JP2010013672A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

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毅 寒野
Katsuji Emura
勝治 江村
Hideaki Awata
英章 粟田
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Abstract

【課題】 厚み変動を小さく、かつ収率を高くすることができる、薄膜形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明の薄膜形成装置10は、真空引き雰囲気の蒸着チャンバー内で、蒸着源から物質を蒸発させて基材1に蒸着膜を形成する装置であり、この装置では、基材1を蒸着源に面するように保持する基材ホルダー3を備え、基材ホルダー3は、基材1が蒸着源7を囲い込む筒状体をなす面に沿って配置することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜形成装置および薄膜形成装置に関し、より具体的には、厚みの均一性が高く、成膜収率を良くすることができる、薄膜形成装置および薄膜形成方法に関するものである。
半導体装置、薄膜電池など、薄膜形成プロセスを経て製造される電子機器は枚挙にいとまがない。薄膜形成プロセスでは、膜厚みの均一性と、成膜効率(薄膜量/投入原料量)とを高めることが重要である。たとえば搬送される長尺フィルムの幅方向にわたって膜厚変動を小さくするために、蒸着源のるつぼの形状を長尺フィルムの幅方向に延在させ、電子ビームの走査方向を長尺フィルムの幅方向および搬送方向の両方に行う手法の提案がされた(特許文献1)。これにより、幅方向および長尺方向に均質な強磁性薄膜を得ることができる。また、搬送される長尺フィルムと、蒸着源との間に、突起物を内壁に付した筒状体を配置して、その筒状体の中を、蒸発物質を蒸発させる蒸着装置の提案がなされた(特許文献2)。この蒸着装置によれば、蒸着物質は筒状体内部を通って長尺フィルムに蒸着され、傾斜方向に蒸発する蒸発物は筒状体の内壁にあたるが、突起物にトラップされるので回収することができる、とされている。
特開平10−3659号公報 特開平6−111322号公報
しかしながら、横長のるつぼを用いる手法は、膜厚の均一分布と蒸着収率との両立をはかることが難しい。蒸着収率を向上させるためには、蒸着源と基材との距離を短くすることが有効である。しかし、この距離を短くすると、蒸着中心部における等膜厚分布領域は小さくなり、基材の端の領域の膜厚は薄くなる。この結果、膜厚変動は大きくなる。一方、筒状体を用いる装置では、突起物にトラップされた蒸着物質は、回収されても、組成が変化する材料では収率向上は果たせない。たとえば酸化物材料等は、電子ビームの熱によって分解し、組成変化を生じる。このため、回収しても再利用することができず、収率向上につながらない。
本発明は、厚み変動を小さく、かつ収率を高くすることができる、薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明の薄膜形成装置は、真空引き雰囲気の蒸着チャンバーで、蒸着源からの蒸気を1つまたは2つ以上の基材に蒸着して薄膜を形成する装置である。この装置では、基材を蒸着源に面するように保持する基材ホルダーを備え、基材ホルダーは、蒸着源を囲い込む筒状体部分をなす面に沿って、1つまたは2つ以上の基材を保持することを特徴とする。
上記の構造によって、蒸着分布が大きく変動しない範囲内に、基材を配置することができる。このため、平面状に基材を配置する装置よりも、膜厚の変動が問題となる限界の、蒸着源と基材との間の距離をより小さくすることができる。すなわち、蒸着源と基材とを、より近づけても、膜厚変動は許容される範囲におさまる。この蒸着源と基材との近接化によって、収率を向上することができる。
上記の搬送機構が、筒状体部分の軸線方向に延在するレールと、基材ホルダーに設けられ、そのレールを転動する車輪と、を含むことができる。これによって、生産性が向上し、量産が可能となる。筒状体部分の軸線方向は、母線の方向をさし、筒状体の母線の方向と同じである。筒状体は、平面から構成される筒(断面が多角形の筒)でも、曲面の筒でもよい。ただし、本発明の薄膜形成装置およびその部品は工業製品なので、直線、平面、母線などは、工業製品についての用語であるので、その趣旨に沿って解釈されるべきであり、厳密に解釈すべきではない。
上記の搬送機構は、筒状体部分の軸線方向に延在するレールを含んでもよい。これによって、蒸着源を間にはさむ2本のレールを配置して、筒状体の両側端(母線)部をレールに近い部分として、装置全体を小型化することができる。
上記の蒸着チャンバーは、基材ホルダーを筒状体部分の軸線方向に沿って、少なくとも3個、端を接して配置可能な大きさを持つことができる。これによって、基材ホルダーを切れ目なく連続的に搬送しながら蒸着膜を形成するので、端における膜厚変動を抑制することができ、かつ高い生産性を得ることができる。
上記の搬送方向に沿って蒸着チャンバーの前および後に、真空引き雰囲気の補助チャンバーを備え、蒸着チャンバーと前後の補助チャンバーとは、ゲートバルブで区切られている構成をとることができる。これによって、搬送しながら、蒸着チャンバーの高真空を損なうことなく、(1)薄膜形成が終了した(基材/基材ホルダー)を取り出し、かつ(2)未蒸着の、新たな(基材/基材ホルダー)を搬送ラインに投入することができる。この結果、連続運転が可能となり、生産性を大きく向上することができる。
上記の蒸着チャンバーの上部に、基材を所定の温度に加熱するためのランプヒーターが配置されている構成とすることができる。これによって、端を接して連続して流れる複数の基材ホルダー上の基材を、まとめて全体にわたって、蒸着に適した温度に加熱し制御することができる。ランプヒーターは基材の温度の制御のために配置されるので、不可避的に加熱される基材ホルダーについては、その熱容量を極力小さくするのがよい。また、基材が配置される筒状体部分の面に合わせて、ランプヒーターの熱放射面も筒状体部分の形状にするのがよい。
上記の筒状体部分の断面を多角形の部分である形状とすることができる。これによって、平板状の基材を取り付けやすくでき、また基材ホルダーの製作費用を抑制することができる。
上記の基材は任意の形状の平板であり、その平板が、複数個、基材ホルダーに保持されている構成をとることができる。これによって、小型から大型にいたる蒸着膜を得ることができる。平板のサイズを、その薄膜が用いられる用途、機種等に合わせて変えることで、簡単につくり分けをすることができる。薄膜のサイズおよび形状について製造の柔軟性を高めることができる。また、基材ホルダーが小分けされることで、ハンドリングしやすくなる。
上記の基材に用いるマスクパターンを取り付けるマスク取付部を、基材ホルダーに備えることができる。これによって、基材取付部などを除いた正味の薄膜部分を、簡単に得ることができる。また、マスクによって任意の形状の薄膜を得ることができるので、薄膜の形状の設計自由度を高めることができる。
上記の蒸着源にエネルギーを供給するための電子ビーム装置は、水平方向に見て基板ホルダーより下方に位置し、電子ビーム装置から発せられた電子ビームが、基板と蒸発源との間の空間を通って蒸発源に照射されるようにできる。これによって、薄膜形成装置全体の大きさを抑制しながら、蒸発源と基材との距離を小さくして、収率向上を確保することができる。
本発明の薄膜形成方法は、真空引き雰囲気の蒸着チャンバー内で、蒸着源からの蒸気を1つまたは2つ以上の基材に蒸着して薄膜を形成する方法である。この方法は、1つまたは2つ以上の基材を、蒸着源を囲い込む筒状体部分をなす面に沿って配置することができる基材ホルダーを準備する工程と、蒸着チャンバー内で、基材ホルダーに装着された前記1つまたは2つ以上の基材に、蒸着膜を形成する工程とを備える。そして、蒸着膜形成工程では、前記1つまたは2つ以上の基材を装着した基材ホルダーを少なくとも3個、相互に筒状体同士を近接させた状態で、筒状体部分の軸線方向に搬送を行うことを特徴とする。
上記の方法によって、高い生産性(薄膜面積/時間)を得ながら、膜厚変動を減少させ、また成膜の収率を高めることができる。
本発明の薄膜形成装置によれば、厚み変動が小さく、かつ収率を高くすることができる。また、連続稼動させることによって生産性を高めることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における薄膜形成装置10を示す図である。図1には、フレーム3fに車輪14が設けられたフレーム台車AおよびBが示されている。フレーム台車Bでは、基板ホルダー3が外観を形成しており、フレーム台車Aでは、説明のために基板ホルダー3を除いたものとして、基材1の形状および配列を示している。フレーム台車Aも、基材ホルダー3を表示すれば、台車Bと同じ外観を呈する。基材ホルダー3は、主部材として、基材支持板3pと、その基材支持板3pを支持するフレーム3fを有する。基板ホルダー3は、全体で、断面が多角形である筒状体の部分の形状を有している。基材支持板3pが交差して形成される交差線3c、またはフレーム3fの角部3cは、筒状体の軸線に平行である。フレーム3fは車輪14を備え、基材ホルダー3は、レール15上を滑らかに搬送される。レールの延びる方向は、交差線6cまたは筒状体の軸線に平行である。図1において、フレーム台車Aと、フレーム台車Bとは、端で接しながら、搬送方向に搬送される。
搬送中に、基材1の下方に位置する蒸着源7から原料が蒸発し、基材1の表面に蒸着膜を形成する。蒸着源7のるつぼには、原料が装填されており、その原料に電子ビームエネルギーを投入する。るつぼ7は、幅方向Wに沿って長い形状として、平面的に見て基材1が配置される領域をカバーすることが好ましい。しかし、るつぼ7の端の部分から放射状に蒸発がなされるので、すべての基材1に対して、完全にカバーする必要はなく、平面的に見て基材1がるつぼ7からはみ出すものがあってもよい。電子ビーム22は、電子銃または電子ビーム源16から放射され、図示しない磁場等に寄って曲げられて、るつぼ7に収束するようにされる。電子ビーム22を照射されて溶融された原料は蒸発して、基板1の表面に薄膜を形成する。蒸着を行う蒸着チャンバー30は、図示しない真空装置によって、真空引きされ、高真空に保たれる。
図2は、図1に示す薄膜形成装置10における基材ホルダー3(または基材支持板3p)、および基材1を示す図である。基材1の下方には、るつぼ7が位置して、上方の基材1に向かって蒸発物23を放射する。基材ホルダー3は、基材1が蒸着源のるつぼ7を囲い込む配置になるように形成されている。基材ホルダー3の軸線に垂直な断面は、多角形の部分をなしている。図1および図2を合わせて参照して、基材ホルダー3が基材1を保持する面は、断面が多角形の筒状体をなしている。そして、筒の軸線方向、もしくは筒体の母線、または基板ホルダー3の多角形の平板交差線または角部3cは、搬送方向またはレール15が延びる方向に平行である。
次に、基材1を、るつぼ7を囲い込む筒状体の内面に沿うように配置する利点について説明する。図3は、蒸着源7から蒸発が生じるときの、等蒸気分布を示す図である。図3に示すように、蒸着において、等蒸気面23fは、丸みを帯び、外に凸の球面に近似する。基材ホルダー3の内面に配列された基材1に、均一な膜厚の薄膜を蒸着するには、基材1を等蒸気面23fに沿うように配置することが望ましい。図4は、るつぼ7が幅方向に長い場合に、等蒸気面に沿って基材1を配置可能な基材ホルダー3を示す断面図である。るつぼ7が幅方向に長い場合の等蒸気面は、計算等により求めることができる。
薄膜形成において、膜厚の均一性と、蒸着の収率とはトレードオフの関係にあり、一方を改良すると他方は劣化する。図4に示すような、基材1の配列を実現しても、基材1を蒸着源7にあまり近づけると、膜厚の均一性は劣化する。しかし、従来のように、平面上に基材1を配列した構成よりは、より良好なレベルで、上記のトレードオフの関係が成り立つ。このため、上記のように、基材1が配列される面を蒸発源7を囲い込む形状とすることによって、膜厚の均一性−収率の関係を、平坦面配置の場合よりも、より良好なレベルでのトレードオフ関係にする改良することができる。理想的には、基材ホルダー3の内面は、曲面が望ましいが、平面を分けて、上記曲面に沿わせることでできる多角形でもよい。さらに、実用上、許容される厚み変動の範囲に収まれば、ある程度、等蒸気面から逸脱してもよい。図2に示す基材1は、交差する3枚の平面上に配置されており、実用上、許容される厚み変動内に収まる。そして、その厚み変動抑制効果を利用して、基材1をるつぼ7に近づけて配置することで、無駄になる蒸発分を極力、抑えて、収率向上に資することができる。
図5は、図2に示す基材ホルダー3に含まれている基材支持板3pを示す図である。また、図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。図5および図6において、基材支持板3pには、基材1を係止するための係止棒3aが設けられ、その係止棒3aが基材1に開けられた係止孔1hを通り、基材1が固定される。係止孔1hや係止棒3aは、有効な蒸着膜の面積を確保するために、できる限り少ないほうがよく、またその位置は、基材の端ほど好ましい。基材1に係止孔1hをあけないで、基材1の端面を支持する機構であってもよく、そのような端面支持機構のほうが、有効な蒸着膜面積を得る上で好ましい。
図7は、図5に示す基材支持板3pに支持された基材1に対して、マスク5を配置した状態を示す図である。マスク5は、マスク取付具3bに取り付けられ、上記の係止孔1hおよび係止棒3aを避けるように、開口部をもつ。図7では、1つの開口部のみを示すが、この1つの開口部に対応する領域に複数の開口部を設けて、開口部に構造をもたせてもよい。薄膜が用いられる用途に応じて、適当な構造の開口部をもつマスクパターンとするのがよい。このマスク5により、製品の設計自由度を高めることができる。
上記の基材1は、小サイズの平板状基材であり、ハンドリングが容易になり、薄膜を用いる装置のサイズに適合させるために切断する工程を簡単化、または省略することができる。この小サイズ、平板状の基材1を、図2に示す筒状体部分の形状をもつ基材ホルダー3に保持させることにより、蒸着膜の厚みの均一性を向上することができる。また、基材間において許容される膜厚変動の上限まで、基材1を蒸着源7に近づけることで、平面全体に基材1を配列した場合よりも、収率を大きく向上することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における薄膜形成装置10を示す図である。本実施の形態における基材ホルダー3、およびそこに保持される基材1は、実施の形態1におけるものと同じである。本実施の形態における薄膜形成装置10は、生産性向上を追求した点に特徴をもつ。蒸着チャンバー30の前に補助チャンバー31を、また後に補助チャンバー32を設け、各チャンバー30,31,32の出入口にはゲートバルブ35を設ける。蒸着チャンバー30では、基材ホルダー3の間隔をあけずに、隣り合う基材ホルダー3の端面が接する状態で、搬送が行われる。蒸着は、基材1が上方を搬送される時間中、休みなく継続するのがよい。
補助チャンバー31,32は、新たな基材1および基材ホルダー3の搬入および搬出により、所定ピッチで真空が破られる。しかし、蒸着チャンバー30の真空度を高く保つために、補助チャンバー31,32の容積は蒸着チャンバー30よりも小さくして、排気速度の大きい真空装置(図示せず)を設けるのがよい。蒸着チャンバー30の後に位置する補助チャンバー32では、新たな基材ホルダー3等の搬入のため外気と通じて真空が破られた直後は、前後のゲートバルブ35を閉じて、真空引きを行う。所定の真空度に到達し、かつ蒸着チャンバー30に基材ホルダー3の空きが生じた場合、蒸着チャンバー30との境界のゲートバルブ35をあけて、基材1を装着した基材ホルダー3を蒸着チャンバー30に送り込む。
また、蒸着がなされた基材1を外に取り出すために、蒸着チャンバー30から基材ホルダー3を補助チャンバー31に搬送する。補助チャンバー31では、蒸着チャンバー30との境界のゲートバルブ35を閉じた後、外気側のゲートバルブ35をあけて、基材1保持の基材ホルダー3を搬出する。補助チャンバー31,32の配置によって、蒸着チャンバー30を常時、高真空に維持することができ、連続して、蒸着を続けることができる。また、基材1に薄膜を形成する際、基材1を加熱して所定温度を維持する必要がある。このために、蒸着チャンバー30の上部にランプヒーター25を配置して、搬送中の基材1を、基材ホルダー3越しに加熱し、温度制御する。ランプヒーター25の使用により、搬送中の複数の基材1の全体を、連続して温度制御することができる。
基材ホルダー3の蒸着チャンバー30内での搬送速度は、0.1m/分〜10m/分とするのがよい。上記の構成によって、上記の基材1および基材ホルダー3の利用とあわせて、実用上、許容できる膜厚変動範囲内にして高い収率を確保しながら、生産性(薄膜面積/時間)の向上を得ることができる。
電子銃を含む電子ビーム源または電子ビーム発生装置本体16は、基材ホルダー3に囲い込まれるように、基材ホルダー3の下方、さらにレール15の下方に配置するのがよい。通常、電子ビーム22は、磁場によってローレンツ力を受けて曲げられ、るつぼ7に照射される。電子ビーム22は、るつぼ7の幅方向に沿って往復走査するのがよい。上記のような電子ビーム源16の配置によって、基材ホルダー3および基材1を蒸着源7に近接させて配置することができ、成膜の収率を高めることができる。図8では、るつぼ7と基材ホルダー3との距離は、比較的余裕があるように表示している。しかし、実際は、るつぼ7は、レール15と重なる位置まで、基材1および基材ホルダー3に近接して配置される。上記電子ビーム源16の配置構造は、るつぼ7の基材ホルダー3への近接配置を可能にして、収率向上とともに薄膜形成装置10の小型化にも資することができる。なお、本発明に係る薄膜形成装置は、薄膜であればどのような材質のものにも適用することができる。
(本発明の実施の形態1および2におけるポイント)
(1)トレードオフの関係にある、膜厚変動の抑制と収率との関係を、従来のレベルよりも高めるために、蒸着源を囲い込む面に沿って基材を配置する。
(2)上記の囲い込む面の形状を、筒状体部分として、その筒状体部分の軸線方向に、基材を移動させながら蒸着膜を形成する。筒状体部分の端はフラットであり、複数の基材ホルダーをすき間なく連続的に搬送できる。このため搬送方向の膜厚変動を克服することができ、かつ基材端部での切り捨て量の最小化または切り捨て量ゼロ化を実現することができる。さらに軸線方向への搬送によって、生産性(薄膜面積/時間)を向上することができる。
(他の実施の形態)
1.基材ホルダーの搬送機構については、レールと車輪とによる例をあげたが、搬送機構はこれに限定されず、搬送速度の精度が高く、安定な搬送が可能であれば、何によってもよい。たとえば、チェーン、ギア駆動等を用いることができる。
2.蒸着源に投入されるエネルギーは、電子ビームのみをあげたが、電子ビーム以外のエネルギー源であってもよい。抵抗加熱など何でもよい。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の薄膜形成装置によれば、膜厚変動を抑制し、成膜の収率を向上させることができ、さらに筒状体をなす基材ホルダーを筒状体の軸芯方向に搬送しながら連続して蒸着することによって、生産性を向上することができる。
本発明の実施の形態1における薄膜形成装置を示す図である。 図1の薄膜形成装置における基材、基材ホルダー、および蒸着源を示す図である。 るつぼからの等蒸気面を示す図である。 本発明の実施の形態における基材配列のポイントを説明するための図である。 図2に示す基材ホルダーへの基材の取り付けを示す図である。 図5のVI−VI線に沿う断面図である。 図5に示す基材ホルダーに保持された基材にマスクを配置した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2における薄膜形成装置を示す図である。
符号の説明
1 基材、3 基材ホルダー、3a 基材係止棒、3b マスク取付具、3c 平板交差線、3f フレーム、3p 基材支持板、5 マスク、14 車輪、15 レール、16 電子ビーム源、22 電子ビーム、23 蒸気、23f 等蒸気面、25 ランプヒーター、30 蒸発チャンバー、31,32 補助チャンバー、35 ゲートバルブ。

Claims (11)

  1. 真空引き雰囲気の蒸着チャンバーで、蒸着源からの蒸気を1つまたは2つ以上の基材に蒸着して薄膜を形成する装置であって、
    前記基材を前記蒸着源に面するように保持する基材ホルダーを備え、
    前記基材ホルダーは、前記蒸着源を囲い込む筒状体部分をなす面に沿って、前記1つまたは2つ以上の基材を保持することを特徴とする、薄膜形成装置。
  2. 前記基材ホルダーを前記筒状体部分の軸線方向に沿って搬送する、搬送機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記搬送機構が、前記筒状体部分の軸線方向に延在するレールと、前記基材ホルダーに設けられ、そのレールを転動する車輪と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記蒸着チャンバーは、前記基材ホルダーを前記筒状体部分の軸線方向に沿って、少なくとも3個、端を接して配置可能な大きさを持つことを特徴とする、請求項2または3に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記搬送方向に沿って前記蒸着チャンバーの前および後に、真空引き雰囲気の補助チャンバーを備え、前記蒸着チャンバーと前後の補助チャンバーとは、ゲートバルブで区切られていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  6. 前記蒸着チャンバーの上部に、前記基材を所定の温度に加熱するためのランプヒーターが配置されていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  7. 前記筒状体部分の断面が多角形の部分であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  8. 前記基材は任意形状の平板であり、その平板が、複数個、前記基材ホルダーに保持されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  9. 前記基材に用いるマスクパターンを取り付けるマスク取付部を、前記基材ホルダーに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  10. 前記蒸着源にエネルギーを供給するための電子ビーム装置は、水平方向に見て前記基板ホルダーより下方に位置し、前記電子ビーム装置から発せられた電子ビームが、前記基板と蒸発源との間の空間を通って前記蒸発源に照射されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の薄膜形成装置。
  11. 真空引き雰囲気の蒸着チャンバー内で、蒸着源からの蒸気を1つまたは2つ以上の基材に蒸着して薄膜を形成する方法であって、
    前記1つまたは2つ以上の基材を、前記蒸着源を囲い込む筒状体部分をなす面に沿って配置することができる基材ホルダーを準備する工程と、
    前記蒸着チャンバー内で、前記基材ホルダーに装着された前記1つまたは2つ以上の基材に、蒸着膜を形成する工程とを備え、
    前記蒸着膜形成工程では、前記1つまたは2つ以上の基材を装着した前記基材ホルダーを少なくとも3個、相互に筒状体同士を近接させた状態で、前記筒状体部分の軸線方向に搬送を行うことを特徴とする、薄膜形成方法。
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