JP2010026451A - 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧を十分に低減でき、画像部と非画像部とのコントラストが比較的高い画像を繰り返して表示できる表示粒子および該表示粒子を備えた画像表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、帯電された表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子において、表示粒子が正帯電表示粒子および負帯電表示粒子を含み、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子それぞれの移送性指数が20mg/秒以下であることを特徴とする表示粒子および該表示粒子を備えた画像表示装置。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、帯電された表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子において、表示粒子が正帯電表示粒子および負帯電表示粒子を含み、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子それぞれの移送性指数が20mg/秒以下であることを特徴とする表示粒子および該表示粒子を備えた画像表示装置。
【選択図】なし
Description
帯電された表示粒子を、電界を加えることで移動させることにより、画像の表示および消去を繰り返し実行できる画像表示装置に用いられる表示粒子および画像表示装置に関する。
従来より、液晶表示装置(LCD)に代わる表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた画像表示装置が提案されてきた。これらの技術は、以下に示すメリットを有することから、携帯端末機器用表示素子や電子ペーパー等、次世代の画像表示装置への展開が注目されている。すなわち、液晶表示装置に比べて広い視野角が得られるので通常の印刷物に近い画質の画像が得られることや、電力消費量が少ないこと、及び、メモリ性と呼ばれる電源OFF後も引き続き画像表示を継続する性質を有するといったメリットがある。
このうち、電気泳動方式の画像表示技術は、着色溶液中に分散粒子を添加してなる分散液を対向する基板間に配置させ、基板間に数十ボルト程度の電圧を印加することにより、液相中を粒子が移動して画像表示を行うものである。電気泳動方式の画像表示技術は、分散液をマイクロカプセル化して、これを対向する基板間に配置する技術(たとえば、非特許文献1参照)等が提案され、最も実用化の近い技術と目されて反面、画像表示環境の維持が困難な問題も抱えていた。
具体的には、着色溶液と分散粒子の比重差の問題が挙げられ、両者の比重差が大きくなると分散粒子が着色溶液中で沈降し易くなって、安定した画像表示が行えなくなる問題がある。たとえば、比重の小さな着色溶液に酸化チタン等の比重の大きな分散粒子を用いると、分散粒子は着色溶液中で沈降してしまう。また、着色溶液は、保存性に難点があるとされる染料を用いて形成されることが多く、一定レベルの画像表示状態を維持することが困難な側面を有していた。
一方、溶液を使用せずに画像表示を行う技術も提案されている。たとえば、帯電された表示粒子を気相中に封入し、かつ、電圧を印加させて電界方向に沿って表示粒子を移動させることにより画像表示を行える様にした方式がある。この方式は、粒子の沈降や着色溶液の保存性という問題はないが、基板間に電圧を印加して形成された電界方向に沿って、帯電された表示粒子を移動させる必要があった。つまり、低い印加電圧の下でも表示粒子がスムーズに帯電、移動できる環境を基板間に形成させる技術が求められていた。
表示粒子として、例えば特許文献1では、気体中に固体状物質が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体、特に安息角を持たない粉流体を用いることが提案されている。そのような粉流体の製法としては、例えば、粉流体を構成する物質の表面に無機微粒子をハイブリダイザー(奈良機械製作所(株)製)等を用いて固着させる方法などが開示されている。
しかしながら、そのような表示粒子を用いても、駆動電圧を十分に低減することはできなかった。また画像部と非画像部とのコントラストが比較的低いといった問題があった。そのようなコントラストの問題は、画像の表示および消去を繰り返し実施したときに顕著であった。
国際公開番号WO2003−075087
本発明は、駆動電圧を十分に低減でき、画像部と非画像部とのコントラストが比較的高い画像を繰り返して表示できる表示粒子および該表示粒子を備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、帯電された表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子において、表示粒子が正帯電表示粒子および負帯電表示粒子を含み、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子それぞれの移送性指数が20mg/秒以下であることを特徴とする表示粒子および該表示粒子を備えた画像表示装置に関する。
本発明によれば、表示粒子の移送性指数が十分に小さいので、表示粒子同士の付着力だけでなく、基板間における表示粒子接触面と表示粒子との付着力が有効に低減される。その結果、駆動電圧が低減され、しかも画像部と非画像部とのコントラストが十分に高い画像を繰り返して表示できる。
[画像表示装置用表示粒子]
本発明に係る画像表示装置用表示粒子は、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子からなる。詳しくは、混合によって互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としての鉄粉(キャリア)等の基準材料に対して摩擦接触させたりしたときに、正帯電性を示す表示粒子と、負帯電性を示す表示粒子とを使用する。それらの表示粒子は通常、帯電極性だけでなく、色も異なるので、後で詳述する画像表示装置において基板間に電界を発生させたとき、視認方向上流側の基板に移動・付着する表示粒子と、視認方向下流側の基板上に残留・付着する表示粒子との間の当該色の差に基づいて、表示画像を視覚的に認識できるようになる。例えば、正帯電表示粒子または負帯電表示粒子の一方を白色とし、他方を黒色とすることで表示画像を視覚的に認識できる。
本発明に係る画像表示装置用表示粒子は、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子からなる。詳しくは、混合によって互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としての鉄粉(キャリア)等の基準材料に対して摩擦接触させたりしたときに、正帯電性を示す表示粒子と、負帯電性を示す表示粒子とを使用する。それらの表示粒子は通常、帯電極性だけでなく、色も異なるので、後で詳述する画像表示装置において基板間に電界を発生させたとき、視認方向上流側の基板に移動・付着する表示粒子と、視認方向下流側の基板上に残留・付着する表示粒子との間の当該色の差に基づいて、表示画像を視覚的に認識できるようになる。例えば、正帯電表示粒子または負帯電表示粒子の一方を白色とし、他方を黒色とすることで表示画像を視覚的に認識できる。
画像表示装置内に含まれる正帯電表示粒子および負帯電表示粒子それぞれの移送性指数は20mg/秒以下、特に1〜20mg/秒の範囲内であり、駆動電圧のさらなる低減およびコントラストのさらなる向上の観点から好ましくは1〜10mg/秒、より好ましくは1〜5mg/秒の範囲内である。正帯電表示粒子および負帯電表示粒子の両方が上記範囲内の移送性指数を有することにより、駆動電圧の十分な低減および画像部と非画像部とのコントラストの向上を達成できる。移送性指数が大きすぎると、駆動時において表示粒子同士の付着力だけでなく、基板間における表示粒子接触面と表示粒子との付着力が大きすぎるために、駆動電圧が上昇し、コントラストが低下する。移送性指数が1mg/秒未満の表示粒子は製造が困難である。正帯電表示粒子または負帯電表示粒子の片方のみの移送性指数が上記範囲外であっても、駆動電圧が上昇し、コントラストが低下する。
正帯電表示粒子の移送性指数および負帯電表示粒子の移送性指数はそれぞれ独立して上記範囲内であればよく、それらの差は、基板と粒子の付着力が正帯電表示粒子と負帯電表示粒子が変わらない観点から好ましくは5mg/秒以下、特に1mg/秒以下である。
移送性指数は、パーツフィーダー(ME−14;神鋼電機社製、ステンレス製)と電子天秤で構成される測定装置によって所定の条件で測定された値を用いている。測定環境は20℃50%で固定された場所で実施する。測定は、図1に示すように、パーツフィーダー1は駆動部3とボール4からなり、ボール内周面には螺旋状に坂路5(ステンレス製)が備わっている。坂路5の下側には、図2に示すように、加振機(電磁石)8と戻り位置に角度を持たせた板ばね9とが配置されており、駆動部3にかかる交流電圧によって振動する加振機8の上下運動が、板ばね9によって、表示粒子Pの登板力に変換されるようになっている。そのため、パーツフィーダー1は、ボール4内の表示粒子Pが坂路5に沿って移送される機構となっている。
本発明においては、表示粒子Pを1gでボール中央部6の周辺にいれ、駆動部3を、周波数110Hzおよび電圧70Vの交流電圧条件で始動し、表示粒子Pを坂路5に沿って登らせる。そして、坂路5を登り終えた表示粒子は受け皿7に落下する。受け皿7上の表示粒子の重量(移送量)は、電子天秤2によって経時的に測定可能となっており、図3に示すような、移送量(w)−交流電圧印加時間(t)のグラフを作成する。そのようなグラフにおいて、交流電圧印加時間2分〜4分の間に受け皿7に落下した表示粒子の重量を求め、1秒間あたりに落下する表示粒子重量に換算し、これを移送性指数とする。移送性指数はこのように、表示粒子を、粒子同士だけでなく、粒子とパーツフィーダーとの間でも接触させながら、測定されるため、粒子の動き易さを有効に示す物性値であり、実機内での粒子挙動をより正確に反映するものである。
移送性指数が上記範囲内にある本発明の表示粒子は、図2に示すように、バラけた状態で坂路5を登る。このことは、表示粒子は1つ1つの粒子同士の付着力が比較的小さいのと同時に、パーツフィーダーを構成しているステンレスとの付着力が比較的小さいことを意味している。よって、実機(ディスプレイ)の構成から考えると、本発明の表示粒子は、粒子同士間の付着力および粒子と基板間における表示粒子接触面との間の付着力が比較的小さいため、駆動電圧を十分に低減でき、画像部と非画像部とのコントラストが比較的高い画像を繰り返して表示できるものと考えられる。
一方、移送性指数が比較的大きい表示粒子は、図10に示すように、凝集した状態で坂路5を登る。このことは、表示粒子は1つ1つの粒子同士の付着力が比較的大きいのと同時に、パーツフィーダーを構成しているステンレスとの付着力が比較的大きいことを意味している。よって、実機(ディスプレイ)の構成から考えると、移送性指数が比較的大きい表示粒子は、粒子同士間の付着力および粒子と基板間における表示粒子接触面との間の付着力が比較的大きいため、駆動電圧が上昇し、画像部と非画像部とのコントラストが比較的低いものと考えられる。
正帯電表示粒子と負帯電表示粒子の移送性指数は、画像表示装置より、以下の方法に基づいて正帯電表示粒子と負帯電表示粒子とを分離・採取し、前記した測定方法に供することより測定できる。
まず、画像表示装置の上下電極間に500Vの直流電圧を印加して、正帯電表示粒子と負帯電表示粒子とを当該装置内で分離したのち、当該装置を分解する。次いで、正帯電表示粒子と負帯電表示粒子とをそれぞれ採取する。採取された正帯電表示粒子と負帯電表示粒子をそれぞれ前記した測定方法に供することによって、各表示粒子の移送性指数を測定できる。
まず、画像表示装置の上下電極間に500Vの直流電圧を印加して、正帯電表示粒子と負帯電表示粒子とを当該装置内で分離したのち、当該装置を分解する。次いで、正帯電表示粒子と負帯電表示粒子とをそれぞれ採取する。採取された正帯電表示粒子と負帯電表示粒子をそれぞれ前記した測定方法に供することによって、各表示粒子の移送性指数を測定できる。
(表示粒子の構成材料)
正帯電の表示粒子および負帯電の表示粒子は、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子からなり、通常はさらに外添剤を含むものである。表示粒子の帯電極性は、例えば後述する画像表示装置の製造方法において主にキャリアを選択することによって制御される。例えば、正帯電の表示粒子として使用するものには、通常コア表面にフッ素化アクリレート樹脂をコートしたキャリアを使用する。負帯電の表示粒子として使用するキャリアには、コア表面にシクロへキシルメタクリレートをコートしたキャリアを使用する。
正帯電の表示粒子および負帯電の表示粒子は、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子からなり、通常はさらに外添剤を含むものである。表示粒子の帯電極性は、例えば後述する画像表示装置の製造方法において主にキャリアを選択することによって制御される。例えば、正帯電の表示粒子として使用するものには、通常コア表面にフッ素化アクリレート樹脂をコートしたキャリアを使用する。負帯電の表示粒子として使用するキャリアには、コア表面にシクロへキシルメタクリレートをコートしたキャリアを使用する。
母体粒子を構成する樹脂は、特に限定されるものではなく、下記に示すビニル系樹脂と呼ばれる重合体がその代表的なものであり、ビニル系樹脂の他に、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の縮合系の樹脂もある。ビニル系樹脂の具体例としては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂の他、エチレン単量体やプロピレン単量体より形成されるポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、ビニル系樹脂以外の樹脂としては、前述した縮合系樹脂の他に、ポリエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等がある。
母体粒子に使用可能な樹脂を構成する重合体は、これらの樹脂を形成する重合性単量体を少なくとも1種類用いて得られるものの他、複数種類の重合性単量体を組み合わせて作製することもできる。複数種類の重合性単量体を組み合わせて樹脂を作製する場合、たとえば、ブロック共重合体やグラフト共重合体、ランダム共重合体といった共重合体を形成する方法の他、複数種類の樹脂を混ぜ合わせるポリマーブレンド法による樹脂形成もある。
母体粒子に使用可能な樹脂を構成する重合体は、これらの樹脂を形成する重合性単量体を少なくとも1種類用いて得られるものの他、複数種類の重合性単量体を組み合わせて作製することもできる。複数種類の重合性単量体を組み合わせて樹脂を作製する場合、たとえば、ブロック共重合体やグラフト共重合体、ランダム共重合体といった共重合体を形成する方法の他、複数種類の樹脂を混ぜ合わせるポリマーブレンド法による樹脂形成もある。
母体粒子に含有される着色剤は、正帯電の表示粒子に使用されるものと、負帯電の表示粒子に使用されるものとで異なる色の着色剤が使用される限り、特に限定されるものではなく、公知の顔料が用いられる。このうち、白色母体粒子を構成する白色顔料としては、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられ、その中でも酸化チタンが好ましい。また、黒色母体粒子を構成する黒色顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましい。
着色剤の含有量は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、母体粒子構成樹脂100重量部に対して白色母体粒子の場合は30〜100重量部、黒色母体粒子の場合は5〜10重量部が好適である。
着色剤の含有量は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、母体粒子構成樹脂100重量部に対して白色母体粒子の場合は30〜100重量部、黒色母体粒子の場合は5〜10重量部が好適である。
母体粒子には、他の添加剤、例えば、荷電制御剤が内添されてもよい。
白色母体粒子の場合は、正帯電性荷電制御剤として、二グロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等、黒色母体粒子の場合は、負帯電性荷電制御剤として、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、ニトロイミダゾール誘導体等があげられる。
白色母体粒子の場合は、正帯電性荷電制御剤として、二グロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等、黒色母体粒子の場合は、負帯電性荷電制御剤として、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、ニトロイミダゾール誘導体等があげられる。
(表示粒子の製造方法)
本発明の表示粒子は、母体粒子に外添剤を添加し、混合するに際し、所定の2階混合法を採用し、かつ所定の外添剤を使用することによって製造できる。
本発明の表示粒子は、母体粒子に外添剤を添加し、混合するに際し、所定の2階混合法を採用し、かつ所定の外添剤を使用することによって製造できる。
詳しくは、以下に示す2段階混合法を採用する。
まず、母体粒子および疎水性シリカをTKミキサー(特殊機化工業社製)により混合する第1混合工程を実施する。これによって、第1混合工程で疎水性シリカを母体粒子表面に比較的強強度で固定化できるので、第2混合工程で添加されるチタニアが表示粒子表面でベアリング効果を十分に発揮でき、結果として移送性指数を所定範囲内に制御できる。ベアリング効果とは、表示粒子同士間または基板間における表示粒子接触面と表示粒子との間で流動化材として働き、それらの間の相互の付着力を低減する効果である。
まず、母体粒子および疎水性シリカをTKミキサー(特殊機化工業社製)により混合する第1混合工程を実施する。これによって、第1混合工程で疎水性シリカを母体粒子表面に比較的強強度で固定化できるので、第2混合工程で添加されるチタニアが表示粒子表面でベアリング効果を十分に発揮でき、結果として移送性指数を所定範囲内に制御できる。ベアリング効果とは、表示粒子同士間または基板間における表示粒子接触面と表示粒子との間で流動化材として働き、それらの間の相互の付着力を低減する効果である。
第1混合工程において添加される疎水性シリカは疎水化剤により表面処理されたシリカ微粒子である。疎水化剤は、トナーの分野で外添される無機微粒子の表面処理に使用される公知の疎水化剤が使用可能であり、例えば、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。シリカ以外の無機微粒子を疎水化処理したものは、後述の平均一次粒径を達成することが困難である。
疎水性シリカの代わりに、疎水性を有しない未処理のシリカを添加すると、当該未処理シリカが空気中の水分を吸収し、母体粒子と基板間の物理的付着力が増加する。また第2混合工程で添加されるチタニアが表示粒子表面で十分なベアリング効果を発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない
本明細書中、疎水化度は接触角測定法によって測定された値を用いている。具体的には疎水性シリカ微粒子を、テトラヒドロフラン溶媒中に1%添加し混合後、スピンコート法により塗布して厚さ1μmの層形成させ、この膜上に水滴を滴下し、基板と水滴角度を測定している。疎水化度が高いものは、水滴をはじくため接触角は大きく、場合によっては測定不能になるもののある。疎水性シリカの接触角は通常、100°〜160°であり、好ましくは120°〜150°である。
疎水性シリカの平均一次粒径は60〜200nm、好ましくは80〜150nmである。当該平均一次粒径が小すぎたり、大きすぎると、第2混合工程で添加されるチタニアが表示粒子表面で十分なベアリング効果を発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
本明細書中、平均一次粒径は以下の方法によって測定された値を用いている。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope通称SEM)において、1万倍で写真を撮り、実画像の粒子100個の平均値を用いている。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope通称SEM)において、1万倍で写真を撮り、実画像の粒子100個の平均値を用いている。
疎水性シリカの添加量は母体粒子100重量部に対して2〜8重量部、好ましくは3〜7重量部である。添加量が多すぎると、過剰なシリカが、第2混合工程で添加されるチタニアより表示粒子表面に存在してチタニアが発揮するベアリング効果を阻害するため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。添加量が少なすぎると、表示粒子表面に疎水性シリカ間の空隙が多くなり、第2混合工程で添加されるチタニアが疎水性シリカの空隙に入り込んでしまい。十分なベアリング効果を発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
疎水性シリカは、上記範囲内であれば、粒径、疎水化剤の種類、疎水化度等の異なる2種類以上の疎水性シリカを用いてもよい。その場合、それらの合計添加量が上記範囲内であればよい。第1混合工程においては、上記疎水性シリカ以外の無機微粒子または有機微粒子を添加しないようにする。当該微粒子が第2混合工程で添加されるチタニアのベアリング効果を阻害し、所定の移送性指数が達成されないためである。
第1混合工程において混合速度は20〜60m/秒、好ましくは30〜50m/秒であり、混合時間は20〜40分間、好ましくは20〜30分間である。混合速度が小さすぎたり、または混合時間が短すぎると、疎水性シリカが母体粒子に付着せず、第2混合工程で添加するチタニアが付着しなくなり、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。混合速度が大きすぎたり、または混合時間が長すぎると、疎水性シリカが母体粒子に埋まりこんで、第2混合工程で添加するチタニアが付着する面積が現状し、チタニアの付着量が減少するため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
TKミキサーは剪断力を利用した混合装置である。そのようなTKミキサーを使用しない場合、例えばハイブリダイザー(奈良機械製作所(株)製)等を利用した場合、TKミキサーより強強度であるため、疎水性シリカが母体粒子に埋まりこんでしまい、母体がわれてしまう。そのため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。TKミキサーの代わりに、当該TKミキサーと同様に剪断力を利用した混合装置、例えばヘンシェルミキサーを用いてもよい。その場合、混合速度、混合時間は上記した範囲内であればよい。
次いで、第1混合工程で得られた混合物にチタニアを添加し、タービュラーミキサー(ウイリーAバッハオーフェン社製)により混合する第2混合工程を実施する。これによって、第1混合工程で疎水性シリカが固定された母体粒子表面上にチタニアが均一に付着し、ベアリング効果を十分に発揮できるようになる。
第2混合工程において添加されるチタニアは疎水化剤により表面処理されていても、表面処理されていなくてもよい。しかし、基板との付着力低減の観点から、チタニアは疎水化剤により表面処理されたチタニア微粒子であることが好ましい。チタニアの疎水化剤は、疎水性シリカの疎水化剤と同様の疎水化剤が使用可能である。
本明細書中、疎水化度は、疎水性シリカと同様な接触角測定法によって測定された値を用いている。具体的にはチタニア微粒子を、テトラヒドロフラン溶媒中に1%添加し混合後、スピンコート法により塗布して厚さ1μmの層形成させ、この膜上に水滴を滴下し、基板と水滴角度を測定している。疎水化度が高いものは、水滴をはじくため接触角は大きく、場合によっては測定不能になるもののある。チタニア微粒子の接触角は通常、100°〜測定不能領域であり、好ましくは120°〜測定不能である。
チタニアの代わりに、他の無機微粒子を添加すると、表示粒子の帯電性を大きく変化させるため、本発明の画像表示素子で使用することができない。
チタニアの平均一次粒径は5〜40nm、好ましくは15〜30nmである。当該平均一次粒径が小すぎたり、大きすぎると、チタニアが表示粒子表面で十分なベアリング効果を発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。移送性指数をより有効に低減する観点から、チタニアの平均一次粒径(rt)と第1混合工程で添加される疎水性シリカの平均一次粒径(rs)との比率(rt/rs)は0.05〜0.7、特に0.1〜0.4であることが好ましい。
チタニアの添加量は母体粒子100重量部に対して0.2〜4重量部、好ましくは0.3〜2重量部である。添加量が多すぎると、チタニア粒子が凝集体として疎水性シリカ上に存在し流動化剤としての機能を発揮しないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。添加量が少なすぎると、チタニアが表示粒子表面でベアリング効果を十分に発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
チタニアは、上記範囲内であれば、粒径、疎水化剤の種類、疎水化度等の異なる2種類以上のチタニアを用いてもよい。その場合、それらの合計添加量が上記範囲内であればよい。第2混合工程においては、上記チタニア以外の無機微粒子または有機微粒子を添加しないようにする。当該微粒子がチタニアのベアリング効果を阻害し、所定の移送性指数が達成されないためである。
第2混合工程において混合時間は2〜20分間、好ましくは5〜10分間である。混合時間が短すぎると、チタニアが十分に付着せず、ベアリング効果を十分に発揮できないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。または混合時間が長すぎると、チタニア粒子が疎水性シリカ上に完全に固定化して流動化剤としての機能を発揮しないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
タービュラーミキサーは、ポット内にガラスビーズと第1混合工程で出来上がった母体粒子とチタニアを添加し、ガラスビーズによるせん断力を利用して混合を行う混合装置である。そのようなタービュラーミキサーを使用しない場合、例えばヘンシェルミキサーのようなの混合装置を用いると、せん断力が強すぎて、チタニア粒子が疎水性シリカ表面に埋没し流動化剤としての機能を発揮しないため、移送性指数が大きくなり過ぎて、本発明の表示粒子が得られない。
上記した表示粒子の製造方法において、第1混合工程における疎水性シリカの添加量、平均一次粒径、ならびに混合速度および混合時間、第2混合工程におけるチタニアの添加量、平均一次粒径、ならびに混合時間を上記した範囲内で調整することによって、表示粒子の移送性指数を制御できる。
具体的には、例えば、第1混合工程で疎水性シリカの添加量を上記した範囲内で少なくした場合、多くした場合はともに、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で疎水性シリカの平均一次粒径を上記した範囲内で小さくした場合、大きくした場合はともに移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で疎水性シリカの疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で大きくすると、移送性指数は小さくなる。一方で、当該疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で小さくすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で混合速度または混合時間を上記した範囲内で大きくまたは長くした場合と小さくまたは短くすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で疎水性シリカの平均一次粒径を上記した範囲内で小さくした場合、大きくした場合はともに移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で疎水性シリカの疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で大きくすると、移送性指数は小さくなる。一方で、当該疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で小さくすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第1混合工程で混合速度または混合時間を上記した範囲内で大きくまたは長くした場合と小さくまたは短くすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程でチタニアの添加量を上記した範囲内で多くした場合、少なくした場合は、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程でチタニアの平均一次粒径を上記した範囲内で小さくした場合、大きくした場合は、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程でチタニアの疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で大きくすると、移送性指数は小さくなる。一方で、当該疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で小さくすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程で混合時間を上記した範囲内で長くした場合と短くした場合は、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程でチタニアの平均一次粒径を上記した範囲内で小さくした場合、大きくした場合は、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程でチタニアの疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で大きくすると、移送性指数は小さくなる。一方で、当該疎水化度を規定した接触角を上記した範囲内で小さくすると、移送性指数は大きくなる。
また例えば、第2混合工程で混合時間を上記した範囲内で長くした場合と短くした場合は、移送性指数は大きくなる。
母体粒子の作製方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーの製造方法等、樹脂と着色剤を含有する粒子を作製する公知の方法を応用することにより対応が可能である。母体粒子の具体的な作製方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
(1)樹脂と着色剤とを混練した後、粉砕、分級の各工程を経て母体粒子を作製する方法;
(2)水系媒体中で重合性単量体と着色剤を機械的に撹拌して液滴を形成した後、重合を行って母体粒子を作製する、いわゆる懸濁重合法;および
(3)界面活性剤を含有させた水系媒体中に重合性単量体を滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を作製した後、着色剤粒子と凝集剤を添加してこれらの粒子を会合させて母体粒子を作製する、いわゆる乳化会合法。
(1)樹脂と着色剤とを混練した後、粉砕、分級の各工程を経て母体粒子を作製する方法;
(2)水系媒体中で重合性単量体と着色剤を機械的に撹拌して液滴を形成した後、重合を行って母体粒子を作製する、いわゆる懸濁重合法;および
(3)界面活性剤を含有させた水系媒体中に重合性単量体を滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を作製した後、着色剤粒子と凝集剤を添加してこれらの粒子を会合させて母体粒子を作製する、いわゆる乳化会合法。
表示粒子の体積平均粒径D1は0.1〜50μmであり、電界による移動の容易性および濃度ばらつきの軽減の観点から、好ましくは1〜20μmである。
粒子の体積平均粒径D1は体積基準メディアン径(d50径)であって、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、粒子0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、粒子分散液を作製する。この粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
測定手順としては、粒子0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、粒子分散液を作製する。この粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は上記した表示粒子を備えたことを特徴とする。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。
本発明に係る画像表示装置は上記した表示粒子を備えたことを特徴とする。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。
本発明に係る画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に上記した表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示するものである。
本発明に係る画像表示装置の代表的な構成断面を図4に示す。図4(a)は、基板11、12上に層構造の電極15を設け、電極15表面に絶縁層16を設けたものである。図4(b)に示す画像表示装置は、装置内に電極を設けていない構造のもので、装置外部に設けられた電極を介して電界を付与させ、表示粒子の移動を行える様にしたものである。図4(a)および図4(b)における同じ符号は同じ部材を意味するものとする。図4は図4(a)および図4(b)を包含して意味するものとする。図4の画像表示装置10は、図に示す様に、基板11側より画像を視認するものとするが、本発明では基板11側より画像を視認するものに限定されるものではない。また、図4(b)に示すタイプは、装置自体に電極15が設けられていない分、装置の構造を簡略化させ、その製造工程を短縮化することができるメリットがある。図4(b)に示すタイプの画像表示装置10を電圧印加可能な装置にセットして電圧印加を行う様子を示すものを図6に示す。なお、本発明に係る画像表示装置の断面構成は図4(a)と(b)に示すものに限定されるものではない。
図4(a)の画像表示装置10の最外部には、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に電圧印加を行うための電極15が設けられ、さらに、電極15上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、電極15と絶縁層16が設けられ、電極15と絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される隙間18には表示粒子が存在する。図4に示す画像表示装置10は、表示粒子として負帯電した黒色表示粒子(以下、黒色粒子という)21と正帯電した白色表示粒子(以下、白色粒子という)22の2種類の表示粒子を隙間18に存在させている。なお、黒色粒子21および白色粒子22の表面には厳密には前記した外添剤が添加されて存在するが、図示しないものとする。また、図4の画像表示装置10では、隙間18が基板11と12及び2つの隔壁17により四方を囲んだ構造となっており、表示粒子は隙間18に粉体形態で封入された状態で存在している。
隙間18の厚さは、封入された表示粒子が移動可能で画像のコントラストを維持できる範囲であれば、特に限定されるものではなく、通常は10μm乃至500μm、好ましくは10μm乃至100μmである。隙間18内における表示粒子の体積占有率は、5%乃至70%であり、好ましくは30%乃至60%である。表示粒子の体積占有率を上記範囲にすることにより、隙間18内で表示粒子がスムーズに移動でき、また、コントラストのよい画像が得られる。
次に、画像表示装置10の隙間18での表示粒子の挙動について説明する。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
本発明に係る画像表示装置における画像表示は以下の手順により行われるものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
なお、上述した公知の方法による表示粒子の帯電方法としては、たとえば、キャリアに接触させて摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法、帯電極性の異なる2色の表示粒子を混合、撹拌して両者間の摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法等が挙げられるが、本発明では、キャリアを使用し、帯電した表示粒子を基板内に封入することが好ましい。
基板間への電圧印加に伴う表示粒子の移動の例を図5と図6に示す。
図5(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図5(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧に印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
図5(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図5(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧に印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
図6は、図4(b)に示した画像表示装置10に電極を有さないタイプのものを電圧印加装置30にセットし、この状態で電圧を印加する前の様子(図6(a))と電圧を印加した後の様子(図6(b))を示したものである。図4(b)に示すタイプの画像表示装置10も電極15を有する画像表示装置10と同様、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、正に帯電した白色粒子22は基板12側に移動している。
次に、図4に示す画像表示装置10を構成する基板11、12、電極15、絶縁層16、および隔壁17について説明する。
先ず、画像表示装置10を構成する基板11と12について説明する。画像表示装置10では、観察者は基板11と12の少なくとも一方の側から表示粒子により形成される画像を視認するので、観察者が視認する側に設けられる基板は透明な材質のものが求められる。したがって、観察者が画像を視認する側に使用される基板は、たとえば可視光透過率が80%以上の光透過性の材料が好ましく、80%以上の可視光透過率を有することにより十分な視認性が得られる。なお、画像表示装置10を構成する基板のうち、画像を視認する側の反対側に設けられる基板の材質は必ずしも透明なものである必要はない。
基板11、12の厚さは、それぞれ2μm〜5mmが好ましく、さらに、5μm〜2m
mがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、広い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
mがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、広い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
可視光透過率が80%以上の材料としては、ガラスや石英等の可撓性を有さない無機材料や、後述する樹脂材料に代表される有機材料や金属シート等が挙げられる。このうち、有機材料や金属シートは画像表示装置にある程度の可撓性を付与することができる。可視光透過率を80%以上とすることが可能な樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等に代表されるポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂やポリエチレン樹脂等のビニル系の重合性単量体をラジカル重合して得られる透明樹脂も挙げられる。
電極15は基板11と12の面上に設けられ、電圧印加により基板間すなわち隙間18に電界を形成するものである。電極15は、前述の基板と同様に、観察者が画像を視認する側に透明なものを設ける必要がある。
画像を視認する側に設けられる電極の厚みは、導電性を確保するとともに光透過性に支障を来さないレベルにすることが求められ、具体的には3nm〜1μmが好ましく、5nm〜400nmがより好ましい。なお、画像を視認する側に設けられる電極の可視光透過率は、基板同様、80%以上とすることが好ましい。画像を視認する側の反対側に設けられる電極の厚みも上記範囲とすることが好ましいが、透明なものにする必要はない。
電極15の構成材料としては、金属材料や導電性金属酸化物、あるいは、導電性高分子材料等が挙げられる。具体的な金属材料としては、たとえば、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等が挙げられ、導電性金属酸化物の具体例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。さらに、導電性高分子材料としては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
電極15を基板11や12上に形成する方法としては、たとえば、薄膜上の電極を設ける場合には、スパッタリング法や真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法;Chemical Vapor Deposition)、塗布法等が挙げられる。また、導電性材料を溶媒やバインダ樹脂に混合させ、この混合物を基板に塗布して電極を形成する方法もある。
絶縁層16は電極15の表面に設けられ、絶縁層16表面で表示粒子21,22と接触する構成となっている。絶縁層16は表示粒子21、22を移動させる際に印加される電圧によって帯電量の変化を緩和する役割をもっている。また、疎水性の高い構造をもつ樹脂、凹凸を付与することによって、表示粒子との物理的な付着力を低減でき、駆動電圧を低減させる働きももっている。絶縁層16を構成する材料としては、電気絶縁性を有する薄膜化可能な材料であって、所望により透明性を有するものである。画像を視認する側に設けられる絶縁層は可視光透過率を、基板同様、80%以上とすることが好ましい。具体例として、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
絶縁層16の厚みは0.01μm以上10.0μm以下とすることが好ましい。すなわち、絶縁層16の厚みが上記範囲の時は、電極15間にそれほど大きな電圧を印加せずに表示粒子21,22が移動でき、たとえば、電気泳動法による画像形成で印加したレベルの電圧を付与して画像表示が行えるので好ましい。
隔壁17は、上下基板間の間隔18を確保するものであり、図7上段の右側および左側の図に示すように基板11,12の縁部だけでなく、必要に応じて内部にも形成できる。隔壁17の幅、特に画像表示面18a側の隔壁の厚みは、例えば図7上段の右側の図に示すように、表示画像の鮮明性を確保する上からできるだけ薄くした方がよい。
基板11,12の内部に形成される隔壁17は、図7上段の右側および左側の図中、表裏方向に連続的に形成されても、断続的に形成されてもよい。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図7下段の図に示す。セルは、図7下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図7下段の図に示す。セルは、図7下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
隔壁17は、たとえば以下に挙げる方法を用いて画像を視認する側の反対側の基板上を加工処理することにより形成できる。隔壁17を形成する方法としては、たとえば、樹脂材料等によるエンボス加工や熱プレス射出成形による凹凸形成、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷等が挙げられる。
本発明に係る画像表示装置は以下に示す電子写真現像方式によって製造可能である。
2枚の基板11、12に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図8(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図8(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させる。次に表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図8(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図8(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、負帯電の表示粒子21の付着層上に正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子および正帯電の表示粒子を付着させた一方の電極付き基板と、他方の電極付き基板とを、図8(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
2枚の基板11、12に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図8(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図8(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させる。次に表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図8(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図8(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、負帯電の表示粒子21の付着層上に正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子および正帯電の表示粒子を付着させた一方の電極付き基板と、他方の電極付き基板とを、図8(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
また以下に示す電子写真現像方式の別の実施形態によっても製造可能である。
2枚の基板11、12に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図9(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図9(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図9(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図9(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図9(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
2枚の基板11、12に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図9(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図9(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図9(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図9(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、絶縁層16上に正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図9(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
<実施例1>
[正帯電用表示粒子(白色粒子)の製造]
下記した樹脂及び酸化チタンをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
アナタース型酸化チタン(平均一次粒径150nm) 30重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径8.2μmおよびCV20の白色の母体粒子を製造した。次に、上記白色の母体粒子100重量部に、アミノシランカップリング処理されたシリカ微粒子(平均一次粒径100nm)5.0重量部添加し、TKミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、その回転速度を55m/秒に設定し、30分間の混合処理を行った(第1混合)。引き続きシリコーンオイル処理を行った平均一次粒径が20nmのチタニア微粒子を0.5重量部添加し、タービュラーミキサー(ウイリーAバッハオーフェン社製)を用い、5分間の混合処理を行うことにより白色粒子を製造した(第2混合)。
[正帯電用表示粒子(白色粒子)の製造]
下記した樹脂及び酸化チタンをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
アナタース型酸化チタン(平均一次粒径150nm) 30重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径8.2μmおよびCV20の白色の母体粒子を製造した。次に、上記白色の母体粒子100重量部に、アミノシランカップリング処理されたシリカ微粒子(平均一次粒径100nm)5.0重量部添加し、TKミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、その回転速度を55m/秒に設定し、30分間の混合処理を行った(第1混合)。引き続きシリコーンオイル処理を行った平均一次粒径が20nmのチタニア微粒子を0.5重量部添加し、タービュラーミキサー(ウイリーAバッハオーフェン社製)を用い、5分間の混合処理を行うことにより白色粒子を製造した(第2混合)。
[負帯電用表示粒子(黒色粒子)の製造]
下記した樹脂及びカーボンブラックをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
カーボンブラック(平均一次粒径25nm) 10重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径8.0μmおよびCV20の黒色母体粒子を製造した。次に、上記黒色母体粒子100重量部に、ジシラザン処理されたシリカ微粒子(平均一次粒径100nm)5.0重量部を添加し、TKミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、その回転速度を55m/秒に設定し、30分間の混合処理を行った(第1混合)。引き続きシリコーンオイル処理を行った平均一次粒径が20nmのチタニア微粒子を0.5重量部添加し、タービュラーミキサー(ウイリーAバッハオーフェン社製)を用い、5分間の混合処理を行うことにより黒色粒子を製造した(第2混合)。
下記した樹脂及びカーボンブラックをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
カーボンブラック(平均一次粒径25nm) 10重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径8.0μmおよびCV20の黒色母体粒子を製造した。次に、上記黒色母体粒子100重量部に、ジシラザン処理されたシリカ微粒子(平均一次粒径100nm)5.0重量部を添加し、TKミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、その回転速度を55m/秒に設定し、30分間の混合処理を行った(第1混合)。引き続きシリコーンオイル処理を行った平均一次粒径が20nmのチタニア微粒子を0.5重量部添加し、タービュラーミキサー(ウイリーAバッハオーフェン社製)を用い、5分間の混合処理を行うことにより黒色粒子を製造した(第2混合)。
[正帯電用表示粒子を帯電させるためのキャリアA]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
[負帯電用表示粒子を帯電させるためのキャリアB]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
[画像表示装置の製造]
画像表示装置は、図4(a)と同様の構造を有するように、以下の方法に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
画像表示装置は、図4(a)と同様の構造を有するように、以下の方法に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
負帯電用表示粒子1gおよびキャリアB 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(21,210)を、図9(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス+50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に負帯電の表示粒子21を付着させた。
正帯電用表示粒子1gおよびキャリアA 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(22,220)を、図9(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス−50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に正帯電の表示粒子22を付着させた。
負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図9(c)に示すように、間隔50μmになるように隔壁で調整して重ね、基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着し、画像表示装置とした。なお、2種類の表示粒子のガラス基板間への体積占有率は25%であった。正帯電の表示粒子と負帯電の表示粒子との含有割合は正帯電の表示粒子/負帯電の表示粒子の個数比でほぼ1/1にしてある。
<実施例2〜13/比較例1〜24>
負帯電の表示粒子および正帯電の表示粒子の製造条件を表1または表2に記載のように変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
負帯電の表示粒子および正帯電の表示粒子の製造条件を表1または表2に記載のように変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
<評価>
・移送性指数
前記した方法に従って、画像表示装置から正帯電表示粒子(白色粒子)と負帯電表示粒子(黒色粒子)とを分離・採取した。採取した正帯電表示粒子(白色粒子)と負帯電表示粒子(黒色粒子)のそれぞれを前記した移送性指数の測定方法に供した。
・移送性指数
前記した方法に従って、画像表示装置から正帯電表示粒子(白色粒子)と負帯電表示粒子(黒色粒子)とを分離・採取した。採取した正帯電表示粒子(白色粒子)と負帯電表示粒子(黒色粒子)のそれぞれを前記した移送性指数の測定方法に供した。
・駆動特性の評価
画像表示装置に対して以下の手順で直流電圧を印加し、電圧印加により得られる表示画像の反射濃度を測定することにより、表示特性を評価した。尚、電圧印加は、以下の手順で行い、印加電圧を0Vからプラス側に変化させた後、続いてマイナス側に変化させ、再び0Vに戻る経路(1サイクル)のヒステリシス曲線を描く様に電圧を印加した。すなわち、
(1)0Vから+250Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(2)+250Vから−250Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(3)−250Vより0Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
上記手順で各画像表示装置に直流電圧を印加したところ、白表示の状態でプラスの電圧を印加した時に、表示が白から黒に変化することが確認された。なお、画像表示装置の視認方向上流側の電極に印加する電圧を変化させ、他方の電極は電気的に接地させた。濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて測定した。
画像表示装置に対して以下の手順で直流電圧を印加し、電圧印加により得られる表示画像の反射濃度を測定することにより、表示特性を評価した。尚、電圧印加は、以下の手順で行い、印加電圧を0Vからプラス側に変化させた後、続いてマイナス側に変化させ、再び0Vに戻る経路(1サイクル)のヒステリシス曲線を描く様に電圧を印加した。すなわち、
(1)0Vから+250Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(2)+250Vから−250Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(3)−250Vより0Vまで50V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
上記手順で各画像表示装置に直流電圧を印加したところ、白表示の状態でプラスの電圧を印加した時に、表示が白から黒に変化することが確認された。なお、画像表示装置の視認方向上流側の電極に印加する電圧を変化させ、他方の電極は電気的に接地させた。濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて測定した。
評価は、初期および1万サイクルの電圧印加後において、表示特性としてコントラストについて行った。繰り返しの電圧印加は交流電圧250V、周波数2Hzの矩形波を印加した。
(コントラスト)
+250Vを印加したときの濃度(黒濃度)、−250Vを印加したときの濃度(白濃度)を測定した。濃度は任意の5箇所について測定し、それらの平均値を用いた。黒濃度と白濃度との差に基づいてコントラストを評価した。コントラストは、濃度差が1.00以上を合格(△)、1.00未満を不合格(×)とした。特に濃度差は1.05以上が好ましく(○)、1.10以上がより好ましい(◎)。
+250Vを印加したときの濃度(黒濃度)、−250Vを印加したときの濃度(白濃度)を測定した。濃度は任意の5箇所について測定し、それらの平均値を用いた。黒濃度と白濃度との差に基づいてコントラストを評価した。コントラストは、濃度差が1.00以上を合格(△)、1.00未満を不合格(×)とした。特に濃度差は1.05以上が好ましく(○)、1.10以上がより好ましい(◎)。
(最低駆動電圧V1)
最低駆動電圧は、0Vから+250Vまで1V間隔で変化させた時、表示濃度の値が下記の値となる時の電圧V1である。V1は、50V以下を合格(△)、50Vを超えるとき不合格(×)とした。特にV1は40V以下が好ましく(○)、30V以下がより好ましい(◎)。
表示濃度=CW+{(CB−CW)×0.1}
コントラストの初期評価において測定された黒濃度を「CB」、白濃度を「CW」とする。
最低駆動電圧は、0Vから+250Vまで1V間隔で変化させた時、表示濃度の値が下記の値となる時の電圧V1である。V1は、50V以下を合格(△)、50Vを超えるとき不合格(×)とした。特にV1は40V以下が好ましく(○)、30V以下がより好ましい(◎)。
表示濃度=CW+{(CB−CW)×0.1}
コントラストの初期評価において測定された黒濃度を「CB」、白濃度を「CW」とする。
1:パーツフィーダ、2:電子天秤、3:駆動部、4:ボール、5:坂路、6:中央部、7:受け皿、8:加振機(電磁石)、9:板ばね、10:画像表示装置、11:12:基板、15:電極、16:絶縁層、17:隔壁、18:隙間、18a:画像表示面、21:黒色粒子、22:白色粒子。
Claims (2)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、帯電された表示粒子を封入し、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子において、
表示粒子が正帯電表示粒子および負帯電表示粒子を含み、正帯電表示粒子および負帯電表示粒子それぞれの移送性指数が20mg/秒以下であることを特徴とする表示粒子。 - 請求項1に記載の表示粒子を備えた画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008191037A JP2010026451A (ja) | 2008-07-24 | 2008-07-24 | 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008191037A JP2010026451A (ja) | 2008-07-24 | 2008-07-24 | 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2010026451A true JP2010026451A (ja) | 2010-02-04 |
Family
ID=41732310
Family Applications (1)
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JP2008191037A Pending JP2010026451A (ja) | 2008-07-24 | 2008-07-24 | 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2010026451A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015194443A1 (ja) * | 2014-06-18 | 2015-12-23 | 株式会社サクラクレパス | エレクトレット性微粒子の製造方法 |
-
2008
- 2008-07-24 JP JP2008191037A patent/JP2010026451A/ja active Pending
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WO2015194443A1 (ja) * | 2014-06-18 | 2015-12-23 | 株式会社サクラクレパス | エレクトレット性微粒子の製造方法 |
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