JP2010025622A - 皮膚水分量分布の鑑別法、その鑑別装置及びプログラム - Google Patents

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真理絵 川畑
Yumika Yamakawa
弓香 山川
Aya Sato
綾 佐藤
Koyo Ozaki
幸洋 尾崎
Atsushi Doi
敦之 土肥
Hideyuki Niizawa
英之 新澤
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Abstract

【課題】 皮膚水分量分布の鑑別法に関し、さらに詳細には、広範囲の皮膚水分量(水分量分布)を非侵襲的且つ迅速・定量的に計測する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】 皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る工程と、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式に、前記工程で得られた反射強度を代入して複数点の皮膚水分量を得る工程と、得られた複数点の皮膚水分量から皮膚水分量分布を鑑別する工程とを含む、皮膚水分量分布の鑑別法、皮膚水分量分布鑑別装置、及び皮膚水分量分布の鑑別プログラム。
【選択図】図5

Description

本発明は、皮膚水分量を測定する技術に関して、さらに詳しくは、広範囲の皮膚水分量、即ち皮膚水分量の分布を測定する技術に関する。
美しい皮膚でありたいと願うのは、女性のみならず万人が思うところであり、この為、化粧料などを使用して皮膚の状態を好ましく保とうと多くの人が思っている現状がある。この皮膚の状態は個人によって大きく異なっているが、かような皮膚の状態にとって最も重要な要素は皮膚の水分量である。皮膚は、表皮、真皮及び皮下組織より構成されており、皮膚の水分として重要なのはこの表皮中の水分、特に表皮を構成している角層中の水分量である。環境や病的な因子等によって正常な角層を形成できないような場合は、角層は適当な水分を保持することができず、皮膚表面は乾燥やしわの発生、更には柔軟性や弾力性の喪失等、様々なトラブルを生じやすく、高精度で簡便な皮膚の水分量を計測する手段が望まれていた。
かような皮膚の水分量の計測法としては、イン・ビトロでの重量法やカール・フィシャー法に始まり、イン・ビボでのATR分光法、更にはより簡便なイン・ビボでの計測法である高周波インピーダンス法や電気伝導度法が一般的に利用されてきた。しかし、最近は、非接触でより高精度に測定できる、近赤外拡散反射スペクトルを多変量解析により求めた検量線を利用した、皮膚水分量測定方法・装置(例えば、特許文献1参照)、毛髪や爪の水分量の測定法(例えば、特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)、皮膚の厚さや表面形態の鑑別法(例えば、特許文献5参照)、毛髪損傷の種類と度合いの判定法(例えば、特許文献6参照)等が開示されている。かような方法によって、非接触且つ高精度に、皮膚の特性を鑑別できるようになった。しかし、上記の計測法はいずれも皮膚における1点のみの測定であり、広範囲の皮膚水分量(水分量分布)を迅速且つ定量的に計測する方法は全く知られていなかった。
特開2002−090298号公報 特開2003−270138号公報 特開2003−344279号公報 特開2003−344278号公報 特開2005−034350号公報 再表2005−096938号公報
このような状況下、本発明者らは、肌性や肌状態を判断して肌のカウンセリングや化粧料の選択等を行うためには、重要な要素である皮膚水分量をただ1点測定するのみでは精度が不十分であり、正確なカウンセリングができないことから、一定範囲の皮膚水分量(水分量分布)を迅速且つ定量的に測定できる手段を検討してきた。
本発明は、このような状況下為されたものであり、皮膚水分量の鑑別技術に関し、さらに詳細には、広範囲の皮膚水分量(水分量分布)を非侵襲的且つ迅速・定量的に計測する技術を提供することを課題とする。
本発明者らはこのような状況を鑑みて、皮膚水分量分布の鑑別技術を求めて面としての分布を測定できる可能性を持つ近赤外カメラを用いることを検討した。近赤外カメラでは
一定の領域における反射強度は得られるもののスペクトルは得られないため、これまでに報告されているような、スペクトルを多変量解析する手法を用いることができない。そこで本発明者らは、1450nm付近に存在する水のスペクトルに着目し、得られる特定波長域の反射強度を、水分のOHバンドの短波長側と長波長側との反射強度に分けて予測式を作製することで、迅速・定量的に皮膚の水分量分布を鑑別できることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術である。
(1)皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る工程と、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式に、前記工程で得られた反射強度を代入して複数点の皮膚水分量を得る工程と、得られた複数点の皮膚水分量から皮膚水分量分布を鑑別する工程とを含む、皮膚水分量分布の鑑別法。
(2)前記近赤外波長域が1050〜1650nmであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
(3)前記予測式が、前記近赤外波長域における、水の吸収波長の中心位置と水の吸収波長の中心位置から長波長側にHnmの位置との間の領域の反射強度をC、水の吸収波長の中心位置と水の吸収波長の中心位置から短波長側にHnmの位置までの領域の反射強度をB、水の吸収波長の中心位置から短波長側に2Hnmの位置と水の吸収波長の中心位置から短波長側にHnmの位置までの領域の反射強度をA、皮膚の水分量をYとしたときに、Y=aX1+bX2+c
(但し、X1=B−A、X2=C−Aとする。また、a、b、cは係数である。)
で表され、前記Hが50〜150であることを特徴とする、(1)又は(2)のいずれかに記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
(4)前記Hが120〜140であることを特徴とする(3)に記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
(5)皮膚水分量分布の鑑別装置であって、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式を入力する手段と、皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る手段と、前記予測式と前記得られた反射強度から複数点の皮膚水分量を得る手段と、前記得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段と、前記算出した水分量分布を表示する手段、とを含む皮膚水分量分布の鑑別装置。
(6)コンピュータを、予め入力した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式と、得られた複数点の皮膚の反射強度から複数点の皮膚水分量を算出する手段、及び得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段、として機能させる皮膚水分量分布の鑑別プログラム。
本発明によって、迅速・定量的に広範囲の皮膚の水分量分布を鑑別する技術を提供できる。したがって、該鑑別法及びその鑑別装置によって、迅速且つ正確に肌性や肌状態を判断できる。
<本発明の鑑別法>
本発明の鑑別法は、皮膚水分量分布の鑑別法であって、近赤外特定波長域の反射強度に対して、皮膚水分量を算出するための予測式を用いることを特徴とする。前述したように、近赤外拡散反射スペクトルの多変量解析により求めた検量線を利用すれば、1点の皮膚水分量を容易に計測できる(特許文献1参照)。本発明の鑑別法では、複数の点の皮膚水分量、即ち皮膚水分量分布を鑑別することができる。ここで言う皮膚水分量分布とは、皮膚の少なくとも10点以上の複数点を大凡同時に計測して表示するものである。本発明の鑑別法では、かように皮膚の複数点を同時に計測して皮膚水分量を得ることで、後述するスプライン補間法や線形補間法を用いて容易に皮膚水分量分布を示す等量線図として表示できる。
<皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る工程>
皮膚の複数の点を同時計測するためには、近赤外カメラを用いることができる。近赤外カメラを用いた場合、特定の検出波長領域における各波長ごとの強度は測定できないが、ある一定の領域の面についての特定の検出波長領域における反射強度を得ることができるため、面としての反射強度の分布を測定することができる。近赤外カメラとしては、例えば、InGaAs近赤外カメラXEVA(キセニクス社製)や赤外ビジコンカメラ C2741-03(浜松ホトニクス株式会社製)等が例示できる。
前記の近赤外カメラを用いて得た皮膚の反射強度から複数点の皮膚水分量を算出できれば、皮膚水分量分布を計測してその等量線図等として表示できる。しかしながら近赤外カメラにより得られるのは、一定波長域の反射強度のデータのみである。該反射強度のベースラインは部位や被験者による変動を有しているため、得られた反射強度から皮膚水分量を推定することは該変動に伴う大きな誤差を有することから、近赤外カメラによる皮膚水分量の精度の高い鑑別は従来不可能であった。
<皮膚水分量と皮膚の近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式>
本発明者らは、近赤外カメラより得られる反射強度を図1のような吸収スペクトルであると仮定した場合の水の吸収波長(OHバンド、1450nm)に着目し、その前後の反射強度及び補正のために使用する反射強度の合計3つの反射強度から予測式を立てることを見出した。この方法を採用することで、ベースラインの変動を除去することができ、非常に精度の高い鑑別を行うことが可能となった。以下、その方法の一例を示す。
図1のように、水の吸収波長の中心より、長波長側と短波長側とに各々Hnmの位置及び短波長側2Hnmの位置を設定し、その3つの領域の反射強度(積分値)をC,B,Aとする。次に、図2のように、部位や被験者によるベースライン変動の除去のため、X1=B−A,X2=C−A、を定義する。Hnmが50〜150nmの範囲において、複数の被験者・部位による外部基準:Y(皮膚水分量測定器による水分測定値)を目的変数に、X1及びX2を説明変数として、重回帰分析を繰り返して行い、皮膚水分量の予測式(検量線)である、Y=aX1+bX2+c、の係数a,b,cを算出する。
ここで、上記Hnmの値について、以下のように適正値を求めた。女性被験者(頬部)6名*6箇所=36サンプルにおいて、Hnmの変化に伴う予測誤差を算出した結果を図3に示す。これより、H=120〜140nmの時に予測誤差が最小であることから、この条件で予測を行えば、近赤外カメラから皮膚水分量を最も精度良く推定できることが分かる。
かようにして求めることができる皮膚水分予測式(Y=aX1+bX2+c)は、皮膚の部位別に作製することによって、予測精度をより高くすることができる。したがって、予め皮膚水分予測式の係数a,b,cを部位別に算出しておくことが好ましい。さらに、かような皮膚水分予測式の精度を上げるためには、該予測式算出のためのサンプル数を増加させ、そのデータベース及び該係数を更新することが望ましい。
なお、本発明に用いる予測式は、上記説明した方法により作成することができるほか、被験者や部位による反射強度のベースラインの変動を除去することができるものであれば特段の限定無く用いることができる。
<鑑別工程>
かようにして作製された部位別の皮膚水分予測式(検量線)に、前述した近赤外カメラからの皮膚の各部位毎の特定波長域の反射強度を代入して、皮膚水分量を精度良く算出することができる。
かようにして算出した例を図4に示す。図4は、実施例1において詳細に説明するが、水分測定値と該皮膚水分予測式によって算出された水分量との散布図及びその直線回帰式を示す(相関係数r=0.860、P<0.01)。これより精度良く皮膚水分量が予測されることが分かる。かようにして予測された皮膚の各位置における皮膚水分量を、各々の位置座標に基づいてスプライン曲線を用いるスプライン補間法等を行ことによって、図5のような水分量の等量線図を求めることができ、水分量分布を鑑別することが可能となる。
本発明の鑑別法における、皮膚の近赤外波長域の反射強度を用いて皮膚水分量分布を鑑別するための近赤外波長域としては、1450nm付近に存在する水の吸収波長前後の近赤外波長域に着目していること、及び必要十分な感度領域を有する近赤外カメラの素子や撮像管の仕様の観点から1050〜1650nmであることが好ましい。前述の図3より、H=120〜140nmであることが最も精度良く測定することができ、水の吸収波長が1450nmであることから、特定波長域は、1170〜1590nmを用いることがより好ましい。図3から、H=130nmが最も望ましいことから、その場合の特定波長域として、1190〜1580nmであることが更に好ましい。
<本発明の皮膚水分量の鑑別装置・プログラム>
本発明の別の態様は、上述した鑑別工程を行う鑑別装置である。即ち、予め用意した皮膚水分量と皮膚の近赤外波長域の反射強度との予測式を入力する手段と、皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る手段と、前記予測式と前記得られた反射強度から複数点の皮膚水分量を得る手段と、前記得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段と、前記算出した水分量分布を表示する手段、とを含む皮膚水分量分布の鑑別装置である。更に、本発明の別の態様は、上記の工程を行うプログラムである。即ち、コンピュータを、予め入力した皮膚水分量と皮膚の近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式と、得られた複数点の皮膚の反射強度から複数点の皮膚水分量を算出する手段、及び得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段、として機能させる皮膚水分量分布の鑑別プログラムである。本発明の鑑別プログラムは、パソコンなどのハードウェアにインストールすることにより、使用することができる。
上記鑑別装置の態様を図6により説明する。本発明の鑑別装置は、パソコンのような汎用コンピュータであってもよく、鑑別のための専用コンピュータであってもよい。入力部1は、上記の予測式の入力手段であり、本発明の鑑別法で使用する予測式を予め入力しておく。入力部1は例えば、キーボードなどの入力装置を使用することができる。データ取得部2は、皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る手段であり、前述したような市販の近赤外カメラを使用することができる。CPU3(Central Processing Unit)は、予め入力した予測式と前記得られた反射強度から複数点の皮膚の水分量分布を算出する手段である。また、皮膚の各位置における鑑別された皮膚水分量を、各々の位置座標に基づいてスプライン曲線を用いるスプライン補間法等を行ことによって、図5のような水分量の等量線図を求める手段とすることもできる。上記の鑑別プログラムをパソコン等の汎用コンピュータにインストールすることで、このような手段として機能する。RAM4(Random Access Memory)は、一時的なデータを格納する記憶手段である。表示部5はCPU3で算出した皮膚水分量分布やその等量線図を出力する手段であり、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置や、プリンタなどの出力装置とすることができる。
前記データ取得部2は、より具体的には、近赤外カメラ、光源、光学フィルター及び光学フィルター切り替え装置等により構成される。前記光学フィルターは3枚用意すればよく、(1450−2H)〜(1450−H)nm、(1450−H)〜1450nm、及び1450〜(1450+H)nmそれぞれの波長領域の光だけを透過し、それ以外の光を透過しないものを用いることが好ましい。
以下に、本発明を実施例など参照にして詳細に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されることはない。
<予測式の作製>
20〜40代の女性被験者6名のTゾーン(前額部及び鼻部)6箇所及びUゾーン(頬部、顎部)6箇所(それぞれのゾーン毎に計36箇所)を対象に、洗顔後15分おいてから、近赤外分光分析装置を用いて拡散反射スペクトルを測定し、及び皮膚水分量計を用いて皮膚水分量を測定した。
次に、 前述した図1、図2に示す予測式の算出方法に従って、水の吸収波長の中心=1450nm、H=130nmを設定した。即ち、図1でいうA領域は1190〜1320nm、B領域は1320〜1450nm、C領域は1450〜1580nmとした。皮膚水分量(Y)を目的変数に、上記測定した拡散反射スペクトルに基づく反射強度から求めたX1及びX2を説明変数として、重回帰分析を繰り返して行い、Tゾーン及びUゾーンについて、皮膚水分量の予測式(検量線)である、Y=aX1+bX2+c、の係数a,b,cを算出した。Tゾーンにおいて、かようにして算出された皮膚水分予測式による水分量と水分測定値とをプロットした散布図及びその直線回帰式を図4に示す(相関係数r=0.860、P<0.01)。これより精度良く皮膚水分量が予測されることが分かる。また、 以下に示す算出結果から、ゾーン毎によってa,b、cの値が異なることが理解され、部位別にa,b、cを算出することによって、より精度が向上することが分かる。
Tゾーン:a=−13.328、b=9.978、c=68.883
Uゾーン:a=−17.821、b=12.076、c=88.309
<計測装置・条件>
本実施例で使用した計測装置及び計測条件を以下に示す。
近赤外分光分析装置:近赤外分光分析計HN200(スペクトロンテック社製)
皮膚水分量計:Corneometer(登録商標)CM825(CK社製)
計測条件:温度20±1℃、湿度50±5%
<皮膚水分量分布の鑑別>
洗顔15分後において、42才の女性被験者の顔面(Tゾーン及びUゾーン)を、光学フィルターを装備する近赤外カメラ(InGaAs近赤外カメラXEVA、キセニクス社)を用いて測定して、1190〜1320nm(A領域)、1320〜1450nm(B領域)、1450〜1580nm(C領域)の波長領域における反射強度を、皮膚の複数点(約8万点)で得た。反射強度が得られた点毎に、上記A、B、C領域における反射強度からX1、X2を求め、実施例1で予め作成したゾーン別皮膚水分量予測式に、該予測式へ代入するのに必要な換算をしたX1、X2を代入して、皮膚水分量の2次元マップデータを算出した。図5に、該2次元マップデータからスプライン補間法によって作製した水分量分布の等量線図を示す。これより、頬部内における水分量の分布に偏りがあることが良く分かり、皮膚水分量の分布を知ることが重要なことが分かる。
種々の肌性の女性10名(20〜59歳)について、実施例2の方法によるUゾーンの皮膚水分量分布の測定及び皮膚水分量計による頬部の1箇所の水分量測定を行った。別途、洗顔30分後に頬部の皮脂量計測(Sebmeter SM810(登録商標)、CK社製)を行い、水分量と皮脂量を参考に、肌分類を行った。本発明による皮膚の水分量分布の鑑別法を用いた肌分類と皮膚の一点の水分量のみを測定できる水分計を用いた肌分類
について、結果(人数分布)を表1に示す。
Figure 2010025622
表1より、本発明の鑑別法を用いた肌分類と水分計を用いた肌分類とを比較すると、水分計による肌分類では、本発明の鑑別法を用いた肌分類で脂性肌であると鑑別された3名中2名が水分量のより少ない脂性乾燥肌へ、普通肌と鑑別された3名中1名が水分量のより少ない乾性肌に分類された。かような判定のズレは、皮膚の一点の水分量のみを測定できる水分計では、脂性肌等に特有な肌表面の凹凸によって正しい測定値を得られなかったことに起因するズレと考えられる。本発明においては、広範囲の皮膚水分量の分布を測定できるため、皮膚の一点の水分量のみを測定した場合と比して測定誤差の影響が起こりにくい鑑別法であると考えられる。
本発明によって、迅速且つ正確に肌性や肌状態を判断でき、その結果、販売の現場等において、迅速且つ正確に、肌性や肌状態のアドバイスや化粧料の選択を行うことが可能な技術を提供できる。
吸収スペクトルとして表示したときの反射強度の分布図における、予測法を説明する図である。 図1においてベースラインの除去法を示す図である。 近赤外カメラによる皮膚水分量の鑑別において、Hnmの変化と予測誤差との関係を示す図である。 水分測定値と予測式による水分予測値との相関関係を示す図である。 実施例2の、近赤外カメラで測定した頬部の皮膚水分量分布を示す図(等量線図)である。 鑑別装置の構成例を示す図である。

Claims (6)

  1. 皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る工程と、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式に、前記工程で得られた反射強度を代入して複数点の皮膚水分量を得る工程と、得られた複数点の皮膚水分量から皮膚水分量分布を鑑別する工程とを含む、皮膚水分量分布の鑑別法。
  2. 前記近赤外波長域が1050〜1650nmであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
  3. 前記予測式が、前記近赤外波長域における、水の吸収波長の中心位置と水の吸収波長の中心位置から長波長側にHnmの位置との間の領域の反射強度をC、水の吸収波長の中心位置と水の吸収波長の中心位置から短波長側にHnmの位置までの領域の反射強度をB、水の吸収波長の中心位置から短波長側に2Hnmの位置と水の吸収波長の中心位置から短波長側にHnmの位置までの領域の反射強度をA、皮膚の水分量をYとしたときに、
    Y=aX1+bX2+c
    (但し、X1=B−A、X2=C−Aとする。また、a、b、cは係数である。)
    で表され、
    前記Hが50〜150であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
  4. 前記Hが120〜140であることを特徴とする請求項3に記載の皮膚水分量分布の鑑別法。
  5. 皮膚水分量分布の鑑別装置であって、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式を入力する手段と、皮膚の複数点の近赤外波長域の反射強度を得る手段と、前記予測式と前記得られた反射強度から複数点の皮膚水分量を得る手段と、前記得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段と、前記算出した水分量分布を表示する手段、とを含む皮膚水分量分布の鑑別装置。
  6. コンピュータを、予め入力した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式と、得られた複数点の皮膚の反射強度から複数点の皮膚水分量を算出する手段、及び得られた複数点の皮膚水分量から皮膚の水分量分布を算出する手段、として機能させる皮膚水分量分布の鑑別プログラム。
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