JP2010007596A - エンジンの冷却液分流構造 - Google Patents

エンジンの冷却液分流構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2010007596A
JP2010007596A JP2008168920A JP2008168920A JP2010007596A JP 2010007596 A JP2010007596 A JP 2010007596A JP 2008168920 A JP2008168920 A JP 2008168920A JP 2008168920 A JP2008168920 A JP 2008168920A JP 2010007596 A JP2010007596 A JP 2010007596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coolant
cylinder block
cylinder
path
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008168920A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nakamura
和博 中村
Ryotaro Nishida
良太郎 西田
Yuichi Ayukawa
祐一 鮎川
Makoto Kawasaki
誠 川▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008168920A priority Critical patent/JP2010007596A/ja
Publication of JP2010007596A publication Critical patent/JP2010007596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】冷却液導入路4から冷却液ジャケット3への冷却液の導入の仕方を工夫することによって、シリンダブロック1の冷却を十分に行い得るようにすると共に、シリンダブロック1における局所的な冷却をも防止する。
【解決手段】左側及び右側の流路31,32と、前側及び後側の連通路33,34とによって、シリンダ列を周回するようにシリンダブロック1に設けられた冷却液ジャケット3と、冷却液ジャケット3に冷却液を導入する冷却液導入路4と、を備える。冷却液導入路4の連通口の近傍では、連通口に対向して配置されて冷却液を分流させる分流制御壁61を有するボス部6が、シリンダブロック1の前端壁11と一体に設けられる。分流制御壁61の先端の前後方向に対する位置は、冷却液導入路4の後区画壁42と同じ位置か又は当該後区画壁42よりも後方に突出するように設定される。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンのシリンダブロックにおいてシリンダ列を周回するように設けられた冷却液ジャケットに対し外部から冷却液を導入する際に、その冷却液を適切に分流させることで、高い冷却効率でシリンダブロックを冷却させる構造に関する。
従来より、例えば特許文献1には、前後方向に直列に配置された4気筒のサイアミーズシリンダを備えたシリンダブロックの冷却構造として、当該シリンダ列を挟んだ左右それぞれにおいて前後方向に延びる左側及び右側の流路と、その左側及び右側の流路の前端部及び後端部のそれぞれを互いに連通させるように略左右方向に延びる前側及び後側の連通路とによって、シリンダ列を周回するように冷却液ジャケットを設けたシリンダブロックの構造が知られている。このシリンダブロックには、冷却液ジャケットに冷却液を導入するための冷却液導入路が、その左側壁の内部に形成されていると共に、冷却液の循環ポンプ用のボリュート室が、シリンダブロックの左側壁に開口して形成されている。そして、冷却液導入路の上流端は、ボリュート室に接続される一方、冷却液導入路の下流端は、前記冷却液ジャケットにおける左側の流路と前側の連通路との接続部近傍に連通している。
そうして、シリンダブロックの左側壁に取り付けられた循環ポンプを、Vリブドベルト等を介してエンジンのクランク軸により回転駆動することにより、前記ボリュート室内の羽根車が回転することで、ボリュート室から冷却液導入路を通じて、外部から冷却液ジャケットに冷却液が導入されるようになっている。このようにして冷却液ジャケットに導入された冷却液の一部は、左側の流路を後方に向かって流れ、後側の連通路を通って右側の流路に至り、その後、前側の連通路へと流れるようになる。そうして、その前側の連通路の位置に形成された、ガスケットの導出孔を通じて、シリンダヘッドの冷却液ジャケットに、冷却液が導出されるようになっている。このように、シリンダブロック内の冷却液の基本的な流れは、シリンダ列を周回するように流れた後に、シリンダヘッド側へと流れるように設定されている。
特開2004−286000号公報
ところで、前記特許文献に記載されたシリンダブロックにおいては、冷却液導入路がシリンダブロックの左側壁内を左右方向に延びて形成されており、当該冷却液導入路から冷却液ジャケットに導入される冷却液の流れは、左右方向に強く指向されている。
一方で、冷却液導入路の、冷却液ジャケットに対する連通口は、前後方向に延びる左側の流路と左右方向に延びる前側の連通路との接続部近傍に設定されているため、左右方向に強く指向されている冷却液は、左右方向に延びる前側の連通路側へと流れ易くなる。また、前後方向に延びる左側の連通路側は、シリンダ列を周回していて流路長が長くなるため、流れ抵抗が相対的に大きい。これらの要因により、前記特許文献に記載されたシリンダブロックにおいては、冷却液導入路を通じて導入された冷却液のほとんどが、前側の連通路側に流れてしまい、その前側の連通路からシリンダヘッドの冷却液ジャケットへと冷却液が流れていってしまうようになる。その結果、シリンダブロックにおいてシリンダ列を周回する冷却液の量が少なくなって、シリンダブロックの冷却効率が低下してしまうという問題がある。
また、前記特許文献に記載されたシリンダブロックでは、冷却液導入路の連通口が、最も前側に位置するシリンダのボア壁に相対しているため、その連通口から冷却液ジャケットに流れ込んだ冷却液が、当該シリンダのボア壁に直接的に当たるようになる。このことにより、シリンダのボア壁が局所的に冷却されることになるため、シリンダブロックの熱歪みの問題が生じるという不都合もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却液導入路から冷却液ジャケットへの冷却液の導入の仕方を工夫することによって、シリンダブロックの冷却を十分に行い得るようにすることにあり、併せてシリンダブロックにおける局所的な冷却をも防止することにある。
前記の課題に鑑み、本願発明者が、冷却液導入路の、冷却液ジャケットに対する連通口に対向するように分流制御壁を配置し、それによって、左右方向に指向して冷却液ジャケットに流入する冷却液を後方へと指向させることに着目して検討を重ねたところ、その分流制御壁と連通口との位置関係を調整することによって、前後方向に延びる流路側に流れる冷却液と、左右方向に延びる前側の連通路側に流れる冷却液との流量割合を調整し得ることを見出して、本願発明を完成するに至ったものである。
本発明の一側面によると、エンジンの冷却液分流構造は、複数のシリンダが前後方向に直列に配置されたシリンダ列を有するシリンダブロックと、前記シリンダ列を挟んだ左右方向の一側及び他側のそれぞれにおいて前後方向に延びる一側及び他側の流路と、前記一側及び他側の流路の前端部及び後端部のそれぞれを互いに連通させるように略左右方向に延びる前側及び後側の連通路とからなり、前記シリンダ列を周回するように前記シリンダブロックに設けられた冷却液ジャケットと、前記シリンダブロックの左右方向の一側の側壁における前端部において、前後方向に相対する前区画壁及び後区画壁によって区画されて左右方向に延びるように配設されると共に、その下流端が、前記一側の流路と前側の連通路との接続部分付近において前記冷却液ジャケットに連通することにより、外部から前記冷却液ジャケットに冷却液を導入する冷却液導入路と、を備える。
そして、前記冷却液ジャケットにおける前側の連通路は、前記シリンダブロックの上側に取り付けられるシリンダヘッドの冷却液ジャケットに向かって冷却液を導出させる冷却液導出部とされており、前記冷却液導入路の前記冷却液ジャケットに対する連通口の近傍には、前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックに対して締結するためのヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト孔のボス部が、前記シリンダブロックの前端壁から後方に突出するように当該前端壁と一体に設けられており、前記ボス部は、前記シリンダブロックの前端壁から後方に向かって延びることで前記連通口に対向して配置されると共に、前記冷却液導入路に沿って流れることで左右方向に指向して前記冷却液ジャケットに流入する冷却液を後方へと指向させ、それによって、前記一側の流路と前側の連通路との双方に冷却液を分流させる分流制御壁を有しており、前記分流制御壁の先端の前後方向に対する位置は、前記冷却液導入路の前記後区画壁と同じ位置か又は当該後区画壁よりも後方に突出するように設定されている。
この構成によると、前記冷却液導入路の冷却液ジャケットに対する連通口の近傍には、その連通口に相対するように、ヘッドボルト孔のボス部に設けられた分流制御壁が配置されており、これによって、冷却液導入路から冷却液ジャケットに、左右方向に強い指向性を持って流れ込む冷却液は、その分流制御壁に当たることにより、後方に向かって流れ方向を変更する。これにより、前後方向に延びる一側の流路の側に冷却液が流れ易くなる。
ここで、分流制御壁の先端の前後方向に対する位置を、冷却液導入路の後区画壁と同じ位置に設定したときには、前後方向に延びる一側の流路側に流れる冷却液と、左右方向に延びる前側の連通路側に流れる冷却液との流量割合が、概略50:50となり、前記分流制御壁の先端の位置を、後区画壁よりも後方に突出するように設定したときには、一側の流路側に流れる冷却液の流量割合が相対的に高くなる。
そうして、一側の流路側に流れる冷却液の流量割合を50%以上に設定することによって、十分な量の冷却液がシリンダブロック内を流れることになり、シリンダブロックが十分に冷却される。
また、前記分流制御壁は、連通口に相対して配置されているため、前述したように、冷却液導入路から冷却液ジャケットに流れ込む冷却液は分流制御壁に当たるようになり、これによって、冷却液がシリンダのボア壁に直接的に当たることが回避される。それによって、シリンダブロックにおける局所的な冷却が防止される。
さらにこの分流制御壁は、シリンダブロックの前端壁から後方に突出するように設けられたヘッドボルト孔のボス部によって形成されているため、エンジンの前後方向の長さを長くすることなく、当該分流制御壁を設けることが可能になると共に、そのボス部は、シリンダブロックの前端壁と一体に設けられているため、十分な剛性が確保され、エンジンの信頼性の観点においても有利になる。
前記冷却液導入路から一側の流路の側に流れた冷却液は、前記後側の連通路から前記他側の流路を経由して、前記前側の連通路へと至るように流れる、とすればよい。
こうすることで、シリンダブロック内では、十分な量の冷却液がシリンダ列を周回するように流れることになり、シリンダブロックの冷却効率が高まる。
前記冷却液導入路の連通口の近傍に配置された第1のヘッドボルト孔に対し、前記シリンダを挟んだ逆側位置には、別のヘッドボルトが挿通される第2のヘッドボルト孔が形成されており、当該第1のヘッドボルト孔と第2のヘッドボルト孔とを左右方向に結ぶ直線は、前記最も前側に位置するシリンダの前端近傍を通り、前記ボス部の前後方向に対する位置は、前記冷却液導入路の前区画壁に対して重なるような位置に設定されている、としてもよい。
こうすることで、ボス部の位置が最適化され、それに伴い、分流制御壁の冷却液導入路の連通口に対する相対位置も最適化される。その結果、一側の流路側に流れる冷却液と、前側の連通路側に流れる冷却液との流量割合を、所望の割合に正確に設定し得る。
前記ボス部の分流制御壁は、少なくとも前記冷却液導入路の深さ方向の全範囲に亘って、上下方向に延びて設けられている、とすればよい。
こうすることで、冷却液導入路から冷却液ジャケットに流れ込む冷却液を、その分流制御壁によって、後方に確実に指向させることが可能になる。その結果、一側の流路側に流れる冷却液と、前側の連通路側に流れる冷却液との流量割合を、所望の割合に正確に設定し得る。また、ボス部を上下方向に延ばして形成しているため、ボス部の剛性が高まるという効果も得られる。
前記冷却液導入路の上流端は、前記シリンダブロックの一側面において、前記左右方向の外方に向かって開口しており、前記シリンダブロックの一側面にはまた、前記冷却液導入路の上流開口を囲むように取付座が形成されていて、当該取付座に対して冷却液の循環ポンプが取り付けられている、としてもよい。
つまり、冷却液導入路の上流端をシリンダブロックの一側面に開口させる一方で、従来のシリンダブロックとは異なり、シリンダブロックの側面にボリュート室を形成しないことにより、エンジンのクランク軸によって駆動される機械式の循環ポンプと、電動式の循環ポンプとのいずれをも、シリンダブロックの一側面に対し取り付けることが可能になる。このことにより、循環ポンプの種類が異なっても、シリンダブロックの共用化が図られるという、大きな利点がある。
以上説明したように、本発明によると、冷却液ジャケットに対する、冷却液導入路の連通口に相対するように、ボス部の分流制御壁を配置すると共に、その分流制御壁の先端位置を調整することによって、前後方向に延びる一側の流路の側に流れる冷却液と、左右方向に延びる前側の連通路の側に流れる冷却液との流量割合を適切に設定することができる。その結果、一側の流路側に十分な量の冷却液を流すことで、シリンダブロックの冷却を確実に行うことができる。また、冷却液ジャケットに流れ込んだ冷却液がシリンダのボア壁に直接的に当たることも回避されるため、シリンダブロックにおける局所的な冷却を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1、2は、本発明の実施形態に係るエンジンの冷却液分流構造が適用されたシリンダブロック1を示している。このエンジンは、全体の図示は省略するが、4つのシリンダS1〜S4がクランク軸の延びる方向に直線的に並ぶように設けられた直列4気筒ガソリンエンジンである。
このエンジンは、アルミニウム合金製のシリンダブロック1の上側に、同じくアルミニウム合金製のシリンダヘッド(図示省略)が組み付けられて、エンジン本体が構成されており、エンジンはさらに、該シリンダヘッドの上面に、図示省略のシリンダヘッドカバーが組み付けられる一方、シリンダブロック1の下面に、同じく図示省略のオイルパンが組み付けられて構成される。
また、このエンジンは、前記4つのシリンダが並ぶシリンダ列方向、即ちクランク軸の延びる方向が、図示しない車両の幅方向に概略一致するよう、該車両のエンジンルームに横置きに搭載されるものである。尚、この明細書では、前記シリンダブロック1の長手方向、即ちクランク軸の延びる方向をエンジン(シリンダブロック1)前後方向とし、該クランク軸の出力端側(図1,2の左側)をエンジンの後側と呼ぶ一方、その反対側(図1,2の右側)をエンジンの前側と呼ぶ。また、エンジン(シリンダブロック1)の後側から前側を見て、右側をエンジン(シリンダブロック1)の右側(図1における下側)と呼び、その反対側をエンジン(シリンダブロック1)の左側(図1における上側)と呼ぶものとする。
シリンダブロック1は、前端壁11、後端壁12、左側壁13及び右側壁14を備えると共に、その内部には、図1,3に示すように、エンジン前端側の第1シリンダS1から後端側の第4シリンダS4まで、4つのシリンダが成形されて構成されている。4つのシリンダS1〜S4は、隣り合うシリンダ同士が互いに連結されたサイアミーズシリンダとされており、各シリンダS1,S2,…には鋳鉄製ライナ21,21,…(図3にのみ示す)が鋳ぐるまれている。
図1に示すように、シリンダブロック1のトップデッキ15には、該シリンダブロック1にシリンダヘッドを取り付けるための合計10個のヘッドボルト孔22,22,…が形成されており、このヘッドボルト孔22,22,…は、平面視で(シリンダS1,S2,…の軸心に沿って見て)各シリンダS1,S2,…の周囲を等間隔を空けて囲むように4箇所に配置されている。
そうして、このシリンダブロック1には、図1,3に示すように、4つのシリンダS1〜S4を周回するように冷却液ジャケット3が設けられている。具体的に、この冷却液ジャケット3は、図3に示すように、シリンダブロック1の左側及び右側壁13,14において、それぞれ、シリンダS1〜S4の外形に沿って湾曲するように形成されるとともに、エンジン前端部から後端部に亘って前後方向に延びて設けられる、左側の流路31及び右側の流路32と、その左側の流路31と右側の流路32とを、シリンダブロック1の前後両端部においてそれぞれ連通させる前側の連通路33と、後側の連通路34と、を備えて構成されている。尚、図示は省略するが、シリンダ同士の間には、左側の流路31と右側の流路32とを互いに連通させるクロスドリルが設けられる。また、この冷却液ジャケット3は、例えば図4に示すように、シリンダブロック1の約上半分に対応するくらいの深さに形成されている。
シリンダブロック1のトップデッキ15には、冷却液ジャケット3の形状に沿うように、該トップデッキ15を貫通して、冷却液ジャケット3からシリンダヘッドの冷却液ジャケットに冷却液を流通させる異形の孔部35,35,…が設けられており、このシリンダブロック1は、いわゆるクローズドデッキ式とされている。ここで、図3に示すように、前側の連通路33は、第1シリンダS1よりも前側において、平面視で略矩形状となるように前方に向かって広がって形成されており、この部分は、シリンダヘッドの冷却液ジャケットに向かって冷却液を主に導出するための冷却液導出部とされている。すなわち、図3において一点鎖線で示す各孔は、シリンダブロック1とシリンダヘッドとの間に介設されるガスケット(図示省略)に形成された導出孔36,37を示しており、この導出孔36を通じて、シリンダブロック1からシリンダヘッドへと冷却液が流れ込むことになる。尚、導出孔37は冷却液が漏れる程度の小面積の孔であり、エア抜きが主な機能である。
図1〜3に示すように、シリンダブロック1の右側壁14における、前端側の上端部には、冷却液ジャケット3に対して冷却液を導入するための冷却液導入路4が貫通形成されている。
この冷却液導入路4は、図2,3に示すように、前後方向に相対する前区画壁41と後区画壁42とを含んで横断面略矩形状に形成されており、前記シリンダブロック1の右側壁14内を左右方向に延びて配設されている。そうして、冷却液導入路4の上流端は、シリンダブロック1の右側壁14に、側方を向いて開口している一方、その下流端は、冷却液ジャケット3における右側の流路32と前側の連通路33との接続部の近傍に、連結路43を介して、連通している。
連結路43は、冷却液導入路4の下流端の開口から、シリンダブロック1の後方の内方に向かって斜め方向に延びて配設されており、それによって、連結路43は、前述したように、冷却液導入路4の下流端を、右側の流路32と前側の連通路33との接続部の近傍に連結させている。
ここで、図4,5に示すように、冷却液導入路4は、その上下方向の流路深さが冷却液ジャケット3と比較して大幅に浅く設定されており、その冷却液導入路4と冷却液ジャケット3との間の連結路43は、その流路深さが、冷却液導入路4側から冷却液ジャケット3側に向かうに従って、段階的に深くなるように設定されている。
シリンダブロック1の右側壁14にはまた、図1,2に示すように、冷却液導入路4の上流端の開口を取り囲むように、4つの取付座16,16,…が設けられており、この取付座16に対して冷却液用の循環ポンプ5が取り付けられる。循環ポンプ5は、シリンダブロック1の前端壁よりも前側に配設されかつ、図示省略のVリブドベルトが巻き掛けられるプーリ51を備えており、エンジンのクランク軸によって回転駆動される。
ここで、シリンダブロック1の右側壁14には、従来のシリンダブロックのように循環ポンプの羽根車が内蔵されるボリュート室が一体形成されていない。従って、ここに取り付けられる循環ポンプは、詳細な図示は省略するが、羽根車とボリュート部とを内蔵したポンプである。尚、こうした機械式のポンプに代えて、電動式の循環ポンプをシリンダブロック1の右側壁に取り付けることも可能である。つまり、シリンダブロック1の右側壁14にボリュート室を形成していないことによって、このシリンダブロック1は、機械式の循環ポンプ及び電動式の循環ポンプについて兼用化することができるという利点がある。
そうして、エンジンのクランク軸により循環ポンプ5を回転駆動させることによって、冷却液導入路4及び連結路43を介して、外部から冷却液ジャケット3に冷却液が導入され、その冷却液の一部は、右側の流路32に流れた後、後側の連通路34から左側の流路31を通って、前側の連通路33に至るように流れる。つまり、シリンダ列を周回する冷却液ジャケット3において、図3に示す時計回り方向に冷却液が流れる。また、冷却液導入路4を通じて冷却液ジャケット3に導入された冷却液の一部は前側の連通路33にも分流して流れる。その冷却液は主に、導出孔36を通じてシリンダヘッドの冷却液ジャケットへと導出するように流れる。
本実施形態に係るシリンダブロック1において最も特徴的な点として、第1シリンダS1の周囲を囲むように配置された4つのヘッドボルト孔22の内、当該第1シリンダS1に対して前側でかつ右側に位置するヘッドボルト孔221のボス部6が、分流制御壁61を有する点にある。
つまり、このボス部6は、シリンダブロック1の前端壁11から、後方に向かって突出するように、この前端壁11と一体に設けられていて、図4に示すように、冷却液導入路4乃至連結路43の深さ方向の全域に亘って上下方向に延びて配設されている。このように、ボス部6をシリンダブロック1の前端壁11と一体に設けると共に、その高さを十分に延ばして形成することにより、ボス部6の剛性を十分に高めて、エンジンの信頼性を確保することができる。
また、図6に示すように、ボス部6に形成されたヘッドボルト孔221の中心と、第1シリンダS1に対して前側でかつ左側に位置するヘッドボルト孔222の中心とを左右方向に結ぶ直線Lは、第1シリンダS1の前端近傍を通るように設定されていると共に、ボス部6は、冷却液導入路4の前区画壁41に対して、前後方向に対して重なるような位置に配設されている。
そうして、このボス部6における右側の側面は、冷却液導入路4の連通口に対して相対して配置される分流制御壁61を構成している。
この分流制御壁61は、シリンダブロック1の前端壁11から後方に向かって延びるように配設され、それによって、冷却液導入路4から連結路43乃至冷却液ジャケット3に流れ込む冷却液がこの分流制御壁61に当たることで、冷却液をシリンダブロック1の後方に指向させて、前記冷却液ジャケット3に流す機能を有する(図6の白抜きの矢印参照)。
ここで本実施形態においては、図6に示すように(尚、図6は図3に対して天地を反転させて描いている)、分流制御壁61の先端(エンジン後方の端部)が、冷却液導入路4の後区画壁42よりも、所定の突出量Δtだけ後方に突出して配設されている。こうすることにより、冷却液導入路4から連結路43を経て冷却液ジャケット3に冷却液が流れ込む際に、右側の流路32の側に流れてシリンダブロック1の後方へと流れる冷却液の流量割合が、前側の連通路33の側に流れて主にシリンダヘッド側へと流れる冷却液の流量割合に対して相対的に高まるようになる。
このことについて、図6,7を参照しながら説明する。図7は、前記突出量Δtに対する、右側の流路32の側に流れる冷却液の流量割合(黒四角)及び前側の連通路33の側に流れる冷却液の流量割合(白丸)の関係を示す図であり、この関係は、シミュレーションにより得られたものである。ここで、突出量Δt=0は、分流制御壁61の先端位置と冷却液導入路4の後区画壁42は前後方向に同じ位置であることを意味し、突出量Δtがプラス(+)であることは、分流制御壁61の先端位置の方が、冷却液導入路4の後区画壁42よりも後方に突出していることを、逆に突出量Δtがマイナス(−)であることは、分流制御壁61の先端位置が、冷却液導入路4の後区画壁42よりも前方に位置していることをそれぞれ意味する。
図7によると、突出量Δt=0のときは、右側の流路32の側に流れる冷却液の流量と、前側の連通路33の側に流れる冷却液の流量との割合が50:50となり、突出量Δtがマイナスのときには、前側の連通路33の側に流れる冷却液の流量との割合が相対的に高まる一方、突出量Δtがプラスのときには、右側の流路32の側に流れる冷却液の流量との割合が相対的に高まる。
従って、本実施形態の如く分流制御壁61の先端を、冷却液導入路4の後区画壁42よりも後方に突出させることによって、右側の流路32の側に流れてシリンダブロック1の後方に流れる冷却液の流量の割合を、前側の連通路33の側に流れて、主にシリンダヘッド側へと流れる冷却液の流量の割合よりも高めることができる。その結果、十分な量の冷却液を、シリンダブロック1においてシリンダ列を周回するように流すことができ、シリンダブロック1の冷却を適切に行うことができる。
また、前側の連通路33の側に流れた冷却液は、そこからシリンダヘッド側へと導入されるため、前記シリンダ列を周回した後の冷却液と合わさって、シリンダヘッドの冷却も適切に行うことができる。
さらに、右側の流路32の側に流れる冷却液の流量の割合が相対的に高いことにより、シリンダブロック1において、シリンダ列を周回する冷却液の流れ方向は、概ね図3における時計回り方向となる。従って、冷却液ジャケット3内を時計回り方向に流れる冷却液の流れと、反時計回り方向に流れる冷却液の流れとが、冷却液ジャケット3の途中において衝突するようなことが回避され、シリンダブロック1内の冷却液の流れがスムースになる。
それらの結果として、シリンダブロック1の冷却効率が高まる。
また、分流制御壁61によって、冷却液導入路4から冷却液ジャケット3へと流れ込む冷却液が第1シリンダS1のボア壁に直接当たることが回避される。これによって、シリンダS1のボア壁を局所的に冷却することが回避され、シリンダブロック1の熱歪みの点で有利になる。
尚、右側の流路32の側に流れてシリンダブロック1の後方に流れる冷却液の流量と、前側の連通路33の側に流れて、主にシリンダヘッド側へと流れる冷却液の流量との割合は、適宜設定することが可能である。シリンダブロック1の冷却を十分に行う観点からは、右側の流路32の側に流れて、シリンダブロック1の後方に流れる冷却液の流量の割合は50%以上であることが好ましい。従って、分流制御壁61の先端位置は、冷却液導入路4の後区画壁42と同じ位置か、それよりも後方に突出させることが好ましい。
また、前記の実施形態では、本発明をクローズドデッキタイプのシリンダブロック1に適用したが、本発明はオープンデッキタイプのシリンダブロックに適用することも可能である。また、シリンダブロック1の気筒数には特に制限はない。
以上説明したように、本発明は、シリンダブロックの冷却を適切に行うことができるから、複数のシリンダが直列に配置されたエンジンの冷却液分流構造として有用である。
シリンダブロックの平面図である。 シリンダブロックの右側面である。 図2のIII−III端面図である。 図2のIV−IV断面図である。 図2のV−V断面図である。 冷却水導入路の連通口の部分を拡大して示す説明図である。 シミュレーションにより得られた、突出量に対する分流割合の関係を示す図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
11 前端壁
12 後端壁
13 左側壁
14 右側壁
16 取付座
22 ヘッドボルト孔
3 冷却液ジャケット
31 左側の流路
32 右側の流路
33 前側の連通路
34 後側の連通路
36 導出孔(冷却液導出部)
4 冷却液導入路
41 前区画壁
42 後区画壁
5 循環ポンプ
6 ボス部
61 分流制御壁
S1〜S4 シリンダ

Claims (5)

  1. 複数のシリンダが前後方向に直列に配置されたシリンダ列を有するシリンダブロックと、
    前記シリンダ列を挟んだ左右方向の一側及び他側のそれぞれにおいて前後方向に延びる一側及び他側の流路と、前記一側及び他側の流路の前端部及び後端部のそれぞれを互いに連通させるように略左右方向に延びる前側及び後側の連通路とからなり、前記シリンダ列を周回するように前記シリンダブロックに設けられた冷却液ジャケットと、
    前記シリンダブロックの左右方向の一側の側壁における前端部において、前後方向に相対する前区画壁及び後区画壁によって区画されて左右方向に延びるように配設されると共に、その下流端が、前記一側の流路と前側の連通路との接続部分付近において前記冷却液ジャケットに連通することにより、外部から前記冷却液ジャケットに冷却液を導入する冷却液導入路と、を備え、
    前記冷却液ジャケットにおける前側の連通路は、前記シリンダブロックの上側に取り付けられるシリンダヘッドの冷却液ジャケットに向かって冷却液を導出させる冷却液導出部とされており、
    前記冷却液導入路の前記冷却液ジャケットに対する連通口の近傍には、前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックに対して締結するためのヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト孔のボス部が、前記シリンダブロックの前端壁から後方に突出するように当該前端壁と一体に設けられており、
    前記ボス部は、前記シリンダブロックの前端壁から後方に向かって延びることで前記連通口に対向して配置されると共に、前記冷却液導入路に沿って流れることで左右方向に指向して前記冷却液ジャケットに流入する冷却液を後方へと指向させ、それによって、前記一側の流路と前側の連通路との双方に冷却液を分流させる分流制御壁を有しており、
    前記分流制御壁の先端の前後方向に対する位置は、前記冷却液導入路の前記後区画壁と同じ位置か又は当該後区画壁よりも後方に突出するように設定されているエンジンの冷却液分流構造。
  2. 請求項1に記載のエンジンの冷却液分流構造において、
    前記冷却液導入路から一側の流路の側に流れた冷却液は、前記後側の連通路から前記他側の流路を経由して、前記前側の連通路に至るように流れるエンジンの冷却液分流構造。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの冷却液分流構造において、
    前記冷却液導入路の連通口の近傍に配置された第1のヘッドボルト孔に対し、前記シリンダを挟んだ左右方向の逆側位置には、別のヘッドボルトが挿通される第2のヘッドボルト孔が形成されており、当該第1のヘッドボルト孔と第2のヘッドボルト孔とを左右方向に結ぶ直線は、前記最も前側に位置するシリンダの前端近傍を通り、
    前記ボス部の前後方向に対する位置は、前記冷却液導入路の前区画壁に対して重なるような位置に設定されているエンジンの冷却液分流構造。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの冷却液分流構造において、
    前記ボス部の分流制御壁は、少なくとも前記冷却液導入路の深さ方向の全範囲に亘って、上下方向に延びて設けられているエンジンの冷却液分流構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却液分流構造において、
    前記冷却液導入路の上流端は、前記シリンダブロックの一側面において、前記左右方向の外方に向かって開口しており、
    前記シリンダブロックの一側面にはまた、前記冷却液導入路の上流開口を囲むように取付座が形成されていて、当該取付座に対して冷却液の循環ポンプが取り付けられているエンジンの冷却液分流構造。
JP2008168920A 2008-06-27 2008-06-27 エンジンの冷却液分流構造 Pending JP2010007596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008168920A JP2010007596A (ja) 2008-06-27 2008-06-27 エンジンの冷却液分流構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008168920A JP2010007596A (ja) 2008-06-27 2008-06-27 エンジンの冷却液分流構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010007596A true JP2010007596A (ja) 2010-01-14

Family

ID=41588366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008168920A Pending JP2010007596A (ja) 2008-06-27 2008-06-27 エンジンの冷却液分流構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010007596A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231704A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Toyota Motor Corp 多気筒型内燃機関のシリンダブロック
CN103670768A (zh) * 2012-09-07 2014-03-26 北京汽车动力总成有限公司 发动机冷却水套及发动机冷却***
WO2017130435A1 (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 愛知機械工業株式会社 シリンダブロックおよびこれを備える内燃機関

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01158516U (ja) * 1988-04-15 1989-11-01
JPH048725U (ja) * 1990-05-15 1992-01-27
JP2008008195A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Mazda Motor Corp エンジンの冷却装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01158516U (ja) * 1988-04-15 1989-11-01
JPH048725U (ja) * 1990-05-15 1992-01-27
JP2008008195A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Mazda Motor Corp エンジンの冷却装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231704A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Toyota Motor Corp 多気筒型内燃機関のシリンダブロック
CN103670768A (zh) * 2012-09-07 2014-03-26 北京汽车动力总成有限公司 发动机冷却水套及发动机冷却***
WO2017130435A1 (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 愛知機械工業株式会社 シリンダブロックおよびこれを備える内燃機関

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10107171B2 (en) Cooling structure of internal combustion engine
JP4375261B2 (ja) シリンダヘッドおよびこれを用いた水冷エンジン
JP2009293575A (ja) 内燃機関のオイル通路構造およびシリンダヘッド
US9863295B2 (en) Engine unit
JP2009052439A (ja) ウォータジャケット使用方法
KR20040027309A (ko) 엔진의 냉각 시스템
JP5146024B2 (ja) 冷却装置
JP2010007596A (ja) エンジンの冷却液分流構造
JP2010203245A (ja) 内燃機関の冷却構造
JP4479700B2 (ja) V型内燃機関の冷却装置
US11092109B2 (en) Block insert and cylinder structure of vehicle engine including the same
JP4206326B2 (ja) 多気筒エンジンとその造り分け方法
JP6517874B2 (ja) 冷却水路を備える内燃機関
JP2010031689A5 (ja)
JP2010031689A (ja) シリンダヘッドのウォータージャケット構造
JP4578415B2 (ja) V型内燃機関の熱交換器配置構造
CN110886645B (zh) 内燃机主体
JPH06173675A (ja) 多気筒水冷エンジンの冷却装置
JP6712947B2 (ja) 水冷エンジンの冷却構造
JP4483620B2 (ja) エンジンの冷却装置
US10465641B1 (en) Outboard motor and watercraft
JP6146423B2 (ja) 水冷式エンジン
JP4636363B2 (ja) 燃料電池車の冷却構造
JP4623581B2 (ja) 液冷式内燃機関におけるシリンダヘッド
JP7040643B2 (ja) シリンダヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110523

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20120229

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A521 Written amendment

Effective date: 20120329

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120920

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130205

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02