方向に外れた部分(図1〜4の右側部分)に、凹溝状の係止溝16cを、全周に亙り形成している。これにより、この係止溝16cと上記スプライン孔13の内周面との間に、円環状の環状隙間17cを形成している。
そして、本例の場合、この環状隙間17c内に、弾性緩衝部材である弾性リング集合体23を、弾性的に圧縮した状態で組み込んでいる。この弾性リング集合体23は、同一諸元を有する複数本の弾性リング24、24を密に(それぞれの表面同士を当接させた状態で)集合して成るもので、上記スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや上記環状隙間17cの形状や大きさに応じて、上記各弾性リング24、24の本数や配置を適宜変更する事ができる。
具体的には、図1、2に示す様に、上記弾性リング集合体23を、3本の弾性リング24、24から構成する事もできるし、図3の(a)に示した様に、上記弾性リング集合体23を、4本の弾性リング24、24から構成する事もできる。この様に4本の弾性リング24、24を使用する構造は、3本の弾性リング24、24を使用する構造の場合に比べて、上記電動モータ7の出力軸12から上記ウォーム軸6に伝達されるトルクが大きい場合に実施する。更に、図3の(b)に示した様に、上記弾性リング集合体23を、5本の弾性リング24、24から構成する事もできる。反対に、伝達されるトルクが小さい場合には、次述する図4に示す様に、上記弾性リング集合体23を、2本の弾性リング24、24から構成する事もできる。
即ち、上記トルクが小さく、しかも、上記図1〜3に示した構造の場合に比べて、上記環状隙間17cの径方向寸法(係止溝16cの外周面とスプライン孔13の内周面との間の寸法)が小さい場合には、図4の(a)に示す様に、この環状隙間17c内に、2本の弾性リング24、24を軸方向に並べて配置する事ができる。又、上記図1〜3に示した構造の場合に比べて、上記環状隙間17cの軸方向寸法が小さい場合には、図4の(b)に示す様に、この環状隙間17c内に、2本の弾性リング24、24を径方向に重畳させて配置する事もできる。
上記弾性リング集合体23を構成する上記各弾性リング24、24は、汎用性の高い規格品のOリングであり、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、互いに同一形状を有する。具体的には、図5に示す様に、上記各弾性リング24は、全体形状が円環状で、自由状態での断面形状を略円形としている。又、自由状態での線径dは、全周に亙り一定であり、弾性的に圧縮した状態で、上記環状隙間17c内に少なくとも2本以上配置できる程度の大きさを有する。この為、本例の場合、上記各弾性リング24、24の個々の弾力の大きさは、上記環状隙間17c内に、1本の弾性リング18、18a、18b(図8、9参照)を組み込むと仮定した場合の、これら各弾性リング18、18a、18bの弾力に比べて小さい。尚、上記線径dは、上記弾性リング集合体24の弾力の大きさ及び形状等を細かく調整自在とする為に、後述する組み付け作業が面倒にならない範囲で、できるだけ小さくする事が好ましい。又、上記各弾性リング24の自由状態での内径寸法rは、上記係止溝16cの溝底径R(図2参照)よりも少しだけ小さい(r<R)。
上述の様な弾性リング集合体23を、上記環状隙間17c内に組み付ける作業は、次の様にして行う。以下の説明は、上記図1、2に示した、3本の弾性リング24、24から構成される弾性リング集合体23を例に説明する。先ず、上記係止溝16cの外周面に、この弾性リング集合体23を構成する2本の弾性リング24、24を締り嵌めにより外嵌する。次いで、これら2本の弾性リング24、24の外周面に(外周面同士の間を跨ぐ状態で)、残り1本の弾性リング24をやはり締り嵌めにより外嵌する。この様にして、上記弾性リング集合体23を上記係止溝16cに装着したならば、この弾性リング集合体23(弾性リング24、24)を外径側から圧縮し(押し潰し)つつ、前記スプライン軸部14cを、前記スプライン孔13内に挿入する(スプライン係合させる)。
この様にして上記弾性リング集合体23を上記環状隙間17c内に組み付けた状態で、この弾性リング集合体23を構成する上記各弾性リング24、24は、弾性的に押し潰された状態となり、それぞれが圧縮量に応じた弾力を生じる。これにより、上記図1、2に示した構造の場合には、上記係止溝16cの外周面と、上記弾性リング集合体23の内径側に配置された2本の弾性リング24、24の内周縁とが摩擦係合し、上記スプライン孔13の内周面と、上記弾性リング集合体23の外径側に配置された1本の弾性リング24の外周縁とが摩擦係合する。更に、上記内径側に配置された2本の弾性リング24、24の外周縁と、上記外径側に配置された1本の弾性リング24の内周縁とが摩擦係合する。又、図3、4の何れの構成を採用した場合にも、組み付け状態で、上記各弾性リング24、24の内外両周縁、上記係止溝16cの外周面、上記スプライン孔13の内周面が、それぞれ摩擦係合する。そして、上記図1〜4に示した何れの場合にも、上記弾性リング集合体23が、上記各弾性リング24、24の本数に応じた弾力を有する状態となる。
上述の様な構成を有する本例の場合には、電動モータ7の回転方向の変換等に伴って、前記雌、雄両スプライン歯21、22の円周方向側面同士が勢い良く衝突する傾向になった場合に、上記弾性リング集合体23が、この衝突しようとする力(出力軸12とウォーム軸6とがトルク伝達方向に相対変位しようとする力)に対して十分な大きさの抵抗を発揮する(緩衝作用を発揮する)。即ち、上記雌、雄両スプライン歯21、22の円周方向側面同士が勢い良く衝突する傾向になっても、上記弾性リング集合体23がこの勢いを減衰し、上記衝突を抑える事ができる。この結果、本例の場合には、上記スプライン軸部14cと上記スプライン孔13とのスプライン係合部のバックラッシュを或る程度確保した構造で、このスプライン係合部で歯打ち音が発生する事を十分に抑えられる。
しかも、本例の場合には、上述の様に、上記電動モータ7の出力軸12から上記ウォーム軸6に伝達されるトルクの大きさに応じて、上記弾性リング集合体23を構成する上記各弾性リング24、24の本数を変える事ができる為、上記歯打ち音の発生を抑制するのに適切な弾力を容易に得られる。更に、本例の場合には、上記環状隙間17の形状(断面形状)や大きさに応じて、上記各弾性リング24、24の本数や配置(配列)を変更する事もできる。従って、本例の場合には、上記スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや上記環状隙間17cの形状・大きさに応じて、前述した特許文献4、5に記載された従来構造の場合の様に、種類の異なる弾性リング18、18a、18b(図8、9参照)が新たに必要になる事はなく、上記各弾性リング24、24の本数や配置を変更する事により、歯打ち音の発生防止に適した上記弾性リング集合体23を容易に得られる。又、本例の場合には、この弾性リング集合体23を、同一諸元を有する弾性リング24、24から構成している為、新たに弾性リング18、18a、18bを設計・製造等する場合に比べて、上記弾性リング集合体23を得る為のコストも抑えられる。この様に、本例の場合には、上記スプライン係合部で伝達されるトルクの大きさや設置スペースの形状・大きさに拘わらず、歯打ち音の発生防止に適した弾性リング集合体23を、容易に且つ低コストで得られる為、この様な弾性リング集合体23を備えたトルク伝達用継手15c、及び、このトルク伝達用継手15cを組み込んだ、本例の電動式パワーステアリング装置の低コスト化を図れる。
本発明を実施する場合に、弾性リング集合体を構成する各弾性リングの本数は、上述した実施の形態の場合に限定されず、電動モータの出力軸とウォーム軸との間で伝達されるトルクの大きさや設置スペースに応じて適宜変更する事ができる。又、上記各弾性リングの自由状態での断面形状は、図示の場合の様な断面円形のものに限定されず、断面矩形、断面三角形、断面楕円形等でも良い。又、本発明を実施する場合に、例えば、前述した特許文献5に記載された従来構造の場合と同様に、軸方向に離隔した状態で、1対の弾性リング集合体を設ける事もできる。又、図示の例とは逆に、出力軸側にスプライン孔を、ウォーム軸側にスプライン軸部を、それぞれ設ける事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、要部切断面図。 図1のA部拡大図。 伝達トルクの大きさに応じて弾性リング集合体を構成する弾性リングの本数を変更した2例を示す、図2と同様の図。 環状隙間の形状・大きさに応じて弾性リング集合体を構成する弾性リングの本数及び配置を変更した2例を示す、図2と同様の図。 弾性リング集合体を構成する弾性リングを示す、(a)は軸方向から見た図、(b)は一部を切断した状態で(a)の側方から見た図。 従来構造の第1例を示す、部分切断側面図。 図6の拡大B−B断面図。 従来構造の第2例を示す、図7の中央部に相当する図。 従来構造の第3例を示す、図8と同様の図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12 出力軸
13 スプライン孔
14、14a〜14c スプライン軸部
15、15a〜15c トルク伝達用継手
16、16a〜16c 係止溝
17、17a〜17c 環状隙間
18、18a 弾性リング
19 中間シャフト
20 ステアリングギヤユニット
21 雌スプライン歯
22 雄スプライン歯
23 弾性リング集合体
24 弾性リング

Claims (2)

  1. 軸方向に関して互いに直列に配置された1対の回転軸の端部同士の間でトルクを伝達する為、これら両回転軸のうちの一方の回転軸の端面に開口する状態で設けられた、内周面に雌スプライン部を形成したスプライン孔と、上記両回転軸のうちの他方の回転軸の端部に設けられた、外周面に雄スプライン部を形成したスプライン軸部とを備え、このスプライン軸部と上記スプライン孔とをスプライン係合させる事により、上記両回転軸同士の間でトルクの伝達を可能に接続して成り、上記スプライン孔の内周面と上記スプライン軸部の外周面との間に弾性緩衝部材を、これら両周面同士の間で弾性的に圧縮した状態で設けているトルク伝達用継手に於いて、上記弾性緩衝部材が、複数の弾性リングを集合して成るものである事を特徴とするトルク伝達用継手。
  2. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、上記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とをトルク伝達用継手により、トルク伝達自在に接続している電動式パワーステアリング装置に於いて、このトルク伝達用継手が、請求項1に記載したトルク伝達用継手である事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
JP2008193195A 2008-07-28 2008-07-28 トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP5077124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008193195A JP5077124B2 (ja) 2008-07-28 2008-07-28 トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008193195A JP5077124B2 (ja) 2008-07-28 2008-07-28 トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010031928A true JP2010031928A (ja) 2010-02-12
JP2010031928A5 JP2010031928A5 (ja) 2011-02-24
JP5077124B2 JP5077124B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=41736640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008193195A Expired - Fee Related JP5077124B2 (ja) 2008-07-28 2008-07-28 トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5077124B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016212815A1 (de) * 2016-07-13 2018-01-18 Volkswagen Aktiengesellschaft Wellenverbindung einer Kraftfahrzeuglenkung sowie Lenkung für Kraftfahrzeuge, insbesondere für Nutzfahrzeuge

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000043739A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Koyo Seiko Co Ltd 電動式舵取装置
JP2002147480A (ja) * 2000-08-29 2002-05-22 Mitsubishi Electric Corp モータ
JP2003034256A (ja) * 2001-07-23 2003-02-04 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置
JP2004181990A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Koyo Seiko Co Ltd 電動式パワーステアリング装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000043739A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Koyo Seiko Co Ltd 電動式舵取装置
JP2002147480A (ja) * 2000-08-29 2002-05-22 Mitsubishi Electric Corp モータ
JP2003034256A (ja) * 2001-07-23 2003-02-04 Nsk Ltd 電動式パワーステアリング装置
JP2004181990A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Koyo Seiko Co Ltd 電動式パワーステアリング装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016212815A1 (de) * 2016-07-13 2018-01-18 Volkswagen Aktiengesellschaft Wellenverbindung einer Kraftfahrzeuglenkung sowie Lenkung für Kraftfahrzeuge, insbesondere für Nutzfahrzeuge

Also Published As

Publication number Publication date
JP5077124B2 (ja) 2012-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5003412B2 (ja) トルク伝達用継手及び電動パワ−ステアリング装置
EP3263937B1 (en) Joint for torque transmission and worm reduction gear
US10982721B2 (en) Torque transmission joint and electric power steering device
JP5007591B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
WO2018030358A1 (ja) トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置
EP3208480B1 (en) Torque transmission coupling and electric power steering device
JP2009051441A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5176548B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP6277895B2 (ja) トルク伝達部材及び駆動軸と被駆動軸との結合部
WO2016047188A1 (ja) トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置
JP4985453B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2008174024A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5181747B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5077124B2 (ja) トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置
JP5256958B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5553105B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2008195310A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2008290693A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5034788B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5915375B2 (ja) トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置
JP4924283B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP6187608B2 (ja) トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置
JP2019078323A (ja) 車両用ダンパ機構
JP2008254545A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2009061898A (ja) 電動式パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5077124

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees