JP2010018668A - エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた電子部品装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた電子部品装置 Download PDF

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美裕 新津
Mitsuyoshi Hamada
光祥 濱田
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永井  晃
Mitsuo Katayose
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Abstract

【課題】 良好な離型性及び良好なパッケージ外観を与えるエポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置を提供する。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材及び(E)メタロセン系触媒を用いて製造された、酸化ポリオレフィン系ワックス化合物である離型剤と、(F)α−オレフィン、無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む化合物を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物及び上記のエポキシ樹脂組成物を用いて封止した素子を備えた電子部品装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂組成物が封止用エポキシ樹脂成形材料として広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年は、電子部品装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、多ピン化、素子のパッケージに対する占有面積増大化等が進んでおり、同時に、従来のDIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Aray)等から、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、さらにはTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等へと、電子部品装置の薄型化が進んでいる。
一方、電子部品装置の生産効率の向上及び良好な連続成形性が求められており、一般に、エポキシ樹脂組成物には、金型からの円滑な脱型を目的に離型剤が添加されている。
離型剤として例えばα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物や、酸化マイクロクリスタリンワックスを用いた方法(例えば、特許文献1及び2参照)、スチレンと無水マレイン酸との共重合物を用いた方法(例えば、特許文献3参照。)等の報告がある。
しかし、離型剤の添加によって良好な離型性を得ることはできても、連続成形をある程度続けると、染み出した離型剤が金型に蓄積されるためこれが汚れとなり、この汚れがパッケージの表面に転写されるためにパッケージの外観不良の原因となり易いという問題を抱えている。
特開2001−214030公報 特開2000−034505公報 特開平10−036486号公報
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、良好な離型性及び良好なパッケージ外観を与えるエポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物で封止した素子を備えた電子部品装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の離型剤及び特定の化合物を併用することによって、上記の目的を達成可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材及び(E)メタロセン系触媒を用いて製造された、酸化ポリオレフィン系ワックス化合物である離型剤と、(F)α−オレフィン、無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む化合物を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記のエポキシ樹脂組成物を用いて封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてIC、LSI等の電子部品の素子を封止することにより、後述の実施例から明らかとなるように離型性及びパッケージ外観に優れる電子部品装置を提供することが可能となり、その工業的価値は高い。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(A)エポキシ樹脂
本発明において、(A)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いることができる。そのようなエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂)、
ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;
フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したもの等のグリシジル型またはメチルグリシジル型のエポキシ樹脂;
分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
ハイドロキノン型エポキシ樹脂;
トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;
オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物;
ビスフェノールSを除く硫黄原子含有型エポキシ樹脂
等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、流動性、信頼性等の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物がより好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、それらの性能を発揮するためには、エポキシ樹脂全量に対して、それらを合計で30重量%以上使用することが好ましく、50重量%以上使用することがより好ましい。以下、好ましいエポキシ樹脂の具体例を示す。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂の中でもRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位とした時の3,3’,5,5’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるYX−4000H(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、全てのRが水素原子である4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、全てのRが水素原子の場合及びRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基でそれ以外が水素原子である場合の混合品であるYL−6121H(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(I)中、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜18のアリール基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、ジフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂の中でも、Rの全てが水素原子でありRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるYSLV−80XY(新日鐵化学株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(II)中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
硫黄原子含有型エポキシ樹脂としては、硫黄原子を含有するエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、例えば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂の中でも、Rのうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3’位がtert−ブチル基で6,6’位がメチル基でそれ以外が水素原子であるYSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(III)中、Rは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
ノボラック型エポキシ樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂であれば、特に制限はないが、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂が好ましく、例えば、下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂の中でも、Rの全てが水素原子でありRがメチル基でi=1であるESCN−190、ESCN−195(住友化学株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(IV)中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料としてエポキシ化したエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂の中でも、m=0であるHP−7200(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(V)中、Rは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、mは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂としては、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば特に制限はないが、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フェノール樹脂等のサリチルアルデヒド型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等のサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂の中でも、i=0、k=0である1032H60(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、EPPN−502H(日本化薬株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668
(式(VI)中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂としては、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に制限はないが、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を用いたノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものが好ましく、下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂の中でも、R12がメチル基でi=1であり、j=0、k=0であるNC−7300(日本化薬株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(VII)中、R10〜R12は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示し、pは平均値で0〜1の整数を示し、l、mはそれぞれ平均値で0〜11の整数であり(l+m)は1〜11の整数を示す。)
上記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂としては、1個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物としては、フェノール、クレゾール等のフェノール類及び/又はナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体から合成されるフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に制限はない。
例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール類及び/又はナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体から合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものが好ましく、下記一般式(VIII)及び(IX)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。
下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂の中でも、i=0、R14が水素原子であるNC−3000S(日本化薬株式会社製、商品名)、i=0、R14が水素原子であるエポキシ樹脂と一般式(I)の全てのRが水素原子であるエポキシ樹脂を重量比80:20で混合したCER−3000(日本化薬株式会社製、商品名)などが、下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂の中でも、j=0、k=0であるESN−175(新日鐵化学株式会社、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(VIII)及び(IX)において、R13〜R17は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記一般式(I)〜(IX)中のR〜R17ついて、「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(I)中の8〜88個のRの全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR〜R17についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。またR〜R17はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、RとRの全てについて同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(I)〜(IX)中のnは、0〜10の範囲である必要があり、10を超えた場合は(A)成分の溶融粘度が高くなるため、エポキシ樹脂組成物の溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形を引き起こしやすくなる。1分子中の平均nは0〜4の範囲に設定されることが好ましい。
(B)硬化剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には、(B)硬化剤を用いることを必須とする。使用可能な硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂を硬化させることができる化合物であれば、特に制限はない。例えば、フェノール樹脂などのフェノール化合物、ジアミン、ポリアミン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の無水有機酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸等のカルボン酸化合物等が挙げられ、これら化合物の1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても差し支えない。中でも、本発明の効果が十分に発揮されるという観点からは、フェノール化合物が好ましい。
(B)硬化剤として使用可能なフェノール化合物としては特に制限はない。例えば、硬化剤として一般に使用される1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物であってよく、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物;
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;
メラミン変性フェノール樹脂;
テルペン変性フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;
多環芳香環変性フェノール樹脂;
ビフェニル型フェノール樹脂;
トリフェニルメタン型フェノール樹脂;
これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂
等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のフェノール化合物の中でも、成形性、耐リフロー性に優れるアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型とアラルキル型の共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型とアラルキル型の共重合型フェノール樹脂がより好ましい。これらのフェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよいが、それらの性能を発揮するためには、フェノール樹脂全量に対して、それらを合計で30重量%以上使用することが好ましく、50重量%以上使用することがより好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体から合成されるフェノール樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(X)〜(XII)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
Figure 2010018668
(式(X)〜(XII)において、R18〜R24は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、jは0〜2の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
上記一般式(X)で示されるフェノール樹脂の中でも、i=0、R19が全て水素原子であるMEH−7851(明和化成株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
上記一般式(XI)で示されるフェノール樹脂の中でも、i=0、k=0であるXL−225、XLC(三井化学株式会社製商品名)、MEH−7800(明和化成株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
上記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂の中でも、j=0、k=0であるSN−170(新日鐵化学株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂が好ましい。下記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0であるDPP(新日本石油化学株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(XIII)中、R25は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
サリチルアルデヒド型フェノール樹脂としては、サリチルアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(XIV)で示されるフェノール樹脂が好ましい。下記一般式(XIV)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、k=0であるMEH−7500(明和化成株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(XIV)中、R26及びR27は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
ベンズアルデヒド型とアラルキル型との共重合型フェノール樹脂としては、ベンズアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、k=0、q=0であるHE−510(エア・ウォーター・ケミカル株式会社製、商品名)などが市販品として入手可能である。
Figure 2010018668

(式(XV)中、R28〜R30は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、qは0〜5の整数、l、mはそれぞれ平均値で0〜11の整数であり(l+m)は1〜11の正数を示す。)
ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフェノール樹脂であれば特に制限はないが、下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、R31が全て水素原子であるタマノル758、759(荒川化学工業株式会社製、商品名)、HP−850N(日立化成工業株式会社製、商品名)等が市販品として入手可能である。
Figure 2010018668
(式(XVI)中、R31及びR32は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜10の整数を示す。)
上記一般式(X)〜(XVI)におけるR18〜R32について記載した「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式(X)中のi個のR18の全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。他のR19〜R32についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。またR18〜R32は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R18及びR19の全てについて同一でも異なっていてもよく、R26及びR27の全てについて同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(X)〜(XVI)におけるnは、0〜10の範囲である必要があり、10を超えた場合は(B)硬化剤成分の溶融粘度が高くなるため、エポキシ樹脂組成物の溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形を引き起こしやすくなる。1分子中の平均nは0〜4の範囲に設定されることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂としてエポキシ樹脂を使用し、そのエポキシ樹脂の(B)硬化剤としてフェノール樹脂を使用する場合、上記成分(A)と(B)との配合比率は、全エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する全フェノール樹脂の水酸基当量の比率(フェノール樹脂中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)で0.5〜2.0の範囲に設定することが好ましく、上記比率が0.7〜1.5であることがより好ましく、0.8〜1.3であることがさらに好ましい。上記比率が0.5未満ではエポキシ樹脂の硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性及び電気特性が劣る傾向がある。一方、上記比率が2.0を超えるとフェノール樹脂成分が過剰となり、硬化効率が低下するだけでなく、硬化樹脂中に多量のフェノール性水酸基が残るため、パッケージの電気特性及び耐湿性が低下する傾向がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、(C)硬化促進剤を使用することを必須とする。本発明において併用可能な硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の反応を促進する化合物であれば制限はなく、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2―フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、硬化性及び流動性の観点からは第三ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、保存安定性の観点からはシクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加物が好ましく、ジアザビシクロウンデセンのフェノールノボラック樹脂塩がより好ましい。これらの硬化促進剤の配合量は硬化促進剤全量に対して合わせて60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
第三ホスフィンとキノン化合物との付加物に用いられる第三ホスフィンとしては特に制限はないが、例えば、トリブチルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−エトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられ、成形性の点からはトリブチルホスフィン及びトリフェニルホスフィンが好ましい。
また、第三ホスフィンとキノン化合物との付加物に用いられるキノン化合物としては特に制限はないが、例えば、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等が挙げられ、耐湿性又は保存安定性の観点からはp−ベンゾキノンが好ましい
(C)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成できれば特に制限はない。しかし、樹脂組成物の吸湿時の硬化性及び流動性における改善の観点からは、(A)エポキシ樹脂の合計100重量部に対し、(C)硬化促進剤を合計で好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜7.0重量部配合することが望ましい。配合量が0.1重量部未満では短時間で硬化させることが困難であり、10重量部を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品が得られない場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、(D)無機充填材をさらに配合する。本発明において用いられる(D)無機充填材としては、特に制限はなく、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の微粉未、又はこれらを球形化したビーズなどが挙げられる。
さらに、難燃効果のある無機充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。これらの無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)無機充填材の配合量は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、エポキシ樹脂組成物に対して55〜90重量%の範囲であることが好ましい。これら無機充填材は硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の改良を目的に配合するものであり、配合量が55重量%未満ではこれらの特性の改良が不十分となる傾向があり、90重量%を超えるとエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇して流動性が低下し成形が困難になる傾向がある。
また、(D)無機充填材の平均粒径は1〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。1μm未満ではエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇しやすく、50μmを超えると樹脂成分と無機充填材とが分離しやすくなり、硬化物が不均一になったり硬化物特性がばらついたり、狭い隙間への充填性が低下したりする傾向がある。
流動性の観点からは、(D)無機充填材の粒子形状は角形より球形が好ましく、(D)無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填材を75重量%以上配合する場合、その70重量%以上を球状粒子とし、0.1〜80μmmという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填材は最密充填構造をとりやすいため配合量を増加させても材料の粘度上昇が少なく、流動性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
本発明において用いられる、(E)メタロセン系触媒を用いて製造された、酸化ポリオレフィン系ワックス化合物は、離型剤として働く為の主成分である。
本発明で用いられる(E)成分は、未変性のポリオレフィンワックスが酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスが好ましい。
変性ポリオレフィンワックスとしては、熱硬化性樹脂に対する相溶性の点で酸グラフト変性されたポリオレフィンが好ましい。
本発明において用いられる(E)成分の酸価(JIS K5902)は、好ましくは6〜30mgKOH/g、より好ましくは10〜20mgKOH/gである。(E)成分の、GPCで測定したMn(数平均分子量)は通常200〜5,000、好ましくは500〜2,000、より好ましくは800〜1,800である。
また、DSCで測定した融点は70〜120℃、好ましくは80〜110℃である。
また(E)成分の溶融粘度は通常100〜1,000mPa・s、好ましくは200〜800mPa・sである。(E)成分の軟化点は通常80〜120℃、好ましくは90〜110℃である。(E)成分の針入度は通常0.1〜10、好ましくは0.5〜5である。
ここに、酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。これらの酸化ポリオレフィンワックスは、単独であっても複数種の酸化ポリオレフィンワックスの混合であっても、他の天然ワックスと混合して用いても差し支えない。
(E)成分の配合量は、特に制限はないが、全樹脂組成物中に好ましくは0.03〜1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.8重量%である。離型剤の配合量が前記範囲内(全樹脂組成物中に0.03〜1.0重量%)にあると、トランスファー成形機や射出成形機シリンダー内における樹脂組成物の付着が少なく安定して成形が行え、また半導体封止半導体装置表面及び半導体装置内部の各界面へのブリードが少なく、半導体装置内部の密着性、半田耐熱性耐湿信頼性に優れる。
本発明において用いられる、(F)α−オレフィン、無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む化合物は、主として、(A)成分のエポキシ樹脂及び(E)成分中の酸化型ポリオレフィンとの分散剤として働くものである。(F)成分を更に配合することにより、特にパッケージ汚れ防止により一層の効果を得ることが可能となる。
本発明における(F)成分に用いられるα−オレフィンとしては、特に制限はないが、例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン等の直鎖型α−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3,4−ジメチル−ペンテン、3−メチル−1−ノネン、3,4−ジメチル−オクテン、3−エチル−1−ドデセン、4−メチル−5−エチル−1−オクタデセン、3,4,5−トリエチル−1−1−エイコセン等の分岐型α−オレフィンなどが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、無水マレイン酸の他、無水マレイン酸誘導体としては、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物等、下記一般式(XVII)で表される化合物を挙げることができ、単独で用いても2種以上を組み合わせても良い。
Figure 2010018668

(式(XVII)で、R及びRはアルキル基又はアリール基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。)
(F)成分であるα−オレフィンと無水マレイン酸及びその誘導体の少なくとも一方(以下、「無水マレイン酸類」という。)との共重合物は、特に制限はないが、例えば、下記一般式(XVIII)で示される化合物、下記一般式(XIX)で示される化合物等が挙げられ、市販品としては、1−エイコセン、1−ドコセン及び1−テトラコセンを原料として用いたニッサンエレクトールD121(日油株式会社製、商品名)などが入手可能である。
Figure 2010018668

(式(XVIII)及び(XIX)中のRは、一価の脂肪族炭化水素基を示し、nは1以上の整数である。mは、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合比を示し、特に制限はないが、α−オレフィンをXモル、無水マレイン酸をYモルとした場合、X/Y、すなわち、mは1/5以上〜5/1以下が好ましい。)
本発明の効果を得る為には(F)成分として、炭素数が10〜40のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることが好ましく、炭素数が15〜30のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることがより好ましく、炭素数が18〜25のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることが特に好ましい。
また、α‐オレフィンと無水マレイン酸類との重合比率(例えば、上記一般式(XVIII)及び(XIX)のm)は、α‐オレフィン/無水マレイン酸類=1/5〜5/1(m=0.2〜5)が好ましく、1/3〜3/1(m=0.33〜3)がより好ましく、1/2〜2/1(m=0.5〜2)が特に好ましい。ほぼ等モル程度の1/1(m=1)前後がさらに好ましい。α−オレフィンの炭素数が10未満、又はα−オレフィンと無水マレイン酸類の重合比率が、1/5未満であると親水性が強くなり過ぎ、(E)成分の酸化型ポリオレフィン系離型剤との相溶性が劣り、α−オレフィンの炭素数が40を超える、又はα−オレフィン/無水マレイン酸類の比率が5/1より大きいと疎水性が強くなり過ぎ、(A)成分や(E)成分の相溶性が劣るという傾向がある。
(F)成分の分子量は、金型・パッケージ汚れ及び成形性の観点から、70,000以下であることが好ましく、10,000〜50,000がより好ましく、20,000〜40,000がさらに好ましい。
α−オレフィンと無水マレイン酸類との共重合物の製造方法としては、特に制限はなく、原材料を反応させる等の一般的な共重合方法を用いることができる。反応には、α−オレフィンと無水マレイン酸類が溶解可能な有機溶剤等を用いてもよい。
有機溶剤としては特に制限はないが、トルエンが好ましく、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アミン系溶剤等も使用できる。反応温度は、使用する有機溶剤の種類によっても異なるが、反応性、生産性の観点から、50〜200℃とすることが好ましく、80〜120℃がより好ましい。
反応時間は、共重合物が得られれば特に制限はないが、生産性の観点から1〜30時間とするのが好ましく、より好ましくは2〜15時間、さらに好ましくは4〜10時間である。反応終了後、必要に応じて、加熱減圧下等で未反応成分、溶剤等を除去することができる。
その条件は、温度を100〜220℃、より好ましくは120〜180℃、圧力を13.3×10Pa以下、より好ましくは8×10Pa以下、時間を0.5〜10時間とすることが好ましい。
また、反応には、必要に応じてアミン系触媒、酸触媒等の反応触媒を加えてもよい。反応系のpHは、1〜10程度とするのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、必要に応じて上述の成分(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)離型剤及び(F)分散剤に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和剤、難燃剤、着色剤といった各種添加剤を追加してもよい。しかし、本発明のエポキシ樹脂組成物には、以下の添加剤に限定することなく、必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を追加してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。
カップリング剤の配合量は、(D)無機充填材に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では半導体パッケージ内のチップやリードフレームとの接着性が低下する傾向があり、5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
上記カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ジフェニルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、グリシジル基含有シラン及びアニリノシランのカップリング剤が流動性及び接着性の観点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、陰イオン交換体を必要に応じて配合することができる。特にエポキシ樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、陰イオン交換体を配合することが好ましい。
本発明において用いられる陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(XX)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。
Figure 2010018668
これらの陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はないが、(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%の範囲が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合することができる。応力緩和剤を配合することにより、パッケージの反り変位量、パッケージクラックを低減させることができる。使用できる応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の可とう剤(応力緩和剤)であれば特に制限はない。
一般に使用されている可とう剤としては、例えば、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、シリコーン系可とう剤が好ましく、シリコーン系可とう剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、難燃性を付与するために必要に応じて難燃剤を配合することができる。本発明において用いられる難燃剤としては特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機若しくは無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の配合量は、難燃効果が達成されれば特に制限はないが、エポキシ樹脂などの(A)エポキシ樹脂に対して1〜30重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
また、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を配合しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる方法を用いても調製できる。一般的な方法としては、所定の配合量の成分をミキサーなどによって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると取り扱いが容易である。
本発明になる電子部品装置は、上述のエポキシ樹脂組成物によって封止した素子を備えることを特徴とする。
電子部品装置としては、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものが挙げられ、それら素子部を本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形などによって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。
また、プリント回路板にも本発明のエポキシ樹脂組成物は有効に使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的ではあるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限するものではない。
〔エポキシ樹脂組成物の調製及びその特性評価〕
(A)エポキシ樹脂として、エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1:ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名YX−4000H)、エポキシ当量200、軟化点65℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2:住友化学株式会社製、商品名ESCN−190)、エポキシ当量240、軟化点90℃のビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂/ビフェノールのグリシジルエーテル化物混合物(エポキシ樹脂3:日本化薬株式会社製、商品名CER−3000)、臭素化エポキシ樹脂として、エポキシ当量393、軟化点80℃、臭素含有量48重量%の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用意した。
(B)硬化剤として、水酸基当量176、軟化点70℃のフェノールアラルキル樹脂(硬化剤1:三井化学株式会社製、商品名ミレックスXL−225)を用意した。
(C)硬化促進剤として、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加反応物を用意した。
(D)無機充填材として、平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカを用意した。
(E)成分の離型剤として、メタロセン系触媒で製造された、数平均分子量1300、針入度3、酸価14mgKOH/gの酸化ポリエチレン(酸化ポリエチレン1:三井化学株式会社製、商品名15341PA)及び(E)成分の比較離型剤として、チーグラー系触媒で製造された、数平均分子量200、針入度5、酸価25mgKOH/gの酸化ポリエチレン(酸化ポリエチレン2:クラリアントジャパン株式会社製、商品名PED522)を用意した。
本発明の(F)成分の化合物として日本油脂株式会社製、商品名ニッサンエレクトールD121、その他、各種添加剤として、カップリング剤であるエポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、着色剤であるカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名MA−100)、難燃剤である三酸化アンチモンを用意した。
上述の成分をそれぞれ表1に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間15分の条件でロール混練を行うことによって、それぞれ実施例1〜3及び比較例1〜9のエポキシ樹脂組成物を得た。
Figure 2010018668
Figure 2010018668
次に、実施例1〜3及び比較例1〜9によって得られたエポキシ樹脂組成物を、以下に示す各種試験によって評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
(1)離型性
表面に硬質クロムメッキが施されたフェロ板(35mm×50mm×0.5mmt)上に、上記条件にてエポキシ樹脂組成物を円板上に成形(円板面積3.14cm)、成形直後の剪断離型力(剪断離型強度)をプッシュプルゲージ(株式会社イマダ製、最大目盛500(N))で読み取る作業を10回繰り返し、10回後(10ショット後)の剪断離型力を測定した。10回後(10ショット後)の剪断離型力が30N未満のものを離型性が良好とした。
(2)連続成形性及びパッケージ汚れ
エポキシ樹脂組成物をTOWAプレス(藤和精機株式会社製、TPS−60H、TSOP28p用)を用いて、180℃、6.9MPa、90秒の条件で500ショットの連続成形を行い、金型へのはりつき、ゲート残りの有無等により連続成形性を確認し、50ショット毎にサンプリングした成形品を目視により観察することで、パッケージ汚れの有無を確認した。
なお、連続成形性は、連続500ショット中に、カルの上型貼り付きその他の離型トラブルが一度も起きなかった場合「良好」とし、離型トラブルが一度でも起きた場合「不良」とした。パッケージ汚れについては、500ショットのパッケージを観察し、ゲート口からの汚れの広がり具合の程度から、次の5段階に評価した。
◎:汚れなし
○:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%以下
△:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%超〜20面積%以下
×:汚れの広がりがパッケージ表面の20面積%超〜50面積%以下
××:汚れの広がりがパッケージ表面の50面積%超
Figure 2010018668
Figure 2010018668
表3及び表4に示されるように、本発明になる(E)成分及び(F)成分を両方含む実施例1〜3は、いずれにおいても離型性、連続成形性及びパッケージ汚れに優れることが明らかである。
これにより、本発明のエポキシ樹脂組成物は、離型性、連続成形性及びパッケージ汚れに優れており、このエポキシ樹脂組成物を用いてIC、LSI等を封止すれば優れた電子部品装置を得ることができる。

Claims (2)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材及び(E)メタロセン系触媒を用いて製造された、酸化ポリオレフィン系ワックス化合物である離型剤と、(F)α−オレフィン、無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む化合物を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を用いて封止した素子を備えた電子部品装置。
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