JP2010030174A - 接着シート及び配送伝票 - Google Patents

Abstract

【課題】秘匿情報を確実に隠蔽すると共に、被貼付物に対する接着性を失うことなく秘匿情報が記載された部分を簡単に剥離可能とした接着シートを提供する。
【解決手段】基材シート１と、複数の層からなる擬似接着剤層２と、中間基材３と、接着剤層４とが順次積層された配送伝票ＤＳ１であって、擬似接着剤層２は、基材シート１の一方の面に積層される一の層と、前記中間基材３に積層される他の層とを含み、それら一の層と他の層との間に剥離界面２ｃを有する。接着剤層４は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部６とされ、秘匿情報記載部６が非接着処理面側から剥離界面２ｃを超える深さのミシン目７を介して分離可能に設けられている。
【選択図】図１

Description

本発明は、秘匿情報を隠蔽することに適した接着シート及びこの接着シートを用いた配送伝票に関する。

従来、配送伝票として、基材シートの裏面に、粘着剤保護層（擬似接着剤層）と、粘着剤層と、剥離基材とが順次積層された接着シートから構成されたものが例えば特許文献１で知られている。当該配送伝票は、基材シートの表面に、配送に必要な所定の配送情報を印字した後、剥離基材を剥離して表出した粘着剤層を介して配送する配送物（被貼付物）に貼付される。そして、配送物が受取人に配送されると、受取人が基材シートの表面に設けられている受領印欄に受領印を捺し、配達人が擬似接着剤で基材シートを剥がして持ち帰るようになっている。

また、上記特許文献１記載のものでは、粘着剤層の下に、基材シートの剥離後に目視可能な伝達情報を表示する伝達情報表示層が設けられ、当該伝達情報表示層に企業公告等の情報を印字しておき、基材シートを剥がすことでこの情報を視認できるようにしている。

然し、上記特許文献１記載のものでは、配達人が基材シートを剥がしたときに、この配達人に伝達情報が視認されてしまうため、秘匿情報を記載した配送伝票として使用することはできない。また、伝達情報表示層が粘着剤層で配送物に接着されているため、当該伝達情報表示層は、配送物から分離できず、配送物を破棄するときに一緒に破棄されてしまったり、無理矢理配送物から粘着剤層界面で剥がしたとしても、粘着剤が他の物に接着してしまうため、保管するには取り扱いが困難である。
特開２０００−１５３８４６号公報

本発明は、以上の点に鑑み、秘匿情報を確実に隠蔽すると共に、被貼付物に対する接着性を失うことなく秘匿情報が記載された部分を簡単に剥離可能とした接着シートを提供することを課題とする。

上記課題を解決するために、本発明の接着シートは、基材シートと、複数の層からなる擬似接着剤層と、中間基材と、接着剤層とが順次積層された接着シートであって、前記擬似接着剤層は、前記基材シートの一方の面に積層される一の層と、前記中間基材に積層される他の層とを含み、それら一の層と他の層との間に剥離界面を有し、前記接着剤層は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部とされ、当該秘匿情報記載部が前記非接着処理面側から前記剥離界面を超える深さのミシン目または切り込みを介して分離可能に設けられていることを特徴とする。尚、本発明においては、印字は印刷を含む。

本発明の接着シートにおいては、前記秘匿情報記載部は印字可能に設けられている構成を採用してもよい。

また、本発明の配送伝票は、表面に配送に必要な情報が印字可能である基材シートと、複数の層からなる、擬似接着剤層と、中間基材と、接着剤層とが順次積層された配送伝票であって、前記擬似接着剤層は、前記基材シートの裏面に積層される一の層と、前記中間基材に積層される他の層とを含み、それら一の層と他の層との間に剥離界面を有し、前記接着剤層は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部とされ、当該秘匿情報記載部が前記非接着処理面側から前記剥離界面を超える深さのミシン目または切り込みを介して分離可能に設けられていることを特徴とする。

本発明の接着シートによれば、接着剤層に設けられた秘匿情報記載部が非接着処理されて、ミシン目や切り込みによって分離可能としたため、基材シートが剥離されても、秘匿情報記載部に記載された情報が視認されることはない。

また、本発明の配送伝票によれば、接着剤層に設けられた秘匿情報記載部が非接着処理されて、ミシン目や切り込みによって分離可能としたため、配達人等によって基材シートが剥離されても、秘匿情報記載部に記載された情報が配達人に視認されることはなく、秘匿性が確保できる。

以下、図面を参照して本発明の第１の実施形態の配送伝票について説明する。配送伝票ＤＳ１は、基材シート１と、擬似接着剤層２と、中間基材３と、接着剤層４とが順次積層された接着シートで構成されている（図１参照）。尚、本実施の形態においては、図１を基準として上側を表とし、下側を裏と表現する。

配送伝票ＤＳ１は、その未使用状態で、接着剤層４の裏面に図示省略した剥離紙が積層され、使用時に当該剥離紙が剥離されて、接着剤層４を介して配送物Ｗに貼付される。

基材シート１としては、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等のシートを例示することができ、また、セロファン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムを用いることもできる。

基材シート１の表面には、受取人住所氏名、差出人住所氏名等の配送に必要な情報や、受領印欄等の配送情報５が印字可能とされている。これにより、配達人は、配送物Ｗに貼付された情報を基に配送を行うと、受取人に受領印を捺印してもらって基材シート１を剥がして持ち帰るようになっている。尚、印字とは、印刷を含む概念とする。

擬似接着剤層２は、基材シート１の裏面に積層した第１の擬似接着剤層２ａと中間基材３の表面に積層した第２の擬似接着剤層２ｂとから構成され、第１と第２の両擬似接着剤層２ａ、２ｂの接触面が剥離界面２ｃとなっている。第１、第２の各擬似接着剤層２ａ、２ｂとしては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、天然ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、紫外線硬化ニス、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を例示することができ、それらを任意に組合せて擬似接着剤層とすることができる。

中間基材３としては、基材シート１と同様の材質のものを用いることができるため、説明は省略する。

接着剤層４は、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等の公知の接着剤が挙げられ、感圧接着性の接着剤から形成されることが好ましい。

接着剤層４は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部６とされる。本実施の形態の場合、非接着処理は、接着剤層４の裏面に基材シート１と同様の材質からなるシート６ａを貼付することで形成される。ここで、配送伝票ＤＳ１の配送物Ｗに対する接着性を良好にするには、接着剤層４の周辺部全域が配送物に接着されるようにすることが好ましい。このため、秘匿情報記載部６の外周全域は、接着剤層４で囲われている。

また、秘匿情報記載部６は、シート６ａ側から剥離界面２ｃを超える深さのエンドレスのミシン目７が形成されている。これにより、秘匿情報記載部６は、シート６ａ、中間基材３、第２の擬似接着剤層２ｂと共に分離可能になっており、納品書ＳＰとして扱うことができる。

納品書ＳＰの裏面、つまり、中間基材３の表面には、定型句的な保証書、クーリングオフの説明文、宣伝、広告、キャンペン情報、お知らせ等の公開可能な情報８が記載可能となっており、その裏面には、個別情報としての配送物品名、請求や領収に係る金額等の秘匿情報９が印字できるようになっている。

上記構成の配送伝票ＤＳ１の使用方法としては、先ず、中間基材３の表面に公開可能な情報８が印字され、図示しない剥離紙が仮着された配送伝票ＤＳ１を用意する。そして、基材シート１の表面に、上述の配送情報５を印字すると共に、当該剥離紙を剥離して秘匿情報９が印字される。尚、これらの印字は、手書きやプリンタ等によって行なわれる。プリンタとしては、レーザプリンタ、ドットインパクトプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等、公知のプリンタを使用することができる。

次いで、配送伝票ＤＳ１を配送物Ｗに貼付した後、配達人によって配送伝票ＤＳ１に記載の配送情報５を基に配送が行われ、配送物Ｗが受取人に手渡される。そして、配達人は、受取人に受領印を捺印してもらい、基材シート１を剥離界面２ｃで剥がして持ち帰る。このとき、たとえ配達人が基材シート１を剥がしても、秘匿情報記載部６に記載された秘匿情報９は視認されることはない。

その後、受取人は、配送物Ｗに残った配送伝票ＤＳ１のうち、ミシン目７で囲われた納品書ＳＰをミシン目７に沿って分離する。これにより、当該秘匿情報９は誰にも見られることなく受取人のみが確認することができる。このとき、納品書ＳＰの接着剤層４には、非接着処理が施されているため、当該納品書ＳＰの保管に不都合はない。

上記構成の配送伝票ＤＳ１によれば、基材シート１が剥離されても、秘匿情報記載部６に記載された秘匿情報９は、誰にも視認されることなく受取人だけが視認することができ、秘匿情報９を確実に隠蔽することができる。また、秘匿情報記載部６は、ミシン目７に囲われているため、受取人は簡単にこのミシン目７に沿って分離することができ、その分離した部分を納品書ＳＰとして保管できる。しかも、秘匿情報記載部６は、非接着処理が施されているため、従来例のように接着剤が他のものに接着して取り扱いに苦労することはない。

次に、図３及び図４を参照して本発明の第２の実施形態の配送伝票ＤＳ２について説明する。なお、図３及び図４中、第１実施の形態と共通する部材、部位には同一の符号を付している。

第２の実施の形態の配送伝票ＤＳ２は、図３に示されるように、上記第１実施の形態とは異なり、接着剤層４が積層されるべき層域に部分的に接着剤層４を設けないことにより非接着処理とし、この非接着処理面から剥離界面２ｃを超える深さの切り込み１０が形成される。この場合、第１の実施の形態とは反対に、中間基材３の表面に秘匿情報９が印字可能とされると共に、中間基材３の裏面に公開情報８が印字可能に構成されている。

そして、図４に示されるように、剥離界面２ｃで基材シート１を剥離すると、切り込み１０で囲われた秘匿情報記載部６は、基材シート１と一緒に分離され、その後、基材シート１から剥離界面２ｃを境に剥離されて納品書ＳＰとなる。このような配送伝票ＤＳ２の場合、切り込み１１を設けて配達人が剥がして持ち帰る基材シート１側の秘匿情報記載部６には、秘匿情報が記載されないようにしておけばよい。よって、このような配送伝票ＤＳ２によっても。上述の配送伝票ＤＳ１と同様の効果を得ることができる。

尚、前記実施の形態では、擬似接着剤層２を２層として、図示、説明したが、３層以上であってもよく、基材シート１に積層される擬似接着剤層と中間基材３に積層される擬似接着剤層との剥離界面２ｃを有していればよい。

また、非接着処理は、前記実施の形態以外に、接着剤層４に紫外線等のエネルギー線を照射して、接着剤層４の接着力を弱めたり、接着力を有さない樹脂等を積層したりして形成するようにしてもよい。

本発明の第１の実施形態の配送伝票の断面図。 第１の実施形態の配送伝票の斜視図。 本発明の第２の実施形態の配送伝票の断面図。 第２の実施形態の配送伝票の斜視図。

符号の説明

１ 基材シート
２ 擬似接着剤層
２ｃ 剥離界面
３ 中間基材
４ 接着剤層
６ 秘匿情報記載部
６ａ シート（非接着処理）
７ ミシン目
１０ 切り込み
ＤＳ１、ＤＳ２ 配送伝票（接着シート）

Claims (3)

1. 基材シートと、複数の層からなる擬似接着剤層と、中間基材と、接着剤層とが順次積層された接着シートであって、
   前記擬似接着剤層は、前記基材シートの一方の面に積層される一の層と、前記中間基材に積層される他の層とを含み、それら一の層と他の層との間に剥離界面を有し、
   前記接着剤層は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部とされ、当該秘匿情報記載部が前記非接着処理面側から前記剥離界面を超える深さのミシン目または切り込みを介して分離可能に設けられていることを特徴とする接着シート。
2. 前記秘匿情報記載部は印字可能に設けられていることを特徴とする請求項１記載の接着シート。
3. 表面に配送に必要な情報が印字可能である基材シートと、複数の層からなる、擬似接着剤層と、中間基材と、接着剤層とが順次積層された配送伝票であって、
   前記擬似接着剤層は、前記基材シートの裏面に積層される一の層と、前記中間基材に積層される他の層とを含み、それら一の層と他の層との間に剥離界面を有し、
   前記接着剤層は、部分的に非接着処理が行われて秘匿情報記載部とされ、当該秘匿情報記載部が前記非接着処理面側から前記剥離界面を超える深さのミシン目または切り込みを介して分離可能に設けられていることを特徴とする配送伝票。
   

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