JP2010010765A - 移動通信端末用電子回路モジュール及びこれを備えた移動通信端末用回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールにおいて、送受信信号間のアイソレーションを確保する。
【解決手段】第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタと、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタとを第1の基板上に設け、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタと、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタとを第2の基板上に設け、送信信号経路と受信信号経路を互いに異なる基板上に分けて構成する。
【選択図】図1
【解決手段】第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタと、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタとを第1の基板上に設け、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタと、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタとを第2の基板上に設け、送信信号経路と受信信号経路を互いに異なる基板上に分けて構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、携帯電話機などの移動通信端末に係り、特に、マルチバンド対応の移動通信端末用の電子回路モジュールの構成に関する。
現在、国際的な移動体通信サービス網として実施されている3GPP(3rd Generation Partnership Project)規格のW−CDMA方式では、Band−IからBand−VIの6種類の通信帯域(バンド)を規定しており、各国の電波利用状況や計画に適したバンドでの通信が可能である。この通信方式においては、周波数分割による送受複信方式が採用されており、送受信それぞれの周波数に対応したフィルタで構成されるデュプレクサにより送受信回路の選択が行われている。一方、xxxと呼ばれるような次世代移動体通信方式においても、周波数分割による送受信複信方式が採用される見込みであり、この場合にも送受信回路の選択にはデュプレクサが用いられることになると考えられる。
移動通信端末においては、上記のような複数の通信帯域に対応(マルチバンド化)するために、さらには、汎欧州ディジタル移動電話方式(GSM)のような他の通信方式へ対応(マルチモード化)するために、端末無線部の回路規模はますます増大する方向にある。また、通信端末の高機能化やマルチメディア化などの点からも、端末全体の回路規模は増大しつつあり、このため、各部品の小型化への要求は高まっている。
デュプレクサに関しては、かかる小型化の要求に応えるために、異なる通信帯域に対応した複数のデュプレクサをモジュール化することにより実装面積を減らすことが検討されている。しかしながら、周波数分割による送受複信方式においては、送信と受信とが同時に行われるため、送受信信号間のアイソレーションが劣化して相互干渉が発生し易いし、加えて、複数のデュプレクサをモジュール化して小型化した場合には、送信端子と受信端子の間の間隔が狭くなっているため、この点からもアイソレーションの劣化が起き易い。このため、このアイソレーションの劣化を抑えるための改善策の検討も進められており、例えば、特開2005−244336号公報(特許文献1)に記載の技術が提案されている。該特開2005−244336号公報には、電子回路モジュールにおいて、電力増幅器と、分波回路または合波回路(デュプレクサ)あるいは弾性表面波素子との間に干渉防止接地部を設け、電子回路モジュール内における電磁波の干渉、電磁結合による信号の漏洩などを抑えるとした技術が記載されている。
上記特開2005−244336号公報記載の技術では、電力増幅器からデュプレクサへ送信信号経路以外の経路を通って漏洩する信号電力を抑圧している。しかしながら、該公報記載の技術においては、送信信号が電力増幅器から信号線路を経由してデュプレクサへ到達するため、デュプレクサの送信帯域フィルタ経由でデュプレクサ受信出力端子へ送信信号が漏洩する。この受信出力端子へ漏洩する漏洩信号のレベルは、信号線路以外へ漏洩する漏洩信号のレベルと比べて著しく高い。このため、このデュプレクサ受信出力端子への信号漏洩は、電子回路モジュールの受信特性を著しく劣化させてしまうおそれがある。
また、一般に、複数の通信帯域に対応したマルチバンド対応通信端末においては、通信端末の設計簡略化や部品実装面積削減のために、複数の通信帯域の送信帯域フィルタ、受信帯域フィルタが一つのモジュールとして構成されている。しかしながら、かかる構成においては、一つの通信帯域の送信帯域フィルタ、受信帯域フィルタ及び位相回路を同一基板上に構成したデュプレクサを、それぞれの通信帯域毎に使用しているため、個々のデュプレクサを小型化した場合、デュプレクサの送信信号入力端子と受信信号出力端子との相互間距離が接近し、受信フィルタを介さない送信信号の漏洩が大きくなってしまうという問題があった。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、マルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールにおいて、小型化した場合にも、送信信号と受信信号との間でアイソレーションが確保されるようにすることである。
本発明の目的は、上記課題点を解決し、小型化に適した移動通信端末用電子回路モジュールを提供することにある。
本発明の目的は、上記課題点を解決し、小型化に適した移動通信端末用電子回路モジュールを提供することにある。
上記課題点を解決するために、本発明では、マルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールとして、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタと、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタとを第1の基板上に設け、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタと、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタとを第2の基板上に設け、送信信号経路と受信信号経路を互いに異なる基板上に分けて構成する。
本発明によれば、小型化された場合にも、送信信号、受信信号間のアイソレーションが確保されるマルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールを提供することができる。
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
以下の各実施例においては、マルチバンドのうち、第1の通信帯域は、信号周波数が例えば900MHz帯、第2の通信帯域は、例えば1800MHz帯であるとして説明する。
以下の各実施例においては、マルチバンドのうち、第1の通信帯域は、信号周波数が例えば900MHz帯、第2の通信帯域は、例えば1800MHz帯であるとして説明する。
図1〜図5は、本発明の第1の実施例の説明図である。図1は、本発明の第1の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュールの構成図、図2は、図1の移動通信端末用電子回路モジュールにおけるダイプレクサと位相回路の回路構成を示す図、図3は、図1の移動通信端末用電子回路モジュールにおける受信帯域フィルタモジュールの構成を示す図、図4は、図1の移動通信端末用電子回路モジュールにおける送信帯域フィルタモジュールの構成を示す図、図5は、図1の移動通信端末用電子回路モジュールにおける送信帯域フィルタモジュールの他の構成例を示す図である。
図1において、1Aは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、10はアンテナ、20は、本発明の第1の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、200は、移動通信端末用電子回路モジュール20からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール20側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、30は、移動通信端末用電子回路モジュール20内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、40は、移動通信端末用電子回路モジュール20内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、50は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、アンテナ10側から入力された信号を第1の通信帯域(周波数)の信号と第2の通信帯域(周波数)の信号とに分波する分波回路としてのダイプレクサ、61は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路である。
上記移動通信端末用電子回路モジュール20は、アンテナ10と、RFIC200における第1、第2の通信帯域の信号入力端子とに接続されている。アンテナ10、第1の電力増幅器91及び第2の電力増幅器92には、送信帯域フィルタモジュール30が接続され、RFIC200の第1、第2の通信帯域の信号入力端子には、受信帯域フィルタモジュール40が接続されている。アンテナ10は、送信帯域フィルタモジュール30内のダイプレクサ50に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200の第1の通信帯域の信号出力端子に接続され、第2の電力増幅器92は、RFIC200の第2の通信帯域の信号出力端子に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第1の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール30内の第1の送信帯域フィルタ61側に供給し、第2の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第2の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール30内の第2の送信帯域フィルタ62側に供給する。
また、受信帯域フィルタモジュール40は、その内部の第1の受信帯域フィルタ81の出力側がRFIC200の第1の通信帯域の入力端子に接続され、同第1の受信帯域フィルタ81の入力側が送信帯域フィルタモジュール30内の第1の位相回路71に接続され、第2の受信帯域フィルタ82の出力側がRFIC200の第2の通信帯域の入力端子に接続され、同第2の受信帯域フィルタ82の入力側が送信帯域フィルタモジュール30内の第2の位相回路72に接続されている。
上記第1の送信帯域フィルタ61は第1の送信信号経路を構成し、上記第2の送信帯域フィルタ62は第2の送信信号経路を構成し、上記第1の受信帯域フィルタ81は第1の受信信号経路を構成し、上記第2の受信帯域フィルタ82は第2の受信信号経路を構成する。上記第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、上記第1、第2の受信帯域フィルタ81、82のうちのいずれか一方(送信帯域フィルタまたは受信帯域フィルタのいずれか)または両方(送信帯域フィルタと受信帯域フィルタの双方)は、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタやBAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタを用いて構成される。これらのフィルタは、圧電基板(圧電素子)の表面に形成した電極の間の信号電位差を音響波に変換して伝達するもので、SAWフィルタは、圧電基板の表面音響波を利用して信号伝達を行い、BAWフィルタは、圧電基板の厚さ方向に伝わるバルク音響波を利用して信号伝達を行う。
上記送信帯域フィルタモジュール30内においては、上記ダイプレクサ50、上記第1の送信帯域フィルタ61、上記第2の送信帯域フィルタ62、上記第1の位相回路71及び上記第2の位相回路72が1個の基板上(基板内部も含む)すなわち第1の基板上(基板内部も含む)に設けられている。また、上記受信帯域フィルタモジュール40においては、上記第1の受信帯域フィルタ81と上記第2の受信帯域フィルタ82とが1個の基板上すなわち第2の基板上に設けられている。
以下、説明中で用いる図1の各構成要素には、図1の場合と同じ符号を付して用いる。
以下、説明中で用いる図1の各構成要素には、図1の場合と同じ符号を付して用いる。
図2は、図1の移動通信端末用電子回路モジュール20におけるダイプレクサ50と位相回路71、72の回路構成を示す図である。ダイプレクサ50と位相回路71、72はともに、キャパシタとインダクタの接続により構成される。
図2において、501〜505はダイプレクサ50を構成するキャパシタ、507、508はダイプレクサ50を構成するインダクタ、711は第1の位相回路71を構成するキャパシタ、712、713は第1の位相回路71を構成するインダクタ、721は第2の位相回路72を構成するキャパシタ、722、723は第2の位相回路72を構成するインダクタである。
図2において、501〜505はダイプレクサ50を構成するキャパシタ、507、508はダイプレクサ50を構成するインダクタ、711は第1の位相回路71を構成するキャパシタ、712、713は第1の位相回路71を構成するインダクタ、721は第2の位相回路72を構成するキャパシタ、722、723は第2の位相回路72を構成するインダクタである。
ダイプレクサ50内で、キャパシタ501とインダクタ507は、第1の送信帯域フィルタ61側に接続される並列共振回路を構成し、キャパシタ505とインダクタ508は、第2の送信帯域フィルタ62側に接続される直列共振回路を構成する。上記並列共振回路では、第1の通信帯域の信号を通過させ、第2の通信帯域の信号を減衰させるように周波数帯域が選択され、上記直列共振回路では、第2の通信帯域の信号を通過させ、第1の通信帯域の信号を減衰させるように周波数帯域が選択される。このようにして第1の通信帯域の信号と第2の通信帯域の信号とが分波される。また、ダイプレクサ50内のキャパシタ502〜504は、アンテナ10と、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62と、第1、第2の位相回路71、72との間のインピーダンスを整合する。
第1の位相回路71を構成するキャパシタ711、インダクタ712、713は、該第1の位相回路71と上記第1の送信帯域フィルタ61の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第1の通信帯域(900Hz帯)の周波数でのインピーダンスを、例えば約50Ωとされ、該第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第1の位相回路71、第1の送信帯域フィルタ61及び第1の受信帯域フィルタ81は、第1の通信帯域(900Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。同様に、第2の位相回路72を構成するキャパシタ721、インダクタ722、723は、該第2の位相回路72と上記第2の送信帯域フィルタ62の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第2の通信帯域(1800Hz帯)の周波数でのインピーダンスを、例えば約50Ωとされ、該第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第2の位相回路72、第2の送信帯域フィルタ62及び第2の受信帯域フィルタ82は、第2の通信帯域(1800Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。
上記構成の移動通信端末用電子回路モジュール20において、ダイプレクサ50により、第1の通信帯域(900Hz帯)、第2の通信帯域(1800Hz帯)の信号が分波され、両通信帯域の信号経路が併設される。移動通信端末が第1の通信帯域(900Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第1の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第1の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第1の電力増幅器91によって増幅され、送信帯域フィルタ61により帯域外の不要輻射が抑圧される。第1の送信帯域フィルタ61を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第1の受信帯域フィルタ81によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第1の受信帯域フィルタ81により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第1の送信帯域フィルタ61により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第1の電力増幅器91側へ漏れる受信帯域の信号の損失が抑えられる。また、同様に、移動通信端末が第2の通信帯域(1800Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第2の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第2の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第2の電力増幅器92によって増幅され、第2の送信帯域フィルタ62により帯域外の不要輻射が抑圧される。第2の送信帯域フィルタ62を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第2の受信帯域フィルタ82によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第2の受信帯域フィルタ82により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第2の送信帯域フィルタ62により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第2の電力増幅器92側へ漏れる受信帯域信号の損失が抑えられる。
本第1の実施例では、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を同一の基板上すなわち1個の第1の基板上に、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の同一の基板上すなわち1個の第2の基板上に備える構成としているが、これらそれぞれのフィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)にSAWフィルタを用い、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62をそれぞれ構成する電極を同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第1の圧電基板(第1の圧電素子)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82をそれぞれ構成する電極を、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を構成する電極が配される圧電基板とは別の同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第2の圧電基板(第2の圧電素子)上に配する構成としてもよい。このように、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62が設けられる第1の基板または第1の圧電基板と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が設けられる第2の基板または第2の圧電基板とを互いに別個に設ける構成は、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間に空隙または空気層を形成する。該空隙または空気層は、その誘電率が基板の誘電率よりも大幅に低いために、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間での電磁波の伝播を抑える。このため、該構成は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82との間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)を向上させ、高周波信号どうしが該両フィルタ間で干渉することや、高周波信号の漏洩による信号損失を抑える。
以下、説明中で用いる図2の各構成要素には、図2の場合と同じ符号を付して用いる。
以下、説明中で用いる図2の各構成要素には、図2の場合と同じ符号を付して用いる。
図3に、図1の移動通信端末用電子回路モジュール20において、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を、1個の圧電基板(第2の圧電基板)上に配した場合の受信帯域フィルタモジュール40の構成例を示す。
図3において、401はマザーボードとしての基板、403は1個の圧電基板(第2の圧電基板)、811は、第1の受信帯域フィルタ81を構成する電極、821は、第2の受信帯域フィルタ82を構成する電極、402は、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82及び圧電基板(第2の圧電基板)403を覆う金属製のキャップである。電極811、821はそれぞれ、櫛状の導体が互いに噛合った構成を有する。かかる構成では、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を1個の圧電基板上に設けているため、第1の受信帯域フィルタ81と、第2の受信帯域フィルタ82とを互いに別の2個の圧電基板上に分けて設ける場合に比べ、受信フィルタモジュール40の実装面積が小さくなる。かかる図3の構成は、送信フィルタモジュール30内の第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、1個の圧電基板(第1の圧電基板)上に配する場合も同様である。この場合は、図3の構成において、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が第1、第2の送信帯域フィルタ61、62に置き換わることになり、他の部分は図3の場合と同じである。第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、1個の圧電基板(第1の圧電基板)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の1個の圧電基板(第2の圧電基板)上に配する構成の場合、マザーボードとしての基板を、これら両圧電基板(第1、第2の圧電基板)に対応させて2個別個に設けてもよいし、または、1個の基板を用い、これがこれら両圧電基板(第1、第2の圧電基板)に共用されるようにしてもよい。
図3において、401はマザーボードとしての基板、403は1個の圧電基板(第2の圧電基板)、811は、第1の受信帯域フィルタ81を構成する電極、821は、第2の受信帯域フィルタ82を構成する電極、402は、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82及び圧電基板(第2の圧電基板)403を覆う金属製のキャップである。電極811、821はそれぞれ、櫛状の導体が互いに噛合った構成を有する。かかる構成では、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を1個の圧電基板上に設けているため、第1の受信帯域フィルタ81と、第2の受信帯域フィルタ82とを互いに別の2個の圧電基板上に分けて設ける場合に比べ、受信フィルタモジュール40の実装面積が小さくなる。かかる図3の構成は、送信フィルタモジュール30内の第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、1個の圧電基板(第1の圧電基板)上に配する場合も同様である。この場合は、図3の構成において、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が第1、第2の送信帯域フィルタ61、62に置き換わることになり、他の部分は図3の場合と同じである。第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、1個の圧電基板(第1の圧電基板)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の1個の圧電基板(第2の圧電基板)上に配する構成の場合、マザーボードとしての基板を、これら両圧電基板(第1、第2の圧電基板)に対応させて2個別個に設けてもよいし、または、1個の基板を用い、これがこれら両圧電基板(第1、第2の圧電基板)に共用されるようにしてもよい。
図4は、図1の移動通信端末用電子回路モジュール20における送信帯域フィルタモジュール30の構成例を示す図である。本構成例は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、それぞれ別個の圧電基板上に設けるとともに、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50のキャパシタ及びインダクタをチップ部品とした場合の例である。
図4において、30Aは送信帯域フィルタモジュール(図1、2における送信帯域フィルタモジュール30に該当)、301aはマザーボードとしての基板、304a、304b、304c、…304m、304nは、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50を構成するキャパシタ及びインダクタがチップ化されたチップ部品、303aは第1の送信帯域フィルタ61が設けられた圧電基板(第1の圧電基板)、303bは第2の送信帯域フィルタ61が設けられた圧電基板(第1の圧電基板)、302は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62及び圧電基板(第1の圧電基板)303a、303bを覆う金属製のキャップである。基板301a上に、チップ部品304a、304b、304c、…、304m、304n及び圧電基板(第1の圧電基板)303a、303bが配されている。該基板301a上には、さらに、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を配した1個の圧電基板(第2の圧電基板)403を設けてもよい。
図4において、30Aは送信帯域フィルタモジュール(図1、2における送信帯域フィルタモジュール30に該当)、301aはマザーボードとしての基板、304a、304b、304c、…304m、304nは、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50を構成するキャパシタ及びインダクタがチップ化されたチップ部品、303aは第1の送信帯域フィルタ61が設けられた圧電基板(第1の圧電基板)、303bは第2の送信帯域フィルタ61が設けられた圧電基板(第1の圧電基板)、302は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62及び圧電基板(第1の圧電基板)303a、303bを覆う金属製のキャップである。基板301a上に、チップ部品304a、304b、304c、…、304m、304n及び圧電基板(第1の圧電基板)303a、303bが配されている。該基板301a上には、さらに、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を配した1個の圧電基板(第2の圧電基板)403を設けてもよい。
図5は、図1の移動通信端末用電子回路モジュール20における送信帯域フィルタモジュール30の他の構成例を示す図である。本構成例は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を、1個の積層基板上に設けるとともに、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50を構成するキャパシタ及びインダクタを導体電極とスルーホールで形成した場合の例である。
図5において、30Bは送信帯域フィルタモジュール(図1、2における送信帯域フィルタモジュール30に該当)、301bは、誘電体の単位基板が積層されて成る第1の基板としての積層基板、322は、キャパシタやインダクタを構成するために、誘電体の各単位基板の表面に形成された導体電極、323は、積層された単位基板相互間の導体電極間を接続するスルーホール、324〜326はインダクタ、327はキャパシタ、302は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を覆う金属製のキャップである。インダクタ324〜326は、複数の導体電極322がスルーホール323により直列に接続されて構成され、キャパシタ327は、複数の導体電極322がスルーホール323により並列に接続されて構成される。第1、第2の送信帯域フィルタ61、62はともに、1個の積層基板301b(第1の基板)上にあって、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50が構成された平面上に配される。このため、本図5の構成の送信帯域フィルタモジュール30Bでは、その平面積が縮小されるし、また、基板表面に実装される部品数も削減され、移動通信端末用電子回路モジュール20の小型化や低コスト化が可能となる。なお、上記積層基板301b上には、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82は設けられず、該第1、第2の受信帯域フィルタ81、82は、該積層基板301bとは別の基板(第2の基板)に設けられる。
図5において、30Bは送信帯域フィルタモジュール(図1、2における送信帯域フィルタモジュール30に該当)、301bは、誘電体の単位基板が積層されて成る第1の基板としての積層基板、322は、キャパシタやインダクタを構成するために、誘電体の各単位基板の表面に形成された導体電極、323は、積層された単位基板相互間の導体電極間を接続するスルーホール、324〜326はインダクタ、327はキャパシタ、302は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を覆う金属製のキャップである。インダクタ324〜326は、複数の導体電極322がスルーホール323により直列に接続されて構成され、キャパシタ327は、複数の導体電極322がスルーホール323により並列に接続されて構成される。第1、第2の送信帯域フィルタ61、62はともに、1個の積層基板301b(第1の基板)上にあって、第1、第2の位相回路71、72及びダイプレクサ50が構成された平面上に配される。このため、本図5の構成の送信帯域フィルタモジュール30Bでは、その平面積が縮小されるし、また、基板表面に実装される部品数も削減され、移動通信端末用電子回路モジュール20の小型化や低コスト化が可能となる。なお、上記積層基板301b上には、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82は設けられず、該第1、第2の受信帯域フィルタ81、82は、該積層基板301bとは別の基板(第2の基板)に設けられる。
上記本発明の第1の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール20によれば、同じ通信帯域の送信帯域フィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62)と受信帯域フィルタ(第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)が別々の基板上に構成されているため、両基板間に空隙または空気層が形成され、両基板間での電磁波の伝播が抑えられる。このため、送信帯域フィルタと受信帯域フィルタとの間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)が向上され、該両フィルタ間での高周波信号どうしの干渉や、高周波信号の漏洩による信号損失が抑えられる。特に、受信フィルタを介さずに受信フィルタの出力端子すなわちRFIC200の受信端子に漏洩する送信信号を、従来技術に比べて低減化させることができ、通信端末における受信性能の向上が可能となる。また、送信帯域フィルタモジュール30及び受信帯域フィルタモジュール40を小型化した場合にも、送信信号の漏洩レベルが増加しないため、従来のモジュール構成に比べ、移動通信端末用電子回路モジュール20全体の小型化も可能となる。また、ダイプレクサ50を用いた構成であるため、第1、第2の通信帯域で同時に通信を行うことが可能であり、通信網との接続を確保したまま通信帯域間を切り替えるハンドオーバー動作に対応することができる。
図6は、本発明の第2の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュールの構成図である。本実施例の移動通信端末用電子回路モジュールは、アンテナが接続される信号経路の選択を高周波スイッチで行う構成である。
図6において、1Bは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、21は、本発明の第2の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、10はアンテナ、200は、移動通信端末用電子回路モジュール21からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール21側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、33は、移動通信端末用電子回路モジュール21内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、40は、移動通信端末用電子回路モジュール21内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、120は、高周波スイッチとしてのアンテナスイッチ、61は、送信帯域フィルタモジュール33内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール33内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、送信帯域フィルタモジュール33内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、送信帯域フィルタモジュール33内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路である。
高周波スイッチとしてのアンテナスイッチ120は、半導体で構成され、制御電圧信号により、アンテナ10が接続される信号経路を、第1の信号経路すなわち第1の送信帯域フィルタ61が接続された信号経路か、第2の信号経路すなわち第2の送信帯域フィルタ62が接続された信号経路かに選択的に切替える構成を有する。
図6において、1Bは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、21は、本発明の第2の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、10はアンテナ、200は、移動通信端末用電子回路モジュール21からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール21側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、33は、移動通信端末用電子回路モジュール21内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、40は、移動通信端末用電子回路モジュール21内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、120は、高周波スイッチとしてのアンテナスイッチ、61は、送信帯域フィルタモジュール33内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール33内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、送信帯域フィルタモジュール33内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、送信帯域フィルタモジュール33内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路である。
高周波スイッチとしてのアンテナスイッチ120は、半導体で構成され、制御電圧信号により、アンテナ10が接続される信号経路を、第1の信号経路すなわち第1の送信帯域フィルタ61が接続された信号経路か、第2の信号経路すなわち第2の送信帯域フィルタ62が接続された信号経路かに選択的に切替える構成を有する。
上記移動通信端末用電子回路モジュール21は、アンテナ10と、RFIC200における第1、第2の通信帯域の信号入力端子とに接続されている。アンテナ10、第1の電力増幅器91及び第2の電力増幅器92には、送信帯域フィルタモジュール33が接続され、RFIC200の第1、第2の通信帯域の信号入力端子には、受信帯域フィルタモジュール40が接続されている。アンテナ10は、送信帯域フィルタモジュール33内の、高周波スイッチとしてのアンテナスイッチ120に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200の第1の通信帯域の信号出力端子に接続され、第2の電力増幅器92は、RFIC200の第2の通信帯域の信号出力端子に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第1の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール33内の第1の送信帯域フィルタ61側に供給し、第2の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第2の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール33内の第2の送信帯域フィルタ62側に供給する。
また、受信帯域フィルタモジュール40は、その内部の第1の受信帯域フィルタ81の出力側がRFIC200の第1の通信帯域の入力端子に接続され、同第1の受信帯域フィルタ81の入力側が送信帯域フィルタモジュール33内の第1の位相回路71に接続され、第2の受信帯域フィルタ82の出力側がRFIC200の第2の通信帯域の入力端子に接続され、同第2の受信帯域フィルタ82の入力側が送信帯域フィルタモジュール33内の第2の位相回路72に接続されている。
上記第1の送信帯域フィルタ61は第1の送信信号経路を構成し、上記第2の送信帯域フィルタ62は第2の送信信号経路を構成し、上記第1の受信帯域フィルタ81は第1の受信信号経路を構成し、上記第2の受信帯域フィルタ82は第2の受信信号経路を構成する。上記第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、上記第1、第2の受信帯域フィルタ81、82のうちのいずれか一方(送信帯域フィルタまたは受信帯域フィルタのいずれか)または両方(送信帯域フィルタと受信帯域フィルタの双方)は、例えばSAWフィルタやBAWフィルタを用いて構成される。
上記送信帯域フィルタモジュール33内においては、上記アンテナスイッチ120、上記第1の送信帯域フィルタ61、上記第2の送信帯域フィルタ62、上記第1の位相回路71及び上記第2の位相回路72が1個の基板上(基板内部も含む)すなわち第1の基板上(基板内部も含む)に設けられている。また、上記受信帯域フィルタモジュール40においては、上記第1の受信帯域フィルタ81と上記第2の受信帯域フィルタ82とが1個の基板上すなわち第2の基板上に設けられている。
送信帯域モジュール33内の位相回路71、72は、キャパシタとインダクタの接続により構成される。該キャパシタやインダクタは、上記第1の実施例(図4、図5)におけると同様、チップ部品として構成してもよいし、誘電体の単位基板が積層されて成る積層基板を用いて導体電極とスルーホールにより構成してもよい。
第1の位相回路71を構成するキャパシタとインダクタは、該第1の位相回路71と上記第1の送信帯域フィルタ61の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第1の通信帯域(900Hz帯)の周波数でのインピーダンスを、例えば約50Ωとされ、該第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第1の位相回路71、第1の送信帯域フィルタ61及び第1の受信帯域フィルタ81は、第1の通信帯域(900Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。同様に、第2の位相回路72を構成するキャパシタ7とインダクタは、該第2の位相回路72と上記第2の送信帯域フィルタ62の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第2の通信帯域(1800Hz帯)の周波数でのインピーダンスを約50Ωとされ、該第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第2の位相回路72、第2の送信帯域フィルタ62及び第2の受信帯域フィルタ82は、第2の通信帯域(1800Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。
上記構成の移動通信端末用電子回路モジュール21において、移動通信端末が第1の通信帯域(900Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第1の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第1の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は電力増幅器91によって増幅され、送信帯域フィルタ61により帯域外の不要輻射が抑圧される。送信帯域フィルタ61を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、受信帯域フィルタ81によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該受信帯域フィルタ81により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、送信帯域フィルタ61により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、電力増幅器91側へ漏れる受信帯域の信号の損失が抑えられる。また、同様に、移動通信端末が第2の通信帯域(1800Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第2の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第2の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は電力増幅器92によって増幅され、送信帯域フィルタ62により帯域外の不要輻射が抑圧される。送信帯域フィルタ62を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、受信帯域フィルタ82によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該受信帯域フィルタ82により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、送信帯域フィルタ62により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、電力増幅器92側へ漏れる受信帯域信号の損失が抑えられる。
移動通信端末用電子回路モジュール21においては、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を同一の基板上すなわち1個の第1の基板上に、また、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の同一の基板上すなわち1個の第2の基板上に備える構成としているが、これらそれぞれのフィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)にSAWフィルタを用い、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62をそれぞれ構成する電極を同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第1の圧電基板(第1の圧電素子)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82をそれぞれ構成する電極を、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を構成する電極が配される圧電基板とは別の同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第2の圧電基板(第2の圧電素子)上に配する構成としてもよい。第1の圧電基板は、第1の送信帯域フィルタ61が設けられる圧電基板と、第2の送信帯域フィルタ62が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。同様に、第2の圧電基板は、第1の受信帯域フィルタ81が設けられる圧電基板と、第2の受信帯域フィルタ82が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。このように、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62が設けられる第1の基板または第1の圧電基板と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が設けられる第2の基板または第2の圧電基板とを互いに別個に設ける構成は、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間に空隙または空気層を形成する。該空隙または空気層は、その誘電率が基板の誘電率よりも大幅に低いために、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間での電磁波の伝播を抑える。このため、該構成は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82との間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)を向上させ、高周波信号どうしが該両フィルタ間で干渉することや、高周波信号の漏洩による信号損失を抑える。
上記本発明の第2の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール21によっても、同じ通信帯域の送信帯域フィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62)と受信帯域フィルタ(第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)が別々の基板上に構成されているため、両基板間に空隙または空気層が形成され、両基板間での電磁波の伝播が抑えられる。このため、送信帯域フィルタと受信帯域フィルタとの間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)が向上され、該両フィルタ間での高周波信号どうしの干渉や、高周波信号の漏洩による信号損失が抑えられる。特に、受信フィルタを介さずに受信フィルタの出力端子すなわちRFIC200の受信端子に漏洩する送信信号を、従来技術に比べて低減化させることができ、通信端末における受信性能の向上が可能となる。また、送信帯域フィルタモジュール33及び受信帯域フィルタモジュール40を小型化した場合にも、送信信号の漏洩レベルが増加しないため、従来のモジュール構成に比べ、移動通信端末用電子回路モジュール21全体の小型化も可能となる。また、アンテナスイッチ120を用いた構成であるため、非接続信号経路のインピーダンスが極めて高く、接続信号経路から非接続信号経路への信号損失を低くすることができる。このため、接続信号経路の通信帯域での送受信における信号損失を低く抑えることができ、例えば3つ以上の通信帯域で送受信動作させる場合にも送受信性能の低下を抑えることが可能となる。
図7は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュールの構成図である。本実施例の移動通信端末用電子回路モジュールは、受信帯域フィルタモジュールとRFICとの間に低雑音増幅器を設けた構成である。
図7において、1Cは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、10はアンテナ、22は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、200は、移動通信端末用電子回路モジュール22からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール22側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、30は、移動通信端末用電子回路モジュール22内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、40は、移動通信端末用電子回路モジュール22内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、50は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、アンテナ10側から入力された信号を第1の通信帯域(周波数)の信号と第2の通信帯域(周波数)の信号とに分波する分波回路としてのダイプレクサ、61は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路、101は、第1の受信帯域フィルタ81の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した低雑音増幅器、102は、第2の受信帯域フィルタ82の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した低雑音増幅器、111は、低雑音増幅器101の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した受信帯域フィルタ、112は、低雑音増幅器102の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した受信帯域フィルタである。
図7は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュールの構成図である。本実施例の移動通信端末用電子回路モジュールは、受信帯域フィルタモジュールとRFICとの間に低雑音増幅器を設けた構成である。
図7において、1Cは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、10はアンテナ、22は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、200は、移動通信端末用電子回路モジュール22からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール22側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、30は、移動通信端末用電子回路モジュール22内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、40は、移動通信端末用電子回路モジュール22内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、50は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、アンテナ10側から入力された信号を第1の通信帯域(周波数)の信号と第2の通信帯域(周波数)の信号とに分波する分波回路としてのダイプレクサ、61は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール30内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール40内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、送信帯域フィルタモジュール30内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路、101は、第1の受信帯域フィルタ81の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した低雑音増幅器、102は、第2の受信帯域フィルタ82の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した低雑音増幅器、111は、低雑音増幅器101の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した受信帯域フィルタ、112は、低雑音増幅器102の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した受信帯域フィルタである。
上記移動通信端末用電子回路モジュール22は、アンテナ10と、RFIC200における第1、第2の通信帯域の信号入力端子とに接続されている。アンテナ10、第1の電力増幅器91及び第2の電力増幅器92には、送信帯域フィルタモジュール30が接続され、RFIC200の第1、第2の通信帯域の信号入力端子には、受信帯域フィルタモジュール40、低雑音増幅器101、102及び受信帯域フィルタ111、112が接続されている。アンテナ10は、送信帯域フィルタモジュール30内のダイプレクサ50に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200の第1の通信帯域の信号出力端子に接続され、第2の電力増幅器92は、RFIC200の第2の通信帯域の信号出力端子に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第1の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール30内の第1の送信帯域フィルタ61側に供給し、第2の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第2の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール30内の第2の送信帯域フィルタ62側に供給する。
また、受信帯域フィルタモジュール40は、その内部の第1の受信帯域フィルタ81の出力側が、低雑音増幅器101及び受信帯域フィルタ111を介してRFIC200の第1の通信帯域の入力端子に接続され、同第1の受信帯域フィルタ81の入力側が送信帯域フィルタモジュール30内の第1の位相回路71に接続され、第2の受信帯域フィルタ82の出力側が、低雑音増幅器102及び受信帯域フィルタ112を介してRFIC200の第2の通信帯域の入力端子に接続され、同第2の受信帯域フィルタ82の入力側が送信帯域フィルタモジュール30内の第2の位相回路72に接続されている。
上記第1の送信帯域フィルタ61は第1の送信信号経路を構成し、上記第2の送信帯域フィルタ62は第2の送信信号経路を構成し、上記第1の受信帯域フィルタ81、低雑音増幅器101及び受信帯域フィルタ111は第1の受信信号経路を構成し、上記第2の受信帯域フィルタ82、低雑音増幅器102及び受信帯域フィルタ112は第2の受信信号経路を構成する。上記第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、上記第1、第2の受信帯域フィルタ81、82のうちのいずれか一方(送信帯域フィルタまたは受信帯域フィルタのいずれか)または両方(送信帯域フィルタと受信帯域フィルタの双方)は、例えばSAWフィルタやBAWフィルタを用いて構成される。
上記送信帯域フィルタモジュール30内においては、上記ダイプレクサ50、上記第1の送信帯域フィルタ61、上記第2の送信帯域フィルタ62、上記第1の位相回路71及び上記第2の位相回路72が1個の基板上(基板内部も含む)すなわち第1の基板上(基板内部も含む)に設けられている。また、上記受信帯域フィルタモジュール40においては、上記第1の受信帯域フィルタ81と上記第2の受信帯域フィルタ82とが1個の基板上すなわち第2の基板上に設けられている。
送信帯域モジュール30内のダイプレクサ50や位相回路71、72は、キャパシタとインダクタの接続により構成される。該キャパシタやインダクタは、上記第1の実施例(図4、図5)におけると同様、チップ部品として構成してもよいし、誘電体の単位基板が積層されて成る積層基板を用いて導体電極とスルーホールにより構成してもよい。
第1の位相回路71を構成するキャパシタとインダクタは、該第1の位相回路71と上記第1の送信帯域フィルタ61の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第1の通信帯域(900Hz帯)の周波数でのインピーダンスを、例えば約50Ωとされ、該第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第1の位相回路71、第1の送信帯域フィルタ61及び第1の受信帯域フィルタ81は、第1の通信帯域(900Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。同様に、第2の位相回路72を構成するキャパシタ7とインダクタは、該第2の位相回路72と上記第2の送信帯域フィルタ62の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第2の通信帯域(1800Hz帯)の周波数でのインピーダンスを約50Ωとされ、該第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第2の位相回路72、第2の送信帯域フィルタ62及び第2の受信帯域フィルタ82は、第2の通信帯域(1800Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。
上記構成の移動通信端末用電子回路モジュール22において、ダイプレクサ50により、第1の通信帯域(900Hz帯)、第2の通信帯域(1800Hz帯)の信号が分波され、両通信帯域の信号経路が併設される。移動通信端末が第1の通信帯域(900Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第1の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第1の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第1の電力増幅器91によって増幅され、第1の送信帯域フィルタ61により帯域外の不要輻射が抑圧される。第1の送信帯域フィルタ61を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第1の受信帯域フィルタ81によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第1の受信帯域フィルタ81により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、低雑音増幅器101により増幅されて受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第1の送信帯域フィルタ61により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第1の電力増幅器91側へ漏れる受信帯域の信号の損失が抑えられる。また、同様に、移動通信端末が第2の通信帯域(1800Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第2の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第2の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第2の電力増幅器92によって増幅され、第2の送信帯域フィルタ62により帯域外の不要輻射が抑圧される。第2の送信帯域フィルタ62を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第2の受信帯域フィルタ82によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第2の受信帯域フィルタ82により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、低雑音増幅器102により増幅されて受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第2の送信帯域フィルタ62により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第2の電力増幅器92側へ漏れる受信帯域信号の損失が抑えられる。
移動通信端末用電子回路モジュール22においては、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を同一の基板上すなわち1個の第1の基板上に、また、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の同一の基板上すなわち1個の第2の基板上に備える構成としているが、これらそれぞれのフィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)にSAWフィルタを用い、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62をそれぞれ構成する電極を同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第1の圧電基板(第1の圧電素子)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82をそれぞれ構成する電極を、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を構成する電極が配される圧電基板とは別の同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第2の圧電基板(第2の圧電素子)上に配する構成としてもよい。また、第1の圧電基板は、第1の送信帯域フィルタ61が設けられる圧電基板と、第2の送信帯域フィルタ62が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。同様に、第2の圧電基板も、第1の受信帯域フィルタ81が設けられる圧電基板と、第2の受信帯域フィルタ82が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。このように、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62が設けられる第1の基板または第1の圧電基板と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が設けられる第2の基板または第2の圧電基板とを互いに別個に設ける構成は、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間に空隙または空気層を形成する。該空隙または空気層は、その誘電率が基板の誘電率よりも大幅に低いために、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間での電磁波の伝播を抑える。このため、該構成は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82との間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)を向上させ、高周波信号どうしが該両フィルタ間で干渉することや、高周波信号の漏洩による信号損失を抑える。
上記本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール22によっても、同じ通信帯域の送信帯域フィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62)と受信帯域フィルタ(第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)が別々の基板上に構成されているため、両基板間に空隙または空気層が形成され、両基板間での電磁波の伝播が抑えられる。このため、送信帯域フィルタと受信帯域フィルタとの間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)が向上され、該両フィルタ間での高周波信号どうしの干渉や、高周波信号の漏洩による信号損失が抑えられる。特に、受信フィルタを介さずに受信フィルタの出力端子すなわちRFIC200の受信端子に漏洩する送信信号を、従来技術に比べて低減化させることができ、通信端末における受信性能の向上が可能となる。また、送信帯域フィルタモジュール30及び受信帯域フィルタモジュール40を小型化した場合にも、送信信号の漏洩レベルが増加しないため、従来のモジュール構成に比べ、移動通信端末用電子回路モジュール22全体の小型化も可能となる。また、ダイプレクサ50を用いた構成であるため、第1、第2の通信帯域で同時に通信を行うことが可能であり、通信網との接続を確保したまま通信帯域間を切り替えるハンドオーバー動作に対応することができる。さらに、本構成の移動通信端末用電子回路モジュール22によれば、電力増幅器91、92と送信帯域フィルタ61、62との間のインピーダンス整合及び、低雑音増幅器101、102と受信帯域フィルタ81、82、111、112との間のインピーダンス整合を、モジュール内で行うことができるため、移動通信端末の設計が容易となる。また、低雑音増幅器101、102をモジュール内に構成してあるため、RFIC200には低雑音増幅器が不要となり、このため、RFIC200にCMOSを用い、低コスト化を図ることが可能となる。特に、例えばベースバンドICが既にCMOSプロセスで製造されている場合、CMOSを用いたRFIC200は、該ベースバンドICとの統合構成化が可能となるため、移動通信端末全体においてさらなる低コスト化が可能となる。
図8は、本発明の第4の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュールの構成図である。本実施例の移動通信端末用電子回路モジュールは、受信帯域フィルタモジュールとRFICとの間に低雑音増幅器を設けるとともに、位相回路を受信帯域フィルタモジュール内に設けた構成である。
図8において、1Dは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、10はアンテナ、23は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、200は、移動通信端末用電子回路モジュール23からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール23側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、31は、移動通信端末用電子回路モジュール23内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、41は、移動通信端末用電子回路モジュール23内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、50は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、アンテナ10側から入力された信号を第1の通信帯域の信号と第2の通信帯域の信号とに分波する分波回路としてのダイプレクサ、61は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール41内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール41内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、受信帯域フィルタモジュール41内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、受信帯域フィルタモジュール41内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路、101は、第1の受信帯域フィルタ81の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した低雑音増幅器、102は、第2の受信帯域フィルタ82の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した低雑音増幅器、111は、低雑音増幅器101の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した受信帯域フィルタ、112は、低雑音増幅器102の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した受信帯域フィルタである。
図8において、1Dは、マルチバンド対応型の移動通信端末用回路、10はアンテナ、23は、本発明の第3の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール、200は、移動通信端末用電子回路モジュール23からの信号に対して変調処理及び復調処理し、処理信号を該移動通信端末用電子回路モジュール23側に供給する信号処理回路としてのRFIC、91は、RFIC200から出力された第1の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第1の電力増幅器、92は、RFIC200から出力された第2の通信帯域(周波数)の送信信号の電力を増幅する第2の電力増幅器、31は、移動通信端末用電子回路モジュール23内において送信信号経路を形成する送信帯域フィルタモジュール、41は、移動通信端末用電子回路モジュール23内において受信信号経路を形成する受信帯域フィルタモジュール、50は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、アンテナ10側から入力された信号を第1の通信帯域の信号と第2の通信帯域の信号とに分波する分波回路としてのダイプレクサ、61は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタ、62は、送信帯域フィルタモジュール31内にあって、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタ、81は、受信帯域フィルタモジュール41内にあって、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタ、82は、受信帯域フィルタモジュール41内にあって、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタ、71は、受信帯域フィルタモジュール41内に設けられ、上記第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路、72は、受信帯域フィルタモジュール41内に設けられ、上記第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路、101は、第1の受信帯域フィルタ81の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した低雑音増幅器、102は、第2の受信帯域フィルタ82の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した低雑音増幅器、111は、低雑音増幅器101の出力側に接続され、第1の通信帯域に対応した受信帯域フィルタ、112は、低雑音増幅器102の出力側に接続され、第2の通信帯域に対応した受信帯域フィルタである。
上記移動通信端末用電子回路モジュール23は、アンテナ10と、RFIC200における第1、第2の通信帯域の信号入力端子とに接続されている。アンテナ10、第1の電力増幅器91及び第2の電力増幅器92には、送信帯域フィルタモジュール31が接続され、RFIC200の第1、第2の通信帯域の信号入力端子には、受信帯域フィルタモジュール41、低雑音増幅器101、102及び受信帯域フィルタ111、112が接続されている。アンテナ10は、送信帯域フィルタモジュール31内のダイプレクサ50に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200の第1の通信帯域の信号出力端子に接続され、第2の電力増幅器92は、RFIC200の第2の通信帯域の信号出力端子に接続されている。第1の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第1の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール30内の第1の送信帯域フィルタ61側に供給し、第2の電力増幅器91は、RFIC200から出力される第2の通信帯域の送信信号を、送信帯域フィルタモジュール31内の第2の送信帯域フィルタ62側に供給する。
また、受信帯域フィルタモジュール41は、その内部の第1の受信帯域フィルタ81の出力側が、低雑音増幅器101及び受信帯域フィルタ111を介してRFIC200の第1の通信帯域の入力端子に接続され、同第1の受信帯域フィルタ81の入力側が第1の位相回路71に接続され、第2の受信帯域フィルタ82の出力側が、低雑音増幅器102及び受信帯域フィルタ112を介してRFIC200の第2の通信帯域の入力端子に接続され、同第2の受信帯域フィルタ82の入力側が第2の位相回路72に接続されている。
上記第1の送信帯域フィルタ61は第1の送信信号経路を構成し、上記第2の送信帯域フィルタ62は第2の送信信号経路を構成し、上記第1の受信帯域フィルタ81、低雑音増幅器101及び受信帯域フィルタ111は第1の受信信号経路を構成し、上記第2の受信帯域フィルタ82、低雑音増幅器102及び受信帯域フィルタ112は第2の受信信号経路を構成する。上記第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、上記第1、第2の受信帯域フィルタ81、82のうちのいずれか一方(送信帯域フィルタまたは受信帯域フィルタのいずれか)または両方(送信帯域フィルタと受信帯域フィルタの双方)は、例えばSAWフィルタやBAWフィルタを用いて構成される。
上記送信帯域フィルタモジュール31内においては、上記ダイプレクサ50、上記第1の送信帯域フィルタ61及び上記第2の送信帯域フィルタ62が1個の基板上(基板内部も含む)すなわち第1の基板上(基板内部も含む)に設けられている。また、上記受信帯域フィルタモジュール41においては、上記第1の位相回路71、上記第2の位相回路72、上記第1の受信帯域フィルタ81及び上記第2の受信帯域フィルタ82が1個の基板上すなわち第2の基板上に設けられている。
送信帯域モジュール31内のダイプレクサ50や受信帯域モジュール41内の位相回路71、72は、キャパシタとインダクタの接続により構成される。該キャパシタやインダクタは、上記第1の実施例(図4、図5)におけると同様、チップ部品として構成してもよいし、誘電体の単位基板が積層されて成る積層基板を用いて導体電極とスルーホールにより構成してもよい。
受信帯域モジュール41内において第1の位相回路71を構成するキャパシタとインダクタは、該第1の位相回路71と上記第1の送信帯域フィルタ61の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第1の通信帯域(900Hz帯)の周波数でのインピーダンスを例えば約50Ωとされ、該第1の送信帯域フィルタ61と上記第1の受信帯域フィルタ81の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第1の位相回路71、第1の送信帯域フィルタ61及び第1の受信帯域フィルタ81は、第1の通信帯域(900Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。同様に、受信帯域モジュール41内において第2の位相回路72を構成するキャパシタ7とインダクタは、該第2の位相回路72と上記第2の送信帯域フィルタ62の接続点において、送信信号及び受信信号に対し、第2の通信帯域(1800Hz帯)の周波数でのインピーダンスを例えば約50Ωとされ、該第2の送信帯域フィルタ62と上記第2の受信帯域フィルタ82の接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させるようになっている。また、かかる構成の第2の位相回路72、第2の送信帯域フィルタ62及び第2の受信帯域フィルタ82は、第2の通信帯域(1800Hz帯)の送信信号と受信信号とを分波する。
上記構成の移動通信端末用電子回路モジュール23において、ダイプレクサ50により、第1の通信帯域(900Hz帯)、第2の通信帯域(1800Hz帯)の信号が分波され、両通信帯域の信号経路が併設される。移動通信端末が第1の通信帯域(900Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第1の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第1の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第1の電力増幅器91によって増幅され、第1の送信帯域フィルタ61により帯域外の不要輻射が抑圧される。第1の送信帯域フィルタ61を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第1の受信帯域フィルタ81によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第1の受信帯域フィルタ81により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、低雑音増幅器101により増幅されて受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第1の送信帯域フィルタ61により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第1の電力増幅器91側へ漏れる受信帯域の信号の損失が抑えられる。また、同様に、移動通信端末が第2の通信帯域(1800Hz帯)で通信を行う場合には、RFIC200は、第2の通信帯域の送信信号出力端子から送信信号を出力し、同時に該第2の通信帯域の受信信号入力端子で信号の受信を行う。送信信号は第2の電力増幅器92によって増幅され、第2の送信帯域フィルタ62により帯域外の不要輻射が抑圧される。第2の送信帯域フィルタ62を通過した送信信号はアンテナ10から放射されるが、このとき、RFIC200の受信信号入力端子に到達する送信信号は、第2の受信帯域フィルタ82によって減衰される。一方、アンテナ10で受信された信号は、該第2の受信帯域フィルタ82により、帯域外の雑音、妨害波が減衰され、低雑音増幅器102により増幅されて受信帯域の信号がRFIC200の受信信号入力端子に到達する。このとき、第2の送信帯域フィルタ62により受信帯域周波数の信号が抑圧されるため、第2の電力増幅器92側へ漏れる受信帯域信号の損失が抑えられる。
移動通信端末用電子回路モジュール23においては、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を同一の基板上すなわち1個の第1の基板上に、また、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82を他の同一の基板上すなわち1個の第2の基板上に備える構成としているが、これらそれぞれのフィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)にSAWフィルタを用い、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62をそれぞれ構成する電極を同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第1の圧電基板(第1の圧電素子)上に配し、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82をそれぞれ構成する電極を、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62を構成する電極が配される圧電基板とは別の同一の圧電基板(圧電素子)上すなわち1個の第2の圧電基板(第2の圧電素子)上に配する構成としてもよい。また、第1の圧電基板は、第1の送信帯域フィルタ61が設けられる圧電基板と、第2の送信帯域フィルタ62が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。同様に、第2の圧電基板も、第1の受信帯域フィルタ81が設けられる圧電基板と、第2の受信帯域フィルタ82が設けられる圧電基板とを別個の基板としてもよい。このように、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62が設けられる第1の基板または第1の圧電基板と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82が設けられる第2の基板または第2の圧電基板とを互いに別個に設ける構成は、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間に空隙または空気層を形成する。該空隙または空気層は、その誘電率が基板の誘電率よりも大幅に低いために、該第1の基板または第1の圧電基板と、該第2の基板または第2の圧電基板との間での電磁波の伝播を抑える。このため、該構成は、第1、第2の送信帯域フィルタ61、62と、第1、第2の受信帯域フィルタ81、82との間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)を向上させ、高周波信号どうしが該両フィルタ間で干渉することや、高周波信号の漏洩による信号損失を抑える。
上記本発明の第4の実施例としての移動通信端末用電子回路モジュール23によっても、同じ通信帯域の送信帯域フィルタ(第1、第2の送信帯域フィルタ61、62)と受信帯域フィルタ(第1、第2の受信帯域フィルタ81、82)が別々の基板上に構成されているため、両基板間に空隙または空気層が形成され、両基板間での電磁波の伝播が抑えられる。このため、送信帯域フィルタと受信帯域フィルタとの間でそれぞれにおける高周波信号の分離性(アイソレーション)が向上され、該両フィルタ間での高周波信号どうしの干渉や、高周波信号の漏洩による信号損失が抑えられる。特に、受信フィルタを介さずに受信フィルタの出力端子すなわちRFIC200の受信端子に漏洩する送信信号を、従来技術に比べて低減化させることができるため、通信端末における受信性能の向上が可能となる。また、第1、第2の位相回路71、72を送信帯域フィルタモジュール31内には設けずに、受信帯域フィルタモジュール41内に設ける構成としているため、特に送信帯域フィルタモジュール31の小型化が可能となる。送信帯域フィルタモジュール31及び受信帯域フィルタモジュール41を、それぞれの基板として積層基板を用い、ダイプレクサ50や第1、第2の位相回路71、72のキャパシタやインダクタをそれぞれ、導体電極とスルーホールで該積層基板内に構成した場合には、該両モジュール31、41の実装面積の大幅な縮小化が可能となる。また、送信帯域フィルタモジュール31及び受信帯域フィルタモジュール41を小型化した場合にも、送信信号の漏洩レベルが増加しないため、従来のモジュール構成に比べ、移動通信端末用電子回路モジュール23全体の小型化も可能となる。また、ダイプレクサ50を用いた構成であるため、第1、第2の通信帯域で同時に通信を行うことが可能であり、通信網との接続を確保したまま通信帯域間を切り替えるハンドオーバー動作に対応することができる。さらに、本構成の移動通信端末用電子回路モジュール23によれば、電力増幅器91、92と送信帯域フィルタ61、62との間のインピーダンス整合及び、低雑音増幅器101、102と受信帯域フィルタ81、82、111、112との間のインピーダンス整合を、モジュール内で行うことができるため、移動通信端末の設計が容易となる。また、低雑音増幅器101、102をモジュール内に構成してあるため、RFIC200には低雑音増幅器が不要となり、このため、RFIC200にCMOSを用い、低コスト化を図ることが可能となる。特に、例えばベースバンドICが既にCMOSプロセスで製造されている場合、CMOSを用いたRFIC200は、該ベースバンドICとの統合構成化が可能となるため、移動通信端末全体においてさらなる低コスト化が可能となる。
また、図8の構成において、ダイプレクサ50に替えて、図6に示す構成・機能を有した高周波スイッチとしてのアンテナスイッチを用いる構成としてもよい。かかる構成の移動通信端末用電子回路モジュールにおいては、ダイプレクサ50による作用・効果に替えて、第2の実施例において述べたアンテナスイッチによる作用・効果が得られる。その他の作用・効果は上記第4の実施例の場合と同様である。
なお、上記各実施例においては、2つの通信帯域に対応する構成につき述べたが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の通信帯域に対応する構成も含む。また、上記各実施例では、RFIC200は移動通信端末用電子回路モジュールの外部に設ける構成としたが、RFIC200は移動通信端末用電子回路モジュール内に含まれる構成であってもよい。
1A、1B、1C、1D…移動通信端末用回路、
10…アンテナ、
20、21、22、23…移動通信端末用電子回路モジュール、
30、30A、30B、31、33…送信帯域フィルタモジュール、
40、41…受信帯域フィルタモジュール、
50…ダイプレクサ、
61…第1の送信帯域フィルタ、
62…第2の送信帯域フィルタ、
71…第1の位相回路、
72…第2の位相回路、
81…第1の受信帯域フィルタ、
82…第2の受信帯域フィルタ、
91…第1の電力増幅器、
92…第2の電力増幅器、
101、102…低雑音増幅器、
111、112…受信帯域フィルタ、
120…アンテナスイッチ、
200…RFIC、
301a…基板、
301b…積層基板、
302、402…キャップ、
304a、304b、304c、…304m、304n…チップ部品、
322…導体電極、
323…スルーホール、
327、501〜505、711、721…キャパシタ、
324、325、326、507、508、712、713、723…インダクタ、
401…基板、
403、303a、303b…圧電基板、
811、821…電極。
10…アンテナ、
20、21、22、23…移動通信端末用電子回路モジュール、
30、30A、30B、31、33…送信帯域フィルタモジュール、
40、41…受信帯域フィルタモジュール、
50…ダイプレクサ、
61…第1の送信帯域フィルタ、
62…第2の送信帯域フィルタ、
71…第1の位相回路、
72…第2の位相回路、
81…第1の受信帯域フィルタ、
82…第2の受信帯域フィルタ、
91…第1の電力増幅器、
92…第2の電力増幅器、
101、102…低雑音増幅器、
111、112…受信帯域フィルタ、
120…アンテナスイッチ、
200…RFIC、
301a…基板、
301b…積層基板、
302、402…キャップ、
304a、304b、304c、…304m、304n…チップ部品、
322…導体電極、
323…スルーホール、
327、501〜505、711、721…キャパシタ、
324、325、326、507、508、712、713、723…インダクタ、
401…基板、
403、303a、303b…圧電基板、
811、821…電極。
Claims (8)
- マルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールであって、
アンテナ側から入力された信号を第1の通信帯域の信号と第2の通信帯域の信号とに分波する分波回路と、
第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタと、
第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタと、
上記第1の送信帯域フィルタ及び上記第2の送信帯域フィルタが設けられた第1の基板と、
上記分波された第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタと、
上記分波された第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタと、
上記第1の受信帯域フィルタ及び上記第2の受信帯域フィルタが設けられた第2の基板と、
を備えたことを特徴とする移動通信端末用電子回路モジュール。 - マルチバンド対応型の移動通信端末用電子回路モジュールであって、
アンテナが接続される信号経路を、第1の通信帯域の信号経路か第2の通信帯域の信号経路かに切替える高周波スイッチと、
上記第1の通信帯域の信号経路において、第1の通信帯域の送信信号を通過させる第1の送信帯域フィルタと、
上記第2の通信帯域の信号経路において、第2の通信帯域の送信信号を通過させる第2の送信帯域フィルタと、
上記第1の送信帯域フィルタ及び上記第2の送信帯域フィルタが設けられた第1の基板と、
上記第1の通信帯域の信号経路において、第1の通信帯域の受信信号を通過させる第1の受信帯域フィルタと、
上記第2の通信帯域の信号経路において、第2の通信帯域の受信信号を通過させる第2の受信帯域フィルタと、
上記第1の受信帯域フィルタ及び上記第2の受信帯域フィルタが設けられた第2の基板と、
を備えたことを特徴とする移動通信端末用電子回路モジュール。 - 上記第1の基板上または上記第2の基板上には、上記第1の送信帯域フィルタと上記第1の受信帯域フィルタの接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第1の位相回路と、上記第2の送信帯域フィルタと上記第2の受信帯域フィルタの接続点で該両フィルタのインピーダンスを整合させる第2の位相回路とが設けられた構成である請求項1または請求項2に記載の移動通信端末用電子回路モジュール。
- 上記第1、第2の送信帯域フィルタと上記第1、第2の受信帯域フィルタのいずれか一方または両方がSAWフィルタまたはBAWフィルタである請求項1から3のいずれかに記載の移動通信端末用電子回路モジュール。
- 上記第1、第2の送信帯域フィルタ及び上記第1、第2の受信帯域フィルタがSAWフィルタであり、上記第1、第2の基板が圧電基板である請求項1から3のいずれかに記載の移動通信端末用電子回路モジュール。
- 上記分波回路は、ダイプレクサである請求項1、3、4または5に記載の移動通信端末用電子回路モジュール。
- 上記第1の基板は、表面に導体電極を有する複数の誘電体の単位基板が積層されて成り、上記分波回路及び上記第1、第2の位相回路は、上記導体電極がスルーホールで接続されることで形成されるインダクタ及びキャパシタを備えて成る請求項1、3、4または5に記載の移動通信端末用電子回路モジュール。
- 請求項1から7のいずれかに記載の移動通信端末用電子回路モジュールと、
上記移動通信端末用電子回路モジュールからの信号に対して変調処理及び復調処理を行う信号処理回路と、
を備えて成ることを特徴とする移動通信端末用回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008164543A JP2010010765A (ja) | 2008-06-24 | 2008-06-24 | 移動通信端末用電子回路モジュール及びこれを備えた移動通信端末用回路 |
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JP2008164543A Pending JP2010010765A (ja) | 2008-06-24 | 2008-06-24 | 移動通信端末用電子回路モジュール及びこれを備えた移動通信端末用回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2008
- 2008-06-24 JP JP2008164543A patent/JP2010010765A/ja active Pending
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US9287850B2 (en) | 2011-08-22 | 2016-03-15 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Communication module comprised of multiple interdigital transducer duplexers for wireless communication unit |
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