JP2010028941A - 回転機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中性点が第1の直流電源に接続された電動機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記電動機の制御量を制御するに際し、トルクに変動が生じること。
【解決手段】指令電圧を操作することで、電動機の各相の相電流の極性の反転を回避する極性反転回避制御を行う。詳しくは、相電流がゼロとなる点に対する相電流の振幅中心である電流オフセット量が相電流の振幅値以上となるようにフィードバック制御すべく、指令電圧を操作する。これは、振幅値よりも電流オフセット量の方が小さい場合、指令電圧を負側にオフセット操作することで行うことができる。
【選択図】 図12
【解決手段】指令電圧を操作することで、電動機の各相の相電流の極性の反転を回避する極性反転回避制御を行う。詳しくは、相電流がゼロとなる点に対する相電流の振幅中心である電流オフセット量が相電流の振幅値以上となるようにフィードバック制御すべく、指令電圧を操作する。これは、振幅値よりも電流オフセット量の方が小さい場合、指令電圧を負側にオフセット操作することで行うことができる。
【選択図】 図12
Description
本発明は、中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御して且つ、前記回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う回転機の制御装置に関する。
例えば3相電動機に電力を供給する際には、通常、直流電圧を交流電圧に変換する3相インバータが用いられる。これにより、3相電動機の各相に交流電圧を印加することができる。このインバータの出力電圧の最大値は、直流電源の電圧によって制限される。このため、直流電源とインバータとの間に昇圧回路を備えることも周知である。ただし、昇圧回路を備える場合、昇圧回路のスイッチング素子をオンオフ操作するドライバ等を備えることとなり、部品点数の増加も無視できない。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、3相電動機の中性点に直流電源を接続するとともに、インバータの入力端子にコンデンサを接続することも提案されている。これにより、インバータの操作状態がゼロベクトルとなる期間において、インバータのスイッチング素子、モータの巻き線、及び直流電源の等価回路が、DCDCコンバータと同一となる。したがって、2つのゼロベクトル期間であるV0ベクトル期間とV7ベクトル期間との比率を調節することで、コンデンサの電圧を昇圧することができる。このため、インバータのスイッチング素子の操作のみによって、昇圧動作を行うことができることとなり、部品点数の増加を抑制することができる。
特許第3223842号公報
ところで、インバータの実際の出力電圧は、所望の電圧に対して誤差を有し得る。その要因としては、インバータにおける電圧降下とデッドタイムとがある。すなわち、インバータにおける電圧降下によって、3相電動機の各端子に印加される電圧が、上記コンデンサの正極又は負極の電位に対してずれたものとなり、これが出力電圧の誤差となる。また、デッドタイム期間においては、電動機の各相の電流の極性に依存してこれら各相がコンデンサの正極又は負極に接続されるため、これが出力電圧の誤差となる。こうした出力電圧の誤差の極性は、3相電動機を流れる電流の極性に依存して反転するものであるため、出力電圧は、そのゼロクロス近傍において歪を生じるおそれがある。そして、この歪は、3相電動機を流れる相電流のゼロクロス近傍において歪を生じさせる要因となる。
一方、上記昇圧動作により3相電動機を流れる相電流の振幅中心は、ゼロに対してずれたものとなる。そしてこの場合、上記ゼロクロス近傍における電流の歪がq軸電流の歪を生じさせやすくするため、3相電動機のトルク変動が顕著となるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御するに際し、トルクの変動を好適に抑制することのできる回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御して且つ、前記回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う回転機の制御装置において、前記回転機を流れる相電流の振幅中心を相電流がゼロとなる点に対してずらすことで前記相電流の極性の反転を回避する極性反転回避制御を行うべく、前記電力変換回路を操作する操作手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、相電流の極性が反転しないために、電力変換回路における電圧降下量やデッドタイムに起因した出力電圧の誤差の極性も反転しない。このため、出力電圧の誤差が相電流の極性に応じて反転することに起因した相電流の歪を解消することができる。したがって、上記発明では、トルクの変動を好適に抑制することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機に対する指令電圧のオフセット量を操作することで、前記極性反転回避制御を行うことを特徴とする。
指令電圧のオフセット量を増加させるほど、第2の直流電源の電圧の昇圧度合いが大きくなり、第2の直流電源の電圧が上昇する。そしてこれに伴い、スイッチング損失が増大するため、電流のオフセット量が増大する。以上から、指令電圧のオフセット量を操作することで、電流のオフセット量を制御することができることがわかる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記指令電圧のオフセット量を、前記回転機の全相について同一とすることを特徴とする。
上記発明では、オフセット補正の前後で一対の指令電圧の差である線間電圧の変化を回避することができる。この線間電圧はトルクに寄与する電圧であるため、オフセット補正に起因するトルクの変化を好適に回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機に対するd軸電流を操作することで、前記極性反転回避制御を行うことを特徴とする。
d軸電流を増大させると、トルクの生成に寄与しない無効電流が増大する。このため、無効電流分だけ相電流をオフセットさせることができる。したがって、上記発明では、相電流の振幅中心を相電流がゼロとなる点に対して十分にずらす操作を行うことができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機を流れる相電流がゼロとなる点に対する前記振幅中心のオフセット量を算出する電流オフセット量算出手段と、前記算出される電流のオフセット量が前記相電流の振幅以上となるように前記電力変換回路を操作する手段とを備えることを特徴とする。
電流のオフセット量がその振幅以上となる場合には、相電流の極性は反転しない。このため、上記発明では、電流のオフセット量が振幅以上となるように制御することで、相電流の極性反転回避制御を好適に実行することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記電流オフセット量算出手段は、前記回転機を流れる相電流を2次元座標系の実電流に変換する手段と、該変換された実電流を3相の相電流に変換する手段と、該変換された相電流と前記回転機の実際の相電流との差に基づき、前記電流オフセット量を算出する手段とを備えることを特徴とする。
相電流が2次元座標系に変換されたものは、オフセット電流の影響が排除された電流となる。このため、この電流を再度相電流に変換するなら、相電流がゼロとなる点が振幅中心となる電流に変換されることとなる。そして、この変換後の電流と実際の相電流との差は、常時、オフセット量を表現するものとなる。したがって、上記発明では、電流のオフセット量の算出機会を増加させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の発明において、前記操作手段は、前記回転機を流れる相電流を2次元座標系の実電流に変換する手段と、該変換された実電流ベクトルのノルムに基づき前記相電流の振幅を算出する手段とを更に備えることを特徴とする。
相電流が2次元座標系に変換されてできる電流ベクトルは、そのノルムが、相電流の振幅が一定である限り固定された値となる。このため、ノルムに基づき相電流の振幅を算出することで、振幅の算出機会を増加させることが可能となる。
請求項8記載の発明は、中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御して且つ、前記回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う回転機の制御装置において、前記回転機の各相の電流の極性に基づき、前記回転機の各相に対する指令電圧を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
電力変換回路の出力電圧は、指令電圧に対し回転機を流れる電流の極性に応じた誤差を生じる。そしてこの誤差が回転機を流れる電流に歪を生じさせる原因となる。ここで、本実施形態では、回転機を流れる電流の極性に応じて指令電圧を補正することで、出力電圧を補正前の指令電圧に高精度に制御することができ、ひいては電流の歪を好適に抑制することができる。したがって、上記発明では、トルクの変動を好適に抑制することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記指令電圧の補正は、前記スイッチング素子の入出力端子間の電圧降下による影響を補償するための補正を含むことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記スイッチング素子の入出力端子間の電圧降下による影響を補償するための補正量を、前記第2の直流電源の電圧に基づき可変設定することを特徴とする。
スイッチング素子の入出力端子間の電圧降下量は、入出力端子に印加される電圧に依存する。上記発明では、この点に鑑み、入出力端子間に印加される電圧と相関を有する第2の直流電源の電圧に基づき補正量を可変設定することで、指令電圧をより適切に補正することができる。
請求項11記載の発明は、請求項8〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記指令電圧の補正は、デッドタイムに起因した前記指令電圧に対する前記電力変換回路の実際の出力電圧の誤差を補償するための補正を含むことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発明において、前記回転機は、車載電動パワーステアリングに搭載されてなることを特徴とする。
電動パワーステアリングにあっては、回転機のトルク変動がハンドルに振動として伝播するおそれがある。このため、トルク変動を抑制することが特に望まれる。このため、上記発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発明の利用価値が特に高い。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載電動パワーステアリングに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載電動パワーステアリングに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる電動機の制御システムの全体構成を示す。電動機10は、車載電動パワーステアリングに内蔵される電動式アクチュエータである。また、電動機10は、表面磁石同期電動機(SPM)である。電動機10の中性点には、車載バッテリ12の正極が接続されている。
電動機10の各相は、インバータIVを介してインバータIVの入力電源であるコンデンサ14に接続されている。インバータIVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とを備えており、これら各直列接続体の接続点が電動機10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
本実施形態では、電動機10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まず電動機10の回転角度θ(電気角)を検出する回転角度センサ15を備えている。また、電動機10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16,17,18を備えている。更に、インバータIVの入力電圧であるコンデンサ14の電圧(電源電圧Vc)を検出する電圧センサ19を備えている。
上記各種センサの検出値は、制御装置13に取り込まれる。制御装置13では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnのそれぞれを操作する信号が、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnである。
図2に、上記インバータIVの操作信号の生成に関する処理のブロック図を示す。
dq変換部20は、電動機10を流れる実電流iu,iv,iwを、dq軸上の実電流id,iqに変換する。一方、指令電流設定部22は、要求トルクTrに基づき、dq軸上の電流の指令値であるd軸上の指令電流idr及びq軸上の指令電流iqrを設定する。ここでは、最大トルク制御を行う。すなわち、idr=0となるように指令電流を設定する。偏差算出部24では、実電流idに対する指令電流idrの差を算出し、偏差算出部26では、実電流iqに対する指令電流iqrの差を算出する。指令電圧設定部28では、上記偏差算出部24,26の出力に基づき、dq軸上での指令電圧vdr、vqrを設定する。すなわち、d軸上の実電流idを指令電流idrにフィードバック制御するための操作量としてのd軸上の指令電圧vdrを算出するとともに、q軸上の実電流iqを指令電流iqrにフィードバック制御するための操作量としてのq軸上の指令電圧vqrを算出する。詳しくは、これらフィードバック操作量の算出を、比例積分制御を用いて行う。
3相変換部30では、dq軸上の指令電圧vdr、vqrを、3相の指令電圧vur,vvr,vwrに変換する。Duty生成部32では、3相の指令電圧vur,vvr,vwrのそれぞれを、電源電圧Vcにて規格化した信号であるDuty信号Du,Dv,Dwを算出する。PWM信号生成部34では、Duty信号Du,Dv,Dwとキャリアとの大小に基づき、上記操作信号gup,gunを生成するためのPWM信号guと,操作信号,gvp,gvnを生成するためのPWM信号gvと,操作信号gwp,gwnを生成するためのPWM信号gwとを生成する。デッドタイム生成部36では、PWM信号gu,gv,gwとデッドタイムとに基づき、上記操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する。
詳しくは、上記PWM信号生成部34には、Duty信号Du,Dv,Dwのそれぞれが、昇圧制御部40の出力する昇圧用オフセット量ΔDによってオフセット補正された信号が取り込まれる。すなわち、Duty信号Du,Dv,Dwのそれぞれは、オフセット処理部42,44,46によって昇圧用オフセット量ΔDだけ減少補正され、オフセット処理部42,44,46の出力がPWM信号生成部34に取り込まれる。上記昇圧用オフセット量ΔDは、バッテリ12の電圧Vdcに対するコンデンサ14の電圧Vcの昇圧比率を制御するための操作量である。次に、これについて説明する。
図3(a)に、インバータIVの下側アームのスイッチング素子Sun,Svn,Swnの全てがオン状態となるV0ベクトル期間を示し、図3(b)に、上側アームのスイッチング素子Sup,Svp,Swpの全てがオン状態となるV7ベクトル期間を示す。図示されるように、これらゼロ電圧ベクトル期間において電動機10のインダクタンス成分と、スイッチング素子と、コンデンサ14とによって構成される回路は、周知の昇圧DCDCコンバータの回路構成と等価となる。このため、V0ベクトル期間とV7ベクトル期間との和に対するV0ベクトル期間の比(オン時比率)を調節することで、コンデンサの電圧Vcを制御することができる。そして、このオン時比率は、Duty信号Du,Dv,Dwをオフセットさせることで操作することができる。昇圧制御部40では、この点に鑑み、昇圧用オフセット量ΔDを設定する。
一方、先の図2に示したデッドタイム生成部36は、インバータIVの上下アームの短絡を確実に回避するための処理を行う。すなわち、上記操作信号によってスイッチング素子を操作する場合、図4に示すように、操作信号の立ち上がりエッジや立ち下がりエッジに対してスイッチング素子が実際にオン状態やオフ状態になるタイミングが遅延する。ここで、図4(a)は、操作信号の推移を示し、図4(b)は、スイッチング素子の入出力端子間の電圧の推移を示す。図示されるように、操作信号が論理「H」とされることで、入出力端子間の電圧は、漸減し、やがて安定する。このときの電圧は、略ゼロである。ここで、操作信号が論理「H」となるタイミング(オン指令タイミング)から入出力端子間の電圧の安定タイミングまでの所要時間は、オン操作のスイッチング遅れ時間Δtonである。一方、操作信号が論理「L」とされることで、入出力端子間の電圧が漸増し、所定の高電圧で安定する。ここで、操作信号が論理「L」となるタイミング(オフ指令タイミング)から入出力端子間の電圧が上昇して安定するまでの所要時間は、オフ操作のスイッチング遅れ時間Δtoffである。
上記遅れ時間Δton、Δtoffがあるにもかかわらず、上下アームの短絡を確実に回避すべく、デッドタイム生成部36では、図5に示す態様にてデッドタイムを設ける。詳しくは、図5(a)は、U相のPWM信号guの推移を示し、図5(b)は、U相の上側アームの操作信号gupの推移を示し、図5(c)は、U相の下側アームの操作信号gunの推移を示す。なお、V,W相についても同様のため、これについてはその記載を割愛している。
図示されるように、PWM信号guのエッジに対して、上側アームの操作信号gup,の立ち上がりエッジや、下側アームの操作信号gunの立ち上がりエッジを、デッドタイムDTだけ遅延させる。これに対し、上側アームの操作信号gupの立ち下がりエッジや、下側アームの操作信号gunの立ち下がりエッジは、PWM信号guのエッジに同期させる。ここで本実施形態では、デッドタイムDTを、上記遅れ時間Δton、Δtoffのうちの大きい方とする。
このようにデッドタイムDTを設けることで、上下アームの短絡を確実に回避することができる。ただし、この場合、図6に示すように、インバータIVの実際の出力電圧が、上記指令電圧vur、vvr、vwrに対して誤差を有するようになる。すなわち、図6(a)に示すように、電動機10の相電流が正である場合、デッドタイム期間においては、下側アームのダイオードDun,Dvn,Dwnを介して電流が流れるため、電動機10の端子電圧がコンデンサ14の負極電位程度となり、出力電圧が不足する。一方、図6(b)に示すように、電動機10の相電流が負である場合、デッドタイム期間においては、上側アームのダイオードDup,Dvp,Dwpを介して電流が流れるため、電動機10の端子電圧がコンデンサ14の正極電位程度となり、出力電圧が過剰となる。
インバータIVの出力電圧の誤差要因としては、デッドタイムに加えて、更に、スイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,SwnやダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnにおける電圧降下(以下、総括してインバータIVにおける電圧降下)に起因するものもある。そして、これらに起因する出力電圧の誤差によって、図7に示すように、相電流のゼロクロス近傍に歪が生じる。ここで、図7(a)は、相電流の推移を示し、図7(b)は、指令電圧の推移を示し、図7(c)は、出力電圧の推移を示す。
図示されるように、相電流の極性が正である場合には、インバータIVにおける電圧降下量に起因する誤差及びデッドタイムに起因する誤差の双方が、出力電圧を不足させる側のものとなる。これに対し、相電流の極性が負である場合には、インバータIVにおける電圧降下量に起因する誤差及びデッドタイムに起因する誤差の双方が、出力電圧を過剰とさせる側のものとなる。そして、これらによって、出力電圧のゼロクロス近傍において出力電圧に歪が生じ、ひいては相電流のゼロクロス近傍において相電流に歪を生じさせることとなる。なお、図7(a)においては、便宜上、1相分の出力電圧の歪に起因した電流歪のみを示しているが、実際には、相電流は線間電圧によって定まるものであるため、3相の各相における出力電圧のゼロクロス近傍において歪を生じることとなる。
ここで、本実施形態では、相電流のゼロクロスは、相電流の振幅中心と一致しない傾向にある。これは、バッテリ12からコンデンサ14へと電力供給がなされることに起因して、相電流が負側にオフセットすることによる。このため、相電流がゼロクロスする電気角と相電流がピークとなる電気角とがπ/2よりも短くなるため、q軸電流に歪を生じさせやすいものとなっている。次にこれについて説明する。
図8(a)は、相電流のオフセット量が太線、細線、実線の順に大きくなる例を示しており、図8(b)は、この際のd軸電流やq軸電流の変動を示している。図示されるように、相電流のオフセット量が大きくなるほど、q軸電流の変動が大きくなっている。これは、相電流のオフセット量が大きくなるほど、相電流がゼロクロスする電気角と相電流がピークとなる電気角との距離が短縮し、ひいては相電流のゼロクロス近傍の歪の影響がq軸電流に与える影響が大きくなるために生じるものである。そして、図8(c)に示すように、q軸電流の変動(リプル)が大きくなるほど、トルク変動(リプル)も増大する。このように、トルク変動が増大する場合、電動機10を介して図示しないハンドルに振動が伝播するおそれがある。そしてこの場合には、ユーザが振動や音を直接感じることとなり、ドライバビリティの低下を招くおそれがある。
そこで本実施形態では、先の図2に示すように、電圧補正値演算部50を備え、指令電圧vur,vvr,vwrを補正することで、電流の歪を抑制する。すなわち、電圧補正値演算部50では、各相の電圧補正量ΔVu、ΔVv、ΔVwを出力し、補正部52,54,56では、指令電圧vur,vvr,vwrのそれぞれを電圧補正量ΔVu、ΔVv、ΔVwのそれぞれに応じて補正する。こうして補正された信号が、上記Duty生成部32に取り込まれる。図9は、上記電圧補正値算出部50の行う処理の手順を示す。この処理は、例えば、PWM信号生成部34におけるキャリア周期に同期して繰り返し実行される。なお、図9においては、U相についての電圧補正処理のみを示し、V,W相については同様の処理のため、その記載を割愛する。
この一連の処理では、まずステップS10において、U相の実電流iuを検出する。続くステップS12においては、実電流iuが正であるか否かを判断する。そして、正であると判断される場合、ステップS14において、指令電圧vurを増加補正すべく、電圧補正量ΔVuを算出する。詳しくは、この電圧補正量ΔVuは、Duty信号Du,コンデンサ14の電圧Vc及びデッドタイムDTに基づき算出される。ここで、Duty信号Duは、1キャリア周期内における上側アームのスイッチング素子Supのオン時間の比率と相関を有するパラメータである。インバータIVにおける電圧降下量は、スイッチング素子Supのオン期間におけるスイッチング素子Supによる電圧降下量と、スイッチング素子Supのオフ期間におけるダイオードDunによる電圧降下量とである。そして、出力電圧の不足分は、上記スイッチング素子Supによる電圧降下量からダイオードDunによる電圧降下量を減算した値となる。このため、出力電圧の誤差は、Duty信号Duに依存することとなる。
また、コンデンサ14の電圧Vcは、スイッチング素子Supのオン期間におけるスイッチング素子Supによる電圧降下量と相関を有するパラメータである。すなわち、図10に示すように、スイッチング素子Supの入出力端子に印加される電圧が高いほど、入出力端子間の電圧降下量(Vce)は小さくなる。このため、出力電圧の誤差は、コンデンサ14の電圧Vcに依存することとなる。
更に、デッドタイムDTは、先の図6に示した誤差の生じる期間を定めるパラメータである。このため、これら3つのパラメータに応じて、電圧補正量ΔVuを可変設定する。
一方、ステップS12において否定判断される場合、指令電圧vurを減少補正すべく、ステップS16において、電圧補正量ΔVuを算出する。ここでも、電圧補正量ΔVuを、Duty信号Du,コンデンサ14の電圧Vc及びデッドタイムDTに基づき算出する。
なお、上記ステップS14、S16の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
図11に、上記処理の効果を示す。詳しくは、図11(a1)に、本実施形態における相電流の推移を示し、図11(b1)に、上記補正のなされた指令電圧の推移を示し、図11(c1)に、出力電圧の推移を示す。図示されるように、本実施形態では、出力電圧のゼロクロス近傍における出力電圧の歪を好適に抑制することができ、ひいては相電流の歪を好適に抑制することができる。参考までに、図11(a2)、図11(b2)及び図11(c2)に、指令電圧の上記補正を行わない場合を対比して示す。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)電動機10の各相の電流の極性に基づき、電動機10の各相に対する指令電圧を補正した。これにより、インバータIVの出力電圧を補正前の指令電圧によって定まる線間電圧に高精度に制御することができ、ひいては電流の歪を好適に抑制することができる。したがって、トルクの変動を好適に抑制することができる。
(2)電圧補正量ΔVu,ΔVv,ΔVwを、コンデンサ14の電圧Vcに基づき可変設定した。これにより、コンデンサ14の電圧Vcに応じたスイッチング素子の入出力端子間の電圧降下量を把握しつつ、電圧補正量ΔVu,ΔVv,ΔVwをより高精度に算出することができる。
(3)車載電動パワーステアリングに搭載される電動機10に本発明を適用した。電動パワーステアリングにあっては、電動機10のトルク変動がハンドルに振動として伝播するおそれがあるため、トルク変動を抑制することが特に望まれる。このため、上記電圧補正処理の利用価値が特に高い。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかる相電流の制御態様を示す。詳しくは、図12(a)に指令電圧の推移を示し、図12(b)に、相電流の推移を示す。
図示されるように、本実施形態では、指令電圧を操作することで、相電流の極性が反転しないように制御する。詳しくは、相電流の極性が常時負となるように制御する。これにより、デッドタイムに起因する誤差や、インバータIVにおける電圧降下に起因する誤差の符号が電流の極性に応じて変わることがなくなるため、出力電圧の歪を好適に抑制することができ、ひいては、相電流の歪を抑制することができる。
上記制御は、図示されるように、相電流が正となり得る場合、指令電圧のオフセット量(コンデンサ14の負極側へのオフセット量)を増大させることで行われる。これにより、コンデンサ14の電圧がよりいっそう昇圧される。そしてこれにより、インバータIVにおける損失が増大するため、相電流の負側へのオフセット量を増大させることができる。
図13に、本実施形態にかかるインバータIVの操作信号の生成に関する処理のブロック図を示す。なお、図13において、先の図2に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、電圧補正値算出部50aは、3相の実電流iu,iv,iwに加えて、dq変換部20の出力するdq軸上での実電流id,iqを入力として、指令電圧vur,vvr,vwrを補正する。詳しくは、本実施形態では、Duty信号Du,Dv,Dwを補正するための補正量ΔDcを算出する。そして、補正量ΔDcは、加算部58において、昇圧制御部40による昇圧用オフセット量ΔDに加算される。これにより、Duty信号Du,Dv,Dwはいずれも、昇圧用オフセット量ΔDと電圧補正量ΔDcとの和だけ減少補正された後、PWM信号生成部12に取り込まれることとなる。
図14に、本実施形態にかかる電圧補正量ΔDcの算出処理の手順を示す。この処理は、電圧補正値算出部50aによって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、dq軸上の実電流id,iqを取得する。続くステップS22においては、実電流id,iqを3相変換することで、相電流iu0,iv0,iw0を算出する。こうして算出される相電流iu0,iv0,iw0は、そのゼロ点が振幅中心となる電流となる。続くステップS24においては、実電流iu,iv,iwを取得する。
そして、ステップS26においては、実電流iu,iv,iwの振幅中心とゼロ点との差の絶対値である電流オフセット量ΔIを算出する。これは、上記ステップS22において算出された相電流iu0,iv0,iw0のそれぞれに対する実電流iu,iv,iwのそれぞれの差Δiu、Δiv、Δiwによって算出することができる。ただし、本実施形態では、これら差Δiu、Δiv、Δiwの最大値を、電流オフセット量ΔIとする。
一方、ステップS28においては、実電流id,iqに基づき、相電流の振幅値Iを算出する。これは、実電流id,iqのベクトルノルムに、「2/3」の平方根を乗算することで行う。
続くステップS30においては、電圧補正量ΔDcを算出する。これは、オフセット量ΔIが振幅値I以上となるようにフィードバック制御することで行う。詳しくは、オフセット量ΔIと振幅値Iとの差の比例積分演算によって、上記電圧補正量ΔDcを算出する。
なお、ステップS30の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の上記(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)電動機10を流れる相電流の振幅中心を相電流がゼロとなる点に対してずらすことで相電流の極性の反転を回避する極性反転回避制御を行った。これにより、出力電圧の誤差が相電流の極性に応じて反転することに起因した相電流の歪を解消することができる。
(5)電動機10に対する指令電圧のオフセット量を操作量とすることで、電流のオフセット量を制御することができ、ひいては、極性反転回避制御を行うことができる。
(6)指令電圧のオフセット量を、電動機10の全相について同一とした。これにより、オフセット補正に起因するトルクの変化を好適に回避することができる。
(7)電動機10を流れる相電流がゼロとなる点に対する振幅中心のオフセット量(電流オフセット量ΔI)が相電流の振幅値I以上となるようにフィードバック制御した。これにより、相電流の極性反転回避制御を好適に実行することができる。
(8)dq軸上の実電流id,iqを3相変換した相電流iu0,iv0,iw0と実電流iu,iv,iwとの差に基づき、電流オフセット量ΔIを算出した。これにより、電流オフセット量ΔIの算出機会を増加させることができる。
(9)実電流id,iqのベクトルノルムに基づき相電流の振幅値Iを算出した。これにより、振幅値Iの算出機会を増加させることが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図15に、本実施形態にかかるインバータIVの操作信号の生成に関する処理のブロック図を示す。なお、図15において、先の図2に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、電圧補正値算出部50aに代えて、電流補正値算出部50bを備える。電流補正値算出部50bの出力する指令電流補正量Δidr(≧0)は、d軸の負の電流を増大させる補正を行うものである。すなわち、補正部60では、d軸の指令電流idrから指令電流補正量Δidrを減算する。そして、補正部60の出力が、偏差算出部24に取り込まれる。これにより、d軸の実電流idは、指令電流idrから指令電流補正量Δidrを減算した値にフィードバック制御されることとなる。ここで、本実施形態では、電動機10としてSPMを用いて最大トルク制御を実行しているため、d軸電流を増大させることは、トルクに寄与しない無効電流を増大させることにつながる。そしてこの無効電流の消費によるコンデンサ14の電力消費をバッテリ12によって補うべく、相電流の負側へのオフセット量が増大する。したがって、無効電流を操作することによっても、相電流の極性反転回避制御を行うことができる。
図16に、電流補正値算出部50bの処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図16において、先の図14に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS30aにおいて、電流オフセット量ΔIが振幅値I以上となるようにフィードバック制御するための操作量として、指令電流補正量Δidrを算出する。特に本実施形態では、電流オフセット量ΔIと振幅値Iとの差の比例積分制御によって指令電流補正量Δidrを算出する。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の上記(3)の効果や、第2の実施形態の上記(4)、(6)〜(9)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)電動機10に対するd軸電流を操作することで、極性反転回避制御を行った。これにより、相電流の振幅中心を相電流がゼロとなる点に対して十分にずらす操作を行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態において、指令電圧の補正量ΔVu、ΔVv,ΔVwを、電動機10に流れる電流に応じて可変設定してもよい。すなわち、先の図10に示したように、スイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnの入出力端子間の電圧は、これらを流れる電流に依存して変化する。このため、電動機10を流れる電流に応じて補正量ΔVu,ΔVv,ΔVwを可変設定することで、各スイッチング素子の電圧降下量に応じて、これに起因する出力電圧の誤差をより高精度に補償することのできる補正量を設定することができる。また、スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードの順方向電圧も、これらに流れる電流に依存する。このため、電動機10を流れる電流に応じて補正量ΔVu,ΔVv、ΔVwを可変設定することで、ダイオードの順方向電圧の変化を適切に反映して補正量を設定することも可能となる。
・上記第3の実施形態において、指令電流補正量Δidrを算出する代わりに、フィードバック操作量の算出に際して用いられる実電流idの補正量を算出してもよい。ただし、この場合、指令電流idrとは補正量の符号を逆にする。また、フィードバック操作量の算出に用いられる指令電流idrに対する実電流idrの差を補正するようにしてもよい。
・電動機10を流れる相電流がゼロとなる点に対する振幅中心のオフセット量が相電流の振幅以上となるようにインバータIVを操作する手段としては、上記第2、第3の実施形態で例示したものに限らない。例えば、電流オフセット量ΔIが振幅値I以上となるようなフィードバック操作量の算出を、積分制御のみで行ったり、また、比例積分微分制御によって行ったりしてもよい。また、フィードバック操作量の算出のための入力としては、電流オフセット量ΔIに対する振幅値Iの差「I−ΔI」に限らず、例えばこれに所定のマージンを加算した値としてもよい。この場合、相電流の極大値を、確実に負とすることができる。更に、フィードバック制御にも限らず、電流オフセット量ΔIが振幅値I以上となるように、操作量を開ループ演算してもよい。
・電動機10を流れる相電流がゼロとなる点に対する振幅中心のオフセット量を算出する電流オフセット量算出手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。相電流をαβ座標系上の電流ベクトルに変換し、これを再度3相変換したものと実電流との差に基づきオフセット量を算出してもよい。また例えば、1電気角周期に渡って相電流をサンプリングすることでその振幅中心を特定し、これに基づきオフセット量を算出する手段であってもよい。
・相電流の振幅を算出する手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、相電流をαβ座標系上の電流ベクトルに変換し、この電流ベクトルのノルムに基づき振幅を算出してもよい。また例えば、1電気角周期に渡って相電流をサンプリングすることでその振幅中心及び極大値(極小値)を特定し、これらに基づき振幅を算出する手段であってもよい。
・相電流の極性反転回避制御を行うものとしては、相電流のオフセット量が相電流の振幅よりも大きくなるようにフィードバック制御するものに限らない。例えば、相電流が正となることが検出される都度、指令電圧のオフセット量を増加させたり、指令電流補正量Δidrを増加させたりしてもよい。
・回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う手段としては、Dutyを昇圧用オフセット量ΔDにて補正するものに限らない。例えば、指令電圧vur、vvr、vwrを直接オフセット補正する手段であってもよい。
・電動機10の各相の電流iu,iv,iwの極性に基づき、各相に対する指令電圧vur、vvr、vwrを補正する補正手段としては、指令電圧vur、vvr、vwrを補正量ΔVu、ΔVv,ΔVwにて直接補正するものに限らない。例えば、補正量ΔVu、ΔVv,ΔVwを電源電圧Vcにて規格化した値にて、Duty信号Du,Dv,Dwを補正する手段であってもよい。
・上記各実施形態では、バッテリ12の負極端子を、インバータIVの負極側の直流母線に接続したがこれに限らない。例えばインバータIVの正極側の直流母線に接続してもよい。
・第2の直流電源としては、コンデンサに限らず、2次電池であってもよい。
・回転機としては、SPMに限らず、例えばIPMSM等であってもよい。また、電動機に限らず、発電機であってもよい。更に、多相回転機としては、3相回転機に限らず、例えば5相回転機等であってもよい。
・回転機としては、電動パワーステアリングに搭載されるものに限らず、例えばエアコンディショナ等に搭載されるものであってもよい。
10…電動機、12…バッテリ(第1の直流電源の一実施形態)、13…制御装置、14…コンデンサ(第2の直流電源の一実施形態)、IV…インバータ。
Claims (12)
- 中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御して且つ、前記回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う回転機の制御装置において、
前記回転機を流れる相電流の振幅中心を相電流がゼロとなる点に対してずらすことで前記相電流の極性の反転を回避する極性反転回避制御を行うべく、前記電力変換回路を操作する操作手段を備えることを特徴とする回転機の制御装置。 - 前記操作手段は、前記回転機に対する指令電圧のオフセット量を操作することで、前記極性反転回避制御を行うことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
- 前記指令電圧のオフセット量を、前記回転機の全相について同一とすることを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。
- 前記操作手段は、前記回転機に対するd軸電流を操作することで、前記極性反転回避制御を行うことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
- 前記操作手段は、前記回転機を流れる相電流がゼロとなる点に対する前記振幅中心のオフセット量を算出する電流オフセット量算出手段と、前記算出される電流のオフセット量が前記相電流の振幅以上となるように前記電力変換回路を操作する手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記電流オフセット量算出手段は、前記回転機を流れる相電流を2次元座標系の実電流に変換する手段と、該変換された実電流を3相の相電流に変換する手段と、該変換された相電流と前記回転機の実際の相電流との差に基づき、前記電流オフセット量を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項5記載の回転機の制御装置。
- 前記操作手段は、前記回転機を流れる相電流を2次元座標系の実電流に変換する手段と、該変換された実電流ベクトルのノルムに基づき前記相電流の振幅を算出する手段とを更に備えることを特徴とする請求項5又は6記載の回転機の制御装置。
- 中性点が第1の直流電源に接続された回転機の端子を第2の直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御して且つ、前記回転機の全相の端子を前記第2の直流電源の正極側及び負極側のそれぞれに接続する期間の比率によって前記第2の直流電源の電圧を調節する処理を行う回転機の制御装置において、
前記回転機の各相の電流の極性に基づき、前記回転機の各相に対する指令電圧を補正する補正手段を備えることを特徴とする回転機の制御装置。 - 前記指令電圧の補正は、前記スイッチング素子の入出力端子間の電圧降下による影響を補償するための補正を含むことを特徴とする請求項8記載の回転機の制御装置。
- 前記スイッチング素子の入出力端子間の電圧降下による影響を補償するための補正量を、前記第2の直流電源の電圧に基づき可変設定することを特徴とする請求項9記載の回転機の制御装置。
- 前記指令電圧の補正は、デッドタイムに起因した前記指令電圧に対する前記電力変換回路の実際の出力電圧の誤差を補償するための補正を含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記回転機は、車載電動パワーステアリングに搭載されてなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2008185578A JP2010028941A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 回転機の制御装置 |
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JP2008185578A JP2010028941A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 回転機の制御装置 |
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WO2015177878A1 (ja) * | 2014-05-20 | 2015-11-26 | 三菱電機株式会社 | 回転機の制御装置および電圧誤差補正方法 |
-
2008
- 2008-07-17 JP JP2008185578A patent/JP2010028941A/ja active Pending
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