JP2010012734A - 透かし判読不能修正テープ - Google Patents

透かし判読不能修正テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2010012734A
JP2010012734A JP2008176557A JP2008176557A JP2010012734A JP 2010012734 A JP2010012734 A JP 2010012734A JP 2008176557 A JP2008176557 A JP 2008176557A JP 2008176557 A JP2008176557 A JP 2008176557A JP 2010012734 A JP2010012734 A JP 2010012734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
printing
correction
printed
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008176557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5177871B2 (ja
Inventor
Kazuhito Sakamoto
和仁 坂本
Shigeji Morita
繁二 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Union Chemical Co Ltd
Original Assignee
Union Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Union Chemical Co Ltd filed Critical Union Chemical Co Ltd
Priority to JP2008176557A priority Critical patent/JP5177871B2/ja
Publication of JP2010012734A publication Critical patent/JP2010012734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5177871B2 publication Critical patent/JP5177871B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】
感圧転写型修正テープとしての基本的な性能があり、転写不良が起こらず、表面や裏面において反射透かしや透過透かしで隠蔽した文字を判読することができない透かし判読不能修正テープを提供することである。
【解決手段】
隠蔽層上に、印刷層は点を印刷する方法を用いて形成され、その後、粘着層は液状の粘着層インキによって粘着層の厚さが印刷層の印刷部分の厚さよりも大きく形成されており、印刷層は、印刷部分からなる印刷柄を有しており、印刷柄の面積率が40%以上であり、文字の高さがテープ幅方向の印刷柄幅の20%以上100%以下である黒色文字に印刷柄を重ねると、その文字の判読を不能にすることができる印刷柄であり、印刷部分の色は、黒色インクを用いた色であり、その色からなる印刷部分を、修正用塗膜を感圧転写した透明PET側から測定したPCS値が0.80以上0.95以下であることを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンターで出力した文字を隠蔽するために、さらに隠蔽後に筆記修正するために、塗膜転写具に装填して修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる感圧転写型修正テープに関するものである。特に、修正用塗膜の表面において隠蔽層の下にある印刷柄が透けて見えることがなく、紙上で隠蔽した黒色文字の表面と裏面において、反射透かしであっても透過透かしであっても、文字を判読することができないものに関する。
近年のコンピュータとプリンターの発達によって、コンピュータで作成した文章などをプリンターで出力することが多くなっているが、プリンターで出力した後に誤字に気づくことがあり、誤字の修正用途が広がっている。誤字を修正するために、液体の修正液に替わって、修正テープの使用が好まれている。これは、修正テープが液体の修正液のように玉になることや乾燥させる必要がないことに加えて、いつでも均一な厚さで誤字を修正できるからである。
修正テープとしては通常、塗膜転写具に装填して修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる感圧転写型修正テープが用いられる。これは一般に、紙やフィルムなどの基材上に均一な厚さの修正用塗膜を形成して、一定のテープ幅に裁断してテープ状にしたものを塗膜転写具に装填して使用する。これにより、液体の修正液にはない、修正テープとしての特徴が出るものである。また、この修正用塗膜は、文字を隠蔽するだけでなく、修正用塗膜上への筆記を可能にする性能も持っているものである。
プリンターの出力では、上質紙などの白色の紙に黒色文字で出力することが多く、白色の修正テープが使用されるが、文字を隠蔽した箇所や修正用塗膜上に筆記した文字をわざと目立たせるために、着色剤によって隠蔽層を白色以外の色に着色したもの(実用新案登録第3131358号公報)も使用されている。また、文字を隠蔽した箇所をわざと目立たせるために、修正用塗膜上に柄を付けた感圧転写型柄付き修正テープ(特願2008−036987号公報)も開発している。当然ながら、この柄付き修正用塗膜上への筆記も、柄があるにも関わらず可能にしたものである。
一方で、個人情報流出の懸念から、名前や住所などの個人情報を修正テープで隠蔽するという方法が取られることがある。机上において紙上の文字を修正テープで隠蔽することはできるが、この紙上で隠蔽した文字の裏面から、机上スタンドの蛍光灯の光などで反射したり透過したりして透かして見ると、隠蔽した文字が浮かびあがり、文字を判読することができる場合がある。
特開平6−092085号公報では、修正面の反対側からみても元の文字などが判読不能な隠蔽修正用転写テープを提供することを目的として、本発明の粘着層に相当する層を着色するものが開発されているが、粘着層に着色剤を添加すると、粘着力が弱くなり、被転写体への感圧転写がうまくいかず、部分的に転写ができないことや転写した塗膜が浮いてしまうことがある。このような転写の不具合を転写不良と呼んでいる。この転写不良が起こらない程度の着色剤の添加量であると、充分な隠蔽性を出すことができず、修正面の反対側からみて、見えにくくはなるが、完全に文字を判読不能にするものとはならなかった。
特開平10−309893号公報では、裏側に対する隠蔽性がより高い修正用転写テープの開発を課題として、本発明の隠蔽層に相当する表面向き隠蔽層と、それに加えて裏面向き隠蔽層を形成するものが開発されているが、裏面向き隠蔽層は黒色等の濃色となり、それが透けて見えて、白色等の表面向き隠蔽層であっても、修正部分が被着体と異なる灰色等に見えるということがあり、白色の修正テープという商品に違和感を与えるものとなった。また、切断箇所で裏面向き隠蔽層が露出して黒色が目立ち、目障りであったようである。
特開平11−343467号公報では、裏側に対する隠蔽性が高いのみならず、修正部分が灰色等の被着体と異なる色に見えたり、切断箇所で黒色が目立ったりすることを防止して、快適に使用しやすい修正用転写テープの開発を課題として、裏向き隠蔽層を不均一にしたり、また、縞状、網目状、又は散点状に設けたりしたものが開発されている。
実用新案登録第3131358号公報 特願2008−036987号公報 特開平6−092085号公報 特開平10−309893号公報 特開平11−343467号公報
基材上に隠蔽層と粘着層が形成されている通常の修正用塗膜であれば、基材と隠蔽層の間の密着力に対して粘着層の粘着力が勝っているので、感圧転写という基材背面から圧力を与えることがきっかけとなって、基材と隠蔽層が剥離され、被転写体に隠蔽層と粘着層が転写されるものである。しかしながら、隠蔽層と粘着層の間に、特開平10−309893号公報や特開平11−343467号公報のような裏面向き隠蔽層を形成すると、隠蔽層と裏向き隠蔽層の間の密着力は、それぞれの層に着色剤を多く添加しているので、粘着層の粘着力に比べて弱いものとなる。また、裏向き隠蔽層を不均一にしたりしていると、密着力にばらつきが出ることになる。このような構成のものに、基材背面から圧力を与える感圧転写をすると、転写不良が起こりやすかった。さらに、特開平11−343467号公報にあるように、裏面向き隠蔽層を縞状、網目状、又は散点状に設けたりすると、隠蔽層と裏向き隠蔽層の間の密着面積がさらに少なくなり、余計に転写不良が起こりやすかった。
一方で、情報を得ようとする人はいろいろなことを試みるものである。そのような人は、さまざまな方向から光を当てて透かして見えないものかを試すことは予想に難くない。紙上で修正テープで隠蔽した文字の裏面から、強い光で反射したり透過したりして透かして見ると、隠蔽した文字が浮かびあがり、文字を判読することができる場合がある。このように、裏面において反射透かしや透過透かしで文字を判読することができる場合があるのは問題であった。
本発明の課題は、感圧転写型修正テープとしての基本的な性能があり、転写不良が起こらず、表面や裏面において反射透かしや透過透かしで隠蔽した文字を判読することができない透かし判読不能修正テープを提供することである。
本発明は、基材上に順に、隠蔽層、印刷層、粘着層が形成されている修正用塗膜を有しており、これを一定のテープ幅に裁断してテープ状にしたものを塗膜転写具に装填して、修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる修正テープにおいて、隠蔽層上に、印刷層は点を印刷する方法を用いて形成され、その後、粘着層は液状の粘着層インキによって粘着層の厚さが印刷層の印刷部分の厚さよりも大きく形成されており、隠蔽層と印刷層は、感圧転写された修正用塗膜の表面から隠蔽層を通して印刷層が透けて見えることがなく構成されているものであり、印刷層は、印刷部分からなる印刷柄を有しており、印刷柄の面積率が40%以上であり、文字の高さがテープ幅方向の印刷柄幅の20%以上100%以下である黒色文字に印刷柄を重ねると、その文字の判読を不能にすることができる印刷柄であり、印刷部分の色は、黒色インクを用いた色であり、その色からなる印刷部分を、修正用塗膜を感圧転写した透明PET側から測定したPCS値が0.80以上0.95以下であることを特徴とするものである。
本発明の修正テープは、隠蔽する文字を完全に隠蔽することができ、その修正用塗膜の上に水性インクでも滲まずに筆記することができるという基本的な性能があり、被転写体への感圧転写がうまくいかず、部分的に転写ができないことや転写した塗膜が浮いてしまうという転写不良が起こらず、表面や裏面において反射透かしや透過透かしで隠蔽した文字を判読することができない透かし判読不能修正テープとなった。
図1は、本発明の透かし判読不能修正テープ1の断面図である。基材2上に修正用塗膜3を有しており、修正用塗膜3は基材2上に順に、隠蔽層4、印刷層5、粘着層6を形成しているものである。印刷層5は、印刷によって形成された印刷部分7と、印刷のない部分8からなる。印刷部分7は網点で表している。印刷のない部分8は、詳細は後述するが、液状の粘着層インキが入り込んで粘着層6となっている。それで、この印刷のない部分8では、直接隠蔽層4と粘着層6が接していることになる。
図において、図の縦方向と横方向の縮尺は異なる。縦方向の厚さとして、基材2が12μm、隠蔽層4が20μm、印刷層5の印刷部分7が1μm、粘着層6が印刷層5の印刷部分7を含めて3μmを想定しており、隠蔽層4、印刷層5、粘着層6が形成されている修正用塗膜3は23μmとなる。横方向として、この断面図では一定のテープ幅に裁断した両端があるものを表しており、5mmのテープ幅を想定している。
透かし判読不能修正テープ1を一定のテープ幅に裁断してテープ状にしたものを塗膜転写具に装填して、修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる。図2は、感圧転写した修正用塗膜の断面図である。図では省略しているが、下側が被転写体である。その上に順に、粘着層6、印刷層5、隠蔽層4からなる修正用塗膜3が感圧転写されている。このような状態で、被転写体の文字を隠蔽しており、修正用塗膜3上への筆記することができるものとなっている。また、印刷のない部分8では、直接隠蔽層4と粘着層6が接している。
基材2は、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムや、グラシン紙や、人造樹脂フィルム、洋紙和紙等のフィルム状物、あるいはこれらの複合フィルム状物等を用いることができる。基材の厚さは、3〜100μm程度が良い。基材の厚さが大きいと、転写する時の転写圧が低下して転写不良が生じることがあり、逆に基材の厚さが小さいと、テープの強度が弱くなり、テープの断裂などのトラブルを生じることがある。また、基材は、両面剥離処理されていることが好ましい。剥離処理は、シリコン樹脂、フッ素樹脂、その他剥離性を有する樹脂やオイルなどを主成分として、必要に応じて、剥離性を有しない合成樹脂や微粒子、添加剤などを混合したものでグラビアコーティングやダイコーティングなどの方法により施される。
隠蔽層4は、液状の隠蔽層インキを作製し、一般的なコーターなどを用いて基材2上に塗布乾燥させて、形成することができる。液状の隠蔽層インキは、顔料とビヒクルと、必要に応じて分散剤や添加剤を、有機溶剤中にて、分散機や攪拌機等で均一に混合して作製される。形成された隠蔽層4中の顔料比率が75重量%より少ないと、水性インキなどの筆記具で隠蔽層上に筆記した時に、筆記具インキが染み込み定着するまでに時間がかかってしまい、にじみやハジキが生じてしまう。また、隠蔽したはずの文字が透けて見えたり、感圧転写後の修正用塗膜の表面に光沢が出てしまったりすることもある。また、顔料比率が90重量%より多いと、感圧転写した時にひび割れが発生する原因となったり、感圧転写後の修正用塗膜を手で触ると白く汚れるチョーキング現象が発生する原因となったりする。ゆえに、隠蔽層4中の顔料比率は、75重量%以上90重量%以下が好ましい。
隠蔽層4の顔料は、白色顔料か着色顔料もしくはそれらを組み合わせたものと、充填剤からなる。白色顔料としては、酸化チタンが一般的に用いられている。着色顔料としては、有機顔料や無機顔料がある。有機顔料では、アゾレーキレッド、キナクドリンレッド、ファストエロー、スレンエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ジオキサジンバイオレットなどがあり、無機顔料では、弁柄、クロムバーミリオン、黄鉛、オキサイドエロー、酸化クロムグリーン、紺青、群青などがある。これらを単体、もしくは混合して用いることができる。充填剤としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カオリン、珪藻土などの体質顔料が用いられている。また、顔料と混合するビヒクルとしては、ウレタン系、アクリル系、ビニル系、オレフィン系、ゴム系などの樹脂を単体、もしくは数種を混合して用いることができる。
印刷層5は、隠蔽層4上に点を印刷する方法を用いて形成される。図1と図2における印刷層5の印刷部分7は、その印刷された点の集まりである。印刷層5は、これら印刷部分7と印刷のない部分8からなる。点を印刷する方法は、点を形成することができれば、どのような印刷方法でもよい。具体的には、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
図3は、透明PETのような透明被転写体に感圧転写した修正用塗膜3を、透明被転写体を通して印刷層5の印刷部分7を拡大して模式的に表わしたものである。印刷部分7は、印刷された点9と点印刷のない空隙10から形成されている。空隙10は、詳細は後述するが、液状の粘着層インキが入り込んで粘着層6となっている。
図3では、点9を円形で表わしており、円の直径0.3mmを想定しているが、印刷方法や条件などにより、円形以外の形状(菱形やその他の多角形)にもなる。そこで、円形であれば直径、菱形であれば対角線の長さ、その他の多角形であれば2頂点を結んだ最大線分を、点の最大長と表現すると、印刷層の印刷柄は、文字の判読を不能にする必要があるので、点の最大長は0.01mm以上1.0mm以下であることが好ましい。現状の印刷方法では、0.01mmより小さくすることは難しく、1.0mmより大きいと文字の判読を不能にする印刷柄とならない場合があるからである。図3では、円形の点9が整然と並んだ場合を表わしているが、印刷方法や条件などにより、整然と並んでいない場合や、隣り合う点同士が重なっている場合もある。この点9の大きさや数によって、色の濃さを変えることもできる。
粘着層6は、隠蔽層4上に形成した印刷層5の後に液状の粘着層インキによって形成される。液状の粘着層インキを用いて、一般的なコーターなどで塗布乾燥させて、粘着層6は形成される。液状の粘着層インキは、一般に粘着剤として扱われているアクリル系、ロジン系、ゴム系、ビニルエーテル系、ポリイソブチレン系などの樹脂を用いることができる。必要であれば、充填剤、接着性調整剤、老化防止剤等を配合してもよい。充分な粘着特性を出すために、粘着層6の厚さは1μm以上20μm以下が好ましい。厚さが小さいと、充分な粘着特性が出せない。厚さが大きいと、貼り合わせた時に、その部分の盛り上がりができてしまい、見た目が悪くなってしまう。
印刷層5の印刷部分7は、点を印刷する方法を用いており、図3のように印刷された点9と、点印刷のない空隙10から形成されている。その後、粘着層6を液状の粘着層インキによって粘着層6の厚さが印刷層5の印刷部分7の厚さよりも大きく形成する。すると、空隙10にも液状の粘着層インキが入り込んで、空隙10は粘着層6となる。粘着層6の厚さが印刷層5の印刷部分7の厚さよりも小さい場合、空隙10に液状の粘着層インキが入り込むことはできても、印刷層5の印刷部分7より小さい厚さの粘着層6しか形成することができず、粘着層6よりも印刷部分7が出ていることになり、うまく感圧転写することができなくなる。
このようにして、基材2上に順に、隠蔽層4、印刷層5、粘着層6が形成されている修正用塗膜3を有しているものを、一定のテープ幅に裁断して、コアなどへ巻きつけて小巻にして、塗膜転写具に装填する。一定のテープ幅としては、3mm〜12mmの間であるのが一般的であるが、これ以外の幅である場合もある。図では5mmのテープ幅を想定している。装填した塗膜転写具を用いて、修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる。
隠蔽層と印刷層は、感圧転写された修正用塗膜の表面から隠蔽層を通して印刷層が透けて見えることがなく構成されている。隠蔽層を通して印刷層が透けて見えると、修正用塗膜として見た目が悪くなり、修正用塗膜上に筆記した文字がくすんでしまうこととなる。隠蔽層で使用する着色剤の量を増やせば隠蔽層の下にある印刷柄が透けて見えることを避けられるが、筆記性など修正用塗膜に必要な基本性能が悪くなる。そこで、隠蔽層は従来のものと大きく変わらず、修正用塗膜に必要な基本性能は維持したまま、隠蔽層を通して透けて見えることがないように、印刷層に改良を加え、特徴を持たせている。
図4は、文字の判読を不能にすることができる印刷柄11の例である。印刷柄11は、印刷層4の印刷部分7からなる。この図では印刷部分7は黒い部分である。図の縦方向が、テープ幅方向であり、この印刷柄11幅はテープ幅と同じ5mmである。なおわかりやすいよう、図の左に5mmスケールを表している。言うまでもないが、このスケールは印刷柄11ではない。図の横方向が、テープ長尺方向である。ここでA−A’断面における場合を表わしたのが、図1や図2である。
この印刷柄11を有した印刷層を形成した後、粘着層を液状の粘着層インキによって粘着層の厚さが印刷層の印刷部分7の厚さよりも大きく形成する。すると、印刷のない部分8にも液状の粘着層インキが入り込んで、印刷のない部分8は粘着層となる。ゆえにこの部分は、直接隠蔽層と粘着層が接していることになる。そして、上記図3で説明したように、印刷部分7の点印刷のない空隙10は粘着層となっている。このように、印刷部分7においても、印刷のない部分8においても、粘着層が存在することになるので、印刷層が隠蔽層と粘着層の間に存在しても、隠蔽層との層界面の密着力が弱くならず、転写不良を起こすことがなくなったものである。
印刷柄の面積率は、印刷柄の単位面積あたりの面積のことである。図4の印刷柄11の面積率は88%である。印刷柄の面積率が40%よりも小さくなると、文字の判読を不能にする柄とはならなくなる。なお、印刷柄の面積率100%が最大であり、その場合はベタ柄となる。面積率100%のベタ柄であると、黒色の濃さによっては隠蔽層の表面の白色が、灰色とまでいかないものの、くすんだ白色のようになることもあるので、面積率95%以下であるのがより好ましい。また、印刷柄の面積率が小さいと、文字の判読を不能にする柄を考案するのが難しくなるので、柄を考案しやすくするには面積率が60%以上であるのが好ましい。さらに容易に柄を考案するには、面積率が80%以上であるのがより好ましい。このような印刷柄を重ねると、文字の判読を不能にすることができる。
文字の判読を不能にするということを具体的に説明すると、図5の上のような矢印記号「→」と3文字「あいう」からなる黒色文字において、図5の下のように3文字「あいう」に図4の印刷柄11を重ねると、文字が何であるのかわからなくなる。このような状態が、文字の判読を不能にした状態である。
印刷柄を重ねると、判読を不能にすることができる文字は、文字の高さがテープ幅方向の印刷柄幅の20%以上100%以下である大きさのものである。図4の場合、印刷柄幅は5mmであるので、文字の高さが1mm以上5mm以下のものとなる。この範囲の高さの文字であれば、印刷柄を重ねると、判読を不能にすることができる。
図6は、文字の高さが20%(1mm)と100%(5mm)のものに、図4の印刷柄11を重ねた図である。図6の上左に、印刷柄幅の5mmスケールを表している。その右隣が、文字の高さが印刷柄幅の20%(1mm)のものであり、さらに右隣が、文字の高さが印刷柄幅の100%(5mm)のものである。これらに対して図6の下では、5mmスケールを残して、図4の印刷柄11を重ねており、文字の判読を不能にしている。なお、図6の上下を繰り返し眺めていると、大きな文字の方は、印刷柄11を重ねていても、残像効果のために浮かんで見えるようになる。
図7は、他の印刷柄の例である。この印刷柄の面積率は86%である。図5の下と同様に、3文字「あいう」に印刷柄を重ねている。文字が何であるのかわからなくなり、文字の判読を不能にした状態である。なお、すべての文字の判読が不能にすることができれば最もよいが、判読不能にするだけなら、複数の文字からなる文において、その文の意味が判読できなければよい。つまり、1文字や2文字くらいは判読不能になっていなくても、それらの文字からなる文が判読できなれば、目的を達成することになる。
修正テープは、レーザプリンターなどで出力した紙上の文字を修正するために使用されることが多い。この場合、白色の紙に黒色文字という関係となる。それゆえ、隠蔽層は白色、柄は黒色が好ましい。ただし黒色を濃くしすぎると、柄が隠蔽層を通して透けて見えてしまうことになる。そこで、黒色の濃さをわずかに薄くして、柄が隠蔽層を通して透けて見えてしまうことがなく、文字の判読を不能にすることができるようにしている。その黒色の濃さをPCS値で決めているものである。
PCSとは、プリントコントラストシグナルのことであり、PCS値は、(白色下地の反射率−黒色文字の反射率)/(白色下地の反射率)で定義されるものであるが、ここでは、被転写体が不透明な紙であると、柄を測定することはできないので、透明なPETに修正用塗膜を感圧転写して、その透明PETを通して測定したPCS値を用いている。PCS値が0.95より大きいと、柄の黒色が濃くなりすぎて、柄が隠蔽層を通して透けて見えてしまう。PCS値が0.80より小さいと、灰色っぽくなりすぎ、レーザプリンターなどで出力した文字を判読不能にすることができなくなる。それゆえ、PCS値が0.80以上0.95以下であるのがよい。さらに、白色の用紙に合わせるなら、PCS値が0.85以上0.90以下がより好ましいものである。なお、PCS値の測定には、Macbeth PCM−IIを用いて、フィルターAを使用している。
黒色の濃さは、黒色インキに他の色、例えば白色インキを混ぜることにより、濃さをわずかに薄くする方法と、グラビア印刷などの場合、版を調整することで、濃さを薄くすることができる。版を調整することをさらにいえば、図3の点9や空隙10の形状を変えることになる。このようにして、濃さを調整して、PCS値を適切な範囲に設定することができる。
両面剥離処理された厚さ12μmのPETフィルム上に、隠蔽層インキを、次の配合比率でトルエン溶液中にて、分散機で分散処理し、均一に混合して作製して、このインキを用いてリバースロールコーターで塗布乾燥後の厚さが20μmになるように、隠蔽層を形成した。隠蔽層インキの配合比率は、白色顔料として酸化チタン(タイピュアR931「デュポン株式会社製」)と充填剤としてシリカ(ガジルシリカ200DF「INEOS Silicas社製」)を合わせて固形分で80重量%、ビヒクルとしてスチレン・ブタジエンブロックコポリマー(アサフレックス805「旭化成ケミカルズ株式会社製」)とスチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(クレイトン1101JS「クレイトンポリマー社製」)を合わせて固形分で18重量%、分散剤として特殊高分子界面活性剤(ホモゲノールL−18「花王株式会社製」)を固形分で2重量%である。これより顔料比率は80%である。
この隠蔽層上に図4の印刷柄(印刷柄の面積率88%)を、グラビア印刷方法を用いて形成した。グラビア印刷用インキ(大阪印刷インキ製造(株)製VS−SANS黒色80%と白色20%の混合)を用いて、印刷層の印刷部分を厚さ1μmになるように印刷し、形成した。その後に、液状の粘着層インキとしてアクリル系粘着剤(ニカゾールTS−1523「日本カーバイド工業株式会社製」)を用いて、リバースロールコーターで塗布乾燥後の厚さが3μmになるように、粘着層を形成した。
これを、幅5mm、長さ10mのテープ状の裁断し、コアに小巻にして、塗膜転写具(ユニオンケミカー社製 消シマウスHG)に装填した。これを使用して、透明PET上に感圧転写した修正用塗膜を透明PET側から測定したところ、PCS値は0.90であった。
グラビア印刷用インキ(大阪印刷インキ製造(株)製VS−SANS黒色100%)に変更して、その他は実施例1と同様にして各層を形成し、同様のテープ状にしたものを塗膜転写具に装填した。これを使用して、透明PET上に感圧転写した修正用塗膜を透明PET側から測定したところ、PCS値は0.95であった。
グラビア印刷用インキ(大阪印刷インキ製造(株)製VS−SANS黒色70%と白色30%の混合)に変更して、その他は実施例1と同様にして各層を形成し、同様のテープ状にしたものを塗膜転写具に装填した。これを使用して、透明PET上に感圧転写した修正用塗膜を透明PET側から測定したところ、PCS値は0.80であった。
レーザプリンターで用紙に出力した文字(文字の高さ2.8mm)上に、各実施例の修正用塗膜を感圧転写して観察を行なった。すべての実施例において、出力した文字を完全に隠蔽することができており、その修正用塗膜の上に水性インクでも滲まずに筆記することができた。また、修正用塗膜の表面から隠蔽層を通して印刷層が透けて見えることはなかった。転写直後、及び1週間経過後でも、転写不良は起こっていなかった。さらに、表面や裏面において反射透かしや透過透かしを行っても、隠蔽した文字を判読することはできなかった。
本発明の透かし判読不能修正テープの断面図。 感圧転写した修正用塗膜の断面図。 印刷層の印刷部分を拡大した模式図。 判読不能な印刷柄の例。 判読不能の説明図。 高さ20%と100%文字の判読不能の説明図。 他の判読不能な印刷柄の例。
符号の説明
1 透かし判読不能修正テープ
2 基材
3 修正用塗膜
4 隠蔽層
5 印刷層
6 粘着層
7 印刷部分
8 印刷のない部分
9 点
10 空隙
11 印刷柄

Claims (1)

  1. 基材上に順に、隠蔽層、印刷層、粘着層が形成されている修正用塗膜を有しており、これを一定のテープ幅に裁断してテープ状にしたものを塗膜転写具に装填して、修正用塗膜を被転写体の文字上に感圧転写することができる修正テープにおいて、
    隠蔽層上に、印刷層は点を印刷する方法を用いて形成され、その後、粘着層は液状の粘着層インキによって粘着層の厚さが印刷層の印刷部分の厚さよりも大きく形成されており、
    隠蔽層と印刷層は、感圧転写された修正用塗膜の表面から隠蔽層を通して印刷層が透けて見えることがなく構成されているものであり、
    印刷層は、印刷部分からなる印刷柄を有しており、印刷柄の面積率が40%以上であり、文字の高さがテープ幅方向の印刷柄幅の20%以上100%以下である黒色文字に印刷柄を重ねると、その文字の判読を不能にすることができる印刷柄であり、
    印刷部分の色は、黒色インクを用いた色であり、その色からなる印刷部分を、修正用塗膜を感圧転写した透明PET側から測定したPCS値が0.80以上0.95以下であることを特徴とする透かし判読不能修正テープ。
JP2008176557A 2008-07-07 2008-07-07 透かし判読不能修正テープ Active JP5177871B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008176557A JP5177871B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 透かし判読不能修正テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008176557A JP5177871B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 透かし判読不能修正テープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010012734A true JP2010012734A (ja) 2010-01-21
JP5177871B2 JP5177871B2 (ja) 2013-04-10

Family

ID=41699313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008176557A Active JP5177871B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 透かし判読不能修正テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5177871B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011197045A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Union Chemicar Co Ltd 学習具
JP2012135995A (ja) * 2010-12-28 2012-07-19 Union Chemicar Co Ltd パターン付き感圧転写テープ
JP2013091164A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Union Chemicar Co Ltd 印字機構付き塗膜転写具

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10309893A (ja) * 1997-05-09 1998-11-24 Sakura Color Prod Corp 修正用転写テープ
JPH11343467A (ja) * 1998-05-29 1999-12-14 Sakura Color Prod Corp 修正用転写テープ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10309893A (ja) * 1997-05-09 1998-11-24 Sakura Color Prod Corp 修正用転写テープ
JPH11343467A (ja) * 1998-05-29 1999-12-14 Sakura Color Prod Corp 修正用転写テープ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011197045A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Union Chemicar Co Ltd 学習具
JP2012135995A (ja) * 2010-12-28 2012-07-19 Union Chemicar Co Ltd パターン付き感圧転写テープ
JP2013091164A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Union Chemicar Co Ltd 印字機構付き塗膜転写具

Also Published As

Publication number Publication date
JP5177871B2 (ja) 2013-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5177871B2 (ja) 透かし判読不能修正テープ
JP2010032684A (ja) 隠蔽シール、機密情報用書類及び機密情報読取方法
JP3131358U (ja) 感圧修正テープ
JP5063401B2 (ja) 感圧転写型柄付き修正テープ
JP5327961B2 (ja) 学習具
JPH11343467A (ja) 修正用転写テープ
JP2015186881A (ja) スクラッチ印刷物、スクラッチ印刷用媒体および製造方法
JP2009061719A (ja) コピー防止用紙
JP2017217916A (ja) スクラッチインキおよびスクラッチ印刷物
JP3952674B2 (ja) 情報隠蔽印刷物
JP2012135995A (ja) パターン付き感圧転写テープ
JP6578885B2 (ja) スクラッチシート
JP2002067480A (ja) 記録用シート
KR100510629B1 (ko) 정보 표시면 형성용 코팅재 및 표시매체
JP6550818B2 (ja) 剥離検知媒体
JPH11279502A (ja) 透明性再剥離型粘着剤及び透明性再剥離型情報担持シート
JP7310167B2 (ja) 隠蔽シール、機密情報用書類および機密情報の読み取り方法
JP2000052676A (ja) 発色機構及び該機構を具備する被記録材
JP2001293943A (ja) 記録用シート
JP7306107B2 (ja) 情報隠蔽シート
JP5477904B2 (ja) 学習具
EP1973066B1 (en) Method for printing onto coloured substrates and computer system using said method
JP6729290B2 (ja) スクラッチシート
JP2007199160A (ja) フィルムラベル
JP6544190B2 (ja) スクラッチシート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5177871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250