JP2010014492A - トルク推定装置、トルク推定装置を備える車両、及びトルク推定方法 - Google Patents

トルク推定装置、トルク推定装置を備える車両、及びトルク推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の出力軸と回転電機に接続される入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両において、入力軸に作用するトルクを精度よく推定する。
【解決手段】ハイブリッド車両10のECU40の記憶部44には、ダンパ50のねじれ角度とインプットシャフト36に作用するトルクとを対応づけるマップ情報であってダンパ50の特性に基づいて生成されるマップ情報が記憶される。ECU40の制御部42は、ダンパ50のねじれ角度を取得し、取得したねじれ角度と記憶部44内のマップ情報とに基づいて、インプットシャフト36に作用するトルクの値を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トルク推定装置、トルク推定装置を備える車両、及びトルク推定方法に関する。
内燃機関及び回転電機を駆動源として用いるハイブリッド車両には、内燃機関のクランクシャフト(出力軸)と回転電機からの動力を受けるインプットシャフト(入力軸)とがトーショナルダンパなどのねじれ要素を介して接続される構成を有するものがある。このような構成を有する車両において、クランクシャフトの回転数などに基づいて内燃機関の失火の判定などの処理を行う場合に、ねじれ要素のねじれ角度がクランクシャフトの回転に与える影響を考慮することで、判定処理の精度を向上させる技術がある。
例えば、特許文献1に記載の技術では、ダンパのねじれ角度の変動を用いてクランクシャフトの回転数の変動を補正することで、クランクシャフトの回転数の変動に基づく失火判定の精度を向上させる。
また例えば、特許文献2には、ダンパのばね係数、減衰定数、及びダンパのねじれ角度を用いて、クランクシャフトの回転角速度に影響する影響成分を演算し、エンジン回転角速度から影響成分を減じて得られる判定用角速度を用いてエンジンの失火を判定する技術が開示されている。
特開2007−170247号公報 特開2008−57492号公報
ところで、クランクシャフトとインプットシャフトとの間に設けられるダンパは、複数の異なるばね定数を有する場合がある。また、ダンパは、そのねじれ角度に応じて、複数の段階のヒステリシス特性を有することがある。例えば、ダンパは、ねじれ角度が所定の範囲内の場合に、比較的小さなヒステリシストルクが生じる低ヒステリシス特性を示し、ねじれ角度がその所定の範囲外の場合に、低ヒステリシス特性の場合よりも大きなヒステリシストルクが生じる高ヒステリシス特性を示すことがある。
しかしながら、例えば特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、ダンパがクランクシャフトの回転へ与える影響を求める際に、ダンパが複数の異なるばね定数を有する場合や複数の段階のヒステリシス特性を有する場合を考慮した処理は行われない。
本発明の1つの態様のトルク推定装置は、内燃機関の出力軸と回転電機からの動力を受ける入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両に搭載され、前記入力軸に作用するトルクを推定するトルク推定装置であって、前記ねじれ要素のねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報であって前記ねじれ要素の特性に基づいて生成されるマップ情報を記憶する記憶手段と、前記ねじれ要素のねじれ角度を取得し、取得したねじれ角度と前記マップ情報とに基づいて、前記入力軸に作用するトルクの値を推定する推定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの態様のトルク推定装置において、前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度に応じて異なる複数のばね定数を示す特性を有し、所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、に基づいて、前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報を生成し、生成したマップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段、をさらに備えていてよい。
本発明の1つの態様のトルク推定装置において、さらに、前記複数の時点のそれぞれにおける前記内燃機関の出力トルクを、対応する時点で取得される前記ねじれ角度で除算することで、前記複数のばね定数を求めてもよい。
本発明の1つの態様のトルク推定装置において、前記複数の時点で検出される前記回転電機の電流値に基づいて求めた値を、それぞれ対応する時点での前記内燃機関の出力トルクの値として用いるものであってよい。
本発明の他の1つの態様のトルク推定装置において、前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度に応じて異なる複数のばね定数を示す特性を有し、所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、に基づいて、前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報を生成し、生成したマップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段、をさらに備えていてよい。
本発明の他の1つの態様のトルク推定装置において、さらに、前記複数の時点のそれぞれにおける前記回転電機の出力トルクを、対応する時点で取得される前記ねじれ角度で除算することで、前記複数のばね定数を求めてもよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記ねじれ要素は、さらに、前記ねじれ角度が所定の値の範囲外である場合にヒステリシストルクを生じるヒステリシス特性を有し、前記記憶手段は、さらに、前記ヒステリシス特性に基づいて求められるトルク補正値を記憶し、前記推定手段は、前記ねじれ角度を取得するとともに前記ねじれ角度の変化率を求め、前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合は、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値を、前記入力軸に作用するトルクの値とし、前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合は、前記ねじれ角度の変化率が正であれば、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値に前記トルク補正値を加算した値を前記入力軸に作用するトルクの値とし、前記ねじれ角度の変化率が負であれば、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値から前記トルク補正値を減算した値を前記入力軸に作用するトルクの値とする、ものであってよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記回転電機の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記回転電機の出力トルクの値から前記回転電機の出力トルクを減少させ、前記回転電機の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記内燃機関の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記内燃機関の出力トルクの値から前記内燃機関の出力トルクを減少させ、前記内燃機関の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度が所定の値の範囲外である場合にヒステリシストルクを生じるヒステリシス特性を有し、前記記憶手段は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合における前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づける第1マップ情報と、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合における前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づける第2マップ情報と、を記憶し、前記推定手段は、前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合に、前記第1マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられたトルクの値を前記入力軸に作用するトルクの値とし、前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合に、前記第2マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられたトルクの値を前記入力軸に作用するトルクの値とする、ものであってよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記回転電機の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記回転電機の出力トルクの値から前記回転電機の出力トルクを減少させ、前記回転電機の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明のさらに他の1つの態様のトルク推定装置において、前記内燃機関の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記内燃機関の出力トルクの値から前記内燃機関の出力トルクを減少させ、前記内燃機関の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、をさらに備えていてよい。
本発明の他の1つの態様の車両は、内燃機関の出力軸と、回転電機に接続される入力軸と、がねじれ要素を介して接続された車両において、本発明の上述のいずれかの態様のトルク推定装置を備える、ことを特徴とする車両である。
本発明の他の1つの態様のトルク推定方法は、内燃機関の出力軸と回転電機からの動力を受ける入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両において前記入力軸に作用するトルクを推定するトルク推定方法であって、前記ねじれ要素のねじれ角度を取得するステップと、前記ねじれ要素のねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報であって前記ねじれ要素の特性に基づいて生成されるマップ情報を記憶する記憶手段を参照し、取得した前記ねじれ角度と前記マップ情報とに基づいて、前記入力軸に作用するトルクの値を推定するステップと、を備えることを特徴とするトルク推定方法である。
本発明によると、内燃機関の出力軸と回転電機に接続される入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両において、入力軸に作用するトルクを精度よく推定できる。
図1は、本発明の1つの実施形態のトルク推定装置が搭載されるハイブリッド車両の概略構成の例を示す図である。図1の例のハイブリッド車両10は、エンジン20、モータMG1、モータMG2、動力分配機構30、及びECU(Electronic Control Unit)40を備える。
エンジン20は、例えばガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関である。エンジン20の出力軸であるクランクシャフト22は、ねじれ要素であるトーショナルダンパ(以下、単に「ダンパ」と呼ぶ)50を介して動力分配機構30に接続される。
モータMG1及びモータMG2は、いずれも、発電機及び電動機として駆動可能な回転電機であり、インバータ60を介してバッテリ62と電気的に接続される。モータMG1は、エンジン20の始動時には、バッテリ62からの電力供給を受けて電動機として機能し、クランクシャフト22を回転させるクランキングの駆動源となる。また、エンジン20の動作中には、モータMG1は、エンジン20から出力される動力を受けて発電機として機能し、バッテリ62を充電することができる。モータMG2は、バッテリ62からの電力供給を受けて電動機として機能し、車両の駆動輪80a,80bの駆動源となる。モータMG2もまた、発電機として機能することがある。
動力分配機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、サンギヤ31と同心円状に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合するとともにリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転自在かつ公転自在に保持するキャリア34と、を備え、サンギヤ31、リングギヤ32、及びキャリア34を回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成される。キャリア34の回転軸であるインプットシャフト36は、ダンパ50を介してエンジン20のクランクシャフト22と連結される。サンギヤ31の回転軸はモータMG1と連結され、リングギヤ32の回転軸はモータMG2と連結される。動力分配機構30は、モータMG1が発電機として機能するときには、キャリア34に入力されるエンジン20からの動力をサンギヤ31側及びリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときには、キャリア34に入力されるエンジン20からの動力とサンギヤ31に入力されるMG1からの動力とを統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ32の回転軸からギヤ機構70及びデファレンシャルギヤ72を介して、車両の駆動輪80a,80bに出力される。
ECU40は、エンジン20及びモータMG1,MG2などの動作を制御する制御装置である。ECU40は、制御部42及び記憶部44を備える。ECU40は、マイクロコンピュータなどを用いて実現でき、ECU40の機能の一部が本発明の1つの実施形態のトルク推定装置として機能する。
制御部42は、エンジンスタートスイッチ(図示しない)及び各種の車両搭載機器に設けられるセンサ(図示しない)などから取得される信号に基づいて、エンジン20及びモータMG1,MG2の動作を制御する。例えば、制御部42は、エンジン20の始動を指示するエンジンスタートスイッチがオンであることを示す信号STを取得した場合に、モータMG1を電動機として作動させる制御信号をインバータ60に対して出力し、エンジン20のクランキングを開始させる。また例えば、制御部42は、車両の運転者によるアクセルペダル(図示しない)の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速センサ(図示しない)から得られる車速Vとに基づいて、駆動輪80a,80bに対して出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ32の回転軸に出力されるように、エンジン20及びモータMG1,MG2の動作を制御する。
また例えば、制御部42は、エンジン20のクランクシャフト22の回転角(クランク角)を検出するクランク角センサの検出信号θCS及びモータMG1,MG2の回転角を検出するレゾルバの検出信号θMG1,θMG2などを用いて、インプットシャフト36に作用するトルクを推定する処理を行う。制御部42は、例えば、クランク角センサの検出信号θCSの表すクランク角が所定の角度(例えば、30度)だけ変化する度に、モータMG1,MG2のそれぞれのレゾルバの検出信号θMG1,θMG2を取得し、後述のトルク推定処理などの処理を行う。あるいは、制御部42は、所定の時間間隔で、クランク角センサの検出信号θCS、及びモータMG1,MG2にそれぞれ設けられるレゾルバの検出信号θMG1,θMG2を取得してもよい。
制御部42は、例えばマイクロコンピュータのCPU(中央演算装置)によって実現される。
記憶部44には、制御部42が行う処理の手順を記述したプログラム、及び制御部42が行う処理に必要な情報が記憶される。記憶部44は、例えば、マイクロコンピュータのROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置によって実現される。
制御部42は、記憶部44に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、以下で説明する各例の処理を行う。
以下、ECU40の制御部42が行う処理について説明する。
図2は、制御部42が行うトルク推定処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部42は、例えば、エンジン20の燃焼状態などの判定のためにインプットシャフト36トルクを推定する必要が生じた場合に、図2に例示する手順の処理を開始する。
図2を参照し、まず、制御部42は、ダンパねじれ角度θdampを算出する(ステップS10)。ダンパねじれ角度θdampは、エンジン20のクランク角θCSとインプットシャフト36の回転角θISとの差分として算出される。図3に、ダンパねじれ角度算出処理の詳細手順の一例を示す。
図3を参照すると、制御部42は、モータMG1,MG2のそれぞれの回転角θMG1,θMG2の積算値ΣθMG1,ΣθMG2及びクランク角θCSを取得する(ステップS100)。制御部42は、エンジン20及びモータMG1,MG2を含むシステムの作動中、例えば、クランク角が所定の角度だけ変化する度に、あるいは、所定の時間間隔で、モータMG1,MG2のそれぞれに設けられるレゾルバの検出信号θMG1,θMG2を取得するとともに、それぞれの積算値ΣθMG1,ΣθMG2を求め、記憶部44に記憶させる。図4に、この回転角及び積算値の一例を示す。図3のステップS100で、制御部42は、例えば、ステップS100の実行時点でのモータMG1,MG2それぞれの回転角の積算値ΣθMG1,ΣθMG2と、当該時点でのクランク角θCSと、を記憶部44から取得する。例えば、図4の例で時刻0.06秒の時点で図3のステップS100が実行されると、制御部42は、モータMG1,MG2それぞれの回転角の積算値ΣθMG1,ΣθMG2として、ΣθMG1=−864°及びΣθMG2=960°を取得する。
ステップS100の後、制御部42は、モータMG1,MG2の回転角の積算値ΣθMG1及びΣθMG2を用いて、インプットシャフト角度θISを算出する(ステップS102)。ここで、制御部42は、動力分配機構30を構成する遊星歯車機構のギヤ比ρ(=サンギヤ31の歯数ZS/リングギヤ32の歯数ZR)に基づいてインプットシャフト角度を求める。動力分配機構30を構成する遊星歯車機構において、サンギヤ31にモータMG1、リングギヤ32にモータMG2、及びキャリア34にインプットシャフト36が連結されている。このことから、図5に例示するように、モータMG1の回転速度を表す縦軸SとモータMG2の回転速度を表す縦軸Rとの間に、縦軸Sと縦軸Rとの間を1:ρの比で分割する位置にインプットシャフト36の回転速度を表す縦軸Cを配置した共線図において、モータMG1、モータMG2、及びインプットシャフト36のそれぞれの回転速度は、一直線上に位置する関係となる。この関係に基づいて、制御部42は、モータMG1,MG2の回転角の積算値ΣθMG1,ΣθMG2からインプットシャフト角度θISを求める。
以下、図4における時刻0.06秒の時点で図3のステップS100が実行される上述の例を用いて、インプットシャフト角度θISを求める方法の例を説明する。図4の時刻0.06秒の時点でのモータMG1,MG2それぞれの回転角の積算値(ΣθMG1=−864°,ΣθMG2=960°)を、図5の例の共線図に対応する共線図にプロットすると、図6に例示する図となる。図6を参照し、縦軸S及び縦軸Rは、それぞれ、モータMG1の回転角の積算値及びモータMG2の回転角の積算値を表す。縦軸Cは、インプットシャフト36の回転角の積算値を表す軸である。図5の例と同様に、縦軸Cは、縦軸Sと縦軸Rとの間の距離を1:ρに分割する位置に配置される(ρ=サンギヤ31の歯数ZS/リングギヤ32の歯数ZR)。制御部42は、図6の例の共線図において、モータMG1の回転角の積算値ΣθMG1とモータMG2の回転角の積算値ΣθMG1とを結ぶ直線と、縦軸Cと、の交点が表す角度の値を、インプットシャフト36の回転角の積算値ΣθISとして求める。そして、この積算値ΣθISを360°で除算した余りをインプットシャフト36の回転角θISとする。
再び図3を参照し、インプットシャフト36の回転角θISを求めると、制御部42は、ステップS100で取得したクランク角θCSとステップS102で求めたインプットシャフト36の回転角θISとの間の差分をダンパねじれ角度θdampとして求める(ステップS104)。図7に、クランクシャフト角θCS、インプットシャフト36の回転角θIS、及びダンパねじれ角度θdampの関係の例を示す。ダンパねじれ角度θdampを求めると、制御部42は、図3の例のダンパねじれ角度算出処理を終了する。
以上、図3から図7を参照し、モータMG1,MG2の回転角の積算値を用いてダンパねじれ角度を求める処理の例を説明した。他の処理の例では、制御部42は、例えば、クランク角が所定の角度だけ変化する度に取得するモータMG1,MG2の回転角θMG1,θMG2の変化量を用いてダンパねじれ角度を求めてもよい。図8は、この例のダンパねじれ角度算出処理の手順の例を示すフローチャートである。以下、図8の例の手順の処理の説明において、制御部42は、クランク角θCSが30°だけ変化する度にモータMG1,MG2の回転角θMG1,θMG2を取得し、現時点で取得されているθMG1i,θMG2iと、前回取得したθMG1i-1,θMG2i-2を記憶部44に記憶させるものとする。
図8を参照し、まず、制御部42は、モータMG1,MG2の回転角のそれぞれについて、前回取得した値(θMG1i-1,θMG2i-1)と今回取得した値(θMG1i,θMG2i)との間の差分(ΔθMG1=θMG1i−θMG1i-1,ΔθMG2=θMG2i−θMG2i-1)を求める(ステップS110)。ΔθMG1,ΔθMG2は、クランク角が30°だけ変化する間のモータMG1,MG2の回転角の変化量をそれぞれ表す。
次に、制御部42は、モータMG1,MG2の回転角の変化量ΔθMG1,ΔθMG2を用いて、インプットシャフト36の回転角の変化量ΔθISを求める(ステップS112)。インプットシャフト36の回転角の変化量ΔθISは、遊星歯車機構のギヤ比ρ(=サンギヤ31の歯数ZS/リングギヤ32の歯数ZR)を用いて、次の式で求められる。
ΔθIS={ρ/(1+ρ)}×ΔθMG1+{1/(1+ρ)}×ΔθMG2
その後、制御部42は、インプットシャフト36の回転角の変化量ΔθISとクランク角の変化量ΔθCSとの間の差を取ることで、ダンパねじれ角度の変化量Δθdamp=ΔθCS−ΔθISを求める(ステップS114)。本例では、クランク角の変化量は30°で一定であるため、ダンパねじれ角度の変化量Δθdamp=30°−ΔθISとなる。
ダンパねじれ角度の変化量Δθdampを求めると、制御部42は、前回のダンパねじれ角度θdampi-1の値に、ステップS114で求めた変化量Δθdampを加算することで、今回のダンパねじれ角度θdampiを求める(ステップS116)。その後、図8の例の手順の処理は終了する。
以上、図3又は図8の例の手順の処理では、モータMG1,MG2の回転角を用いて、インプットシャフト36の回転角θIS又はその変化量ΔθISを求める。モータMG1,MG2の回転角を用いる代わりに、インプットシャフト36の回転角θISを検出するセンサをインプットシャフト36に設け、そのセンサからの検出信号をインプットシャフト36の回転角θISとして用いてダンパねじれ角度を求めてもよい。
再び図2を参照し、ステップS10で図3又は図8の例の手順によりダンパねじれ角度θdampを算出した後、制御部42は、ダンパねじれ角度の値とインプットシャフトトルクの値とを対応づけるマップを記憶部44から読み出し、ステップS10で算出したダンパねじれ角度θdampの値に対応づけられるインプットシャフトトルクの値を取得する。そして、マップから取得した値をインプットシャフトトルクの推定値とし、図2の例のトルク推定処理を終了する。
図2のステップS20で制御部42が参照するマップは、図2の例の処理を開始する前に、ダンパの特性に基づいて制御部42によって生成され、記憶部44に登録される。
図9は、図2のステップS20で制御部42が参照するマップの一例を示す図である。図9を参照し、横軸はダンパねじれ角度(θ[deg])を表し、縦軸はインプットシャフトトルク(T[N/m])を表す。図9の例のマップは、ダンパ50の特性として、ダンパが有する複数のばね定数を考慮して生成されたマップである。制御部42は、トルク推定処理(図2)を開始する前に、図9に例示するようなマップをダンパのばね定数に基づいて生成し、生成したマップを記憶部44に登録する。
以下、複数のばね定数を考慮したマップを生成する処理の例を説明する。マップを生成するために、制御部42は、まず、ダンパ50のばね定数を推定する処理を行う。
図10は、ECU40の制御部42が行うばね定数推定処理の手順の一例を示す図である。まず、制御部42は、予め設定された条件に従って、ダンパ50の特性(ここでは、ばね定数)の推定を行うか否かを決定する(ステップS70)。例えば、制御部42は、ダンパ50が新品である場合など、特性の推定処理が未だ実行されていない場合に、特性の推定を行うことを決定する。さらに、ダンパ50の特性に影響を与えるような状況の変化が生じた場合に、特性の推定を行うことを決定してもよい。例えば、経年劣化によりダンパ50の特性は変化することがあるため、前回の特性推定処理の実行から所定の期間(例えば、1ヶ月)が経過した場合に特性の推定を行うことを決定する。あるいは、ダンパ50の特性は、外気温の変化によって変化することもあり得るため、前回の特性推定処理の実行時の外気温と現在の外気温との間の差が所定の閾値を超えた場合に、特性の推定を行うことを決定してもよい。制御部42は、車両に設けられる図示しない温度センサから外気温の値を取得できる。特性の推定を行うことを決定すると、処理はステップS72に進み、特性の推定を行わないことを決定すると、再びステップS70に戻る。
ステップS72では、制御部42は、車両の運転条件が特性の推定を行うのに適した条件であるか否かを判定する。例えば、制御部42は、車両がアイドル状態であれば、特性の推定処理の実行に適した運転条件であると判定し、アイドル状態でなければ、特性の推定処理の実行に適した運転条件でないと判定する。あるいは、例えば、制御部42は、車両の加速度が所定の閾値以下である場合に、特性の推定処理の実行に適した運転条件であると判定してもよい。
車両の運転条件が特性の推定を行うのに適した条件でないと判定された場合(ステップS72でNO)、処理はステップS70に戻る。
車両の運転条件が特性の推定を行うのに適した条件であると判定された場合(ステップS72でYES)、制御部42は、エンジン20を制御して、エンジンの出力トルク(エンジントルク)の上昇を開始するとともに、エンジントルクと釣り合うトルクをモータMG1に出力させることを指示する制御信号をインバータ60に送る(ステップS74)。本例では、制御部42は、エンジントルク及びモータMG1の出力トルク(MG1トルク)を一定の上昇率で上昇させるよう、エンジン20及びインバータ60のそれぞれに対して制御信号を送る。エンジントルク及びMG1トルクの上昇率は、エンジントルクとMG1トルクとの均衡が保たれるような値(例えば、10N・m/sec)に設定される。
エンジントルク及びMG1トルクの上昇を開始させた後、制御部42は、MG1トルクの値を取得する(ステップS76)。ここで、制御部42は、例えば、モータMG1に設けられる電流センサ(図示しない)からのモータ電流の検出値に基づいて、MG1トルクを求めてもよい。制御部42は、エンジントルクを上昇させるとともに、エンジントルクと釣り合うトルクをモータMG1に出力させる制御を行うことから、ステップS76で取得されるMG1トルクをエンジントルクとみなすことができる。
次に、制御部42は、ダンパねじれ角度θdampを算出する(ステップS78)。このダンパねじれ角度算出処理では、図2のステップS10と同様に、図3又は図8に例示する手順の処理が行われる。
ステップS80では、制御部42は、MG1トルクをダンパねじれ角度θdampで除算することで、ばね定数を求める。そして、求めたばね定数を、MG1トルク及びダンパねじれ角度θdampの少なくとも一方と関連付けて記憶部44に記憶させる(ステップS82)。
その後、制御部42は、エンジントルク及びMG1トルクの上昇開始から所定の時間(例えば、2.0sec)が経過しているか否かを判定し(ステップS84)、経過していれば処理はステップS70に戻り、経過していなければ、ステップS76以降の処理を繰り返す。
図10のステップS76〜S84を含むループ処理により、エンジントルク及びMG1トルクが上昇する間の複数の時点のそれぞれにおいて、MG1トルク(エンジントルクとみなされる)、ダンパねじれ角度、及びばね定数の値の組み合わせが取得され、記憶部44に記憶される。図11に、図10のステップS76〜S84を含むループ処理において得られるエンジントルク(MG1トルク)、ダンパねじれ角度、及びばね定数の例を示す。
図10の例の手順の処理によって求めたばね定数を用いて、制御部42は、ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクの値とを対応づけるマップを生成し、生成したマップを、図2のステップS20で用いるマップとして記憶部44に登録する。あるいは、制御部42は、図10の例の手順の処理によって得られるダンパねじれ角度θdamp及びモータMG1トルクの値の組をマップとしてもよい。図10の例の手順の処理の結果として得られるマップを図2のステップS20で用いることで、複数のばね定数を有するというダンパの特性を考慮したインプットシャフトトルクの推定が可能となる。
なお、図10のステップS74とS76〜S84を含むループ処理とを複数回実行し、各回において取得される複数の時点におけるばね定数について、対応する時点ごとの平均値を、ダンパが有する複数のばね定数としてもよい。この場合、制御部42は、例えば、対応する時点ごとのばね定数(平均値)と当該時点でのダンパねじれ角度との積をインプットシャフトトルクの値として、当該時点でのダンパねじれ角度の値と対応づけるマップを生成する。
以上、図10及び図11を参照して説明したばね定数推定処理では、エンジントルク及びMG1トルクを上昇させ、その間に取得されるダンパねじれ角度θdampとMG1トルクとを用いてばね定数を推定する。ばね定数推定処理の他の例では、図10の例のフローチャートにおいて、ステップS74で、エンジントルク及びMG1トルクを上昇させるかわりに、エンジン20を停止させたまま、つまり、エンジントルクはゼロのまま、MG1トルクだけを上昇させてもよい。この場合、エンジン20の始動時と同様に、モータMG1からの出力トルクによってエンジン20のクランクシャフト22を回転させることになる。したがって、エンジン20がトルクを出力する場合のダンパ50のねじれの方向を正の方向とすると、エンジン20を停止させたままモータMG1トルクだけを上昇させる場合、ダンパ50は負の方向にねじれる。よって、図10のステップS74でモータMG1の出力トルクだけを上昇させて図10の例の処理を行うと、ダンパねじれ角度θdamp<0の範囲のばね定数の推定値が得られる。
ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとを対応づけるマップを生成するにあたって、制御部42は、エンジントルク及びMG1トルクを上昇させる図10の例の処理と、MG1トルクのみを上昇させる図10の例の処理と、の両方を行ってもよいし、いずれか一方のみを行ってもよい。両方の処理を行う場合、制御部42は、ダンパねじれ角度θdamp≧0の範囲のマップについては、エンジントルク及びMG1トルクを上昇させて図10の例の処理を行って推定したばね定数を用いて生成し、ダンパねじれ角度θdamp<0の範囲のマップについては、MG1トルクのみを上昇させて図10の例の処理を行って推定したばね定数を用いて生成する。いずれか一方の処理のみを行う場合、推定したばね定数を用いて、ダンパねじれ角度θdamp≧0の範囲又はダンパねじれ角度θdamp<0の範囲のマップを生成し、生成したマップを原点対称に複製することで、ダンパねじれ角度θdampの正の範囲及び負の範囲のマップを生成する。
なお、図10のステップS74でエンジントルク及びモータMG1トルクの上昇(あるいは、モータMG1トルクのみの上昇)を開始させる代わりに、所定のトルクの値からの下降を開始させ、MG1トルクが下降していく間に、ステップS76〜S84を含むループ処理を行ってばね定数を推定してもよい。
以上、ダンパ50の特性の一例として、ダンパ50が有する複数のばね定数を考慮する制御部42の処理を説明した。ダンパ50の特性の他の例として、複数の段階のヒステリシス特性が考えられる。例えば、ダンパ50は、ダンパねじれ角度に応じて2段階のヒステリシス特性を示すことがある。例えば、ダンパねじれ角度の値が所定の範囲内である場合は、比較的小さなヒステリシストルクを生じる低ヒステリシス特性を示し、ダンパねじれ角度の値が上述の所定の範囲を超えている場合は、低ヒステリシス特性の場合のヒステリシストルクと比較して大きなヒステリシストルクを生じる高ヒステリシス特性を示す。低ヒステリシス特性の場合に生じるヒステリシストルクは「ACヒステリシストルク」、高ヒステリシス特性の場合に生じるヒステリシストルクは「DCヒステリシストルク」と呼ばれることがある。また、以下の説明では、ダンパ50が低ヒステリシス特性を示すダンパねじれ角度を「AC角度」と呼ぶ。
図12から図14を参照し、ダンパ50が示すヒステリシス特性の例を説明する。図12は、ダンパねじれ角度の時間変化の一例を示す。図12を参照し、ダンパねじれ角度の値が、ダンパねじれ角度の振幅の折り返し点(dθ/dt=0)からAC角度の範囲内である領域(領域A)では、ダンパ50は低ヒステリシス特性を示す。ダンパねじれ角度の振幅の折り返し点とダンパねじれ角度との間の差がAC角度の範囲を超えると(領域C)、ダンパ50は、高ヒステリシス特性を示す。点Bは、領域Aと領域Cとの間の境界点を示す。例えば、時間変化に従ってダンパねじれ角度が領域Aから点Bを超えて領域Cに移ると、次にダンパねじれ角度の折り返し点に達するまで、ダンパ50は高ヒステリシス特性を示す。
また、ダンパ50において生じるヒステリシストルクの正負は、ダンパねじれ角度が時間の変化に従って増加しているか減少しているかに応じて異なる。例えば、ダンパねじれ角度が時間の変化に従って増加している間は正のヒステリシストルクが生じ、ダンパねじれ角度が時間の変化に従って減少している間は負のヒステリシストルクが生じる。図13に、ダンパ50が高ヒステリシス特性を示す場合(ダンパねじれ角度が図12の領域Cにある場合)の、ダンパねじれ角度の変化率とインプットシャフトトルクとの関係の例を示す。図13(a)は、ダンパねじれ角度の時間変化の例であり、図13(b)は、ダンパ50が高ヒステリシス特性を示す場合のダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとの間の関係の例である。図13(a)を参照し、ダンパねじれ角度が時間の経過に従って増加している間はダンパねじれ角度の変化率dθ/dt>0であり、ダンパねじれ角度は時間の経過に従って減少している間はダンパねじれ角度の変化率dθ/dt<0である。図13(b)を参照し、1つのダンパねじれ角度θについて、そのときのダンパねじれ角度の変化率dθ/dtの正負に応じて、すなわち、そのときのダンパねじれ角度の時間変化が増加途中であるか減少途中であるかに応じて、インプットシャフトトルクの値はT1又はT2となる。例えば、ダンパねじれ角度θのとき、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtが正であればダンパ50において正のヒステリシストルクが生じてインプットシャフトトルクの値はT1となり、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtが負であればダンパ50において負のヒステリシストルクが生じてインプットシャフトトルクの値はT2(<T1)となる。
以上より、図12で例示するようにダンパねじれ角度が折り返し点からAC角度以上の範囲で振動する場合、ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとの間の関係は、図14(a)に例示するような関係となる。図14(a)の符号A,B,Cは、それぞれ、図12の領域A、点B、及び領域Cに対応する。図14(a)を参照すると、ダンパ50は、ダンパねじれ角度に応じて2段階のヒステリシス特性を示す。さらに、図14(a)は、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtが正であれば正のヒステリシストルクが生じ、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtが負であれば負のヒステリシストルクが生じることを表す。
一方、ダンパねじれ角度が折り返し点からAC角度の範囲内で振動する場合、ダンパ50は、低ヒステリシス特性のみを示し、高ヒステリシス特性を示すことはない。この場合、ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとの間の関係は、例えば、図14(b)に示すような関係となる。図14(b)は、ダンパ50がACヒステリシストルクを生じることを示し、さらに、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtの正負に従って正又は負のヒステリシストルクが生じることを示す。
以下、以上で説明したようなダンパ50のヒステリシス特性を考慮したインプットシャフトトルク推定処理を説明する。
図15は、ダンパ50の2段階のヒステリシス特性を考慮したインプットシャフトトルクの推定処理の手順の一例を示す図である。図15の例の処理を制御部42が行う場合、記憶部44には、予め求めたダンパ50のDCヒステリシストルクに基づくトルク補正値及びAC角度の最大値(図12の点Bに対応する角度)を記憶させておくものとする。以下の説明では、さらに、記憶部44に、上述の図10の例の処理で求めたダンパの複数のばね定数に基づいて生成された、ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとを対応づけるマップが記憶されているものとする。
図15を参照し、まず、制御部42は、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dt=0となるθdampを求める(ステップS5)。ステップS5では、制御部42は、例えば、図3又は図8の例の手順の処理によるダンパねじれ角度算出処理を複数回行ってダンパねじれ角度の時間変化を求めることで、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dt=0となるθdampを求める。
次に、制御部42は、ダンパねじれ角度を算出する(ステップS10)。このダンパねじれ角度算出処理は、図2のステップS10と同様、図3又は図8の例の手順の処理であってよい。そして、制御部42は、ステップS10の時点でのダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtを求める(ステップS30)。この変化率は、例えば、1時刻前に算出したダンパねじれ角度を記憶部44に記憶しておき、そのダンパねじれ角度と今回算出したダンパねじれ角度との間の差分を得ることで求める。その後、ダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dt=0となるθdampの値から、現在のダンパねじれ角度θdampの値への変化がAC角度の最大値以上であるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32の判定の結果YESであれば、ステップS34に進み、NOであればステップS40に進む。
ステップS34では、ステップS30で求めたダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtの正負を判定する。ダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtが正であれば(ステップS34でYES)、記憶部44に記憶されたマップを参照し、ステップS10で算出したダンパねじれ角度θdampに対応づけられたインプットシャフトトルクの値を取得する。そして、記憶部44に記憶されたトルク補正値を、マップから取得した値に加算した値をインプットシャフトトルクの推定値とする(ステップS36)。ダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtが負であれば(ステップS34でNO)、記憶部44に記憶されたマップにおいてステップS10で算出したダンパねじれ角度θdampに対応づけられたインプットシャフトトルクの値から、記憶部44に記憶されたトルク補正値を減算した値をインプットシャフトトルクの推定値とする(ステップS38)。
ステップS40では、制御部42は、記憶部44に記憶されたマップにおいてステップS10で算出されたダンパねじれ角度θdampに対応づけられたインプットシャフトトルクの値をインプットシャフトトルクの推定値とする。
ステップS36,S38,S40のいずれかにおいてインプットシャフトトルクの推定値を求めると、制御部42は図15の例の処理を終了する。
図15のステップS36,S38,S40において用いられるマップは、上述のばね定数推定処理の結果として生成されたマップである。このマップを図15のステップS36,S38,S40で用いることで、ダンパ50のヒステリシス特性と共に複数のばね定数も考慮したインプットシャフトトルク推定処理が可能となる。
図15の例の手順の処理では、ダンパ50が高ヒステリシス特性を示すダンパねじれ角度の領域(図12の領域C)では、DCヒステリシストルクに基づく補正値を用いてインプットシャフトトルクを推定するが、ダンパ50が低ヒステリシス特性を示すダンパねじれ角度の領域(図12の領域A)では、ACヒステリシストルクを考慮せずにインプットシャフトトルクを推定する。ACヒステリシストルクがDCヒステリシストルクに対して十分小さい場合、本例の手順の処理のように、ダンパ50が低ヒステリシス特性を示すダンパねじれ角度の領域において、ACヒステリシストルクを無視してインプットシャフトトルクを推定してもよい。
図16は、ダンパ50のヒステリシス特性を考慮したインプットシャフトトルク推定処理の手順の他の一例を示す図である。図16の例の処理を制御部42が行う場合、記憶部44には、ダンパ50が低ヒステリシス特性及び高ヒステリシス特性の2段階のヒステリシス特性を示す場合においてダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとを対応づけるマップ(以下、「高ヒステリシス特性マップ」と呼ぶ)と、ダンパが低ヒステリシス特性のみを示す場合においてインプットシャフトトルクとダンパねじれ角度とを対応づけるマップ(以下、「低ヒステリシス特性マップ」と呼ぶ)と、を予め記憶させておく。以下の説明では、図14(a)及び図14(b)に例示するダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとの間の関係を、それぞれ、高ヒステリシス特性マップ及び低ヒステリシス特性マップとして記憶部44に記憶させておくものとする。
図16を参照し、制御部42は、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dt=0となるθdampを求め(ステップS5)、ダンパねじれ角度θdampを算出し(ステップS10)、ダンパねじれ角度変化率dθdamp/dtを求める(ステップS30)。図16の例の手順の処理において、ステップS5,S10,S30の各処理は、図15のステップS5,S10,S30と同様である。
ダンパねじれ角度の変化率を算出した後、制御部42は、ダンパねじれ角度θdampの振幅の1/2(半振幅)が、AC角度の最大値以上であるか否かを判定する(ステップS50)。この半振幅は、例えば、ステップS5においてダンパねじれ角度θdampの時間変化を求めたときに、dθdamp/dt=0となるθdampの値と共に求めることができる。
ダンパねじれ角度の半振幅がAC角度の最大値以上であれば(ステップS50でYES)、高ヒステリシス特性マップを参照し、ステップS10で算出したダンパねじれ角度θdampと、ステップS30で求めたダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtの正負と、の組み合わせに対応するトルクの値をインプットシャフトトルクの推定値とする(ステップS52)。
ダンパねじれ角度の半振幅がAC角度未満であれば(ステップS50でNO)、低ヒステリシス特性マップにおいて、ステップS10で算出したダンパねじれ角度θdampと、ステップS30で求めたダンパねじれ角度の変化率dθdamp/dtの正負と、の組み合わせに対応するトルクの値をインプットシャフトトルクの推定値とする(ステップS54)。ステップS52又はステップS54でインプットシャフトトルクの推定値を求めると、制御部42は、図16の例の手順の処理を終了する。
以下、制御部42がダンパ50のヒステリシス特性を推定する処理を説明する。以下で説明する処理によって推定したヒステリシス特性を用いて、制御部42は、図15の例の手順の処理において用いるトルク補正値又は図16の例の手順の処理において用いる2種類のマップ(高ヒステリシス特性マップ及び低ヒステリシス特性マップ)を求めることができる。
図17は、制御部42が行うダンパ50のヒステリシス特性推定処理の手順の一例を示す図である。図17に例示する処理の基本的な手順は、図10の例のばね定数推定処理の手順と同様であり、同様の処理ステップには同様の符号を付している。また、以下の説明では、図17の手順の処理を開始する前に、制御部42は、図10を参照して説明したばね定数推定処理を行い、ダンパねじれ角度の値と推定したばね定数の値とを関連付けて記憶部44に記憶させているものとする。
図17を参照し、制御部42は、まず、特性(ここでは、ヒステリシス特性)の推定処理を実行するか否かを決定し(ステップS70)、次に、特性の推定処理が可能な運転条件か否かを判定する(ステップS72)。ステップS70,S72では、図10を参照して説明したステップS70,S72と同様の処理を行う。
その後、制御部42は、MG1トルクの変化を開始させる(ステップS90)。本例では、制御部42は、MG1トルクが一定の周期で増減するように、インバータ60に対して制御信号を出力する。例えば、MG1トルクがサイン波を描くように制御する。
そして、MG1トルクの値を取得し(ステップS76)、図3又は図8の例の手順の処理によりダンパねじれ角度θdampを算出する(ステップS78)。次に、記憶部44に記憶されたばね定数を参照し、ステップS78で算出したダンパねじれ角度θdampとそのダンパねじれ角度θdampに関連付けられたばね定数との積を求め、求めた積をMG1トルク(ステップS76で取得)から減算する(ステップS92)。そして、ステップS92における減算の結果の値をヒステリシストルクとして記憶部44に記憶させる(ステップS94)。次に、ステップS90でMG1トルクの変化を開始してから所定の時間(例えば、2.0sec)が経過したか否かを判定する(ステップS84)。所定時間が経過していなければ(ステップS84でNO)、ステップS76以降の処理を繰り返す。所定時間が経過していれば(ステップS84でYES)、ステップS76〜S84を含むループ処理において記憶部44に記憶されたヒステリシストルクの平均値を求め、求めた平均値をヒステリシストルクの推定値として記憶部44に記憶させ(ステップS96)、処理はステップS70に戻る。
図17のステップS76〜ステップS84を含むループの処理を実行すると、例えば図18に示すような、MG1トルクの時間変化及びダンパねじれ角度とばね定数との積の時間変化が得られる。図18を参照すると、MG1トルクに対して、ダンパねじれ角度とばね定数との積の値に遅れが生じている。この遅れがダンパのヒステリシス特性である。
また、図17の例の処理において、ダンパねじれ角度がAC角度の範囲内で振動するようにMG1トルクの周期的変化の振幅を制御すると、ACヒステリシストルクを推定でき、ダンパねじれ角度がAC角度の範囲を超えて振動するようにMG1トルクの周期的変化の振幅を制御すると、DCヒステリシストルクを推定できる。
なお、図17のステップS92,S94のようにヒステリシス特性としてヒステリシストルクを求めて記憶部44に記憶させる代わりに、MG1トルクに対するダンパねじれ角度とばね定数との積の時間遅れをヒステリシス特性として記憶させてもよい。
また例えば、図17のステップS92では、ばね定数推定処理(図10など)によって求めたばね定数を用いてヒステリシストルクを求めるが、ばね定数を用いずに、MG1トルクの変化に対するダンパねじれ角度の変化の遅れを求めることでヒステリシス特性を求めることもできる。
また、図17のステップS90で、MG1トルクを周期的に変化させる代わりに、エンジントルクを周期的に変化させても良い。例えば、制御部42は、エンジン20のトルク指令値を周期的に変化させる。あるいは、エンジントルクが規定の周波数で変化するように、エンジン20の特定の気筒で失火を生じさせる制御を行っても良い。
ヒステリシストルクを推定する処理の他の例では、MG1トルク又はエンジントルクを周期的に変化させる代わりに、MG1トルクを単調増加又は単調減少させる制御を行い、MG1トルクが上昇する間又は下降する間の複数の時点でダンパねじれ角度及びMG1トルクの値の組を取得することで、ヒステリシストルクを求めてもよい。図19に、本例の処理で得られるダンパねじれ角度とMG1トルクとの間の関係の例を示す。図19を参照し、ダンパねじれ角度がAC角度の範囲を超えた時点で、DCヒステリシストルクが生じるため、MG1トルクは、ダンパねじれ角度の変化に対して不連続な変化を示す。この不連続なトルクの変化分をヒステリシストルクの推定値としてもよい。また、MG1トルクだけを上昇又は下降させる代わりに、エンジントルク及びMG1トルクを上昇又は下降させることで、同様にヒステリシストルクを求めてもよい。
制御部42が図15の例のインプットシャフトトルク推定処理を行う場合、制御部42は、ヒステリシストルクの推定値を求めると、求めた推定値の1/2の値を、図15のステップS36,S38で用いるトルク補正値として記憶部44に登録する。
制御部42が図16の例のインプットシャフトトルク推定処理を行う場合、制御部42は、求めたヒステリシストルクの推定値を用いて、高ヒステリシス特性マップ及び低ヒステリシス特性マップを生成する。例えば、ヒステリシストルクの推定値とともに、ばね定数推定処理の結果として生成されたマップ(以下、「基準マップ」と呼ぶ)を用いて、高ヒステリシス特性マップ及び低ヒステリシス特性マップを生成してよい。例えば、AC角度の範囲外のダンパねじれ角度に関し、基準マップにおいてダンパねじれ角度に対応づけられるインプットシャフトトルクの値にDCヒステリシストルクの推定値の半値を加算した値を、当該ダンパねじれ角度におけるdθ/dt>0のときのインプットシャフトトルクの値とし、基準マップにおいてダンパねじれ角度に対応づけられるインプットシャフトトルクの値からDCヒステリシストルクの推定値の半値を加算した値を、当該ダンパねじれ角度におけるdθ/dt>0のときのインプットシャフトトルクの値とすることで、高ヒステリシス特性マップのAC角度範囲外の部分を生成できる。また、AC角度の範囲内のダンパねじれ角度に関して、基準マップにおいてダンパねじれ角度に対応づけられるインプットシャフトトルクの値にACヒステリシストルクの推定値の半値を加算した値を、当該ダンパねじれ角度におけるdθ/dt>0のときのインプットシャフトトルクの値とし、基準マップにおいてダンパねじれ角度に対応づけられるインプットシャフトトルクの値からACヒステリシストルクの推定値の半値を加算した値を、当該ダンパねじれ角度におけるdθ/dt>0のときのインプットシャフトトルクの値とすることで、高ヒステリシス特性マップのAC角度範囲内の部分、及び、低ヒステリシス特性マップを生成できる。
なお、DCヒステリシストルクと比較してACヒステリシストルクが十分小さい場合、基準マップを低ヒステリシス特性マップとして用いてもよい。図16の例の処理において、基準マップを低ヒステリシス特性マップとして用いる場合、ステップS54で、制御部42は、ダンパねじれ角度の変化率dθ/dtの正負にかかわらず、低ヒステリシス特性マップ(基準マップ)においてステップS10で算出されたダンパねじれ角度の値に対応づけられる1つのトルクの値をインプットシャフトトルクの推定値とする。
以上で説明した各種の処理の例では、制御部42は、図3又は図8の例の手順の処理によってダンパねじれ角度を算出する。このようなダンパねじれ角度算出処理を行う代わりに、ダンパ50にダンパねじれ角度を検出するセンサを設け、そのセンサからの検出信号を直接ダンパねじれ角度θdampとして用いて、上述の各種の処理を行ってもよい。
ハイブリッド車両の概略構成の例を示す図である。 トルク推定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 ダンパねじれ角度算出処理の詳細手順の一例を示すフローチャートである。 モータMG1,MG2の回転角及び回転角の積算値の一例を示す図である。 モータMG1、インプットシャフト、及びモータMG2それぞれの回転速度の関係の例を示す共線図である。 モータMG1、インプットシャフト、及びモータMG2それぞれの回転角の積算値の関係の例を示す共線図である。 クランク角、インプットシャフト角度、及びダンパねじれ角度の関係の例を示す図である。 ダンパねじれ角度算出処理の手順の他の一例を示すフローチャートである。 ダンパねじれ角度とインプットシャフトトルクとを対応づけるマップの一例を示す図である。 ばね定数推定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図10の例の処理において得られるMG1トルク、ダンパねじれ角度、及びばね定数の例を示す図である。 ダンパねじれ角度の時間変化の一例を示す図である。 ダンパの高ヒステリシス特性について説明するための図である。 ダンパが示すヒステリシス特性の例を表す図である。 トルク推定処理の手順の他の一例を示す図である。 トルク推定処理の手順のさらに他の一例を示す図である。 ヒステリシス特性推定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図17の例のヒステリシス特性推定処理で得られるMG1トルク及びダンパねじれ角度とばね定数との積の例を示す図である。 ダンパねじれ角度とモータMG1の出力トルクとの間の関係の例を示す図である。
符号の説明
10 ハイブリッド車両、20 エンジン、22 クランクシャフト、30 動力分配機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 インプットシャフト、40 ECU、42 制御部、44 記憶部、60 インバータ、62 バッテリ、70 ギヤ機構、72 デファレンシャルギヤ、80a,80b 駆動輪、MG1,MG2 モータ。

Claims (18)

  1. 内燃機関の出力軸と回転電機からの動力を受ける入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両に搭載され、前記入力軸に作用するトルクを推定するトルク推定装置であって、
    前記ねじれ要素のねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報であって前記ねじれ要素の特性に基づいて生成されるマップ情報を記憶する記憶手段と、
    前記ねじれ要素のねじれ角度を取得し、取得したねじれ角度と前記マップ情報とに基づいて、前記入力軸に作用するトルクの値を推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とするトルク推定装置。
  2. 請求項1に記載のトルク推定装置において、
    前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度に応じて異なる複数のばね定数を示す特性を有し、
    所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、に基づいて、前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報を生成し、生成したマップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  3. 請求項2に記載のトルク推定装置において、さらに、
    前記複数の時点のそれぞれにおける前記内燃機関の出力トルクを、対応する時点で取得される前記ねじれ角度で除算することで、前記複数のばね定数を求める、
    ことを特徴とするトルク推定装置。
  4. 請求項2又は3に記載のトルク推定装置において、
    前記複数の時点で検出される前記回転電機の電流値に基づいて求めた値を、それぞれ対応する時点での前記内燃機関の出力トルクの値として用いる、
    ことを特徴とするトルク推定装置。
  5. 請求項1に記載のトルク推定装置において、
    前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度に応じて異なる複数のばね定数を示す特性を有し、
    所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、に基づいて、前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報を生成し、生成したマップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  6. 請求項5に記載のトルク推定装置において、さらに、
    前記複数の時点のそれぞれにおける前記回転電機の出力トルクを、対応する時点で取得される前記ねじれ角度で除算することで、前記複数のばね定数を求める、
    ことを特徴とするトルク推定装置。
  7. 請求項2から6のいずれか1項に記載のトルク推定装置において、
    前記ねじれ要素は、さらに、前記ねじれ角度が所定の値の範囲外である場合にヒステリシストルクを生じるヒステリシス特性を有し、
    前記記憶手段は、さらに、前記ヒステリシス特性に基づいて求められるトルク補正値を記憶し、
    前記推定手段は、
    前記ねじれ角度を取得するとともに前記ねじれ角度の変化率を求め、
    前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合は、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値を、前記入力軸に作用するトルクの値とし、
    前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合は、前記ねじれ角度の変化率が正であれば、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値に前記トルク補正値を加算した値を前記入力軸に作用するトルクの値とし、前記ねじれ角度の変化率が負であれば、前記マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられた前記トルクの値から前記トルク補正値を減算した値を前記入力軸に作用するトルクの値とする、
    ことを特徴とするトルク推定装置。
  8. 請求項7に記載のトルク推定装置において、
    所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  9. 請求項7に記載のトルク推定装置において、
    所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  10. 請求項7に記載のトルク推定装置において、
    前記回転電機の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記回転電機の出力トルクの値から前記回転電機の出力トルクを減少させ、前記回転電機の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  11. 請求項7に記載のトルク推定装置において、
    前記内燃機関の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記内燃機関の出力トルクの値から前記内燃機関の出力トルクを減少させ、前記内燃機関の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクの値を前記トルク補正値として前記記憶手段に登録するトルク補正値登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  12. 請求項1に記載のトルク推定装置において、
    前記ねじれ要素は、前記ねじれ角度が所定の値の範囲外である場合にヒステリシストルクを生じるヒステリシス特性を有し、
    前記記憶手段は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合における前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づける第1マップ情報と、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合における前記ねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づける第2マップ情報と、を記憶し、
    前記推定手段は、
    前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲内である場合に、前記第1マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられたトルクの値を前記入力軸に作用するトルクの値とし、
    前記取得したねじれ角度が前記所定の値の範囲外である場合に、前記第2マップ情報において前記取得したねじれ角度に対応づけられたトルクの値を前記入力軸に作用するトルクの値とする、
    ことを特徴とするトルク推定装置。
  13. 請求項12に記載のトルク推定装置において、
    所定の時間内に前記回転電機の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  14. 請求項12に記載のトルク推定装置において、
    所定の時間内に前記内燃機関の出力トルクを所定の周期で変化させ、前記所定の時間内の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  15. 請求項12に記載のトルク推定装置において、
    前記回転電機の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記回転電機の出力トルクの値から前記回転電機の出力トルクを減少させ、前記回転電機の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記回転電機の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  16. 請求項12に記載のトルク推定装置において、
    前記内燃機関の出力トルクを前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるまで上昇させ、又は、前記ねじれ角度が前記所定の値の範囲を超えるときの前記内燃機関の出力トルクの値から前記内燃機関の出力トルクを減少させ、前記内燃機関の出力トルクを上昇させる間又は減少させる間の複数の時点での前記内燃機関の出力トルクと、前記複数の時点で取得される前記ねじれ角度と、を用いて、前記ヒステリシストルクを推定するヒステリシストルク推定手段と、
    前記ヒステリシストルク推定手段が推定したヒステリシストルクを用いて、前記第2マップ情報を生成し、生成した前記第2マップ情報を前記記憶手段に登録するマップ情報登録手段と、
    をさらに備えることを特徴とするトルク推定装置。
  17. 内燃機関の出力軸と回転電機に接続される入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両において、
    請求項1から16のいずれか1項に記載のトルク推定装置を備える、
    ことを特徴とする車両。
  18. 内燃機関の出力軸と回転電機からの動力を受ける入力軸とがねじれ要素を介して接続された車両において前記入力軸に作用するトルクを推定するトルク推定方法であって、
    前記ねじれ要素のねじれ角度を取得するステップと、
    前記ねじれ要素のねじれ角度と前記入力軸に作用するトルクとを対応づけるマップ情報であって前記ねじれ要素の特性に基づいて生成されるマップ情報を記憶する記憶手段を参照し、取得した前記ねじれ角度と前記マップ情報とに基づいて、前記入力軸に作用するトルクの値を推定するステップと、
    を備えることを特徴とするトルク推定方法。
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